[SS注意]

  • 1二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 00:55:38

    久しぶりに会ったオグリはカサマツにいた頃と変わらず元気そうだった。無邪気に色々なことを聞いてくる様子はまるで大型犬みたいだな、と思いながら自販機で買ったペットボトルのうち一本をオグリに渡す。隣の彼女にちらりと目を向け、そしていつの間にか釘付けになってしまった。ほんのりと上気した頬。微かにふわりと鼻を擽る甘い匂い。水を飲み干し、小さく息を吐く唇は濡れて艶やかに光っている。
    自分とは一回りも二回りも年の離れた、ともすれば娘のような年端の少女がこの瞬間だけは一人の女に見えたことに焦った。そして、教え子をこんな目で見てしまった自分がいることに気付かされる。いや、それとも今まで気づかないふりをしていたつけが回ってきたのかもしれない。

    オグリに見合うトレーナーになると約束したのにこの様だ。思いっきり自分の頬を叩いた俺を見てオグリがどうかしたのかと聞いてくる。
    「改めて気合を入れようと思って」
    嘘偽りのない本心のはずの自分の言葉が何故だか薄っぺらく聞こえた気がした。

  • 2二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 00:56:43

    久しぶりに会えたのが嬉しくて、ついはしゃいでしまった。
    「とりあえずこれ飲んで落ち着け」そう言って手渡されたのはスポーツドリンクのペットボトル。お礼を言って受け取り、一息に飲む。先輩たちと併走していたのもあり、体に沁みていく。

    はぁっと息を吐いていると、いきなりぱちんという音。
    何かと思い顔を上げると、北原が自分の頬を叩いた音なのだと分かった。
    「いきなりどうしたんだ?何かあったのか?」
    「いや、ただ改めて気合を入れようと思って」
    そう言うと彼は自分の分のペットボトルを開け、ごくごくと飲み干していく。

    私はぼうっとその様子を見ていた。上下する喉仏だったり、がっしりとした腕だったり、ウマ娘の嗅覚だから分かる男の匂いだったり。彼を構成する全てが根本的に自分とは異なるのだと思い知らされ、その事実がどうしようもなく私の心を昂らせてしまう。
    私に見合うトレーナーになると言ってくれた人に対して、この感情は許されない。
    「怪物」の醜い内面など見せてはいけないのだ。

  • 3二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 00:57:59
  • 4二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 00:58:39

    久々にストレートなインモラルssだ…
    ドキドキしたぜ

  • 5二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 01:03:51

    いかんぞ北原未成年の教え子を異性として見るなんて!

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