- 1二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:51:28
- 2二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:51:52
ライス
- 3二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:52:06
タイシンとイチャラブ
- 4二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:52:14
ストーブ
- 5二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:52:25
ブライアン
- 6二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:52:30
おっぱい
- 7二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:52:35
カワイイカレンチャン
- 8二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:53:17
タイシンといちゃラブ、ストーブ、ブライアンですね。ありがとうございます。
- 9二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 01:54:42
これおっぱい入ってたらどうなってたんだ…
- 10二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:08:52
なにができるんだこれは…
- 11二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:16:32
「おい、何をしている」
早朝のトレーナー室、その隅で踞る小さな影に声をかけた……返事はない。
ならばこちらから問うことはない。
古いストーブに火を付ける。油の匂いが炎の匂いへと変わっていく。
鞄を置き、ジャージに着替えていく。
「ブライアンはさ、かっこいいよね」
まだ寒い部屋の中冷えきった言葉が背中をうった。
「…………」
「……あたしはさ、かわいいんだって」
「………そうか?」
「小さくて、かわいい。健気に頑張ってる。」
「そうか」
冷たい部屋のなかで炎が揺らめいている。
静かな部屋で小さなくしゃみが響いた。
「……いつからそうしてた」
「わかんない。朝練に来て……昨日の記事みて、そっからこのまま」
「そうか」
小さな影が両手を伸ばす。
じっとみていると、ん、と催促する声が上がった。
「寒い」
「わかった」
その手をとり、抱き寄せる。ストーブの前までいき二人で丸くなる。
冷たい身体、小さな身体、──そこに燃える蒼い炎
「寒いからな、あぁ、寒いからしばらくこうして暖まっていよう。」
今は弱いその炎が煌々と燃え盛れるように。
その炎がまた私を焦がしてくれるように。 - 12二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:17:23
いちゃいちゃか?これ?と思いつつ、こんな感じでいかがでしょうか
- 13二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:17:39
神だ囲め!
- 14二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:18:12
いい…
- 15二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:18:43
よう書けたな……しかも高品質だし……
- 16二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:18:58
ブラタイだと!?
新しい!好き! - 17二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:19:01
ナリナリキテル…
- 18二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:20:31
- 19二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:21:08
洗面台
- 20二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:21:25
キング
- 21二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:21:31
ハヤヒデ
- 22二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:22:09
鍋
- 23二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:22:58
キングとハヤヒデと鍋…?
- 24二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:24:09
冬なテーマですね
キングと鍋とハヤヒデ、頑張ってみます - 25二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:29:20
執筆速度早くて驚いた
がんばれ - 26二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:58:23
栗東寮のキッチンにて二人のウマ娘が並んでいた。
「さて、手伝いを申し出てくれたこと感謝するキングヘイロー君」
「いえ、ビワハヤヒデさん。私もこういう準備は好きですから。」
二人の目の前には大量の食材と五つの土鍋が並んでいた。
手分けして水を入れ、長めの昆布をそれぞれに放り込む。出しをとる間に具材を手際よく準備していく。
「ブライアンは……」
「ひゃいっ!?」
「……ブライアンは、野菜が嫌いでな。目をはなすと肉ばかり食べてしまうのだ。」
「確かにブライアンさん、いつもお肉ばかり食べていますわね」
「あぁ、だからどうやって食べさせようかといつも苦心していてね。鍋ひとつでもいろいろ工夫したものだ。」
ビワハヤヒデの苦笑につられてキングヘイローも苦笑する。
「……私も。小さい頃は野菜が少し嫌いでしたの。」
「そうなのか?君は好き嫌いは一流じゃないというと思っていたが…」
「小さい頃ですわ。そんな私を見かねて、お母様が料理を作ってくれたことがあるんです」
白菜を一枚一枚剥がしながらキングヘイローは呟く。
その手つきはゆっくりと丁寧に、記憶をたどるようでもあった。
「お肉と白菜だけのお鍋。一枚ずつ重ねて、見栄えをよくしただけのお鍋。だというのに、なぜだかとっても美味しかったのを覚えていますわ」
豚肉を白菜で巻きつま楊枝で止めていく。
「ほら、こうしたらお花みたいに見えませんか?」
少し不格好な緑の花をみてビワハヤヒデは小さく笑った
「あぁ、見えるな。きれいな花だ。これならあの野菜嫌いも食べてくれるかもしれないな。なんてたって──」
「?」
「──一流のお墨付きだ」 - 27二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 02:59:52
二人で鍋をつつくより、お世話好きだから準備していく方かなと。
何度か書き直してたけどこれ以上よくなりそうになかったのでこの辺りで。
チェスのキングにするかとかひねたことも考えたけど形にはなりませんでした - 28二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:01:15
見事やな…
- 29二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:03:38
- 30二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:04:30
ライス
- 31二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:04:35
男子高校生
- 32二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:04:45
おっぱい
- 33二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:04:53
マチタン
- 34二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:05:03
ターボ
- 35二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:05:04
脳破壊
- 36二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:06:17
ギリギリ致命傷ですね
おっぱい、マチカネタンホイザ、ツインターボの三題で頑張ります - 37二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:08:23
- 38二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:16:08
- 39二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:44:56
「ふぅ~今日も練習お疲れ様~並走ありがとうね~」
のんびりとした声でマチタンは服を脱いでいく。
ジャージの前を開けるとたゆんっと飛び出て。
シャツを脱ぐとぷるんと揺れる。
そんな女の子らしい膨らみをターボはじーっとみていた。
マチタンはとても女の子らしい。ぽわ~っとしてて、優しくてかわいい。
「どうしたの?着替えないの~?」
「んびぇっ!?あ、うん!きがえる、きがえるよーっ」
がばっとシャツを脱ぐ、すとん。
うん、わかってた、わかってるターボみたらわかるもん。
背の低さを気にしてないといえば嘘になる。
でも、ターボは走れる。一番をとるために走れる。
でもでも、そういう問題じゃないのだ。
だって、大きい方が──いんだもん。
しばらくして
「ん~」
制服に着替えたマチカネタンホイザが更衣室からでてきて伸びをした。双丘がなだらかに延びたあと、ゆったりと戻っていく。
「ずーっと、見てたねぇ」
そのことを指摘したわけじゃない。だけど、目があったときツインターボは顔を赤くして逃げていった。
柔らかな膨らみに両手を添えてマチカネタンホイザは首をかしげた。
「……大きいから強いってどういうことだろ」 - 40二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:47:02
ずれた胸の憧れのターボとおっぱいガン見されたことよりポツリと呟いた内容が謎だったマチタンのお話でした。
意地でもおっぱいとはいってやらないという意思をもって挑みました。 - 41二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:47:25
アンタ最高や…
- 42二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 03:49:25
- 43二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 08:09:42
「きょ、今日は…ライスなんかのために、来てくれてありがとうございます!」
ライスシャワーの握手会。黒い天使がそこにいた。いや女神かもしれない。その神々しさときたら小さくて謙虚なのにこの場の誰よりも存在感を放っている。この日のために学業とバイトのきつい日々を耐えてきたのだ。
いよいよ俺の番、あの人と握手できる!寝ずに応援の言葉をいくつも考えてきたのに、頭が真っ白になる。真っ白になる、真っ白になって…きゅぅ
目が覚めたら知らない天井だった。記憶が曖昧だ、確か……
ガバリと身を起こす。一生の不覚だ。昂りすぎて気絶してしまうだなんて
──大丈夫かい?
背の高い、顔のいい男の人が声をかけてくれた。ずっといてくれたのだろうか。胸には関係者を示すカードがぶら下がっていた。謝意を伝えると気にしなくていいよといってくれた。
──ライスシャワーに会えて嬉しかったのかな。そうだとしたら僕も嬉しいよ
どう答えるか迷ったあと、はいと答える。そうしたら男の人は嬉しそうに笑った。それは男の俺でも見惚れるくらいきれいな笑顔だった。
控えめなノックの音が聞こえる。
──本当はいけないことだけどね。
彼がウィンクして見せたあと入ってきていいよという。
「お、お邪魔しまーす。」
女神がやってきた。
「あ、あの大丈夫、ですか?……せっかく来てくれたのに、倒れちゃって…び、びっくりしました…」
すごく曖昧な言葉しかでてこない。せっかく女神が話しかけてきてくれているというのに。女神はそんな俺にも優しい言葉をかけてくれる。うれしい、ありがとう。そういった言葉が聞こえた。
──ライス、そろそろ時間。
「はい。……え、と、もう時間みたいです。そ、その身体を大事にしてください、ね」
至福の一時が終わる。夢でもみていたのかもしれない。
だから、これも夢であってほしかった。
女神が、あの男に向ける笑顔。それが何よりも美しかったことに。
そこから先の記憶は覚えていない。あまりに美しい笑顔に何もかも焼かれてしまったように。
俺は次の日、学校を休んだ - 44二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 08:10:57
男子高校生、ライス、脳破壊で書いてみました。深夜じゃないけど。
はたしてこれをウマ娘といってよいものか。
次はおなじネタでおまけです。あるSSのオマージュになっています - 45二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 08:11:51
お兄さまが学ランをきて歩いてる…うう、思わず隠れてついてきちゃったけどよかったのかなぁ…
というかお兄さま、高校生だったんだ…あれ、駅の近くの有名な高校の制服だよね…ひょっとしたらライスの方がお姉ちゃん…だったり…?えへへライスお姉ちゃんだよー、なんて…あ、お兄さまとライスの年が近いなら、交配して新種も作れちゃうよぉ…品種名を考えておかなくちゃ…
あれ…?…お兄さまの隣に女の子がやってきた…すっごく仲が良さそう…どうしよう、お兄さま、ライスの見たことない笑顔浮かべてる……
わっ、女の人、手を繋ごうとしてる…え、え、そういう関係、なの……そんな……
………そう、だよねお兄さまにも、幸せがあるよね…うん…ライス応援しないと、ね……ぐすっ、お兄さまはこれまで、ずっとライスを応援してくれたのだから…
うん、応援しなきゃ、ライス二人のライスシャワーになるよ、はっぴはっぴライスシャワーになるよ…
あ、お兄さま、ライスがついてきてたの気づいてたの…?
この姿が恥ずかしくてたけど、ライスの顔色が悪くなってたから来てくれたんだ…
ううん、大丈夫だよお兄さま、か、彼女、さんとのデート続けて…ライス、このまま帰るから…
え…?彼女じゃない…?しかも、女じゃない…?わ、ほんとだ声低い…え、そ、そういう趣味の人なんだ…
お兄さまは、ライス一筋だなんて、そんな照れちゃう…その証拠にお城のような建物につれていって介抱する…?ライスをどれだけ思ってるか教えてくれるだなんて…きゅぅ - 46二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 08:12:53
ライスの脳を平和的に一瞬だけ破壊してみました
それはそうと城塞ライスのお米ジョークと立て板に水の語り口は見事ですね - 47二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 12:53:48
- 48二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 12:54:26
やったぜ!
マックイーン - 49二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 12:54:47
足
- 50二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 12:55:08
お風呂
- 51二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 12:56:14
うーむ…微センシティブの匂い…
- 52二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 12:57:56
マックイーン、足、お風呂、ですね。ありがとうございます。
00:00前後に再出現します。 - 53二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 21:25:43
楽しみだぁ…
- 54二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:48:11
「トレーナーさんは入りませんの?」
山奥にある足湯施設。ここまで履いてきた靴を脱ぎ、スカートのなかに手を伸ばしタイツを下ろしながらマックイーンが訊ねてきた。黒の布地がするすると降りていきその下のまばゆい白肌を外気にさらしていく。
今日はマックイーンのために来たのだから、と首を振ると彼女は僅かに頬を膨らませた。こちらが譲らない姿勢を見せていると彼女は一つ息をはいてゆっくりと腰を下ろした。彼女に風が当たらないように背後に立つ。
22.5cmの小さな足、その先端がとぷりと白濁に沈んでいく。くるくると回る柔らかい踝が、少女らしさの下に筋肉を携えたふくらはぎが、静かに水面を揺らしながらそれに続く。濡らさないように持ち上げたスカートから覗く膝まで追いかけたあと。反対側の足が白濁に沈んでいくのに視線を向けた。
美しい。彼女はその小さな足で、ターフを踏み締め駆け抜けていった。蹄鉄の鎧を脱ぎ、無防備に晒される彼女の素足をこうして見れることにどうしようもない背徳感を覚える。
彼女は気持ち良さそうに鼻歌を歌いながらちゃぷちゃぷと白濁の水面をかき混ぜている。
「~~♪………トレーナーさん。前に来てくれませんか?」
不意に彼女が声をかけてきた。揺れる尻尾がぺしぺしとこちらの足を叩いている。観念して正面にたつと、彼女はすっと人差し指を下に向けた。屈めということらしい。
「ん……」
ちゃぷりと、白濁の海面をわり右足が持ち上がる。
白玉を思わせるような五指が、三つのアーチを描く足裏が目の前に顕れた。
「拭いて、くれません?」
両腿の間に手を置きながら、彼女がささやく。
指先から踵まで滑り落ちた白濁がぴちょんと音を立てた。
ぴちょん、…ぴちょん、……ぴちょん。
「…………」
真っ赤に熟れた表情のなか潤んだ瞳がじっとこちらを見つめている。
自惚れてもいいのだろうか。彼女のここまでの行動が無意識ではなく、意識的なものだったのだと。
「拭いて、くれません?」
震える声でもう一度催促される。
彼女の全てがつまった足が目の前で震えている。全て、そう、彼女は全てを今ここで向けてくれている。
ふと、夜の病室を思い出した。あのとき、何を問われてどう答えたか。鮮明に思い出せる。
あの時と答えは変わらない。だったらやるべきことはわかっている。
タオルを手に、ゆっくりと彼女の足に── - 55二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:49:03
アッ……
- 56二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:49:15
ウマ娘ちゃんの足というのは全てであり、一心同体のトレーナーは触れる権利があると思うのです。
だからこそこれは健全です。 - 57二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:52:33
>> 1、あんたは最高だ!
あんた何なんだ……
FOXHOUND S
- 58二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:53:56
- 59二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:54:17
ゴルシ
- 60二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:54:22
ヒーロー
- 61二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:54:34
料理
- 62二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:54:39
ビコーペガサス
- 63二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:54:43
スペ
- 64二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 23:55:55
これはカレンチャンイベントを思い出すような配置
ヒーロー、ビコーペガサス、料理で書いていきたいと思います。 - 65二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:27:01
ビコーペガサスはヒーローが好きだ。
毎週放送される「キャロットマン」は見逃さないし、その前後で放送されているヒーロータイムだって見逃さない。
怪人たちとかっこよく戦い、時に苦戦しながらも勝利する。そんな姿が大好きだ。
いつかは自分も──とは考えるものの、現実に怪人はいない。でも、いつかは来るかもしれない。
だからこそ彼女はこうして学園を町を見回っているのだ。
「おっちゃん!どうしたんだ!?」
そんな彼女の耳はどんな困り事も聞き逃さない。暖簾をあげながら小料理屋の店主がぼやいた呟きを聞きつけ駆けつけたのだ。
いやいや、なんでもないよ。と渋る彼に
「そんなことはない!おっちゃんは今、すごく困ってる!アタシにはわかるんだ!」
と力説する。ついに折れた店主はポツポツと今抱えてる問題を呟いた。
曰く、このお店を立ち上げるときに世話になったかたが今日来るのだと。
曰く、奥方との結婚記念日で思いでの料理を作ってほしいのだと。
曰く、そのための材料が届いていないのだと、どうやら事故があったらしく運ぶことができていないのだと。
「アタシがいくっ!」
彼女はすぐに宣言した。ウマ娘の足なら、ウマ娘の身体なら車よりもずっとはやく届けることができる。なにより、ヒーローなら困っている人を絶対助ける。
彼女の煌めく瞳をじっと見つめ、店主は大きくうなずいた。よし、頼んだよ!と。
保冷バッグを背負ったビコーペガサスは駆け出した。道なき道を走り、車の間を駆け抜け港までたどり着く。少し息は上がっている。まだ走れる。連絡を受けていた職員から荷物を受けとりバッグにしっかりと詰める。
加わった重量はビコーペガサスの体力を削っていった。足が重い、呼吸が辛い。でも、負けるわけにはいかない。だって、ヒーローは──
「絶対に諦めないんだぁぁぁぁぁああ!」
その夜、小料理屋では上品な夫婦が幸せそうに料理を食べていた。
小さなヒーローの活躍は、ちゃんと笑顔をもたらしたのだ。 - 66二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:28:04
ビコーペガサス供給少ないから助かるゥ!
- 67二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:28:33
ビコペのキャラエミュが甘い気はするけど、ヒーローは諦めないというお話でした。
短距離の彼女が長距離走ってお届けものって展開をもうちょっときれいに描写したかったです - 68二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:30:17
- 69二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:30:59
デート
- 70二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:31:44
カワカミプリンセス
- 71二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:32:06
勝負服
- 72二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:32:21
夢
- 73二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:33:37
カワカミプリンセス、勝負服、夢
きれいなお題ウレシイ、ウレシイでは書いて参ります - 74二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 00:59:23
「むぁー!決まりませんわ!」
手にした鉛筆を砕きながらカワカミプリンセスは叫んだ。机の上にはすでに木屑と黒鉛の山ができている。
勝負服のデザイン。レースを走るウマ娘なら誰しもが深いこだわりをもつもの。このデザインを全て人任せにするウマ娘は少ない。程度の差はあれど、希望のデザインを用意するものだ。
「もっと、こう!ぶち上がるものがほしいですの!」
姫たるなかの姫を目指すのだからドレスタイプにするのは間違っていない。
ふりふりのヒラヒラをつけるのも間違ってはいない。
でも、そうすると──
「王子様と手をとり、戦いあえませんの!」
鉛筆をもう一本握りつぶす。そう、そこまでしてしまうと動きにくくなるのだ。
小さな頃に見た、アニメのワンシーンを思い出す。王子様と一緒にギッタンギッタンに悪者をなぎ倒す姿。
あんな姫になりたいと、今でも夢見ている。
「特に肩ですわ!肩!膨れ上がってるのは美しいですけれども、これでは拳が出せないですわ!」
そこまで叫んだあとふー、っと息を吐く。
そういえばあのときお姫様はどうしていただろうか。確か動きにくいドレスのスカートを破って──破って?
天啓を受けたように立ち上がり、今来ている服の両袖を掴む。
びりぃっという音ともにワイルドなノースリブを作り上げたあとぐるぐると肩を回す。
「これですわ!これですわ!くぅぅぅっ、テンション!ぶちあがりますわぁっ!」
嬉しさと共に鉛筆を砕き、紙にデザインを書き込んでいく。
そうしてできたのが、今の勝負服である。
彼女の夢見たお姫様の姿がつまった、勝負服。なお、現実は──
「ビクトリー!」
動かしやすい肩回りなど関係なく、パチギをきめているのであった。 - 75二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:00:31
いいね…
- 76二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:00:54
カワカミプリンセスの新旧勝負服とサポSSRをみて。
たぶん肩がでているのが好きなんじゃないかなと思ってかきました。そして最後にこのお姫様パチギ決めてるんだよなとなって関係なかったかなと - 77二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:02:57
いいぞ……元気と可愛いが溢れてる
- 78二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:04:06
- 79二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:06:07
生徒会
- 80二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:07:10
怪談
- 81二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:07:33
怖がる
- 82二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:10:29
生徒会、怪談、怖がるですね。
怪談話怖く作れるように頑張ってみます - 83二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:50:50
四つ足の怪物。真夜中のコースに現れる大型の謎の生物。
牛とも駱駝ともつかない曖昧模糊な生物は真夜中のコースに一人たつウマ娘の前に現れるらしい。
その生物は静かにゲートのなかに入りウマ娘を待つ。
その勝負を受けてはならない。摩訶不思議なことに絶対に勝てないそうだ。
どれだけ速く走ろうとも、その怪物はぴったりとついてくる、ハナ差の開きもありやしない。走っても、走っても、走っても。暗雲低迷に陥ってしまったら最後。死ぬまではしりつづけることになるだろう。
「……と、以上の怪談ですが一定の効果はあったと思われます。夜間の自主練は減っています。」
「ふむ。なにせブライアンのお墨付「怖がってない」…すまない」
「一部生徒が捕縛や退治に乗り出そうとした報告も上がっていますが、こちらは私で対処しておきます。」
「ありがとう、エアグルーヴ。…それではこれで報告会を終わろう。」
シンボリルドルフはメガネをはずし、ケースに片付けた。
生徒会が流布した怪談話はトレセン学園に広まり、尾鰭背鰭をつけていった。どのような話になっているか今はもう想像はつかないが、狙いどおりの効果はでたようだ。
すなわち、夜間の自主練の自粛。ストイックなウマ娘ほど、遅くまで走りたがるもの。特にアオハル杯が始まって以来、オーバーワーク気味になる子もでてきていた。
それらを抑制するために、流布したのがこの怪談話だ。
生徒会室にあった、古い本に書かれた怪談話。ありふれたものであるが、彼女達はそれを恐れた。流布した生徒会の面々でさえ、である。
彼女らは知っているのだ、自分達とまったく同じ走りをする存在を。
そして、それをなぞったときの末路を。走り続けた先の死。
ありふれた怪談は今日もトレセン学園を怖がらせている。 - 84二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:52:35
メタネタを織り込んだりオチが弱かったり、とっ散らかった内容になってしまいました。近寄ってほしくないところには悪い噂をながす、というお話でした。
- 85二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 01:55:16
- 86二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:02:30
ゼンノロブロイ
- 87二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:04:00
マンハッタンカフェ
- 88二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:10:59
ささやく
- 89二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:11:22
- 90二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:12:44
ロブロイ、マンハッタンカフェ、ささやくですね。
ありがとうございます。 - 91二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:49:54
「絵本の朗読会、ですか……」
「はい、その、是非…参加してほしいな、って……」
図書館で意外な人に話しかけられた。確かゼンノロブロイさんだったと思う。この図書館の管理をしているウマ娘だ。ロブロイさんは絵本で口元を隠しささやくように呟いた。
「どうして、…私に?…」
私の質問に絵本をきゅっと抱き締める。小さい姿は栗鼠みたいで可愛いなと思った。絵本栗鼠はごにょごにょと口を動かしている、その小さな声を聞こうと“お友達”がぴったりとくっついた。
「ひょぁっ!い、今ひんやりと、した、なにかがっ!」
「…ごめん、ね。“お友達”が声を…聞こうとしたみたい。」
「あ、お、“お友達”……です、か。そ、そのえと……」
少し後ずさっている。慣れたことだし、今さら気にしない。このまま、当たり障りのない言葉で別れていくのだろう。
「あの、よろしかったら、”お友達”さんも一緒に、きませんか?」
「……え?」
「その……カフェさんの声、前から…とても素敵だなと、思っていまして。」
驚いた。“お友達”に悪戯されても気にしないなんて。そんなの同室の“アレ”くらいかと思っていたのに。
絵本栗鼠の瞳には“アレ”とは違った好奇心が浮かんでいた。
「…大きな、声は、……でませんよ?」
「それでいいのです。…その、むしろささやくように読んでもらい、たいなと。」
ロブロイさんの隣で“お友達”が同意を示している。
私は一つ息を吐く。たまにはいいかもしれない
「……わかりました。…では──」
───どさどさどさ
私の言葉を聞いて、“お友達”が本を落とした
「ひゃぁっ!……あ、も、もしかして、これも“お友達”さん、ですか?……ひょっとして、カフェさんに読んでほしい本を?」
片付けにいきながらも、明後日の方向にロブロイさんが話しかけている。
絵本栗鼠はどうやら順応性が高いらしい。
“お友達”はうなずきながら一冊の本を山の上に置いた。
「……黒髪姫のお茶会。…これを、読んでほしいのですね?」
それを手にこちらに戻ってくる。
キラキラと輝く青瑪瑙の瞳が絵本と私を往復した。
「……貸し出し、お願いできますか?」
絵本栗鼠の笑顔は結構可愛かった。 - 92二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:52:14
Q.マンハッタンカフェと“お友達”のキャラなんか違わない?
A.違うんです石がなかったんです。回したけど引けなかったのです。
集められる情報からエミュして作ったカフェさんでした。そんなこを心情描写アリの一人称視点で動かすのはどうなのかという話もありますが。マンハッタンカフェにはぜひ絵本を朗読してもらいたいなというお話でした。 - 93二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 02:57:32
本日はこれにておしまいです。
お題が3つたまるごとに不定期でかいていこうと思います。稚拙な文章が増えてきましたがお付き合いいただけたら嬉しいです。 - 94二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 07:13:24
素敵なSS、ありがとうございます
お題からすぐに書けるのすごいです - 95二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 07:53:46
- 96二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 08:34:01
アグネスタキオン
アグネスデジタル
絆創膏 - 97二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 08:48:47
ゴールドシチー
タマモクロス
写真 - 98二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 08:57:08
ナリタブライアン
トレーナー
こたつ - 99二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 09:14:27
グラスワンダー
お経
夫婦 - 100二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 16:21:21
- 101二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 16:52:09
「ふんふ、ふーん……あぁ、ウマ娘ちゃん達の青春のにおいっ!……ここで深呼吸するだけでデジたんの活力はMAXにみたされますっ!」
更衣室にて、アグネスデジタルはいそいそと着替え始める。誰かと同室することになれば一生ここからでられなくなる。その考えのもといつも一人で着替えていた。
「……おや、デジタル君。早いね」
「うひぇあっ!た、たたタキオンさん!」
そんな彼女の考えをつゆほども知らないタキオンずかずかと入っていき、気にした風もなく着替え始める。
制服のボタンを外し、もぞもぞと動いたときぶちっと嫌なおとがした。
「ふむ………これは困ったことになったねぇ。デジタル君」
「ひょえああっ!?な、なななんでございましょう!デジたん、更衣室の壁と一体化しようとしていただけでございます!」
「それはぜひとも観測したいところだが、今はこちらの方が急な問題だね。」
そういって制服から手を抜き取るタキオン。その手には彼女の双丘を守る薄水色の布切れが握られていた。
「そ、そそそれは、ぶ、ぶぶ……」
「どうやら壊れてしまったみたいだねぇ。そして私は生憎と替えを今持ってきてないんだ。」
顔を赤くし震えるデジタルに見せつけるようにひらひらと布切れを振る。
「そこで、だ、デジタル君。絆創膏はあるかい?」
「はへっ?……それはもちろん、持ってますけど。」
「うん、じゃあ貸してもらえるかい?……いや、貼ってもらえるかい?」
ポカンとしたあとデジタルはばっと、飛び退いた。
「む、むむむむりですむりですむりむりむりです!そんな!ウマ娘ちゃんに触れるのもおそれ多いというのに!」
「そう言わずに、さっと貼ってしまうだけでいいのだから。」
飛び退いたデジタルにタキオンが詰め寄る。壁際に追い詰められ立ちすくむデジタルの手を握り服の下に滑り込ませる。
「ひぃぃぃっ、そそそんな──ひゅぺっ」
つん、と腹部にデジタルの指先が触れた途端。彼女は幸せそうな表情で気絶した。
「………ふむ、過度な興奮状態による、運動能力の変化を計測しようと思ったのだが。」
デジタルをベンチに横たえ、淡々とタキオンは着替えていく。制服を脱ぎ、予備の下着を身に付け、ジャージに着替えた。
「さすがに刺激が強すぎたようだねぇ。トレーナー君の書物を参考にしたのは間違いだったようだ。」
床に落ちた絆創膏を拾い上げ、ぺたりとデジタルの鼻頭に張り付けた。 - 102二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 16:52:59
でじたん、たきおん、絆創膏。でした。デジたんの鼻の頭に絆創膏を貼りたいために気絶してもらいました。
- 103二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 16:54:43
- 104二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 16:56:11
> トレーナー君の書物を参考にしたのは間違いだったようだ。
あのー……トレーナー君?
- 105二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 17:19:53
「なぁシチー、アンタ、ウチに頼みたいことがあるって言うてたよな?」
「はい、言いました」
「それがこれか?」
「はい」
「帰る」
「ちょっと待ってくださいっ!」
帰ろうとするタマモクロスを必死に引き留める。
彼女達の前には様々な種類のパーティドレスが並んでいた。
「ええい、離せ!アンタこれ、あれやろ!ウチにこのふりっふりっなの着せるつもりやろ!」
「イヤもうほんとマジでタマモ先輩しかいないんですって!もう一人のモデルが怪我ででれなくなっちゃって!今回の題材的に先輩がほしいんです!一枚!一枚写真とるだけですから!」
「イーヤーヤー!金と銀のなんちゃらって企画見えたもん!オグリつれて来いオグリ!あいつなら背ぇも高いしぴったりやろ!」
傍目からみると駄々をこねる子供をシチーが必死でなだめているようにも見える。しかし現実はそんなほほえましいものではなく、ウマ娘の力に床がミシミシとなっていた。
「先輩がいいんだってばっ!」
シチーの声にピタリと動きが止まる。
「……先輩、綺麗だしこういうの絶対似合いますから。一枚とるだけですから、ほんと、マジでお願いします。」
「ほーん?ウチよりキレーな顔しといてよーいうやん」
反射的な買い言葉にしまったという表情を浮かべるタマモ。しかし、シチーは気にした様子はなく罰の悪そうに頬を掻いていた。
「気にせんの?」
「……それがアタシだし。」
「ほーん……」
しばしの沈黙、タマモは大きく息を吐いた。
「ま、ええわ、一枚だけな。かっこよくとってもらうで?」
百年に一人の美少女に負けないくらい、眩い稲妻が雑誌の表紙を飾ることになるのは、しばらく先のお話。 - 106二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 17:21:06
シチー、タマモ、写真のお話。シナリオでキレイと言われて怒ったシチーが印象に残ってたのでそこに繋げたお話でした。
- 107二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:48:20
寒くなってきたので、トレーナー室に炬燵を置いた。
そうしたら担当のブライアンが入り浸るようになった。
きりっとした一匹狼も、炬燵の魔力には敵わないのか大分脱力してる。かわいい。言わないけど。
「ブライアン、生徒会はいいのー?」
「あぁ」
「…今日はどうするー?」
「あぁ」
「寝たらダメだよー?」
「あぁ」
「今日もかわいいねー?」
「あぁ」
大分腑抜けている。一匹狼の彼女がここまで気を許してくれるのはとても嬉しい。デスクから降りて私も炬燵にはいる。こんなかわいい生物と一緒にいては仕事が手につかない。
「蜜柑食べるー?」
「あー」
ブライアンがかぱりと口を開ける。食べさせろということらしい。一つ一つ小分けにして彼女の口に運ぶ。
もぐもぐ、ごくん、白い喉が上下に動きもう一度口を開けた。
炬燵の魔力恐るべし。あまりのかわいさに、無心で彼女の口に蜜柑を運ぶ。サファリパークで私だけになつくライオンに餌付けしてる気分だ。
蜜柑の皮の山ができる頃、ぱたぱたぱたと軽やかな足音が聞こえてきた。
「ランディーング!ブライアンさん、並走しよーっ!」
蜜柑色の髪をしたウマ娘が、トレーナー室の扉を勢いよく開ける。
彼女は琥珀色の目がくりくりと私達の間を往復する。
私と横並びで座り、無防備に口を開けているブライアンの間を、である。
「きゃーっ!おじゃましましたー!」
蜜柑色の髪が翻りトレーナー室から去っていく。
「……待てっ!」
隣の熱源がするりと飛び出し、冷気が体を撫でる。
あぁ狼の目が覚めてしまったようだ。
彼女も黒い髪を翻し、蜜柑色の髪を追いかけていった。 - 108二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:49:12
本を閉じ、鈴を鳴らす。お線香の甘い香りが鼻の奥を抜けていった。
「ありがとうねぇ、グラスちゃん。これであの人も喜ぶよぉ。」
後ろで一緒に手を合わせていたお婆様がにこりと笑ってくれる。
「いえ……大事なときに駆けつけられず、申し訳ありませんでした。」
「いいのよぉ。あの人、自分のせいでグラスちゃんのレースを台無しにしたとなったら悲しむから。」
「……ありがとうございます。」
「それにしてもグラスちゃん、もうすっかり立派な大和撫子さんね。お婆ちゃんビックリしちゃった」
「うふふ、お二人の教育の賜物です。」
こちらの土地が合うかどうかのホームステイで、お世話になったのはずいぶんと前のこと。あのときはお爺様にもお婆様にも色々なことを教えてもらった。
そのお世話になったお爺様の訃報を聞いたのが先日のこと。いてもたってもいられず、休みを取ってこの家に訪れていた。
お婆様はあのときと変わらない笑顔で迎えてくださった。
優しく抱き締めて、なにがあったかを教えてくれた。お二人の宗派に習いお経をあげさせてもらったあと、日が暮れるまで、世間話に花を咲かせた。
懐かしい気分を、懐かしいチャイムが覚まさせてくれた。
玄関にはスーツ姿のトレーナーさん。無理をいった私を迎えに来てくれたのだ。ふと、お婆様とのお話を思いだしトレーナーさんに手を合わせた。
「ここは南無釈迦牟尼仏、なのですね。」
「あぁ、そうだねぇ。グラスちゃんは南無阿弥陀仏の方が馴染み深いかしら?」
「はい…どのような違いがあるのでしょうか」
「そうねぇ……助けてもらう人が違う、ってところかしら?」
「南無は、帰依をするということ。南無阿弥陀仏は阿弥陀如来さまに帰依しますという意味で。」
「南無釈迦牟尼仏、であれば釈迦牟尼仏様に帰依をする、ということですね。」
「その通り、それで、帰依をするということは──」
南無トレーナーさん。と呟いた私にトレーナーさんはキョトンとした表情を見せます。
「──信を持って絶対の拠り所とすること。グラスちゃんにもそういう人、できたみたいね?」
はい、ですが今はまだ。これで済ませておきましょう。
南無トレーナーさん。 - 109二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:51:37
牙の抜けた狼ブライアンの話と、お経を読んだグラスのお話でした。ギリギリコピーが間に合ってよかった…
- 110二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:25:46
お題を募集します。>>1とつけて3つのお題を書いていただければそれを題材に書いていこうと思います。
締め切りはとくにありません書ける限り書こうと思います。
- 111二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:31:58
- 112二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:59:35
- 113二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 01:01:09
- 1141/221/12/18(土) 01:42:35
レッスンルームでひたすらステップをふむ。
誰かのウイニングライブ、わたしみたいなモブが汚すわけにはいかないから。ひたすらにひたすらに、サブポジションのステップをふむ。
憧れてはいったトレセン。メイクデビューは勝ち取れたがその先はちっとも芽がでなかった。
キングヘイローさんのようにあらゆる距離を走っても。
アグネスデジタルさんのように砂と芝を走っても。
掲示板にはいれたのは一回だけ、それもギリギリの
「……きょうのしょうりの、めーがみはー、あたしだけに、チュウするー」
センターウマ娘が投げキッスをするシーン。わたしに縁なんて全くないシーン。ためしに鏡の前でやってみる。何て、似合わない──
「かはっ!」
奇声と共に倒れる音が後ろから聞こえた。
ピンク色の髪、小さな体躯。砂と芝を行き来するオールラウンダーの勇者がそこにいた。
「ご、ごごめんなさい!あまりのかわいさに…練習のおじゃまでしたね!」
「……いえ、もう、上がりますから。」
恥ずかしくなって、CDデッキの停止ボタンを押す。見られた。こんな場違いな。わたしなんかを。勇者はパタパタと愛らしい仕草で道を開けてくれた。モブなんかのわたしにも彼女は丁寧に接してくれる。いや、これはわたしが卑屈なだけ、なのかもしれない。
「デジタルさんは、わたしなんかよりもっとすごいのですから堂々としたらいいのに……」
言葉がこぼれ落ちてしまい、はっとする。勇者はキョトンとした表情のあとぶんぶんと首を振った。
「いえいえいえいえ!あたしなんか、ウマ娘ちゃんの尊さに比べたらまだまだです!精一杯頑張って!キラキラと輝くウマ娘ちゃんがなによりも尊くて!」
「わたしなんかよりずっとキラキラしてるくせに」
あぁ、しまった。勇者が悲しい顔で固まってしまっている。
「っ──失礼します!」
その隙に逃げていく。着替えもしないで外へと走り出す。
どんよりと曇った空から大粒の雨が刷り続いていた。 - 1151.5/221/12/18(土) 02:01:59
翌日、気分は晴れない。一限を丸々サボって登校したわたしの下駄箱に一枚の手紙が入っていた。差出人はあの勇者の名前。
小さな可愛らしい文字で謝罪から始まり、激励の内容が丁寧に記されていた。
「……あの。」
「ひゃいっ!」
角で覗くピンク色に声をかける。手紙を出したのならさっさと去ればいいのに。ずっと待っていたのだろうか。
気まずい空気が流れるなか、勇者はモゴモゴとした口を開いた。
「信条としてはあたしなんかが口を出していいものかというのはありますが!その、先輩としてすこし、アドバイスをーなんて。五分!お話を聞いてもらえますか!」
さぁさぁ、ざぁざぁ、どぉどぉ
レース場は白くなるくらいの雨が降り注いでいた。これだけ降っていれば余裕で馬場は不良だろう。五分、めいいっぱいを使って唱えられた勇者の呪文は、わたしに呪いをかけた。
オールラウンダーだからわかること、ウマ娘だからわかること、オタクだからわかること。それらをまとめてぶつけられたわたしは思ってしまったのだ。走りたい。と。
天候の崩れるシーズンを狙っての出走登録、狙いどおりの天候にガッツポーズをしながらゲートにはいる。
どうせ、負けるだろうななんて思わない。わたしなんかなんて思わない。ただ、走るんだ。走って、走って、走って──ガチャン
──走り抜いてやる - 1162/221/12/18(土) 02:12:03
泥塗れの姿でコースに倒れ混む。
後ろから走ってきたウマ娘達が、わたしを避けていく。
1,2,3,4……15。
横向きの視界で掲示板をみる。わたしの名前が、一番上に乗っていた。
控室で呼吸を整える。一番、センター。
その事実にドキドキが止まらない。夢なんじゃないかとおもう。ほっぺたをつねると痛い。
「わたし、一着になれたんだ……」
小さく呟く、その言葉を噛み締める。胸に手を当て、大きく息を吸い込み、目を開ける。もう時間だ。
ライブが始まる。最前列でピンク色の勇者が跳ねていた。
なんて幸せそうなんだろう。わたしこそ幸せにしてもらったのに。曲がサビに差し掛かる。
──今日の勝利の女神は、あたしだけにチュウする
本当は逆だけど。わたしは祝福してくれた女神に向けて、チュウした。 - 117二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 02:14:31
1レスで終わらせろという話です。
雨、祝福、勝利の女神(デジたん)でした。モブウマ娘なんて書いてはいけませんね、心情に制限なくなるから際限なくなります。
全体的にはデジたんのシナリオのオマージュです。(ドトウにたいするアドバイス+大外に向かってはしれ)とてもいい話なのでみてください。 - 118二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 02:18:11
デジたんエアプだけどすげぇ良い子なんだろうなってのは分かる…
- 119二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 02:35:56
ゴルシが増えた。
トレーナー室にはいると、三人のゴルシがいた。
夢か、うん、夢だな。それか分身の術でも覚えたか。あいつならできそうだなぁ。
16面体のルービックキューブを弄っているゴルシと、金色に光輝きながらポージングするゴルシ、そしてセミの脱け殻でピラミッドを作ってるゴルシ。なんてフリーダムな空間だ。とりあえず──
「おい、これはどういうことだ。」
セミピラミッドゴルシに声をかける。他のゴルシ達が驚いた表情をした。
「どうって、アタシもわかんねーよ。朝起きたらゴルシちゃん三人いてさ。せっかくだから天下一ゴルシちゃん杯でもしようかとおもったけど、そこはゴルシちゃん、ゴルシに勝ててもゴルシ様には勝てなくて決着がつかなかったでゴルシ」
よく分からない。まぁ元々わかるともおもってなかったが。
「まぁいいや。とりあえず今日のレッスンの話でもするか。三人分のメニュー考えるからちょっと待っててくれ。」
「「うーっす」」
「え、スルーすんのかよ!」
金ぴかゴルシが突っ込みをいれる。スルーしてなければやってられない。
一日が終わった。三倍疲れるかと思ったが、ゴルシもさすがに遠慮したのか1.5倍程度の疲労ですんだ。ゴルシ同士でもどうやら違いがあるようで、ルービックキューブのゴルシは全体をよくみて、ふざけられるときにふざけていた。金ぴかゴルシに関しては、ゴルシらしくありながらもゴルシらしくないというか、有り体にいって思いきりが足りなかった。
「まぁ……セミピラミッド作ってたのがいつものやつだろうなぁ。」
心地よい疲労に任せ、目を閉じる。あぁ早く夢がさめますように。
翌日
ゴルシが増えた。
トレーナー室には9人のゴルシと白い四つ足のゴルシがいた。似ても似つかないのにゴルシだとわかるゴルシだ。
「………10人分のメニュー考えるから、時間くれ」
こいつといるとほんと退屈しねぇな! - 120二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 02:38:00
ハジケ足りない。アプリ世界に三人のゴルシが終結した感じです。たぶん、アニメゴルシは遠慮するだろうし、パカゴルシは常識的な部分がでてくるだろうなと思ってたらハジケ控えめ空間になりました。
- 121二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 02:38:38
流石ゴルトレだ、順応力がダンチだぜ
- 122二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 02:39:56
- 123二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 12:35:46
- 124二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 12:37:09
玉葱
- 125二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 12:38:19
スイーツ
- 126二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 17:14:26
ウンス
- 127二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 17:17:39
203高地
- 128二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 01:25:50
「うーん、困ったなー」
お気に入りのお昼寝ポイントで私はレシピ本とにらめっこしていた。
お昼の家庭科の課題、班一人ずつで料理をつくりコース料理を完成させること。
エル、キング、スペちゃん、グラスちゃん、それに私の五人で前菜、スープ、メイン、ドリンク、デザートとつくることになったんだけど……
「玉ねぎでデザートなんて無理ですよー。セイちゃんお料理得意じゃないですしー」
材料をアミダで決めようといったのがそもそもの間違いだった。まぁたぶん守らなくてもみんなは笑ってゆるしてくれるだろうけど。
「うー、マフィンとかクッキーとかあるけどー……これ塩味だもんなー甘い方がいいよねー。」
本をおいて伸びをする。甘いもの。甘いもの。お野菜で甘いものー。ボーッと遠くを見ると、茶色のウマ娘が横走っているのがみえた。……あっ
「グラッセ?」
思い付いたのはハンバーグについてくる、甘いニンジンの味。たしかあれは簡単につくれたはず。
「でも、それだけならデザートじゃなくて付け合わせだし……んん?」
セイちゃんの中でぴぴんと全てが繋がった気がした。
甘いものを練り込んでケーキにする、たしかそんなものがあったはず。
「うん、よし、できそう!はぁー、安心したー。それじゃ、頭も使ったしちょっとお昼寝しよー」
私はすやすやと眠りについた。甘くてふわふわの玉ねぎケーキの夢を見た。
授業には、遅刻した - 129二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 01:31:46
3つたまっていたので保守ついでに。お題は募集しています。
203高地……これはなかなか無茶振りが来てますねわくわくします