あるウマ娘の妹になったので少し話そうと思う。

  • 1二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:32:57

    拝啓、掲示板のみんなへ



     こんにちは。そして、初めまして。

     私――いや、友達の前じゃないし俺にするか。

     俺は元居た世界で交通事故にあった後、あるウマ娘の妹に転生して、現在はトレセン学園に通っている。

     どのウマ娘の妹になったのかは――まだ言わないでおこう。話しているうちにわかると思う。

     いや、分かるはずだ。ぜひ予想してみて欲しい。

  • 2二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:33:45

     こちらは現在10月の頭、俺も出走する菊花賞まであと少しだ。

     “なんで今菊花賞?今は〇月だぞ?”と思う人が、もしかしたら大多数いると思う。どうやら、こっちのウマ娘の世界と、俺が元居た、そしてこれを読んでる人が居る世界と時間がずれてるっぽい。

     俺が向こうで事故にあったのが確か、2023年7月の31だったかな?

     んで、こっちの世界でPC操作する機会があったから“まあ向こうの世界のサイトにつながるわけないよな…”と思ってダメもとであにまんのURL直打ちしてみたら“偶然”繋がっちゃってびっくり。


    んで、びっくりポイントがまだある。その初めてあにまんにつながった時に、あの『バンテリンスレ』がまだ進行中で、そのスレ内で丁度モブ娘がバンテリン塗るSSが投稿された当たりだったのよ。

     しかも、その次につながった時は今度は『フクキタル頭脳線スレ』が進行中だった(本来日時が表示される場所は文字化けしてて見えなかった)。

     これで、こっちとそっちとで時間のずれがあるのが分かってもらえたかと思う。

  • 3二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:36:06

     前置き長くなっちゃったし、そろそろ本筋に入るか。時間云々の話はそういうことだと思って軽く流してほしい。


     俺が転生してきたということに気が付いたのは、まだ幼稚園に入る前だった。


    なんでもないときにふっ、っと前世の記憶がよみがえってきたもんだから、そらもうびっくらぽんよ。

     気づいたすぐその夜に家のPC使わせてもらって、“アプリに出てきたネームド走ってるのかな~”なんて気持ちで探してみたけど、まったくいなかった。代わりに出てきたのは、Wikiとかこの掲示板とか、あとはツイッターでうっすらとみたかなり昔の馬の名前。

     それもそうか、なんせ姉さんもかなり昔の馬と同じ名前のウマ娘だもんな、と納得すると同時に知ってるウマ娘の名前がかなり少なくてちょっと寂しかった。

     あと、“なんでかなり昔のウマ娘が活躍してた時期のくせにPCがふつうにあるんだ?”と頭が痛くなったりした。

     俗にいうサザエさん時空だろう。そういうことにしておきたい。じゃないと頭痛がひどくなりそうだ。

  • 4二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:39:27

     その次の日から、俺は走りに走りまくった。


     だってウマ娘だぞ!?!?人間よりはるかに速い速度で走れるんだぞ!?!?!?走ってなんぼっしょ!!!!!!

     それとな、走るのちょ~~~~~~~気持ちいい!!あと、ターフの最終コーナー抜けてから見える最終直線の絶景さよ!!!!

     自分の顔に打ち付けられる風も、音も、ターフの感触も、匂いも、青々とした芝が広がる景色も!!

     あらゆる感覚がぞわぁっ!ってなったね!!いや、マジでこの素晴らしい感覚を共有できないのが実に惜しい……!!

     CBのキャラスト3話でCBが楽しそうに話してた理由が言葉じゃなく心で理解できたッ!!!!


     それに加えて、一般教養とかレースの勉強もいっぱいしたな。ただ走ってるだけじゃ意味ないもんね。数学とか忘れてるものが結構多くてびっくりしたよ。でも前世で理系だったからすんなりいったけども。

     苦戦したのは国語と社会かな。なにせ馬の代わりにウマ娘がいるんだ。漢字も古文も地歴公民も、結構違ってて大変だっだよ。有名な武将が何人かウマ娘になってたし。まあ、新しいことを学べたから結構楽しかったよ。

  • 5二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:40:15

     そんな感じで、俺は勉強も運動も(もちろん休みも!)たくさんやってきた。
     
     もちろん、その中で姉さんと一緒にランニングしてもらったり、併走もしてもらったりしたけど……


     マジで強かった。まだトレセンに入る前でもめちゃくちゃ強かった。パワーもスピードもやばいし、レースのセンスもずば抜けてた。多分、俺と姉さんが同期だったら一回も勝てなかったと思う。

     そんな姉さんは、強くてかっこよくて優しくて(もちろん世界一、いや宇宙一かわいいぞ!!)、まさに俺のあこがれだ。思えば、俺がここまで強くなれた一因に、姉さんと一緒に走りまくったこともあるだろう。

     一緒にいた時間が長かったから、ものすごく大好きになった。一緒に寝たりもかなりの頻度であったな。

     姉さんがトレセンの寮に入ったその夜、ちょびっとだけ俺の枕が濡れたのはここだけの秘密だ。

  • 6二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:41:10

     トレセンに入学してからの姉さんは、まさに破竹の勢いだった。デビューしてから連戦連勝、おまけにそのタイムもとんでもないものだった。勢いのまま、姉さんは無敗で皐月賞を制覇。そして、ダービーに乗り込んだ。

     これはあとで知ったことなんだけど、姉さんはどうやらダービーの1週間前ぐらいに、右足の爪がはがれていた状態だったらしい。
     
     ニュースになってなかったのは、トレーナーがマスコミに伝えていなかったからとのこと。しかも、右足をかばうようにしてたら今度は左脚の腱が腫れてきたみたいだった。トレーナーも、姉さん自身も、出走回避するしかないと考えてたらしい。


     でも、奇跡が起きたんだ。前日になってから症状が改善し始めて、当日の朝には完全に治っていたらしい。まさに奇跡としか言いようがないよね。

     もちろん、俺もダービーを現地で見に行った。当日は確か7万人ぐらいだったかな?ゆっくり見ることができるし、ツテがあるから来賓席から見ないか?って父さんが言ってくれたけど(なんと父さん、そこそこ大きい映画会社の偉い人だった)、近くで見たいからってわがまま聞いてもらって、内馬場から観戦することにした。

  • 7二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:42:00

     そしてファンファーレが鳴り響いてゲートが開き、いざスタート。

     正直、不安だった。いつもは先頭付近に位置取っていたんだけど、その日は出遅れたんだ。やっぱり脚が治り切っていたんじゃないか。いくら姉さんといえども、ダービーで勝つのは難しいのか。何度もそう思った。


     けど、そんな不安な気持ちもすぐに姉さんが吹き飛ばしてくれた。

     向こう正面から先行を交わし始めて、ラストスパートになってから俺は必死に叫んだ。叫んで、叫んで――――。



     姉さんは、無事一着でゴールした!!ゴールした瞬間はそれはもうすごい大歓声だった。だって、史上初の無敗二冠だったんだもの。そのうえ、レコードを0.3秒も更新したんだ!!
     

     どうだ、すごいでしょ俺の姉さん?

  • 8二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:43:05

     ウイニングラン中に観客も感極まっちゃったのか、柵が壊れて馬場内に人が流れ込み始めた。

     もちろん俺も行って、誰よりも先に姉さんの元にたどり着いて“おめでとう!!”って何度も何度も抱き着きながらお祝いした。

     そのあと久しぶりに肩車なんかもしてもらって、俺の幸せ絶頂期だったね。


     やっぱり俺の姉さんは宇宙一すごい。10戦10勝、しかもその内レコード7回。次の菊花賞も勝って、初の無敗三冠ウマ娘になってくれるはずだ。

     もしかしたら、またレコードを記録するかもしれない。そうなってほしい!とそんな期待で俺の胸はいっぱいだった。

     そうなれば、ホントによかった…………



     その5日後、姉さんは事故にあった。

  • 9二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:44:11

     その時、姉さんは夜に軽めのランニングをトレセン周辺でしていたらしい。

     相手は自転車に乗っていた男子大学生。夜間無灯火・イヤホンの仕様・前方不注意のスリーアウトだった。


     その事故で、姉さんは右腕を負傷し、うまく動かせなくなってしまった。

     ここでちょっと思い浮かべて欲しいんだけど、みんな走るときに腕を使うだろ?脚を動かすことももちろん重要だけど、腕を振ることだってそれと同じぐらい重要だ。

     その腕を、思い通りに動かせなくなった。

     元から腕が動かないから動かない用の走りを極めようとしていたならまだしも、姉さんは大多数のウマ娘と同じく腕を振るっていただけだ。

     そんな人が――ウマ娘が突然“片腕が上手く動かせなくなりました”なんてことになったらどうなると思う?


     ご察しのとおり、以前のように走れない。無理に走ろうとすると、スピードに乗れないし、バランスが取れないから転倒してさらなる大けがへとつながる恐れもある。


    だから、姉さんはそのダービーがラストランとなった。脚はまだ動かせるのに、だ。

  • 10二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:45:28

     俺は悔しかった。思いっきり泣いた。まるで自分のことのように。

     いつも悲しいことがあったときは姉さんに抱き着いていたけど、今回ばかりはそうはいかない。だって、俺以上に姉さんはもっと悔しい筈だから。

     そして俺は決心したんだ。“俺が無敗の三冠ウマ娘になってやるんだ”って。

     俺も強いとはいえ、姉さんほどじゃない。重賞を勝つことだって簡単なわけではない。

     ケガで早期引退してしまうかもしれない。

     しかも“無敗三冠”だ。確率は千に一つもあればいい方だ。

     そんな茨の道を、俺が切り開くんだ。そして、姉さんを超える、とその時決心したんだ。

  • 11二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:46:57

    このレスは削除されています

  • 12二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:48:09

     さて、そろそろ終いと行こう。


     結論から言えば、俺は何とか無敗の二冠になり、姉さんの実績に並ぶことできた。
     
     後10日もすれば、今度の菊花賞で俺がどうなるか決まる。
     

     練習も、作戦も、全てを頑張ってきた。心残りはない。唯一あるとすれば、これを読んでいる皆に結果を伝えられるのかどうか、ということだ。

     最初にも言ったけど、こっちとそっちとでは時間の流れに誤差がある。

     結果のスレを立てることができるのが、このスレよりも後なのか、それとも前なのか。そもそも、これ以降二度と接続できないかもしれない。

     ここまで読んでくれたみんなに伝えられないかもしれないのが、残念だ。

     でも、俺は勝つ。必ず勝ってくる。

     だから、もしいいというのであれば、このメッセージを読んでくれた数少ない君が、どうかこの俺を応援してほしい。

     その分、俺はがんばれる。頑張って見せる。


     それじゃ。



                             敬具

  • 13二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:50:23

    もしかしてお姉さん今秘書やってます……?
    (あと1レスで終わるところだったので邪魔しないように書き直し)

  • 14二次元好きの匿名さん23/08/04(金) 23:54:07

    >>13

     いや、まだ事務員かな。でももう少し経てば秘書になると思う。

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています