【CP&女体&超閲覧注意】グエル♀がラウダと part4

  • 1二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 13:36:33

    幼い頃から二人っきりのお屋敷で、触り合いっこと称して遊んでるうちに性的なことに無知なまま本能に従って一線を超えてしまい、グエキャンの真っ最中に妊娠が分かる世界線

    さすがに今ではいけないことだと理解しつつも、ストレスがたまったらどちらともなく誘ってしまい行為に耽ってしまっていた

    勿論、セーフティに努めていたしグエルにとっても青天の霹靂


    グエル♀はラウダを一人の男性として、本人に自覚はないものの恋愛感情が芽生えており、

    ラウダもまたグエル♀に対して姉として愛してると思いつつも、本人がまだ気づいてないだけで恋愛感情を抱いている


    前スレ

    【CP&女体&超閲覧注意】グエル♀がラウダと part3|あにまん掲示板幼い頃から二人っきりのお屋敷で、触り合いっこと称して遊んでるうちに性的なことに無知なまま本能に従って一線を超えてしまい、グエキャンの真っ最中に妊娠が分かる世界線さすがに今ではいけないことだと理解しつつ…bbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 13:37:52

    グエキャン中、グエル♀が医務室へいったことから妊娠が発覚、ヴィムがそのことを知ることに
    シャディクに匿ってもらうも、シャディクを巻き込みたくなかったグエル♀は自ら飛び出し、ヴィムの元へ
    現在はジェターク社の一室で監禁状態

    お腹の子の父親であるラウダはそのことにまだ気づいておらず、いなくなったグエル♀を探し回った後、ジェターク社にてようやくグエル♀を発見
    妊娠していることを知り、自分の子ではないかと思っていたが、他ならぬグエル♀によって否定される
    「愛した男との子供」というグエル♀の嘘を信じ、グエル♀との信頼関係が揺らいでいる状態
    自分が頼りなかったから姉さんは自分を頼ってくれなかった、姉さんは変わってしまったと感じている
    グエル♀への思いは家族愛だと信じこんでいる

    ヴィムは、グエル♀の腹の中の子供を、匿っていたシャディクとの子供だと思い込んでいる為、シャディクにグエル♀との結婚を迫っている
    グエル♀をシャディクに嫁がせ、グラスレー社にも力を及ぼしたい模様

    シャディクは現在グエル♀が監禁されている部屋を訪問中
    グエル♀の相手はラウダではないかと疑っているがまだ確信を持てていない

    グエル♀はお腹の子供とラウダを守る為なら、どんな手段も厭わないと決意は固い様子

  • 3二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 13:42:52

    たておつ! なんかこう……なんとかして幸せになれ……ッ

  • 4二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 13:51:07

    乙です!

  • 5二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 13:53:35

    乙です
    ラウダは早く物語の上に戻って来なさい
    このまま蚊帳の外はまずいから

  • 6二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 13:58:48

    このハラハラドキドキが🎲スレのいいところ

  • 7二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 14:03:10

    ダイス神がラウダに最悪の選択を与えてくスタイル…
    鎮まり給え…

  • 8二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 14:07:46

    たておつ

  • 9二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 14:40:20

    すごいハラハラする

  • 10二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 14:40:57

    おつですー

  • 11二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 14:41:08

    グエル幸せになれ〜

  • 12二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 16:27:39

    ラウダにはかなり成長してもらわんと…
    現状のまま姉からの歩み寄りでパパになっても不安しかないぞ

  • 13二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:16:04

    前スレわがままオタクですがラウグエ固定で安心しました〜
    くっつくまでにこれでもかと言うほどこじれるの、一昔前のBL感があって良いですね(女体化だけど)
    平成しぐさと親和性のあるラウグエ……推せる!

  • 14二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:27:18

    くっついてほしいけど🎲によるとこあんのがハラハラなんだよ……
    ラウダ頑張れ…

  • 15二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:48:58

    >>13

    このスレ主は答えてくれたし、元々そういうつもりだったんだろうけど、あんま○○じゃなければもう見ないとかいちいちスレで言ったりスレ主に聞かない方が良いと思うよ

    🎲スレは何でもありなスレだし…

    合わないと思ったらブラウザバックでいいかと

  • 16二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 17:54:28

    ダイスだからってカップリングもなんでもありなスレが普通なわけではないし
    スレ主がどういう傾向で立ててるのか聞きたいってのは別に悪いことじゃないと思うけど

  • 17二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 18:01:07

    どういう傾向か聞きたいのはまだ分かる
    でも「私固定だから○○だったらもうこのスレ来ない。固定じゃなかったらさっさと去るから早めに言って~」って聞き方はどうかと思うな…
    これって固定ですか?までなら全然アリだと思うよ!

  • 18二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 18:01:42

    まぁまぁ、次回から気をつけよ!

  • 19二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 18:04:01

    まあ言い方には気をつけた方がいいとは思うけどなんかシャディグエ見たい!みたいなレスが増えてきたから聞いたんじゃない?
    ブラバしようにも判断しづらいし

  • 20二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 18:05:25

    以下保守

  • 21二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 18:06:05

    ラウダ!がんばれ!ラウダ!!がんばれ!!

  • 22二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 19:58:02

    (カプはラウグエ固定、🎲によってはラウダ⇔グエル♀(自覚なしを含む)が大前提の○○+グエル♀エンドもありえるかもしれないといった感じです!ラウダ頑張れ!!とても頑張ってほしい!!頑張れ!!!)

  • 23二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:07:34

    どくどくと心臓が早く脈打ち、視界がぐらぐらと揺れる。
    頭を容赦なく殴られたような衝撃。胃の辺りがぐるぐるとまわって吐き気がしてくる。
    (琥珀色の瞳に…濃紺の髪……父親似の、)
    グエルの頭の中にはラウダの姿が浮かんでいる。
    アスティカシア高等専門学園の制服を着て、いつもグエルのななめ後ろを歩いていて、グエルがそっちを向けば嬉しそうに駆け寄り、「姉さん、どうかした?」と聞いてくるのだ。
    グエルよりも納まりが良いサラサラとした濃紺の髪も、美しく輝く父親譲りの琥珀色の瞳もすべてグエルが好きだった。
    ラウダが猫のようにグエルの首元に擦り寄ると髪があたってくすぐったかった。その感触さえ愛しく思っていた。
    琥珀色の瞳と濃紺の髪を持つ人間なんて、グエルの傍には一人しかいない。
    …ラウダだけしか、いない。
    そしてその人間を、シャディクはグエルのお腹の子供の父親だと言っている。
    僅かに開いた唇が震える。あっ、と小さな情けない声が出た。
    グエルを固定していたシャディクの指先が、グエルの首をなぞり、一房髪を掴んで先端まで滑る。
    震える手でもう一度シャディクの胸を押す。力は全く入っていなかったが、シャディクが少しだけグエルから離れる。
    耳元から顔が離れ、伏せていた瞳をあげてグエルはシャディクを見る。
    シャディクは笑っている。さっきと同じような顔で。そこにからかいの類は一切ない。
    背筋に悪寒が走る。
    「な、何で……知って……」
    声が若干震えてしまった。
    腹を守るように背を丸める。これ以上シャディクの顔を見るのが怖かった。
    何で、どうして…そんな問いばかりが頭を巡る。
    シャディクの前で、何かへまをしたのだろうか。人前でラウダとの必要以上の接触はなかったはずだ。
    誘う時も、念入りに誰もいないことを確認した上で声をかけていた。ラウダだって同じ。
    この関係が、誰かに漏れたらいけないと、誰よりも自分たちが分かっていた。
    互いの部屋を行き来するときも人目を気にしていた。それに見られた所で、弟の部屋に行くだけだ。少し打ち合わせをしていたと言えば怪しむ者もジェターク寮にはいない。
    シャディクの腕が優しくグエルの体を抱きしめる。
    ぎゅっとしたものではなく、ふんわりとしたものだったが、ひっ、と口から怯えた声が漏れ、大げさに体がはねる。
    これが優しい抱擁ではないこと位、グエルには分かる。逃がさない、と言われている。

  • 24二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:12:04

    宥めるように背中を柔く撫でられ、シャディクの腕の中でますます身をちぢこませる。
    ラウダ、と思わず心の中で弟の名を呼んでしまった。

    「この結婚、お前にとってもメリットがある筈だ。俺が子供の父親である限り、お前の父親は相手を詮索してこない」

    …そうだ。現に父はシャディクをお腹の子の父親だと思っているから、これ以上グエルを問い詰めることも、何らかの方法で父親を調べようともしてこなかった。
    そしてシャディクとの子供だと思っているからこそ、グエルも腹の子供も今無事にここにいる。利用価値ががあると、まだ思われているから。
    もし子供の本当の父親を知れば……間違いなくこのままというわけにはいかない。
    見開かれた瞳から涙が一筋零れる。突き崩された心にシャディクの声は甘い色を纏って滑り込んでくる。
    子供を守りたいんだろう、と耳元で囁かれる。そうだ、俺は腹の子供を、ラウダを守らないといけない。

    「勿論俺にとってもいいことはある。ジェターク家の人間と結婚できれば、俺も家の後継者争いから一歩リードできる。御三家同士の婚姻なんて初めてだけど、きっと繋がりは濃く、強くなる…お前の父親がグラスレー社に口出しできるように、俺もジェターク社に手を伸ばせるってわけだ。」

    な?いいことだろう。そう甘く優しくシャディクは告げる。
    は、は、は、と呼吸が浅く短くなっていく。思考がまとまらない。苦しくて苦しくて、ここから逃げ出したいのに、シャディクが、父が用意した部屋がそれを許してくれない。
    シャディクは頭の回転がはやく、油断ならない男だとわかっていた筈なのに。
    これ以上弱いところを見せるな、と頭の中のほんの片隅に残った矜持がそれを訴えるが、子供を、ラウダを、守らないと、父さんに、これ以上失望されたくない…そんなことばかりが頭を占めて冷静な判断が失われていく。
    シャディクが何かを言う度に、冷静な部分が脆く崩れていくのが分かる。

    「俺が今お腹の子供の父親ではないと訴えれば、お前の父親は全力で相手を探すだろうな。学園の生徒だとは分かっているだろうし…相手が見つかるのも時間の問題じゃないかな」

    シャディクがそう訴えれば、父はまずは鑑定にでも出して父親を全力で調べるだろう。
    それはシャディクの嘘を暴くためのものだろうが、シャディクの訴えが事実だと分かれば、何が何でも、どんな手を使っても相手を探すだろう。

  • 25二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:12:42

    おわぁ、めっちゃえちぃ

  • 26二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:14:38

    これ以上聞きたくない。

    やめろ、と小さくシャディクに訴えたが、聞こえていたのか、それとも声が届かなかったのか…グエルには分からないが、グエルの声を気にした様子もない。

    ぎゅっとグエルを抱きしめる力が強くなる。涙に濡れた頬がシャディクの胸に押し付けられる。


    「子供が大事なら、相手を守りたいなら…どれが一番いいかわかるんじゃないか」


    ぐらりぐらりと自分の中の何かが揺れている。

    異母姉弟同士の行為、しかも間に子供が出来たなんて、いくら経営に関係がないといっても、顧客や融資先からの信用を失いかねない。

    父さん、と心の中で父を呼ぶ。父の期待に応えられるような人間になりたかった。そのために、ずっと努力をしていた。でも、

    (こんな形で…力になりたかったわけじゃ……)

    シャディクも、父も、お腹の子供を利用することしか考えてない。それぞれの会社に手を伸ばしたいだけのただの手段、踏み台といったところか。

    …今更ながらミオリネの気持ちが分かった気がする。社の繁栄の為に利用されるだけの立場は気分が悪い。誰も自分を、グエル・ジェタークを見てくれない。

    零れ始めた嗚咽を耐えるために、ぐっと唇を噛む。

    この状態、八方塞がりだ。もうどうすることもできない。

    シャディクのことを信用していた。安心できる人間だと、良い奴だと、そう思っていた。部屋に入ってきた時、安らぎさえ感じていた。

    殺し損ねた嗚咽が零れる。静かな部屋で、グエルのくぐもった声だけが響く。


    「まあ、どうしても逃げ出したくなったら俺に言って。俺なら…どうにかしてやれるよ」


    ぽんぽんと背をあやすように叩かれる。

    逃げ出す…一体どこに。

    逃げ出すなんて許されないとわかっているのに、鈍った頭では正常な判断が出来ない。


    dice1d2=2 (2)

    1.「……どこに?」と思わず聞いてしまう

    2.逃げ出すなんて、許されるはずがない。聞けない。

  • 27二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:23:10

    弟や子ども対する愛を盾に脅されてるのめちゃくちゃ胸糞だし可哀想だけど興奮する興奮する興奮するあああああああああ🤯😭😣😫😆😁😁😁🥰🥰🥰🥰😘😘😘

  • 28二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:23:44

    これは……どうなるんだ!?

  • 29二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:43:49

    シャディクも信用できなくなってしまったグエル!どうなるんだ〜!!どうするんだ〜!!ラウダ早く来てくれ〜!!

  • 30二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:46:27

    ここで逃げ出すことすら選べないのほんと高潔……

  • 31二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 20:58:26

    これに姉との信頼関係が揺らいだ不安定なラウダとかいう特大の爆弾控えてるの怖すぎなんですが…

  • 32二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:00:13

    ラウダの恋愛感情自覚はまだなのか……
    姉さんは護りたい方向に振り切れちゃったからラウダから行かなきゃなのに……

  • 33二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 21:33:19

    自覚はなくても暴れてるのがここのラウダだぞ
    まだ舞える

  • 34二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 22:30:48

    シャディクがこの状況だとあまりにも強すぎる……
    こんなのグエルは契約結婚を受け入れるしかないけど今のラウダにとって脳破壊すぎて勝ち目が見えない…

  • 35二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 22:38:03

    スレッタとミオリネ(とフェルシーちゃん)が完全に蚊帳の外なのが痛いなあ・・・。

  • 36二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 22:39:56

    信頼関係が揺らいで疑い持っちゃってる状態でシャディクと結婚なんかしたらトドメだよなあ…

  • 37二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:01:12

    …判断力が鈍った頭でもわかる。
    ここで逃げ出すなんて、許されるはずがない。
    静かに首を横に振ると、そう、とシャディクの声が聞こえる。少しだけ先ほどとは違う声音に感じたが、今のグエルにはそれが何なのかはよく分からない。
    シャディクが離れていく。またベッドが軋む。ふわりとシャディクの髪が丸まったグエルの首元を擽った。

    「…何かあったら、俺に言え。多少なら…力になれる」

    だらりと垂れさがったグエルの右手をシャディクの両手が包み込んだ。温かい。誰かにこうして手を包まれたことなんて、久しぶりだ。
    少なくともこの部屋に閉じ込められてから、こんな風に握られたことはなかった。
    人の温かさに飢えていたのかもしれない。
    だから、さっきのシャディクとの触れ合いも安らぎを得られてほっとしていた。…ほっとしていた、のに。
    振り払う気力もないまま、シャディクのなすがままに手を包まれている。
    名残惜しそうにグエルの指先までシャディクの指が滑り、離れていく。
    のろのろと顔を上げると、部屋を出ていくシャディクの後ろ姿が見える。引き留めようか、一瞬迷ったがそのままシャディクは部屋を出て行ってしまった。
    (俺は…)
    どうしたいんだろうか。ラウダも、子供も守りたくて、でもこんなことをしでかしても、まだ父にこれ以上失望されたくないとも思っている。
    八方塞がり。どうすることもできない。
    暫くの間ぼんやりと外を眺める。涙を拭い、息を吐く。
    一度泣いたらちょっとすっきりした。誰もいない部屋で深呼吸をして、表情を締める。
    頼れる人間がいないのだから、ますます自分でどうにかしないといけない。
    頭の中でラウダを思いうかべてふ、と表情が綻んだ。
    …ラウダにはひどい嘘を言ってしまった。でもラウダ。お前とお前との子供だけは絶対に俺が守ってやる。
    ぐらりと揺れていた心が、ラウダを思うだけで多少立ち直るから不思議なものだ。
    シャディクは力になれると言っていたが、何処まで信用できるかもわからない。今回のことで、はっきりした。…やはりあいつは信用ならない。
    しかし恨むべくはシャディクではなく、シャディクに縋ってしまった自分の弱さだ。あの時、シャディクについて行かなければこんなことにはならなかった。
    無関係なシャディクが巻き込まれることも、父親に間違われることも。
    シャディクだってグエルを利用しようとも思わなかったはずだ。

  • 38二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:01:34

    スレッタやミオリネが仲間になりそうなルートもあったんだけどダイス神によってラウダがスレッタお助けフラグをほとんど折ってここまで来て地獄の有様になってるしね…

  • 39二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:04:01

    うん、とグエルは一人頷く。やはり俺が駄目だった。すべては俺の責任である。
    納得がいったところで、さて、どうしようかという考えに及ぶ。
    シャディクとの結婚は…正直ちょっと想像が出来ない。でも、同時にそれしか手がないのも分かる。
    ラウダを守ることができて、子供も守れる。しかし同時に利用されるだけの人生が始まり、それに子供が巻き込まれる…そしてシャディクも。
    …シャディクの結婚相手が、グエルであっていいわけがない。
    やはり結婚というのは、好きな相手だったり、特別な人間…とするものじゃないだろうか。グエルの脳裏には、自分を認めてくれたスレッタ・マーキュリーの姿と、こちらをきつく睨み付けるミオリネの姿がちらついて慌てて消した。
    結婚…結婚……衝動的なプロポーズはひとまず置いておくとして、いざ想像してみると、なかなか想像が出来ない。
    つい最近までミオリネと結婚する気だったこともあって、ますます想像が難しい。
    自分で想像するのが難しかったので、ひとまず自分の周りにいる人間を思い浮かべる……ラウダしか思い浮かばなかった。
    ラウダもいずれ結婚するんだろう。隣にラウダのパートナーを思い浮かべて…なぜだろう…とにかく自分でも分からないのだが、なんだか、とてつもなく胸がもやっとした。
    …………?
    自分でもよく分からないけど胸が痛い。もやもやする。さっき衝撃的な出来事に見舞われたからだろうか。何だかとにかくもやもやする。
    胸の中の靄を吐き出すように深く息を吐いた後、もう一度ラウダの結婚を想像して…やっぱり無理だった。
    腹を撫で、首を傾げる。何だっていうんだろうか。自分は弟の結婚も素直に喜べない心の狭い姉だったのだろうか…。
    何だかちょっと心配になってきた。

    (ラウダの隣に誰かいると…胸が苦しい)

    ラウダの隣に誰かがいて、ラウダが誰かと楽しそうに話をしていると心が痛む。
    ラウダの好みの子はきっと自分みたいな人間じゃなくて、もっと小柄で、ラウダよりも身長が小さくって可愛らしい子だ。そういう子がきっとラウダに愛される。
    …またチクリと胸が痛んだ。
    「…良いな」
    知らないうちに、声が零れてはっとした。なんだ、良いなって。そう思うのだが、一度口から零れてしまった思いはグエルの気持ちとは裏腹にノンストップで頭を駆け回る。
    良いな、羨ましい。ラウダに好きだって、愛しているって言ってもらえて、羨ましい。

  • 40二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:05:14

    恋人として、結婚相手として、隣にたてるのが心の底から羨ましい。

    ラウダと言えば、基本的にグエルの斜め後ろしか歩かない。隣に、と強請ってもやってこないのだ。

    隣に並んでもらえる存在が羨ましい。

    ラウダに好きだと、愛してると囁いてもらえる存在が心の底から羨ましい。

    ラウダはグエルに「好き」と言ってくれるがそれは家族としてであって、今グエルが羨む「好き」「愛している」とは違うのだ。

    ラウダに、いつまでも隣にいてほしい。好きだと、愛していると言ってほしい……お前の隣に誰かがいると、すごくもやもやする…胸が痛い…

    そこまで考えて、ふと気づく。


    (…あれ?)


    おかしいじゃないだろうか。

    この暗くて醜くて、めらめらとグエルの心の奥から湧き上がってくる感情は、家族に、弟に向けるものなのだろうか……?

    ラウダがグエルに向ける愛は、とても綺麗で澄んでいる弟が姉へと向ける敬愛である。

    …そんなことは知っている。

    でも今グエルが感じるこれは、そんな美しいものじゃない。あれ?ともう一度首を傾げて腹を何往復も撫でる。

    あの時、ジェターク社でラウダに嘘を吐いた時…いや、思えば本当にあれは嘘だったのだろうか。

    俺が心から愛した男。ラウダを突き放さなければと思う一方で、ラウダを見て心が揺らいでしまったのも確かだった。

    必死に取り繕って、でもラウダの姿が頭にはちらついて。気付けばそんな言葉が口から零れていた。

    弟として愛している…それは間違いない。けど、そんな気持ちで咄嗟に出た言葉じゃなかった。

    ん?いや、そんなまさか…けど、そうなのだろうか?


    dice1d2=2 (2)

    1.この感情…もしかして…俺は…まさかラウダを一人の人間として愛している…?

    2.………?よく分からない…。でもとりあえずすっごくもやもやするな…。

  • 41二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:06:12

    もー!!!もどかしいなあ!!!

  • 42二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:07:01

    この姉弟…揃いも揃って恋愛ポンコツ……

  • 43二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:17:11

    うーん、ずっと二人の世界だったから揃って恋愛偏差値低いのか……

  • 44二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:17:50

    >>37

    シャディク、目的のためなら情のある相手だって利用できるだけでちゃんと人間的な情はあるんだよな

    だからかなんかちょっと寂しそうに見える

  • 45二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:24:36

    >>44

    シャディクはシャディクで不器用というか、取引風アプローチしかできないんだよね

    今回も、脅す以外にも結婚に持ち込む方法はあったはずなんだけど

  • 46二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:25:47

    今ラウダへの思いで頑張れてるなら、もしここでラウダに23話っぽくぶつかられたら、グエル♀ちゃん折れちゃわない?大丈夫?

  • 47二次元好きの匿名さん23/07/23(日) 23:54:47

    このレスは削除されています

  • 48二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:30:49

    >>46

    そこにフェルシーちゃんがいると良いっすね…

  • 49二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:42:05

    >>48

    ・グエル♀が監禁状態

    ・ラウダが🎲によりジェターク寮生と合流してない&フェルペトが🎲によって情報を拾わない

    ・グエル♀の妊娠は恐らく隠されてる

    ときて、フェルシーが合流する理由もタイミングもないんだな…これが…

    ジェターク寮生と合流する🎲2回くらい?あった気がするけどどっちも外してたような

  • 50二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 00:48:21

    学園に戻ったんなら接触する機会自体はある気がする

  • 51二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 01:20:45

    このレスは削除されています

  • 52二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 01:27:48

    このレスは削除されています

  • 53二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 01:42:47

    ラウダもグエルも自分の感情や想いにやっと気づいてラウグエ成立ルート行くかと思ったらダイス神がいややっぱ待ってって急ストップかけてくるの草
    お互い自分の感情に鈍すぎるよ…

  • 54二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 01:59:28

    このレスは削除されています

  • 55二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 07:41:19

    グエル、ダイスの女神に寵愛されがちだから……

  • 56二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 07:55:39

    🎲神がもっと続けろと囁いておられる…

  • 57二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 07:57:26

    本編からして神に愛されてるみたいな巡り合わせしてるからねえ

  • 58二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 11:43:53

    恋愛に対してポンコツなの可愛いんだけど、焦れったいなぁ…もう…

  • 59二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 20:04:02

    鈍感姉弟...

  • 60二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 22:33:46

    保 守

  • 61二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 23:25:43

    ………?

    首を傾げ、まだ真っ平らなお腹を撫でながら考える。

    ……しかしどれだけ考えても、グエルにはこの感情の名がよく分からなかった。

    (でも…とりあえず……すっごくもやもやするな…)

    ラウダの結婚相手を、恋人を想像すると胸が痛くてもやもやする……好きだと言ってもらえて、隣に立てる人間が羨ましい……一体なぜだろう…

    目を細め、ぼんやりと外を眺めた後、ふっと自嘲じみた笑いを浮かべる。ああ、なるほど。ようやく合点がいった。

    要するに、弟離れがまだできないらしい。

    幼い頃、自分の後ろを控えめについて回って時には手を引っ張ってやったラウダ。あの印象がまだあるのだろう。

    可愛い、可愛いと当時から思っていた。俺にこんな弟がいたなんて。嬉しくて嬉しくて毎日何処へ行くにも連れまわした。ベッドにも連れこんで抱き枕にした。

    今でも可愛いと。そう思っている。

    一度うっかりカミルにラウダは可愛いと漏らしてしまって、信じられないような顔で見られた。なんだ、その反応は。失礼な。

    (ラウダは可愛い弟だから……離れると、寂しいんだな)

    自分から突き放しといて我ながら勝手だと思うのだが、でもラウダを守る為なんだからしょうがない。

    …お前のことは絶対に俺が守ってやる。ラウダには綺麗な人生を歩んでほしい。

    そうかそうか。自分は弟離れが出来ていなかったのか。

    そうと分かれば何だかすっきりした。そうか。そうか…

    情けない姉だなぁ、と自分の情けなさにやや沈みながら目を伏せる。

    何だろう。泣き足りなかったのだろうか。今、じわりと何かが胸の奥から込み上げてくる。

    もう一度ラウダの隣にいる誰かを思い浮かべる。胸が痛い。いいなぁ、と口から勝手に声が零れた。

    ……ラウダの恋人になれる存在が羨ましい。


    グエル♀自身気が付いてない、無意識下で必死になって押し殺している蓄積された精神ダメージ

    dice1d100=60 (60)

    1~20  → ラウダを思うと頑張れる!ラウダのことは俺が守らなくては。まだ…大丈夫…のはず

    21~60 → そこそこやばい、立て続けに何かあったら崩れる。

    61~80 → 結構やばい。本人は気づいてないけど精神ガタガタ。頑張って取り繕っている。何かあったらすぐに崩れる。

    81~100 → 自覚ないけどかなりやばい。必死に取り繕っている。崩壊寸前。少し押すだけで崩れる。

  • 62二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 23:32:51

    カミル先輩の反応に笑ってしまった
    自覚出来てない分のこのもどかしさよ

    グエルの立て続けになにかあったら…なとこがなんか精神にキてる感じがすごい絶妙な数値できたな

  • 63二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 23:41:43

    恋心補正🎲

    次グエル♀とラウダが恋心を自覚しそうなタイミングで🎲を振った際、

    dice1d3=1 (1)


    1.恋心の自覚を意味する選択肢を一つ増やせる(自覚しなかった場合、次のタイミングでも更に一つ増やせる)


    2.🎲の結果恋心を自覚しなかった場合、もう一度🎲を振り、結果の出目を恋心メーターに加算できる

    (その際始めに>>1時点の二人の恋心度を🎲で決定、それを恋心メーターに加算)

    dice1d3=1 (1) ①120 ②150 ③180 溜まれば恋心を自覚するものとする

    ※この場合、既に一度恋心を自覚しなかったので一回🎲振れる


    3.補正などはない。常に真っ向勝負

  • 64二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 23:43:57

    ダイス!!!!ようやく二人が進むことを許してくれるのか!

  • 65二次元好きの匿名さん23/07/24(月) 23:48:30

    思い出すなァ…!ヴィムの暴力🎲の振り直しを許可してくれた後、70超えを叩き出した🎲くんをよぉ…!

  • 66二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 01:10:42

    ひいい、首の皮一枚で繋がった感…。

  • 67二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 01:38:30

    >>1前のラウダとグエル♀

    行為前にラウダがグエル♀の服を脱がしているだけの短い話

    ラウダとグエル♀服を脱がしたいと言われた時、思わず聞き返した。はぁ?何でだよ、と。

    服なんてどうせ脱ぐのだから、どう脱いだって一緒である。少なくともグエルにはそう思えた。

    なのでいつも通り、豪快に一秒でも早く交わりたいという欲望のまますぽーんと一気に脱ごうとしたのだ。脱ぎやすいように今日もTシャツに短パン。ブラも着けてきていない。

    ここに来る途中、誰かに見られたらどうするんだ!?と一度そのことに気付いたラウダが慌てていたが、特別にラウダとグエルは男女でありながらも隣同士の部屋になっている。たかだか数m、一体誰に見られるというのだろうか。

    ラウダには五月蠅く着けるよう言われたが、今日も結局何も着けてきていない。いつでも脱ぎ捨てる準備は出来ていた。

    グエルが余りにも豪快に脱ぎ捨てるものだから、ラウダには以前一言だけ、「姉さん…ムードって言葉、知ってる?」と言われた事がある。そんなもの知るか。

    ラウダは弟。弟相手にムードもへったくれもないだろう。そんなものは必要ないと思っている。

    だってこれはストレス発散の行為なのだ。間違っても恋人同士の甘ったるい行為ではない。それはラウダだって分かっているだろうに。

    なので、グエルとしては服を…
    telegra.ph
  • 68二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 02:44:29

    >>67

    めちゃくちゃえっちで最高でした…

    今が地獄だからいちゃらぶラウグエありがてぇ…

  • 69二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 07:10:47

    ようやく徐々にだけど前進してくれて嬉しい……!

  • 70二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 11:25:58

    正しく服を脱がしてるだけなんだけど…うん……

  • 71二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 11:42:20

    服を脱がしてるだけなのにすげえスケベだ……いやこれずっと無自覚両想いだったやつやん~~~

  • 72二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 18:51:55

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 22:04:03

    ラウダは一人ジェターク社の廊下を歩く。

    ここ数日、考えるのはグエルのことである。

    姉は変わってしまった。前は何でもラウダに話してくれた。

    頼られていると、勝手にそう思っていた。

    …まあ全部ラウダの思い違いだったわけだが。

    あの日から、姉とは会っていない。恐らく父によって、この本社の何処かに閉じ込められている。

    聞けば教えてくれそうな気はしたが、今の姉と話す勇気がない。父に聞くことすらできていなかった。

    今のラウダの中にあるのは、自分への不甲斐なさ、姉に守られている相手と姉の腹に宿る子供への複雑な思い…そんなものがぐるぐると渦巻いている。

    姉の真っ赤に腫れた頬とぐったりした姿…あの美しく澄んだ瞳が濁っている様が目に焼き付いて離れない。

    相手は姉以上に父に殴られてほしい。何ならラウダだって何発かいれてやりたい。許せない。

    逃げて逃げて、名乗りもしない。助けにこない。何なら腹の子供のことも知らないかもしれなくて…そのくせ、学生相手に避妊もせずにやる男、絶対に、絶対に姉にふさわしいはずがない。

    拳を握る。何もかもが腹立たしい。

    (そんな男、姉さんが守ってやることなんてない…)

    ラウダはそう思う。だけどあの日のグエルははっきりと言った。愛した男だと。

    ラウダにはベッドの上で「可愛い弟」だと言う。相手には…愛していると、言ってやるのだろうか…

    ……考えれば考える程謎のもやもやがたまって、ラウダは首を横に振る。頭の中を切り替える。

    父がコソコソと何か動いているのは知っている。

    何も知らない一般の寮生は「遂にグエル・ジェタークが家に連れ戻された」と噂し、フェルシーやカミルといった一部親から聞いたらしいジェターク寮生だけが「体調を崩して療養中らしい」と認識している。姉の妊娠はジェターク社の社員にも伏せられている。限られた人間しか知らない。

    …今日まで踏み込む勇気がなかった。しかし、今のラウダは父に姉のことを聞く為にここにやってきた。

    睨み付けるように前を向く。そしてCEO室が見えた時…前からやってきた社員…確か父の秘書である。彼が大きな花束を持っているのが目に入る。

    花なんて珍しい。…いつもはスルーするところなのに、なぜか今のラウダにはその花束が気になってしょうがない。


    dice1d2=1 (1)

    1.「その花束どうしたんですか?」と聞く。

    2.気になるが…まあいいか。聞かないことにする。

  • 74二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 22:17:21

    このレスは削除されています

  • 75二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 22:39:42

    ラウダ自身を持て…

  • 76二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 23:08:41

    …やはり気になる。しばらく考えた後聞くことにした。
    近づくとほのかに花の甘い香りがする。
    「珍しいですね。この花どうしたんですか。」
    「ああ、シャディク・ゼネリが持ってきたんですよ。お預かりするよう頼まれまして」
    「シャディクが?」
    なぜ。軽い気持ちで聞いたのに、知っている人間の名が出て驚く。
    そもそもなぜシャディクがここにいるのだろうか。訪ねてくる理由もないはずだ。思わず顔を顰める。
    そこまで考えて、ぞわりと何か…悪寒にも似た何かがラウダの体を駆け巡った。

    (……姉さんを尋ねに来た…?)

    嫌な予想がラウダの脳裏に瞬く。いや、そんなまさか。そんなことが、あるわけがない。ジェターク家の跡取りの人間が結婚前に妊娠…御三家の人間には絶対にばれたくないスキャンダルの筈だ。あの父がやすやすとシャディクに弱みを握らせるとは思えない。
    療養中という話を何処からか聞いてやって来た可能性もあるにはある…が、面会謝絶となっているし、わざわざこうして社内の人間が花を預かることはないだろう。
    シャディクは姉を尋ねに来て、姉の部屋に通された。その時花束は預かった。だけど部屋に通されるには勿論父の許可がいる。社内の人間が、いくらシャディクが御三家の人間だからと言っても勝手に通すわけがない。
    父は言っていた。腹の子供に相手が見当がついていると。そしてその男が、姉を匿っていたと。
    となると恐らく姉の相手は学園内の生徒になる。
    ジェターク寮は隅々まで探した。あんなに皆必死になって姉を探してくれたのだ。誰かが嘘を吐いていたとは思えないし、思いたくはない。
    ジェターク寮生以外の生徒で、姉と関わりがある人間。
    そして、ラウダが知らない姉を知っている人間。学園内でラウダとグエルが離れている時間と言えば、決闘委員会の時間…
    無意識のうちにラウダの右手が横の髪に伸びる。
    その男が、姉を孕ませた。腹の中の子供の父親。姉を汚した人間。姉が愛した人間。
    外れてくれ。ラウダはそう思った。こんな予想、当たっていい筈がない。
    どす黒い何かが、胸の奥から湧き出てくる。次から次へと。
    父の秘書をしているこの男なら知っているだろう。姉の妊娠のこと。相手のこと。そして恐らく、グエルの弟であるラウダもそのことを知っていると考える筈だ。
    ごくりと唾を飲む。唇の端がふるりと震えた。

    「…誰にその花束を持ってきたんですか」

  • 77二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 23:20:59

    うあ~~これラウダが相手を知る(相手じゃない)ルートに行っちゃったわけか……これ相手を知るのと知らないとでどっちが地獄なんだろ…
    これ正にガンダムのことを知るラウダでは…?シャディクに殺意向けない?大丈夫?

  • 78二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 23:22:12

    すれちがい宇宙

  • 79二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 23:25:56

    シャディクが持ってきた花束がここで活かされるとは思わなかったわ

  • 80二次元好きの匿名さん23/07/25(火) 23:28:16

    シャディク、汚したな姉さんを……ルートか?

  • 81二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 00:32:23

    うわぁ続きが気になる…
    これ自分の子供なのにラウダが勘違いしたまま堕胎を迫る闇のルート突入しそうで恐ろしいな

  • 82二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 00:36:05

    自分の中で何かが暴れまわっている。
    ひりつくような感情が、焼けつくような衝動が。とにかくラウダの中には全てを食い尽くそうとする、醜い何かが激しく暴れまわっている。
    左の髪を引っ張りながら前に進む。
    花の送り先を聞いた後、この数日の迷いが嘘のようにラウダは父に聞いた。姉が何処にいるのか。そして姉の相手のこと。
    ラウダの知らない間にどんどんと話は進んでいたらしい。名乗り出てこないことに腹を立てていたが、そんな状況ではもうなかったようだ。
    結婚すると聞いた。すぐに姉も了承するだろうと。
    煮えたぎる感情のまま、目の前を睨み付ける。

    (シャディク…!)

    姉の相手はシャディクだったと聞いて、気が狂いそうだった。どうして、姉さん。何で、シャディクなんだ。
    あの日の前日の夜もシャディクに匿われていたらしい。ラウダたちがグエルを心配し、必死に探し回っている時、グエルはシャディクと共に過ごしていたのだ。
    シャディクは聡い男だ。狡猾で、頭の回転も早い。
    父は上機嫌に、姉をシャディクに嫁がせることでグラスレー社にも手を伸ばせると言っていた。
    父がそう考えるのなら、シャディクだって同じことを考えるんじゃないのか。
    姉に甘い言葉を吐いて、子供を孕ませて。結婚の口実を作って、ジェターク社に力を及ぼそうとしているんじゃないか。
    グラスレー社はジェターク社と違って跡取り候補が何人もいると聞いている。シャディクも上位に食い込んでおり、候補に名は上がっているがまだ1番じゃない。ここでジェターク社との繋がりを手にして、のし上がろうと企んでてもおかしくはない。
    別にラウダはシャディクのことを、今まで好きでも嫌いでもなかった。
    大人に交じり経営に携わっているのには素直に感心していた。パイロット科の彼が経営戦略科の生徒に交じって意見を交わしているのは何回も見たし、MSのパイロットとしても才能は十分に感じる。勿論姉程ではないが。

  • 83二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 00:38:09

    そして何より、ミオリネを見る横顔が、その目が、なんとなく自分に似ていると思った。
    はっきりとは分からなかったけど、ああ、この男も自分と一緒なんだとなんとなく感じていた。何かに焦がれて、でも手を伸ばすことができない。
    だからだろうか。なおさら許すことができない。
    真っ白で、高潔で、汚れる筈がなかった姉を汚した。姉を孕ませた。口がうまいシャディクのことだ。恐らく邪魔になるであろうラウダをグエルから遠ざけたとしても不思議じゃない。姉が変わってしまったのも、全部、ぜんぶ、シャディクのせい。
    拳を握る。手のひらに深く爪が食い込むが気にしてはいられなかった。
    ぐるぐると逃げ場を失った感情が体の中で激しく暴れまわっている。
    こんなことなら、と冷静さを著しく欠いた頭で考える。
    (こんなことなら、先に孕ませておけば…)
    ゴムをつけずに押し入ってしまった夜のことを思い出して、一瞬姉の腹の中にいるのは自分の子供だと確信してしまったからだろうか。そんな考えが頭をよぎった。
    きっと姉さんとの子供なら、世界で一番可愛い。いっぱいいっぱいぎゅーっと抱きしめて、愛してやれる…あの日、姉さんが僕にしてくれたように。いっぱい愛情を注いでやれる。
    そこまで考えて、はっとする。思わず髪を引っ張っていた手を離し、勢いよく自分の頬を叩く。絶対に。絶対に考えてはいけないことを思い浮かべた。何を考えているんだろうか。

    父に教えられた部屋の前に立つ。ここに姉がいるらしい。一応見張りなのか、暇そうにしている社員がラウダに気付き、ぴんと背筋を伸ばした。
    姉さんをどうにか止めないといけない。あなたは騙されてるんだ、シャディクは姉さんを利用するために近づいただけだと、伝えないといけない。
    お腹の中の子供もその手段に過ぎないと。
    だけどシャディクに汚されたグエルに、ラウダの声は届かないかもしれない。
    手の中にあるカードキーをじっと眺める。

  • 84二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 00:41:25

    学生相手に避妊もせずにやる男、絶対に、絶対に姉にふさわしいはずがない。

    ラウダちょっとブーメランすぎない?って草だった
    避妊なしで姉とヤッたのは誰なのかもう一度よく考えてほしい

  • 85二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 00:48:05

    ついにラウグエ対話パートやっと来るのか…
    すれ違い宇宙続けて修羅場の予感しかしないのが怖い

  • 86二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 04:49:35

    部屋に入って姉さんあんな奴の子供なんて産んじゃダメだ云々まくしたててグエルにポカーンされて、その勢いでシャディクに特攻して返り討ち(=真実を知る)にあえばいいのにとか思っちゃうよぉ!

  • 87二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 05:28:56

    シャディクとは行き違いになったんだ

    下手に遭遇してたら外堀埋められかねなかったから会わなくて良かった……のかな


    >>84

    こんなに大量にブーメラン投げて大丈夫かなって心配してしまうよね

    真実知ったら全部帰ってくるんだよね……

  • 88二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 06:02:24

    このラウダに関しては1回だけ魔が差しただけで日々の避妊は完璧だった、
    姉の妊娠を知ったとき、その1回の時の子では!?って確信したけど違うって言われた状態だからしゃーない気はする
    普段からしてなかったらアカンけど

  • 89二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 06:30:04

    ・ラウダはグエル♀ちゃんからなしでねだられたことがあってもはねのける等普段はめちゃくちゃ気を使ってた
    ことを前提にして、🎲の結果
    ・何回かチャンスはあったのに、ことごとく合流しない(二人でゆっくり話せるタイミングがない、ヴィムと先に合流して更に拗れる)
    ・グエル♀に駆け寄れない
    →グエルの高潔傲慢罪が発症、他に相手がいると言われる
    ・姉を信じることができない
    状態なので何がダメって🎲なんだよな…
    ラウダダイスは、選択肢のなかでよりによってそれ?っていうのをひき続けてる気がする
    ここまで地獄なダイススレもなかなかない気が…

  • 90二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 07:01:32

    ここのダイス神はドロドロ修羅場が性癖だからしゃーない
    けどここから入れる保険があるかもしれない
    がんばれラウダ!がんばれグエル!

  • 91二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 09:51:21

    >>88

    ただ、姉が子供の父親を庇って隠そうとしてることには思い至ってるからね…何故それが自分である可能性を排除するのか…

    あ、これラウダ父親バレしても「そんなにも僕は頼りない

    か!?」が発動してしまう

  • 92二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 10:02:07

    >>91

    自分だと確信したけど、グエル♀ちゃんに違うって言われたからでは

    自分ではっていうのには思い至ってるよ

  • 93二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 10:42:04

    向こうからこっちには姉としての愛しかないと思ってる状態で
    「相手は心から愛した男」ってお前には関係ないって顔で言われちゃったらね…

  • 94二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 12:26:15

    とどめとしてその後一番アカン目をあてちゃったしね…
    スレッタの話を聞かなかったりヴィムより先に情報仕入れそうなタイミングで外しまくるし、ラウダイスが地獄なんよ…なぜ…?なぜこんなことに…?

  • 95二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 19:18:48

    でもこのタイミングで会えてるだけまだマシかも
    時間経てば経つほどヴィムがグエルのとこに襲来する可能性上がるし
    ・父の期待に沿えない娘でも最後に父の役に立てる
    ・日陰者扱いだった弟がジェターク姓貰って正統な後継者になれる
    この辺のロジックが積み重なってくるとヤバい

  • 96二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 22:14:20

    保守

  • 97二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 22:32:49

    今のラウダの状態

    dice1d100=20 (20)

    1に近いほど冷静、シャディクや子供に複雑な感情はあれど、姉を説得しようと頑張れる

    100に近いほど暴走状態、シャディクや子供への感情に囚われ、姉に感情をぶつけてしまう

    特に81~100だった場合、ある条件を満たした場合出る選択肢で暴走状態の選択肢がいち増える

  • 98二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 22:36:05

    これは冷静で理性的な弟

  • 99二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 22:58:33

    よし!よし!!ダイス神がようやくハッピーエンドをみせにきたか!?

  • 100二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 23:14:15

    ラウダイスが良い感じなの久しぶりでは?
    自分が覚えてる限り自分の子供と確信した時くらいぶりだぞ

  • 101二次元好きの匿名さん23/07/26(水) 23:59:11

    すぅ、と一つ深呼吸をする。
    言葉は届かないかもしれない。でも、丁寧に諭していけば、きっといつかは分かってくれるはずだ。
    内に荒れ狂う感情をどうにか落ち着けて、目を瞑る。息を吐く。
    ……どうにか、姉さんをシャディクから引き離さねば。
    目を開けて、意を決してカードキーで扉を開けた。

    「…姉さん?」

    生活に最低限必要なものしかない、殺風景な部屋。真っ白のベッドの上でグエルがいた。
    澄んだ瞳は丸く見開かれて、突然の来訪者にぽかんと口を開けている。
    …そしてラウダの目に入ったのは、その頬にある幾筋もの涙の跡。泣き腫らした瞳。赤くなった目元…
    冷静に、冷静に、と自分に言い聞かせたのに、自分の中で何かがまた暴れまわる。
    さっきまでここに誰がいたって、シャディクしかいない。
    ………シャディクか。姉さんを泣かしたのは。
    めらりと心の奥底からどす黒い感情が湧き上がる…しかしこの感情を目の前にいる姉にぶつけるわけにはいかない。
    胸の内を誤魔化すように、左の髪をぐっと引っ張る。

    「ラ、ラウダ…」

    見開かれた澄んだ青の瞳に喜びの色が見えて、単純なことにたったそれだけでラウダの胸はちょっと晴れた。
    自然と顔が綻び、もう一度姉さん、と呼びかける。グエルの表情が柔らかなものに変わり、ベッドから立ち上がろうとするので、思わず駆け寄った。
    「姉さん、そのままで大丈夫。…体は平気?無理しなくていいよ」
    「あ、ああ…座ったままで悪いな」
    姉の妊娠を知ってから初めて会う。
    今まで間近にいなかったせいで、妊婦の扱いなんて分からない。今更ながらちょっとどきどきしてきた。姉の背中をあやすように優しく擦りながら、ちらりと腹に目をやる。
    ここにいるらしい。シャディクとの子供。利用されるだけの子供。姉を縛り付ける足かせ。
    まだ真っ平らで、ここに命がいるとは到底思えない。

  • 102二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:00:39

    ラウダの目線に気付いたのか、グエルの顔が強張るのが見える。今、自分はどんな表情をしてただろうか。ちょっと自信がなくて、慌てて笑みを浮かべる。しかしグエルの顔は強張ったままだった。
    ……姉さんとシャディクを早々に引き離さなければならない。心優しい姉さんがもっと傷つく前に。
    背中をさすっていた手を止め、ラウダは努めて優しい笑みを浮かべる。姉さん、と穏やかに呼んだつもりだったのに、グエルの背中がびくりと震える。

    「聞いたよ、その…シャディクとのこと。……姉さんは利用されているだけだよ。」

    グエルの頬からさっと血の気が引く。真っ白な顔で、信じられないものを見るような表情でラウダを見上げた。
    そんな姉の顔を見ると、ラウダの中の感情がますます暴れ回る。それを必死になって押さえる。何で。どうしてそんな顔をするの。何で悲しそうな顔で僕を見るんだ。そんなにシャディクのことが好きなのか。やっぱり姉さんは騙されている……
    溢れ出しそうになった言葉を飲み込み、一生懸命笑おうとした…が唇の端がひくりと震えるに留まる。

    「シャディクに好きだって言われた?あいつに愛しているって囁かれた?嘘だよ、そんなの。姉さんを利用する為だけの。」

    …姉さんも、あいつに愛してるって言ったの?本当はそれも聞きたかったがぐっと堪える。
    何でだろうか。言葉を一つ一つ発する度、自分の方が泣きそうだった。泣く資格なんかないくせに。
    姉を利用しようとするシャディクへの確かな怒りや憎しみに似た感情があるのに、それと同じ位シャディクへの羨望がある。

  • 103二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:15:13

    姉さんが愛した男。あんなに真っ直ぐな言葉で、愛したって言ってもらえる。憎くて憎くて、どうしようもなく羨ましい。
    シャディクになりたい。姉さんに、愛してるって言われたい。
    グエルが何かを言いたそうに口を動かした後、悲しそうな表情をして、グエルの肩に置いているラウダの手に自らの手を重ねた。ひんやりしている。いつも姉の手は温かかったのに、その冷たさにどきりとした。

    「シャディクは……関係ない。あいつは俺を匿ってくれただけだ。シャディクとのこと、父さんから聞いたのか?」

    姉の表情がくしゃりと歪む。…今にも泣きそうに見えて、ラウダの心が悲鳴をあげる。
    うん、とラウダが言えば、重ねられた手がぎゅっと握られる。その手が震えていて、ますます心が苦しくなってくる。
    まだシャディクのことを庇うのか、という激しい感情と、姉を信じたい気持ちがせめぎあっている。
    …でも、父から聞いた状況からして、シャディクがグエルの相手に間違いがない気がする。
    父が言うには、シャディクは姉の妊娠のことを知っていたようだ。何より、父がグエルの相手かと問うたところ、本人はにっこりと笑ったそうだ。
    今も特に否定をすることなく結婚の話が出ているというし、何より逃げたグエルのことを妊娠のことを知っていた上で匿ったのだ…。となると、やはり相手はシャディクではないだろうか。
    ジェターク社とグラスレー社との件といい、シャディクにとっては都合が良すぎる。優しい姉を利用したとしか思えない。
    動かないラウダの手に縋るように、更に強く握られる。冷たいグエルの手を、体を温めてやりたいのに、何故だかラウダの体は動かない。

    「お前も父さん側なのか…?」

    俺の言葉を信じてくれないのか…?そんな喉の奥から絞り出すような、悲痛な叫びが聞こえてくる。
    状況的には、まずシャディクが相手で間違いない。自分が父の立場でもそう考える。
    (でも…)
    ごくりと唾を飲み込む。泣き出しそうな姉の顔がそっと伏せられる。この肩は、背中は、こんなにも頼りないものだったろうか…たった数日見ていないだけだというのに、何だか少しだけ細くなった気がして心がかき乱される。
    姉のことが、信じられないと思ったのは確かだ。自分の中に感じていた信頼関係を疑ったのも本当。
    ………でもこうして姉を目の前にすると、その心が揺らぐ。

  • 104二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:16:00

    dice1d2=2 (2)

    1.「僕は父さんとは違う。姉さんのこと、信じるよ」グエルの言うことを信じ、シャディクが相手ではないと考えを改める。

    2.姉さん…どうして、あいつを庇うの…そんなに…好きなのか…と状況的な観点からシャディクが相手だと揺らがない。

  • 105二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:17:51

    ああーーーーーっ!!!!!

  • 106二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:18:37

    どうして…どうして……

  • 107二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:20:34

    こんのクソボケェーーーッ!!(何度目だ

  • 108二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:22:08

    ままならぬぇ

  • 109二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:22:12

    まだまだハッピーエンドへの道のりは長いな!!

  • 110二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:28:50

    嘘だろ、いい感じになる流れだったじゃん

  • 111二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:30:17

    せっかく冷静を保てたのにどうしてここでそっち行っちゃうんだ
    50%だろ

  • 112二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:37:24

    一体何度すれ違い宇宙やってるんだ!!?

  • 113二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:38:28

    …して……どうして…………そんなにハピエンをちらみせしては引き離すんですか………

  • 114二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:40:04

    ラウダ良い感じじゃん!?ってなった流れの後でいつも致命的なダイスを引き続けてさすがに笑う

  • 115二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:41:36

    どうしてこんなひどいことするのダイス神…

  • 116二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:46:22

    ダイス神が無慈悲すぎてスレ主が一番疲弊してそう

  • 117二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 00:59:51

    お労しやスレ主と姉上……

  • 118二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 01:07:35

    まだだ…まだ終わる時ではないぞ…って連載引き伸ばしする編集みてーなダイス神

  • 119二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 01:20:00

    シャディクが相手だとラウダが確信しちゃったら恐れられていたグエルを責めて堕胎を迫るルートじゃないですか!?
    さすがにダイス神キツすぎる…

  • 120二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 01:26:02

    >>118

    まだハピエンにさせるのは早いよね…続けられるよね…っていうダイス神の強い意志と圧を感じる

  • 121二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 01:26:58

    …姉を信じようと。信じたいと思った。
    けど、状況を考えれば考えるほど、相手がシャディクとしか思えない。ここまで必死に庇うグエルを見て、ラウダの内に荒れ狂う感情と共に、憐憫の情も湧いてきた。
    ヴィムはこれからグエルに結婚の話をすると言っていた。すぐに了承するだろうとも。…だから、父がシャディクに怒るどころか、この結婚を歓迎していることなどまだ知らない。
    シャディクがさっきまでこの部屋にいたが、彼からも話してはいないのだろう。
    でなければこんなにも必死になって庇うわけがない。
    それとも世間の目からシャディクを守ろうとしているのだろうか。
    だけど婚前の妊娠なんて御三家が手を組めばどうとでもなる。弱みを握られたくない相手ではあるが、一度結託してしまえばこれ以上に心強い相手もいない。
    ……グエルが苦しそうな表情でラウダを見ている。俺を信じてくれと必死になって訴えかけてくる。
    姉にこんな表情をさせておいて、こんなにも必死になって庇われておいて、シャディクは姉を利用する気だ。
    心の中で、シャディクに対する感情が強く激しく膨れあがる。どす黒い感情がむくむくと育っていく。
    姉は父が寧ろ結婚させたがっているのを聞いたら、ころりと表情を変えるのだろうか。ほっとして、シャディクの手を取り、彼に寄り添うのだろうか。
    姉さんが泣いていた理由は分からない。シャディクに泣かされたのか、シャディクを想って一人で泣いていたのか。
    許せない。はっきりとそう思った。こんなにも姉は心を痛めて、必死になってシャディクを身を挺して庇い、守ろうとしているのに、あいつは姉を利用する気で近づいたのだ。子供を孕ませて。姉を汚した。許せるわけがない。
    にっこりとラウダは笑った。今度はちゃんと笑えてたみたいで、グエルがほっと表情を和らげたのが見える。
    シャディクへの感情が押さえきれない。暴れ狂うものを内に住まわせながらそっとラウダはグエルの肩を抱いた。グエルが嬉しそうにこちらに寄り添ってきて何だか泣きたくなった。
    …姉さんのことは、僕が守る。

    「……僕は、姉さんを信じるよ」
    「そうか…!ありがとう、ラウダ」

    せめて姉の前では騙されているふりをしようと思った。肩を抱いていた手を首もとに滑らせて髪を一房、指の間から流した。
    くすぐったい、と姉が笑う。愛しくてたまらない。

    (シャディク…)

    許せない。許せるはずがない。

  • 122二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 02:42:11

    これ、もしかしたらシャディクにとって グエルよりラウダの方が利用しやすい札になるかも…···

  • 123二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 03:11:48

    ラウダがグエルを責めなくてほっとしたけど姉さんを汚したな…シャディク…の対立ルートに入ったな…

  • 124二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 04:40:34

    うわあああ、そんなあ!と思いつつ、本編でがっつり対峙する場面はなかったから、ラウダvsシャディクに期待してる自分がいる…けど、シャディクに苦もなく捻られそう…。

  • 125二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 04:53:36

    マジでノリノリウキウキのヴィムが来る前に会えてよかったなと思う
    ラウダに信じるって言ってもらえたから姉さんはまだ頑張れる
    このままヴィムが来た時にも一緒にいて姉さんを支えてやってほしいけど、でも本気で信じてるわけじゃないしシャディクに殴り込みかける方優先しそうなんだよね……
    ダイスの女神はさぞ楽しんでるに違いない

  • 126二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 07:26:07

    >>122

    そうなんだよ〜😭これがいちばん怖い…ダイス神一瞬でもいいから慈悲見せてみない?

  • 127二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 07:37:03

    これもし暴走状態で相手がシャディクだと信じきってるルートに行けば、シャディクの子とか絶対許さん闇のラウダルート行きだったのかな…そっちもちょっと見てみたかった気もするな……

  • 128二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 15:02:05

    保守

  • 129二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 20:56:30

    保守

  • 130二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 23:16:56

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん23/07/27(木) 23:17:30

    ラウダとシャディクそろそろ衝突するか...

  • 132二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 01:34:05

    保守

  • 133二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 01:43:45

    ラウダがシャディクと衝突しても近親で産まれた子供とかバレたらどうあがいてもヴィムに堕されそうなのでシャディク協力があったほうがグエルにとっては幸せそうな道に行けるのも確かなんだよな…

  • 134二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 05:47:56

    ラウダのダイスが弱いのもあるけどヴィムのダイスがとことん致命的だったと思うわ
    怒り!三連暴力!処置しないのは利用するため!
    たとえラウダのダイスが強くてもまずこれ姉さんと子供をヴィムから守れるか……?ってなるし結果的にシャディクに頼るしかなさそうなのが本当キツい

    まだグエルの涙が渇いてなかったってことはシャディクはまだフロント出てないかもしれないし、シャディクならカマ掛けの時の音声録音はしてそうだからワンチャンラウダが真相知れないだろうか
    学園に戻ってるシャディクを追いかけるだと時間かかりすぎてヴィムが襲来してきそうで怖いよ

  • 135二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 07:37:30

    >>134

    しかも相手に対する怒りよりも娘に対する怒りのが高いって言う徹底ぷりよ…

    こういうのすべて盛り込んで話作るの大変そう

  • 136二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 16:07:14

    保守

  • 137二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 21:46:51

    保守

  • 138二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:21:30

    …それからグエルとは他愛もない話をした。
    ラウダがグエルの横に腰掛けると、表情を少し和らげたグエルがもたれ掛かってくる。ラウダ、と安堵の息と一緒に名前を呼ばれる。
    それだけで、いつもなら喜びで胸がいっぱいになる筈なのに、今のラウダはシャディクへの感情で埋め尽くされていた。姉を愛おしいと思えば思うほど、シャディクへの思いは増していく一方だ。
    寮の様子はどうだ、とか決闘委員会ではちゃんとやっているか、とか。姉はそんなことを笑いながら聞いてくる。
    そして極めつけに優しく微笑んでラウダの手を握り、「俺のことは気にせず、ラウダはラウダの生活を楽しんでくれ。」なんて言うので、悲しくなってくる。俺はお前には頼らないし、俺のことはお前には何の関係もないことだ、と言われているようで。
    慈愛に満ちた澄んだ青の瞳がラウダを真っ直ぐに見つめる。いつもの瞳。姉としての弟のラウダを気遣っている目だ。
    たったそれだけのことで、ラウダの心はますますぐちゃぐちゃになってくる。
    (姉さん…どうして…どうして、話してくれなかったんだ…僕は姉さんに頼って欲しかった…何だってしたのに……)
    そんな考えが何度も頭の中を駆け回っている。
    シャディクが何か口を出していたに決まっている。…でも、もっと自分が頼りになる人間ならば、姉は頼ってくれたのだろうか。シャディクにこんなことを言われている、と相談してくれたのだろか。
    「…ラウダ?」
    少しぼんやりしているラウダを心配してか、グエルが心配そうに顔を覗き込んできて、はっとする。
    姉を安心させる為に無理矢理笑って見せる。ああ、そうだ、とこちらから話を振ってみた。
    「姉さんの…相手って、どんな人?」
    シャディク、と言いかけて慌てて飲み込む。
    本当はこんな話を聞きたくないが、グエルがシャディクをどう思っているか、グエルはどんな人間だと思ってシャディクを愛しているか単純に気になった。
    ラウダがそう問うた瞬間、一瞬グエルの顔がきょとんとする…その数瞬後、仄かに顔が紅潮した。視線がうろうろと彷徨い、な、何を……と、心底言いにくそうにしている。
    いつもは凛として、意思の強い瞳を持ち背筋を伸ばして堂々としている姉である。こんな姿は初めて見た。どきりと心臓が高鳴った。

  • 139二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:22:36

    保守

  • 140二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:26:00

    ラウダは待った。辛抱強く待った。何か言ってくれるのを待って、待って、待って…数十秒後か、数分後か。兎に角ラウダにはとても長く感じられた。
    視線を毛布に落としたグエルが、ちら、と窺うようにラウダを見上げる。震える唇が、小さく開いた。

    「か、可愛い…?」
    「可愛い…?」

    何故疑問系。そして可愛いとは。ラウダの頭の中にシャディクの顔が浮かぶ。…可愛い?………可愛い?何かの間違いでは。ひく、とラウダの唇の端が震えた。
    心の内にあるシャディクへの憎しみがまた一気に重くなる。
    う、うん。と何かを言いたくなるのを必死に堪えて、ラウダは答える。それで?どういう所が好きなの?と荒れ狂うものをどうにか隠しながら姉に問う。
    取り繕おうと必死だった筈なのに既に顔は無表情であったが、姉はそれどころじゃないようで、仄かに頬を朱に染めたまま、好き、好きか…難しいな…と何かを考え込んでいる。

    「そうだな…いっつも一緒にいてくれて、優しくて…」
    「……へえ…」

    僕の方がずっと一緒にいるじゃないか!と叫びたい気持ちだった。
    一緒にいる時間だったら負けない筈だ。決闘委員会の時などはラウンジで常に一緒にいるのだろうか…。
    優しいなんて嘘だ。姉を騙す為の、本気にさせる為の偽りの優しさに決まっている。
    (姉さんを騙して…利用して…絶対に許さない……)
    右手を挙げて左の髪を触る。言葉が零れないよう一緒に唇を噛む。
    シャディクのことを考えているのだろうか。姉の表情がますます慈しみに満ちたものに変わっている。ほんのりと色づいた頬も、大分収まっているものの少しだけまだ赤い目元も、シャディクを思って柔らかに細められる瞳も。全部全部シャディクに向けられているのかと思うと、心底憎らしかった。

  • 141二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:38:31

    どういう所が好きなの?
    そうラウダに聞かれて、どきっとした。

    ……ラウダは父とは違って、相手がシャディクじゃないと信じてくれた。グエルの言葉を信じてくれた…心が救われた。この先の困難など、どうでも良いと思える程に。
    泣きたくなるほど嬉しい。それと一緒に、ラウダを守りたいという気持ちがますます強くなる。
    俺のことなんて気にせず、お前は自分の人生を楽しんでくれ。そう思ってた矢先に、相手がどんな人かと聞かれて叫びそうになる程びっくりした…まさかそんなことを聞かれるとは。
    一応、もしかしたら、義兄になるかもと弟として姉の相手が気になるのだろうか。
    相手はラウダなのだから義兄になる日は間違っても来ないが、ここで頑なに言わないのもおかしい気がする。
    好きな相手。好きな男。幾ら考えてもラウダしか思い浮かばない。
    考えて考えて、考えて………そんなグエルの口から零れたのは、可愛い、という言葉だった。
    さっきも考えていた、胸のもやもやの意味が分からず、ラウダは可愛い弟だからと思っていたせいもある。そう言った瞬間、ラウダの顔が思いっきり引きつって、口元がひくりと動くのが見えた気がした。
    相手と聞かれて改めてラウダの顔を浮かべると、何だかどきどきして、顔が熱くなってきた。
    こんな場合じゃないと思う一方、ラウダが信じてくれて、安心した気持ちもあるからだろうか。ちょっとほっとしているのかもしれない。
    さっきまでずっといっぱいっぱいで、心が悲しみや混乱で何かが入る隙はなかったのだが、ラウダの顔を見て、話をして、ラウダが信じてくれて……少しだけ、ほんの少しだけ、心にゆとりが生まれたからだろうか……顔が熱い。とにかく熱い。

  • 142二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:39:22

    お前のことやでー!!と胸ぐら掴んでユサユサしたいわこのラウダ

  • 143二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:44:33

    そしてどういう所が好きなの?と聞かれて…またもやどきっとしたのだ。

    好きな相手…そうだ、ラウダに「心から愛した男」なんて言ったのだ。当然、好きな、愛している相手に決まっている。

    この胸のどきどきも、もやもやも、好きと改めて問われると難しい。

    難しいな………と零しながら、頭に浮かんでいるのはラウダのことばかりだ。

    幼い時から自身のことより、グエルのことばかり心配して、気を遣って、誰よりも優しくって、頼れて、……いつも一緒にいてくれるところ。

    そんな感じのことを言えば、へえ、とラウダは聞いたこともないような低い声で相槌を打つ…がそんなことも今のグエルにはあまり気にならなかった。

    思い出されるのはラウダとの記憶ばかり。頭の中はラウダのことでいっぱいになっている。

    ラウダは勿論、家族としてじゃなくて、人間として、一人の男性を思い浮かべてグエルに聞いてきている。

    腹の子供の父親はラウダなのだから、グエルがラウダを思い浮かべるのは当然。なのだけれど。

    改めて、好きな相手のことを問われて。こうも、ラウダのことを思い浮かべるのはおかしいんじゃないだろうか。

    高鳴る心臓も熱が集まる頬も、全部全部おかしい。好きな相手として、ラウダのことを思い浮かべるだけでこんなにも苦しくって、愛おしい。

    混乱で頭がぐるぐるしてきた。色んな感情がない交ぜになって駆け巡っている。さっき、本当についさっき、ラウダが来る前に、これは家族愛で、弟として愛しているんだと思ったばっかりなのに。

    改めて他ならぬラウダから聞かれて、すぐにまた分からなくなってきた。

    グエルがラウダに向ける愛。この感情。家族に向ける愛なのか、これは。本当に…?


    ※恋心補正につき選択肢1つ追加※

    dice1d3=1 (1)

    1.お、俺はラウダのこと…一人の男として、好き…なのかも…

    2.もしかして、俺は…ラウダのことが……す、好きなのか…!?

    3.…いやいや冷静になれ…ラウダのことは弟として愛していて……う、やっぱり何だかすごくもやもやする……

  • 144二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:46:21

    わぁ~~~~~~!!!

  • 145二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:47:09

    やっと来たか!

  • 146二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:47:17

    姉さん自覚キターーー!

  • 147二次元好きの匿名さん23/07/28(金) 23:56:34

    おめでとう!自覚おめでとう!
    ラウダも頑張れ!!

  • 148二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 01:05:57

    心も頭の中もぐちゃぐちゃで目の前にラウダがいることもうっかり忘れそうになる…でもそれどころじゃない。グエルの中で、今この瞬間、今までの自分が、心が、くるっとひっくり返りそうになっている。
    ラウダのことは好き。ずっと、ずっと前から好きだ。間違いない。
    ラウダは可愛い弟で。姉として、弟をしっかり守ってやって、姉らしいこといっぱいしてやって、弟を愛してやろう。そう思っていた。
    でも違うかもしれない。いや、弟として、家族として、好き。その気持ちもある。
    でもそれと同じ…いや、それ以上に……

    (お、俺はラウダのこと…一人の男として、好き…なのかも……)

    がっと一気に顔に熱が集まる…と同時に、しっくり来た。ずっともやもやと形の無かった感情が今はっきりと形を成す。
    ……俺は好きなんだ。ラウダのこと。一人の人間として。
    自覚してしまえば、納得しかなかった。幼い時からしてきた行為とはいえ、体を重ねてきたことも、それがすごく心地よかったことも、愛しい気持ちしか溢れてこなかったのも、ラウダに名前を呼ばれて嬉しかったのも。一緒にいてほしいのも。ぎゅーっていっぱい抱き締めて欲しいのも。斜め後ろじゃなくて、隣を歩いて欲しいのも。ぜんぶ、そう。ラウダのことを愛しているからだ。
    そうと分かると、今までばたばた足掻いていたのが嘘のようにすっきりした。
    …叶わない恋なのは知っている。恋心の自覚と一緒に失恋するとはなかなか稀有な経験をしている。
    ラウダは、まさか姉がこんな邪な思いを抱えているなんて知らないだろう。だってラウダはグエルを姉として、家族として愛している。グエルと同じ思いの筈がない。
    でも、勝手に、一方的に好きなのは許されるはずだ。

  • 149二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 01:06:52

    心に温かいものが溢れてくる。ラウダが大切。愛している。ラウダがそう言う意味で、グエルを愛してくれなくたって構わない。一方的な恋心で良い。
    そしてそれを一生隠して生きていく覚悟を同時に決めた。グエルの身勝手な恋心で、ラウダの人生の足を引っ張ってはいけないのだ。
    自然と顔が綻んでしまう。一生叶わない恋であっても、幸せな気持ちだ。
    「…そんなに好きなんだ?」
    ふとそんな問いがラウダから投げかけられる。
    …そうだな。ものすごく好きだ。自分なんてどうなっても良いと思えるほど、好きだ。
    温かいものが溢れた衝動のまま、ラウダにもたれ掛かっていた体を少し動かす。真正面からラウダの顔を見つめた。
    ラウダの琥珀色の瞳に、何やら頬を染めたぎこちない顔をしている自分が映っていて、ちょっと笑ってしまった。
    ベッドの上に置かれていたラウダの手に自分の手を重ねる。その手をぎゅっと強く握りしめた。
    頭に浮かべるのはラウダのことだ。自然と笑みが零れる。

    「ああ、好きだ。愛してる。」

    ラウダのことが好きだ…そういう気持ちを込めてはっきりと告げる。少しだけ声が震えていたが、気持ちは込めることが出来た、と思う。
    真っ直ぐなグエルの表情と言葉を聞いたラウダの瞳が見開かれる。そしてその数秒後、その顔からすっと表情がなくなり、目が細められた。

    「……そう」

    低くて冷たいラウダの声が聞こえる。グエルが握った手が離れていく。顔がさっと向こう側へ向けられた。
    ラウダの体温が離れるのが寂しくて思わず手を伸ばしたが、グエルの手に気付くことなくラウダはベッドから立ち上がり、止める間もなく背を向けてしまう。
    「ラウダ、」
    引き留めてはいけないと思いながらも声をかけてしまう。父に何て言ってここに来たのかは分からないが、ラウダが長居をしては父に怪しまれてしまうかもしれない。
    そうは分かっているのに、もう一度その背中に縋るように手を伸ばしてしまった。でもラウダは振り返らない。

  • 150二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 01:15:49

    やったーついに自覚が来たー!!
    相変わらずすれ違ってるけどラウダへの恋に気づくグエルがとにかく可愛い…

  • 151二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 01:18:28

    これラウダ視点大分ヤバそう

  • 152二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 01:21:13

    ラウダ!!お前のことやで!!!ってつい叫びたくなるな

  • 153二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 08:44:11

    姉さんと弟の温度差がさあ…ラウダ頼む!ずっと姉さんの傍にいてくれ…逆恨みなんてもうするな

  • 154二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 08:54:15

    グエルが幸せそうに相手のことを語れば語るほど
    姉さん…そんなにシャディクのことが…ってなるのがひどい

  • 155二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 13:32:00

    自覚したグエルが好きな人(ラウダ)のこと話すのめっちゃ可愛いけどラウダ視点だと自分以外を想っての可愛い顔なので絶許メーター上昇とまらねえすぎる

  • 156二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 20:11:00

    >>154

    駄目だ姉さんはシャディクに完全に取り込まれてる……僕が何とかしないと……ってなるんだよね

  • 157二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 21:21:36

    これもしラウダがグエル♀のことを信じてなかったって分かったらグエル♀に大ダメージ行かないか…
    下手に責められるよりよっぽど辛い気がする…

  • 158二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 21:27:26

    信じるって言っといて実は信じてなかったってのは確かにあれなんだけど
    シャディクでも自分でもないって言うなら尚更じゃあ一体誰なんだ…ってなるのも確かなんだよなあ…
    姉が自分を異性として愛してるとは思ってないっていうか何なら姉さんも今さっき自覚したばかりだし

  • 159二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 21:43:17

    グエルはラウダに、

    dice1d3=2 (2)


    1.「…もう少しだけ…本当に少しで良いんだ…傍にいてくれないか……」と小さく言い、出て行こうとしたラウダが少し躊躇った後戻ってきてくれる

    2.「…もう少し、傍にいてくれないか……」と小さくねだったが、ラウダは振り返ることなくそのまま行ってしまった

    3.もう少し傍にいてほしい、と言いたかったが、ぐっと堪えた。ラウダはそのまま出て行ってしまった

  • 160二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 21:44:41

    おバカ!!

  • 161二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 21:45:06

    ラ、ラウダーーーーーー!?

  • 162二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 21:51:51

    おお…ダイスの神よ…
    どこまで試練をお与えになるのか…

  • 163二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:33:58

    …もう少し、傍にいてほしい。ラウダの傍にいたい。
    こんなこと、思ってはいけない筈なのに。唇は震え、あ、と小さく言葉が溢れた。離れていく背中にどうしようもない寂しさを覚える。

    「もう少し……本当に少しだけで良いんだ…傍にいてくれないか…」

    気付けば口から勝手に言葉が零れていた。その声は情けなくって、小さく震えている。
    ラウダの背中を見つめる。ラウダの歩みは少しも止まらない。
    聞こえてない筈はない。こんなにも狭くて静かな部屋なのだ。例えグエルの声が小さくて、聞き取りづらくても届いていないはずはなかった。
    明確な拒否だ。
    お前の傍にはいたくないと、はっきりと態度で示されてしまった。
    ラウダを想って温かくなった心が急激に冷めていく。
    ロックが解除される。どれだけ行きたいとグエルが願っても行けない扉の向こう側にラウダが行く。その背中を呆然とした面持ちで見つめたが、ラウダは一度もこちらを振り返らない。
    再び締まった扉を見つめ、気付けば涙が一筋零れていた。泣いてばかりじゃいられないと思ってすぐにこれだ。情けない。こんなにも情けない姉なんて、そりゃ嫌に決まっている。
    浮かれて、好きな相手のことなんて話すグエルに呆れたのだろう。
    事の大きさを分かっていない、なんて軽率で誰とも関係を持つようなふしだらな女だろうと軽蔑したに違いない。
    こんな人間の傍から一刻も離れたがっていたのがその証拠だ。口すら聞いて貰えなかった。
    (こんなことなら…)
    顔を伏せる。震える手で毛布をぎゅっと掴んだ。握った筈のラウダの手の感触も、さっきまで近くにあった体温も、全部遠く感じる。またぽとりと涙が零れてシーツにシミを作った。
    …こんなことなら恋に気付かない方が、ずっと楽だったのかもしれない。
    一方的に想っているだけでもいいと、確かにそう思っていた筈なのにこんなにも苦しい。
    去りゆくラウダの後ろ姿を思い出す。傍にいればいるほど、父が不審がる。そう思っていたじゃないか。正しかった。一瞬の気の迷いで声をかけた自分が明らかに間違っていた。甘ったれた自分を心の底から恥じた。
    これ以上ラウダを巻き込まないと、絶対にラウダだけは守ると、そう決めたのに。

    …子供が大事なら、相手を守りたいなら…どれが一番いいか分かるんじゃないか

    シャディクの声が脳裏に響く。いちばん良い方法。それが何なのかわからない。

  • 164二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:38:05

    なんでいつもそうラウダのダイスは一番出ちゃいけないのが出るんだ!?!?はー鬼畜すぎる…

  • 165二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:38:18

    ラウダのダイスは、よりによってなんでそれが出るんです?3分の1ですよね?っていうの選び続けてる気がするぞ

  • 166二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:43:00

    グエルがラウダへの恋を自覚してこれでやっと前に進めるか…!?ってなったタイミングでラウダがいつも決定的に間違える行動のダイスになってしまうのこれでもう何度目だ…

  • 167二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:44:34

    🎲神様の、バカ(号泣)

    ていうかラウダお願い、気づいたところでなにもできないだろうけど、せめて姉の想いに気づいてあげて…。

  • 168二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:45:56

    一番じゃない方法を選ばせようとするダイス

  • 169二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:47:23

    頭に血のぼって大事な姉の声が耳に入ってこなかったか……

  • 170二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:58:18

    まぁラウダ視点から見たらグエルがシャディクのことを愛してるって自分に宣言して子供も既に居るみたいな脳破壊されてる状況だから仕方ないのは分かるんだけど…

  • 171二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 23:42:00

    暫くぼんやりとした後、はっとした。
    ジェターク社にまで手を伸ばそうとしているシャディクが、ラウダに接触してくる可能性は十分にあるんじゃないだろうか…。
    ラウダがグエルの言葉を無視して去った苦しさによって、シャディクの声を思い出しふと気付いた。
    当然のように、ラウダに父親であることを前提に話し掛けてしまったら…その考えに至りぞっとする。
    シャディクは世間やヴィムが相手を知らないことは把握している。でもラウダ自身はどうかは知らない。
    シャディクのまとわりつくような甘い響きを纏わせた声音を思い出す。最悪を想定し、体がぶるりと震えた。自分を抱き締めるように、子供を庇うように、ぎゅっと丸くなる。
    …ラウダに言うべきじゃないだろうか。シャディクに気を付けろと。何を言っても、信じるなと、そう告げておいた方が良いんじゃ……
    ラウダはグエルに騙されている等言っていたので、何やらシャディクを警戒しているのは分かる。けど念には念を入れておいた方がいいのではないだろうか。
    腹の子供の父親がラウダであると、ラウダには絶対に気付かれてはいけない。
    ラウダ自身に恐らく心当たりは無いはずだ。何せあんなにも避妊に気をつけていたのは他ならぬラウダ自身。
    誰かに何かを言われない限り、自分が父親であると考えもしない筈だ。
    …軽蔑している姉の言葉には耳をかさないかもしれない。話し掛けるなと怒鳴れるかもしれない。さっきみたいに、言葉を無視されるかもしれない。
    でも自分が子の父親であると、少しの疑念だって抱かせたくない。
    ベッドから足を下ろす。素足が床につき、冷たい感触が伝わる。足首についているリングはさほど重くはない。…いける。
    もうラウダはジェターク社を発っているだろう。
    もしシャディクが即ラウダと接触しようとしても、今から走れば二人が学園で出会う前に追いつけるかもしれない。
    担当医の「絶対に安静にしてください!」と言う言葉が頭の中に響く。ちらりと腹を見る…でも、行かないという手はなかった。
    扉の向こうの人間に話し掛ける。
    「………体が怠い。熱があるのかもしれない。担当医を呼んできてくれないか…」
    去っていく音を確認し息を吐く。ぴったりと扉の脇に張り付き、体を念入りに伸ばす。次にここが開いた時がチャンスだ。
    …走りには自信がある。

  • 172二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 00:01:13

    絶対安静言われてるのに走ったらあかん…!ラウダ、戻ってこい…!

  • 173二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 02:35:40

    騙されている。
    優しくて、人が良くて、落ち込むとちょっとめんどくさくて、ちゃんと警戒心を持っているくせに、一度懐に入れた人間に関してとことん甘い。
    初めて会った時、幼いラウダを優しく包み込んでくれた瞬間から姉のことが好きだった。好きで、好きで、大好きで、心から愛している。彼女の為ならなんだってラウダは出来るのだ。
    姉の輝かしい人生の傍に立って姉を守りたい。姉が背負っているものを、少しでも分けてほしい。頼ってほしい。ずっと一緒に生きていきたい。
    それがラウダの望みだった。

    (シャディク。絶対に許さない。)

    姉を騙して、利用して、孕ませた。シャディクも、その子供も到底許せるはずがない。
    人を信じすぎるきらいが姉に近づくのは簡単だっただろう。
    グエルはシャディクのことを俺との決闘を避けているヘタレだと笑っていたが、仲は悪くなかったように思う。同じ決闘委員会のメンバーとして親しそうに話しているところを何度も見たことがある。
    言葉巧みに近づいて、甘い言葉を吐いてその気にさせた。
    ……ああ、好きだ。愛している。
    先ほどの姉の様子を思い出す。ラウダの手を握りながら、シャディクのことを思い出しているのだろうか。頬を染めて微笑んで、ラウダをまっすぐに見つめてくる姉は美しかった。
    その言葉とグエルの表情を見た瞬間、ラウダの中でまだ確かにあった筈の何かが真っ黒に塗り潰された。
    騙されている。姉はシャディクに騙されて、入れ込んで、すっかりと抱き込まれている。僕の言葉なんて届かないんだとはっきりとわかった。
    はやく、学園に戻らなくては。姉さんを守らないと。僕が、僕だけが姉さんを守れる。それだけしか考えられなくなって、何も頭に入ってこなかった。
    (僕が姉さんを守るよ)
    だから姉さんは安心して。そう心の中で告げる。
    衝動のままやや早歩きで進み、プラントを移動して早々に学園に着いた。向かうはグラスレー寮。
    全部ぜんぶシャディクが悪い。許せない。
    好きだなんて、愛しているだなんて。姉さんに言ってもらえて。憎い。憎くて、憎くて…羨ましい。

  • 174二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 02:54:50

    すごい……このラウダの心情がめちゃいい……
    地獄みたいな展開なのに地獄を踏みしめながら歩いてるラウダの描写がとても良い……
    ありがとうございます

  • 175二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 08:39:56

    わかります。激情を抱えてこそのラウダ!という感じ

  • 176二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 16:13:48

    >>173

    (スレ主です。途中出てくる「人を信じすぎるきらいが姉」は「人を信じすぎるきらいがある姉」の誤りです…いつもの誤字なんですが、意味合いが変わってくる気がしたのでここに修正します…すみません…)

    (ここにしか書き込んでないので巻き込まれてるんだと思いますが、いつも使用している回線がIP規制されてしまい、こちらの回線もいつ規制されるか分からないので、もし忽然と書きこみがなくなったらお察しください…規制が解除されたら戻ってきます)

  • 177二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 16:23:25

    このレスは削除されています

  • 178二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 16:43:44

    (※致命的な誤字があったので🎲の結果はそのままに再投稿)


    一方のシャディク

    グエル♀と会った後、

    dice1d3=3 (3)


    1.すぐに学園へと帰り、現在グラスレー寮にいる

    2.すぐに学園へと帰ったが、学園内で用事があったので寄り道をしていた。現在学園内をうろついている

    3.他のフロントで用事があった為、ラウダよりも後に学園へと帰ってきた。現在学園の入り口辺りにいる

  • 179二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 16:48:35

    グエル♀ちゃんはラウダを追いかけてきてる
    シャディクはラウダより後に学園に帰ってきた
    もしかしてグエル♀ちゃん…ラウダの前にシャディクと合流してしまうのでは…?

  • 180二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:17:43

    扉が開いた瞬間、その隙間に体を滑り込ませる。驚いた担当医が半歩下がるのを見た後、勢いよく飛び出した。
    見張りの男がすかさずグエルの腕を掴み、体が引っ張られるが「乱暴はやめてください!」と担当医が悲鳴のように声をあげたことで、その力が緩む。その一瞬の隙をついて、腕を振り払い、勢いよく裸足でジェターク社の床を蹴り上げる。
    後ろから担当医の制止の声が聞こえる。安静に、とか走らないで、とかそんな内容。でも足を止めるわけにもいかず、そのまま無我夢中で走る。
    事情を知っている社員には、ヴィムから大事な母体なのだから丁重に扱えとでも言われているのか、はたまたさっきの担当医の言葉が効いているのか、力づくで止めようとする輩もいなかった。
    事情を知らない社員たちは何処からか飛び出してきたグエルを見て驚くばかりで手を出してこない。とてつもなく好都合だった。
    (ラウダ…!)
    グエルの頭の中には弟の姿しかない。早く、シャディクが接触する前に、あんな奴の言葉を信じるな、すべて嘘だと言っておかなくては。
    扉が締まる寸前の船に滑り込む。人はほとんど乗っていなかった。
    居場所は既に知られている。すぐに連れ戻されるだろう。だがほんの少し、5分でも、1分でもいい。ラウダと話せる時間がほしい。
    大事にはしたくないだろうから、学園に先回りしていることもないだろう…たぶん。
    ここ数日の生活で鈍った体が憎らしい。息を整え、窓に頭を預ける。
    連絡手段を確保することも考えたが、生徒手帳が何処に仕舞われているか分からない今、これが確かな気がする。学園の警備は顔パスでどうにかなるだろう。
    ジェターク寮にいることを祈りながら目を閉じる。頭がガンガンと痛む。体が前後に激しく揺すられているような、嫌な感覚がする。
    悪かったな、びっくりしただろと心の中で謝りながら一度腹を撫でた。

  • 181二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:33:18

    (思ったより遅くなったな…)
    時計を見上げながらシャディクは少し後悔した。
    ジェターク社の用が済めばさっさと帰る予定だったが、どうせならと他のフロントでの用事も一緒に済ませることにした…ら、思ったよりも時間を食ってしまった。
    今日起きたことに思い返し、思考を巡らせたシャディクの口から出たのは重い溜息だ。
    そのままグラスレー寮に向かうべく、頭の重さに比例してゆっくりとした足取りで歩く。
    そこでふと気付く。後ろから、あまり聞かない足音がする。
    硬い革靴が地を蹴る音ではなく、柔らかなスニーカーの底が踏み出す音でもない。強いていうならペタペタ、という音だ。
    そんな聞きなれない足音が忙しなくこちらに近づいてくる。警戒して振り向く。
    「………えっ」
    普段滅多なことで心を動かさないようにしているシャディクであったが、流石にこれには動揺した。
    一瞬見間違いかと思った。でも一度だけ瞬きをした後目を開いてもやはり見間違いじゃない。
    膝丈まであるゆったりとした白いシャツが見える。いつもはきっちりセットされている特徴的な色をした前髪が降ろされていて……その姿には見覚えがある。
    いや、さっき、というか数時間前に見たばかりだ。その体を抱きしめたのだから、嫌というほど見覚えがある。
    ……嘘だろ。何で。

    「グエル!?」

    前だけを見てひたすら走るグエルはこちらに気付いてないようだ。おい、妊婦だろ。そんな勢いよく走っていいのか。駄目じゃないのか…?というか顔色が悪くないか…こんな激しい運動で頬が赤くなってるはずなのに、彼女の顔は真っ白だ。胸がざわつく。
    シャディクに気付かず通り過ぎようとするので、思わず腕を掴む。バランスを崩したグエルを抱き留めるように両手を広げたら、予想外の制止だったらしく素直にシャディクの腕の中にすっぽりとおさまった。
    そこで初めてグエルがシャディクの顔を見る。その顔はやはり青白く、どう見たって健康体の人間の顔色じゃない。
    見開かれた澄んだ青の瞳がシャディクを映す。震える唇が、「あっ、」と小さく声をあげた。
    「シャディク…?」
    「どうしてこんなところに…」
    安静が必要な身だと、グエルの父が言っていた気がする…ますます意味が分からない。逃げたくなったのだろうか。

  • 182二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:36:56

    このレスは削除されています

  • 183二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:39:14

    ああ…やっぱりシャディクの方と先に接触してしまったか…
    ラウダはちょっと冷静になれ…いや状況的に無理なのはわかってるけど!
    このままじゃシャディクにいいように使われてしまうぞ

  • 184二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:41:38

    グエル体調大丈夫か……

  • 185二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:45:12

    しかし子供の父親を世間からも実の父親からも守りたいくせに、それでも父親から失望をされたくない彼女が今更逃げるとも思えない。
    青白い顔をしながらシャディクの腕の中でもがくので、慌てて逃げないように強く抱きしめる。
    しかし「離せ!」と今にも倒れそうな人間が発しているとは思えない声をあげられ、眉間に皺を寄せてシャディクを睨み付けてくる。
    かといって離すこともできないシャディクとの不毛な攻防戦が始まる。が、弱り切ったグエルが勝てるはずもない。そのまま抱き込んでいたら、次第に抵抗は弱くなっていった。
    彼女の口から荒い息が零れる。足に力が入らないのか、シャディクに凭れるようにしてどうにか立っているので、肩に顔を置き真正面から抱きしめてやった。
    背中に手を回し、全身で受け止める。
    端から見たら恋人同士の熱い抱擁にも見えただろうが、中途半端な時間の為か、今ここには誰もいない。
    息に交じり、絞り出すようなかすかな声で「ラウダ…」と耳元で弟の名を呼ぶのが聞こえる。
    「ラウダが…どうかしたか?」
    「シャディク…ラウダには…ラウダにだけは手を出すな…あいつは…」
    そうグエルが言った瞬間である。シャディクの電子手帳のコール音が鳴り響く。
    ぐったりとした様子のグエルをそのままにもしておけず、一瞬無視しようとする。が、サビーナ達に長時間の外出になるとは言わずに出てきてしまった。
    急な用である可能性も考え片手でどうにか電子手帳を掴みタップする。その瞬間、サビーナの「今どこにいる」という声が飛び出こんでくる。
    「ラウダ・ニールが尋ねに来た。外出から戻ってきていないと言ったら、学園の入り口で待つ、と」
    止める間もなく行ってしまった…と言われて、シャディクとしては思わず舌打ちをしたい気分だ。
    連絡をくれたサビーナに礼を言い、通話を切る。なぜこのタイミング。よりによって。
    グエルもこの調子だし、あの後ラウダが来て何か話がこじれたのだろうか…いや、そもそも姉にべったりなあの弟のことだ。結婚の話を聞いたら、一度こちらにやってくるとは思っていた。
    が、グエルが予想外だ。すべてを振り切ってなぜここにやってきた。しかもラウダを探しに。

  • 186二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:50:37

    とりあえずここで鉢合わせになるのが一番まずい。しかも尋ねに来たのは数十分前だと言う。もうそろそろここらに来てもおかしくない時間である。
    かと言って、シャディクに縋りつくようにしてどうにか立っているグエルをここに放置するわけにもいかない。
    足首のリングを確認する。すぐに迎えが来るだろう。
    それまで何処かで休んでもらおうと、肩を貸そうかと思った…が小さく震えて、顔色も先ほどよりもずっと悪い。嫌だろうが我慢してもらうことにして、身をかがめた後、ひざ裏と首元に手を入れて勢いよく抱き上げる。
    一瞬グエルが足をばたつかせたが、すぐに観念したらしい。抵抗する体力もないのか、そのまま大人しく脇にある木まで運ばれていく。ここならば垣根のおかげでたとえラウダがやってきたとしても、グエルの姿は見えないだろう。
    そのまま根本に体をおろし、幹に上半身を預けるような体勢にする。
    伏せられた顔にかかる髪を耳にかける。うっすらと開いた唇からは短くて荒い息が零れ、やはり顔色は異常に悪い。ラウダの件がなければ、このまま医務室にでも運びたい気分だ。
    「シャディク…ラウダには、」
    そううわ言のように何度もラウダの名を呟くので、だらりと力なく地の上に転がっているグエルの手を一度握る。ひやりとした、血の気を感じさせない手だった。
    別にシャディクとしても、最初からラウダに手を出す気はない。穏便にお帰り頂きたいところだ。
    足音が近づいてくる。硬い靴底。さっきみたいな音じゃない。力強く、一歩ずつ足を踏み出す音がする。何やら相当怒っているらしい。
    シャディクは静かに笑みを浮かべる。ゆっくり振り向く。やっぱりそこにはすごい形相をしたラウダがいた。

    「シャディク・ゼネリ。お前に話がある。」

    グエルと一緒にいたときだと、絶対に聞けないような地を這うような低い声だ。右手は左の髪を弄い、敵意と殺意を剥き出しにした瞳がまっすぐにシャディクを射抜く。
    恐いなぁ、とシャディクは肩をすくめて笑った。

  • 187二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 19:53:35

    タイミングが~~!!!

  • 188二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 20:05:10

    >>178

    これもしかして一番アカン出目だったのでは…

  • 189二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 20:11:44

    マジでチビりそう…。

  • 190二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 20:13:20

    今もうラウダからはグエルがいるの分からない状態なのかな?
    ラウダがグエルの話信じてなかったのが嫌な形で伝わってしまいそう…

  • 191二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 20:16:15

    >>190

    姉さん見えてたらシャディクに声かけるよりも先に姉さんのいる木の影に飛び込んで姉さんの安全確保すると思うので多分気付いてないですね……

  • 192二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 21:06:11

    本編のグエルが行動力がありまくるが故に裏目に出てしまう感じを思い出す…

  • 193二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 21:13:40

    自分から問題に突っ込んでいったから自業自得ではあるんだけど姉弟に巻き込まれすぎてシャディクにちょっと同情してくる

  • 194二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 23:54:40

    保守

  • 195二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 02:38:54

    保守

  • 196二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 03:20:47

    純粋な好意だけではないがシャディクは丁重に接しようとする時には行動が本当に柔らかくて優しく描写される点が大好きです
    全員頑張れ

  • 197二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 08:18:40
  • 198二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 09:36:07

    今広範囲に規制してるっぽいから巻き添えくらってるんだろうね
    自分もここ最近全然書き込めなかった
    うめ

  • 199二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 09:38:55

    たておつです!
    うめ

  • 200二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 12:56:23

    うめうめ

オススメ

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