ここだけパーメットが異次元の変化をもたらしてエリクトが実体化した世界 その3

  • 1二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 22:49:04

    落ちてたので再度上げ

    デミチャレンジャー計画にブリオン社はどうかかわるのか?

  • 2二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 22:50:09
  • 3二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 22:52:07

    ほし

  • 4二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 22:52:47

    良かった新しいスレ立ってた!!!

  • 5二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 23:09:37

    >>4

    朝に保守忘れたら落ちてましたw見てる人がいる限り一応続けます。






    「どういうことだ、君にそんな権利はないはずだろう」


    ブリオン社の重役はセセリアの言葉に苛立ちを含め、彼女をにらむ。


    「それがあるんですよねぇ・・・はい、それじゃあお願いしますねぇ」


    ファイルが配られ、全員分が行き渡ったのを見るとセセリアはそそくさと会議室を後にした。


    「なんだったんだ・・・?」

    「さぁ?」


    全員の頭に?が浮かんでいる状況で一人がファイルに目をやると・・・。


    「筆頭株主グループ主導による新規事業参画・・・責任者セセリア・ドート?!」

    「なんだと!?」

    「いつの間にあの小娘が株式を半数近く手に入れたんだ・・・!」

    「こんなの認められるか!社長は!CEOはどうしているんだ!」


    ファイルには細々した株式をセセリアを筆頭とする親ジェターク派が多数派になり、それによってブリオン社が

    ジェターク社に全面協力する形で今回の事業に参加する形になっていた。

    もちろん利益はかなり厳しい。それでも利益概算はプラスを叩きだしているし、そもそも主軸企業として参加できるのだ。


    「どういう手品を使ったんだ・・・」

  • 6二次元好きの匿名さん23/08/05(土) 23:26:40

    >>5

    一部は呆然と、もう一部は抗議の意味を込めてブリオンの首脳の元へ。


    「CEO!これは一体どういうことですか」

    「何がだね?」

    「セセリア・ドート・・・令嬢が筆頭株主グループのリーダーというのは・・・!」

    「ああ、あれは事実だよ」


    CEOの淡々とした物言いに驚いた様子だったが、それに気にすることなく続ける。


    「続々と売りに出されていた株式を回収して買い支え、逃げ出していた融資を引き留めてジェターク社との口利きを取り付ける代わりに思いとどまらせたりと奔走してくれたんだよ。これはその結果さ」


    現在のセセリアの保有率はなんと15パーセント。今回の事業の成功を元にすれば発言権はうなぎのぼりだろう。

    愕然とする重役たちにCEOは溜息をついて窓の外に目を向けた。


    「彼女は超大型の案件を持ってきてくれただけでなく、心無い妨害にも屈せずブリオンの権威を守りつつ、最悪になったブリオンの印象を回復させてくれた」

    「・・・ですがあまりにも独断が過ぎるのでは?」

    「筆頭株主の彼女が会社で何かを主導してなにか悪いのかね?」


    ぴしゃりと告げられる。

  • 7二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 00:08:53

    >>6

    「それよりも喫緊の課題があるんじゃないかね」

    「?」

    「よりにもよって御三家の関係者であるジェターク社との関係をこじれさせただけでなく、デリング総裁にまで悪感情をもたせ、尚且つ子供にも冷たいと来たもんだ」


    その言葉に重役の一部は凍り付いた。

    自分たちの失態を何故か細かく知っている。


    「今回、社に打撃を与えたばかりか信用や名誉にまで傷をつけた責任を誰が取るかだよ」

    「・・・」

    「辞表がいくつか必要になるだろう、もちろん、彼女のじゃないがね」


    そもそもまだ役員ですらないし、と社長はつぶやいた。

  • 8二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 06:52:24

    ほしし

  • 9二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 08:02:14

    保守!

  • 10二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 08:07:06

    まあね、もの作りの現場にいたから分かる事だけど、現場・現物・現実とか、中身も見ずやってもないのに判断すりゃ失敗するし。

    社長も部長も盲腸も関係ねえ!役割の呼び名であってそれで偉くなる訳じゃねえ!(本田宗一郎さんのお言葉)

    やって見せ、言って聞かせて、やらせて見て、誉めてやらねば人は育たぬ(これには続きがあるけど興味がある人は『山本五十六の名言』で調べてみて)


    このスレで登場したブリオンの重役は何一つできてないもんね。
    スレ主のキャラ造形は素晴らしい。

  • 11二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 19:30:18

  • 12二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 20:19:23

    >>7

    その日、ブリオン社に大規模な人事異動があった。

    それは内部の事情であるので株式を保有する株主と直近の部署のみが知る事実である。


    「もしもーし」

    『終わったのか、セセリア』

    「ええ、これでブリオンもこちらに全面協力できますよぉ」

    『ご苦労様、エリクトにいい報告ができるな。近い内に祝勝会でも開くか』


    セセリアは通話相手の明るい声に本心からの笑みと喜色を湛えながら了承し、今回の協力者全員に

    成功の旨を伝えた。


    ここにジェターク社が筆頭となる大型事業のスタートが確定した。


    計画の名は『デミ・チャレンジャー計画』


    既存のデミ・トレーナー、ならびに戦闘用のデミ・ギャリソンをベースに性能を底上げする近代化改修パック

    、SFF、OSのアップデートソフトなどの開発と試作品の発表会の日程が公表されることとなった。

  • 13二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 20:24:12

    遂にここまできたか

  • 14二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:20:27

    >>12

    ブリオン社での政変の数日前、地球に向かう準備を進めていたシャディクはガールズたちを引き連れて

    グラスレー寮の一室を訪れた。


    「やあ、元気だったかな?」


    部屋の隅で小さくなっていた少女が鋭い目つきでシャディクをにらんだ。


    「・・・なんの用ですか」

    「ノレア・デュノク、君にいい話を持ってきた」

    「まだ利用する気ですか・・・」


    憎悪に満ちた瞳。しかしシャディクはどこ吹く風。飄々とした姿勢を崩さずに端末を叩いた。


    「私はもう誰にも利用なんかされない!スペーシアンなんかのために働くもんか!」

    「それは重畳、つまるところ地球の人たちのためなら働けるってことだね」


    イライラを募らせるノレアにシャディクは端末の画面を見せた。


    「君がスペーシアンの為に働く必要なんかないよ」


    端末の画面を見てノレアは目を見開いた。

  • 15二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:36:04

    >>14

    「そ、ソフィ・・・?!」


    管だらけになっていたがその姿に見覚えがあった。彼女の相棒ともいうべき存在。

    ソフィ・プロネだった。


    「脳死一歩手前だったそうだ、データストームと心停止のダブルコンボで即死コースだった彼女だが・・・検死に回される直前で息を吹き返してね」


    痙攣し、目を見開いてしゃがれた声で血を吐きながらノレアの名を叫んだらしい。遺体と思って運んでいた現場の人間は仰天。

    慌てて生命維持装置を繋げるだけ繋ぎ、グラスレー社の全面バックアップを受けてなんとか窮地を脱したとのこと。


    「こん睡状態だが脳の保護が奇跡的な確率を引き当てて間に合ったらしい。データストームの後遺症でどこまで身体機能が回復できるかはこれからの彼女の頑張り次第とのことだよ」

    「ソフィが・・・生きてる・・・」

    「そう、それが一つ目のいい話さ」


    ノレアは力が抜けたようにへたり込み、嗚咽を洩らし始めた。


    「続きはまた後日にしよう、君と戦った水星ちゃんの所属する会社はガンド技術を医療に使うらしいからその情報も集めてくるよ」


    シャディクはソフィの経過観察の為に設置された定点カメラの映像を定期的に送る端末を設定してノレアに持たせ、

    自身はミオリネに連絡を取ることにした。

  • 16二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:37:55

    良かったな、相方生きてたやん

  • 17二次元好きの匿名さん23/08/06(日) 22:47:53

    >>15

    シャディクは端末を叩くとミオリネに電話をかけた。


    「もしもし、ミオリネかい?」

    『なんの用?こっちは結構忙しいんだけど』

    「真面目な話、ガンド技術を医療に利用するってのはどこまですすんでるんだい?」

    『医療産業に興味でもあるの?』

    「いや、知り合いにデータストームでこん睡状態に陥ってる人が居てね。協力を求める見返りに・・・って話」


    溜息が聞こえ、シャディクは苦笑する。彼女が何となく言いそうなことに予想がついた。


    『あんたホント、取引やら権謀術数ばかりね』

    「まあ、今回は人助け的な意味合いもあるんだけどね」

    『一応、試験的に導入されたシステムがあるわ。回数制限があるけどこん睡状態の人と会話できる機材が』

    「そんなすごい技術があったんだ・・・それもいつか売りに出すのかい?」

    『変な勘ぐりをするなら貸出の話はナシよ』

    「悪かった、とりあえずそれを使わせてくれ。うまくいけば地球出身の女の子が心を開いてくれそうなんだ」


    わかった、機材と人員をそちらに送るわと言うとミオリネは通話を切り、日時を指定するメールが送られてきた。


    「仕事が早いな、これならこっちの日程をずらす必要もないかもしれないな」


    シャディクは吉報に笑みを浮かべた。

  • 18二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 06:04:39

    ソフィノレに救済あるのとても嬉しい

  • 19二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 07:04:49

    ほし

  • 20二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 08:26:45

    ほしゅしゅ

  • 21二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 20:14:39

    ほしゅ

  • 22二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 21:59:26

    >>17

    ソフィは一度死んだ。

    正確には死んだと思っていた。


    データストームの最中に見た景色が自分の最後の瞬間だと思った。


    「・・・」


    それが違ったと気づいたのは聞きなれた人物の声。いつも冷静な彼女の声。


    「・・・ィ・・・」

    (ノレア?)

    「ソフィ・・・死ぬのが怖い・・・一人にしないで・・・」


    泣きながら目をこすって、それでも溢れる涙をこぼしながら嗚咽する彼女の姿と声に胸が締め付けられる。

    足はまるで泥の中に突っ込んだように動かず、声は引っかかったように出ない。


    まってて、いま行く!


    頭の中でそう思いながら必死に足を動かす。でも足は動かなくて、声もでなくて

    徐々にノレアの姿が薄く、遠くなっていく。


    待って!ノレア!待ってって!今そこに行くから!


    声が出ない、喉を掻きむしりながら足をばたつかせる最中。不意に光が彼女を包んだ。

  • 23二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 22:15:26

    >>22

    「ノ”レ”ア”ぁ”ぁ”!!!」


    ガバッと起き上がった彼女を周囲は悲鳴と共に迎えた。チカチカする視界とガンガン痛む頭を抱えて周囲を見ると霊安室かどこかのようだった。


    「・・・ひひっ、げぶっ」

    「きゃああ!!」


    大の大人が本気でビビっている姿を見て思わず微笑んだソフィだったが口の中には吐き出した血が満載であり笑いと共に噴出したため再度悲鳴がとどろいた。


    「の、れ、あ・・・!」


    台からころげ落ちてゾンビのように這いずっていく。向かう先は泣いているだろう仲間のもとだ。


    「ひゅっ・・・ひゅー」

    「ひぃぃぃ!!」


    血を流しながら血走った目とパーメットの痣を浮かべながら死体安置所から這い出したものだから周囲は阿鼻叫喚の坩堝と化した。


    「お、お化けーっ!!」

    「馬鹿モン!まだ生きとるじゃないか!早く処置しろ!生命維持装置を!」


    騒ぎを聞きつけた警備員とベテランの医師がソフィのバイタルを確認し、慌てて処置を行った。


    「の、れ、あ・・・!」

    「じっとしろ!死んじまうぞ!」

    「の、・・・がふっ!」

    「脳波不安定!血圧も下がってます!」

    「見ればわかる!ストレッチャー急げ!すぐに手術だ!」

  • 24二次元好きの匿名さん23/08/07(月) 22:23:43

    >>23

    そこから長い間ソフィの意識は闇の中だった。

    それでもただただ、生きたいという意思だけが彼女の中にあった。

  • 25二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 05:48:30

    ほっしゆ

  • 26二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 06:44:37

    ほし

  • 27二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 13:05:37

    ほしゆ

  • 28二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 22:37:09

    >>24

    ソフィの意識の世界に変化が起こったのはそれからどれくらい時間が経ったころだろうか。

    不意に彼女の世界に色が現れ始めた。


    (お、なんだこれ・・・)


    不思議な感覚が徐々に形になり、やがて自身の形がはっきりと認識できるようになった。


    「およ、これって・・・現実・・・?」


    手を握ったり、開いたり、足を踏み鳴らしてみたり。やってみたもののなんとなく空虚な感覚だ。

    モビルスーツを動かしたような、自分の体の延長上のなにかを動かしているようなもどかしさ。


    『こんにちわ、ごきげんいかが?』


    突然機械音声が届き、ソフィは顔を上げた。


    「ここどこ?」

    『君の意識の中、まだ君は眠ったまま』


    音声が響くと微かに頭に違和感が走る。頭痛ほどではないが、微かに電気が走るような・・・。


    「頭に響くんだけど?」

    『仕方ない、これ、機械で君の意識に送ってる』

    「マジ?頭になんか刺したりしてないよね?」

    『刺したら楽に話せる、けど、起きた時大変』


    だからしてない、とのこと。いまいちわからないがそれでも現実として自分は一応生きているようだ。


    『これ、つかって』

  • 29二次元好きの匿名さん23/08/08(火) 23:30:12

    >>28

    突然目の前に現れたのはよく見る携帯電話型の端末だった。


    『これで、そっちから文字送れる、友達、待ってる』

    「マジ!?これでノレアに連絡できるの?」

    『回数制限、ある』

    「回数制限?」

    『意識飛ぶ、気をつけて』


    注意事項を聞いて早速ソフィは宛先に何故かあるノレアへとメールを送った。


    とにかく私は生きてる。心配しないで。


    この文をどうにか書き上げて送信を押した。


    「ぐげっ!?」


    送信完了と同時に貧血と視界の明滅が始まった。


    『まだ脳・・・ダメージ・・・無理、禁・・・』


    定まっていた空間が歪んでまた闇が広がっていく。次は何時目覚めることができるだろうか。

    それでも端末の送信完了が彼女の希望になった。

  • 30二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 08:20:12

    ほしし

  • 31二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 09:21:51

    ほっしゅ

  • 32二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 20:37:02

    保守

  • 33二次元好きの匿名さん23/08/09(水) 23:13:42

    >>29

    「!」


    部屋で監禁生活を続けるノレアに第一弾の吉報が届いた。


    『とにかく私は生きてる。心配しないで』


    短い一文だったが用意されたこの一文が彼女にとってなににも代えがたい情報だった。

    それからも短文かつ日に2、3通ではあったが連絡は続き、シャディクからも治療の内容や進行度などが送られてきていた。


    「さて、そろそろ前向きな態度を見せて欲しいな」

    「・・・またですか」

    「ああ、治療費も馬鹿にならないんだ。慈善事業と割り切ってもいいが・・・これは君たちに真っ当な身分を持たせる意味合いもあるからね」


    ノレアは態度でこそ硬いままだったが内心は少しでも心象を良くしてソフィの治療を高度なものに変えていってほしい気持ちでいっぱいだった。


    「私はテロに加担したんですけど・・・?」

    「それを誤魔化すことと、これからスペーシアンの一強である現在の仕組みを合法的に打破する方法を実行するんだ」

    「そんなことが可能なんですか・・・?」

    「可能性を上げるため、そして大義名分を得るために君の力が必要ってわけさ」


    要領を得られずノレアは首を傾げた。

  • 34二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 07:05:45

    ほしし

  • 35二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 07:55:52

    ほっしゅ

  • 36二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 13:10:10

    ほしし

  • 37二次元好きの匿名さん23/08/10(木) 22:07:08

    ほしゅ

  • 38二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 08:01:02

    ほしゆ

  • 39二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 13:18:36

    ほしし

  • 40二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 22:12:33

    ほs

  • 41二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 22:46:15

    >>33「オックス・アースを人身御供にしてフォルドの夜明けのメンバーで会社を設立し、今回株式会社ガンダムで行われる事業の地球側の企業として参加するんだ」

    「それにどうして私が?」

    「フォルドの夜明けのメンバーでメンツをかき集めても限界があるだろ?一社でも多く地球の企業が必要なんだ」


    つまるところ、とシャディクは言うとノレアの肩に手を置いた。


    「君も起業するんだよ、ノレア社長」


    ノレアの目が点になった。



    「ふぅ、これ結構つかれるね」

    『でも大分動けるようになったね』


    一方でソフィはリハビリ代わりのパーメット空間での運動に興じていた。


    「これなんか意味あるの?現実の私は寝たきりなんでしょ?」

    『脳の障害がちょっとずつだけど取り除かれてるんだ、これが終わって気が付く頃には体力さえ戻れば君は歩けるようになると思うよ』

    「へー、そうなんだ」

    『もうじき、ガンドフォーマットで動く義体を作るからそれで作業することになるかも』

    「義体?」

    『体内に残って悪さをしているパーメットを抜き出して消費する仕組み、透析みたいな感じかな』


    ふーん、と理解できず生返事をソフィは返した。

  • 42二次元好きの匿名さん23/08/11(金) 23:29:35

    >>41

    シャディクはミオリネに地球側の企業を優先的に契約するように指示を送っていた。

    保証をグラスレーが行うことでそれが認可され、陰ながらジェタークや株式会社ガンダムからも技術援助が行われることで医療系のレスキュー用MSやガンド技術による医療技術を主とする企業が多数起業し、今回の事業に参加することが内定した。


    「ふふ、俺たちが背広に袖を通すとはな」


    フォルドの夜明けが運営する難民キャンプではナジが大柄な体を窮屈そうに背広に押し込んでいた。

    隣では同じように着慣れない服に苦戦するオルコットの姿があった。

  • 43二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 07:41:37

    ほし

  • 44二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 13:00:57

    ほしし

  • 45二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 17:00:05

    ほししし

  • 46二次元好きの匿名さん23/08/12(土) 22:24:20

    ほっしゅ

  • 47二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 07:09:58

    ほし

  • 48二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 19:00:50

    ホッツ守

  • 49二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 21:17:05

    >>42

    「しかしまあ、これでソフィやノレアみたいな子供が減るなら・・・」

    「やる価値はある、こそこそしているよりもはるかにな」


    二人は地球で活動を開始したグラスレー社と接触し、経済関係のレクチャーを受けることになる。

    迎えの車に乗り込んだ二人が向かったのは衛星軌道エレベーターの発着場の最寄りにあるホテル。普段なら入ることも近づくこともないが・・・


    「どうも、これからはなんとお呼びしたらいいかな?プリンス」


    エントランスに入ると金髪の青年がスーツ姿でソファに腰掛けていた。ナジはそれに気さくに声をかけた。


    「グラスレー社地球支部の支社長とでも呼んでもらおうかな?それで・・・頭数はどれくらい集まりそうだ?」

    「ウチは前回の戦闘で死人が多い、現地で協力してくれる難民キャンプから経済に明るい奴を引き抜いたとしても規模ではまだまだ宇宙とは釣り合わないな」

    「アスティカシアの生徒にも地球出身の子がいてね、そちらにも協力を仰ぐ形にはなるとおもう。それより君たちにもう一つ別の仕事があるんだ」


    シャディクは二人を部屋に案内すると二人の端末にデータを送った。


    「フォルドの夜明けがテロ組織の汚名を返上し、真に地球の地位向上の組織として経済でこの世界を立て直すための大事な仕事だ」


    失敗は許されない。とシャディクは続ける。

  • 50二次元好きの匿名さん23/08/13(日) 21:46:53

    >>49

    「新生オックスアース、これを潰す。ガンダムが兵器として存在することは許されないからな」

    「ノレアとソフィはどうする?彼女たちはあそこから派遣されているぞ」

    「彼女たちの身柄は抑えてある、体調が回復して、勉強を始められるようになれば晴れて彼女たちも社長と社員さ」

    「それはいい、痛快ですな」

    「その前段階として彼女たちはオックスアースの被害者として原稿を読み上げてもらう。ガンダムをバラ撒く悪の組織の被害者である悲劇のヒロインとしてね」


    それにナジとオルコットはふぅむ、と唸る。


    「宇宙と地球の組織の最初の合同作業として両者の対立を煽る悪の首魁としてもオックスアースを潰す。そしてその功績と共同作業の結果として出来上がる勢力図的な空白地帯でベネリットグループの出資を受けて地球主体の産業を発足させるんだ」

    「・・・壮大な話ですな」

    「門外漢の自分にはどこまで理解できるかわからない・・・」


    ナジはともかく軍人のオルコットからすれば専門分野外の話に早くも混乱し始めていた。

  • 51二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 06:43:24

    ほし

  • 52二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 13:50:28

    ほし

  • 53二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 20:07:57

    オックスアース潰すなら支援してた議会連合とも敵対するよな多分。そこら辺どうするのか気になる

  • 54二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 21:43:20

    >>50

    「後始末の後に潤滑に事を進めるためにまず、地球企業をたくさん集めて頭数で参画させるんだ。保証はグラスレーでできるからとにもかくにも企業の数が必要なんだ」

    「なるほど、前の無い連中を呼んでほしいというのもそこらへんが・・・」

    「クインハーバーのデモ隊からも引っ張れるのでは?」

    「医療関係者から当たればそれも可能だろうね、地球企業の地球企業による地球企業のための企業を行うため・・・そのために協力してくれと言えば、その為の譲歩を宇宙から勝ち取ったと言えば面目も立つ」


    宇宙が地球を正常に戻すため、その為に結託している今こそがチャンスなんだ。とシャディクは言う。





    「新型機・・・?」

    「うん、近々地球で二人に働いてもらわないといけないことができたとかで・・・」

    「エアリアルやデミクトはダメなの?」

    「武装がわかりやすすぎてね、中立地域を歩くから表立って武装できないから防御と索敵に重点をおいたMSになるって」


    機体には頭部にロト・ドーム型の各種センサー類を搭載したレーダーと、携行型のガンカメラと指向性センサー。

    布状のABCマントを装備した姿はまるでジャパンの旅人を思わせる。MSのフェイスはバイザー型のカメラを備えている。頭部の形状の関係性で通常の形態ではバイザーは下に下がり、まるで嘴のようにも見える。

  • 55二次元好きの匿名さん23/08/14(月) 23:35:22

    >>54

    「黒っぽくて烏みたいだね」

    「からす・・・?」

    「地球にいる黒くて賢い鳥だよスレッタ」


    マントから伸びるバックパックもフレキシブルバインダーの機能を搭載しており、まさしく翼だ。

    スレッタとエリクトはジェターク社とペイル社、それにシンセー社の三社の技術者が頭を突き合わせて

    調整しているMSを見ながら渡されたジュースを飲んでいた。


    「ガンダムCW?」

    「烏から取ったんだね、旅ガラスって言葉があるらしいけどガンダム クロウ・ワンダラーかぁ」


    複座式のガンダムCWは片方が管制を、もう片方が操縦を担当する。

  • 56二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 06:24:48

    保守

  • 57二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 12:59:18

    ほし

  • 58二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 18:22:19

    >>53

    そりゃエリクトさんがサーッとやってガッとやってボコボコよ!

  • 59二次元好きの匿名さん23/08/15(火) 22:59:10

    >>55

    機動性と防御能力に重きを置いたこの機体はその代償として低火力のビームハンドガンと地上で高速移動を可能とするハンド・アンカー、それに実体剣のナイフを備えたビームサーベルだけだ。


    「速度と出力だけならエアリアルよりかなり上なんだね、扱えるかな・・・」

    「リミッターがあると思うよ、下手すると僕たちが耐えられないだろうし」


    あれこれと話し合っていると調整が一段落ついたようだ。

  • 60二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 09:21:43

    ほし

  • 61二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 10:11:58

    >>59

    キャリバーンですらオーバーヒートしかけるスレッタの戦闘機動ならそれくらいで十分じゃないかな

  • 62二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 15:54:02

    個人的にローラーダッシュとターンピックの匂い染み付いて

  • 63二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 18:56:10

    >>62

    貴様、むせたいのか!

  • 64二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 19:02:38

    >>63

    へへ、冗談だよ!

  • 65二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 21:55:04

    >>64

    とはいえ地上仕様ならローラーをつけてもいいかもしれない・・・

  • 66二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 23:01:39

    ロマンだねぇ!

    そしてこう返さねば…


    こいつの肩は赤く塗らないのかい?

    (そして>>63の様に返されるのがロボット系スレの老人会鉄板ネタ)


    ドスンドスン歩いてきたり噴射を伴うジャンプは、凄いうるさくて埃が舞いそうね。

  • 67二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 23:28:03

    >>59

    「スラスター出力はまだ調整段階ですがカタログスペックではエアリアルを超えていますからGに気をつけてくださいね」

    「わかりました」「OKだよ」


    調整を終えて慣らし運転とテストを兼ねて宙域を軽く航行することになった。周辺にはドミニコス隊が警備に当たり

    警備はかなり厳重だ。


    「えっと、テストはどれくらいやっていいんですか?」

    『とりあえず今回は運動性のテストを行ってください、我々の後ろをついて動く感じです』


    リードパイロットがスラスラーを光らせて進んでいく。


    「エリクトはどうしたらいいんだろう?」

    「わかんない、今のところカメラ機能は生きてるから適当に風景でも撮ろうかな」

  • 68二次元好きの匿名さん23/08/16(水) 23:28:30

    >>67

    それについていくようにスラスターを蒸かしてみる。が。


    「出力が全然上がってないね、ベギルペンデは今は巡航速度だと思うんだけどな」

    「うう、追い抜かないようにするの難しい・・・」


    ふらふらと速度の上昇と抑制を続けながらクロウ・ワンダラーは航行を続ける。


    『どうでしょうか、速度はまだ上げられそうですか?』

    「えと「ねえ!競争しようよ!」」

    『へ?』「エリクト!?」

    「このまま低出力で動いてたら動力炉が停まっちゃう!だから追いかけっこするの!」


    エリクトがそう言うと複座に備え付けられていた操縦棹を握る。


    『ちょ!』

    「ひょおおー!!?」


    パーメットを操作して青色の光を放ちながらクロウ・ワンダラーは高速で動き始める。


    「鬼さんこちら!」

    『くっ!』


    ベギルペンデの後ろを取って頭部を突き飛ばすと手を叩くしぐさをしながら宙域を飛び回る。


    『運動性が違いすぎる!』

    「うふふ」


    ABCマントと機体素材に含まれる妨害効果がレーダーとセンサーの働きを鈍らせるためさらに捕捉が困難んになった

  • 69二次元好きの匿名さん23/08/17(木) 08:14:52

    ほし

  • 70二次元好きの匿名さん23/08/17(木) 18:48:09

    ほしし

  • 71二次元好きの匿名さん23/08/17(木) 22:59:39

    ほしゆ

  • 72二次元好きの匿名さん23/08/18(金) 07:21:35

    ほしし

  • 73二次元好きの匿名さん23/08/18(金) 17:17:13

    ほっしゆ

  • 74二次元好きの匿名さん23/08/18(金) 22:45:06

    >>68

    『くっそぉ!』

    「あはは!」


    青い光の線が宙域で複雑に交差する。エリクトがパーメットを操作し、途中からスレッタが操縦を代わっていたが

    それでも触れることすらできていない様子だ。


    「武器の出力もほとんど機動に回してるとはいえホント・・・すごく軽いよ!」

    「エアリアルもスラスター出力に回したらこれくらい動けるかな?」

    「スラスターが専用でかなりお金掛かってるからどうかなー・・・じゃあさ、二人でお金貯めよっか!」

    「最強のエアリアルだね!」


    おしゃべりしながら二人は必死に追いすがるドミニコス隊のMSを振り切り続け、その後通信を入れた。


    「ごめんなさい、リードパイロットの人のMSがオーバーヒートしちゃったみたいです・・・」

    『計測は済んでます、凄い数値が出てますよ』

    「そうなんですか?フルパワーって感じはしなかったですけど」


    クロウ・ワンダラーに曳航される形で帰還したベギルペンデのパイロットはその後ほかのパイロットから

    質問責めに会う羽目になった。

  • 75二次元好きの匿名さん23/08/19(土) 08:46:49

    ほしし

  • 76二次元好きの匿名さん23/08/19(土) 19:14:19

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん23/08/19(土) 23:01:41

    >>74

    「どうです?」

    「出力系はいいんですが駆動系がガタガタですね・・・映像データで確認は入れましたけどどうやったらあんな機動ができるのやら」

    「ガンド技術も多数盛り込んではいますがエアリアルほど完成度は高くありませんし、今は三社の技術の継ぎ接ぎなのも大きいんでしょう」

    「そうなるとパーツの強度を上げて対応するくらいしか今のところは対処が難しいと・・・?」

    「パイロットにMSの性能が追いつかないなんでことあるんだ・・・」


    テスト飛行で酷使されたクロウ・ワンダラーは即日研究とオーバーホール作業を受けることになった。

    二人は知らなかったもののエリクトのパーメット同調によるオーバースペックな出力調整とスレッタの繊細かつ超反応な操作に最新機種である彼は即日悲鳴を上げたのだ。


    「OSと伝達機器も焼ききれそうな勢いだ・・・」

    「エアリアルからOSをそのままコピーしたほうが早いんじゃ・・・?」

    「演算装置の補助も高度な物にするか、ガンドフォーマットのクオリティを上げるか・・・」


    ソフトとハード両方から山積みになった課題。その大元はすべて「パイロットにMSが追いつかない」であった。

  • 78二次元好きの匿名さん23/08/20(日) 00:46:22

    もうデミチャレンジャー計画の長距離移動用試作機持ってきて「デミトレベースだから無茶禁止!」ってことにしとかなきゃ…

  • 79二次元好きの匿名さん23/08/20(日) 08:29:45

    株式会社ガンダムの問題児二人が揃えばこうもなる!

  • 80二次元好きの匿名さん23/08/20(日) 19:02:26

    保守

  • 81二次元好きの匿名さん23/08/20(日) 23:42:03

    >>77

    クロウ・ワンダラーのバージョンアップ案にはいくつかの案が出た。

    一つはブロック工法、昔のMSの製造技術に倣って胴体、腕、足、各関節をバラバラに作ること。

    一番の整備性を誇り、価格も安い。ムーバブルフレーム技術を無視できるのでパーツ自体の強度も上げやすい。

    しかし肝心の反応速度の低下や接合部分が増えることによる強度不足が懸念される。


    二つ目は案というより現状の対症療法的なもので、関節とスラスター部分を強化し、パーツ構成を強度寄りに

    設定して空中分解を防ぎ、部品の摩耗を防ぐことだ。

    こちらはとにかく金がかかる。しかも二人の力量を完全に発揮するとなるとそこもネックになる。


    「これはもうデミチャレンジャー計画の別案としてでもしとかないと予算がヤバいレベルね・・・」


    ミオリネはデミチャレンジャー計画の提案書とガンダムクロウ・ワンダラーの開発費用を見比べて頭を抱えた。


    「地球で活動するための投資と割り切るべきだろう、エリクトもスレッタも今回の計画には大きく関わるしな」


    グエルも予算には頭を抱えそうになったが逆にクロウ・ワンダラーをその場の使い切りの機体として使えば安価にすませられるのではという。


    「それでも最新MS数機で済めば安いレベルの値段だけどね・・・」

    「二人の命と計画の成功がかかってると考えるべきだろ」

  • 82二次元好きの匿名さん23/08/21(月) 05:55:00

    パイロットにMSが着いて行けないはガンダムあるあるだよね。

  • 83二次元好きの匿名さん23/08/21(月) 09:50:30

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん23/08/21(月) 20:41:34

    ほし

  • 85二次元好きの匿名さん23/08/21(月) 23:29:09

    >>81

    そんなことはつゆ知らず、スレッタとエリクトの二人は操縦の最適化のため操縦のプログラムを受けていた。

    ジェターク社の教育型AIに二人の操縦を覚えさせること機体の負荷軽減につながるのではということらしい。


    「うーん、なんか反応がイマイチだね」

    「クロウ・ワンダラーが良すぎたのかも、エアリアルの次に操縦しやすかったし・・・」


    二人がかりの操縦とはいえ出力される動作入力にコンピューターはすぐさまフル稼働を始めた。


    「高機動って言葉が似合いますね、これは・・・」

    「CEOの動作関係も結構激しかったけどこれは空間機動だから別ベクトルで激しいね」


    技術者たちは二人の叩きだす数値と入力値に驚きつつも着々とデータを蓄積していく。

  • 86二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 06:03:46

    ほし

  • 87二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 07:13:21

    ほし

  • 88二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 13:12:45

    ほしん

  • 89二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 21:46:23

    >>85

    「ちょっと!なに記録してるの!」

    「あ、ちょ!ミオリネさん!」


    グエルと話し合っていたミオリネが目ざとくデータを収集している班に反応して近づいてきた。

    パソコンに触ろうとするミオリネと技術班がもみ合いになるのをグエルと他の職員が慌てて止めに入った。


    「落ち着けミオリネ!」

    「落ち着け?ダメでしょこれ記録しちゃ!」

    「これは・・・、ダリルバルデで使ってたAIのプログラムか?」


    グエルはパソコンと連動しているらしいシュミレーターにエリクトとスレッタが座っていることに気付き、ミオリネの意図を察した。


    「悪いがこれのデータは社外秘に、それも極秘で頼む。使用に関しては少なくとも俺とミオリネ、それにシンセー社のプロスぺラ・マーキュリーの決裁を仰ぐこと。わかったな?」

    「りょ、了解です・・・」


    グエルは社員に念押しして頼むと、荒れるミオリネを引っ張って会議室へと向かう。


    「ちょっと!どうして止めたの!早く破棄しなきゃ・・・!」

    「気持ちはわかるがな、破棄したらデータは消えても作業が履歴で残るようになってる。企業機密が関わるからって言い訳して身内で管理した方が安全だ」

    「そ、それは・・・」

    「それにあのデータ・・・二人がかりだからかわからんが数値がヤバいぞ。スレッタは確かにすごかったが・・・」


    パイロットだからこそわかる動きのすごさにグエルは冷や汗をかいていた。元々の技量に天賦の才があったとしても二人がかりならそれなりに齟齬が出るはずだがそれが全くない。

    もとから二人がそれぞれを乗せて操縦することに慣れているかのようだった。

  • 90二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 06:05:16

    データ採り無許可だったの!?

  • 91二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 07:09:41

    ほしん

  • 92二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 13:04:29

    ほしゆ

  • 93二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 22:29:37

    >>89

    「彼らはきっとAIの最適化の為にデータを取ったんだろうがあれがドローンになったらヤバいと思う」

    「どうなるのよ?」

    「スレッタに近いスキルのMSがドローンとして動くと考えろ、ヤバいぞ」

    「・・・」


    ミオリネにもさすがに理解できた。性能で上回るワンオフ機を駆ってとはいえベテランのMSパイロットと追いかけっこに興じるレベルのMS操縦をやってのけるのだ。そのデータが軍事転用されたらどうなるかわからない。

    ましてやエリクトの持つパーメット同調能力を持ってすれば一人が複数の機体を操ることも難しくない。

    その懸念を深めるようにグエルはMS開発におけるシンセーからの提供データを見せた。


    「エアリアルや他のガンダムのOSに調整を加えることでもうすでにMSをドローンとして稼働させる技術があるんだ」

    「今の二人羽織状態のクロウ・ワンダラーも・・・」

    「スレッタが本体を操作しつつドローンとしてエリクトが複数のMSを自立稼働させることができるだろう」

    「パーメットの中継器を内蔵したタイプってことは・・・さらに遠距離までエリクトの意思が届くってことね」


    データにはドローン『ガンヴォルヴァ』『ガンドノード』の二機が入っている。前者は戦闘用、後者は戦闘にプラスしてデータストームを増幅する中継器としての役割がある。データストームの中ではパーメットに完全同調できるエリクトの力があればその空間にある機器を全て掌握できるのだ。


    「エリクトの力が強すぎる・・・これって・・・」

    「規格外、って言葉じゃちょっと足りないよな」


    ミオリネにとってスレッタはもちろん、エリクトも家族同然だ。しかし、彼女たちの能力が果たして二人に平穏を約束してくれるのだろうか?ミオリネは呆然としてしまった。

  • 94二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 05:58:32

    ほしつ

  • 95二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 08:52:31

    ほしし

  • 96二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 12:24:35

    ほしゅしゅ

  • 97二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 22:57:47

    保守

  • 98二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 23:05:10

    >>93

    ミオリネの不安を他所にスレッタとエリクトの動作はシンクロの割合を高めていく。


    「スレッタ」

    「うん・・・エリクト」

    「うん、そこだね・・・そうそう」

    「・・・」

    「にこにこしてるでしょ、ダメだよ」

    「エリクトだって笑ってるでしょ」


    シュミレーターを動かす精度が上がり、二人は徐々に口数を少なくしていくがそれでも意思は確かに疎通していく。

    まるで向かい合って喋るように互いを認識しているようだ。


    「・・・」

    「・・・」


    二人は表情をころころと、それでもついには無言になった。パーメットのスコアは高い水準を維持し続け、操作入力のレスポンスも高いままシミュレーションを終了した。


    「すごい!これはすごいです!」


    技術班がデータを見て興奮を隠しきれないといった表情で見ている。シミュレーターから降りたエリクトはスレッタに抱えられながらすたすたと歩いていく。


    「むぅ」

    「・・・ミオリネさんが上手くやってくれるかな?」

    「わかんないね」

    「ちょっと頑張りすぎたかも」

    「まだ全力じゃないけどね」

    「だね」


    ふふ、と二人が似た顔でほほ笑む。頬には青く淡い光を伴って。

  • 99二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 05:56:52

    >>98

    まだ全力じゃないだと…?てかさりげにスレッタもデータストームに同調してる!?

  • 100二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 10:31:04

    ほしゅ

  • 101二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 20:49:26

    ほっしゅ!!!

  • 102二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 23:48:14

    >>98

    「ミオリネさーん」


    二人が会議室へ向かう。グエルとミオリネはやってきた二人に少し驚いた。


    「ここがよくわかったな」

    「うーん、なんとなく」

    「声がした気がします」

    「そんなに声大きかったかしら?」

    「それよりお腹すいたよ!どこか行こうよ!」

    「そんなに急がなくてもいいだろ、おい・・・」


    ミオリネは不思議そうにしていたがスレッタの手から離れたエリクトがグエルの手を引いて歩き出したのでスレッタと一緒に二人の後を追うことに。


    「データはどうする?消しちゃうの?」

    「いや、会社で厳重に保管して用途は限定するつもりよ」

    「もったいないけど知らない人には見られたくないもんね」


    途中からまたスレッタに抱えられ、ミオリネにデータの処遇を尋ねたエリクト。データの価値がわかっているのかいないのか、それを測りかねるグエルは複雑な表情で聞き手に徹していた。


    「とりあえず飯だな、ジェタークの社食でいいか?」

    「私はいいわよ、二人は?」

    「「異議なし(です)!」


    四人は技術班が熱中しているのを適度に宥めつつ、昼食を取りに向かうことになった。

  • 103二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 07:09:52

    ほしゆ

  • 104二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 17:06:01

    保守

  • 105二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 22:34:47

    ほしゅ

  • 106二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 23:00:23

    しばらく更新できないかもなんで保守おねがいします!

  • 107二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 07:04:24

    ほし

  • 108二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 17:07:05

    保守

  • 109二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 20:26:24

    保守

  • 110二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 05:54:47

    ほっしゅさん

  • 111二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 10:29:15

    ほし

  • 112二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 16:26:57

    >>102

    「何があるの?」

    「チキンオーバーライスが人気だそうだが俺はそんな使ってないな」

    「どうしてよ?」

    「忙しいから携帯食かラーヌードルばかりでな」


    グエルとミオリネが話しているのをスレッタとエリクトはなんとなく格好いいと思っていた。


    「なんか大人な感じだねスレッタ」

    「でも体が・・・ミオリネさんもトマト以外は似たようなものだし」

    「グエルはともかくミオリネは細いから余計に心配だね」

    「「むーん」」


    しかし二人のハードな生活と杜撰な食生活を思い出すにつれて二人から漂う不健康なオーラにスレッタとエリクトは二人して渋い顔になる。


    「とにかく今日くらいはちゃんと食べてもらわないと!」

    「そうだね」


    せっかくの相席だ、しっかり食べてもらおうと決めた。

  • 113二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 23:49:06

    保守

  • 114二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 02:13:11

    ほしゆ

  • 115二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 06:02:20

    ほししし

  • 116二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 07:41:36

    ほし

  • 117二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 08:10:42

    >>112「二人に食べさせるにはどうしたらいいんだろう」

    「たくさん注文して食べられない作戦で!」

    作戦は決定した。二人はそそくさと注文に向かう。


    「チキンオーバーライス大盛り二つ!」

    「ラーヌードルトッピングマシマシ大盛りで二つ!」


    注文をし、エリクトは二人を席へ、スレッタは注文を確定させる。

    流れるような連携で大盛り料理が席に届いた。


    「なんか凄い量来たわね」

    「野菜たくさんですねミオリネさん!」

    「エリクトは食べきれるのかそれ?」

    「頑張る!」


    四人は同時に食べ始めた。エリクトとスレッタがチキンオーバーライス、グエルとミオリネがラーヌードルになった。そして・・・


    「だめ、もう入らない・・・」

    「ほらみろ・・・しかもチキンばっかり食べたな」

    「私ももう無理かな・・・」

    「こっちは麺ばっかりで野菜食べてない・・・」


    エリクトとミオリネは早々にギブアップした。しかもかなり偏った食べ方をしたのでグエルは大盛りの白米を、スレッタは増やしたトッピングを自分で食べるはめになった。


    「うっぷ、流石に食い過ぎた」

    「大丈夫ですか?グエルさん」

    「ケロッとしてるのは流石だわ・・・」

    「うー、歩きたくない・・・」


    辛そうなグエル達三人と対照的にほぼ二人前を食べたスレッタは平然としていた。

  • 118二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 16:35:07

    >>117

    二人の『たくさん食べてもらう作戦』は失敗におわった。結果としてはスレッタがたくさん食べただけだった。




    ところかわって株式会社ガンダムのオフィスである地球寮では


    「・・・」


    マルタンが青白い顔で仕事をこなしていた。以前から激務ではあったがそれでもミオリネが分担していたのでその量はまだギリギリで常識の範囲内だった。

    アリヤやティルの補助を受けてなんとか形を保っていたのがミオリネがデリングの療養中にベネリットグループの総裁代理として行動するようになってからはその補佐もなくなり、いよいよマルタンの手には余り始めたのだ。

  • 119二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 19:21:58

    ほし

  • 120二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 21:06:40

    ほしゆ

  • 121二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 05:55:48

    ホツクル保守

  • 122二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 12:53:00

    ほしゆ

  • 123二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 15:52:00

    >>118

    「そろそろ死にそう・・・」


    大企業の御三家が中心の案件に何故か学生が立ち上げた企業が同格扱いで参加しているという異常事態になり、御三家が傘下の企業に割り振れる業務も全て自分たちで進める都合上業務量も多いのだ。


    「誰か雇わないとダメだ・・・」

    「お疲れマルタン、やっぱ応援頼みたいよね」


    アリヤがお茶を持ってきたのでマルタンはようやく仕事から手を離した。

    基本真面目な性格が災いしたマルタンは株式会社ガンダムの仮の社長として山盛りの業務を一手に引き受けている。


    「社長権限ってのを使う時がきたよ!」

    「面接するの?」

    「時間ないからアスティカシアから誰か信頼できる人・・・」

    「いないね、もしくはもう働いてる」

    「他の会社から応援・・・」

    「企業機密やらの関係で無理だろう」


    マルタンは真っ白になった。

  • 124二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 22:14:04

    ほひゆ

  • 125二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 05:57:32

    保守

  • 126二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 14:49:18

    ほし

  • 127二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 15:26:20

    >>123

    真っ白になったマルタンに福音が訪れたのは彼が死んだ目で午後の業務は取り掛かろうとした最中だった。


    「・・・はい、もしもし」

    『こんにちわ、プロスペラです』

    「スレッタさんのお母さん?」

    『うふふ、出世なさいましたね。おめでとうございますアップモント社長』

    「まだ仮ですけど」

    『仮かどうかは関係ありませんよ、1から始める苦労は私も知っていますから』

    「はぁ・・・」


    そこで、とプロスペラは続ける


    『シンセーから共同業務ということで事務の補佐をして上げてほしいってミオリネさんからお願いされちゃってね』

    「本当ですか!」


    マルタンは思わず席から立ち上がっていた。


    「本当に、本当にいいんですね?!」

    『ええ、昔ほどは頑張れないけど・・・』


    あまりに必死なのでプロスペラは若干引いた。

  • 128二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 16:57:47

    ほし

  • 129二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 17:43:09

    ほしし

  • 130二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 04:08:42

    ほしゆ

  • 131二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 05:55:03

    社畜マルタン

  • 132二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 10:58:12

    ほしゆ

  • 133二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 11:04:25

    >>131

    いつだってお人好しは苦労する運命にある・・・

  • 134二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 15:03:20

    ほしゆ

  • 135二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 16:48:43

    見える、額に貼られた冷えピタは剥がれかけ、社長の椅子なのは名ばかりでその実ちょいボロ目の事務椅子の上で溶けかけているマルタンが見える…!

  • 136二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 18:31:22

    >>135

    株式ガンダムは企業規模は零細ですからスーツより作業着の社長ですねw

  • 137二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 02:29:52

    ほしゆ

  • 138二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 03:27:51

    >>135

    有野課長系マルタン

  • 139二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 06:42:12

    ほしゆ

  • 140二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 13:24:49

    >>135

    日本フルハップのCMの社長

    古参事務員のおばちゃん(おそらくパート)に怒鳴られてるやつw

  • 141二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 22:05:55

    >>127

    連絡があったと次の日の午後、プロスぺラは株式会社ガンダムに合流した。日々の業務に追われる彼女にとってこの業務の負担は決して軽いものではなかったがエリクトとスレッタが近くにいる事が多いことと


    「あ、ありがとうございまふ・・・」


    予想以上にくたびれていたマルタンを見かねてのことであった。


    「とりあえずシンセーから事務の人を回すわね、頑張って頂戴」

    「ふぁ、ふぁい・・・」


    プロスぺラが業務を分担すると「わぁい、今日は暗くなったら寝れるぞ」と頭を抱えたくなるようなセリフが聞こえてきたのでさっそく業務を開始することに。

  • 142二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 07:52:38

    ほしゆ

  • 143二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 12:52:35

    ほしし

  • 144二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 20:14:40

    >>141

    この日の業務はプロスぺラの尽力により常識的な時間に終了した。マルタンは時計を見て、学食を利用できる時間に仕事が終わったことに感涙していた。


    (あの子学生よね・・・?)


    同年とは言わないまでも彼からは既に社ち・・・社会人の風格が漂っている。

    とりあえず上司であろうミオリネを詰めようとおもいつつプロスぺラは首の補助装置の電源を落としてヘッドギアを被った。手か足のどちらかに限定されはするがつけやすいチョーカー型の補助器具がベルメリアの技術とジェタークの資金援助で開発され、それのテスターを兼ねて使用している。デザインをエリクトとスレッタが手伝ったということで今はすっかり彼女のお気に入りである。


    (足の感覚も大分・・・緩やかになったかしら)


    過酷な水星の環境とデータストーム障害により四肢の麻痺が出始めていたのを補助装置は食い止めてくれている。

    ヘッドギアと義足を転用した歩行補助装置を併用すれば歩くのにも支障はない。

    それだけでなく今はエリィの力を利用してデータストーム障害を取り除く装置の開発中だという。ベルメリアがいつになく張り切っていて、思わず苦笑してしまった。細かい使用感を聞かれるのでその感想もちゃんと送信しておかないといけない。

    端末を操作してみれば、義手も左手も思った以上に快適に動く。大半は義足の感想になったが「この文は数分で打てたわ」と添えたので彼女ならわかってくれるだろう。

  • 145二次元好きの匿名さん23/09/03(日) 23:04:54

    ほしゅ

  • 146二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 05:54:12

    保守

  • 147二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 07:10:21

    ほしゆ

  • 148二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 08:47:05

    ほしし

  • 149二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 13:03:55

    ほし

  • 150二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 22:25:40

    ほしゆ

  • 151二次元好きの匿名さん23/09/04(月) 23:27:04

    >>144

    席を立って仕事場用に当てられた部屋を出るとスレッタとエリクトが船をこいでいた。エリクトはスレッタの膝の上で、スレッタはせり出した柱に体を預けるようにしてベンチに腰掛けてうとうとしている。


    「あらあら・・・」


    驚かさないようなるべく音を立てないようにそっと近づいたが・・・


    「ん・・・お母さん?」

    「おしごとおわった・・・?」


    スレッタが目を覚まし、その声でエリクトも目を覚ました。


    「起こしちゃった?」

    「ううん、義足の感じがしたから起きただけ・・・ふわぁ」

    「義足の感じ・・・?」


    不思議なことを言うスレッタに首を傾げつつもプロスぺラは二人と共に夕食をとるべく地球寮のエントランスへ。

    マルタンは学食へ行ってしまったのかいなかったがティルとアリヤがあり合わせのスープと弁当を突いていた。


    「あ、お疲れ様です。お先にいただいてますよ」


    スープを勧めながらアリヤは三人に席とお茶を用意する。

  • 152二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 05:56:10

    多分GUND義肢と接続した時の感じって意味かな。義足の感じ。この場合接続したのはプロスペラの義腕かな。

  • 153二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 08:37:57

    >>152

    書き間違いです、恥ずかしい。

    この世界線ではプロスぺラは足の補助装置をつけていますのでそれを義足と書いてしまいました。

  • 154二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 19:55:05

    ガンドに対してめっちゃ敏感になってるのが不穏だな

  • 155二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 21:10:20

    >>151

    「ありがとう、仕事が忙しくなるとこういうのに無頓着になっちゃって」


    アリヤのお茶はプロスぺラにとっても絶好のリフレッシュだ。風味が良いのももちろんだがやはり息抜きという観点でお茶は外せない。


    「こういうのは私たちの仕事でもありますから、大丈夫ですよ」


    アリヤが笑ってそう言うと三人の食事を用意してくれた。三人はそれにお礼を言いつつ席についた。


    「ミオリネさんはどうしたんです?」

    「彼女は最近マルタン並に忙しくしてるからまだジェターク社とフロントを行き来してるんじゃないかな。そろそろ帰ってくるか泊まるかの連絡くれるはずだよ」

    (社畜が二人・・・)


    プロスぺラはマルタンの忙しさにやや悪い予感のようなものを感じていたがそれが的中して複雑な表情だ。

    大人並みの労働を今の年齢からしてていいものか。


    「無理はしないで欲しいわね、私達大人の立つ瀬がないわ」

    「それはそうですね・・・」


    そう言いつつ食事を続けていると端末に連絡が。『今日は帰る』の短い文だ。


    「随分と素っ気ないこと」

    「戸締りの関係もありますからほぼ業務連絡みたいなもんですね」

    「ミオリネさんは恥ずかしがり屋ですからね」

    「素直じゃないよねミオミオ」


    呆れ気味の二人を他所にスレッタとエリクトはスープをふーふーしながらどこか達観した様子。

  • 156二次元好きの匿名さん23/09/05(火) 22:47:24

    >>155「恥ずかしがり屋なの?」

    「皆が見る事前提で書いてるから絶対個人的な感情は漏れないようにしてるよ」

    「私たちのメールではときどき顔文字つきますし」


    二人の言葉にアリヤは噴き出し、プロスぺラはちょっとだけホッとした。



    「ホルダーの義務としての決闘か・・・」


    数日後、クロウ・ワンダラーの調整が進む中でスレッタは決闘委員会の案内で会場へと向かっていた。今回は再び乗り慣れたエアリアルを使用しての一対多の戦闘だ。チュチュとエリクトは双方別の行事に参加することになっており、エリクトはチュチュのサポートに回ることに。このタイミングでの決闘は地球寮のパイロット不足を逆手に取った相手の戦術であることは明白だった。


    「なんだか・・・やっぱり落ち着くかな」


    エアリアルに搭乗してコンテナに入ったスレッタはすう・・・はあ、と大きく息を吐いた。操縦桿は手に馴染むし、シートも、ふっとペダルもそうだ。


    『スレッタ、機体の感じはどう?」

    「はい、反応もばっちりです」

    『でしょ?新品が使えるようになったからね!』


    メカニックのニカが尋ねる。資金が調達できるようになり、エアリアルに好きな部品を使えるようになった彼女はイキイキしている。


    「そうですね・・・バックパックも・・・」


    前はあり合わせで作られていた空間戦闘用のバックパックも今は市販品とはいえ前の廃材とは雲泥の差。

    ましてやペイル社のデータなども使用できるのでなおの事高性能だ。


    「なんか、肌に馴染む感じ・・・」

    『ふふ、自信作だからね!』


    テンション高めのニカに苦笑しつつスレッタはエアリアルのモニターに手を伸ばした。

  • 157二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 00:47:23

    GUNDがなじみすぎて、マグネットコーティング前のアムロみたいな事になりそう
    エリクトもいないし

  • 158二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 05:47:07

    保守

  • 159二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 07:10:27

    ほしゆ

  • 160二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 13:12:04

    ほし

  • 161二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:13:42

    HOS(読みはホス)

    風速42m/sで暴走が!
    (パトレイバー劇場版ネタなのでスレチごめん)

  • 162二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 22:13:22

    >>156

    スレッタが出撃の準備を進める中対戦相手のチームは作戦会議をしていた。


    「今回は千載一遇のチャンスだ。この賭けに勝てばホルダーと株式会社ガンダムの株式の一部は俺たちのもの!」

    「しかし相手はエース中のエースだろ?最近入ったちびとパンランチを抜いたって・・・」

    「その点は抜かりない」


    相手チームのリーダーは全員にデータを転送する。


    「これ、なんだ?」

    「グラスレーの最新モデル、アンチドートだ。展開するタイプと、ウィルスタイプが用意できた」

    「それって前に地球寮とグラスレー寮で使ってたやつか?」

    「そうだ、もうひとつはこれ・・・機体に張り付いてアンチドートを流し続けるタイプ」

    「でもよ、それもその場しのぎだったじゃないか?」

    「だが勝機は十分にある、あのビットさえどうにかできれば如何に優秀でもつけ入る隙はあるだろ」


    それはグラスレーのトップがついてたからじゃ?という疑問もあったが最新式のアンチドートがどれほどの効果があるのかはわからない。それでもこちらが失うものより相手に勝った時に得られるものに期待して彼らは作戦を詰めていく。


    「最初はとにかく頭数を減らされないように、以前やってた気象を弄る」

    「弄るっていってもそれだって・・・」

    「時間稼ぎだ、しばらく散布は止まらないからビットもライフルも役には立たなくなるから数で囲んで安全に近づく」


    その上で最新の注意を払い、彼らのMSは特に頑丈にカスタムされていた。機動力はやや下がるもののライフルが使えないとなれば接近戦か、もしくは距離を取るだろう。接近戦ならアンチドートを、逃げるなら装甲と数の差で少しずつ削る作戦だ。

  • 163二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 23:54:51

    >>162

    「作戦は理解できたが・・・それ、どうやって手に入れたんだ?」

    「これか?親父が議会連合にツテがあってさ、これでガンドアームをどこまで封じ込められるかを調べる為に使ってるんだと」

    「ヤバいんじゃないのかそれ?」

    「知るかよ、どのみちここいらで結果だせなきゃいつまでも下っ端だぞ」


    自分の親父と同じ道を歩きたいのか?の一言に全員は押し黙った。ベネリットグループの傘下といえば聞こえはいいが父親はいうなればただのサラリーマンだ。日夜汗を流して、生活費を稼いで自分たちを学校に入れるのが精一杯。

    遠からず自分たちがそれと同じ道をたどることは明白だった。


    「ジェタークやグラスレー、ペイルの連中に食い込めるかどうかだ。これがヤバいかどうかなんて知ったことかよ」


    無謀、不安、それらを野心が鈍らせる。





    『スレッタ、出撃準備いい?』

    「はい、いけます!」


    エアリアルを収納したコンテナは会場へ向かう。

  • 164二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 05:52:36

    保守

  • 165二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 08:10:37

    ほし

  • 166二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 12:05:47

    ほしし

  • 167二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 22:04:41

    保守

  • 168二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 22:45:55

    >>163両者向顔、とアナウンスが。決闘委員会のメンツのほとんどが出払っているため今回はロウジ・チャンテがハロを介して宣言する。


    「LP041、スレッタ・マーキュリー」

    『LP078、アダム・ソーヤー』


    両チームのリーダーが表示され、一部では賭けのサイトが白熱している。一対多数の集団戦にもかかわらずオッズはスレッタが有利だ。やはり並み居るエースを倒してきた実績がそうさせるのだろうか。


    「こっちが不利だとよ、ふざけやがって」

    「吠えづらかかせてやるぜ、なんなら自分に賭けたらどうだ?」

    「悪くねえかもな・・・これ次第だがな」


    対面のソーヤー達はコンテナの中で緊張をほぐす意味もかねてふざけあっていた。機動力で劣る機体は頑丈とはいえおそらくエアリアルのビットやライフルには耐えられない。また彼らにエアリアルと一対一で勝てる技量もない。

    人数の利と切り札のアンチドートが彼らの頼みの綱だった。


    『スレッタ、今回は相手は六人もいる。囲まれないように気を付けて』

    「はい!」


    エアリアルの感触を確かめながらスレッタはコンテナから飛び出した。


    「相手は六人か・・・長距離から一人ずつ削れば・・・ん?」


    決闘の開始と共に俄かに雨を思わせる水量が降り注いだ。スレッタの記憶にすぐさまグエルとの決闘がフラッシュバックし、慌てて移動を開始した。


    「に、ニカさん!水が!」

    『落ち着いてスレッタ!攻撃が通じなくなるのは相手も一緒、気象データでは・・・あれっ!?』

    「ニカさん?!」

    『水が散布されるなんて予定ないよ!とにかくこっちで水を操作できるか試してみる!それまで頑張って耐えて!』

    「は、はい!」


    少しだけ慌てたがスレッタは水しぶきを吹き飛ばすような勢いで飛び上がり、隊列を組んで進む相手チームを捉えた。

  • 169二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 23:53:11

    >>168

    「あそこ・・・!」


    牽制を兼ねて射撃を加えてみるもライフルは途中で減衰してしまい距離の遠さも手伝って半ばで消失してしまう。


    「ぎゃはは、アイツ撃ちやがった!届くわけねえっての!」

    「だがビームが届く射程に近づかれるとアンテナくらいなら折れるかもだぞ、油断すんな」

    「そのために耐熱シールドと・・・これだろ?」


    ディランザ・ソルの両肩アーマーを大型化したようなシールドと三機に配備された展開型のアンチドート、そしてリーダーのソーヤー機に装備された射出型のアンチドート。

    残る二機は四機をサポートできるように背面に大型スラスターと脚部のローラーが大型化しており機動力を増している。


    「近づいてくるぞ、こっちは射程内か?」

    「ああ、雨を想定して調整してるからな!」


    三機が砲身を展開して射撃を開始する。前もって雨を想定したビームの収束は発射レートこそ下がるものの的確にエアリアルを捉える。


    「うっ!当ててくる・・・!」


    シールドを展開してビームを散らしつつ砲撃を搔い潜って進む。精密ではあるものの散発的で、しかも精密な分返ってよけやすい。タイミングを読んで機体をずらしつつ距離を詰めていく。


    「避けながら進んでくるぞ!」

    「機動力がダンチだ、弾幕でビビらせろ!焦らせるんだ!」


    砲撃に加えてリーダーと機動力重視の二機によるビームマシンガンが光った。

  • 170二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 23:53:56

    >>169「さすがに無茶はできない、こういう時は端っこから・・・」


    弾幕を避け、障害物を利用して射線を切りながら隊列の端っこにライフルを撃ちこむ。


    「うおっ!減衰してこれか!」


    ライフルの熱で変形したシールドを確かめるように叩き、反撃しながら隊列をまるで時計のように移動させてエアリアルを正面で捉えるように動く。リーダーを守り、アンチドートの搭載機を庇いつつも火力を維持する作戦である。


    「連携が上手い!でもサーベルなら!」

    「仕掛けてきた!やってやるよ!」


    機動力重視の機体構成に自信を持っていたのか一人がエアリアルの仕掛けに食いついた。


    「これをこうしてっ!」

    「うっ!」


    ビットを展開して至近距離からビームを照射するように発射し、武器に当てつつ近接武器をサーベルでかち上げる。

    通り抜けざまに相手を踏みつけるようにして蹴っ飛ばして距離を取る。


    「突出すんな!面で捉え続けろ!」


    弾幕でエアリアルを下がらせつつ体勢を崩した機体を庇うようにフォーメーションを組んで再度仕切りなおす。

  • 171二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 05:53:16

    ワクワク

  • 172二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 12:21:37

    >>170

    「このままじゃジリ貧・・・加速できるかな、エアリアル!」


    クロウ・ワンダラーほど機動に特化はしていないけど、やってみるしかない。意を決してスレッタはペダルを強く踏んだ。


    「皆、力を貸して!」


    ビットをフル稼働させてスレッタはリーダー機にめがけて突貫する。


    「来たぞ!作戦通りだ!」


    前面の機体が遊撃枠の1機と前進、エアリアルにわざと追い越される形になると一機は反転して残り二機に合図を送る。


    「俺ごとでいい!展開しろ!」

    「!・・・これって!」


    三機がトライアングルを描き、装置を展開する。スレッタは咄嗟に操縦桿を引いたが・・・


    「っ!エアリアル?!」


    スレッタの反応に操縦系が悲鳴を上げた。バランスを崩したエアリアルは墜落こそ免れたものの地面に足をついて大きく減速、三角の陣形のど真ん中に躍り出る形になってしまった。


    「あ、わわっ・・・ごめん、エアリアル!」


    「もらった!装置起動しろ!」

    「「「コピー!」」」

  • 173二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 13:25:09

    >>172三機が装置を展開し、発生したフィールドがエアリアルを包んだ。ビットが力を失ったように地面に落下し、エアリアルも一時的な機能不全を起こした。


    「あ、アンチドート!」

    『あいつらなんでこんなもんを!』


    ニカを筆頭とする人員が出払ったのかヌーノがその光景に一人驚いていた。


    「オマケをくらいな!」


    再起動を始めたエアリアルに追い打ちをかけるようにソーヤーが射出型アンチドートをエアリアルに向けて放つ。


    『スレッタ!とにかくフィールドから出ろ!あいつらなら追ってこれないだろ!』

    「そうなんですけど、嫌な感じが取れなくて・・・!」


    飛びあがって距離を取ってみたがビットは回復せず、動きが緩慢になったエアリアルを砲撃が襲う。


    「うっ、うう・・・!お、重い・・・!」


    知らないうちに慣れてしまっていたエアリアルから、ガンドフォーマットから受ける恩恵を失ってスレッタは操縦の感覚のズレに戸惑っていた。


    「オフェンスに出るぞ!全機攻撃!」

    「「「「「コピー!」」」」」


    「うう、ごめんね・・・エアリアル、無理させてたんだ・・・ごめんね」


    自分のペースで動かそうとするたびに駆動系から機体に負荷がかかっているとアラームが鳴る。機体の悲鳴にスレッタは泣きそうになりながら必死にエアリアルを庇いながら弾幕から距離を取る。


    「ボロボロにして、無理させて・・・アンチドート使われるまで気付けなかった・・・」


    滲む視界を知ったことではないとばかりに弾幕が追いすがり、細かい被弾が増える。

  • 174二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 14:10:40

    >>173

    『スレッタ!目のまえに集中しろ!迫ってるぞ!』

    「でも、でも!エアリアルが!」

    『とにかく距離を取って逃げ続けるんだ!』



    「ヒャッホー!エースが俺たちにビビってるぞ!」

    「痛快だな!俺たちだって勝ち組に一泡吹かせられるってか!」


    砲撃をつづけながら勝ちの目を見出したチームは余勢をかって苛烈な攻撃を仕掛ける。


    「前は破られたが今回は大丈夫そうだな・・・」

    「グラスレーの最新モデルはスコアが前のものより高いらしい。それでも動くんだからあのMSはバケモンだ・・・おい!油断すんな!」

    『はいはい!わかってるって!』

    『あとは追い込み漁みたいなもんだろ!』


    機動力に差があるためギリギリ致命傷を避けてはいるものの彼らも徐々にスレッタの動きに慣れつつあった。



    「う、うううぅ・・・」


    バイザーを上げて涙を拭きながら逃げ続けるスレッタ。


    「ど、どうしたらいいのかな・・・このままじゃ・・・」


    問いかけるようなスレッタのつぶやきに、エアリアルのメインカメラが輝いた。

  • 175二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 18:46:19

    ガチ殺しには行くなよエアリアル…

  • 176二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 20:23:14

    >>174

    『・・・ッタ』

    「・・・?」

    『スレッタ・・・!』

    「エアリアル・・・?皆?」


    不意に届いた声にスレッタは驚く。アンチドートで不全を起こしているはずの問いかけ。


    『今のスレッタなら、大丈夫だよ』

    「え、でも・・・どうしたら?」


    声がクリアに響いた瞬間、機体につけた端末にレイヤー33をコールする?との確認メッセージが。


    「これ・・・パーメットスコアを上げるの?」

    『うん!今のスレッタと僕たちなら大丈夫だよ!』

    「でも・・・できるのかな・・・?」

    『忘れたの?逃げれば一つ、進めば二つ!』

    「!・・・そうだね、皆と一緒なら!」


    「レイヤー33をコール!」



    「なんだ!?」

    「様子が変わったぞ!」


    エアリアルがふいに踵を返し、六機に向かい合った。


    「アンチドートは作動中だ、撃ち落としてやれ!」


    砲を構えた三機のうちの先頭に突如としてビットが襲った。砲身とライフルを腕ごと破壊し、ビットはそのままエアリアルを守るように展開する。

  • 177二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 20:34:00

    >>176「うわあああ!?」

    「嘘だろ!アンチドートが効いてるはずじゃ・・・!?」


    動揺するメンバーを他所にソーヤーが一人歯ぎしりをしていた。


    「なんだってんだ?俺たちがそんなに勝つのがいけないってのか?!ええ?おい!!」


    ソーヤーは苛立ちを隠さずに端末のボタンを叩いた。


    「ガンダムがなんだってんだ?こっちだってよ・・・!」


    OSを切り替えるアナウンスと共に彼の機体の各所に赤い筋が浮かび上がる。



    「パーメットスコアを上げる、これ・・・皆に心配かけちゃうかな」

    『ふふ、心配性だね、大丈夫なのに』


    クスクスと笑う声に包まれ、スレッタはトリガーに力を込めた。周囲の景色が加速する感覚と共にビットはデータストーム空間を展開し、アンチドートを吹き飛ばしていく。


    「みんなの声が・・・はっきり聞こえる・・・」

    『ふふふ・・・』

    『スレッタがエリクトの鍵だったように、今はエリクトもスレッタの鍵なんだ』

    「私の鍵・・・?うぅっ?!あああっ!」


    膨大な情報、浮かんだ赤い痣が苦痛をもたらすが・・・


    「はー・・・はぁーっ・・・あれ?」

    『ほらやっぱり、エリクトはスレッタの鍵を開いたんだ』


    赤い痣が徐々に変質し、青色の光を放ち始める。

  • 178二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 21:06:02

    …ガンダム、持ち込んだのか…
    死ぬぞ?

  • 179二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 23:46:22

    >>177「おいおいおいおいおい!これってどういうことだ?!」


    決闘相手が混乱している中で一人残されたヌーノも混乱していた。


    「エアリアルの出力ヤバいぞ、どうなってるんだ?!」


    端末に繋いだエアリアルの状況を知らせるアプリからガンドフォーマットがフル稼働している情報が送られてくる。

    気象の対処に向かったニカ達が早く戻ることしかできないのが彼の焦りを助長した。


    「さっきは辛かったのに・・・これって?」

    『スレッタがエリクトのスコアを引き上げてたみたいにエリクトがスレッタのスコアを引き上げたんだよ』

    「私が・・・」

    『さ、やっつけよう!スレッタ!』

    「うん!」


    先ほどとは比べ物にならないスピードと運動性で六機に迫る。


    「くっそぉ!・・・うわっ!」

    「ランド!」


    高速で通り抜けざまにサーベルでMSのアンテナを切り落とし、追従するビットが四肢を切断しながら通り過ぎる。青色の光が尾を引きながら高速で移動し、その度にMSが行動不能になっていく。


    「どうなってんだ!俺たちは何をされて・・・わぁ?!」


    低空を飛ぶエアリアルが足を斬り、ビットが頭部を吹き飛ばした。


    「次で最後・・・うっ!」

    「調子に乗ってんじゃねえよ!」


    咄嗟にビットが防御するも体勢を崩し、地面を蹴って宙返りをしつつスレッタは射撃の飛んできた方向を見る。

  • 180二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 23:58:05

    >>179

    「やってやんぜ!お前を倒せば・・・俺たちが!」

    「わ、わわっ!ガンダム、なの・・・?」


    射撃を躱し、ライフルを構える。相手のMSに浮かぶ赤い光、そしてそれを介して響く相手の執念にスレッタは思わず身構えた。


    「スレッタ・マーキュリー!お前はよぉ!」


    サーベルが交差し、エアリアルを飛び上がらせない苛烈な攻防が始まる。


    「地球寮ともども・・・俺たちと同じ負け組と思ってた!それでも負けないで!頑張ってる奴らだと!」

    「え、えっ?!」

    「それが、蓋あけてみりゃどうだ!お前、シンセーの社長令嬢だってな!」

    「なんなんですか!それが!」


    荒い息を挟みながら吠えるソーヤーにスレッタは戸惑いながら応戦する。


    「ジェタークの御曹司まで誑かして、レンブランまで味方につけて・・・結局はお前も勝ち組か!」

    「勝ちとか負けとか・・・なんなんですか!」

    「ズルいってんだよ!お前は家柄も、コネも、金もあるんだろ!」


    スコアが上昇し、攻撃が苛烈さを増す。それを捌きながらもスレッタはプレッシャーに押されていた。


    「ならよ・・・ホルダーくらい寄越せよ!俺たちに!全部持ってるなんて・・・ズルいだろ!」


    MSのメインカメラが怪しく輝き、妄執に似た感情が爆発した。

  • 181二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 03:36:12

    >>180

    「ズルい」とか言い出すやつは、負け組ですらない地虫だよ…

  • 182二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 07:06:25

    ほしゆ

  • 183二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 13:27:10

    ほしゆ

  • 184二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 21:34:35

    >>180

    データストームに苦しみながら操縦桿を動かす相手の姿がスレッタに幻視される。

    かつて見たエランの姿に重なったそれは。


    「ズルい・・・?そっちだって!何も知らずに!!」


    スレッタの怒りを爆発させる。


    「私だって!ミオリネさんと!地球寮の皆と!頑張ってきた!今も!みんなの為に!」

    「がーっ!うるせえ!うるせー!」


    サーベルが交差する。まるで喧嘩のように。行動不能になったMSを避けはするものの互いに感情がぶつかり合う余波で彼らは右往左往するばかりだ。


    「わかってるよ!ホントはお前らが!頑張ってることくらい!」

    「だったら・・・っ!」


    データストームを介してアダムの感情が走馬灯のように駆け巡る。


    『父さん!やっぱりお父さんが一番だよ!』


    子供の声、父親にほほ笑む姿が浮かび、嬉しい感情が。


    『父さん!父さんのために僕が一番になるよ!』


    少年の声、意思を持った強い感情が。


    『父さん・・・俺が、頑張るから・・・!皆のことも任せてくれよ・・・!』

    『父さん、俺を、もっと頼ってくれよ・・・頑張るからさ・・・』


    葛藤と、人知れず積んだ努力と・・・。責任と。

  • 185二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 21:45:39

    >>184「なら、あなたすべきことは・・・!」

    「ッ!?」

    「こんなことじゃないでしょ!!」


    サーベルが相手のMSの腕を切り裂いた。そして、ビットがアンテナを撃ち落とした。


    「負けちまった・・・父さん・・・がっ!?」


    気の緩み、反動が一気にアダムを襲う。


    「アダムさん!」


    勝利のアナウンスを他所にスレッタはエアリアルでMSのハッチをこじ開ける。中ではデータストーム障害を起こしたアダムがもがき苦しんでいた。


    「が、がぁ・・・ぐっ!」

    「すぐに救助を!」

    『了解したスレッタ・マーキュリー。応急措置はできそうですか?』

    「やってみます!」





    「なんか大変なことになっちまったなぁ・・・」


    決闘は地球寮の勝ち。オジェロとヌーノは賭けの収益にも心ここに非ずといった様子で搬送されたアダム・ソーヤーと回収された彼のMSを見て溜息をついた。


    「重傷ではあるけど・・・とにかく命に別状はないみたい」

    「それは何よりだ、あそこの連中はなんか憎めないんだよな」


    アダム・ソーヤーの一派はベネリットグループの中でも中小企業の中堅社員の子息が多く、どちらかというと地球寮などのマイノリティ寄りの集団だった。

  • 186二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 21:57:49

    >>185

    「それも気になるけど一番はやっぱスレッタだろ、大丈夫なのか・・・?」


    帰還したエアリアルの状態を見てニカ達メカニックは仰天した。


    レイヤー33 コール

    パーメットスコア 5 


    コックピットから飛び出した時は平然としていたスレッタだったがアダムが搬送される際にスレッタも頭を押さえて倒れたので彼女も緊急搬送となり、仰天したミオリネとプロスぺラが飛んできた。


    「大丈夫かな・・・」


    皆の不安な声


    とは裏腹に


    「ほんっっっっっとに心配したんだからね!!!!!」

    「ご、ごめんなさいぃぃぃぃ!」


    病院でスレッタは頭に氷嚢を当てた状態でベッドにいた。


    「倒れたって聞いたけど・・・まさかMSから降りるときに滑って頭をぶつけてたとはね」


    プロスぺラが呆れながらいう。ニカ達の奮戦も虚しく水がとまったのは救助隊が入場してから。ロウジが委員会権限で停止させ、救助隊が最短ルートで到着したため両者命に別状なく、データストーム障害ともろもろの情報統制のためアダムは株式会社ガンダムが名目上担当するベネリットグループ傘下の病院へ入った。

  • 187二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 07:53:41

    ほしゆ

  • 188二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 13:00:11

    ほしし

  • 189二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 20:40:59

    保守

  • 190二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 22:19:15

    >>186

    「とにかく無事で良かったわ、相手も命に別状はないみたいだし」

    「そうですか・・・よかった」


    端末で無事を皆に伝えるとミオリネはベッドに腰掛けてスレッタの頬に手を伸ばした。


    「ホントに心配したんだから・・・」

    「ミオリネさん・・・」


    二人の甘酸っぱい空気はプロスぺラの咳払いで霧散し、本題に話題は移った。


    「今回の決闘の相手・・・アンチドートとガンドフォーマットを使ってたそうね」

    「うん、一瞬動かなくなったから凄く驚いた」


    ガンドフォーマットを使うガンダムであるエアリアルにとってパーメットを阻害されるアンチドートは天敵といっていい。前回はエリクトの力でパーメットスコアが上昇したためアンチドートをオーバライドして跳ね返したが


    「エリクトがいなくてどうやってアンチドートを?」

    「どうやってって・・・皆がいたからだよ?」


    どうしてそんなことを聞くの?と言わんばかりのスレッタにプロスぺラとミオリネはそれぞれ困惑していた。


    「皆が教えてくれたの、私がエリクトの鍵だったようにエリクトも私の鍵だったって」

    「鍵・・・?」


    ミオリネはキョトンとしていたが反対にプロスぺラはギョッとした様子でスレッタのそばに立った。

  • 191二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 22:30:19

    >>190

    「お、お母さん?」

    「スレッタ、私のヘッドギアにアクセスしてみて頂戴」


    その一言にミオリネは何を言ってるのか?という表情になり


    「なにいって「わかった」・・・えっ?」


    言いかけた言葉をスレッタの言葉が遮った。そして手を伸ばしてプロスぺラのヘッドギアに触れるとヘッドギアに青色のパーメットの筋が浮かんだ。


    「・・・エリクトと同じ・・・」

    「エリクトほどはまだできないけどね」


    パーメットスコアの限界を超えてエリクトは完全に同調することができた。スレッタにはそこまでの耐性はなかったはずだった。リプリチャイルドという特殊な出生であっても彼女にエリクトと同等の力を得ることはできないはずだった。

  • 192二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 22:31:25

    埋まりそうになってきました。次スレ立てて今スレは小ネタを書きます

  • 193二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 22:33:12
  • 194二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 22:39:32

    小ネタ候補 1、グエルの修羅場
    2、プロスぺラの親バカ
    3、お父さんともう一度呼んで欲しいデリング
    4、シャディクと取引するエリクト

  • 195二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 06:00:35

    埋め立て

  • 196二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 17:56:44

    小ネタ期待

  • 197二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 22:50:13

    では3で



    デリングは食事会以来時折考えこむようになった。ラジャンは病み上がりのデリングに何か心配の種があるかと気が気ではなかったが本人に聞いても何も答えらしい答えはなかったので何もできていなかった。

    「何か問題があるのだろうか・・・?」

    ラジャンは疑問に思いつつデリングの背を追っていた。

    「・・・」

    なにかつぶやいた。ラジャンは悪いと思いつつ聞き耳を立てる。

    「何故ミオリネはあれ以来私をお父さんと呼ばんのだ・・・」

    どうにかして呼ばせてみるか・・・などと聞こえたのでラジャンはそっと踵を返した。
    今日も仕事だ。遊んでいる暇はない。

  • 198二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 10:34:41

    >>194


    ミオリネが会社を出るのは何時も夕方だ。帰れば食事とシャワー、そして就寝。また朝が来て会社に・・・という社会人のサイクルが出来上がった彼女はスレッタとの憩いの時間を少しでも長くすべく帰路を急いでいた。

    今日はプロスぺラも合流して外食するのだ。スーツのままだがそれでも家族との団欒というものは彼女にとって貴重なもの。


    「あれ・・・あそこにいるのって」


    その途中でプロスぺラが地面に座り込んでいるのが見えた。慌てて駆け寄るとプロスぺラはミオリネに気付いて申し訳なさそうにうつむいた。


    「どうしたのよ?」

    「・・・歩行装置のバッテリーが切れちゃって」

    「そんなに今日は歩いたの?」

    「そういうわけじゃないんだけど・・・」


    そういうと彼女は視線を前に向けた。そこにはエリクトとスレッタが椅子に座って船を漕いでいた。


    「可愛くて物陰から一時間くらい見てたら動けなくなっちゃっ・・・あ、待って、置いてかないで」


    ミオリネは振り返らず二人と合流した。

  • 199二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 21:37:51

    うめうめ

  • 200二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 21:46:42

    小ネタ全部見たいは我儘ですか?

オススメ

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