シンダー・カーラはなぜオーネスト・ブルートゥを殺さなかったのか

1二次元好きの匿名さん23/09/07(木) 11:07:09

☆☆☆☆☆ 一言で言うなら時代がそれを許さなかった

二人の邂逅はアイビスの火の約40年後、カーラ○○歳、ブルートゥ21歳のことであった。
老いたりともいえ血気盛んなカーラがブルートゥに後れを取るということはない。
若いブルートゥのチャティなスティックを揉んでやろうという気概は当然持っていた。

本記録は『なぜ』の部分にスポットを当て、関係者たちの証言によって進められるドキュメンタリーである。

ハンドラー・ウォルター、サム・ドルマヤン、匿名希望のCパルス変異波形2体、傭兵支援型AIオールマインドなどへのインタビューによって、官能的とも言われたミサイルカーニバルを駆使し『灰被りのカーラ』と異名をとったオーバーシアーとしての活動や、ルビコン上で行われた論戦の顛末が詳細に浮かび上がる。

そこには若いブルートゥに対する愛憎の情や、これから花開かんとする二度目のアイビスの火への期待が読み取れる。
『なぜ殺さなかったのか』ではなく『なぜこの二人が同じ時代を生きたのか』を書き起こした著者渾身の一冊である。