やめて…トレーナーさん…見ないで下さい…

1二次元好きの匿名さん21/12/15(水) 22:46:04

送られてきたビデオにあったのは、グラスワンダーのあられもない姿だった……
庭を元気に走り回っている幼い彼女が着ているのは、おそらく忍装束、それもかなりアメリカナイズされたものだった。そして右手は不恰好な印を結び、左には握ったプラスチックの刀を振り回していた。
彼女が英語で叫んでいる内容は聞き取り辛いが、カトンがどうとか言っているのはかろうじてわかる。
そしてこれまた頭にバンダナを頭巾のようにして被っている彼女の父親を刀でめったうちにしていたのだった。
まことに微笑ましい光景に自然と頬が緩むものの、横に座る彼女は気が気ではないようで手で顔を覆っていた。

「あの、これは、あの頃はまだ幼くて日本文化について理解がなかったもので……父に見せられたニンジャ映画に憧れていたんです……お恥ずかしい……」

「グラスにもこんな時代があったなんて、かわいいよ、すごく」

「もう……こんなところをエルなんかに見られたらどうなるか……いきなりこんなビデオを送ってくるなんて、勘弁して欲しいです」

「でも、今のグラスはしっかり大和撫子してるね、流石だよ」

「それは……よかったです。私も、あの時日本に憧れて、ここに来れてよかったと思います。沢山の素敵な出会いもありましたし……」

彼女は顔を一層赤らめながらこう付け加える。

「何より、あなたにこうして出会えましたもの」

「グラス……」

「ふふっ……ではそろそろ、トレーニングの方始めましょうか」