すべてが終わった後サーヴァント退去の前日に

  • 1二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 18:35:10

    マスターとバーヴァン・シーの三人同じベッドで眠るまで一日じゅうとりとめのない話をしてマスターが起きたら二人とも消えてるっていうシチュを思いついたんだが自分じゃ文才が足りなかったので供養

    なおカルデアから帰ると普通に藤丸家にいる

  • 2二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 18:36:16

    >すべてが終わった後サーヴァント退去の前日に

    前提が崩れてるんですけど

  • 3二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 18:38:02

    ちょっと好きなので書いてみるかもしれない

  • 4二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 18:40:39

    ぐだにウソ800でもあげたのかな?

  • 5二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 18:40:41

    >>3

    ありがとう…ありがとう……

  • 6二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 20:07:33

    世界が全部元通りになって、サーヴァントがカルデアを退去する期限の前日的なやつね

  • 7問題製作所23/09/06(水) 20:28:25

    問:絶対に退去しないといけない日の前日にスレのことをしてから帰宅後、家の扉を開けて妻が居た夫の胸中や魂の色を答えなさい。
    【どんな答えでも理由次第で満点をあげるぞ(返信は遅くなるかも知れないが…)】

  • 8二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 20:29:56

    ネウロみたいだな

  • 9二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:23:17

    >>7

    もうしわけない、>>3だけどちょっと書いたから投稿させてほしい

  • 10二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:32:35

    ツッコミどころは寛大な精神でお願いします。それでは投下

  • 11二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:35:20

    それは20〇〇年、〇月〇日のこと。

    人理保証継続機関の名の下に、数多の危機を乗り越えてきたカルデア。星見台。
    多くの英霊をサーヴァントとして共に戦ってきた日々にも、いずれ終わりは訪れる。いや、訪れなければいけなかったのだ。世界がかつての在り様を取り戻すことが目的であり、それが果たされたなら、そこで戦いは終わるのだから。

    かつて人理焼却を阻止した際にもあったように。そして今度こそは、全ての終わりとして。
    ──カルデアのサーヴァントが退去しなければならない期限、それが明日の朝にまで迫っていた。

    「……退去希望のやつと一人ずつお別れって、お前…義理堅いというか律儀というか」
    「とてもじゃないけど簡単に『はいさよならお元気で』なんて無理だよ、バーヴァン・シー…。何度繰り返そうと別れは辛いけど、せめて最後に心置きなく言葉を交わして、笑顔で見送れたらって思ったんだ」
    「我が夫の時間が数日ほぼ、それとこの場所を引き払う準備とに費やされましたが…今ではもはや、私達三人だけとなったのですね」

  • 12二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:37:18

    >>11

    撤収準備がほぼ済んだカルデアの、ここもガランとしたマイルーム。藤丸立香の自室。

    もはや入り浸っていたサーヴァントも皆退去していた。……だけれど、ここに例外が二人。

    モルガン・ル・フェ。

    バーヴァン・シー。

    藤丸にとってこの2人はもうただの仲間やサーヴァントではなかった。では何か?と聞かれたら、今の彼なら自信をもって答えられる。正真正銘の『家族』だと。

    理由はどうあれ、召喚された時から藤丸立香の『妻』だったモルガンと、その愛娘のバーヴァン・シー。いくつもの旅を乗り越えて──いつかの夏も含め──彼と二人はこのように。

    共にベッドに川の字になるような間柄であるのだった。


    「……お前が感傷的になるのは仕方ないけど。ここには私とお母様がまだいるんだから、蔑ろにすんなよ?お母様の夫で、私の…なら、ちゃんと相手しろ」


    拗ねた、或いは諫めるような口調のバーヴァン・シーと、微かに微笑んでいるモルガンが彼の両側にいて、それぞれ彼の腕を抱きしめるようにしてくっついている。このどこから見ても美少女な娘がこれまた美しい、愛しいお母様と隣同士にならず、藤丸を真ん中にしているという事実。それこそ当初はただただ嗜虐的な振る舞いだけだった彼女がどれほど彼に心を許すようになったかを示していた。

  • 13二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:39:51

    >>12

    「ありがとう、モルガン。バーヴァンシー。最後まで残ってくれて」

    「当然です。……ですが、明日の朝に期限を控えたとはいえ今の段階で、他のサーヴァント全員退去するとは予想外でした」

    「きっと気を使ってくれたんだと思うの。…お母様と私とマスターとの時間を邪魔しないようにって」

    「マシュも今日一日、退去の最後の後始末があると……それとバーヴァン・シー。今くらい、口調は自由にして構いませんが」

    「大丈夫よ、お母様。雨の魔女の弟子としての私、妖精騎士としての私。悪逆の華な私、ぜーんぶ私!お母様の娘のバーヴァン・シー。無理なんてしてないわ」


    藤丸の右から左から、母娘の微笑ましい言葉が飛び交う。この2人の関係も、もともとあった大きな愛情をもとにかなり前進したと言える。藤丸とのそれと同じように。

    その彼は現在母娘が仲良く言葉を交わして素晴らしき親子愛を発露させてお互いに近づこうとするごとに、右から左から彼女らの豊かに実った胸を押し付けられている状況にある。

    その手で触ったこともままあるが、どうしたって心拍数が上がるのは抑えられない藤丸。

    それを二人は気付いていながらちゃんとスルーしてあげているという、この三人の馴染みっぷり。

  • 14二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:42:00

    >>13

    「今日の夜で終わり、なのか……明日の朝には、もう」

    「……わかっていたことです。ここで我が夫と過ごす時間、それは永遠ではなく。それがどれほど名残惜しいものであっても、朝を迎える前の宵闇のように不安なものでなく、むしろ輝かしいものであったとしても」

    「わかってる、けど……!」


    ただでさえ何人かのサーヴァントとの別れでは涙を流した彼は(サーヴァント側でも泣く者が少なからずいた)、今また酷く感傷的になりかけていた。さっきまで横に侍らせた美女と美少女にドキドキしていたのもつかの間。

    “この2人が自分の横からいなくなってしまうなんて、とてもじゃないけどイヤだ”

    それはただのワガママな、思春期を脱して逞しい青年となった彼が、もってはいけない子供じみた思い。

    出会いがあるなら別れがある。それこそが正に『Fate(運命)』というやつで、どうにもならないことではあったけれど。


    「困ったやつよね、私のマスターは」


    ふわりと笑ったバーヴァン・シーが、片手を伸ばして人差し指の爪で彼の頬を優しく突っついた。


    「今の私の眼でも、リツカの苦悩の色はよくわかります。…それでどうしようもなく、嬉しさを感じてしまうこの浅ましさを許して」


    微かに、ではなくはっきりと優しい微笑みを浮かべたモルガンが、片手を伸ばして手のひらで彼の頬を撫でた。

  • 15二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:43:43

    >>14

    「まだ『その時』ではないのです。リツカと幾つもの夜を越したこの寝台で、今こうしていることを楽しむべきでしょう。先ほどバーヴァン・シーも言っていたではないですか」

    「そういうこと。変にサがるテンションやめろよな。もっと楽しいコト、しましょ?」

    「……バーヴァン・シーってば、言い方」

    「何だよ、ナニ想像した?言ってみろって」


    クスクスと笑いが起きて、3人全員に伝染する。あのモルガンですらも。…もっとも今のモルガンは、藤丸と名実ともに夫婦となった彼女は、よくこうして優しい笑顔を見せるようになってはいたのだが。親友のハベトロットが「すっごく可憐」と評したその笑顔。

    そのハベトロットが退去する際に見せたモルガンの泣き笑いから察するに、もう冬の女王は二度と現れないだろう。苦難の人生を歩む前の、優しき春の雨のような穏やかな雰囲気を纏う彼女。

    加えて娘のバーヴァン・シーも、いつかの悲壮な在り方ではなく。「藤丸立香のサーヴァント」として、誇りも高く、ここにある。

    きっとそれは、藤丸ひいてはカルデアが正しい道のりを辿った何よりの証明。

  • 16二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:45:42

    >>15

    「最後は…3人で楽しく、過ごそうか。今までの話をして、楽しかった話をして、大変だった話をして、何でもない話をして……朝まで、ずっといよう」

    「もちろんです。綴る物語は、できることなら楽しい方がいい。そうでしょう、リツカ」

    「そうだね、『我が妻』」

    「あ、お前お母様のことそんな気障な言い方…!というかお母様、こいつのこと名前で呼んでたの?」

    「2人きりのときは呼んでましたよ、バーヴァン・シー」


    そこから始まるのは、長い長い思い出話。妖精國の思い出については、いつかのバレンタインの時分にモルガンのチョコレートの添え物として話されていたが…今度は、カルデアに来てからのこと。

    藤丸立香が人類最後のマスターだった時の話。モルガン・ル・フェが己のマスターと名実共に夫婦となるまでの話。バーヴァン・シーが妖精騎士トリスタンとしてマスターに使える立派なサーヴァントになり…そして、家族になる話。

  • 17二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:48:20

    >>16

    戦いの中でも楽しかった思い出は数限りなく、


    「あのヒールコレクション、今では希少価値だよね」

    「死ぬほど手間かけたからな…ガラテアやクレーンの協力もあったし」

    (……我が夫と娘との家族写真、ちゃんと撮れて良かった)


    話の種は枚挙に暇がない。


    「ホテルブリスティン、楽しかったな…でももっと遊びたかった!」

    「同感!お母様、今度機会があったらまた…今度は私も手伝うから!」

    「ふふ、甘くみてもらっては困ります。……その時はまた私一人でもたせますからバーヴァン・シー、お前は我が夫と一緒に存分に遊ぶだけでいいのです」


    楽しい時間は、あっと言う間にすぎてゆく。


    「妖精騎士杯、モルガン祭のよい予行演習でした。ブリトマート含む我が妖精騎士は、いつまでも私の自慢です」

    「お母様、それって私もってことよね?」

    「お前は同時に私の自慢の娘でもあります」

    「俺にとっても自慢のサーヴァントだよ、もちろんモルガンも」


    ベッドの上で何もかも忘れて語り、笑い、そうして日が落ちて──数刻。

  • 18二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:50:22

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:52:25

    >>17

    「すぅ…すぅ…」

    「……寝ちゃったんだけど、こいつ」

    「無理もありません。撤収準備に他のサーヴァントとの別れ、一番大変だったのはリツカなのですから。疲れが出たのでしょう」

    「……じゃあ、お母様、私達も」

    「ええ。……そのように、我が娘」




    次の日の朝、藤丸立香が目を覚ましたとき。

    ベッドの上にいたのは彼一人。


    「……ああ、そっか」


    泣くことはなかった。夢のように、楽しい時間だったから。


    「ありがとう──モルガン、バーヴァン・シー」


    鳥が囀り、夜は明ける。夢の終わり。




    カルデア職員、ゴルドルフはじめ皆…そして、最初から最後まで共にあった彼の盾。

    全てと別れを交わして(泣いた。大いに泣いた。あの二人との別れが笑顔だった代わりとでもいわんばかりに泣いた。なんなら全員泣いていた)、藤丸立香は日本に帰国した。

    飛行機を降り、列車に乗り、目指すは一路、藤丸家。

  • 20二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:54:19

    >>19

    いったい最後に門をくぐってからどれほど経つだろうか、もう二度と帰れないことすら覚悟したこともあったその懐かしき門構え。そして、彼の両親が待つ我が家。

    彼の新しい家族は連れてくることができなかったけれど、胸を張って父さん母さんに二人のことを話そう、万感の思いを込めて玄関の扉に手をかけ──



    「父さん母さん!ただい──」

    「お帰りなさい、我が夫」

    「遅かったわ、先にお邪魔してたから」



    シャツとジーパンにエプロンという新妻ルックなモルガンと、雨の魔女ルックなお嬢様姿のバーヴァン・シーが出迎えた。


    「………………………………………は?」


    藤丸立香、○○歳。

    出かけてから帰るその瞬間までが旅とするなら。

    ひょっとしたらこれはこの旅、一番の驚愕。引っ込んでろORT。

  • 21二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:56:05

    >>20

    二人の説明曰く。


    神域の天才であるモルガンは、こうなることを見越してどうにかこうにか現界していられる手段を既に見つけて、バーヴァン・シーにも伝えており。その処置も施し済みで。

    “言われた通り期限までにカルデアを退去して”藤丸の帰宅先までさっさと移動したとのことだった。


    「もうどこから突っ込んでいいのかわからない!!嬉しいけど!すっごく嬉しいけど!」

    「ありがとうございます。私も嬉しいですよ、我が夫」

    「あなたのことだから多分、虚空を見上げて『ありがとう二人とも…愛してる』とか言っちゃったりしたんじゃない?……マジ?図星?見たかったぜ」


    確かに彼がよく思い返したら、カルデアを退去するとは言ったが消えるとは言っていなかった気もする。……いや!気もするけど!と懊悩する藤丸に呑気極まりない声の愛する二人(彼ももはや認めている、愛する二人だ)。

  • 22二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:58:00

    >>21

    「本気を出せば私達のように現界しつづけられるサーヴァントもいたのでしょうが…そこまで踏み込むものは他にいなかったようですね。私達のように、図々しさを発揮するものは」

    「自分で図々しいって言っちゃうお母様も素敵!……でも、また会えてよかった。もっとお母様と、あなたと一緒にいられる」

    「モルガン…!バーヴァン・シー…!」

    「ああそれと、貴方のご両親に私達の関係については説明済みです。今二人は赤飯とやらを買いにいったところなのですが…この国ではどういう意味が?」

    「ああ……うん、帰ってきたときの父さん母さんのテンションが怖い……」



    かくしてここに、藤丸立香の旅は終わり。

    彼の人生の第二幕、続きの始まりが幕を上げる。

    それはきっと山あり谷あり、誰しもが歩む道のりのように波乱万丈で。

    それでもきっと、彼の側には最後まで二人がいて。

    幸せな物語を締めくくることとなるだろう。

  • 23二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:59:21

    >>22


    「「──おかえりなさい、リツカ」」

    「──ただいま、モルガン、バーヴァン・シー」




    fin

  • 24二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 21:59:57

    この後藤丸家はなんやかんやあって人口が増える予定です

    以上で終わり
    お目汚し失礼

  • 25123/09/06(水) 22:01:59
  • 26123/09/06(水) 22:03:46

    初めて出会ったっ!これが神作家!ありがとう!本当にありがとう!

  • 27二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 22:05:48

    良い物を見た

  • 28二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 22:15:12

    穏やかなお別れからのご都合ハッピーエンド…大好き♡

  • 29二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 22:48:59

    お疲れ様でした

    実際のところ妖精國の再建に比べたら妖精二人の受肉なんてモルガンなら楽勝だろうね
    妖精?時計塔?神秘の漏洩?はて何を仰いますやら、こちらにいるのはただの一般人ですが? 

  • 30二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 22:58:11

    おうレイシフトを1日足らずで解析して実行する大魔女を一般人と言うか

  • 31問題製作所23/09/06(水) 23:08:58

    100では足りないどころか点数つけるのも烏滸がましいレベルで良き!

  • 32二次元好きの匿名さん23/09/06(水) 23:34:51

    レス増えてるなと思って見に来たら神がいた
    ありがとう

  • 33二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 08:07:00

    家族で最後を過ごすのいいよね

  • 34二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 15:45:40

    良質なssが多くてありがたい

  • 35二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 21:32:01

    ハッピーエンドとはいいものですね

  • 36二次元好きの匿名さん23/09/08(金) 09:29:26

    ほしゅ

オススメ

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