女騎士は───浮気した。

1女騎士21/12/21(火) 00:21:20

ファインが丁度授業を受けている頃、女騎士はこそこそと少し早めの昼食をトレーナー室で用意していた。なぜこそこそしているのか、それは今作って居るものが焼きそばバゴォーンだからだった。女騎士はファインと共に毎食ラーメンを食べる事に別に苦痛を感じている訳ではなかった、しかしやはり時には焼きそばに浮気してしまいたくなるものである、女騎士は欲望をコントロール出来ないのだ。しかし秘め事というのは必ずバレる物で、いよいよワカメスープを作ろうとした時にSPの一人がトレーナー室に入ってきてしまったのだ。

「…おや今日のお昼はカップ焼きそばですか、毎日カップ麺で体調の管理は大丈夫なんです?」

女騎士は慌てた。もちろんファインがカップ焼きそばをこっそり食べたくらいで怒るような器の狭いお人でないのはわかっている、しかしラーメン一筋の彼女を差し置いて焼きそばに浮気するというのはいささか後ろ髪を引かれる思いがあるのもまた事実、故にファインに情報が漏れる可能性は１つでも潰して置きたかった。そして女騎士はSPに悪魔の取引を持ちかける。

「お１ついかがです?ワカメスープと一緒に食べる焼きそばは格別ですよ」
「いいんですか?ではお言葉に甘えて」
「もちろんです、ああでもこれを食べてたって事はどうかご内密に…」
「…?はあ、わかりました」

そうして食べ終わったゴミを処分し女騎士は証拠を隠滅した、「勝ち」だ。それと同時にファインがトレーナー室に入って来る。

「ねぇトレーナー!この間雑誌で紹介されていたラーメンを食べに…あれ?この臭いはソース?」

女騎士の背中を冷や汗が伝う。女騎士は心の中で祈りを捧げた。そのままバレないで…と
しかし次の瞬間グイッと顔を近付けられ、ドキっとしたのもつかの間ファインが悪戯な笑みを浮かべる。

「ふーん…私がいながら焼きそば食べちゃったんだ、しかもSPさん達まで口封じして…」
「えっそのっそれはですね!」

女騎士はぷんぷんビームに備えた、女騎士は学習できるタイプのアホだった。

「つーん…」

女騎士はそっぽ向きに耐えられなかった、すぐさま腹を切り、残っていたバゴォーン全てをSP達に振る舞った。
そしてファインは無事バゴォーンが気に入ったので拉致ぴょいおあずけ一回で許してもらえた。
女騎士はもうちょっと素直になろうとおもった。
うまぴょいうまぴょい。