【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑫【閲覧注意】

[1 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 20:38:37]

身長171cm　道力3870で味覚障害持ちクローン体050に入り込んだ二重人格擬き状態の生徒会長異世界奇譚CP9激突編です

[2 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 20:39:21]

今までの章

chapter.0　落下

chapter.1　生徒会長は水の都の夢を見るか？

chapter.2　最初の接触

chapter.3　病院の窓

chapter.4　宿借りの島

chapter.5　過ぎにし日々、ウォーターセブンで

chapter.6　豹は無慈悲な夜の兵器

chapter.7　出来損ないの順列都市

chapter.8　あなたのための物語

chapter.9　豹は街から世界を夢見る

[3 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 20:39:52]

原作開始（⑨より）
chapter.10　すべての終わりの始まり
・カクと同時に麦わらエンカウント
・最初のアイスバーグさん襲撃に出くわして徹夜で見張り
・白昼押し掛けてきた麦わらに利害の一致で付いていく
・決断、決別
・オリジナルに海まで投げ飛ばされる

chapter.11　たったひとつの冴えたやりかた
・ドボン、波に拐われかける
・アクア・ラグナから逃走ついでに人獣化
・覚悟を宣誓、ロケットマン乗車

chapter.12　今宵我ら星を奪う
・睡眠でほぼ全回復
・体の状況を共有したり、しなかったり
・味覚が治る示唆を得る
・サンジ達と合流

・作戦会議
・エニエスロビー道中無傷でクリア
・司法の塔探索、そげキングと合流
・ジャブラを騙し討ち成功←ｲﾏｺｺ!

[4 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 20:40:15]

1スレ

【SS・🎲⚓️】服部ヒョウ太は水の都に居る｜あにまん掲示板

前スレ

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑪【閲覧注意】｜あにまん掲示板

参照概念スレ

服部ヒョウ太を原作ガレーラに投げ込みたい｜あにまん掲示板

[5 二次元好きの匿名さん 23/07/31(月) 20:59:23]

立て乙です！新スレ…ありがてェ…！物語もいよいよ佳境だしめちゃくちゃ楽しみにしてます

[6 二次元好きの匿名さん 23/07/31(月) 21:14:31]

ヒャッハー活きのいい新スレだァ～～！！！立て乙！！！
ヒョウ太目当てに読んでる内にガレーラにドはまりしちまったよ！！！やっぱ職人ってかっけーわ！！！特にパウリー！！！ロープアクション！！！050くんのロープアクションもめっちゃ燃えて好き！！！ここ最近の生きる糧！！！感謝！！！！！

[7 二次元好きの匿名さん 23/07/31(月) 21:19:23]

立て乙！何度見てもこのスレ画がロブ・ルッチとか初見でわかるわけ……なんで②でタイルストン気づいてたんだろうな？？あれパウリーが節穴っつーよりタイルストンがすごすぎただけだろ…

[8 二次元好きの匿名さん 23/07/31(月) 21:42:44]

とりあえず10まで保守るぞ!!

[9 二次元好きの匿名さん 23/07/31(月) 22:11:25]

ほしゅほしゅ

[10 二次元好きの匿名さん 23/07/31(月) 22:27:29]

やったー新スレだーーー！！！！！！うひょー！！

[12 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 23:22:26]

「しっかし弟……弟ォ……？」
髭の生えた顎を撫でて頭を捻りながら、未だ混乱が抜けていないのかぶつぶつと同じ言葉を繰り返しているジャブラへと狙いを定めて。



掲げるのは右足。
加減をしなければ鋼鉄すら両断可能であろう凶器を、躊躇なく振り下ろす。



「──嵐脚、『凱鳥』ッ！」
「……っは？、がァッ！？」


ズパァンッ！！！と。

鳥型に空気を割る音が、野外と見紛う部屋全体へと響く。
同時に、くの字に折れ曲がった2メートルの体が弾丸のように吹き飛び、轟音を鳴らしながら壁へと激突した。

[13 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 23:27:09]

がらがら、がらん、と石造りの壁が細かな破片となって床へと落ちる。

衝撃によって白く舞い上がった塵煙の奥から、確かに揺れて見えた影に小さく舌打ちをした。
「……今ので気絶でもしてくれたのなら、楽だったんだがなァ」


「──ぐ、……な、ッにしやがる！！」
がばりと影が飛び上がる。視界を遮る砂埃が晴れれば丁度攻撃をした位置、羽織っただけの服の上から出血した腹を押さえているのが見えた。ダメージ自体はきちんと通っているようで何より。

……それにしても。ガレーラに潜入していた奴らと同じく、やはりこの世界の知人共はおれの知る同じ顔よりも強くあるらしい。決して相手が死ぬことのないようにある程度加減したとはいえ、だ。
基本が超人であるということを加味して境界ギリギリを攻めているというのに、油断していた生身に凱鳥を叩き込まれても尚ピンピンしているとは一体どういう訳なんだ。

[14 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 23:29:56]

「騙し討ちはお前の十八番だろう、ジャブラ？何まんまと引っ掛かってやがる愚か者」
「クソ、なんでンな事まで知ってやがる……！？海賊共の一味って訳でも無さそうだ、スパイか何かってことか？でもってその姿は変装か！？」
そう嘲るように鼻で笑えば、返ってくるのは悪態。手負いであるというのに噛み付く気概は失せないらしく、鋭い眼光がこちらを射抜いていた。

「残念ながら、これは変装でもなんでもねェよ。……お前は本当に知らないようだな？『ロブ・ルッチ』のクローンのことを」
歪めていた口角を戻して睨み返し、そして念を押すように問い掛ければ、険しい表情はそのままに眉尻を釣り上げて訝しむ。
「……？あー、前にそんな噂が立ってたような？……いや、また騙して動揺誘うって魂胆だろ！？ハッ、二回も引っ掛かってたまるかよ！」
しかしすぐに思い直したらしい男は吐き捨てて、ネクタイをしゅるりと外す。


その動作が戦闘態勢に入る合図であることは知っている、そして、先の変化のことも。

[15 二次元好きの匿名さん 23/07/31(月) 23:32:45]

突然の怒涛の供給に息が出来ん

[16 ◆BtOeeshqkE 23/07/31(月) 23:33:42]

「はァ……今度は本当なんだがな。そう人を疑うものじゃないぞ、野良犬」
「どの口が言いやがる！今度はこっちが切り裂いてやるからよ、大人しくしやがれ化け猫モドキ！」


予想と寸分違わぬ姿、狼としての人獣型を取った相手に向かい合う。
単純な実力ではおれの方が上、だが相手は間違いなく手加減などなしに殺しに掛かってくるだろう。エニエスロビーで蹴散らした有象無象の護衛のようには行かないことは必至である。



一触即発とでも言うべきか、びりりとした空気の中。

「……？」



不意に、みし、と。
高い天井が不穏な音を立てた。

[17 二次元好きの匿名さん 23/08/01(火) 10:13:19]

とりま保守

[18 二次元好きの匿名さん 23/08/01(火) 19:57:16]

もしかしてこのタイミングでキリンか？

[19 ◆BtOeeshqkE 23/08/02(水) 00:31:01]

細かなひび割れは、ぱらぱらと欠片を落として広がっていく。記憶よりも大きな体躯をした野良犬も、降ってくる破片を避けながらおれと同じように頭上を見上げた。ぱらぱらからばきりばきりと、より盛大な破壊へと移り変わるそれは、前兆だ。


「天井が、崩れて……！？」


ドゴォン！！！、と天井が耐久限界を迎えて割れる。そうやって空いた大穴から、重力に逆らうことなく落ちてきたのは。



「うおあっ！！」
刀を抜いた海賊狩りと。


「うお、いかん！！人獣型で止めるつもりが……キリンになってしもうた！！！」
聞き馴染んだ声でそう叫ぶ、喋るキリン──もとい、カクだった。



（あれ！前に言ってたルッチの世界のカクさんの能力じゃない！？キリン、初めて見た……！）
（ああ、そうだな。で、ガレーラにいた頃には記憶違いでもなく泳げたはず。つまりはこの短期間で悪魔の実を食べた、と）
どこかそわついた様子の片割れのことは気にしないでおく。同じく動物系である野良犬には反応しなかったのにキリンには興味あるのか。……まァ、狼なんざデカい犬だし反応の差もそんなもんだろう。

[20 ◆BtOeeshqkE 23/08/02(水) 01:07:30]

「ウシウシの実モデル"ジラフ"……ぎゃははは！お前も不憫な奴だ、一生キリン人間とは！！」
「キリンの何がおかしいんじゃ！わしは気に入っとると言うとろうが！！」
全くもって不憫だと思っていない声色で狼が煽り、挑発に簡単に乗ったキリンが上から見下ろしつつ怒る。

そんな間の抜けた言い合いを、隣へ落ちてきた緑頭と呆れつつも眺める。
「他に二人も動物に化ける能力者がいたとは……CP9ってのはそういう集団なのか……！？」
「そんなことは……あるな……」
「あるのかよ」
CP9が生徒会と同じであるならば動物園という揶揄は否定しきれない。動物系が三人に鳩一羽、名前が動物の奴もいる、技を羊に寄せている奴もいるし。カリファのアレは天然ボケという言葉で片付けてもいいものなのだろうか。

[21 二次元好きの匿名さん 23/08/02(水) 01:10:14]

050がキリンでウキウキしてるの良いな
カクのすべりだいなんて経験した日にゃ目ん玉キラキラさせてはしゃぎそう

[22 ◆BtOeeshqkE 23/08/02(水) 01:10:53]

カクの驚き

dice1d100=4 (4)

[23 ◆BtOeeshqkE 23/08/02(水) 01:25:18]

ふ、と。

高所にあるキリンの顔がこちらへと向く。その目は雄弁に、案の定であったかと語っていた。

「……やっぱり生きとったか、ヒョウ太」
「まァな。まさか海に落としただけで終わったとでも？」
確認とばかりに発された独り言に対してにい、と口を上げて答えれば、人外の顔が苦虫を噛み潰したように歪んだ。
「あれで死んどったらそれこそまさか、じゃろ。そっちの方が助かる話じゃがな」


「……いや、いや待てよてめェら……」
言葉の応酬を重ねていれば、横から挟まる声があった。


「どういうことだよ、このルッチモドキと面識あんのかカク！？まさかマジに弟だったりしねェよな！！？」
「……はァ！？なんでヒョウ太のこと知らんのじゃジャブラ！？ルッチも長官も報告はキッチリしたと聞いとったんじゃが！！？」

やいのやいのと飛び交う困惑を聞いて、大まかに理解する。……成程、おれのことが伝わっていないのはただの伝達ミスらしい。それでも政府の秘匿されるような諜報部員やっていけるのか。失格だろ色々と。

[24 二次元好きの匿名さん 23/08/02(水) 11:59:33]

カク今どんな思いなんだろうな　そりゃCP9だしそこんとこドライではあるがクローン襲撃の際に率先してヒョウ太を守っていたとかの前科があるからなぁ…

[25 二次元好きの匿名さん 23/08/02(水) 23:03:21]

保守

[26 ◆BtOeeshqkE 23/08/03(木) 08:36:42]

二人の喧嘩じみた会話がだらだら時間を引き伸ばされているとでも思ったのか、苛立ったようにチャキリと隣で鯉口が鳴らされた。
「おい、キリン！いつまでそこで言い合ってんだ。おれには時間がねェと言ったハズ！そのままでいいんなら、そのまま斬らせてもらうぞ」

その啖呵に改めて、キリンと狼の二つの顔がこちらへと向く。先程まで海賊狩りと戦闘していたのであろうカクが最初に構えた。
「愚かな……！キリンの持つ底知れぬ破壊力を甘く見るな、変型"人獣型"！！」

ただのキリンであった形状がするすると変わっていく。茶と黄色の体毛と目線の高さはそのままに、四足歩行が人間らしい二足歩行へ。


動物系のいわば醍醐味、人と獣の中間点。

[27 ◆BtOeeshqkE 23/08/03(木) 08:40:51]

「見せてやる……生まれ変わったわしのパワー！！」

「かっこ悪っ！！！」

即座に海賊狩りから放たれた反応に、おれからの異論は特にない。

「貴様、今！！」

「ぎゃあっははははッ！はっはっはっ、ひ〜〜〜い！！！」

異論はないが、笑うほどでもない。ショックを受けている変身した当人の周りで笑い転げている狼を見て、呆れに近い感情が湧く。

元の世界ではカクが実を食べてから幼馴染の中でも最後まで慣れず視界に入る度に笑っていたジャブラも、既にカクの人獣姿に慣れているため笑ったとしてもからかい交じり。息が出来なくなるほど心底おかしいというような反応を見るのは久しぶりだ。

手錠

1.ゾロ

2.ゾロ以外

dice1d2=1 (1)

[28 二次元好きの匿名さん 23/08/03(木) 13:28:48]

自分より一回り以上年下の別世界の幼馴染に勝手に呆れられてるジャブラ…
ひとえにてめェが笑い過ぎにも程がある反応をしているせいだが…

[29 ◆BtOeeshqkE 23/08/03(木) 20:42:38]

スレ主はあらゆる感想を喰らって生き永らえている妖怪です　よろしくお願いします



漠然とした追想をしていたところで、がしゃん、と真隣から金属音が鳴った。
「……！？何だこの手錠は！」
「ぎゃーーっ！しまった！すまないゾロ君！！」
「オイ何のマネだてめェ！！」
叫びにつられて海賊狩りの右手を見ればその言葉の通り、そこには手錠の輪がかっちりと嵌っていた。下手人であろう長鼻は、ドアから身を出して後方でわたわたと弁解を始める。
「そ、そいつは多分、例の海楼石の手錠なんだ！敵は二人とも能力者だから手錠ハメてやれば弱ると思って！！」
考え自体はいい発想だ。的が味方でなければ、の話だが。
「それを何でおれにハメてんだバカ野郎！！」
「だ……だってよ！！」
そこで一つ区切りにしてから、ふざけた仮面越しに手を当て。何かと思えば、ははと笑い出した。
「キリンの顔が可笑しくって……つい手元が狂って！」
「違ェねェ！！だーっはははは！！」
便乗してある程度落ち着いていた筈の狼までも笑い始める。緊張感など欠片もない中で飛び交う言い草に、笑われている当人は。


「おのれ、どいつもこいつも……！」
当然の如くキレていた。

[30 ◆BtOeeshqkE 23/08/03(木) 21:04:48]

蹄でズザリと芝生を踏み締め、キリン人間は見覚えのある体勢へと移る。
「能力者の戦闘能力、味わうがいい！嵐脚──」

「……！」
「伏せろウソップ！！」
ぐるんぐるんと回る巨大な体躯とそれに合わせて吹く竜巻のような風。甚大な被害を予測して、攻撃範囲から跳ねて逸れる。視界の端で同じように跳んだ狼と仲間を引き倒した緑髪を視認した。



「──『周断』！！」


轟音、そして崩れる音が上空から。ぱ、と日の光が部屋へ差し込む。

カクを中心として巻き起こった、広範を切り裂く鎌鼬。
それが齎した重く鋭い破砕によって、空気がびりびりと振動しておれの肌を刺す。

「まさか……！！この司法の塔が斬れてズレてんのかァ！！？」
「……能力者になったばかりだというのに、十分に使いこなして塔を両断、とは。末恐ろしい話だ」

[31 二次元好きの匿名さん 23/08/03(木) 22:33:05]

ま、まあ下手に２が出てヒョウ太に手錠嵌まるよりはまだマシだから…（①のヒョウ太&スレ主を苦しめた数々のダイスを横目に見ながら）

[32 二次元好きの匿名さん 23/08/04(金) 03:15:45]

よ、ようやく追いついた……一晩で一気読みしちまったよ
マジでなんで今まで読んでなかったんだってくらいクオリティ高すぎて崇めるしかない　かなり遡っちゃうけど月は無慈悲な夜の女王今丁度読んでるからタイムリーで嬉しかった　こんな分厚い名著読んだスレ主の文章力が凄くない訳がなかったんだ
14歳のアイデンティティとその分裂に対する造詣とロブ・ルッチというキャラへの解釈、それらを確かに表現する語彙に感服の念しか湧かない
戦闘描写って普通むっずいもんだと思ってたんだがそんなの感じさせないくらい自然に戦ってて本当すごい
所々お出し頂けるイラストもめちゃくちゃ上手いし天に何物授かってらっしゃるんですか大好きです
中途半端なタイミングで長文感想すまん本当に感動したんだ
続き楽しみにしてます

[33 二次元好きの匿名さん 23/08/04(金) 09:19:27]

このスレのおかげでルッチのこと大好きになった
ロブ・ルッチという男の魅力に気づかせてくれてありがとう
ここのSSとかエニエスロビー編とかワン学とか読み返したりして毎日ワクワクしながら更新待ってる
応援してます！

[34 二次元好きの匿名さん 23/08/04(金) 19:37:22]

本当にこのシリーズ好き
スレ主頑張って

[35 ◆BtOeeshqkE 23/08/04(金) 22:37:13]

自分の二次創作が推しと公式の好感度へ還元されてるの本当に嬉しい　お得！ ご新規さん報告舞い上がっちゃう…へへ…分量多めなのに読んでくれるの嬉しいね…




無駄に大きなこの塔が真っ二つになる程の威力は、決して半端なものでは無いと視覚から訴えかけてくる。
「──とはいえ、そんなもん何の脅しにもなりゃしねェ」
一切強がりの色を含まずに、海賊狩りが立ち上がる、それに釣られるようにそげキングとやらの腕も同時に持ち上がって、……？


疑問に思った瞬間。がちゃん、とつい先程も聞いた金属音。

「うわ、ガッチリ」
「ああ、そうだな」

……即ち、手錠が掛かったというわけで。


「って、何やってんだてめェはァア！！！」
「おれのせいじゃないでしょーがァ！！！」



「……何やっとんじゃあいつら」
「……さァ？」
しゅるると人型に戻った二人がそう呟くのが耳に入る。……本当に。
「ホントに何なんだ、このバカヤロウ共……！」
敵に呆れられる程に際限のない馬鹿さ加減に、流石に空いた口が塞がらなかった。

[36 ◆BtOeeshqkE 23/08/04(金) 23:08:21]

ニコ・ロビンの手錠と同じく、CP9を倒して鍵を手に入れなければ拘束が解かれることはない。鉄の手錠であればどうにでもなったのだが、よりによって海楼石製。どうやっても破壊は不可能である。
そして片腕が連結した状態では戦力になど数えられる筈もなく、……とんでもない不利な状況に二人三脚で足を突っ込んでいったという訳だ。

「獲物が繋がっちまった……ま、丁度いいのか？あの海賊二人と化け猫モドキ、それぞれ相手すりゃいいってこったろ」
「そうなるのう。問題はどっちがどっちと戦うかっちゅう話じゃが」
す、と二対の細められた目が、見定めるようにおれとバカ二人を往復する。そしてすぐに胡散臭い髭面が好戦的に歪められた。
「そこの化け猫モドキはおれにやらせろよ。不意打ちされた腹がまだ痛むからなァ、仕返ししてやらなきゃあ気がすまねェ！」
「……そんな状態でヒョウ太に勝てるんか？奴の道力はルッチに迫っとるんじゃぞ、力量も測れんのかジャブラ」
「あァ！？……チッ、そりゃ、分かったがよ。だったらてめェが戦っても同じことだろうがカク！」

いがみ合いながらの話は進まない。
……ここでこの二人を片付けてしまえば、オリジナルを除いたCP9のトップ2は居なくなる。


ならば。

[37 ◆BtOeeshqkE 23/08/04(金) 23:11:20]

気取られないように気配を消しつつ足を踏み込み地面を蹴り、一瞬もない後に風切り音を置いてすたん、と並んだ黒服の前に現出する。

「そんなにおれと戦いたいのか？二人とも」

「……っ！！」

それは予想の外の行動だったのだろう、見上げて覗き込んだ目は見開かれており、息を飲む音がした。

軸足に力を入れ、真っ直ぐに。

単純であるが故に素早く、重く、居合の如く蹴りを抜き放つ。

「──いいぞ、それならてめェら両方まとめてかかってこい、よッ！」

攻撃は喰らう？

1.ダメージを受ける

2、3.躱す

カク　dice1d3=2 (2)

ジャブラ　dice1d3=3 (3)

[38 二次元好きの匿名さん 23/08/04(金) 23:45:04]

感想の語彙無くて本当に申し訳ないんだけどそんなに戦いたいのか、のくだり2人が一方的に獲物を定めていた所にまさかの相手側が突然見上げてきてそんな事言ってくるんだよな…ビビるわ…台詞も合わさりヒョウ太の底知れなさを感じられてとても良い…好き…
2人視点からのこのシーンヒョウ太マジで見た過ぎるわ
2vs1…人数差は不利だが道力は上だし人格は2人居るから大丈夫だな！(多分)

[39 二次元好きの匿名さん 23/08/04(金) 23:49:53]

ジャブラの「化け猫モドキ」呼びが一種の怪異的な呼び方っぽくて好きなんダァ…
憎たらしい幼馴染の生き写し…外見ならともかく中身まで一緒は本当に初見不気味だよな

[40 二次元好きの匿名さん 23/08/05(土) 07:03:34]

保守

[41 二次元好きの匿名さん 23/08/05(土) 17:14:44]

ほ

[42 ◆BtOeeshqkE 23/08/05(土) 20:14:46]

「チッ」

嵐脚『線』を放った後の手応えが無かったことに舌を打ち、足を解すように軽く振る。二人目掛けた一直線の急襲は、剃で咄嗟に距離を取ることで避けられてしまったらしい。が、まァそもそもこの程度で終わるような相手ではないことは重々承知している。

「随分足癖が悪ィな……！」

「二人同時に相手するつもり、と……舐められたもんじゃのう、言っておくが手加減などはせんぞ」

ぎろりと向けられた眼光をいなすようにひらひら手を振る。別に舐めてなどいない、ただこちらとしては注意を引くことが目的、二人掛かりで来てもらった方が都合が良いと言うだけ。

おれの背後でトナカイと合流し状況説明をしている奴らを気配で確認し、振っていた手を人差し指を残して握り込む。

獣への変化は腕のみで十二分。

「安心しろ、元からンな期待はしてねェさ……指銃『三撥』」

1.回避

2.反撃

3.喰らう

カク　dice1d3=2 (2)

ジャブラ　dice1d3=1 (1)

手錠の解除は何ターン後？（最低2）

dice1d5=2 (2)

[43 ◆BtOeeshqkE 23/08/05(土) 21:11:55]

だだだん、と弾いた空気が弾丸として撃ち出されていく。高速であるはずのそれは見切られているようで、有効打にはなり得なかったが。

「な、……！？あの腕、あれじゃまるで豹じゃねェか！」

飛んでくる攻撃よりも目を見張るものがあったらしい、空弾を後ろへ跳んで避け、驚きの声とともにおれを指差した。

「ええい周回遅れにも程があるぞジャブラ！」

そしてそれとは対称的に。知識のない味方へ苛立っているらしいキリンが前に跳び、此方へと接近してくる。

「こやつは正真正銘、ルッチのクローン！当然能力も同じっちゅうわけじゃ、強さはオリジナルにゃ劣るがな！──嵐脚！！」

1.回避

2.反撃

3.喰らう

4.不意打ち

dice1d4=4 (4)

[44 ◆BtOeeshqkE 23/08/05(土) 22:45:24]

「剃」
「ぬう、ちょこまかと……！」

洗練された斬撃を慣れた足運びで躱す。攻撃が通らなかったからか、はたまた別の理由からかはともかく、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべたカクへと向き合った。
「それはこちらの台詞だ、一発くらい喰らってくれてもいいだろう？」
「お前さんの技の場合、その一発が命取りになるんじゃがな！！」

軽口を叩きつつも、漂う空気はピンと張り詰めている。一対一ならば勝てる相手ではあるが、今は背後に控えている実力者がいるのだ。おれとて油断は許されない。


──そういう訳なので、隙を見せた奴から潰させてもらおう。

[45 ◆BtOeeshqkE 23/08/05(土) 23:02:39]

たん、と芝生を蹴り軽やかに跳んで、着地地点は呆けている狼の後ろ。

「ちょーっと隙、多いんじゃない？ジャブラ君！」

「──は、ッ！？」

動揺を誘えるかと態とらしく跳ね上げたトーンで投げた声に、期待通り反応が遅れた野良犬が振り向く頃にはもう遅い。

ダメージ

dice1d100=11 (11)

[46 ◆BtOeeshqkE 23/08/06(日) 00:30:59]

「嵐脚、『白雷』ッ！」
「っ鉄塊！！」
ガキィ！！！と、金属同士がぶつかったような音が響く。
心構えすらもろくに出来ていなかっただろうに、それでも咄嵯に防御を固められる辺りは流石政府お抱えの諜報員というべきか。
先程の攻撃と合わせれば半分程は削れているのだからいいとは思えども、出来ることならば早目に一人脱落とさせたかったのだけれど。

「はーやだやだ、不意打ちだったってのにあんま効いてない感じ？鉄塊の練度高くない？」
「な、……な、んな……ッ！？」
唇を尖らせて溜息を吐けば、ジャブラは信じられないものを見たとでも言うように三白眼をかっ開きながらはくはくと口を開閉させた。

「なんっだよそれッ！？気色悪過ぎンだろ、全身鳥肌立ったわ！！」
やっとの事で出てきた言葉がそれである。やはりというか、拒絶反応が強い。友人の方のジャブラも『服部ヒョウ太』には何かと難癖を付けてくる為、この男はそういう性質なのだろう。

「ぬはは〜すっごい失礼！ぼくはずっとコレで通してたんだけどね、ねーカクさん！」
「いや……マスクと眼鏡もなし、髪型もルッチとまるきり同じでその演技はわしでもちょっと嫌じゃわい」
「そんなに！？」

[47 二次元好きの匿名さん 23/08/06(日) 06:21:00]

かなり気になってたカク＆ジャブラvsヒョウ太の構図が見れて興奮して泣いている
ありがとう、救われる命がマジであります
生きてて…よかった…

[48 二次元好きの匿名さん 23/08/06(日) 17:13:49]

保守

[49 二次元好きの匿名さん 23/08/06(日) 20:25:42]

完全ルッチの見た目で服部ヒョウ太してるのはイメージしにくいからね仕方ないね
くっそ高度な戦闘中にこのやり取りしてるの面白すぎてほんと好き

[50 ◆BtOeeshqkE 23/08/06(日) 22:33:51]

「いいから今すぐそれ止めろクローン！気持ち悪くて戦闘どころじゃねェっての！」
「え〜？嫌がってるんならこっちとしては僥倖ってやつじゃない？止めるメリットぼく側にあるかなァ」
過剰なレベルで鳥肌が立っているという腕を摩り吠えてくる野良犬へ、それはもう爽やかにニッコリと笑いかける。戦いに支障が出るというのなら戦術として有効であるのだから、止める意味など尚のこと無い。

「だァから！クソッ、本物にしろ偽物にしろ、どっちにしても性格悪ィ……！」
「それは訂正してくんない？オリジナルよりはマシだと思うんだわぼく」
「言っておくがどっちもどっちじゃぞ」
聞き捨てならずに突っ込めば呆れ返ったような語調の言葉が飛んでくるが、そんなことはないと主張したい。あそこまで性格が悪かったら終わりだろう。

[51 二次元好きの匿名さん 23/08/06(日) 22:41:19]

ジャブラ、カクに対してヒョウ太の演技が(ガワがルッチのまんまだからこそ)ウソップ呪文のような効果あるの草
ここに来て道力のみならず精神攻撃力も上昇したな…！

[52 ◆BtOeeshqkE 23/08/06(日) 23:01:58]

──不意に、がちゃ、と。

独特な音──電伝虫の受話器を取る音が、拡声器に乗って部屋に反響した。


『畜生しまった、こっちだ子電伝虫は！！何て事を、ウッカリした！よりによってゴールデン電伝虫を押しちまった！！』
「……なんだ、この放送は」
きぃんとハウリングする叫び声に思わず素に戻り、音源を見上げる。それは睨み合いを続けていた二人も同じく。
「ウッカリ、ゴールデン電伝虫……つまりはそういうことだよな？」
「……ドジだドジだとは思っていたが、まさかここまでとは思っとらんかったわ」
内情を知っているのであろう奴らはどうやらその『ゴールデン電伝虫』とやらに引っかかっているらしい。一体何だと首を傾げたところで。



『よりによって、バスターコールをかけちまったァ〜〜ッ！！！』


顧問のそれと全く同じ声で、疑問の答えが叫ばれた。

[53 二次元好きの匿名さん 23/08/07(月) 08:30:21]

このSSのおかげでヒョウ太くんが好きになりました

[54 二次元好きの匿名さん 23/08/07(月) 17:31:40]

とうとう来たか…ヒョウ太が無事にW7に帰還出来ますようにと祈るばかりだ
原作でもこっちのSSでもロブルッチという人間は何かと大変な目に遭っている悲しき現在─────

[55 二次元好きの匿名さん 23/08/07(月) 19:35:54]

ヒョウ太の演技につっかかってくるジャブラ…
この展開を待ってた

[56 二次元好きの匿名さん 23/08/08(火) 00:27:23]

割とマジで服部ヒョウ太に狂わされた人々の聖地になっていないかこのスレ？(主語がデカ過ぎる)
いや…だって…滅多に得ることの出来ない服部ヒョウ太成分、そしてみんな大好き学園ルッチ成分と全ての始まり原作ルッチ成分がぎゅうぎゅうに詰め込まれてんだもん…素敵な要素一杯♡
そして極め付けの050君　最高だよ君…ホント…ホントに…カワイイ…語彙力なくてカワイイしか言えない…カワイイ…

[57 二次元好きの匿名さん 23/08/08(火) 12:01:32]

元の世界の方のジャブラを友人と言ってるのにほっこりした
本人の前では絶対言わないだろうけどちゃんと友達と思ってるんだねえ

[58 二次元好きの匿名さん 23/08/08(火) 15:27:23]

ヒョウ太モードで揺さぶるのとてもいい

[59 ◆BtOeeshqkE 23/08/08(火) 18:55:35]

『あの攻撃に人の感情なんてないわ！！このエニエス・ロビーにある全てのものを焼き尽くす、建物も人も！島そのものも……！！』
何もかもを焼き払い、消滅させることで目的を果たす。そんな正義を名乗った業をスピーカー越しに糾弾する、悲劇を体験した唯一の生き残り。今まさに連行されている、海賊の女。

『──あァ、結構。政府にとってもそれだけのヤマだって事さ……！お前の存在だけが古代兵器への手がかり！一時代をひっくり返す程の軍事力がかかってるんだ、そのお前を奪い去ろうとするバカ共をより確実に葬り去る為ならば！』
電伝虫越しであっても感情の揺れが分かるほどの切実な慟哭を優越さえ感じる嘲笑で切り捨てる、政府の役人。

そこには自身のミスに対する開き直りも含まれていた、けれど。

『例え兵士が何千人死のうとも、栄えある未来のための仕方のねェ犠牲といえる！！何よりおれの出世もかかってるしなァ！！』


発言者が間違いない事実と信じているのだということくらいは、堂々とした声調で簡単に悟れる。
……海賊と、政府と。どちらが秩序なのか、分かったものじゃない。

[60 ◆BtOeeshqkE 23/08/08(火) 22:23:59]

『っ人の命を何だと思ってるの！？』
『忘れてくれるな、CP9とは政府の暗躍機関。千人の命を救う為に百人の死が必要ならば、我々は迷わずその場で百人殺してみせる！真の正義にゃ非情さも必要なのさ！そもそも侵入した海賊共を全く止められねェ脳なしの兵士共など、死んだ方がマシなんだバカ野郎！！』
この世界に落ちてから、正義というものに向き合う機会が増えた。大多数の為に少数を排除するのも、弱さが罪であることも理解は出来る、おれの抱えた正義はまさしくその通りなのだし。……けれど。


「どうにも過剰で飲み込めねェな、ここの正義は」
「アイツが元とは思えねェ発言だなァ、クローン」
島から逃げろという焦りの声、その後に殴打、倒れる音。それを最後にしてぶつと放送が途切れる。その傍らでぽつと洩らした呟きを拾った男が、胡乱げな瞳で此方を見ていた。

「無辜の人質を五百人纏めて皆殺し、その後人質を取ってた海賊も皆殺し。ンな奴のクローンには、誰も過剰なんぞ言われたくねェだろ」
「……おれはオリジナルじゃない。彼奴の思想に巻き込まないでくれるか」
「ハッ、巻き込むも何もそもそも同じだろ」
鋭く睨めば鼻で笑われ、びきりと血管が浮きそうになるのを抑える。……正論のような詭弁で精神を逆撫でするのが上手い奴だ、一周まわって感心した。

[61 ◆BtOeeshqkE 23/08/08(火) 22:28:51]

……おれとジャブラの関係性が、こちらでも似たようなものならば。この狼が掲げる正義も『ロブ・ルッチ』や世界政府と同じなのだろうか。そこまでつらつらと考えて、無駄な思考かと切り捨てる。

「根本は同じとしても育ってきた環境が違うってことだ。……しっかし成程、バスターコール。こんな事言い合ってる場合じゃないってことね。戦闘再開しないと、ほら！」
「ッチ、またその態度に戻しやがって！言い合いは誰のせいだとッ」
先程剥がれた皮をまた被り直す。そうすれば、単純な野良犬は思惑通りにぎゃんぎゃんと噛み付いてくる。ここで手間取ってはいられない、煽りでも何でも、手段を選ぶことなどせずに早く倒して次へと行かなければならない。

「やめろジャブラ、見え透いた挑発に乗るんじゃないわい！、──？」

それを諌めようとするカクが何かを予見したように横を向き。



「──ッ！避けい、ジャブラッ！」
仲間への忠告を投げ、その場から飛び退いた。

[62 ◆BtOeeshqkE 23/08/08(火) 22:29:26]

「──七十二煩悩鳳！！」


「──必殺、煙星！！」

[63 二次元好きの匿名さん 23/08/09(水) 09:17:12]

ジャブラとヒョウ太のやり取りめっちゃおもしれー!!!好き!!

[64 二次元好きの匿名さん 23/08/09(水) 19:34:17]

保守
マジで応援してる

[65 ◆BtOeeshqkE 23/08/10(木) 00:49:01]

直後。
先程までカク達が立っていた空間を裂くような斬撃と、その後を追う黒い弾が飛来した。狙いを通り越してその先の壁を砕く鎌鼬の鋭さに目を奪われていれば、着弾した黒弾──煙幕弾が破裂し視界を覆い隠す。

「ヒョウ太、選手交代だ。こっちに下がってこい」
白煙によって視界不明瞭の中で聞こえた海賊狩りの声の方へ、その言葉通りに身を引く。行動を阻害していた拘束具はもう、奴の腕にも後ろに控えるそげキングとやらの腕にもない。おれが対応している間に塔内を駆けずり回りでもしたのだろう、無事解決したようだ。


「ふ……ようやく釈放か？」
「お陰様でな。笑えるのも今の内だぞ、世界政府」

[66 ◆BtOeeshqkE 23/08/10(木) 01:28:41]

「まったく……このバカ達がバカやってごめんなさいね、ヒョウ太くん」
「ああ、まったくだ」
海賊狩りが三本の刀を構える後ろで、オレンジ髪が心底呆れ果てたという風に溜め息を吐くのに同調する。麦わらの一味の面々は揃いも揃って、どうしてこうもトラブルを起こすのか。共に行動してそう経っていないのに対面した問題行動は最早数え切れないのはどういう訳だ。

「でももうここは心配いらないわ、私達で片付ける！あの鳩男のとこに行くんでしょ？ルフィの加勢をお願い！」
アイツはあんなでも強いんだけど念には念を、と付け加えられる。その無条件とさえ思える信頼は経験則から来るものだろうか。

「……ここは任せて大丈夫なんだな？」
「もっちろん！」
自信に満ち溢れた表情に背中を押された心地になる。こく、と頷いて出入口の方向へと足を向ければ。


「待てヒョウ太、ルッチの所には行かせんぞ！……ッ」
「余所見なんざしてる場合かよッ！！てめェの相手はおれだ！」
おれという獲物を追い縋るようにして此方へと飛んで来そうになっていたキリンを、刀をぶん回す緑頭が遮った。

[67 二次元好きの匿名さん 23/08/10(木) 04:25:24]

よくヒョウ太ひとりで抑えたな
がんばれがんばれ！

[68 二次元好きの匿名さん 23/08/10(木) 13:47:32]

展開が熱くて実に良いですな

[69 二次元好きの匿名さん 23/08/10(木) 22:29:07]

ヒョウ太と一味の会話が好きすぎる

[70 二次元好きの匿名さん 23/08/11(金) 09:41:20]

保守〜

[71 二次元好きの匿名さん 23/08/11(金) 20:02:59]

続き楽しみにしてる

[72 ◆BtOeeshqkE 23/08/11(金) 22:11:24]

「どちらかを狙えばもう片方に遮られる、即興じゃろうに随分厄介な布陣じゃのう！」
行動を阻害されることにいい加減飽き飽きしたのか、腹立たしさを隠そうともしない態度と共にいつもより数段低くなった声でカクが唸る。
「そりゃどーも！……こっちはおれが倒す、お前はさっさと行ってこい！」
ぎり、と鈍く音が響く鍔迫り合いの中、海賊狩りが目だけでおれを振り返りオレンジ髪と同じように行動を促す。

それに一旦こくと頷いて、しかし言葉に反するようにその場に留まって仁王立ちをした。……必ず達成すると、約束したことがあるのだ。怪訝そうな顔は見て見ぬふりをさせてくれ。


「ああ……ただ、一つだけ。言っておくことがある」

[73 ◆BtOeeshqkE 23/08/11(金) 22:14:44]

「パウリーからの伝令だ」

真っ直ぐに見据える先は、帽子の鍔が影を落としたカクの瞳。奴からすれば不可解だろうおれの行動に警戒していた裏切り者は、出てきた元同僚の名前に瞠目する。何がしかの揺れは測れても詳しい心中は読めない、が。

構わず続ける。
己の口で託された言葉を、言いたいことを、くっきりはっきり間違いなく。


「大工職職長カク、お前と、そして木挽き木釘職職長ロブ・ルッチ、社長秘書カリファ！てめェら全員、クビだとな！！」


返ってくるのは元より政府の人間だという正論か、そもそもそんなポストは要らないという開き直りか、それとも他の言い訳か。例えどれにしたって、おれは返事を聞きたいわけではない。

だから睨み付けつつ言うだけ言って、言い捨てて。カクが何か言葉を発する前に、その場から最高速度で離脱した。

[74 二次元好きの匿名さん 23/08/12(土) 00:18:26]

全部終わったらヒョウ太くんどうするんだろう

[75 二次元好きの匿名さん 23/08/12(土) 00:44:22]

あ〜…………最高過ぎる………
本来ならルッチ達が言われた事を違う世界から来たルッチがやり返すように言い放つこの展開余りに良展開で泣いちまうよ
正々堂々と仁王立ちして言い放つヒョウ太最高に筋を通す男だしカッコいいし流石このSSにおいての主人公だわ
返事を聞かずに立ち去るのも最高にルッチらしくて好きだ
なんでこのSSは曇らせ展開も王道展開も泣ける展開も詰め込んでくれるんだろうな
こんなロブルッチ欲張りセットを享受してしまっていいんれすか！？！！？

[76 二次元好きの匿名さん 23/08/12(土) 11:56:12]

展開が最高すぎる
ありがとうスレ主

[77 ◆BtOeeshqkE 23/08/12(土) 22:05:11]

1.月歩

2.案内

dice1d2=2 (2)

[78 二次元好きの匿名さん 23/08/12(土) 22:06:46]

服部ヒョウ太という異世界のロブルッチだからこそ出来るオタクが大好きな展開盛り込んでくれてありがとう
このSSで時たま描写されるクッソ漢気あるヒョウ太まじで大好き流石われら新セカ中の生徒会長

[79 ◆BtOeeshqkE 23/08/12(土) 22:56:41]

門への行き道を探そうにも手掛かりはなし。麦わらは見当たらないが、放送から無事オリジナルの所に辿り着けたということだけは知っている。……一体どうやってあちら側まで行ったのだろうか、おれのように跳べる訳でもないだろうに。
司法の塔から正義の門までは距離こそあるが、さしたる問題ではない。月歩による空中歩行に足の動きを切り替えようとしたところで。


不意に、ぱ、と目に入る、灰色で積み重ねられた塔にはそぐわない色があった。

「……矢印？」
短い間隔で点々と描かれた黄色い印は、入った時にはなかったはず。事実ペンキは乾いておらず、つい先程付けられたものだと見て取れた。
現在この塔からはCP9以外は出払っており、他にいるのは海賊と車掌の一家のみ。そして、道標となるような落書きをするとなれば前者は有り得ない。


「こっちか……地下、でいいんだな」
指し示された方向へと爪先を向ける。
先行した者と合流出来る可能性も鑑みて、この矢印に従うとしよう。

[80 ◆BtOeeshqkE 23/08/12(土) 23:36:16]

ひゅん、と耳元で鳴る風切り音を聞きながら、行き止まりの見えない地下通路を駆ける。ある程度進んだところで前方に見覚えのある後ろ姿を捉えた。

踵でブレーキを掛けつつ速度を落とし、大中小三つの影の隣で完全に停止する。
「あ、ヒョウ太にーちゃーん！道標見つけてくれたんだ、よかったー！」
「ニー！」
「ああ。チムニーが描いてくれていたんだな？目印、助かった」
振り向いた少女がペットと一緒になってぴょんこぴょんこと飛び跳ね、バケツを持っていない方の手を大きくおれに振る。その横で酒瓶と気絶しているらしい小さなトナカイを抱えた酔っ払いが濁声で笑いかけてきた。非……戦闘員である彼女らには、出来ることならば早めに逃げていてほしいのだが……当の本人達が、欠片もここから離れる気がなさそうだ。
「無事だったようでよりらねェ、んががが！ここを真っ直ぐ行った道が、正義の門への通路！丁度さっきフランキーが通り抜けてったよ！」
「了解、真っ直ぐ、と」
道に加えて付け足された先行者の情報に頷いて、止めていた足をまた動かし始める。

「ではお先に」

振り返って軽く手を振り、瞬間ひゅるる、と。常人の目には追えない速度による人工の風の音だけを残して、先の通路へと消えた。



「……消えちゃった」
「あんなに足早かったんらねェ、ヒョウ太」

[81 二次元好きの匿名さん 23/08/12(土) 23:41:37]

凄いニッチなんだが「ではお先に」って台詞めちゃくちゃ好きだ　
手を振って去る絵面想像したらめちゃくちゃ良いな……………………どう好きか上手く言語化出来ないんだけど超好きだ………

[82 二次元好きの匿名さん 23/08/13(日) 07:02:18]

>>81

なんかわかる…てかルッチがチムニーたちと話してるとこ好き…ちょっと言葉柔らかくてなんか膝折って目線会わせて話してそうな感がある

平和な世界の秩序側みを感じる　好き

[83 二次元好きの匿名さん 23/08/13(日) 07:11:26]

>>81

>>82

めっちゃ分かる　自分も良いな…と思った1人だ

なんなんだろう…「先に」じゃなくて「お先」なのが良いのか…それに加えその後の手を振る所も良いのか…でもとにかく良いよな　味わい深い

このSSスレ、言葉にはし辛いけどかなり大好きな表現や展開やら描写が多いのですっごく褒め称えたくなるんだが何故自分が良いと思ったか思考も整理出来ないし言語化も出来ないのでひたすらに「良い…」「好き…」としかレスするしか出来ないのが辛い

[84 二次元好きの匿名さん 23/08/13(日) 07:44:55]

何度もこのスレで言われてる事だが原作のルッチも学園のルッチも根幹は一緒だし物騒だし2人ともエゲツない暴力行使を時にはするんだがそれでも生徒会長もといヒョウ太は細かい所作や言動、倫理観がまさしく現代社会の平和な人間というのが伝わってきて凄く好きだ
書き手であるSS主が学園のロブルッチがしそうな丁度良い感じを探るのが非常に上手いなと思う…

[85 二次元好きの匿名さん 23/08/13(日) 18:04:35]

これからルッチvsルッチとかいう両者応援したくなるバトル始まっちまうと思うと…

[86 ◆BtOeeshqkE 23/08/13(日) 21:42:42]

そんなめためたに褒められても文章しか出ないぞ！！照れている！！ありがとう！！！

原作ルッチは傍若無人で冷酷無比無情、まさに絵に描いたような秩序悪
学園ルッチはニヒルでシニカルなあざといヤツ、それにプラスして年相応の青さとかのある秩序中庸
ついでに050はパブリックイメージの『服部ヒョウ太』に加えて拙さ無垢さ、時折非人間性が垣間見える中立善
このくらいのイメージでやってる

[87 ◆BtOeeshqkE 23/08/13(日) 21:46:21]

遠くからこおん、こおん、と石造りを叩く音が密閉された廊下で反響している。気にすることもなく先へと進んでいれば、そう時間もかからない内に喧しく忙しない足音としておれの前方へと現れた。勿論、音源の主と一緒に、である。


「……随分とボロボロじゃないか、解体屋」
再度速度を落として並走しつつ、息を切らした男の顔を覗き込む。常々最低限しか身に付けていない布切れでは血の滲んだ肌を隠すことなど出来ないのだろう、分かりやすくズタボロだ。

「ゼェ、ハァ……！、ア！？てめェ、ルッチ！？」
声を掛けられるとは思いもよらなかったのか。
びく、と肩を跳ねさせた後にようやっとおれを認識……いや誤認し、砲口の付いた手の平を此方へ向けてくるのを手で制す。
「違うから銃口を仕舞え。……ぼくはヒョウ太！分かるよね？ガレーラの雑用の。会ったことあるでしょフランキーさん」
ついでに以前関わっていたときと同じ対応を。それで理解したのか、丸く見開かれた目がおれを凝視する。
「は！？雑用のヒョウ太……って、相当にキャラ違くねェか！？」
「……いい加減面倒だな、この下り」
詳しい説明は今はいいだろう、と溜め息を吐く。そんなことをしている場合ではないのだ。

[88 ◆BtOeeshqkE 23/08/13(日) 21:49:37]

「お前もこの先に用がある、ということでいいんだよな」
「あ、あァ！ニコ・ロビンの手錠の分かも知れねえ鍵の、3番と4番がここにある！なんとか間に合わせねェと……！」
おれの問い掛けに気を取り直して、といった風に大男が頷く。鍵の総数から考えるに少なくとも三人を倒したのか。想定よりずっと、いい成果だ。盤面把握は着実に出来ている。次に必要なのは行動だ。


「成程、分かった」
「おう──ン？」
腕を伸ばし、ひょい、とおれよりもずっと大きな体躯を肩へと担ぎ上げる。
改造人間なだけあって確かに常人よりは重くある、が。問題は無い。



「舌を噛むなよ」
「な」

その程度の重量を抱えたところで落ちる速度ではないのだ、急ぐのならばこれが最も合理的。


「剃ッ！」
「なあああああァァァーーッ！！？」

片腕を奴の腹に回して固定するのもそこそこに。
薄らと埃が舞う床を蹴り飛ばし、更に喧しくなった男を煩わしく思いつつも取り落とさないよう駆け出した。

[89 二次元好きの匿名さん 23/08/13(日) 23:55:01]

ルッチにも弟がいたらまだ冷酷さもマイルドになってたのかと考えたけどルッチの事だから弟を闇に堕としそうだなって結論が出た

[90 二次元好きの匿名さん 23/08/14(月) 00:04:29]

フランキーを抱えて剃するヒョウ太とかクッソ見てみたい

[91 二次元好きの匿名さん 23/08/14(月) 00:36:48]

うわ〜〜〜〜〜〜ロブルッチ達のアライメント簡潔に彼らの在り方理解しやすくて凄く助かるしマジで自分でも考えてたまんまの属性過ぎて頷きしかないわ　
ロブルッチが秩序悪なのは満場一致過ぎる
アライメントにわかで申し訳ないんだが、学園のルッチが秩序中庸なのどうりで悪のオリジナルとは反目しつつも相性良さそうだし勿論善の050とも相性が良いのその通りだわ
中立善って等身大の理想的で平凡な人間の性質っぽいのによりにもよって非人間の050がこの性質なの凄く良い…このアライメント持ちって何かと運命に翻弄される印象だ…050頑張れ！

フランキーとの関わり前々から気になってたから超嬉しい！チムニーやココロばーさん、フランキー一家しかり自分達の知らないW7での1年間で色々あったんだなぁ

[92 二次元好きの匿名さん 23/08/14(月) 07:58:07]

3人の属性こうして並べると全員良い感じにバラけてるなぁ　全員元は同じなのに
050が中立善の光属性じゃなかったら一連のクローンに関しての事柄の傷はもっとデカかったかもとか思っちゃった
個人の偏見なんだけど秩序中庸って混沌程自由に振り切れないし溜め込み易い印象ある
なんにせよSSはとうとうエニエスロビーのあの舞台に辿り着きそうで…読んでるこっちも緊張しちゃう

[93 二次元好きの匿名さん 23/08/14(月) 08:00:46]

>>89

実際研究所で堕とそうとしたからな 050がいてくれてよかったよ

[94 二次元好きの匿名さん 23/08/14(月) 18:26:12]

保守
スレ主も応援してるしヒョウ太も応援してるしこれからの描写でダイス展開あっても良い目を引けますように

[95 二次元好きの匿名さん 23/08/15(火) 03:40:01]

ほしゅ
基本的にヒョウ太…というかルッチはゴリラだから細身な身体から怪力が発揮される瞬間はいつ見ても良いものだ
にしても海ドボンしてメガネとマスク流されちゃったから毎度勘違い訂正するの大変だなヒョウ太

[96 二次元好きの匿名さん 23/08/15(火) 13:07:54]

いよいよオリジナルとの最終？決戦か
概念スレ発足が2月だからここまで長かったしずっと概念スレから追っかけてた身としてはハチャメチャに感無量
とてつもない歴史が出来上がってますよ
スレ主がんばれ…！！！

[97 ◆BtOeeshqkE 23/08/15(火) 17:27:31]

半年……？半年もおれは自分が提出した概念に頭を狂わされて……？正気に戻りそうだから考えるのはやめよう



先方に小さくアーチ状の光が見える。長い道はこれで終わり、次は。──鈍い殴打に、破砕。近付く程に大きくなる戦闘音。大男を抱えた腕に力を入れ、一層スピードを上げる。

「出口だ、……構えろ！」
「構えろっつったって抱えられてちゃ、うおお！？」

明かりの元へ出て、本能的に飛び退いた瞬間。


ダァンッッッ！！！と。
先程までいた入口の柱に何かが叩き付けられて、人一人分の穴が空いていた。ばらばらと大小の瓦礫が舞う。

「ウガァ！！」
すぐに麦わら帽子を被った男が跳ねるように穴から飛び出してきた。そのぼろぼろさを見ていればそれなりの時間を戦っていたことは分かる。──そして、その相手も。
「おめェ、麦わら！！」
「ヒョウ太に、……あ、フランキー！！何しに来たんだフランキーコノ野郎！！」
「おれを嫌うのも大概にしろてめェ！！」
がやがやと味方同士で言い争う肩の荷である男を降ろし、麦わらが飛んできた元を見据える。



ぱたぱたと旋回する真白の鳥の下、扉の前で余裕を携え立つ男。睨み付ければ口端を歪めた笑みが返ってきて、眉間に皺が寄るのを自覚した。


「生きていたか……050」
「残念ながら。貴様を倒すまでは死なねェと、覚悟を決めたものでな」

[98 ◆BtOeeshqkE 23/08/15(火) 18:02:28]

「ニコ・ロビンはどこだ！！？鍵を二つ持ってきた！！手ェ貸すか！？」
「いや……！それよりフランキー！頼む、ロビンを止めてくれ！」

麦わらが言うには、オリジナルが背にした扉から正義の門へと行けるのだと。そして既にニコ・ロビンは連行されつつある。状況こそ良くはないが、挽回の余地はまだ残っているだろう。最悪ではない、まだ大丈夫。

「おれたちがあいつを抑えるからよ！！」
息を切らしながらも麦わらの戦闘意欲は薄れていない。……そして『おれたち』と。深く考えているのか無意識なのかは知らないが、おれとの共闘にも了承しているようだ。
「スーパー任せろバカヤロウ！！」
「……フフ」

[99 ◆BtOeeshqkE 23/08/15(火) 18:03:44]

1.ヒョウ太

2.ルフィ

3.ルッチ

dice1d3=3 (3)

[100 ◆BtOeeshqkE 23/08/15(火) 18:08:24]

1.ヒョウ太

2.ルフィ

dice1d2=2 (2)

[101 ◆BtOeeshqkE 23/08/15(火) 18:59:25]

ゆら、とオリジナルが微かに動く。それは前兆、向かう方向はおれの左方──つまり、麦わらへ放つ追撃準備。予測が出来たのならば伝えるべきだと咄嗟に叫ぶ。

「避けろ麦わらッ！」
「剃」
おれの声が届くのと黒服が目の前から消えるのとは同時、後は反応速度に頼るのみ。


「指銃、『黄蓮』」
「うお……っ！」
前へと身をかがめて転がり、目にも止まらぬ速さでの連撃を上手く躱す。が。──狙い澄ましたかのような蹴りが麦わらの腹へと迫る。不自由な体勢からは避けることは出来ずに、短い呻きを残して吹き飛んだ。
「ぐあッ───！！」
「フン」


「で、どうやっておれを倒すと？」
「……ッチ」
ガキ、と鉄が擦れ合う音。背後から振り下ろしたおれの足を、背中に回した腕で止めた音。戦況の把握、動きの予測においてこの中の誰よりも上手、やはりこの男は戦闘慣れしていると舌を打った。

[102 二次元好きの匿名さん 23/08/15(火) 21:05:10]

半年前にスレ主が提出したこの概念によりなにもかも狂わされてしまった内の1人なのでこんな素晴らしい概念を生み出してくれたスレ主には本当に感謝するしかない…！の気持ちとスレ主のせいで…スレ主のせいで俺は…俺は普通だったのに…スレ主のせいで今大変なんだから…(歓喜)という心が２つある
どちらにせよ正気を喪失出来て自分は幸せだ！

[103 二次元好きの匿名さん 23/08/15(火) 23:54:15]

無事に生きて帰って欲しい気持ちとルッチと相討ちになって欲しい気持ちが喧嘩してる

[104 二次元好きの匿名さん 23/08/16(水) 10:42:44]

ほしゅ

[105 二次元好きの匿名さん 23/08/16(水) 18:58:48]

あにまん常駐民だけどこんなクオリティの高い掲示板の小説読んだことがない
かなり幸せです

[106 二次元好きの匿名さん 23/08/17(木) 00:58:27]

050くんにもヒョウ太にも幸せになってほしい

[107 二次元好きの匿名さん 23/08/17(木) 09:15:25]

戦闘シーンスピード感あって好きです

[108 二次元好きの匿名さん 23/08/17(木) 19:10:05]

保守

[109 ◆BtOeeshqkE 23/08/17(木) 20:04:06]

目下の目標はフランキーが扉へ向かうのをサポートすること。おれたちが抑えていなければ、オリジナルはすぐにでも先へ進む者を殺しに掛かることだろう。

「逃がすか、……剃！」
ひゅん、と足の下から男が消え去る。初動から何まで完成された剃は視認するだけでも高難易度、追い付くならば更に門戸は狭くなるだろう。
「！！」
「指銃──」


だが、それを潜り抜けられる人間ならばここにいる。

「それが通ると思ってるなら、慢心が過ぎるな！」

先程と同じ金属音。ほぼ同硬度の皮膚が擦れ神経がびりりと揺れるが、飲み込めない程の痛みではない。

「今戦っているのは『ロブ・ルッチ』だということ、ちゃんと向き合ってくれよ？クソ兄貴」
「……愚弟が。邪魔をしてくれる……！」

[110 ◆BtOeeshqkE 23/08/17(木) 21:34:00]

動きを止める為がしりと両腕を掴めば、あちらも同じく掴み返してくる。思考も力も似たようなもの、どうしたって膠着状態にならざるを得ない。

その僅かな拮抗の中、先に動けたのはオリジナルの方だった。腹へと蹴りを叩き込まれ、近くの壁へと勢いよく衝突する。
「ぐ、があッ！！」
「一度もおれに勝てた試しがないことを忘れたか！」
懐に飛び込んでくるような追撃。関節が粉々に砕けてしまうのではないかと思う程に強く肩を掴まれた。

細かな瓦礫と埃の舞う中で今に首へと振り下ろされんとしている人差し指を見上げ、貫かれないようにと痛みが走っている身を文字通り固めて構える。

[111 ◆BtOeeshqkE 23/08/17(木) 22:16:32]

既に思考回路は攻撃を捌いた後へと向いている、戦闘時に一手二手先を考えるのは当然のこと。オリジナルだってこの程度でおれが死ぬなどとは考えていないだろう。ウォーターセブンにいた時の遊びのような手合わせとはいえ幾度となく戦った相手であるのだから。


「その手ェ離せッ、ストロングハンマー！！」
「鉄塊」

ドゴォン！！！と衝撃波がオリジナルの背中から響き、肩にあった手が離れた。壁から解放されてずり落ちる。
……先行させた男が戻ってくるのは、予想だにしていなかったのだが。

「！？何だ、ビクともしねェ！チャパパは充分吹き飛ばせたんだが……」
何故手を出した、と口に出そうとして止める。六式使いの防御姿勢など素人が見て分かるものではない、そのまま刺されると思うのも当然か。

[112 二次元好きの匿名さん 23/08/18(金) 08:22:30]

展開が熱い好き

[113 二次元好きの匿名さん 23/08/18(金) 16:36:22]

ヒョウ太頑張れ……
死なんといてくれよ…

[114 二次元好きの匿名さん 23/08/19(土) 00:24:43]

クソ兄貴＆愚弟呼び大好き　また聞けるとは思わなんだ
側から見たら兄弟喧嘩かもしれんが実際は兄弟でも無いし本人達は本当に嫌い合ってそうなバチバチ具合が良い
ダイスの運命もあるが若干性質が違うロブルッチとロブルッチ同士が突然邂逅すればこんな感じになるよな〜！！っていうエミュがスレ主マジで素晴らしい

[115 二次元好きの匿名さん 23/08/19(土) 06:13:01]

一度も勝てなかった相手に挑むっていう展開が嫌いな訳がねェ〜！！大好物！！
しかもその組み合わせがルッチvsルッチとかいう夢のマッチ　熱くもあるがなんにせよ彼ら2人なのでひたすらに容赦無い無慈悲な攻防戦を繰り広げてるのが良い…語彙が無いんだが両者揃って淡々としてる冷酷な雰囲気が戦いの場を支配してる…ような…
そしてヒョウ太感覚が激ヤバだから本当に頑張ってくれ耐えてくれそして勝って欲しい　でもルッチも負けて欲しくない圧倒的強者として君臨し続けて欲しい
読者の自分は心がふたつある〜！！展開が読めねェから黙ってスレ主を応援するのだ…

[116 二次元好きの匿名さん 23/08/19(土) 17:26:05]

ルッチとヒョウ太による六式ガチバトルずっと見たかったんや…
今回は潜入とかなんのしがらみもないから好き放題にやれるな　よかった　じゃないよよくないよヒョウ太ぜってぇ生きて帰れよここから先どうなんだ…！ルッチは原作で結末分かってるけどヒョウ太は自分の手(＋ダイス神とスレ主)で運命切り開くんじゃ…！

[117 ◆BtOeeshqkE 23/08/19(土) 20:42:39]

1.ヒョウ太

2.ルフィ

dice1d2=1 (1)

[118 ◆BtOeeshqkE 23/08/19(土) 21:47:04]

「ぐ……」
がらりと耳の隣で瓦礫が崩れる、体がぎしぎしと軋む。どうにも雑音の増えた聴覚を正面に向け精査を意識、戦場では音一つさえも戦況を左右する。

フランキーはオリジナルと対峙、しかし当然勝てる筈もない。
麦わらは既に立ち上がっているようだが、……？動物系の耳でなければ聞き分けられない程に微かに、覚えのない奇妙な音、が？


「成程、フクロウを破ってここへ……だが残念。おれの道力は奴の5倍だ」


──と、思考に沈み過ぎている場合ではない。ここでフランキーが沈むことになればおれか麦わら、どちらかがニコ・ロビンの所に向かわなければならなくなる。戦力が減るのは死活問題だ。


姿勢を立て直し壁を思い切り蹴る、その勢いのままに。
「こっちを見ろと、言っただろう……！！」
「ッ！」

[119 ◆BtOeeshqkE 23/08/19(土) 21:51:39]

背を向けられているのをいい事に、解体屋に手を出される直前に蹴り飛ばせばオリジナルは無事吹き飛んだ。直前に受身を取っていたのは見えた、ダメージはそう入っていないだろうが急かして行かせる程度はできるだろう。


「余計なことしてんじゃねェ！とっとと行けと言ってるだろうが！！」
「だがよ、苦戦してるじゃねェか！さっきだって……三人がかりでやりゃあすぐッ──！」
「実力差は十分に分かっただろう？中途半端は邪魔になると察しろ！！」
この期に及んでごちゃごちゃと反論を返す男にぴき、と血管が浮き立ち怒鳴る。

「いいから麦わらの言う通りにしろ！ここは二人で十分だ、てめェはてめェの使命を果たせ！」
「……お、おう！任せろ！！」
言葉を選ばない怒号にフランキーは少し面食らったが、すぐに気を取り直したらしく扉の先へと消えていった。


一旦、胸を撫で下ろす。この先にはもうCP9はおらず、いるのは一般兵士。そして、知る限り戦闘能力などない顧問と同一人物であろう長官だけのはず。

おれたちがオリジナルを止めていれば、倒すことが出来れば。それで奪還は完遂する。

[120 ◆BtOeeshqkE 23/08/19(土) 23:26:30]

「は、……やってくれる、先に行かせたか」
額を押さえて言いながら、崩れた木箱の山から黒スーツが立ち上がる。その見た目はめきめきりと人外のものへ──豹人間へと変わっていく。

「だがまあ、貴様を伸して追えばいい話。おれを倒せると本当に思っているのか？なァ050」
「逆に聞くが、勝機もなくここまで来るとでも？」



ドルルン、とエンジンが作動する音。


「ゴムゴムの、JETピストルッ！！！」
「忘れてんじゃあねェのか、二対一だってこと！」

[121 ◆BtOeeshqkE 23/08/19(土) 23:28:30]

1、2.喰らう

3.回避

4.防御

dice1d4=3 (3)

[122 二次元好きの匿名さん 23/08/20(日) 05:51:53]

ムーはSSヌシア様の書かれているこのシリーズと稀に拝見出来る絵が大好きです

それと愚弟とも呼んでるけどヒョウ太呼びをやめて050呼びになった所に完全な敵対を感じて凄く好きです

それに抗うかのように

> 「今戦っているのは『ロブ・ルッチ』だということ、ちゃんと向き合ってくれよ？クソ兄貴」

とヒョウ太が言ってる所がムーは凄く好きです

ムーの独断と偏見の好みの感想を失礼しました

SSヌシア様応援してます

[123 二次元好きの匿名さん 23/08/20(日) 17:24:04]

ルッチvsルッチもだし､ルッチ(ヒョウ太)とルフィがタッグを組んでるこんな贅沢な展開が見れるなんて熱すぎる…！

[124 二次元好きの匿名さん 23/08/20(日) 21:14:52]

うおーヒョウ太ー！(ペンラぶんまわし)

[125 ◆BtOeeshqkE 23/08/20(日) 22:36:41]

「紙絵」

人体から有り得ざるバイクのような唸りを鳴らし、加速度的に殴り掛かっていった麦わら。それを肥大した体躯で器用にするりと避けたオリジナルはしかし、その顔に警戒を宿していた。

「……見たところ速さは二倍増し。そんな隠し球を持っていたとは」

「ハァ、ハァ……増してんのはスピードだけじゃねェ、次は当てる！！」

その異音が由来するのであろう熱を含んでいるのか、麦わらの体中から蒸気が立ち上る。肌は赤く光り息は切れ、どう見たって長くは持たない。出来るならば短期決戦としたい所だが……相手が相手、そうすんなりとは進まないだろう。

「合わせろよ麦わら──嵐脚『凱鳥』！」

「おう！JETウィップ！！」

1.ヒョウ太

2.ルフィ

3.回避

4.防御

5.両方

dice1d5=2 (2)

[126 ◆BtOeeshqkE 23/08/21(月) 07:24:37]

おれも彼奴も同じ六式使い、手の内は知れたこと。攻撃の予備動作から引き起こされる結果、その威力に至るまで殆ど全てを把握しているし把握されてもいる故に、純粋な力量勝負になってしまう。
だがしかし。
そこに麦わらという未知数、不確定要素が混じれば話は別だ。

まず凱鳥による斬撃を回避、そして次を避けられないと悟ったのか両足で地面を踏みしめ防御姿勢へと入る。生半可な攻撃ならば跳ね返されるが──


「ぐおッ──！？」


ズドォン！！！と。
豹の体躯が吹き飛び、重く響く──ダメージが通る。

[127 二次元好きの匿名さん 23/08/21(月) 16:06:49]

保守

[128 二次元好きの匿名さん 23/08/21(月) 20:24:10]

本誌とこのSSの更新という２通りの最高のご褒美があるので最高だ(語彙喪失)
どちらにもルッチが出てて満たされる
本誌じゃ再び見れるか分からないがやはり共闘は最高だな…！！

[129 二次元好きの匿名さん 23/08/22(火) 07:51:14]

読み返すたびにオモロ…ってなってる　元概念を発案した時点で凄いがそこから更に概念を一つの物語に仕立て上げるのも凄いわ
いつ読んでも050がオリジナルに対してこれが自分の正義、って言ったシーン大好き過ぎて困る
これからの展開も楽しみだぜ

[130 二次元好きの匿名さん 23/08/22(火) 08:22:22]

保守

[131 二次元好きの匿名さん 23/08/22(火) 09:43:25]

本誌が不穏すぎるからここで元気(？)なルッチを見て安心してる節がある

[132 ◆BtOeeshqkE 23/08/22(火) 10:07:59]

本誌な……本誌……しぬなよルッチ……いやでも死に方次第ではアリ……いややっぱしぬなよ……



純粋なスピードやパワー、戦闘能力。それら全てが一段階跳ね上がっているのはエンジン駆動の真似事が引き起こす強化故なのだろう。ゴム人間だからこそ出来る芸当ではある、が。

「……麦わら、それはどれ程持つ？」
「分かんねェけど、そんなには持たねェはずだ」
「そうか」
想定通りの返答。いくら体がゴム製だからといって、人体でポンプを作動させようなんざとんでもない無茶だということは想像に難くない。長くは持たず、無理矢理続けることになれば負荷はさらに上昇することになるはずだ。

「せいぜい配分は管理するんだな。おれがいる意味を考えろよ」
「おう！頼りにしてる！！」

麦わらはにかりと明るく、しかし不相応に落ち着き払った笑みを浮かべる。言外に含ませた意図を察している辺り、この男は阿呆であっても愚昧ではないらしい。



「……迂闊だった。まさか、これ程の力を持っているとは」

[133 ◆BtOeeshqkE 23/08/22(火) 10:37:12]

攻撃は通りはしたが依然決定打にはなっておらず、豹人間は何ともないという風に立ち上がり距離を詰めてきた。

「随分息が上がっている様だが……！その蒸気のせいじゃないか？」
明らかな身体の変化に、ぜえはあと尋常ではない息切れ。あちらも麦わらの状態は察しているようでそう挑発しつつも観察の目を辞めない。

「お前に勝てればそれでいい！！」
「成程……手強いな」
啖呵を聞き入れ一端の敵であると認めたのか、オリジナルは獣の指で口を覆いくつくつと笑う。そして口角は上がったまま、視線がおれへとスライドした。

「しかし……二対一、お前がそれを許すとは思わなかったな」
「この局面じゃあプライドがどうこうなんざ言ってられねェよ。……本当に、力不足で嫌になるが」
にや、と口端を歪めて嘲笑するオリジナルとそれを限界まで顔を顰めて睨みつけるおれは傍から見れば対称的に映るだろう。だが笑っている余裕など今はないのだ。

[134 ◆BtOeeshqkE 23/08/22(火) 14:00:45]

1.ヒョウ太

2.ルフィ

3.ルッチ

dice1d3=1 (1)

[135 ◆BtOeeshqkE 23/08/22(火) 19:40:16]

挑発に乗るつもりはない。細く息を吐きながら冷静であれ、沈着であれと自らに言い聞かせ腰を落とす。
最大火力を引き出す為、体を目の前の男と同じように──豹としての姿をとる。鋭敏になった感覚が動物としての毛皮で覆われ少しばかりマシに思えた。


「剃」
「そこかッ！」
だんっ、と踏み出し背後を取らんとするもやはり行動は読まれている。すぐさま対応され向かい合うことになるが関係はない、技を打ち込むだけ。

「嵐脚、『白雷』！」
「JETピストル！」


奴の上空から斬撃を振り下ろし、そして伸びてくる腕は遠距離から。手数は二倍で勝機はある、絶対的な強者じゃないんだ、諦める必要などどこにもない！

[136 ◆BtOeeshqkE 23/08/22(火) 20:37:58]

「もう一度聞くが」



目と目が、合う。

巨躯が懐へと入る、近付いてくる──奴は躱す手段としておれの方へと跳ねたのだ、と息を飲んだ時には既に、振り下ろした後の足を掴まれていた。
自由落下を待たず、宙を蹴り加速しながら地面へと飛んでいく。



「ぐ、ぅ……！」
「本当におれに勝てると思っているのか、貴様のような欠陥品が！」

[137 ◆BtOeeshqkE 23/08/22(火) 21:09:25]

ズガァン！！！、と空間が響動する程に石造りへと叩き付けられ、おれを中心としてひび割れが拡がっていくのを背中越しに感じ取る。同時にじわじわりと体中へ、倍増された痛みが。

「は……欠陥品、とは、……散々な言い様だな……！」
緩和し耐える為に溢れそうになる叫びを噛み殺し、声を出すのも辛い程の全身を駆け巡る苦痛を飲み下し。自身の上で敵意を携えた男へと何とも苦情じみた睨みを利かせるが、見上げた獣は何処吹く風で。


「クローンとしての在り方を言ってる訳じゃねェ、そっちも大概だが……本題はコレだ」


オリジナルの手が、おれの腕を引っ掴んで。
「ッ──！？」


オリジナルの首に、おれの手が、指が掛かる。
「この距離なら外れることはない。簡単だ、指に力を込めるだけ。それでてめェらの目的は達成されるんだろう？」

[138 二次元好きの匿名さん 23/08/22(火) 21:28:57]

ルッチとヒョウ太が絡むと大体ロクな展開にならない…(歓喜)
欠陥品って…まさかだけど……クローンとしての在り方じゃなくて………ロブルッチとして欠陥品…って…コト！？

[139 二次元好きの匿名さん 23/08/23(水) 06:59:12]

とんでもねェ展開になってきてヤバい　見てるこっちもドキドキする…

[140 二次元好きの匿名さん 23/08/23(水) 11:32:57]

生殺与奪の権利をヒョウ太に握らせるルッチが最高にロブルッチしてる
ルッチのヒョウ太への好感度がバリ高かったら有無を言わさず誘拐監禁洗脳コンボ決めてたんだろうなあ

[141 二次元好きの匿名さん 23/08/23(水) 15:51:47]

うわぁ鬱‪(ᯅ̈ )
敢えて自身の命を相手に託して確かめる感じ流石ロブ・ルッチ

[142 二次元好きの匿名さん 23/08/23(水) 21:45:31]

流石ルッチ　自分のことは自分が1番理解してるからどのような事をすれば1番ヒョウ太の動揺を誘えるのかはっきり分かってんだな
この戦闘の真っ最中に出来る最適解の最悪を導き出せるのマジで最高で最悪で堪らねェ〜〜〜〜

[143 ◆BtOeeshqkE 23/08/23(水) 23:54:43]

手を人差し指だけを立てるよう──指銃の形へと無理矢理に変えられる。
……この上ない絶好の機会なのだろう。おれ自身の鋭い爪が、おれの顔をした相手の首に、肉に、触れ、て。

「ここまでお膳立てしてやって尚、何故勝ちを選べない？何故、敵を殺せない」

『倒せる』のではない、『殺せる』のだと。
命の主導権がおれに渡されたのだと思えば思うほどに、視界が明滅して。


あの薄灰色の研究所が、目の前に。




吹き出る赤が指を濡らすのも、脳髄の混じった温度が降り掛かるのも、おれと同じ顔が光を喪うのも、全て幻覚だと分かっている。分かっているのに。


「お前が指銃を使えなくなったのはいつからだ？」


息が、できない。

[144 ◆BtOeeshqkE 23/08/24(木) 07:39:05]

ガレーラに居た頃から自身の異常に気付いてはいた。職場を絶えず襲う海賊を相手取る時、そして自称兄との手合わせの時。戦う場面は、気付かされる場面は、いくらでもあった。


──六式を習得してから長らく主として使っていた指銃を、今のおれは碌に放つことが出来ないのだ、と。

人肌に指を突き立てようとする度、凍らされたように指先が、腕が、全身が。歯の根が噛み合わなくなる程冷えて、がちがちに固まって動けなくなるようになったのは、あの研究所を出てから。


撥や火撥ならば手は震えることはない、ならば技術の劣化などではない。
精神の問題だと理解して、軟弱だと矯正しようとして、出来なくて。そのままここまで来てしまった。


「六式使いの癖に指銃さえマトモに使えねェ。『ロブ・ルッチ』の癖に、おれの癖に人を殺せねェ。それを欠陥と言わずして、一体なんという？」

[145 ◆BtOeeshqkE 23/08/24(木) 09:01:15]

1.ルフィ

2.050

dice1d2=2 (2)

[146 二次元好きの匿名さん 23/08/24(木) 09:53:48]

更新でえ！？ってなって読み返したらマジで使ってないじゃんよぉヒョウ太ぁ………………………自称兄のこと大嫌いだけどそれはそれとして研究所の彼らを思い出させる原型の外見だからなぁ………………つらいなぁ………読んでるこっちも泣けてきた……………

この曇らせの展開でよりにもよって050を引くダイス神………本当にこのスレすげぇな

[147 二次元好きの匿名さん 23/08/24(木) 17:19:27]

もうやめて欲しいけどもっと曇って欲しくもある
心が二つある

[148 二次元好きの匿名さん 23/08/24(木) 17:55:09]

うわぁ‪……マジじゃん。
クソ鬱展開すぎる……050ぉ泣

[149 ◆BtOeeshqkE 23/08/24(木) 19:17:14]

あら鬱展開はお嫌い？

1.攻撃

2.反論

dice1d2=2 (2)

[150 二次元好きの匿名さん 23/08/24(木) 19:54:03]

なんだと…………………
鬱展開はお嫌い…………………だと！？そりゃこんな…こんなもん…………………


お好きでござるーーーー♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡拙者ら読者が嫌いな訳無いと分かっての質問ですかスレ主殿♡♡♡♡♡♡♡♡これからも応援してまするぞ♡♡♡♡♡

[151 ◆BtOeeshqkE 23/08/24(木) 20:09:25]

ﾆｺ……一蓮托生愉悦部でいような……


六式を修めただけでなく、元の世界の誰より極めた。その自負があったというのに今や六式の一つを満足に使えない。夢にまで現れる光景が纏わりついて、自身の指で人を傷付けることを恐れるようになった。
それは確かに酷い欠陥に他ならない。囁かれる揶揄に、酸素の足りない頭では何も言い返す言葉が思い付かない。

諜報部員共に抵抗することも襲撃を止めることもガレーラを助けることも出来なかった、何も成せない欠陥品。ただ、借りてきた正義で殺し尽くしただけの悪。

ならば、それならば。
今のおれに、何の価値がある？



（……違う、違う！おれでも分かる、その言い分は絶対違う！！）

[152 ◆BtOeeshqkE 23/08/24(木) 20:36:24]

頭の中から声がして、ちらつく意識が引き下がる。


050へと身体の支配権が移ったことで閉じていた気道が通り、ひゅうと音を鳴らして空気を取り込んで、酸素が漸く体を回り出す。すぐさま掴まれた腕をばしりと振り払い、覆い被さるオリジナルを突き放した。

「人を殺せない、殺さないことが欠陥になる訳ないでしょ！その道を迷わず選べる自分が世界の基準だとでも？正義の押し付けとかほんっとに傲慢、嫌になる……！」
「貴様……クローンの方か」
刺すような睨みを気に掛けることなく050はたん、と跳ね起きて体勢を立て直す。

「ルッチは落ち着くまで下がらせとく。おれだって戦えないことはないし、何より！」

[153 ◆BtOeeshqkE 23/08/24(木) 20:42:46]

「──麦わらさん！！」

「ゴムゴムのォ、JETバズーカ！！！」
「──ッが、ァ！！？」


蒸気を纏った超高速の掌底が、意識の外から豹人間を吹き飛ばした。

[154 二次元好きの匿名さん 23/08/24(木) 22:54:48]

うおぉーーー!!!050ぉ!!
カッコいいよー!!輝いてるよー!!（ペンライト爆振り）

[155 二次元好きの匿名さん 23/08/25(金) 07:05:16]

050とヒョウ太二人三脚でルッチと戦おうとしてるの本当に好き
050とルッチが絡むと互いの本質に踏み込んだ言い合いしてるのがまた刺さる　ヒョウ太から受け継いだあの世界の価値観と自分が生まれたこの世界の価値観２つ持ってるからこそロブルッチにああやって反論出来るの凄いわ
あと地味に""麦わらさん"'呼びが良い

[156 二次元好きの匿名さん 23/08/25(金) 07:15:53]

お互いが支えとなってる感じがとても良い…

[157 二次元好きの匿名さん 23/08/25(金) 14:48:05]

保守
どんな結末になるか楽しみです

[158 二次元好きの匿名さん 23/08/25(金) 23:03:15]

>>154

これはペンライト爆振り不可避

[159 ◆BtOeeshqkE 23/08/26(土) 08:15:48]

精神復帰

1.できる

2.できない

dice1d2=2 (2)

[160 二次元好きの匿名さん 23/08/26(土) 14:08:58]

ルッチって本当にヒョウ太特攻持ちだな…見事にヒョウ太の心にダイレクトアタックして刺さってるじゃないか…

[161 二次元好きの匿名さん 23/08/26(土) 18:05:40]

せ、生徒会長
一味の前では強気な言動してたけど、諸々限界だったのか

[162 二次元好きの匿名さん 23/08/26(土) 18:22:07]

生徒会長といえどロブルッチといえど14歳…こちらの世界のロブルッチが13歳でとてつもない事してるせいで基準が狂ってしまってるけどさぁ…普通おかしくなるよなぁ…精神復帰出来ないの仕方が無さすぎる　
050やパウリー、ガレーラの皆のお陰である程度は回復しつつも裏で精神的ダメージは蓄積してそう…
なんかこう　スレ住民のみんなでルッチに元気玉送れるシステムがあればな

[163 ◆BtOeeshqkE 23/08/26(土) 23:05:14]

「……麦わらさんがここにいて助かったよ。おれだけじゃあ到底、立ち向かえやしないもん」
対峙者を殴り飛ばした拳の先を見つつ050は独りごち、頭に思い浮かべるのは意識の背後へと押し込めた片割れのこと。
彼は間違いなくそんじょそこらの人達より強い筈なのだ、戦闘力も精神力も。けれどそれは本来ならばという話、この一年間で削れに削れた心は回復する暇など殆どなくストレスに晒されてきた。
壊れていないことが幸運なくらいに磨り減ったルッチは折れかける度、復帰する時間を段々長く要するようになっていることを、050だけが知っている。

「どいつもこいつも邪魔ばかり……鬱陶しい！そも、その海賊を頼るのは何の信用があっての話だ？」
「そりゃあルッチが頼りにしてたから。なら大丈夫だって信じられるってわけ！今のうちに負ける覚悟でもしときなよ、オリジナル！」

そして、あの気丈な負けず嫌いは絶対に戻ってくることだって知っているのだ。だから、せめて050は時間を稼がなければならないと自身の武器を構えた。

[164 ◆BtOeeshqkE 23/08/27(日) 07:34:20]

表層に050が飛び出したその奥で、彷徨いかけの思考を掻き集める。
感傷など捨て去って気を張れ、心を固定しろ。こうして揺れている暇などはない、今は戦闘の真っ只中なのだから。

とにかく早く復帰しなければと浮上した、しようとした。


（……050？）


050の精神は、びくともしなかった。普段であれば強く意識する必要もない入れ替わりができない。別段表側で抵抗している訳ではないと、すぐに分かる程なのに。

（……ルッチ。代わりたいんなら好きに代わりなよ）
（代われないから言っているんだ！はやく、早く戻らないと、勝ちの目が薄くなる！）
（それはダメ）
焦りと共に急かしながら語り掛けれども、すげなく断られる。何故という前に答えが返ってくる。

（おれを退けて意識を代われないならさ、まだ全然回復してないってことじゃんか！それこそそんな精神状態じゃ勝てやしないよ、いいからお前は休んでて！）

[165 ◆BtOeeshqkE 23/08/27(日) 07:45:21]

……だって、ダメだ、こんな。
こんなことで心が折れて、どうする。これでは本当に、おれはただの足手纏いじゃないか。


（こんなこと、じゃない！さっきのはフラッシュバック、お前にとってのトラウマじゃん！）
脳内で反響する程の大声。ぐわんぐわんと意識が揺れ落ちそうになるのを何とか踏みとどまった。……強情な。意識が動く気配は見えず、食い下がっても聞き届けてくれそうにはない。



（せめておれを押し退けられるようになってから戻ってきてよね、それまで生き延びるくらいなら出来るからさ！）

[166 二次元好きの匿名さん 23/08/27(日) 16:52:31]

世界線は違えど弱さは罪とする男が自らを足手纏いだと自覚するのめちゃくちゃしんどそうだな
050強引だけどルッチのこと気を遣ってるの本当に優しい子だなって思う…

[167 二次元好きの匿名さん 23/08/27(日) 20:24:14]

050めっちゃルッチのこと戻ってくるって信頼してて良いな
たった一年で生まれたとは思えない程のよく出来た関係だ
あとはルッチお前次第だ…大変だけど…頑張れ…

[168 ◆BtOeeshqkE 23/08/27(日) 23:44:42]

視界は未だ050のもの。戦闘は俯瞰してしか見えず代われないのが酷くもどかしいが、……言われた通り、まだおれは立ち直ることが出来ていないのだろう。大人しくしている他はない。

「精神虚弱で入れ替わった雑輩、それに命削りのドーピング？どちらも長く持ちはせんだろう！特に、命を賭すのはあまり利口と思えないなァ麦わら」
「目の前で色んなものを失うよりマシだ！！やれることは全部やってやる！！」
あからさまな煽りに麦わらが即座に返したのは、命を削るからには最悪でも全員生存、それが絶対条件という言外の宣言。
それを対峙している相手も察したのか、眉を顰めて吐き捨てた。
「お前は全てを望みすぎている！……さっきの爆音を感じたか？もう数分も待たず一斉砲撃が始まる、司法の塔にいるお前の仲間達はそこで死ぬ」
バスターコールのことを言っているのだろう。どれ程の威力なのかなど想像もつかないが、島一つを破壊した実績があるそれを向けられているというのはただでさえ低い生存率を大幅に下げる要因となる。
……誰も死なないというのは理想の高い机上の空論、か？


「もし運良くここへ辿り着く為に地下通路を走っている者達がいたとしても──嵐脚」

[169 ◆BtOeeshqkE 23/08/28(月) 00:02:05]

どぉん！！！、と。


切り裂かれた壁は呆気なく崩壊し、外部から海水が勢いのままに轟き渡り入ってくる。奴が何のつもりなのかなどは考えるまでもない、背後に置いてきた一般人の顔が脳裏に浮かび血の気が引いた。

「この海水が勢いよく通路へと流れ込み、そこにいる者達は確実に溺れ死ぬ」
「お前……！」
殲滅は手早く確実にとでもいうわけか。その発想はあまりにも合理的、そして非人道的。麦わらが怒りの感情を露わにしているのもきっと想定内なのだ、奴にとっては。


「何も上手く運んでやしないんだ。全員助けて無事脱出しようというお前達のぬるい考えがどこまで叶うか見せて貰おう」
「何やってんだお前ェっ！！！」

[170 二次元好きの匿名さん 23/08/28(月) 09:19:58]

普通トラウマって本来は長い時間を掛けて癒すものだからなぁ…生徒会長この先頭に復帰出来るかどうか
いや本当はヒョウ太には南国のリゾート地とかで1年間くらいゆっくりくつろぐとかして傷を癒して欲しいんだがそうは言ってられない状況だからな

[171 二次元好きの匿名さん 23/08/28(月) 11:31:45]

無事に元の世界に帰れたとして以前の生活には戻れるかが不安材料

[172 二次元好きの匿名さん 23/08/28(月) 20:32:55]

>>171

マジでそれ

あたしゃ心配だよ生徒会長

[173 二次元好きの匿名さん 23/08/29(火) 01:21:40]

>>172

近所のおばあちゃんみたいになってる…

[174 二次元好きの匿名さん 23/08/29(火) 02:35:09]

14歳(と1歳)…大変なバックグラウンド…子供にとっては重過ぎる精神的肉体的疲労…
苦悩しながらも必死に足掻いて進む姿を見てしまうと爺婆目線になってしまうのも仕方がないんじゃ

[175 ◆BtOeeshqkE 23/08/29(火) 10:53:53]

彼らの行く末を決めるのは最終的にはダイス神　祈れ



切れ目からだくだくと海水が部屋へ流れ込んでくる。地下通路へと排出される分を鑑みたとしても水没するのは時間の問題。後に続いて来ていたであろう者達の安否も不安であるが、まず自身の安全を確保しないことにはどうにもならない。

（地下通路は戻れないし先の扉はもう覆われてる、部屋は水で埋まりそう……これ、おれ達も詰んでない！？）
きょときょと辺りを見回し慌てる050。いくらおれを間近で一年間見てきたとはいえ、050は訓練など受けておらず実戦経験も皆無に等しい。状況把握能力の不足も仕方のない事である。
深呼吸をする心地で息を吐き、奥底から口を出す。
（落ち着け050。奴は何の考えもなしに弱点に晒されるような真似はしないだろう、どこかに逃げ道がある）
（あ、そっか……冷静だねルッチ）
（ああ、だから代われ）
（それとこれとは話が別、っと！）

ぱっきりと断られたところでオリジナルが動いた。たたたんと空気を蹴り、天井に開けていた筒状の経路へと跳ぶ。それを無警戒で追いかける白い鳥を見るに、罠ではなさそうだ。

[176 ◆BtOeeshqkE 23/08/29(火) 11:03:35]

麦わらが腕を伸ばして経路へ架けられた梯子を掴んで登っていくのを見送り、050へと声を掛ける。

（追い掛けるぞ。月歩は出来るか？）
（一応、ね。多分あんま上手くないけど！）
宙を足の裏で掴み上へと駆け上がっていく動作は、見様見真似であるとしても稚拙という程ではない。恐らくは050の中の基準がおれ達であるせいで高く定まりすぎているのだろう。


たん、と上の階層に着地すれば、今までいた水没済みの部屋を麦わらが見下ろしていた。
「海賊達がどうなったのか、ニコ・ロビンがどうなったのか……心配だろうな。助けに行きたければ行くがいい」
その様子にオリジナルがせせら笑う。据わった獣の瞳孔を見るに、奴は言葉に反して逃がすつもりはない。

「……おれはお前から目を離さねェ。あいつらは今どんな目に遭ってようと、必ず生き残る！でも、お前をここで逃がしたら……！お前は仲間達を殺しに行く！！」
ギン、と帽子の下の双眸が睨み返す。


「おれはお前から目を離さねェ！！」

──眼前にある脅威への正しい認識、そして最適解の弾き出し。以前のはちゃめちゃな言動はすっとぼけなのではないかと思う程の思考回路に、上に立つ者の気質を垣間見た。
「……フフ、なかなかのボスの器……どっかのバカに聞かせてやりたいもんだ」

[177 二次元好きの匿名さん 23/08/29(火) 18:27:12]

ルッチ両者揃ってルフィに感心してるのやっぱ同一人物やんな〜としみじみ思う
あと050くん1歳だから自分はまだまだな所があるとか思ってそうだが一般人視点から見ると君も充分優秀でとんでもないぞ…

[178 ◆BtOeeshqkE 23/08/29(火) 20:57:32]

「だが、その判断に実力は伴うかな──お前が死んでも結果は同じだぞ！」
獣人の脚が弾むように駆け出し、標的を麦わらに定めて攻撃を仕掛けてくる。

「指銃！」
「うぎ！！」
体を反らして躱した相手へと追撃を加えようとする前兆の動きに重なって。


ちゃりりと小さな金属音。


「戦力外に見てるね？おれのこと」
「……ッ！！」

寸前の予感があったのか咄嗟に嵐脚の姿勢を取り止める、が。銃などよりもずっと速く飛来するソレに反応速度は僅かに追い付かなかったようで、ビッと豹の体毛に覆われた頬や腕の皮膚が裂け、たらりと赤が垂れる。
一体何事かと言いたげに流した目が自身に傷を付けた物を追って、少しだけ見開かれる。

「釘、だと？」

[179 ◆BtOeeshqkE 23/08/29(火) 23:30:37]

釘、大工用具の釘である。ガレーラ御用達のそれは一般のものより遥かに上質で頑丈だ。……黙って掴み取って来たのだが、まあ、事情が事情なので許してもらえるだろう。

備えあれば憂いなしとはこの事か、050の進言から出立前に服のあちこちに仕掛けていた小道具の編み出した結果は上々。
「ちゃーんとダメージ入ってるみたいでよかったよかった！メインこそ張れないけど、これならサポートくらいはやれるかなーって！」
当人はサポートだけと言っているが、戦闘に関しては技術が届いていないだけ。体の、筋肉の使い方は充分に身に付いている。だからこそ釘なんて物を対抗策として投げ牽制することができるのだ。

「貴様、」
「そこだーっ！！」
此方へと敵意が向いた途端に麦わらの腕が飛んでいく。大きな傷こそ入りはしないが注意を引く役目は負えるのだと、鉄塊でガードをしつつも拳を食らった敵対者を見て050が笑った。
「別に体術にこだわりなんてものないからさ、小細工だの搦手だのに頼るのも視野に入ってくるワケ」
「……貴様もおれなら、六式で戦ったらどうだ！」
拳の嵐を捌きながら、苛立ちの籠った声がおれへ……いや、050へ投げられる。その言葉に片割れはふん、と鼻を鳴らした。


「おれはねオリジナル。君みたいな六式のプロフェッショナル相手に、見様見真似の付け焼き刃なんかでおんなじ土俵になんか上がりたくないの！六式同士で戦いたいんだったら、ルッチを落ち込ませたこと謝ってみたらどう？」
「ッチ、猪口才な……！」

[180 二次元好きの匿名さん 23/08/30(水) 00:14:37]

050 レスバ　　すごく　　つおい
これが一歳児の語彙力…

[181 二次元好きの匿名さん 23/08/30(水) 01:23:20]

ガレーラ製の釘＋天才の肉体の筋力から繰り出される攻撃絶対ヤベェだろ！！
あとちゃんとしてる子だからちゃんとルッチに対しての謝罪を要求するの偉い　
そもそも研究所の023も感謝や挨拶を忘れずにしてたしクローン達基本的に礼儀と筋を通してて素晴らしい
こ、これが自称兄の複製なのかぁ…としみじみ思う
050凄く良い子なんだけど単なる良い子に収まらずに多面的な側面がしっかり肉付けされてるので濃い人物しか居ないこのSSでも存在感放ってるな　

[182 二次元好きの匿名さん 23/08/30(水) 08:42:36]

釘か！！！意外な戦法だったわ！！
050頭良い〜

[183 二次元好きの匿名さん 23/08/30(水) 18:07:25]

ほしゆ

[184 二次元好きの匿名さん 23/08/31(木) 00:31:20]

夜保守

[185 二次元好きの匿名さん 23/08/31(木) 11:05:29]

保守

[186 二次元好きの匿名さん 23/08/31(木) 11:07:56]

そういや050はロープアクション出来るんだもんな
ルッチと同じで六式しかないと思ってたけどそれに拘らずいろんな手段使えるのは050の強みだわ盲点だった

[187 二次元好きの匿名さん 23/08/31(木) 19:55:53]

ルッチとは違う動きができるの独自の技術って感じでいいな

[188 ◆BtOeeshqkE 23/08/31(木) 22:07:30]

こちらに殺気が向けば反対側からゴム製の手足が伸び、即座に飛んでくる反撃を麦わらが躱しきれそうになければ妨害を。作れるのはかすり傷ばかりといっても蓄積すると思えば馬鹿にはできないことを、逐一回避や防御行動を取るオリジナルは理解している筈。
躱し防御し時には喰らい、ダメージの加算は同程度。膠着とまではいかないが、二対一でも有利と言えるような状況に持ち込めてもいない。

先程から前へ表へ出ようとしてもやはり、……代わることは出来ないでいる。この局面で何故立てない、何がつっかえているのかさえ分からない。



（──ルッチ！『アレ』やりたいんだけど、使い方教えてくれない？）
（ぁ、……ああ）
自己嫌悪の波に飲まれそうになったところで声が掛かる。
『アレ』なら確かに有効打になり得るだろうが、即興で最大火力が出るものではない。最適解のタイミングを見計らいつつ、戦闘指示へと集中する。

[189 ◆BtOeeshqkE 23/08/31(木) 22:12:18]

「二対一とはいえここまで持ち込まれるとはな……だが、逆に言えばここまでだ。勝てるのか、貴様らはおれに！」
「勝てなきゃ誰も守れねェだろ！」
売り言葉に買い言葉を返し、だん、と地面を蹴り瞬発的に一直線に豹へと向かっていく麦わらの背に追従するよう示す。
（やるなら今だ、タイミングはあいつに合わせろよ）
（りょーかい！）


「ゴムゴムの！！」
（体の動かし方は分かるか？……そう、そこだ）


赤いベストの背後から飛び出し、並んで懐へと入る。そうして見えた表情は微かな瞠目。驚きもそのはず、両手を握り前へと突き出した今の050は奴にとっては見慣れた体勢だろう。

そして、その威力を一番身に染みて知っているのも奴であるから。



「JETブレットォ！！！」
「六王銃ッ！！！」

「……ッ！！？」


放つは六式の究極奥義。
近接距離からのゴムの慣性と内部破壊の衝撃波が、鉄のように固まった豹人間の体躯へ一挙に叩き込まれた。

[190 ◆BtOeeshqkE 23/08/31(木) 22:33:39]

ボガァンッッッ！！！、と。

吹き飛ぶだけでは飽き足らず、背にしていた石造りの頑丈であろう壁を盛大に破壊してオリジナルは吹き飛んでいく。開けた先に広がるのは海、落ちてくれれば万々歳といったところか。

「不意打ち、成功した？小細工こそするけど、六式を使わないとは言ってないからさ～！」
その言葉は瓦礫と共に飛んでいったオリジナルには届かないだろうが。目で追っていれば惜しいことに海には落ちず、一帯を包囲している軍艦へと落下したようだ。


「本家には遠く及ばない、ルッチの指示と麦わらさんに相乗り、上乗せ……それでようやっとこの威力だけど。まァ器用貧乏にしてはいいんじゃない？」
（……言っておくが、威力はどうあれ数回見ただけで六王銃を放てるのはおかしいからな？）
「それってルッチの元のスペックがおかしいからだと思うけどね、おれ」

[191 ◆BtOeeshqkE 23/08/31(木) 22:53:07]

次スレ立てました

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑬【閲覧注意】｜あにまん掲示板

[192 ◆BtOeeshqkE 23/08/31(木) 22:56:27]

戦闘描写がめちゃ難しくて更新が少ない&不定期になってしまってすまねェ！そんな中でも応援してくださってるの本当に感謝しかない　いつもありがとうございます

展開にダイス入れる余地がなくなってるから自分で進めてるわけだけどちゃんと面白いかなあ！？大丈夫かなあ！？

[193 二次元好きの匿名さん 23/08/31(木) 23:05:36]

次スレ立て乙です！
050（+生徒会ルッチ）という異物が入り込んだことで起きる変化をめちゃくちゃ説得力ある筆致で書いて下さるスレ主には感謝しかねェ…！
めちゃくちゃ大変そうだけど応援してます！

[194 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 00:11:51]

スレ立て乙です！
面白いぞスレ主！！！！胸を張れェ！！！概念スレからずっと見てるけどマジで面白いのだ…
ダイス神による展開以前にスレ主の書く話が面白いので正直満足度がかなり高い　まじで自信持って書いてくれー！！ファンはいるぞここにー！！！！そして050による六王銃展開最高of最高of最高
これからも応援してる

[195 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 00:45:10]

あにまんで唯一追ってるスレだからマジで応援してるし恐らく完結した時は1人の読者として泣いてしまうかもしんない
つまりはスレ主の書く展開も絵も好きなので何卒ルッチと050は最終決戦頑張ってくれ　六王銃カッコよかったぞ！！

[196 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 01:04:42]

このスレきっかけでルッチ興味持った人少なくはないだろ
ちょっとヒョウ太が気になってワンピース学園読んでみたらルッチが原作に比べてかなりマイルドだったのびっくりした記憶
そのルッチならばこんな行動をするだろうという説得力あるエミュありがとう　違和感なく読める

[197 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 02:18:19]

うめめめめ

[198 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 02:21:57]

長期パートになってきたけどそれでもなお高クオリティの更新をし続けてくれるスレ主には感謝しかないね
素晴らしい概念と物語を届けてくれてありがとう
そしてルッチ＆050とかいうあにまんでしか見れない神コンビを知ってしまって…お…おれは…どうすれば……………！？

[199 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 02:28:28]

このスレの存在を口コミで知って(？？？？)度々更新されるたびに覗いてそろ〜り読み進めていたんだがもうエニロビ最終決戦まで来ていたのか……
しかもかなり胸熱な展開だしあの050がサポートとルフィの協力ががあるとはいえ六王銃打ち込んでルッチぶっ飛ばすの最高の展開だな
良い意味で持ち味を生かした原作改変が多いのに原作から全然ブレてないのスレ主の力量凄過ぎて感心する　
ま〜〜〜じでおもしろいぞ！！不安になるこたねェ！応援してます！

[200 二次元好きの匿名さん 23/09/01(金) 02:32:09]

200だったこのSSシリーズは無事に完結出来る