【SSスレ】いってらっしゃい、アヤベさん

  • 1二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 10:01:32

    朝早く、眠い目を擦りながらトーストを齧るアヤベさん。
    昨日の疲れが取れてないのか、バターとマーガリンを間違えるアヤベさん。
    化粧を整えてフラフラになりながら出勤するアヤベさんの表情は、どこか身体が重そうで、張り詰めていた。

    私は、いつも夢を見る。
    あの小さな部屋で、啜り泣くアヤベさんの声が響く。
    そんなアヤベさんに、何もしてあげられなかった。
    いや、何も"しなかった"。

    アヤベさんの冷たい目に、足が竦んだから?
    違う。

    アヤベさんを傷付けたくなかった?
    違う。

    私は、自分が傷付きたくなかった。
    アヤベさんを受け入れ、求める事で、自分が傷付きたくなかった。
    アヤベさんに拒絶されるのが怖かった。

    私は、弱かった。

    子供だった。
    自分が何でも分かると勘違いしていた。
    未熟だった。
    "完璧"であろうとするその気持ちは、痛いほど分かっていたのに。
    何も分かっていなかった。
    遊園地で泣き喚いたあの日から、何一つ変わっていなかった。
    そうだ、私のすべき事は─────────────

    自分の弱さを、認めることだった。

  • 2二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 10:01:59

    ガチャリ、と無機質な鉄の音が響く。
    「ただいま」
    シダーウッドの少し甘い香りが、強張った身体をほぐしてくれる。
    今すぐにでも布団に入ってしまいたい気持ちを抑え、すーつのボタンをを外す。
    カチューシャを解き、ソファにもたれかかろうとした、瞬間。
    「アヤベさんっ!」
    ヴェルベットな気品を感じさせる、すべすべとした肌触り。
    ぽかぽかとして、恋しくなってしまう体温。
    間違いない。
    「……ただいま、カレンさん」
    「ふふっ、おかえりなさい♪」
    張り詰めていた身体と神経に、人肌の柔らかさは劇薬だ。
    「………………疲れた」
    全身が痛いし、目の奥がズキズキする。
    でも、こうやってカレンさんに抱き締められると、何もかもが吹っ飛んでしまう。
    あぁ、そうだ。
    人肌の温かさが、私には必要だったのかもしれない。 

    ───────抱き締めて、慰めてくれる人が。

  • 3スレ主23/09/02(土) 10:04:37

    終わり
    深夜にガッタガタで書いたやつだからクオリティはお察し

  • 4二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 10:07:44

    素晴らしい、ありがとうございます!( ̄ー ̄)b

  • 5二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 10:09:57

    アヤベさん、ふわふわが好きなあたり抱っことかに弱そうなんだよな

  • 6二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 10:28:13

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