あんなに明るかったエースが……

  • 1二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 12:57:59

    どうしてニートに……?

  • 2二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 12:58:42
  • 3二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 12:59:11

    ニートになるかどうかに明るいかどうかは関係ないからかな?

  • 4123/07/30(日) 12:59:43

    >>2

    待て、待つのだ

    SSにしたいからちょっと時間が欲しいのだ

  • 5二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 12:59:43

    バブル崩壊

  • 6二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:03

    このレスは削除されています

  • 7二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:03

    このレスは削除されています

  • 8二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:06

    熱中症

  • 9二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:12

    >>2はスレ主じゃねえのかよ!

  • 10二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:15

    主じゃないんかい!

  • 11二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:33

    >>2 がスレ主かと思ったら違うのかよ!!

  • 12二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:46

    とりあえず安価関連消しとけ

  • 13二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:00:53

    (1にSS書いとけばよかったと思うの)

  • 14二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:01:14

    >>2って奴は結構悪質だな……

  • 15123/07/30(日) 13:01:46

    >>13

    正直わしもそう思う

    最初に書いておくよ、ごめん

  • 16二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:05:37

    >>2もこれじゃスレはのびないと思って安価を出してくれたんだと思うから、あんまり責めてやるな

  • 17二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:07:19

    SSならばメモ帳とかで書き溜めてからくるのだ……

  • 18123/07/30(日) 13:17:45

    「はぁ……」

     なんの意味もなく、今日も溜め息を吐く。
     ずきずきと頭が痛むが、起床の時間は訪れている。布団から起き上がって、腕を天井に向け伸ばす。
     ごきり、ごきりと嫌な音が背中から響く。
     長く運動などしていないものだから、いつの間にやら、この身体も錆びついてきていたみたいだ。
     ああ、あの頃のアタシが今のアタシを目にしたら、どのような感情を抱くのだろう。
     信じたくないと目を逸らすか。
     どうしてそこに至ったと怒るか。
     恐らくはその二択だ。今のアタシで考えつくのは、そのくらい。

     ふと壁にかけられている鏡に目をやる。
     伸びっぱなしで肩甲骨辺りまで先端が来ている髪。
     以前からは想像もできなかった暗闇を宿した瞳。
     またこの姿と向き合って、深く溜め息を吐く。

    「どうして、こうなったんだ……?」

     トレセン学園を卒業してから。
     アタシの人生の歯車は、一気に狂ってしまっていたようだった。
     過去のアタシは初代ジャパンカップ覇者で、競技者だったカツラギエース。
     けれど今となっては、無職の23歳。毎日を惰性で過ごす、どうしようもないウマ娘だ。

  • 19123/07/30(日) 13:35:25

    「そういや、今日はゴミ出しだっけか……」

     カップラーメンを啜りながら、壁にかかっているカレンダーを見やる。
     今日の欄には赤文字で『ゴミ出し!』と書かれているだけ。それ以外にやれることも、やるべきこともなにもない。

    『今日はゲストに、元競走ウマ娘で三冠を達成した、ミスターシービーさんにお越しいただいてまーす!』

     カップラーメンを手繰る手が止まる。
     自身がかつて目標と定めていた相手。そんな人物がテレビの画面越しに笑いかけていた。

     額から生温い汗が滲む。音を立てて、手に持っていた箸が落ちる。
     同時に、胃袋からなにかが迫り上がってくる。
     慌ててトイレに駆け込む。だんだん視界がぼやけていくような錯覚さえ覚えてしまう。

    「ゲホッ……ゲホッ……オ、エェ……」

     湧き出る感情を叩きつけるように。
     どうして、どうして、どうして。
     なんでこうなった? なぜ? なぜ?
     もう責め尽くしても足りないぐらい、自分を問い詰めるしかない。

    「カハッ……カハッ……」

     近くの壁に手をついて、立ち上がる。

    「ゴミ出し、行こう……」

     自分にそう言い聞かせて、アタシは生まれたばかりの仔鹿みたいな足取りでゴミをまとめに行く。

  • 20123/07/30(日) 13:51:02

     過去の栄光に縋りつくどうしようもない存在。
     今のアタシを一言で説明するなら、それだけで十分だ。
     23歳でなおも定職に就けず、無職の日々を過ごしていて。
     今なお煌びやかなライバルたちとは正反対の、陰みたい。

    「ハハッ……」

     ゴミ捨て場にゴミ袋にまとめたゴミを出し終えて。なんだかもう、こんな思考さえバカらしくなってくる。

    「また前みたいに、楽しくやりたかったなぁ……」

     自然と笑みが零れる。自嘲するように。
     トレーナーやライバルたちと切磋琢磨し、頂点を目指したトゥインクル時代。
     また、あの頃のように輝けたら。
     どうしても未練ばかりが湧いてくる。

    「……帰ろう……」

    「──あの、もしかしてエースか?」

    「……え?」

     振り返れば、そこには。
     ああ、こんな容姿を、あの人に見せるのはとんでもなく恥ずかしいものだ。

    「──トレーナー?」

  • 21123/07/30(日) 13:52:17

    これで一応完結となります
    ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます

  • 22二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:53:17

    なんだと?
    続きを寄越せ!

  • 23二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:53:51

    思ったより短けぇな!?気になる終わり方ってか、もうちょっとだけ続くと思ってた

  • 24二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:54:21

    SS書ける文章力は尊敬するけどまだ何も始まってないやん!

  • 25二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 13:58:18

    文体は好き
    しかし何も始まっていないぞ

  • 26二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:11:16

    どういうことなの…?
    原因が知りたすぎて夜しか寝れない

  • 27二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:22:57

    待て待て待て

  • 28二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:24:13

    色々気になる終わりだからもっと書いてくれよ

  • 29二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:27:00

    どうしてこうなったのか、今一度よく考察してみよう。

  • 30二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:30:21

    一応地元に帰る。という手もあるから、それすら出来てないってことはよっぽどの事があったことは想像できる

  • 31二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:34:31

    まさかの打ち切りEND・・・

  • 32二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:34:38

    両親の実家の畑が自然災害によって全部ダメになって、多額の負債を抱えた両親は無理心中。
    何とかレースの賞金で負債は返済できて一応生活できる程度の金は残ったけど、心はメチャクチャに壊されて今に至る、とか?

  • 33二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:34:41

    こんな期待だけさせるようなら産まれてくるべきではなかった!

  • 34二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:35:11

    イッチ先生の次回作にご期待ください!

  • 35二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:37:21

    >>34

    次回作じゃなくて続編に期待したいんだよ!

  • 36二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:43:17

    >>32

    あー、なんかそれっぽいな。

    一応生活できるだけのお金はあるから労働する必要も無いせいで意欲が湧いてこなくて…って感じか。

  • 37二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 14:46:10

    ちゃんとテレビに出るあたりシービーも少しずつ変わっているんだな…

  • 38二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:21:01

    カメラに向かってあからさまにエースに向けたメッセージを飛ばしてきてどんどん苦しくなるやつ

  • 39行数オーバーした123/07/30(日) 15:25:00

     スーツに身を包んだ彼の姿は、あのときから、ほとんど変わっていなかった。
     公の場に出たり、アタシが出走するレースでは、いつだってその焦げ茶のスーツを着こなしていた。
     その姿がどこか、今のアタシには眩しかった。
     眩しい。だけど自然と、落ち着く。
     カーテンから差す陽の光のように感じて、思わず目を覆ってしまう。
    「え、エース!? 大丈夫か!?」
     ああ、何を言っているのだか。
     ただ目を覆っただけだというのに。
     あなたと再会できたからなのかな。
     どうして、こんなにも目が熱いのか。
    「と、とりあえず……久しぶりだけど、俺の家に寄らないか?」
     彼の一言に頷いて応じる。
     こんな姿、今の彼には見てほしくなかった。
     けれども、なんで。なんでこんな安心してしまうんだろう。

     なんとか持ち直して、彼に案内された家に辿り着く。のだが、どうにも見覚えしかない。
    「今日からここに引っ越してきたんだ」
    「……あの、そこのアパート、アタシも住んでんだけど……」
     トレーナーさんが指す家は、アタシが住んでいるアパートの一室。
     つまり、ご近所だということになる。
    「そうだったの!? ごめん、嬉しすぎて泣きそうなんだが。泣いていいか?」
    「泣かれたら困るんだよ……」
     トレーナーさんの言葉はいつも温かい。
     昔のアタシでも温かく感じていたそれが、なおさら胸に染みてくる。
    「まだ散らかってるけど、足の踏み場はなんとか確保してる。よかったら、入ってくれ」
     トレーナーさんがドアノブを引き、扉を開ける。散らかっている、という言葉とは裏腹に、きちんとダンボールに詰め込まれていて、整理整頓や分別もしてある。
     こんなアタシとは、まったく大違いだ。
    「お、お邪魔、します……」
     そんな部屋にこんな小汚いアタシが入ってもいいのかはわからない。
     けれど、自然と足を踏み入れていた。

  • 40行数オーバーした123/07/30(日) 15:28:59

    「テーブル出すから、ちょっと待ってて」
     トレーナーさんは真っ白なテーブルを取り出して、居間と思しき部屋の真ん中に設置する。
    「まあまあ、座って座って」
     トレーナーさんから促されて、対面するような形で座る。
     こうして面と向かって話すのは、何年ぶりだろう。懐かしさすら感じる。

    「エース」
     覚悟を決めたような真剣な目つきで、トレーナーさんは見つめてくる。
     対してアタシは、一言も声が出てこない。
     喉で詰まったように、浮かんでこない。
    「……ご両親は、元気にされてる?」
    「…………」
     トレーナーさんに聞かれても、なにも答えられない。
     昔のアタシならハキハキと答えていたはずなのに。
     どうして、どうして。
     辛くて、キツくて、しんどくて。
     アタシは肩を震わせて。

    「もう、いない……」
     嗚咽しかけて、なんとか留まって。
     それでも、自然と言葉が発せられる。
    「山火事で、みんな、みんな、いなくなった……もうアタシの帰る場所も、ない……」
     こんな情けなくて、みっともない姿。あなたには知らないでいてほしかった。

  • 41行数オーバーした123/07/30(日) 15:30:54

    「……そうか」

     トレーナーさんは黙り込む。
     そうだよな、アタシのこの姿を目にしたとして、ただ困惑するだけ。
     だけど一度発した言葉は止められない。理解しているはずなのに、理解することを拒みたくなる。

    「なあ、エース」

     いきなり、トレーナーさんは全身を机に乗り出して。

    「な、なに……?」

     トレーナーさんは再び、口を開く。

    「だったら俺が、帰る場所になる。だからそんな顔を、絶望なんかしないでほしい」

     視線と視線が交差する。
     沈黙がこの場を包み込む。
     だけれど、アタシの心は。
     アタシの目からは。
     なにかが流れてくるような気がした。

     トレーナーさんはアタシの身体を抱きしめる。
     アタシの涙でスーツが濡れることなど気にもかけず。
     ただただ、背中を擦りながら。
     こんなアタシでも、受け入れてくれた。

  • 42行数オーバーした123/07/30(日) 15:49:48

    「ふぅ……」
     額を拭って、息を吐く。
     もうあの頃のような溜め息ではない。達成感のあるひと息だ。
     今しがた用事を済ませて、窓から外を眺める。
     しんしんと降り続く淡い雪。すっかり凍える季節となった。
     しかし今のアタシはそれだけでは凍えなんかしない。
     なんたって、今はお熱くなっているのだから。

    「ただいま」
    「おかえり」
     以前までならトレーナーさんと呼んでいた人を迎え入れる。
    「今日はクリスマスだからさ、料理には腕を振るったんだ。まあ上がって食べてくれ」
     彼が靴を並べて部屋に入っていくのを確認して。アタシは薬指の光に目をやる。
    「……ありがとう、あなた」

  • 43二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:49:51

    このレスは削除されています

  • 44行数オーバーした123/07/30(日) 15:51:32

    これで本当に完結となります
    行数オーバーをやらかしてすみませんでした……

  • 45二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:53:47

    マヤ、わかっちゃった
    このスレが嫁ースのスレに続いていくんでしょ?
    エストレ末永くお幸せに❤️

  • 46二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:55:12

    >>45

    申し訳ないが持ち出しはNG

    曇らせ耐性どうのこうのもあるし

  • 47二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:55:33

    どん底からのV字回復は整うな

  • 48二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:56:21

    最後の晴らせが気持ちよかった(小並感)

  • 49二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 15:57:26

    ええ話や……

  • 50二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 16:02:38

    トレセンでの日々を思い出すだけで吐いちゃうくらい追い詰められてたのによくぞここまで…
    大切な人たちを失う辛さを散々味わってトレーナーに対する依存も深くなってそうだけど幸せでいてほしい

  • 51二次元好きの匿名さん23/07/30(日) 16:34:16

    その後、現実を見たくなくてずっと行けていなかった両親の墓参りにトレーナーと二人で行くんだよね。
    それで泣きながら「会いに行けなくてごめん。これからちゃんと前を向くから見守っていてくれ」と報告するんだよね。

    ということで、イッチ先生宜しくお願いします!

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