あ、あれぇ〜? PartIII 星ぼルートⅡ

  • 1123/07/29(土) 12:21:05
  • 2123/07/29(土) 12:22:35

    ──────ギターヒーローの演奏は成功した。目の前の観客に対して承認欲求を持たず反応も期待していないからか、彼女はペースを崩さずに動画のような調子で音を届けられたのだ


    演奏が終わると歓声が上がったことを気にもせず、彼女は背を向けて不満そうにステージを下りた


    (……お店が賑わえば喜ぶと思ったのに)


    (星歌さん……どこか悲しそうな顔してた)


  • 3123/07/29(土) 12:23:51

    その後、本命のライブが終わり客は去った

    ようやくいつもの落ち着けるStarryに戻るとバイトで疲れた結束バンドの三人は椅子に腰をかけてテーブルに顎を置いた


    「賑わって嬉しいけどその分疲れるね」

    「時給増やして欲しい」

    「…あ、後藤さん!」


    「後藤さん、さっきの演奏───」


    椅子から立ち上がり近くを歩くひとりの前に喜多は立つが、彼女は止まらずにピンクの髪を揺らして横を通り過ぎる

    そして星歌がいる別室へと入る



    「……星歌さん。何が悪かったんですか」

    「…お前あんな演奏して満足なのか?」

    「満足じゃないです。星歌さんが笑顔じゃないから」

  • 4123/07/29(土) 12:25:47

    「……それだけか?四人で演奏できなかったことはどうでもいいのか!?」

    「……何が言いたいんですか?」

    「もういい(ぼっちちゃんを責めるのは良くないな。壊したのは私なんだから)」


    「……次こそは星歌さんの喜ぶ演奏をしてみせます」

    ひとりは決意を伝えてその場を去り暗い倉庫に入る


    dice1d2=1 (1)


    1.すべての意を向けている相手に、思った通りの反応をされなくて久しぶりに↓のようになる


    2.(……星歌さんが何を言いたかったのか冷静に分析しよう)

  • 5123/07/29(土) 13:02:01

    (あれ〜?なんでこうなったのかな?店が賑わえば喜んでくれるはずだったのに……)


    (……うぅ、私の実力不足……なわけは無い。雑音にしか聞こえなかったけど歓声は上がっていた。ならなんで……)


    (そういえば四人で演奏しなかったことに怒ってたような……私のことをギターヒーローじゃなくて結束バンドのギターとしか見れていないから?あのバンドの私じゃ星歌さんの役に立てないのに……)



    (……だったら”結束バンドの私”と決別するか)

  • 6二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 13:03:15

    ヤメロー!ヤメロー!

  • 7123/07/29(土) 13:03:40

    「……喜多さん。明日学校から文化祭の演し物案の提出用紙持ってきて貰えますか」

    「えっ、いいけど」


    要件が終わるとひとりは喜多の横を通り店を出る

    「……後藤さん、怖いな」



    ──────後日


    バイト終わりに喜多から用紙を受け取るとすぐさまペンで用紙に記入するひとり

    その内容とは一体


    「……喜多さん。これ提出お願いします」


    「なになに……えぇっ!?」

    驚き声を上げる喜多の後ろから記入された用紙を確認した山田と虹夏も同様に驚く


    「バンド対抗戦出演希望!?バンド名無し……氏名、後藤ひとり!?」

  • 8二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 13:15:37

    そんないい顔で渡すようなもんじゃないよね…

  • 9二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 13:16:19

    これは闇堕ちした主人公を仲間たちの力で元に戻す展開になるか!?!?

  • 10123/07/29(土) 13:35:41

    「後藤さん何考えてるの!?他にバンド出ないから私たち含めた自分と戦うのよ!?」


    「だからやるんです、決別のために」

    「またなんか変なスイッチ入ってるな〜」


    「安心してください。そっちのバンドの演奏にも出ますし、ライブの時と同じ実力を出してみせますから」

    「色々と安心できないよ!それになんでギターヒーローの名前使わないの?折角なら使えばいいのに」

    「……それだとフェアでは無いので。私は私の名前と実力だけで勝ちます。そうすれば独りで演奏する私の存在を肯定して、星歌さんも私のワンマンを笑顔で見守ってくれるはずです」

  • 11123/07/29(土) 13:39:29

    「理由はだいたい分かったけど…多分お姉ちゃんが笑ってなかったのは──」

    言葉は途絶えた。後ろから山田が虹夏の口を手のひらで塞いだからだ


    「いいね、やろう。ただし私たちが勝ったらもう馬鹿な事はやめて」


    「……馬鹿なこととは?」

    「昨日みたいに私たちに相談しないで独りで演奏すること、バンド活動に消極的になっていること。郁代を無視した事」


    「……私が勝ったら…?」

    「それはぼっちが決めればいいじゃん。何?店長に見てもらいたいだけで突っ走って、勝ったら負けた私たちにどうしようかとか考えてなかったの?ぼっちらしいね」

    「……興味なかったので」


    「でも今は違います。倒すべき敵として皆さんを見ています」

    「私が勝ったら結束バンドを辞めます。それで最高のギタリストになってStarryを有名にさせるのは結束バンドでは無くて私だってことを証明します」


    「…後藤さん、やっぱり考え直し──」

    山田は空いている左手で喜多の口を塞ぎまたもや言葉を遮る


    「いいね。勝つのは私たちだけど」


    「……私は星歌さんのために勝ちます」

  • 12123/07/29(土) 13:47:26

    「……今日は久しぶりに星歌さん以外と喋りすぎてイライラするし疲れたので帰ります。喜多さん用紙の提出忘れないでください」

    「…うん」


    ──────


    「ぷはぁ……リョウ!何で止めたのこんな戦い意味ないって!」

    「意味はある。ぼっちが私たちに興味を示した」

    「でもぼっちちゃんが勝ってもお姉ちゃんは絶対喜ばないよ!ぼっちちゃんが余計傷つくだけの勝負になんの意味があるの!」

    「負けなければいい」

    「相手はギターヒーローなんだよ!?」


    「こっちにはぼっちがいる。私も虹夏も郁代も。だから負けない」

  • 13二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 16:41:52

    山田よくこの状況で声が震えないな……

  • 14二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 19:41:45

    やっぱ山田以外が原因で結束バンドがどん詰まりの時、壊してくれるのは山田よな
    マジカッコいいわ

    「ヒーローが傷ついた時は誰が助けてあげればいいの?」の答えだよね

  • 15二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 19:42:13

    面白くなってきた

  • 16二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:08:44

    山田、お前こそが結束バンドだった…

  • 17二次元好きの匿名さん23/07/29(土) 22:16:46

    山田ある種の責任感じてるのかもな・・・逆行の事知ってるから
    ぼっちちゃんが店長へ依存気味になったのは自分と店長しか逆行者じゃない寂しさというか孤独感から来てると考えそう
    実際その可能性はあるし

    だとしたら山田がストッパーになりえたのに台風ライブの前の日までしか記憶ないってこと言ってしまったし実際台風ライブの後から星ぼになり始めた辺りから色々背負い込みそうな感じするんだよな・・・・・

  • 18二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 01:50:01

    >>11

    さらっと喜多ちゃんが無視されたこと根に持っているところマジ先輩

  • 19二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 08:02:53

    保守
    頑張れ結束バンド!後藤ひとりを取り戻せ!

  • 20123/07/30(日) 08:14:20

    行動パート


    dice1d4=2 (2)


    1.後藤ひとり

    2.虹夏

    3.山田

    4.喜多郁代

  • 21123/07/30(日) 10:54:01

    (ぼっちちゃんと戦うことになるなんて……こんなの嫌だよ。お姉ちゃんが聞いたらなんて言うかな)


    「お帰り」

    「おかえりなさい。虹夏ちゃん」

    家の扉を開けると玄関ではいつの間にか帰っていた星歌がひとりの頭を膝に乗せて頭を撫でていた


    「……なにしてんの」


    「充電です」

    「帰宅してすぐ倒れたから癒してる」

  • 22123/07/30(日) 10:55:33

    「…ぼっちちゃん。そのままでいいから私とお話出来る?」

    「はい。イライラが落ち着いたのでいいですよ」


    「そのイライラって何?どこから来てるの」

    「星歌さんが近くにいないとイライラするんです。多分首に八回キスしてもらった辺りから」

    「…お姉ちゃん。それいつやったの」

    「……ぼっちちゃんが家に押しかけた日のお前が学校に戻ったすぐあと」


    「……お姉ちゃんが近くにいたらぼっちちゃんはイライラしないで私や他のメンバーと話できる?」

    「まぁ、はい」

    「そっか!だったら音を合わせるためにも今度の休みにみんなを呼んで家で遊ぼっか。そうやって仲を深めればライブの時みたいな音が出せるようになるから」


    「虹夏それは駄目だ。今度の休みはふた、」

    「いいですよ。私も全力の結束バンドを倒さないと意味が無いので」

    「……虹夏、部屋に行って着替えてろ。私はぼっちちゃんと話がある」

  • 23123/07/30(日) 10:56:17

    「……ぼっちちゃん。ふたりちゃんと約束したよな?次の休みに会いに行くって。妹との約束を破るのか?」

    「はい。今は虹夏ちゃんに合わせる方が私にとって重要なので」

    「……私の頼みでも駄目か?」

    「はい、私の選択が未来の星歌さんの役に立つはずなので」


    「……結束バンドを倒すって言ったよな?どういう事だ?」

    「文化祭のライブで証明するんです。ギターヒーローの力を発揮した私の方が、結束バンドのギターとしての私より優れていることを」

    「……そんなことして何に……もういい、勝手にやれば」

    「はい!やらせてもらいます」

  • 24123/07/30(日) 11:00:42

    〜虹夏の部屋〜


    (──────ぼっちちゃんにギターヒーローの力を発揮してもらってStarryを有名にしてもらう。私の願いはほとんど叶ったのに、なんでこんなに心が痛むんだろう)


    (……ぼっちちゃんが楽しそうに演奏出来ていないから。演奏したのはギターヒーローであって私の知っているぼっちちゃんじゃないから)


    (もしバンド対決で負けたらぼっちちゃんに一生あんな演奏をさせることになるんだろうな……)


    「かといって文化祭ライブで勝ってもぼっちちゃんの性格が元に戻ると限らないからね〜、やっぱ色々とキツいや」

  • 25123/07/30(日) 11:40:30

    〜後日、伊地知家のリビング〜


    「後藤さん!今日はみんなで楽しめるように街で楽しめそうなもの沢山買ってきましたよ」

    「…………あ、はい」

    「ぼっち、いつもより更に元気ない」

    「お姉ちゃんがぼっちちゃんの家に行ってるからね。離れてイライラしてるのかな?」


    「……イライラしてますけど、それを虹夏ちゃんたちにぶつけるつもりなんてありません。そもそも最初からぶつける相手なんていませんから」


    (お姉ちゃんにお熱でおかしくなっても根は優しいままなんだね。これならまだ更生できるかも)


    「そんな気持ちは”楽しい”で塗りつぶしましょう!まずはチョコフォンデュです」

    「……手間が多いですね」

    「だからこそです!みんなで協力するから買ったんですよ!」

    「だるい。虹夏の部屋で漫画読むから出来上がったら教えて」


    「……私も」


    「こらー!サボるなー!」

    「でも懐かしい感じですね」

  • 26123/07/30(日) 11:59:34

    「この漫画読む?」

    「あ、はい。(記憶を受け継いで過去に戻った俺が小学校で無双する……タイトル長いな)」


    「ぼっち。この本の主人公ぼっちと同じような境遇なんだよ」

    「…内容がタイトル通りなんですね」

    「うん。でもぼっちと主人公には違うところがあるの」


    「主人公は自分の環境を良くするためにしか動かなかった。けどぼっちは違う」


    「台風ライブの日、いやその少し前からかな。ライブさせないって言われた時のぼっちと店長のやり取りとライブの時のぼっちの行動に違和感があったから、ライブ終わった次の日に店長に訳を聞いたの。…何も教えてくれなかったけど」


    「でもそれで少しだけ分かったよ。多分ぼっちが知る前の私たちはライブで失敗をした。だけど今回の私たちには失敗なんてなかった。それはぼっちが突っ走る演奏で私たちを引っ張ったから。だから私たちは何も苦悩せずライブで楽しむことだけができた」


    「ありがとう。もっと早く言うべきだったね」


    dice1d33=5 (5)


    20以上で少しデレる

  • 27二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 12:15:18

    >>26

    あまり響かないかったか...

  • 28123/07/30(日) 13:08:56

    「……今日はよく喋りますね」

    「言いたかったこと思い出せたからね」


    「……私はあっちの様子見てきます」

    「うん、よろしくね」




    「───それで、次は刻んだチョコを……」

    「…様子を見に来ました」

    「ぼっちちゃん!ちょうど良かった〜、もうすぐチョコの準備が終わるから苺を洗いたかったんだ。私と一緒にやってくれる?」

    「いいですよ。未来のお姉ちゃんですし、協力して活動すれば音を合わせやすくなるので」

    「そんな建前はどうでもいいよ!とにかく楽しもうね」

  • 29123/07/30(日) 13:11:23

    「……(楽しくない)」

    「ぼっちちゃん、そんなに一つ一つに時間をかけて洗わなくていいよ。ほら次々」

    「あ、はい」


    虹夏はひとりの摘んだ苺を取り除き、箱から新しい苺を手渡す

    「みんなのために頑張ろうね」

    「……私は星歌さんのためだけに頑張りたいです」


    「うーん。それだといつまで経ってもぼっちちゃんの世界は狭いままだよ?お姉ちゃんのためから、その妹の私のために、そしてその私が所属するバンドの他のメンバーのために頑張ろう……って、少しづつでいいから自分が興味を持てる相手を増やしていこう。その方が絶対楽しいから」

  • 30123/07/30(日) 13:13:15

    >>28

    dice1d33=17 (17)


    20以上で虹夏を”星歌の妹”として見ることが無くなり”伊地知虹夏”として再び興味を示すようになる

  • 31123/07/30(日) 13:18:58

    「……私の世界は狭いままでいいです」

    「……そっか。」


    「苺無くなりましたね」

    「…うん。私はお皿に盛りつけるから喜多ちゃんのこと手伝ってあげて」

    「はい」

  • 32二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:27:08

    かつてのぼっちちゃんの残骸が極稀に顔覗かせるせいで諦めつかない虹夏ちゃん…

  • 33123/07/30(日) 13:42:55

    「……喜多さん。虹夏ちゃんに手伝えって言われたので来ました」

    「そうなの?じゃあ一緒にかき混ぜましょ!」

    「……あ、はい」



    ひとりはたったひとつしかないかき混ぜ器を手に取り、喜多は手をひとりの手の上からのせた


    「後藤さん、私が手を乗せても溶けずに顔色ひとつ変えなくなったのね」


    「それはそれで嬉しいけど……でも少し寂しいな」

    「……」

    「あっ、早く回しすぎですよ。もう少しゆっくり…ゆっくり……」

    「……」



    ストレスチェック


    dice1d33=28 (28)

    25以上でストレス爆発

  • 34二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:56:01

    なんでプラスは全然引かねえのにマイナスは大体引き当てるんだよ!

  • 35123/07/30(日) 14:37:09

    「……なんなんですかさっきから」

    「後藤さん?」


    「私はこのままの方が前より幸せなのに……虹夏ちゃんも喜多さんもなんでそんなこと言うんですか」

    「ごめんなさい」


    「……イライラします。」

    「星歌さんと離れているからではなくて……私は喜多さんの事が嫌──」

    「ストップ」


    「口を動かすより手を動かして。お腹すいてるんだけど、早く食べたい」

    「ごめんなさい。そうですよね、あと少しかき混、」

    「喜多さん、その手を離してください」


    「……ごめんね。私フォークとか用意してきます」


    「ぼっち、郁代になんて言おうとしたの」

    「……言いたくないです」

  • 36二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:41:48

    リョウが上手くフォローしてるけど...
    全方位に曇らせてて辛い

  • 37123/07/30(日) 14:53:34

    「「「……」」」

    「なんかお通夜みたいになってない!?」


    「ほらいつもみたいに喜多ちゃんが引っ掻き回して賑やかにしてもらわないと私ひとりだけはしゃいでるだけで全然盛り上がらないから〜!なんかとかして〜!」

    「……」

    「ぼっちちゃんこの苺大きいよ、食べる?」

    「……」


    「リョウ。どうしよう?」

    「……知らんし」


    「……もう今日は解散しようか」

  • 38123/07/30(日) 15:09:41

    「そ、それじゃあ二人とも気をつけて帰ってね」

    「…はい」

    「虹夏、ぼっち。バイバイ」

    「……」


    「ぼっちちゃん返事して!」

    「……リョウさんお疲れ様です」


    「…後藤さん。そんなに私のことが嫌いならもう私にギター教えなくていいよ」

    「……嫌いとは言ってないです」

    「だったらさっきなんて言おうとしたの」


    「……言いたくないです」


    「郁代。もう帰ろう」

    「……お邪魔しました」


    「ぼっち。こういうのにはもう参加しなくてもいいけど、合わせの練習には忘れずに来てよね」

    「分かってます……私は”まだ”結束バンドのギターなので」

  • 39123/07/30(日) 15:15:58

    episode


    dice1d5=2 (2)


    1.後藤ひとり

    2.虹夏

    3.山田

    4.喜多郁代

    5.伊地知星歌

  • 40二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:16:58

    2連続で虹夏ちゃんか

  • 41二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 20:12:44

    よく考えたら虹夏ちゃんって、星ぼくっ付けてぼっちちゃんを囲おうとした罪があるから、今そのツケを清算する時なのでは?
    あの日「ギターヒーロー」を手に入れた気分はどうですか?虹夏ちゃん

  • 42二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 21:20:49

    だとしたら喜多ちゃんだけがまっさらだな・・・・・・

  • 43二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 23:30:55

  • 44二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 06:17:56

    保守

  • 45123/07/31(月) 08:04:15

    〜Side虹夏〜

    伊地知家の玄関


    「”まだ”とか言わないで〜!ぼっちちゃんはずっと結束バンドのギターなんだから」

    「…文化祭で私が勝ったら違います」


    「なんでそんなこと言うの…ギターヒーローも結束バンドのギターも両立できるよ…」

    「できませんよ。私が結束バンドを完全に辞めない限り、星歌さんは私独りの演奏を笑顔で見守ってくれませんから」


    「勝ってもお姉ちゃんはそんな事しない!なんでそれが…」

    「虹夏ちゃんが言ったんですよ!!」


    「ギターヒーローの力で店を人気にすれば星歌さんは喜んでくれるんだって」

  • 46123/07/31(月) 08:06:07

    「……ぼっちちゃんはいつも変な方向に突っ走るよね」

    「なら私はどこに向かえばよかったんですか!?虹夏ちゃんたちの演奏に合わせられない不甲斐ない私の力じゃ店を人気にさせることなんて不可能なんです!だからソロ弾きのギターヒーローの知名度と力を使いました!その選択のどこが変なんですか!?」


    「わからず屋!もういい!私たちが勝ってギターヒーローよりも結束バンドのぼっちちゃんの演奏の方が優れてるんだってことを証明してやるんだから!!」


    「……証明ならもうされてます。自分のことは自分が一番よくわかっているので」

    「分かっていないからわからず屋なんだよ。どうせ演奏の上手さを技術と力量だけで判断してるんでしょ」


    「それだけじゃないってこと、文化祭で思い出させてあげるから」

    「……期待しています。敵として」


    「仲間だよ、ぼっちちゃんは。ずっと」

  • 47123/07/31(月) 08:13:54

    〜星歌の部屋〜


    星歌のいないその場所で独りの少女は電気もつけずに背を曲げてギターを弾いている


    「……」


    (遅い……もう十時を過ぎているのに……いつになったら帰ってきてくれるんですか)


    dice1d2=1 (1)


    1.(もう少しギターの練習して気を紛らわせるか)

    2.(……もう寝よう)

  • 48123/07/31(月) 08:36:14

    (もう少しギターの練習をしよう)


    「……練習。そういえば喜多さんは一人で練習できるのかな……」


    「……仕方ない」


    ひとりはカメラでギターヒーローの動画撮影を始める

    今回の内容は──────



    ────────────


    〜喜多の部屋〜

    「一人で練習するって言ったけどいいお手本がないから全っ然上達しない!それに近くに誰もいないと楽しくない!」

    「あんなこと言うんじゃなかったな」


    ピロッ♪


    (動画の通知音?ギターヒーロー…後藤さんが動画投稿したのね。帰りにリョウ先輩に登録させられたけど見てなかったのよね。これ以上に上手いとこ見せられたら余計に文化祭が怖くなるから)


    しかしそんなことを思いつつも喜多は慣れた手つきでタブをタップして動画を再生する


    「全く素直じゃないんだから」


    動画の内容はギターヒーローが教えるギター練習法というものだ

  • 49123/07/31(月) 08:38:32

    場面はもどり星歌の部屋へ──


    「……これは全力の結束バンドを倒すためであって、別に喜多さん個人のことを思ってとかではない……はず」


    「……少し落ち着いたから寝るか。起きたら星歌さんが隣にいるといいな」

  • 50二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 08:47:37

    まだぼっちちゃんの優しさが残ってるから戻れる可能性はある...!

  • 51123/07/31(月) 08:50:57

    episode

    虹夏のネタ切れたから一旦消します


    dice1d4=2 (2)


    1.後藤ひとり

    2.山田リョウ

    3.喜多郁代

    4.伊地知星歌

  • 52二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 09:13:26

    廣井or星夏でダイスしようぜwwww

  • 53123/07/31(月) 12:08:19

    〜Side山田〜


    ひとりが就寝した同じ頃、山田は部屋の机に俯いていた


    「……無理勝てない」


    (虹夏たちの前だと言い切ったけどやっぱ無理。ギターヒーローに勝てるわけないじゃん。観客が素人だらけの文化祭なら、音が多いバンドというアドバンテージと郁代のボーカルと学校での人気を利用して勝てるとか考えてたけど動画聴き直したら考え否定された)


    dice1d2=1 (1)


    1.「…でもまだやれることはある。明日からは個人練習より合わせの練習をしよう」

    2.「……まだ何週間かあるけどもう既に戦意喪失した。虹夏に当日は三人でお願いしますってロイン送ろ」

  • 54二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 19:04:52

    >>53

    良かったのか駄目なのか分からんな

    弱音吐露した方が上手くいく可能性もあるし・・・・・

  • 55二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 20:39:26

    まさかぼっちちゃんに悪堕ち女幹部みたいな事ができるとはこのリハク

  • 56二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 22:40:56

    仕方ないとはいえ逆行前の記憶を失った皆に憤りを感じてる側面もありそう
    誰のせいでもないだけに憤りをぶつける相手もいないし辛かったよな…

  • 57二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 22:58:19

    >>56

    だから星歌さんに依存する必要があったんですね

  • 58123/07/31(月) 23:01:11

    ───日を改め、Starryのスタジオにて練習の前に結束バンドは文化祭の曲を何にするか決めていた


    「郁代から聞いたけど私たちの対抗戦は演し物二つ分の枠をとってやるみたい。だから時間いっぱい使って三曲ずつ弾いて対決……ってのも考えてみたけど審議の時間も十分に取りたいから二曲ずつにした。丁度文化祭でウケそうな曲が二つ仕上がったとこだし」

    「頑張ったじゃん!私はそれに賛成!ギターの二人はどうかな?」

    「私は賛成ですけど……」


    「……決まったなら早く練習しましょう。今のままではギターヒーローの相手にはなりませんよ」


    「ぼっちも賛成で満場一致」

    「なんかぼっちちゃん、お姉ちゃんに似てきたね」

    「えっ!?何処がですか!?」


    「うおっ、そんなに目を輝かすな!何処ってツンツンツンツン…ツンツン…デレ〜ってところ」

  • 59123/07/31(月) 23:03:36

    「無駄話はこれくらいにして、いくよ〜!」


    結束バンドの練習


    dice1d100=42 (42)


    80以上で更に対抗戦のジャッジにボーナス


    50以上で約1名を除いて勝てるかもという自信が湧く


    49以下でテンションガタ落ち


    10以下でギスギス

  • 60二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 23:06:45

    まあそう上手くは行かねえか...

  • 61二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 23:08:02

    う~ん厳しい

  • 62123/07/31(月) 23:26:14

    ──────


    「……無理だ勝てない」

    「そんな事言わないでー!リョウが今一番バンドを支えてるんだからここで折れたらダメでしょー!」

    「なら虹夏がこの役替わってよ」


    「……ギターの音が合ってなかったです」

    「……あはは…後藤さんその言い方だとツンだけじゃない。デレはどこ行ったの?」


    「……星歌さんに会いたくなったのでしばらく離れます。喜多さんは虹夏ちゃんとリョウさんと一緒に練習しててください」

    「ちょっとそれ意味が分からないですよ!音が合っていないなら後藤さんと一緒に演奏するしかないじゃないですか!家にいる店長さんに会いたいならここに呼べばいい!なのになんでこんな逃げるような真似するんですか!」


    dice1d5=2 (2)


    1~3.無言で帰宅

    4.「……(私がいるから余計だめなんですよ。下手な私に合わせるための練習なんて喜多さんには要らない)」

    5.「───最初にバンドから逃げたのは喜多さんじゃないですか」

  • 63二次元好きの匿名さん23/07/31(月) 23:32:30

    >>62

    5じゃなくて良かった!

    良かったんだ‼

    みんな、それでいいよね?

  • 64123/07/31(月) 23:40:07

    「……」スタスタ


    「逃げたね」

    「あーあ!後藤さんが分からない!一体何考えてるの!!」

    「お姉ちゃんのツンデレと同じ要領で翻訳すると……」


    dice1d3=1 (1)


    1.「他の楽器と一緒に練習することが喜多ちゃんが一番上達できる方法……ってことかな?」

    2.「ごめんわかんないや」

    3.「”ギターヒーローに比べて下手になっている私の演奏に合わせて欲しくない”…とか?」

  • 65123/07/31(月) 23:58:00

    「他の楽器と一緒に練習することが喜多ちゃんが一番上達できる方法……ってことかな?」


    「ますます意味分かりませんよ!ギターの音が合ってないって言われたんですよ!ならギター同士で合わせ練習しないと上達できないじゃないですか」

    「……その言葉ってさ。ふたつのギターが噛み合っていないって意味じゃなくて私たちの演奏そのものからズレてるって意味じゃない?」

    「リョウ先輩どういうことですか?」


    「仮説だけどぼっちは演奏中、耳が肥えていて僅かなズレも感じ取れるんだと思う。だからぼっちよりも少しだけズレてる郁代はもうひとりのギターに合わせる練習よりも、他の私たちに合わせる練習をしてズレを治した方が上達するんじゃない」

    「なんだそういう意味だったんですね!後藤さんしっかりデレてたんだ」


    「……まぁぼっちに合わせる練習なんかしてたら負けてぼっちが抜けたあと、バンドとしての復帰がより難儀になるし」


    「”負けた”の前に”もしも”をつけろ!ぼっちちゃんは替えのきかない結束バンドのギターなんだから絶対に負けられないよ!」

  • 66二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 08:29:10

    まあ山田は>>53みたいな心理状態だからな・・・・・

  • 67123/08/01(火) 14:01:25

    〜星歌の部屋〜


    薄暗いその部屋でひとりは星歌に膝枕をしてもらい、天井についた一箇所のシミを見つめていた


    「星歌さん。最近、私楽しくないです」

    「私が膝枕してあげてるのにか?」

    「はい、変ですよね。それに星歌さんと一緒にいても心の穴が埋まりきらないんです」


    「確かに日に日に元気が無くなってるな。練習のし過ぎなんじゃないのか」

    「……皆さんに比べたら全然してないです。今だって逃げてきましたし」


    「なら尚更埋まらないだろ」

    「どういう意味ですか?その分星歌さんと一緒にいられる時間が増えるなら、空いた心の穴は埋まるはずです」

    「……ごめんそうだよな。今日はこのままこうしてやるから元気を取り戻そう」

    「はい…」


    (この子の考えを否定してはだめだ。…この考え方をするようになったのは私のせいだから)

  • 68二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 14:02:05

  • 69123/08/01(火) 14:05:54

    ──時間はあっという間に過ぎ、文化祭一日目が始まる


    〜2組の教室〜


    「後藤さん来てくれてありがとう!」

    「後藤さんの服も用意しておいてよかった」


    「…あ、はい。(星歌さんに今回はクラスから逃げるなって言われたから来たけど…)」


    いつもと違う教室を見渡すひとり。中学校の給食の時のように繋げて配置された机と椅子には未だに誰の姿も無かった


    (……つまんないな。早く終わって欲しい)


    ひとりがそう考えていると静かな教室とは違い、雑音ざわめく廊下から虹夏と山田


    dice1d2=2 (2)


    1.そして星歌が現れる

    2.が教室に顔を覗かせた

  • 70123/08/01(火) 15:37:17

    「ぼっちちゃんいる〜?」

    「ぼっち、もてなせ」


    「…来たんですね」

    「反応悪っ!?」

    「それよりもてなせ。私の代金はぼっちが払って」

    「……まぁ、いいですけど」


    「お姉ちゃんが来なかったから落ち込んでるの?」

    「……はい」



    dice1d2=1 (1)


    1.(ぼっちちゃんに隠してお昼にサプライズで行こう、ってのを部屋越しに聞いたけどお姉ちゃんのために隠しておこう)


    2.「そっかごめんね。予定通りお店の準備で忙しいみたいで…」

  • 71二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 16:07:47

    今のぼっちちゃんなら公衆の面前で店長にキスしかねないな...。

  • 72123/08/01(火) 18:35:05

    (ぼっちちゃんに隠してお昼にサプライズで行こう、ってのを部屋越しに聞いたけどお姉ちゃんのために隠しておこう)


    「えーっと……ドンマイ!」

    「……帰りたい。けど帰ったら星歌さんに怒られるジレンマ」


    「代わりに私たちが終わるまで残ってあげる。当番が終わったら郁代も来るって」


    「……残りたければ残ってもいいですよ。人気がないので席は余ってますし」

    「素直じゃないな〜」

  • 73123/08/01(火) 18:35:40

    ─────────

    「もうそろお昼だから喜多ちゃん来るかな」
    「待ってたら眠くなった」


    「お待たせしましたー!」キターン
    「…喜多さんも来ましたか。集まりましたし何か頼みます?」

    (まだお姉ちゃん来てないけどお腹空いたから先に頼もう)
    「どれどれ〜…このふわっぴゅあ──」
    「名前だけは豪華なただのオムライスです」
    「じゃあユニコーンの──」
    「それも味は同じただのオムライスです」

    「メニュー名違うだけで全部同じかい!」
    「メイド服が高くて予算が無かったんです」

  • 74123/08/01(火) 18:36:55

    「とにかく三つ持ってきて」


    「あ、はい……」


    時を同じくして校門に


    dice1d2=2 (2)


    1.星歌が現れる

    2.星歌と廣井が顔を出す

  • 75二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 19:39:16

    廣井来たか
    二周目にボトルネックの出番ある?

  • 76二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 19:41:52

    廣井は果たしてあの時のことを憶えてるのか、幸せスパイラルで忘れ去ったのか...

  • 77二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 19:45:23

    これでボトルネックできなかったらもう大変なことになるな
    カップ酒は死守しろ

  • 78123/08/01(火) 21:38:22

    一方メイド喫茶と化した教室では


    「ぼっちちゃん遅いね」

    「調理室から持ってくるにしても随分時間かかってますね」

    「……」

    「おいそこ!寝ない」


    「……ん?教室の外が静かになった」

    「見に行ってみましょう」

    「……」


    様子を見に喜多と共に寝ている山田を担いで外に出る虹夏

    彼女たちが目にした光景は、逃げるように教室の壁に背を預けて道を開ける生徒とピンクの長い髪を揺らしてオムライスを運ぶメイド。そしてそのメイドを守護するように後ろから抱きつき周りにガンを飛ばす星歌と、その横で酒と自堕落な生活から来る臭いを飛ばす廣井の姿だった


    「…おいそこ!ぼっちちゃんが可愛いからって見つめるな!私の婚約者だぞ!」

    「うぇへ〜先輩こんな人前で堂々と熱愛宣言するんすか、やばいっすね!」


    「遅くなりました。いいことがあったもので」


    「……うん。ぼっちちゃんにとってはそうだろうね」

  • 79123/08/01(火) 21:40:29

    「席あるじゃん!座ろ〜」

    「店長さんは分かりますけど、なんで廣井さんまで来ているんですか?」

    「えー!喜多ちゃんは私に来て欲しくなかったの?」

    「いや、そんなことは!」

    「目輝かせてスキップしてる先輩見つけてさ、それでどこ行くのか聞いたらぼっちちゃんの高校の文化祭って言うじゃん。だから私も行きたいって言ったら”今のこと黙ってたら連れてってやる”って!先輩優しいよね」


    「……お前全部喋ったな」

    「……あ、殺される」


    酔っ払いの体に技をかけようと立ち上がる星歌。しかし動きはそこで止まる


    「星歌さんが来てくれたことも、そこまで楽しみにして貰えたことも嬉しいです!星歌さん好きぃ!」


    メイド服を着たひとりが後ろから抱きついたからだ

  • 80123/08/01(火) 21:42:48

    「……」

    「お姉ちゃん固まっちゃったね」


    「ぼっちちゃん助かったよ。それと前はきついこと言ってごめんね〜!純愛だって知らなくて」


    「星歌さん好きぃ!」

    「ぼっちちゃんにとって先輩は幸せの源なんだね。私にとっての酒みたいに」


    「ねーねーぼっちちゃん!ハグに満足してからでいいんだけど、この美味しくなる呪文ってやつお願いしま〜す!」

    「現在五分待ちです」

    「長っ!?そんなにやったらお姉ちゃんが溶ける!」

  • 81二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 22:13:36

    普通に受け入れてたなお姉さん

  • 82二次元好きの匿名さん23/08/01(火) 22:19:26

    まあ逃げを選んでしまった身としては言えることも無いか

  • 83二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 06:01:45

    >>80

    廣井にとっての酒って言ってるあたり歪なことに気づいてるな

  • 84二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 08:14:47

    >>83

    それでいて周りがどうこう言って変えれるもんじゃないとも思ってる

  • 85123/08/02(水) 09:37:49

    「もう用意できます」

    「やっとか」

    「オムライス冷めちゃいましたね」


    「ふわふわ…ぴゅあぴゅあ……みらくるきゅん。おむらいす……おいしくなれぇ…」


    ……べちゃっ


    「……不味い」

    「パサついてるね」

    「そうか?今まで食べてきた中で一番美味いぞ!」


    「そりゃあ、お姉ちゃんからしてみればそうだろうね」

    「……高校の頃を思い出させる味だ。もう食べたくない、飲もう」


    「後藤さんこんなんじゃダメよ!もっと愛情込めなきゃ!」

    「え、星歌さんにはかけたんですけど」

    「……それでも私たちと同じで、店長にかかったのもまずそうな紫色だった」

    「みんなに込めなきゃダメよ!」

  • 86123/08/02(水) 09:41:42

    喜多の放つ美味しくなる呪文から生まれたピンク色のハートは店長を除いた四人分のオムライスに”キターン”と刺さり、その味を上書きした


    「美味しい、手が止まらない」

    「家庭的な味に変わった!」

    「酒が進む〜!」


    「…喜多さんはこういうのが上手ですね。服はあちらに三着ほど余っているので着替えてやってみてはいかがですか」

    「是非!先輩たちも行きますよ!」

    「え?私も!?」

    「…ギャラ入るかな」



    「…なんだ、まだ私以外に優しくできてるじゃん。安心したよ」

    「……みんなを働かせるのは、私が星歌さん専属のメイドになるためであって、決してリセットされる前の文化祭で、メイド服を着て楽しそうにしていたからとかでは無いです」

  • 87123/08/02(水) 09:43:22

    「私のメイドならもう少し素直になれ。それと隣の席が空いていて寒いんだけど」


    「え?先輩、左に私いますけど」

    「はい!今温めますね」


    「え〜い!こうなったら私もメイド服着てやる!」

    「歳を考えろ歳を!…ったく。……おい!そこに座ってるの!遠くから私のメイドをジロジロ見るな!」

    「星歌さん、嬉しいですけどあんまりやると退場させられるので控えてください」


    こんな展開が何度も繰り返され、文化祭一日目は幕を下ろした。


    「あっ後藤さん!あした文化祭の演し物バンドだけじゃなくて一人でも出るんだって?クラスのみんなで絶対見に行くから!」

    「……ありがとうございます(来なくてもいいけど一応礼を言っとくか。私はともかく他のメンバーは喜ぶだろうから)」

  • 88123/08/02(水) 09:48:52

    メイド喫茶を終えた結束バンドのメンバーは帰る前に明日のステージを視察する


    「ここの体育館は広いね」

    「Max千人は入れる」

    「さすがにそこまで人は来ないと思いますけど」


    「……とうとう明日ですね」

    「うん、だからもう時間が無い。練習行こ」

    「そだね」



    ────────────

    〜最後の練習〜


    dice1d50=11 (11)


    40以上で文化祭ジャッジにボーナス

    10以下で途中にぼっちのギターのペグが壊れてしまい練習が中断される

  • 89二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 11:08:34

    >>88

    ギリギリギター破壊阻止できたなw

  • 90二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 14:23:55

    ジャッジボーナス2回外してるしだいぶ分が悪いな
    ここまできたらバッドエンドにならないことを祈る

  • 91123/08/02(水) 14:46:00

    ────────────


    (……喜多さんのこの演奏──)


    「後藤さんどうかした?」

    「……私が言った通りの練習してないですよね。まだリョウさんたちとズレてます」

    「ごめんなさい。でも私が音を合わせたいのは────」


    「……ううん。なんでもない。ごめんなさい、言ったとおりにできなくて」

    「練習、この辺でやめにしよう。明日に備えるためにも」

    「そだね。ぼっちちゃん帰ろっか」

    「……はい」

  • 92二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 14:47:44

    このレスは削除されています

  • 93123/08/02(水) 14:50:10

    〜文化祭二日目〜


    ───伊地知家

    「ぼっちちゃん行ってらっしゃい!また学校で」

    「……はい。時間になったら喜多さんと校門に迎えに行きます」


    「…ぼっちちゃん」

    「あっ、星歌さん!行ってきます!」


    1.「……行ってきな。私は見に行くから」

    2.「待ってぼっちちゃん」

  • 94123/08/02(水) 14:50:40

    >>93

    またもやダイス忘れ


    dice1d2=2 (2)

  • 95123/08/02(水) 15:08:19

    「待ってぼっちちゃん」

    星歌は部屋にとんぼ返りをして、あるものを大事そうに抱えて持ってきた


    「はい、これ」

    それは星歌がかつて使用していたギターだった

    「えっ……これ使っていいんですか?」


    「なんのために持ってきたと思ってんだ。早く受け取れ」

    「……はい!」

    ひとりは父から借りたギターを丁寧におろし、星歌が抱えるギターを受け取る

    そして幸せそうに陽の当たる外へと足を踏み出した


    「お姉ちゃん何してくれてんの!これで更にぼっちちゃんが勢いづいたじゃん!」

    「だからいいんだろ」

    (ぼっちちゃんならその力を結束バンドのために使ってくれる……私は信じてるぞ)


    「……お姉ちゃんは私たちに負けて欲しいの?」

  • 96二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 19:55:50

    普通に考えたら激アツシーンなのに……

  • 97二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 20:34:09

    このギター乗り換え、家族から店長へってことにならない?大丈夫?

  • 98二次元好きの匿名さん23/08/02(水) 22:21:45

    姉妹仲に不和が生じそうだけど...

  • 99二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 08:26:16

    これライブ後に星歌さん目掛けてダイブしそうだな

  • 100二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 12:38:06

    しかしぼっちちゃんが壊れたタイミングのせいで
    喜多ちゃんのターンだけごっそりなくなったなあ…

  • 101123/08/03(木) 16:55:54

    ───バンド対抗戦の直前


    「次で私たちの出番だね」

    「あ〜緊張してきた!」

    「喜多ちゃんファイト!リョウは端で震えてないでこっちに来る!……ぼっちちゃんは」


    (星歌さんのギター…肌にしっくりくる)


    「うん、そのまま見とれて弱体化してて」

    「私たちの演奏にまで影響出ますし、後藤さんのためにも正々堂々戦いましょうよ!」

    「ビラ見たけど先攻はぼっちになってたから正気に戻すのは一曲目を弾き終わってからでいいよ」

  • 102123/08/03(木) 16:57:50

    「前の演し物終わったね。それじゃ行こっか!」

    「はい!後藤さんも行きますよ〜!戻ってきて〜!」

    「………はっ!…あっ、はい」

    「楽しもう後藤さん!」

    「……(何を楽しむの?これは勝負なのに)」


    前の演目が終わり、幕が降りて照明が消えた薄暗いステージ。

    四人はその舞台へと上がりそれぞれの配置に着いてチューニングを始める



    やがて照明の光が降り注ぎ、司会からの紹介が終わり幕が上がると、外の光とともに生徒や来場者の拍手喝采がステージへと運ばれる


    「喜多ちゃ〜ん!」

    「は〜い!」

    (喜多ちゃんは人気者だね。…仕方ないとはいえ名前を呼ばれないぼっちちゃんが少し可哀想だな。本人はなんとも思ってなさそうだけど)


    「ぼっちちゃん来たよ〜!祝い酒持って」

    「ぼっちちゃんの直ぐ前か。私たちは丁度いい場所に居たみたいだな」

    「星歌さん!私っ頑張ります!」



    「ひとりー!」

    「……(来たんだ。お父さん、お母さん。ふたりまで)」

    「ひとりちゃん!」

    (私のファンの子たちも……わざわざ)


    (───どうでもいいけど)

  • 103123/08/03(木) 16:59:19

    ひとりが考えている間も時は進んでいた。

    既に喜多はバンドの紹介を終えて、ぼかしを入れてなぜ対抗戦なんてものを開催したのかを説明している


    「───です。だから後藤さんがみんなにアピールをしたいからと、この対決をすることになりました!」


    (…めっちゃぼかし入れましたね。もはや捏造ですよ)


    「話はこれくらいにしておいて、では聞いてください!後藤さんの演奏を」


    ステージの照明は再び消え、スポットライトがひとり目掛けて注がれる

  • 104123/08/03(木) 17:01:35

    ひとりのソロ演奏


    100- dice1d50=45 (45)

    合計85以上でひとりにジャッジボーナス

    合計90以上で更にボーナス


    ────────────

    現在使用予定の勝敗ダイス

    dice2d5=・


    1でひとり。2で結束バンド、出目が多い方が勝ち

    もし85がでたら最大値が3になり、1~2でひとり、3で結束バンド

    90で試行回数が一回減って一回分ひとりの数が出たことになる

  • 105123/08/03(木) 18:23:50

    演奏が終わり、開幕時よりもさらに大きな拍手喝采で体育館は震えた

    だが星歌にしか目がないひとりにとっては雑音にしか聞こえなかったようだ

    猫背の虎は顔を上げずに足元…正確にはそれより少し奥にいる人物の顔を見つめていた


    (やっぱり星歌さんは笑顔になってくれない。私がまだこのギターを使いこなせてないからかな……違う、私のことをまだ結束バンドのギターとしか見れてないからだ。だから一人で演奏している私を認めてくれないんだ……絶対に勝って抜けなきゃ。結束バンドから)



    「上手いっすけど、なんか違うんすよね」


    「これなら震えながらやった路上ライブのが輝いてました」

    「ぼっちちゃんが一人で路上ライブしたのか!?」

    「初ライブのチケット売るために頑張ってたんですよね。お姉さんの力を借りずに売りたいーって。あの頃のぼっちちゃんはどこへやら」


    (それもあんな性格に変わる前にか…きっとそれも虹夏たちのため頑張って行動したんだろうな)

  • 106123/08/03(木) 18:25:50

    「ぼっちちゃん戻ってきて!私たちの番だよ!」


    「……あ、はい。手は抜かないです」


    スポットライトからステージ全体を灯す光に変わり、ひとりも機材を運んで三人に近づいた


    虹夏がドラムスティックを数回叩くと、それを合図に結束バンドの演奏が始まる


    dice1d2=1 (1)


    1.(……みんなに合わせられないからさっきより下手だ。だけど……何かが満たされるような…)

    2.(……星歌さんの前でこんな下手な演奏…さっさとやめたい)

  • 107二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 20:08:14

    これは復調クル――(゚∀゚)――??

  • 108123/08/03(木) 20:16:50

    「──────ありがとうこざいました!一曲目っ、”忘れてやらない”でした!」


    (……一人でやった演奏より下手だったのに。上手いと言えない出来だったのに…それなのになんでさっきより満たされるんだ)


    「後藤さん次の演奏の準備、準備!」

    「──────はい。」

    (……星歌さんが笑顔で聴いていたから…ってだけじゃない。こんな人を集められない演奏で笑顔になってもらっても私は嬉しくないはずだから……ならなんで……)



    裏方が疲れたからか、今度はステージを照らす照明の種類が変わることなどなかった。

    少しメンバーから離れたひとりは雑念を払い除け、ひと息入れて演奏を始める



    dice1d2=2 (2)


    1.(…………)

    2.(……つまらない)

  • 109123/08/03(木) 20:43:20

    (……つまらない)


    雑念を払い除けたはずなのにひとりの頭にはずっとこの言葉が浮かんでいた


    (さっきはこんなこと思わなかったのに…自信が持てる演奏をしてなんでつまらないと感じるんだ)


    ────────────


    雑念が混じったひとりの演奏

    100-10(選択肢ボーナス)- dice1d50=42 (42)


    合計値85以上でひとりにジャッジボーナス

    70以下でバンド演奏時ハッピーエンドの選択肢を一つ追加(計二つ)

    50以下で結束バンドにジャッジボーナス

  • 110123/08/03(木) 21:29:33

    (つまらない演奏だったのに歓声が湧いた。演奏の善し悪しはさっきと変わらなかったのか)


    (……最初から心のどこかでつまらないと感じながら演奏していたのかな)


    バンドとして出ていた時よりも明らかに大きな歓声が鳴り響き、勝利という結果をより揺るぎないものとしたはずのひとり。それなのに彼女の顔は悲しそうだった


    他のメンバーはひとりの心情に何かあったかのではないかと心配でならなかったが、ここでライブを中断させるわけにもいかないため、喜多が彼女の手を引っ張り意識を現実に戻させる


    「後藤さん最後の曲だよ!楽しもう!」

    「……楽しむ」


    dice1d3=2 (2)


    1.(……そうだよ。なんで忘れていたんだろう)

    2.(…わかった気がする。私の心に足りなかったものが)

    3.(……私はバンドだと下手な演奏しか出来ないのに…だから楽しめませんよ)

  • 111123/08/03(木) 21:42:18

    結束バンドは最後の演奏曲”星座になれたら”の演奏を始める


    (私の心の穴が星歌さんだけじゃ埋まらないはずだ。だってバンドって、このメンバーでやる演奏は──)


    (こんなにも楽しいんだから!)


    彼女の演奏の実力はぐんと落ち、メンバーとの息も少しズレていたがそれでもひとりは…結束バンドは笑っていた

  • 112二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 21:43:22

    光の中へ...

  • 113123/08/03(木) 21:50:34

    曲はラストサビ前の間奏へと差しかかる

    本来ならその間奏はひとりのギターソロが組み込まれていたが、今回はそんなものは存在しない


    (………勝負の事で頭がいっぱいで忘れてた。これは喜多さんの文化祭だ)


    そのパートに差し掛かるとひとりは……


    dice1d2=2 (2)


    1.ギターを鳴らす指を止めた

    2.虹夏と山田に演奏を止めるよう目配せをした

  • 114123/08/03(木) 22:03:52

    (ぼっちちゃん?……うん分かった!)

    (相変わらず馬鹿な事考えるね。嫌いじゃないけど)


    ひとりの真意に気づいた二人はひとりと共に楽器を動かす指と腕を止める


    (えっ!?後藤さん一体何考えてるの!?先輩立ちまで乗せられて……!分かりました!私やります!)



    ソロ演奏をやらざる得なくなった喜多は先生譲りの猫背となり、自信ありげの表情でギターをかき鳴らす


    dice1d100=93 (93)


    51以上で結束バンドにジャッジボーナス

    (現在最後のジャッジで出た目が1~2で結束バンド、3でひとり。51以上で1~3で結束バンド、4でひとりに投票となります)

  • 115123/08/03(木) 22:13:29

    本来存在しないはずの喜多のソロパートが終わり、他のメンバーは各々の楽器を再び鳴らす

    ソロに熱を入れクタクタの喜多だが、彼女は倒れることなくラストサビを歌い出した


    「遥か彼方 僕らは出会ってしまった」

    「カルマだから 何度も出会ってしまうよ」


    (…………)


    「つないだ線 解かないよ 君がどんなに眩しくても」


    ひとりが誇れる結束バンドの演奏は終わりを迎えた


    ──────後は結果を待つのみ

  • 116123/08/03(木) 22:16:55

    〜投票結果〜

    dice5d4=2 3 3 2 2 (12)


    1~3.結束バンドへの投票

    4.ひとりへの投票

  • 117二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 22:28:42

    このレスは削除されています

  • 118123/08/03(木) 22:30:37

    ※画像リンクミス


    「……投票数…ゼロ」


    「……後藤さん」「…ぼっちちゃん」



    「私たちの完全勝利ですね!」

  • 119二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 22:31:25

    うわああああああああああ
    ここで引いてきたか!ダイス神!

  • 120123/08/03(木) 22:44:47

    「後藤さん!」

    「……痛いです、抱きつかないでください」

    「こら!逃げないで!」


    「性格はめんどくさいままか」

    「でももう馬鹿なことはしないはずだよ。リョウとの約束守んなきゃだからね」


    「もう後藤さん勝ったんだから何か一言言わなきゃ!」

    「え、めんどくさいです。ここでStarryの宣伝してもあんまり来なさそうですし」

    「なら今の気持ちを!みんな待ってるわよ!」


    「……こうなったら」

    マイクを持った喜多に追い詰められたひとりはこの場から逃げるためにステージから高くジャンプし、星歌がいない方角目掛けてダイブした



    星歌や家族ならともかく、ひとりを受け止める物好きなどいるはずもなく……


    ひとりは地面に激突した


    その衝撃で──────


    dice1d2=2 (2)


    1.いつもの性格のぼっちに戻る

    2.保健室行きになるが性格は据え置き

  • 121二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 22:46:36

    まあさすがにこれだけで戻ったら都合良すぎるわな…

  • 122二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 22:55:54

    保健室の対話イベは誰が来るかね…

  • 123123/08/03(木) 22:58:09

    〜保健室〜


    「……っ」

    「あ、目が覚めた?」


    「……ッ」

    「起きて早々拗ねないでよ。店長さんじゃなくて嫌だった?」

    「……まぁ、はい」


    「店長さんならあの後、後藤さんの近くで取り乱して”私の婚約者に触るな”って言いながら、保健室の先生にガン飛ばしたの。それで他の先生たちに追い出されたわ」

    「……私のために追い出されたなんて…星歌さん優しくてかっこいい」


    「後藤さんさえ良ければこの後打ち上げ行くけどどうかな?もちろん店長さんも一緒よ」

    「行きたいけど、まだ歩けそうにないのでもう少し休んでから行きます」

    「分かった」

  • 124123/08/03(木) 23:00:24

    「……帰らないんですか」

    「もう少し話したいことがあるの。後藤さんは私と話したくないかもだけど」


    「……話すくらい、いいですけど」

    「ありがとう!色々あるからまず何話そうかな」


    dice1d2=1 (1)


    1.なぜ演奏を途中でやめたの

    2. 後藤さん、私と言い争いになりそうになった日に言ったよね。イライラをぶつけられる相手がいないって

  • 125123/08/03(木) 23:15:19

    「なんで演奏を途中で辞めたの?それに先輩たちにも演奏を辞めるよう目配せしてたって本当!?」

    「……はい」

    「なんでそんなことしたのよ!」

    「……喜多さんならソロができるって分かってたから」

    「嬉しい……けどやりすぎよ!今でも心臓がうるさいんだから!」

    「……ごめんなさい。でも見せたかったんです。みんなに……」


    「喜多さんはバンドでも変わらずに、すごくかっこいいんだってところを……初ライブの時は台風で誰も見にこなかったから」

    「──────あ、あああ、ありが…」


    「なんですか、陽キャが私の真似事ですか?」


    「……今度は私が聞きます」


    「なんで虹夏ちゃんやリョウさんではなく、私の音に合わせる練習をしたんですか」

  • 126123/08/03(木) 23:36:55

    「それは簡単よ。私が後藤さんに合わせたかったから。ただそれだけよ」

    「……よく合わせられましたね。二人だけの練習は最近やってこなかったのに」

    「……動画を見たの」

    「ギターヒーローのですか。確かに練習動画とかは投稿、」

    「ううん、違う。店長さんが記録した練習とライブの映像を借りたの。後藤さんを中心に撮れていたから音も拾えて練習材料としては完璧だったわ」


    「……ギターヒーローの動画を参考にしてたらもっと上手くなれたのに」

    「いやよ。私が音を合わせたいのは結束バンドの後藤さんだから」


    「…やっぱり喜多さんはめんどくさいです」

  • 127123/08/03(木) 23:37:59

    「後藤さん満足したなら次は私ね。えーっと」


    「後藤さん、私と言い争いになりそうになった日に言ったよね。イライラをぶつけられる相手がいないって」

    「……はい」

    「でもその日私にイライラをぶちまけそうになったよね」

    「……ごめんなさい」


    「あっ、いいの!いいの!」

    「それでさ、思ったんだ。後藤さんがそれをぶつけられる相手がいないってのは単に優しいだけじゃなくて、そういうことが出来る程親しい友達がいないからって。よく言うわよね、喧嘩するほど仲がいいって」


    「そう考えたら嬉しくなったの。私そこまで後藤さんと仲良くなれたんだって!」

    「……」


    「後藤さんあの日私を引っ張ってくれてありがとう!結束バンドに戻るきっかけをくれてありがとう!」

  • 128123/08/03(木) 23:40:23

    「…言いたいこと言えたからもう行くね」
    「……待ってください。」

    「……喜多さん前にバンドは第二の家族って言いましたよね」
    「えっ?思ってはいるけど後藤さんに言ったっけ?」
    「……思ってるなら私のこと…な、名前呼びしてください。……それに結婚したら後藤から伊地知になると思うので」

    「……! うん分かった。後藤さ、」
    「ひとりちゃん!」

  • 129123/08/03(木) 23:42:16

    「……ありがとうございます喜多さん」

    「え〜?ひとりちゃんだけ苗字呼びはズルくない?」

    「……私はいいんです。それにリョウさん以外に下の名前呼ばれるの嫌でしたよね」


    「ひとりちゃんなら嫌じゃないよ」


    「……めんどくさいので今までと同じ呼び方します」

    「ずるい!こうなったら勝利者権限使うわ!後藤さんは結束バンドに負けたんだから私の言うこと聞いて!今日から私を名前呼びするの!」

    「…それなら私も勝利者、」

    「口答えしない!」


    「……私しかいないとはいえ保健室では静かにしてください。」

    「……郁代ちゃん」

  • 130二次元好きの匿名さん23/08/03(木) 23:52:19

    最高最高最高最高最高最高最高最高
    最高感謝感謝感謝感謝感謝感謝感謝
    最高最高最高最高最高最高最高最高

    これまでずっとギスギスしててどうなっちゃうんだろう、て思ってたからその分みんな幸せになれて本当によかった...

  • 131二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 07:20:42

    和解もできたし店長好きなまま丸く収まってよかった

  • 132二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 08:34:12

    あの病みっぷりからハッピーエンドになだれ込めるとは読めなかったこの海のリハクの目をもってしても良かった…

  • 133123/08/04(金) 10:23:04

    「──────」

    「なんです。まだ何かありましたか」


    「ううん、もう十分。後藤さんは?」

    「もう話したいことはないですが、まだ歩けそうにないのでここで休みます」

    「そう?肩貸してもいいのに」

    「そ、それは浮気になるからダメです!」


    「それくらいじゃならないわよ!もう、先に行ってるから!」

  • 134123/08/04(金) 10:25:20

    (……まだ痛むけどそろそろ行くか)

    ひとりは保健室の扉を開けて、人がいない閉会式後の廊下を歩く

    賑やかだった文化祭が終わったからか、はたまた久しぶりの学校だからか、誰もいない廊下は孤独と寂しさを孕んでいた


    そんな廊下を足音立てて歩いているとひとりの瞳に五歳の少女の姿が映る


    「あっ、ふたり」「……お姉ちゃん」


    「どうしたの?お父さんとお母さんは?」

    「校門で待たせてる。ふたりはトイレ探してた」

    「そう。トイレなら……」

    「いいよ自分でさがすから。お姉ちゃんはわたしにきょうみ無いんでしょ」

    「…だめ。それはそうだけど、嫌いなわけじゃないから。ふたりに何かあったら」

    「おおげさ」

  • 135123/08/04(金) 10:26:32

    「…着いてきて」

    「お姉ちゃん不登校だからわからないでしょ」

    「わかるから。少しは信頼して」

    「むり。約束やぶったから」



    「……いいから着いてきて。歩きながら話そう」


    「おやすみの日は何日もあったのに一回もお姉ちゃん帰ってこなかった。来たのは星歌お姉ちゃんだけだったもん」

    「…ならなんでそんな最低のお姉ちゃんのライブを見に来たの?」

    「星歌お姉ちゃんにお願いされたから仕方なく」

  • 136123/08/04(金) 10:28:49

    「お姉ちゃんの演奏、一人だと少しマシだけど、みんなとの演奏だと途端にヘタになるよね。私に構うより練習の時間とったのにあんな音しか出さなかったんだ」

    「……」

    「でも楽しそうに演奏出来てたから許してあげる」


    「……ありがとう。めんどくさいお姉ちゃんを許してくれて…それと、トイレ着いたよ」


    「おそ、ぜったい場所分からなくて闇雲に歩き回ったでしょ!」

    「……してない」

    「ウソだ〜」


    「いいから漏らさない内に行ってきなさい」

  • 137123/08/04(金) 10:32:32

    ────────────

    「……ふたりもお姉ちゃんと打ち上げに行く?帰りはお姉ちゃんが家まで着いてあげるから」

    「ほんとう!?行きたい!」


    「まずは校門にいるお母さんたちに相談しに行こうか。ほら、手繋いで」


    「一緒に行こう」


    「うん!」

    ふたりは久しぶりに、本当に久しぶりに姉の笑顔と優しい声を五感で感じとった

  • 138二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 10:49:24

    ダイスのおかげで結構とっ散らかった感じあるけどいい感じにまとめたなぁ
    構成が上手くて羨ましいね

  • 139二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 11:13:15

    なんとか9割は元通りになれたな……

  • 140123/08/04(金) 12:02:15

    〜居酒屋〜


    (……またここか)


    「やっと来た。遅い」

    「可愛い〜!ひとりちゃん、その子誰?ひとりちゃんの妹?」

    「はい。後藤ふたりです!」

    「喜多ちゃんに遊んでもらって。お姉ちゃんは星歌さんのとこ行くから」



    「星歌さ〜ん!」


    「ん、お疲れ様。好きなだけ抱きついていいぞ」

    (うわ〜カッコつけてる…私たちがいなかったら、お姉ちゃんも抱き返してただろうに)


    「星歌さん私頑張りました〜!褒めてください!」

    「よしよし…打ち上げ解散までずっと褒めてやるからな」



    「二人とも盛り上がってるな……」

    「個室を二つ予約しておいてよかったですね。ひとりちゃんと店長…それと酔い潰れてる廣井さんをここに置いて私たちは移動しましょう」

    「そだね」

  • 141123/08/04(金) 12:04:07

    ────打ち上げ解散時刻


    「お姉ちゃん。そろそろ帰るよ」

    満腹の虹夏が襖を開けると未だに星歌はひとりの頭を撫でていた


    「……何時間やってたのよ」


    虹夏は足元で倒れていた廣井を担ぎあげ、バンドメンバーといちゃついている姉に会計を催促する




    「……お前ら食いすぎだぞ。すっかり酔いが覚めたじゃねぇか」

    星歌は長く巻かれたレシートをクシャクシャにしてポケットにしまう

  • 142123/08/04(金) 12:05:09

    〜居酒屋前〜

    「星歌さん…その、これお返しします」
    ひとりは担いでいたギターを手に持ち直し、星歌に渡す

    「まだ私には相応しくないので……バンドメンバーと音を合わせて演奏できるようになって、結束バンドの力でStarryを満席にできるその日までこれはお返します」

    「…うん。チューニングは欠かさないよ」


    「なんなら結婚もそれまでお預けにするか?」
    「そ、それは嫌です!何十年も後になりますので!」

  • 143123/08/04(金) 12:07:03

    「それでは私はふたりを家に送るので今日は私の家で寝ます」

    「ちゃんと妹に優しくできるように戻ったな。嬉しいぞ」


    「私の一番は星歌さんに変わりないですけど、だからって身近な人を蔑ろにしてはいけないって…今日のライブで負けて…いえ、勝って思い知らされました」

    「やっと気づいてくれたか。もう馬鹿は程々にしてくれよ」


    「はい!それではまた明日!」

  • 144123/08/04(金) 12:09:17

    ───数日後、秀華校校門前


    (結局ひとりちゃんの居場所作れなかったな。私が約束守れなかったからもう退学手続きしたのかな……)


    「……おはようございます」


    「うわっ!?ひとりちゃん!なんでここに」

    「ここに居たらいけませんか?私もここの生徒ですよ」


    「登校するの?」

    「それ以外になんのためになんでここまで歩いたと思ってるんですか」

    「退学手続き」


    「……しませんよ。郁代ちゃんと音を合わせるためには一緒に学校生活送ったらいいって虹夏ちゃんにも言われましたし…私たちクラス違うのに」


    「そうなんだ、だったらこれから休み時間は毎日遊びに行くから!学校生活楽しもうね、ひとりちゃん」

    「……はい」

    (めんどくさいけど……これが私の日常か)

  • 145123/08/04(金) 12:10:35

    ──────時は流れ、三学期の終業式


    「……校長の話長かった。これでやっと星歌に会える」

    「待ってひとりちゃん!一緒に行こ」

    「…少し早歩きならいいですよ」


    「来週は新しいクラスの発表だね。ひとりちゃんと同じクラスだといいな」

    「……私は嫌です。中退したいので」

    「なんでそんな悲しいこと言うの?」

    このひとりの性格になれたからか、喜多は彼女のトゲのある発言にいちいち顔を変えることが無くなった


    「今の私の苗字、”い”から始まるんですよ」

    「だから?」

    「分かりませんか。新学期が始まったら問答無用で苗字順で席が決まる。い、なんて一番前かその後ろじゃないですか。嫌ですよそんなの」

    「他の人に見られてもなんとも思わないんじゃなかったの?まだ羞恥心あったの?」


    「恥ずかしいからとかじゃなくて、暗い後ろの席が好きなんです。窓際とか日光入ってきますし、廊下側ならカーテンが無い」

  • 146123/08/04(金) 12:13:23

    「郁代ちゃんと同じクラスにならなければ虹夏ちゃんもきっと中退を認めてくれる。だから私は同じクラスになるのが嫌なんです」

    「そうなんだ」


    「でも同じクラスなら私たち隣同士になるかもしれないね」

    「……浮気になるから嫌です」

    「だからそのくらいで浮気にはならないわよ!」


    「……新学期こそ絶対高校中退してやる」


    日光を反射して輝く、美しい指輪を中指に填める彼女は、今日も本音で話せる友達と共に最愛の人が経営する家に帰る


    「着いたね。今日もバイトに練習がんばりましょう」


    「伊地知ひとりちゃん」

  • 147123/08/04(金) 12:40:51

    ひとりは喜多と一緒のクラスに


    dice1d3=2 (2)


    1~2.なった

    3.ならなかった

  • 148123/08/04(金) 12:44:16

    〜クラス発表〜

    「……なんで」


    「やった!先生に頼み回ったかいがあったわ!」


    「……席も前の方だ。終わった」

    「それに私たち隣同士だね!」


    「……最後の手を使うか」

  • 149123/08/04(金) 12:56:11

    〜伊地知家〜


    (子育てを理由に高校中退しよう)


    「星歌、そろそろ子ども作りたいです」

    「うぇ!?無理でしょ」


    「私たちなら多分できます。やりましょう」

    「いやいや…それにできたらできたで、店の経営とバンド活動に支障が───」

    「そういうのは後で考えましょう。やりますよ」


    二人の目合で子どもは……

    dice1d2=2 (2)


    1.できた

    2.できなかった

  • 150123/08/04(金) 13:16:49

    「……ぼっちちゃん。すげーきもちよかったよ」


    (……これ絶対出来てない。けど星歌が満足しているからいいか)

    「ならこれからは毎日やりましょう!」

    「待て!さすがに毎日は……んッ…」



    二人の子どもは……


    dice1d2=1 (1)


    1. dice1d365=90 (90) 日後に妊娠した

    2.出来ずにこのスレはぼっちちゃん在学ENDで終了

  • 151123/08/04(金) 13:25:21

    どちらが妊娠した


    dice1d2=1 (1)


    1.ひとり

    2.星歌

  • 152123/08/04(金) 14:11:12

    ───90日後
    〜Starry〜

    「うぇへへ……できちゃいましたね」
    「なんでできたんだ…」

    「早速退学手続きしてきます!(期末テスト前に出来てラッキー!)」

    「ぼっちちゃん病院行ってたんでしょ?体調大丈夫?」
    「あ、はい!病気とかでは無いので」
    「……じゃあ何だったの?」
    「私、妊娠しました!」

  • 153123/08/04(金) 14:12:35

    「お姉ちゃんにぼっちちゃん、私たちに相談もしないで何やってたの!これ暫く活動できないじゃん!」

    「もう勝手に馬鹿なことしないって約束したよね。約束どこいった」


    「ひとりちゃんおめでとう!性別は分かったの?」


    ……えと…


    dice1d3=1 (1)


    1.多分女の子みたい…です

    2.多分男の子みたい…です

    3.私が妊娠したのは人じゃないみたいです

  • 154123/08/04(金) 14:22:55

    「多分女の子みたいです」


    「ひとりちゃんと店長さんとの子ならとびきり可愛い子が産まれそうね!」


    「……はぁ、めでたいけど、よくもまぁぼっちちゃんは次から次に問題を起こしてくれるね」


    (…また郁代が逃げてぼっちと出会った日に戻りたい。今度はこんな事にならないよう、私が未来を変えてやるんだ)




    ──────Happy END?

  • 155二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 17:14:24

    >>150

    その顔使うのやめろw

  • 156二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 17:25:08

    そう言えば個別ルートだった
    トゥルーエンドとかもあるのか?

  • 157二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 17:46:34

    星ぼルート完走お疲れ様でした!
    2週目は初ライブの夜から再開して分岐する感じかな?

  • 158123/08/04(金) 20:53:08

    ぼ喜多やります

  • 159二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 22:09:29

    ぼ喜多!ぼ喜多!ぼ喜多!

  • 160二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:37:13

    >>158

    ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!

  • 161二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 08:51:41

    ぼ喜多ルートは健全だよな?

  • 162二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 08:55:38

    星ぼルートだと喜多ちゃんが可哀想なとこ多かったから楽しみ

  • 163二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 10:27:30
  • 164二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 11:19:38

    始まったな…

  • 165123/08/05(土) 14:17:23

    >>163

    ありがとうございます

  • 166二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 01:05:57

    ハッピーならヨシ!
    (思考放棄)

  • 167二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 12:46:26

    このレスは削除されています

オススメ

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