ファインモーション「これが肉じゃが……なんだね、フラワーちゃん！」【SS】

1二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 19:58:49

目の前の小鉢に盛られた茶色の料理にファインさんが感嘆の声を上げました。
でも、この肉じゃがはただの料理というわけではなくて。
ファインさんが初めて作った肉じゃがなんです。
「本当にありがとうフラワーちゃん！自分でもびっくりするくらいうまくできたと思う！」
「いえいえ、ファインさんの努力のたまものですよ」
「では早速……いただきます♪」
ファインさんがじゃがいもを口に運びます。
もぐもぐと咀嚼するうちにファインさんの口元に笑みが広がっていきました。
「おいしい～！フラワーちゃんって教えるの上手だね！」
そんなに直球でほめられると照れてしまいます。

火照る頬を両手で抑えているとファインさんが肉じゃがをこちらに寄せてきました。
「フラワーちゃんも食べてみて？」
「えっ、いいんですか？」
「もちろん！」
護衛の方からのうらやましそうな視線を感じつつ肉じゃがを口に運びました。
甘じょっぱい出汁が口の中に広がりながら、じゃがいもがほろほろと崩れていきます。
飲み込んでから私は親指を立てました。
「バッチリです！」
「えへへ、よかったあ」
ファインさんは嬉しそうに胸の前で手を組みました。
「私ね、フラワーちゃんの料理の味好きなんだ」
肉じゃがの入った小鉢を両手で持ちながらファインさんが話しはじめます。
「やさしくて細やかで、誰かを想って作られた料理だってはっきりとわかる」
にこりとファインさんが微笑みます。

「キミの料理を食べられる人は幸せだね」

また頬が熱くなってしまって、私はもじもじするばかりでした。
そんな私をファインさんはにこにこと見守っていてくれました。