- 1二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:49:38
連日のスカイからの猛アタックにより精神的に限界(良い意味で)を迎えていたトレーナーさんは、スカイの朝起きてから夜寝るまで、いや、夢の中までスカイ一色だった。そして、ついにスカイLove度が限界を超え机に突っ伏して気を失ったトレーナーさんは、次に目が覚めたらソファの上だった。
この状況や、自分にかけられているブランケットに混乱しながらも、練習メニューの考案の続きをしなければと机を見たトレーナーの目に飛び込んできたのは、机に突っ伏して自分のジャケットを羽織り眠りにつくセイウンスカイの姿だった。
よく見ると、机の上にはあの日スカイに渡したノートや今まで記してきた練習メニューの内容などが散乱しており、PCの画面には完成した練習メニューが写っていた。
声にならない悲鳴と共に急いでスカイに掛かっているジャケットを剥ぎ取り、代わりにさっきまで掛けられていたブランケットを優しくかけた。
自分なんかのジャケットを羽織らせている事がたまらなく忍びなく思えたのである。連日の作業でクリーニング出来ていないし、消臭してあるとはいえウマ娘の嗅覚に引っかかったらと思うと恥ずかしいからである。
その後、部屋の暖房の温度を自分用からスカイが最も好む高めの温度に設定し直し、部屋の電気を消し、備え付けの冷蔵庫からスカイの好きなお菓子を用意し、火災報知器を破壊しアロマを焚いた。
そして一連の作業を終えた後ふと気になり時計を見ると、既にトレセン学園の閉校時間はとっくに過ぎており、玄関等は施錠されているようだった。
トレーナーさんは途端に怖くなった。宿直室まで行くにも、懐中電灯など無かったからである。慌てて部屋の電気をつけるが、その瞬間パチンと音がして電灯が消えた。
どうやらブレーカーが落ちたらしい。トレーナーさんは震えた。
そういえばスカイは、と机を見るとスカイの姿が無い。
さっきまで机に突っ伏していたはずのスカイの姿はどこにも存在していなかった。
喉から空気が漏れる。脚は硬直し、手は震えてきた。
どうしよう。どうしよう。
暗い部屋に取り残されたトレーナーさんは不安でいっぱいになった。目から涙が溢れる。口からは嗚咽が溢れる。その場にふらふらと尻を着き、手は壁に凭れたまま、一人涙を零した。 - 2二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:49:49
どうしよう。
自分が無理して作業したのが悪かったのだろうか。夜遅くまで残ってしまったからこんな目に遭っているのだろうか。
トレーナーさんは怖かった。普段考えているはずのスカイの事すら頭から吹っ飛んでしまうほどだった。
すると、当然カタンと椅子が揺れた。スカイが座っていた筈の椅子だった。
それはカタカタ音を立てながらスーッと横にスライドすると、壁に当たって止まった。
直後、耳元で、「うらめしや〜」と囁かれた。
トレーナーさんは飛び跳ねた。
そして、体裁を取り繕う暇も無く暴れ、パニックになりながら近くにあったものを投げようとして、ふと声の主が目に飛び込んできた。
スカイだった。
トレーナーさんのジャケットを羽織りながら、いたずらっぽく微笑んで、そっと抱きついてきた。そして何度も背中を撫でてきた。
「あはは、もうトレーナーさんってば驚き過ぎですよ〜」
トレーナーさんは感極まって泣いた。それはもう泣いた。
そして、スカイをそっと抱きしめ返した。
暗くてよく見えないが、この髪の感触や香りはスカイのものだ。
トレーナーさんは安心した。どうやらブレーカーが落ちたのは偶然だが、その後の椅子はスカイのいたずらだったようである。
なぁんだ。トレーナーさんは未だ自分を抱きしめ続けているスカイを軽く叱ろうと、スカイの頭を撫でながら口を開き、ふと、
ちょっと待て。
そういえば自分はスカイからジャケットを取り上げた後自分で羽織っただろう。
それなのに何故目の前のスカイはジャケットを身に付けているのだろうか。
トレーナーさんの心臓はキュッと音を立てて縮み上がった。変な事に気がついたからである。それとなくスカイの拘束を外そうとするが、当然外れるわけもない。ウマ娘と人とでは身体能力が違いすぎるし、それ以前にそもそもこのスカイは本当にスカイなのだろうか?
自分の胸に顔を埋めているスカイをもう一度覗くと、示し合わせたかのように、バッと勢いよく顔を上げたスカイがもう一度いたずらっぽく微笑んだ。 - 3二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:52:52
ヒエッ
- 4二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:56:20
誰だお前は!
- 5二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 23:56:55
これのせいで夢の中でスカイが出てきたらどうするんだ
- 6二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:00:12
もしかしてスカイのもう一つの精神面がトレーナーさんを求めて這い出てきたのか...!?
これは...甘えられてるのか....やばいぞ....本体のスカイ合わせた
二人のスカイに挟まれたらトレーナーは耐えきれないぞ....!? - 7二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:00:15
夜になんてものを書いてるんだお前は
- 8二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:00:31
これはつよつよなセイちゃん…と思ったらトレセン学園によく出る怨念チックな類いか
トレーナーに明日は来るのか - 9二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:01:30
後半で吹っ飛んだけど何火災報知機破壊してんだ
- 10二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:02:07
普通に怖いじゃねーか!
- 11二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:02:18
トレーナーさん?トレーナーさん?
トレーナーさん?トレーナーさん?
トレーナーさん?トレーナーさん? - 12二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:05:28
そりゃアロマで火災報知器が鳴ったらセイちゃんが起きちゃうからだよ
- 13121/12/19(日) 00:09:25
- 14二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:12:21
軽い気持ちで開いたらホラーSSだった
- 15二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:12:33
闇のセイちゃんが心に潜んでいたんだろう…
- 16二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:15:05
ホラーSSで吹っ飛んだけど、このセイトレ感情豊かで可愛いな
- 17二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:34:05
ヒエ
- 18二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:40:16
- 19二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:41:20
- 20二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:42:39
朝に戻ってこれたら良いね
- 21二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:44:40
トレーナー室にジャケットだけポツンと落ちてそう
- 22二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:44:57
- 23二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:54:51
セイウンスカイ「私の愛する人になにをする気だ?」
- 24二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 00:58:00
トレーナー室の扉バァン!
- 25二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:06:59
トレーナーさんは──帰ってきた
トレーナーさんは朝になったら机に突っ伏して寝ていた。
どうやら悪い夢を見たらしい。
体の震えが止まらない。たまらず暖房をつける。
そうだ、確かスカイに…いや、スカイのような誰かに抱きしめられて、それから気を失ったのだ。
あれは夢だったのだろうか。それとも本当の事だったのだろうか。
出来れば夢であって欲しいと、…心からそう思う。
窓から差し込む光がトレーナー室を照らす。太陽はすっかり上っていて、日光の優しい熱が冷えた体をほんのりと温めた。いや、少し暑いような気さえする。だがお陰で体の震えも収まり、気分も落ち着いてきた。
机で寝たせいだろうか。凝り固まった体を解すため、腕を伸ばしたり体を捻って軽いストレッチをする。
コンコン。
トレーナー室の扉がノックされた。
トレーナーさんは、ふと、昨夜のことを思い出した。そしてまた怖くなった。ドアの前に立っているのが誰であれ、自分は平静で居られるのだろうか。例えそれが、大好きなスカイでも。 - 26二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:07:36
警戒しながら扉を開くと、そこにはスカイが立っていた。
体が震えてきた。震えの大きい指先を見られないよう手をそっと背中で組んだ。
「おはようございま〜す♪トレーナーさん」
おはよう、と返す。自分でも分かるくらい声がしぼんでいる。元気が無いように見えてしまっただろうか。心配させまいと、無理にでも笑顔を作る。スカイは少し顔を見て来たが、気にしていないのか視線をトレーナー室の中へ移した。
「そうだ、そういえば昨日不思議な夢を見たんですよ。私が幽霊になってトレーナーさんをびっくりさせる夢なんですけど〜」
ビクッと体が跳ねた。身に覚えがありすぎる。
おや?とスカイがこちらを見た。そしてにやりと笑った。
その顔は、昨夜胸の中でこちらを見上げたスカイの顔とそっくりだった。
ひ、と声にならない声が出た。喉が異常なまでに乾いている。手も。肌もだ。目線が泳ぐ。そんな話を今聞かされても、どうすればいいのだろう。
「もしかして、トレーナーさんも同じ夢見てたんですか?…まさかそんな事無いと思いますけど。だったら嬉しいな〜♪にゃはは」
とんでもない。そのせいでこちらは酷い目に遭ったのだ。
その後もスカイの口からは椅子を動かして悪戯したり、抱きついて怖がらせたらなど、覚えのある内容ばかりが話された。
だが、一部知らない部分の話もあった。だとすれば、スカイの話は本当に夢だったのだろう。私はスカイを抱きしめ返した後何したかなんて覚えていないし、そんな事に覚えはない。
話を聞いていると段々と落ち着いてきた。そうだ、あれは夢だったのだ。
ならばスカイと僅かとはいえ同じ夢を見られたのは、逆に嬉しい事ではないか? - 27二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:07:49
- 28二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:22:24
ハッピー…エンド…?
- 29二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:24:05
実際に出くわしたけれど、ちゃんと帰してくれたから本物のセイちゃんみたいに悪戯好きで優しい子だってはっきりわかる
- 30二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:25:39
どうしてホラーになってるんです?面白いからいいけどさ
- 31二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:25:55
セイちゃんもセイちゃんで何か体験してない…?これ
- 32二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:29:51
なんで火災報知器を破壊したことが伏線になるんだよ
- 33二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:32:36
たぶんギャグのつもりで入れた1文が話を転がしていくうちにホラーへ呼び戻す伏線になったんだろうなぁ・・・
- 34二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:32:41
まあセイちゃんが悲しむような事がなくて良かった
- 35二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:33:11
これトレーナー何か奪われてない?大丈夫?
- 36二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:35:26
その練習メニュー読めるの?
- 37二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:44:36
読めるんだろうなぁ…
- 38二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 02:53:33
やっぱ何かやられたんじゃね
- 39二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 03:01:32
そらもうセイちゃんへの想いをより深く自覚させたのよ
- 40二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 04:19:19
この怪異もまた気振勢であったか
- 41二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 04:44:00
こわい
- 42二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 04:49:10
この学校定期的に怪異湧くよな
あ、カフェトレが電気付けたまま寝落ちしてるから消しとこ - 43二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 08:39:19
ヒェッ…
- 44二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 08:49:46
帰ってこれてよかったね
- 45二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 09:45:31
これ本当に帰ってこれてる?大丈夫?
- 46二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 09:56:23
- 47二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 13:55:04
なんなんだろうなアレ
- 48二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 20:51:07
夜なので上げようと思う
否定はするまいな? - 49二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 21:22:41
もっと遅くに上げてくれ