【SS・🎲】2週目我牙丸さん・終 【閲覧注意?】

  • 1二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:37:22

    前スレ↓落としてしまったけどどうしても完結させたくて立てました

    【🎲・SSスレ】ここだけ我牙丸が2週目のブルーロック4【閲覧注意】|あにまん掲示板2週目我牙丸さんのリベンジ、ネオエゴ編に突入ですbbs.animanch.com

    2週目の我牙丸さんが成早を生かすために頑張る話です

    一応最後まで書き溜めてはいるのでどんどんあげていきます

  • 2二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:39:53

    現時点、ネオエゴ第一試合、スペイン対ドイツはダイスの結果によりスペインの勝利

    成早はゴールこそ決められなかったもののカイザーとネスの連携を崩し、無事年棒もついたところ

  • 3二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:40:55

    新英雄対戦第一試合。スペインチーム、FCバルチャ対ドイツチーム、バスタード・ミュンヘンは、FCバルチャの勝利で幕を閉じた。
    一週目とまるで違う展開に、我牙丸は驚いた。
    スペインが、成早のチームが勝ったのは割と嬉しい。
    自分たちが負けたことには、悔しさというよりも驚きの方が勝っていた。
    敗因としては、前回よりラヴィーニョが参戦するのが遅かったため、ノアが参戦するのも同じように遅れたこと、前回と違い、成早がいたためカイザーとネスの連携が上手くいかず、カイザーも得意のカイザーインパクトを披露できなかったことだと思われる。
    我牙丸がしみじみと成早の成長を感じていると、スペインチームの方から成早と蜂楽がこちらにやってきた。

  • 4二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:42:24

    蜂楽は潔の方へ寄っていき、成早は我牙丸の前に駆け寄ってくる。
    「やっぱ我牙丸すっげー!新世代11傑のカイザー差し置いてゴールとか」
    興奮気味に我牙丸を褒める成早を横目に、ネスが大袈裟に舌打ちした。
    「僕とカイザーの連携を一度崩したくらいで調子に乗らないでもらえます?」
    明らかに怒っているネスに、成早は困惑したような表情を浮かべた。
    「え?いや俺は我牙丸すげーなって言っただけじゃん?なんで怒ってんの?」
    「まぁ、彼の才能は認めます。こんなサッカー後進国に置いておくには惜しい。でもあなたはなんなんですか?僕とカイザーのまわりをちょろちょろと引っ掻き回して。本当に鬱陶しい」

  • 5二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:43:00

    「つまり、俺が試合中にお前たちの連携崩したこと怒ってるってこと?いや敵チームだし攻撃の要を抑えるのは当たり前じゃん」
    「そうですけど!こんなチビに抑えられてしまったことに腹が立ってるんです!次はそうは行きませんからね!」
    悔しそうに成早を睨みつけるネス。
    成早は、ネスの怒りが、成早にしてやられたことへの悔しさから来る八つ当たりだということに気づいて、にんまりと口角を上げた。
    「それって、俺のこと評価してくれてるってことだよね!ありがとー!」
    「ーーっ!もう!」
    ネスは怒りからか、顔を真っ赤にして声にならない声を上げることしかできなかった。
    「おいネス、そんなところで何やってる」
    後ろからカイザーの長い腕がネスの首に回された。
    「!カイザー!」
    「あ、お前、我牙丸だったか?初めてにしてはなかなか良かったぞ。俺には及ばないが、俺にはないプレースタイルだ。─行くぞ、ネス」
    我牙丸に好意的な言葉をかけるも、成早には一瞥もくれずに、カイザーはネスを引きずっていく。向かう先は潔のところだろうか。
    「なんか、ブルーロックの奴らもだいたいやばいけど、輪をかけてやばそうだな…我牙丸なら大丈夫そうだけど」
    成早はネスとカイザーの後ろ姿を見ながら呆れ顔で言う。
    「あいつらが気になってんのは潔だからな。成早は─」
    我牙丸が言いかけた時、モニターに絵心が映った。

  • 6二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:43:56

    我牙丸にとってはおなじみの、年俸価格によるランキング発表である。
    一週目と違い、第一試合から出場したので、我牙丸にも年俸がついていた。
    そして、成早にも。
    ひとまず、これで自分も成早も、次の試合への活路は見出したことになる。
    「お前も、やっぱすげーな」
    我牙丸は自分のずいぶん下にある小さな頭を見下ろした。
    「へへっ。頑張った!」
    成早は、我牙丸を見上げてピースサインをしてみせた。

  • 7二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:45:26

    ***

    スペイン対イングランド

    1.スペインの勝ち

    2.イングランドの勝ち

    dice1d2=1 (1)


    成早の活躍

    1.1点決めた

    2.成早のアシストで蜂楽が決めた

    3.玲王、凪に抑えられて思うように動けなかった

    dice1d3=1 (1)

  • 8二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:46:32

    スペイン対イタリア

    1.スペインの勝ち

    2.イタリアの勝ち

    dice1d2=1 (1)



    成早の活躍

    1.1点決めた

    2.成早のアシストでラヴィーニョが決めた

    3.馬狼を徹底マーク 馬狼を止めた

    3.思うように動けなかった

    dice1d4=4 (4)

  • 9二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:47:42

    フランス対スペイン

    1.フランスの勝ち

    2.スペインの勝ち

    dice1d2=2 (2)


    成早の活躍

    1.1点決めた

    2.蜂楽、ラヴィーニョのアシスト

    3.凛、士道のシュートをカットした

    4.思うように動けなかった

    dice1d4=4 (4)


    U-20W杯メンバーに

    1.スタメン

    2.ベンチ

    dice1d2=2 (2)

  • 10二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:49:10

    U-20W杯が終わった。
    これからは、それぞれオファーのきたサッカーチームと契約を交わし、そのチームでプレーすることになる。
    長いようで短かったブルーロックの生活も終わりだ。
    チームに所属する前のつかの間の休暇期間に、我牙丸と成早は以前ブルーロックでチームZに居た頃に交わした約束を果たすべく、成早の家に来ていた。
    我牙丸にとっては、一度は果たすことが叶わず失ってしまったものだった。
    「うちの家、兄弟多いし狭いけど、みんな我牙丸が来るって言ったら喜んでたよ」
    我牙丸を駅まで迎えに来た成早が、横を歩きながら言う。
    新英雄対戦を乗り越え、U-20W杯を終えた成早は、身長こそ我牙丸に及ばないが、最初に会った時に比べると筋肉もついてがっしりしてきた。
    海外チームから高額オファーも来て、来シーズンからは我牙丸と同じチームでプレーすることになる。
    所属が新英雄対戦が終わった時、成早も我牙丸も、複数のチームからオファーが来たのだが、我牙丸が、今度こそ成早と同じチームが良いと言い張って、同じチームからのオファーを受けることにしたという経緯がある。
    成早としても、我牙丸に頼らないプレースタイルは確立できたので、この上我牙丸の誘いを断る理由もなかった。

  • 11二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:50:11

    成早が、見覚えのある古いアパートのドアを開ける。
    中から、これまた見覚えのある若い女性が出てきた。
    「おかえり!あ、我牙丸くんね?朝日がお世話になってます」
    自分の記憶にある彼女の姿は、苦労や悲しみに圧されてやつれ、萎れた印象だったが、目の前に居るのは快活でしっかり者のお姉さんだ。
    「え、と、こちらこそ」
    前とは何もかもが変わったのだ。
    そう思ったらなんとも言えない気持ちが湧き上がってきた。
    成早の姉は、どぎまぎしている我牙丸を見てくすくすと笑う。
    「来てくれてありがとう!狭いけど、上がって」
    言われるまま、靴を脱いで部屋に入る。
    確かに狭いけれど、学校で描いたらしい水彩画とか、百点のテストなどが貼ってあって暖かい家だった。

  • 12二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:51:06

    すぐさま我牙丸は、成早の弟妹達に取り囲まれて、リビングに案内された。
    「わー!本物の我牙丸だー!」
    「カイザーインパクト止めたの見てたよ!すごかった!!」
    「どうしたらそんなにデカくなれるの?」
    などなど。各方面からわいわいと話しかけられて、くすぐったい気持ちになる。
    「え、あ、いっぱい寝ていっぱい食べるとデカくなる」
    一度に話しかけられて混乱している我牙丸を、成早はニコニコと笑って見ている。
    助けを求めるように成早に目で訴えると、成早は寄ってきて弟の頭を撫でた。
    「ほらほら、一度に話しかけると 我牙丸が困るだろ。焦んなくても今日は泊まりだからゆっくり話せるぞ。」
    「うん!」
    弟たちは素直に成早の言うことを聞いて我牙丸ににぱっと笑いかける。
    成早に似て表情が豊かで人懐こい。
    我牙丸はそっと手を伸ばして自分の随分下にある小さな頭を撫でた。
    下の弟は、撫でられて一瞬きょとんとしたが、すぐに嬉しそうにはにかんだ。
    かわいい。我牙丸は既に成早家が好きになった。
    「我牙丸、台所の準備できたから手洗ってこいよ」
    いつの間にかエプロンをつけて腕まくりして、準備万端といった格好の成早が言う。
    「ん。わかった。じゃあこれ、先に渡しとく」
    猪肉の入ったビニール袋を成早が受け取る。
    下の弟がいそいそと我牙丸を洗面所に連れて行ってくれた。陽太というらしい。

  • 13二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:52:24

    手を洗ってから台所に行くと、成早は肉の下ごしらえを終えて具材を切っているところだった。
    我牙丸は普段、新鮮な肉は生で食べるし、料理といっても焼くくらいしかしないので、下ごしらえなどしてある肉を見ると、なんとなく感慨深い気持ちになった。
    なんというか、自分の子どもが知らない間に立派になっていたらこんな気持ちになるのではないだろうか。漫画でよく見かけるけれど、なるほどこんな感じなのか。
    「そういえば我牙丸って包丁使ったことある?」
    肉を見つめて謎の感慨に浸っていると、成早が訊いてきた。
    「その形のは使ったことない。猪とか解体する時はナイフ1本だし」
    「調理実習の時は?」
    「俺が使うと危ないからやめろって言われた」
    「じゃあちょっとやってみるか?」
    成早に言われるまま、人参と包丁の載ったまな板の前に立つ。
    人参も、大抵生で食べるから、丁寧に切るなんてことはない。
    肉と人参は違うし、どう切ろうか。
    人参は硬い。ならば木を割る要領で─
    包丁を振り上げた「ちょっとちょっとストーップ!!」
    成早が慌てて止めに入ったので、仕方なく包丁を下ろす。
    「そんな斧みたいにやっても切れないしめっちゃ危ないからやめろよマジで」
    「そうか?いつも生で食べるから知らんかった」
    成早が目を丸くするが、我牙丸にとってはそれが普通である。
    「んー。じゃあ肉とニンニクを炒めてくれる?このヘラでコゲつかないようにサッサって動かしてればいいからさ」
    そういいながら、鍋に油をしき、肉と刻んだニンニクを入れて火をつけて、木ベラを渡された。
    「…こうか?」
    言われたようにやってみるが、あっているかよく分からない。
    「うん!そんな感じ!鍋だから底にくっつくかもしれないけど、そんな時は一回ここの上に置いて底を冷ましたら取れるから」
    成早はそう言って、コンロの横の作業スペースに、濡れ布巾を敷いた。
    「あ、ほんとだ」
    「だろ!」

  • 14二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:53:29

    喋りながらも、成早はてきぱきと具材を切っていく。
    鍋からいい匂いがしてきたところで人参、じゃがいも、玉ねぎ、きのこを入れ、しばらく炒めてから水、トマト缶、調味料、酒を入れた。
    「ほー。料理って色々するんだな」
    シチューなんて、具材をただ煮込むだけだと思っていたのに、炒めたり下ごしらえしたり、ここまで手間がかかるものだとは知らなかった。
    「シチューは特に時間かかるってのもあるけど、成功したら美味しいのできるから楽しいよ。お金なくても工夫したら豪華に見えたりしてさ、こうやって誰かと一緒に作るのも面白いし」
    なるほど、なんとなくわかる気がした。
    我牙丸は今まで料理など教えられたこともなかったから知らなかったが、友達とこうやって作るのは楽しいし、どんなものができるのかわくわくする。
    成早が鍋をかき混ぜて蓋をした。
    煮込むのにしばらく時間がかかるというので、一旦弱火にしてからリビングに移動する。
    時折シチューの様子を見に行きながら、成早のきょうだい達と話したりして、時間はあっという間に過ぎていった。

  • 15二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:54:11

    「美味しいか…?」
    「うん!いける!我牙丸も、ほら!」
    出来上がったシチューの味見をしている成早に尋ねれば、シチューの乗ったスプーンを差し出された。
    そのままぱくりと口に入れると、まろやかな旨みとかすかな酸味が口の中に広がった。
    「大成功」
    「だね!」

  • 16二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 23:54:45

    器にシチューをよそって、丸い座卓の上に並べる。スプーンやコップなどは、成早のきょうだいたちが喜んで並べてくれた。
    「いただきます!」
    みんなでテーブルを囲んでわいわいと食べ始める。二人で作ったシチューは、大好評だった。
    弟妹たちが美味しい美味しいと言いながら久しぶりの肉を嬉しそうに食べているのを、成早はニコニコと見ている。
    普段は弟キャラの成早が、家では立派に兄の顔をしているのが新鮮だった。
    いや、前回は見たことがなかっただけで、今回は、我牙丸が夜な夜な成早の生存確認をしていた時、髪留めを探してくれた成早の前で泣いてしまった時、成早はこんな表情で我牙丸に寄り添ってくれていた。
    そして、ようやく今、前回は果たすことの出来なかった約束を目の前に見ている。

    全てが、あの最悪な”未来”とは違うのだ。
    その事実が、我牙丸の心にすとんと落ちてきた。
    今あるのは、我牙丸と同じチームでプレーすることが決まった成早と、快活で優しい姉と、元気な弟妹たち。
    そして、友を得た我牙丸。

    「我牙丸、どうかした?」
    ずっと黙っていた我牙丸に気付いた成早が言った。
    「─いや、幸せだって、思ってた」
    我牙丸は、ふわりと顔を綻ばせた。




    END

  • 17スレ主23/07/20(木) 23:58:14

    ひとまずこれで完結です
    お付き合いいただきありがとうございました

    結末は色々考えてたんですが、ネオエゴ編ダイスで年棒ついてくれたのでハッピーエンドにしました

  • 18二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 00:10:33

    完結ありがとうございます!!!!
    成早生存ありがてえ…ありがてえ…!!!

  • 19二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 00:11:19

    成早生存のために2周目頑張る我牙丸さんはいいぞ ハッピーエンドでよかった…

  • 20スレ主23/07/21(金) 00:19:48

    バッドエンドだったら成早と猪シチュー食べようとした所で夢オチとかも考えてましたが、我牙丸さんと成早のハッピーエンドを書いたことがなかったので幸せにしたくてこうなりました


    残りのスレは我牙丸さんと成早を語るでも、なんでも自由に使ってもらって大丈夫です!
    ダイスもお好きにどうぞ

  • 21二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 00:51:57

    夢オチはあまりにも人の心案件なのでちゃんとハッピーエンドでよかったわ…!

  • 22二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 01:05:33

    成早 1点決められたんだね
    そしてナチュラルにスペイン全勝してる

オススメ

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