- 1二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:47:01
- 2二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:48:23
西とウラヌス号の話は重すぎる…
- 3二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:48:35
そんな西トレーナーにも理解あるウマ娘がいます
- 4二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:49:29
硫黄島の戦いの人だっけ?うろ覚えですまん
- 5二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:49:33
絶対優秀ってか正しく世界レベルやぞ
- 6二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:50:15
馬術オリンピック金メダリストが優秀じゃないわけがない
- 7二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:55:45
そうロサンゼルスオリンピック馬術金メダリストで硫黄島の戦いに従軍した陸軍大佐
- 8二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:58:35
「自分を理解してくれる人は少なかったがウラヌスだけが自分をわかってくれた」
- 9二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 23:59:33
バロン西か
男爵様が洋行の最中に見染めて購入、そのままオリンピックに出たんだっけ?
ロマンティックだよなあ。 - 10二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:00:46
ウラヌス体高181cmだけどウマ娘化するとどのくらいの身長になるんだろうな
- 11二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:02:45
米軍「バロン西!我々はあなたを失いたくない!出てきなさい!」
- 12二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:03:07
日本が現在保有している唯一の馬術金メダルなんだっけ
- 13二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:11:35
でかいでかい言われてるキタサンブラックで172㎝らしいからだいぶでかくなるな…
- 14二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:14:29
このレスは削除されています
- 15二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:18:23
- 16二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:21:42
このレスは削除されています
- 17二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:21:52
敵兵に死ぬなといわれる男
- 18二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:26:09
ウマ娘世界だと、夏のロードショーとかで放映してそうな悲恋系のやつだな
- 19二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:29:17
つい最近、彼の遺族に鞭が返還されたそうな
- 20二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:29:33
ここは……?…俺は敵兵の迫撃砲だか手榴弾だかで目に傷を負って手当てを受けた後少し横になってそのまま…
…!!こうしてはいられん!今にも支持を必要としている兵たちが一人、また一人と命をこの島で散らして…
目が…みえる…?そしてここはどこだ…砲撃の音も、銃声も、悲鳴も怒号も人が砕け散る音もない…ただあるのは鳥のさえずりと…
人の笑い声か?これは…いったいどうなっている… - 21二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:32:15
いいだろう続けたまえ
- 22二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:32:51
バロン西とウラヌス号とかいうクソ格好良い名前とめちゃくちゃ凄い実績に惹かれて調べたら地獄みたいな気分に叩き落とされる名コンビ…
- 23二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:34:31
ウラヌス号のウマソウルを受け継いだウマ娘が居るんですね
- 24二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:43:45
それから周囲の人間に話を聞いた、ここはトレセン学園で80年以上俺の生きている時代より…信じられんが未来の日本であること
そしてなにより、ウマ娘なるものの存在。いわく果てなき剛、いわく疾風のような速さ…なんとも奇妙なものだ
そして私は名前を名乗り階級も告げたが、大半は怪訝な顔をされるか、明らかな困り顔をされるだけだった… - 25二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:52:49
そしてここの長に話を聞くが早いと思い、理事長室なる場所へ行くとそこには年端もゆかぬ少女と、緑に統一した服を身にまとう女がいた
俺は訳を話した、正直に寸分たがわなく。最初は信じられないといった様子の二人であったが、なんとか強引になっとくしてくれたようだった
そしてもし俺の話が本当ならば住む場所も行く当てもなかろうと言われ、確かにそうだと頭を抱えた
そして少女「提案ッ!話が本当なら元軍人の左官!!優秀なはず!!そこでッ!トレーナーとして働いてはいかが!!」
俺は正直当惑と困惑に包まれた。だが…あの辺境の島からここに飛ばされた意味があると考えた俺は、その提案を呑んだ - 26二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 00:56:11
- 27二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 01:11:34
遺体が見つからない理由…つながったな
- 28二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 01:15:42
漂流者(ドリフターズ)じゃん・・・
- 29二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 08:49:29
中途半端に辞めるな!書き始めたらやり遂げろ!!気になるだろが!
- 30二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 15:55:51
SS待機保守
- 31二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 16:02:31
馬がいない世界で歴史が一部異なっているとはいえ、似たような世界だしこの人もウマ娘の世界に存在するじゃない?
まあ、80年前だから色々記録残っていないのかもしれない。
よく調べたらこの人と同名の人がいたのがわかるかもしれないが………。 - 32二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 16:10:58
見つかってないなら『どうとでも出来る』んだ
- 33二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 17:56:45
なにはともあれすべきことは一つだった。知ること。馬術も、軍人としての仕事も、部下のことも、戦況も、そして島で出会ったサムもそうだ
対象を知らねば進むべき道も開かれぬ。俺は丸々一月かけてトレセンの寮の部屋に籠りトレーナーとしての仕事、現代の所作、常識を頭に叩き込んだ。
軍服は寮の部屋に置いてきた。軍服を脱ぎ箪笥の奥に隠すようにしまうとき、本来の自分を奥に隠すという自己投影をして戦場の仲間を思った。 - 34二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 18:07:47
そして知るうちにウマ娘に対するより一層の疑念がつのる。彼女らの細くしなやかのあの体躯のどこにそんな力があるのかただ疑問が浮かぶ。
懸念点はもう一つ、俺が修めたトレーナーに関する知識、技能はまだまだトレセンの新人よりもしかすると下程度とのことだ。
情けないがはっきり言うといきなり軍人の尉官クラスの仕事を任されるようなものでとてもじゃないがすべてを網羅することは叶わなかった。
しかし止まっては死が待ち受ける…とここまで大げさではないが言い過ぎでもない戦場で得た教訓の一つを胸にただ進むと誓い
翌日の選抜レースに向け早めに寝ることとした。
いきなり「譲歩ッ!専属を持つことでよりこの世界や貴殿がいらした理由がわかるかもしれん!」などと理事長が申されたときは困ったが
いまとなってはあの人の急な提案や思い付きは慣れたものであった。緑の人はたづなさんといい、若干哀れ無用な目線を受けたが
おそらく彼女も日ごろ苦労が絶えんのだろう。ともあれなんとなしに彼女らの人となりも理解できた…
などと頭で状況を整理していたところで眠りに落ち、平和な日本の朝を迎える。これにも慣れた、慣れてしまった。
俺は戦場に戻れるだろうか。まだ戻りたいと思えるだろうか。 - 35二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 18:28:48
午前から午後まで行われる選抜を見て考える…暇はあまりなかった。彼女らウマ娘の走りを見るのに夢中になってしまった。
あの筋肉の躍動、地を蹴りぬく強い脚、お互いにけん制しあいレースを進める様はまさに欧州、アメリカで見た競馬…
この世界に馬は存在しない。代わりに、おとぎ話や伝説ではどこからともなくウマソウルなるものが母親の胎内にいる赤子に宿り
ウマ娘としての生を受けるのだという。信じられんことばかり起こるのでこんなことも受け入れつつレースを眺める。
ふとほかの者と比べ体躯の大きく、仕上がった体を持つウマ娘がゲート付近で目についた。少し目を引く。その程度だった。
だがこういう直感は運命を引き寄せ、一生の分岐となることを俺は知っている。オリンピックをともに制したウラヌス。まさに運命的出会いだった。
俺は直観に身を任せ、件の娘のレースを見ることにした。序盤からのレース運び…は申し分ない、が少し違和感を覚える。
なんだが窮屈そうである。物理的にも心理的にも。それはまるで有坂閣下と対立していたある将校を思い出させた。
自分の自由や権利を行使できないで募る鬱憤。彼と彼女ではその窮屈さに違いはあるだろうが、似ていた。
そしてそのままズルズル追い抜かれ七着に終わる。しかし、俺は彼女に声をかけることにした。体躯の仕上がりとレース結果が
伴わないのはもちろん、心理的に押しつぶされているように思え、これは性分ではあるが世話焼きが出てしまった。
なにより直観が行けと言うのだ。 - 36二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 18:39:48
「君、少しいいかな。」
「………はい?」
ある程度承知はしていたがやはり歓迎はされなかった。まあ順当に考えれば七着に終わった者に声を掛けに行くのなんぞ変わり者しかいないだろう。
他何人かが彼女に声を掛けようとしていたが、俺が声をかけると、まあいいか、とばかりに去っていく。彼女に対する注目はその程度だった。
「窮屈そうだな。」
「…まあ…そうですね。」
「思うように走れないのか?体に不調があるとかでは…」
「違います!!私はもっとやれます!!!」
俺の話を途中で遮り彼女は叫ぶ。あぁ…やはりかと思う。先ほどの彼女の戦法はもはや心理的圧迫により冷静さを失ったのか
先行差し追い込みの位置をぐるぐるして仕掛けるタイミングを失っているといったもの。はっきり言えばめちゃくちゃである。 - 37二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 18:54:50
「もっと君の自由にやってみればいい。なにをそんなに自分を押しつぶすことがあるんだ。」
「…これが習ったやり方でやらないと後でどやされるんです…それが嫌で教官の指導は単位を落とさない程度にしか出ないし他は自主トレをしてます。」
なるほど…それゆえ体の仕上がりはいいわけだ。ただ経験とレース運びの方法がなってないだけか。ではなんとかなるか。
赤紙を受け取ったこの前までどこかの亭主だった男が、壊滅した別方面で生き残り私の部隊に合流したこともある。
訓練次第で子犬が警察犬にも牧羊犬にもなるように、あとはしっかり自分の好みの作戦を自分の体にしみこませ…
「あと、先行策だの逃げだの差し追い込みだの私をそんな枠組みに押し込めるこの制度が気に入らないんです!!」
…これは重症だ。ほんとに自由に気の赴くまま行きたいといった感じだろうか。 - 38二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:13:35
頭エリモジョージかよ!
- 39二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:12:50
これは中々の問題児だ。
- 40二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:09:55
西中佐の喋り方がどことなく昭和っぽくていいね
- 41二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 10:36:38
ウラヌスって走るのはどうなんだろう
- 42二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 12:42:56
あげ
- 43二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 15:11:39
俺バカだから上手く言えねーけど、文体がなんか雰囲気があるというか「らしさ」があるというか。要するに好き
- 44二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 19:58:59
保守
- 45二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 20:41:44
しかし一つの疑問が生ずる。走るにおいてどこかしらの位置取りを強いられるはずだが、目の前のぷんすか娘はそれが嫌だそうだ。
「うん?では走ること自体ができないのでは?」聞いてみるとこう返ってきた。
「違うんです!圧迫が嫌なんです!こうしなさい!こうすればいい!不合理だ!作戦はどうした!そんなのばっかり!!
…まあここからは私の自業自得なんですけど、今まで先行にしなさい、差しがいいでしょうとかいう私を押し込める言葉がレース中頭の中で繰り返すんです。
それに反発精神働かせてどの作戦も守らないようにするんです。教官の言葉に負けて従ってるみたいでいやだから…」 - 46二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 20:57:51
「どうせおじさまも『教官が正しい』なんて仰るんですよね。わかってるんです。でも従いませんから!!
お早くご自身の担当やチームに戻られては?私は自主トレに行きますので!!」
「待ちたまえよ、俺はまだほとんどしゃべってはいないじゃないか。俺は新人故チームも担当もおらんよ。
なに、時間はある。もう少し付き合わせてはくれんか、お嬢さん」
「…その言い方いいですね。『待ってくれ、もう少し俺と話そう』なんて仰ってたら無視して去っていました。
あと、お嬢さんもいいですけど、名前はウラヌスです。」 - 47二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:01:00
やはり来たか…
- 48二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:01:08
ウラヌスー!
そういや西大佐以外乗りこなせない気性難だったか - 49二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:07:18
- 50二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:10:34
王道だが違和感がない…いい…
- 51二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 00:23:40
保守
- 52二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 00:28:03
ほ
- 53二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 08:24:07
ほ
- 54二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 15:47:10
も
- 55二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 22:39:40
目の前に閃光弾でも放たれたのかと思った。目の前の少女、ウマ娘は名をウラヌスと名乗った。
想像しないわけではなかった、期待しないわけではなかった。もし…叶うならウラヌスとも会えるのではと。
しかしそれが現実となった今、俺はこの世界に来た意味をどことなしに感じた。いや、しかし…これは…
「…さま?おじさま?おじさまのお名前は?」
「あ、あぁ…私の名は西竹一という。ウラヌスさん…だね?よろしく頼むよ。」
「あら、どうしたんですか?いきなり『私』だなんていきなりかしこまって。なにかひっかかることがございまして?」
「いや、違うんだ気になさらないでくれ。」 - 56二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 22:48:55
「それで…西さまはなにを私におっしゃりたいのですか?」
「…うん、最初にも言ったが自由にやるといい。」
「では私も最初に申しましたように教官にどやされるのはごめんです。」
「君、気づかないか、今の状態はまさに籠の中の鳥だ。教官の言葉という籠に縛られて君は自由を奪われている。真に反発すべきは今の状態に対してではないかね?それとも…素直に従うかな?他人の言葉に。」
「…………ありえません。そんなことありえません!!!わかりました!!!教官殿を消して参ります!」
「極端は身を滅ぼしかねん。一歩止まりたまえよ。教官の言葉なんぞ気にしなければいい。」
「……いかようにして?」
「俺が君を信じ保証する。それではだめかな?」 - 57二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:01:46
「ふふっ!…おじさま!面白いのね!!わかったわ…おじさまが私を籠から解き放って下さるのね?いいわ、ぜひお頼みしたいです!」
彼女に足りなかったのは尊重、彼女は自分の意見ややり方を受け入れてもらえなかった。
結果、反発することで自身の存在の確立、自尊心の補填を無意識に図ろうとしていた…というのが俺の見解だが…いかようになるだろうか…
「では、そのためには君のやりたいことが決まらなければならないが…どうかな?なにかご所望の者はございますかな?お嬢さん」
「私!大逃げがしてみたいの!どこまでも自由な鳥のようで素敵よね!!いいわよね!おじさま!!
やろうとする素振りを少しでも見せると教官に止められていたから…一度試してみたかったの!!」
…極端は身を亡ぼすといったそばからこれである。しかし、どこか極端な彼女。もしかするやもしれん。
この、大胆さの中に美しさと理性を感じる様…佇まい…
まさしく、目の前にいるのはあの、一目惚れした…ウラヌスなのだとますます確信を得るばかりで、俺は… - 58二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:05:03
もっと人気になれ
- 59二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:06:23
いい…
- 60二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:06:27
続き来てるやんけ!
もうここまででかなり心に響くものがある - 61二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:10:13
ウラヌス号って西大佐が戦死した1週間後くらいに死んだんだっけ
- 62二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:12:40
らしい。そこも不謹慎だけどドラマ性というか…
- 63二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:13:42
大逃げか
気性難は逃げ追い多いらしいな - 64二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:15:24
ウラヌスちゃんのビジュどんなだろ…
- 65二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:15:28
- 66二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:29:09
溢れ出る昭和感
- 67二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:33:58
障害で金メダルだからこの子障害レース走るの?
- 68二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:48:23
「…おじさまったら!もう!おじさまはゼンマイ仕掛けでらっしゃるの!?止まってる間はゼンマイをまわしてらっしゃるのかしら!」
「いや…すまない。」
もしもこの子が…ウラヌスなら…
「つかぬことを聞く。君、障害物走なんてやってたりしないかね?」
「あら?ご存知でしたの?私中学の推薦でトレセンに参りましたの。」
やはり…!
「でも、やめましたの!」
…この言い方はまたなにかひと悶着あった様子
「私優秀でしたのよ!それこそ世界を目指せるくらいに。でも周りの人が言っているのを耳にしたんです。
『でもまあウマ娘なら走ってなんぼだな』『それができねえからアレやってんだろ』『かもな!』『ハハハハハ!』
……おじさま?ご存知でしてよね?私、私をなめたり私の可能性を否定する言葉や連中は無視できませんの。
なによりその言葉を無視したらまるで私が本当に走れないみたい!認めたくない!絶対そんなもの聞き入れません!
それで、障害物走はやめました。ターフで走りぬいて、私の可能性を否定した連中をアッと言わせてみせるために!」
そんな、無茶苦茶な…いや、ウラヌスは元来無茶苦茶だったと聞く。俺の前ではいいこ以外ではありえんのだがなぁ - 69二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 23:57:11
そして、トレセンにいる経緯に加え、この子の悪い癖というか性格もわかった。
彼女はその強い反発心により時として自身の可能性を自身により否定し、縛っている。
彼女はそれに気づいていないだろう…そして今それをここで口にすればそれを認めたくないとして彼女は去るだろう。
なかなか難儀な性格だ。いずれ向かい合わなければならないだろう。
「…なるほど、ご説明感謝する。ではどうだろう、今度また選抜があるからそれまで君の手伝いをさせてはくれまいか?」
「あら!そんなに短いの?私ここまでスムーズにお話しできたのおじさまが初めてよ!それに…ここが選抜レースの会場だということ、お忘れ?」
「では…」
「えぇ!ぜひよろしくお願いします!」
俺は運命はあると思った。悪い意味でも。そして変えることは難しいことも痛感することになる。 - 70二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 08:12:52
昨日はないと思ってたら更新してたんけ!
- 71二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 08:39:18
不穏な空気を漂わせてくるな…神経がいら立つ…
- 72二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 12:27:14
毎日の楽しみや
- 73二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 12:30:03
距離適性どうすんだろな
- 74二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 17:31:24
かくして、彼女もといウラヌスとの日々が始まった。私はその際努めて彼女を俺の知るウラヌスと重ねないようにした。
それこそウラヌスは嫌がるであろうことは想像に難くないからだ。
私を見てほしい、私を尊重してほしい。そんな彼女に別の存在を重ねることはあってはならぬ。
あくまでも彼女は彼女である。 - 75二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 17:40:36
そしてもう一つ肝に銘じたこと。それはやはり、知ることである。そして現在わかったこと。
それは彼女の適正距離は短距離、マイル、中距離。長距離は厳しそうである。だが
「長距離走ります!!何としても!限界?スタミナ?そんなものに私は縛られたくはありません!!」
課題の一つはこれだ。
「…相分かった。」
と言いはしたがはてさてどうしたものやら。
そして彼女の提案した大逃げだが、見事なものである。持ち前の身体能力と体躯の大きさを存分に押し出した
ハイペースなレース展開を作り出し、後続を潰し、スタミナに余裕のあるものはスピードで制する。
彼女を縛るものは何もなくなる。まさに彼女にとって理想の走り方といえよう。 - 76二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 17:56:33
そしてメイクデビューを通過した彼女の目標は
「クラシック三冠!これです!これがあれば私を嘲り縛るものなんてなくなります!」
しかし彼女の戦法と京都の3000mはすこぶる相性が悪い。俺とて日本陸軍の一将校。誇りはある。矜持もある。みすみす負けるなどしたくはない。
そのためにどう長距離を攻略するか。施策を練ろうとする…が俺のトレーナーとしての能力は新人以下。果たして無理難題であった。
そこで実際に菊花賞を制したものに話を聞くことにした。 - 77二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 18:02:56
「お嬢さん、少しお話よろしいか」
「ひゃい!?ら、ライスに、な、なにか御用ですか…?」
ライスシャワー。漆黒のステイヤー。ミホノブルボンを菊花賞で三冠を阻止し、名優メジロマックイーンを
菊花賞と同じ京都で破り、天皇賞の連覇を阻んだウマ娘。長距離、京都を得意とする彼女にウラヌスとともに話を聞くことにした。 - 78二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 18:30:18
「ごめんなさい、驚かせてしまいました。先輩、一つお願いがございます。菊花賞に私たちは勝ちたいのです。
何卒知恵をお貸しいただけませんか?」
「い、いいですけど…その…」
「あぁ、申し遅れました私は西といいます、こちらはウラヌスです。」
「あ、あの大逃げでメイクデビューを勝ったウラヌスさん…わ、わかりました…ライスでよければ力を貸します。…うふふ」
「どうしました?」
「あ、ごめんなさい!!ら、ライスちょっと思い出しちゃって…」
「思い出す…?それは我々に関係のあることなのでしょうか、どんな些細なことでもいいお教え願いたい。」
「ご、ごめんなさい、レースじゃなくて絵本のお話なの…」 - 79二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 18:41:58
ライスは語る。戦時中の悲恋物語を。登場人物の名前はバロンという男とウラヌスというウマ娘。
独特な感性を持つウラヌス唯一の理解者であったバロン。
彼らは現在とは大きく形式の異なるレースで勝利を挙げていた。しかし大戦の始まりとともにバロンは軍関係者故召集を受ける。
そしてバロンはあえなく帰らぬ人となる。彼は最後までウラヌスがお守りとして送った彼女のしっぽの毛を握りしめていたという。
悲しみに暮れたウラヌスはそのすぐ後に、病気になり後を追うように天へ向かう。
しかし彼らは天国で再開しいつまでも共にあったでという。
「まるで絵本から飛び出してきたみたいってライス思って、すこしうれしくなっちゃったんです。」 - 80二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 19:10:00
- 81二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 22:37:28
…どう解釈すればよいのだろうか。俺は、やはり。あの島からは帰れないのか…部下たちも帰してやれないのか…
そして何より…ウラヌスが死んだ…?俺の後を追うように…?これは…この世界特有の歴史だろうか…それとも…
「あ、あの…?ご、ごめんなさい会話の途中に笑ったりして…ライス、やっぱり悪い子だよね…」
「あぁお気になさらないでライスさん、おじさまはゼンマイで動いてらっしゃるからたまに巻かなければならないの
おじさま?そろそろいかがです?」
「……いや失礼。では、本題に入ってもいいかな?」
そして助言を受けつつ、デビュー最初の夏から来年春にかけて長距離向けの練習を徹底的に積むこととなった。クラシック三冠戦線なら
たまには中距離の練習もしなければならないと提案もしたが
「おじさま!私は何としても長距離に勝たなければならないの!油断できないわ!!中距離の練習より長距離の練習よ!」
一度自分が抗うと決めると、それに固執する彼女の悪い癖が顕著に出ていた。自身で自身を縛る。 - 82二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 23:00:21
そして迎えたる弥生賞。パドックにて。
「ついに重賞です!がっつり逃げ切ります!道を阻むものも!私を後ろから縛るものもなにもかもなくなるように!
いままで長距離向けとはいえあれだけ練習を重ねましたもの!」
「あぁ…存分に逃げ切るといい」
「うん!頑張ってね!」
ライスシャワーもあれから我々を気にかけてくれ、ともに練習をしたり、助言をくれるようになった。
このレースは三着までの者に、皐月賞の優先出走権が与えられる。何としてもとりたいものだが果たして… - 83二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 23:06:31
ふーっと深呼吸、肺を突き抜けお腹まで空気が入るまで大きく息を吸って…ゆっくり時間をかけて吐く
観客席を見る、周りを見渡す…あぁあの職員さんは新人さんかしら…常に二人で行動してる…
隣の枠の子はひどく緊張をして…あぁ観客席からいまその子を呼ぶ声が…それでまた緊張をしている…
あ、ゲートのあそこ…すこし錆が…だい丈ぶかし、ら…
あら、も…う?いま、げーとに、はいって
しゅっそうを
世界から、音が消える - 84二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 23:16:30
ズドォ!!
九七式戦車は持ってきた覚えはないのだがな。
そんな戦車の砲撃にも似た轟音がほかの音を消し去る。
ウラヌス!!ものすごいスタートです!これがGⅡの走りでしょうか!ぐんぐん突き放して現在七バ身ほど!!
他のウマ娘も必死に追いすがりますが差は開くばかり!!
四コーナーに差し掛かるのはただ一人!まだ離す!まだ離す!!これはすごい!!規格外です!
ウラヌス圧勝!ほかの子はまったく届きません!!八バ身の差をつけ今ゴール!皐月賞への切符を見事つかみ取りました!! - 85二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 23:22:49
いっぱい更新ありがてぇ…
- 86二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 04:40:44
続きが来てて嬉しい…そして絵本のお話があかん…こんなん泣いてまう
- 87二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 12:29:51
保守
- 88二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 14:24:55
あげ
- 89二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 15:03:24
絵本はそうきたかすぎる…
この世界ではたぶん8月放送の特番としてNHKで実写ドラマ化されてる(確信) - 90二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 19:32:07
あげたい
- 91二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 20:39:49
きっと定期的にドラマ化されててウラヌス役は若手ウマ娘女優の憧れになってるんだ
- 92二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 23:42:50
みてくれは快勝以外の何物でもなし。否。問題があった。ウラヌスは仕掛けるのが遅れた。絶好のスタートが切れたからこその今回の勝利である。
長距離の練習のし過ぎで、体の感覚が流れている。鍛錬は鍛錬。基礎能力は上がっているからこそ今回は勝てた。
もし、次回以降のレース、特に東京優駿。ダービーをとることは最高の名誉という。そこにすべてを掛けるものもいるだろう。
ほんの少しのほころびが、その執念に付け入るスキを与えるのだ。
海軍と陸軍、連携ができていればあの島の戦闘ももう少しは… - 93二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 23:55:17
関連して次々思い起こされる。調べた戦争のこと。日本の敗北。そして、硫黄島の決戦の結果。
俺たちの死は、無駄だったんだろうか…
ライブを終えウラヌスが帰ってくる。俺がしゃんとせねばならん。
「帰りました!どうです?良い勝利でしたわよね!」
「あぁ、よかったよ。……すまない滅多なことを聞く。戦争があっただろう…?その、そこで犠牲になった兵は無駄死にだと思うか。」
聞いてしまった。先ほど自信を奮い立たせたばかりだというのに。いきなりなんだという顔をされる。至極当然である。
「いやすまない忘れて…」
「そうは思いません。」
「…」
「個々人の、上層部の思想はどうあれ、結果として私たち未来のために戦って命を散らした方がいるのです。それを無駄とは思いません。
大切なのは敗北勝利それぞれからなにを得るかではなくて?もちろん勝利に越したことはないですけど。」
その言葉を聞いて、私はまたあの島へ戻れるかもしれないと思った。戦えるかもしれないと思った。
「どうしましたの?突然。」
「いや、なんでもないさ。」 - 94二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 00:07:33
記者会見。質問攻めにあうは必至であった。
今後のローテーション、意気ごみ、作戦、ライバル、友達との話、日常生活、趣味。聞かれることは数あまた。少々疲れた。
そしてウチのお嬢さんはというと
「勝ちます!目指すは三冠!!」
高らかに宣言なすった。さあ大変である。翌週の新聞にはもちろんそれが載る。勝ち方も相まって話題はお嬢一色であった。
そして、弥生賞で見つけし課題をウラヌスに告げる。
彼女は以前のように逃げようとしたが、渋々やってくださるようだった。 - 95二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 00:14:38
練習中。ライスが持ってきてくれた記事の見出し
絵本から飛び出した大逃げウマ娘とバロン西。今回は悲劇ならぬ!?
だといいな、などと心の中で思った。
そして皐月賞を、多少中距離の感覚を持ち直したウラヌスは辛いところもありながら勝利。
問題は東京優駿。ダービーで起こる。 - 96二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 00:19:49
書いてる者ですが、少々だれてきた感は否めませんので多少速足で進みます。
- 97二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 03:07:37
おつー
- 98二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 10:14:08
保守あげ
- 99二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 14:23:54
あんま気にしないでじっくりやってもええんやで
- 100二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 20:44:40
- 101二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 01:58:03
保守
- 102二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 03:50:58
こんな素敵なSSがあったとは知らなかった。面白いです!
- 103二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 06:35:16
ほ
- 104二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 13:24:08
保守あげあげ
- 105二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 00:30:50
ほ
- 106二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 00:59:04
私は知る。慢心を。愚行を。そして真の鳥かごは私自身で、今まで私が籠だと思っていたものは私自身が作り出していたこと。
こんな滑稽なことがありましょうか。こんな悲しいことがありましょうか。こんな、こんなにも…こんなにも哀れな存在はありましょうか。
ターフで…私はただ一羽の自由な鳥でありたかった…物事の本質を見失い、自身の長距離への固執により、本来勝てるはずのに、敗北を喫した。 - 107二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 01:04:31
あぁ…まだ…あの子の…勝者の呼吸、鼓動、絶叫、あぁ…あぁ…あの足音が…芝を抉りながら私に迫るあの音が聞こえる…
私は、私によりダービーに負けた…あの子は全力だった…ダービーに一途だった…私は…?
おじさま…なんとおっしゃるかしら…
彼女のライブが終わり今向き合っている - 108二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 03:20:24
ほ!
- 109二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 04:12:08
続きが来ていた!
- 110二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 08:40:33
あげ
- 111二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 15:55:14
保守保守
- 112二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 17:49:56
「ねえ、あなたはどうして勝てたの?」
「必死だったから」
「それはそうでしょうけど…」
「わたしはダービーのために全てをささげた。おそらく勝てると思ってもまた一からコース研究や脚質の精査。鍛錬を怠らなかったわ。」
「それはわたしもそうよ?何が…どこに違いが出たのかしら…」
「あなた、本当にすべてのレースに燃え尽きてもいいと思って挑んでいて?」
「もちろ…ん…よ…ッ!?」
「心当たりはおありのようね?お嬢様?冠を一ついただきました。菊の冠もいただこうかしら」
「…」 - 113二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 17:57:01
「おじ…さま…?」
目の前の男は頭を深々と下げている。大の男が少女に向かい頭を下げるという稀なこの状況。ウラヌスは初めてだった。
「面目次第もなく。迂闊千万。抗えど我が力、今一歩及ばず。貴女に勝利を進むずること叶わず。」
「……おやめになって?おじさま…私、わかってるもの。いえ?教えられたの。きっとおじさまもわかってらっしゃって
中距離の練習をするよう仰ってくれたのですよね?」
「…」
「それに…私の性格もわかってらっしゃったのよね。だから私に強く言えなかった。だから貴方のできる限りで
当時の私にできる限りの強制をした。実際もしあれ以上強制されていたら貴方の元から去っていたかもしれません。」
「そしてもう一つ仰れなかったことがございましてよね?私自身が最大の鳥籠でしたのよね。私自身が私に制限をかけていた。
中距離に対する鍛錬を制限していた。そしておじさまの行動も制限していたのね。」 - 114二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 18:01:35
このレスは削除されています
- 115二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 18:04:21
「だから…私これからは認めることにします。私、この前おじさまに戦で命散らした兵は無駄なのか否か聞かれて
答えましたわね。敗北勝利それぞれからなにを得るか、それが大切だと。ふふっおかしいですね、わかっていたのに」
「…」
「敗北を認め、新たな学びを得て。私はターフを飛翔します。おじさま、お手伝いお願いできまして?」
「是非」
「あと…どこまで計算内でして?」
「……すまない」
「いいえ?ありがとう。」
お互いを見つめ微笑みあい、男爵とその愛バは次の勝利へと歩を進める - 116二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 18:13:58
これpart1で終わるかな
- 117二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 18:16:37
何も考えず好きに書いてますのでちょっと私もわからないですね
- 118二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 19:46:08
あがれ
- 119二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 00:53:39
あげ