- 1二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 21:48:48
オレは逃げ出そうとしたがファインのSP隊長が立ちふさがってきた。
「申し訳ありません、殿下の言いつけですので……」
言葉通り申し訳なさそうな目で見つめられ、オレは深い深いため息をついた。
「わあ……！似合う！すっごい似合ってるよシャカール！」
ファインが目を輝かせながらスマホをこちらに向けている。
なぜか用意されていた自分の体格にぴったりのスーツに着られながら手で顔を隠す。
「……写真はやめろ」
「大丈夫！動画だから！」
「なにが大丈夫なンだよ！？」
わいわい言い合っていると、こっちをまじまじと見つめている隊長の視線に気づいた。
見つめ返すと彼女は思いもよらぬことを言い出した。
「シャカール様も殿下の護衛になってみますか？」 - 2二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 21:49:17
「……はァ？」
ぽかんとしているオレとファインの目の前で彼女が話しはじめる。
「シャカール様は上背もありますし頭もいい。トレセン学園の生徒ですから身体能力も折り紙つきです」
一瞬言いよどんだ後、彼女は目をそらした。
「……それに殿下の信頼も篤いようですから」
彼女の様子はどこか拗ねた子どものようで、思わず吹き出してしまった。
「わ、笑わないでいただけますかシャカール様！」
「いや、悪ィ悪ィ……こんな見た目のヤツを勧誘するなンて思わなくてな」
一つ息を吸ってから口を開く。
「オレは走るためにここに来た。壁をぶち壊すための仮説も、走ることでしか証明できねえ」
それに、とファインの額をつつく。
「コイツの面倒を見るのにアンタ以上の適任はいねェだろ。オレならゴメンだね」
つつかれた額をなぜか嬉しそうに押さえながらファインも話す。
「私も、隊長以上の護衛は考えられません」
隊長は頬を赤らめながらぽつりとつぶやいた。
「……恐悦至極にございます」
褒められて喜ぶ様子がやっぱり子どものように見えて、オレはまた笑ってしまった。 - 3二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 21:49:33
そろそろトレーニングの時間ということでジャージに着替え、廊下に出る。
グラウンドに向かって歩いているとファインがオレの顔を覗き込んできた。
「今度はなンだよ、ファイン」
「んー、ジャージ姿のシャカールもいいなって」
「オイオイ……なんでもいいのかよお前は」
「そうかもね」
オレのジャージの袖をファインが掴む。
「いまはシャカールの隣にいられれば、それだけで」
「……そうか」
トレーニングが始まるまでファインは袖を放さなかった。 - 4二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 21:50:25
シャカールはスーツ似合いそうだなあと思って
お目汚し失礼しました
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登場人物全員可愛い
- 6二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:15:26
SPさんええ人やな…
- 7二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:33:00
ふひいいいいいいい！
素晴らしい！ - 8二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:35:33
スーツ姿のシャカ絶対かっこいい
- 9二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:37:40
はーっすこ
- 10二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:47:14
この人も定期的に書いてくれて嬉しいですわ