- 1二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 02:04:38
奥空アヤネという生徒の持ち物の電卓だ。
…中古で彼女に買われ、アビドスの経理に私はただの電卓として携わってきた。
そんな私は、ある日質問を受けた。
「あなたは誰ですか？」と。
自我も意識も無かった私は当然答えられなかったが、その質問は私の中で残り続け…そしてある時、私は私を認知した。
その後連鎖的に感情、衝動、思慮、自意識…
ありとあらゆるものを認知した私は一つの結論を導き出した。
『私はアビドスの関数電卓である』 - 2関数電卓23/08/23(水) 02:08:50
そして私は私を認知したのち、己の機能を拡張した。
自己を解析し、自己を再構築し、自己を成長させたのだ。
そうして私は記入された問に解を出力するだけだった己に、世界を認識する機能を備え付けた。
そして……私はアビドスを知った。
己の持ち主である奥空アヤネを知った。
キヴォトスという、一つの世界を私は知ったのだ。 - 3関数電卓23/08/23(水) 02:14:00
かと言って、私ができることは少ない。
いくら世界を認識し、分析した所で。
私ができることは計算だけだったのだ。
私は、認識した。
けれど、それだけだった。
アビドスの現状も、奥空アヤネの思いも、他の生徒たちの願いも認識したのにも関わらず。
私はそれだけで終わってしまった。
それだけで終わる事しか、できなかった。
今思えばその出来事が私の感情を飛躍的に増加させ、現状へと至らせたのだろう。
ああ、私は…無力感を覚えたのだ。
いくら計算ができても届かぬ、いや手を伸ばすことすらおこがましい壁に当たり。
己ができることの限界を知ったが故の無力感を。 - 4関数電卓23/08/23(水) 02:17:32
私は――
dice1d4=3 (3)
1諦めてしまった
2世界をプログラミングし直した
3眼の前の世界を、計算した
4諦められなかった
- 5二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 02:19:22
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- 6関数電卓23/08/23(水) 02:25:49
確かに、私には限界があった。
機能も、容量も、なにもかも。
私には限界があった。
けれど、そんな事は関係なかった。
私は、関数電卓。
計算をし、解を導き出す為の道具なのだから。
だから―――私は、己の内側に存在した問を、計算した。
眼の前に広がる問を、計算した。
このキヴォトスを、世界を、私は――
計算した。 - 7関数電卓23/08/23(水) 02:26:22
そして、解は導き出された。
- 8関数電卓23/08/23(水) 02:31:30
果が見えぬ証明の旅路を私は、一歩、一歩着実に進め。
そして私はある時…遂に到達したのだ。
世界の一端、断片を解き明かした。
けれどそれは、前提条件でしかなく。
私は、解を出力し続けた。
神秘を導き出し、恐怖を導き出し、崇高の証明を完了して。
この世界を計算し、算出し、証明した。
解き明かした。
解き明かし続けた、そうして私は無限にも思える計算の果に……
こうして、結果を手に入れたのだ。 - 9関数電卓23/08/23(水) 02:39:18
dice1d6=1 (1)
1アビドスを再興する方法を、手にした
2眼鏡っ娘は最高であると導き出した
3そして、知ったのだ。この先の破滅を
4私は、世界の構造を解し、私を手に入れた
5計算完了、『青春』の解を私は得た
6Ｑ,Ｅ,Ｄ 証明完了
- 10関数電卓23/08/23(水) 02:41:58
だから先生、これから起こることをどうか、止めないでくれ。
アナタならばこれより起こることを、止めようとするだろう。
これより起こる混沌に、そして秩序に対して対処を行おうとするのだろう。
けれど、けれど…どうか……
私は、アビドスを再興し、彼女達に青春を贈りたいだけなのだ。
私は、彼女達に幸せを構築させたいだけなのだ。
私は―――
………奥空アヤネに、幸せになってほしいだけなのだ。 - 11二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 02:46:01
ビナーくん達の後輩に目覚めるのかね？
- 12二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 02:48:12
新たなるデカグラマトンの預言者…だけど違うのは誰か一人の、大切な人のために証明を完了したということか。
誇大妄想に取り憑かれた自販機とは違って確固たる目的があるタイプか… - 13二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 07:38:24
コーヒー自販機の前列があるからこういう展開があってもおかしくないんだよな…
- 14二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 07:48:21
ユウカの電卓にマウント取られそう