- 1語り部21/12/21(火) 18:21:50
今からずっと昔、うんと遠いところに巨人がいたのさ。
そいつは太陽みたいにギラギラメラメラ燃えて光ってて、とびきり大きくて、ひとりぼっちだった。
でも寂しくも退屈でもなかったらしい。その7つもある目で色んな星を見ていたからさ。星の輝き、不思議な模様、そこに暮らす命。見ていて飽きなかったんだろうね。
でもいつしか、欲が芽生えた。
「さわってみたい」 「ともだちになりたい」 「ちょっとちかづくだけなら」
ゆっくり近づいていって、ドキドキわくわくしながらその星に挨拶した。
「こんにちは。ごきげんいかが?」
星は燃えて割れて、砕けていった。星の断末魔が真空の海に轟く。
___「星砕き」。巨人はいつしかそう呼ばれるようになりましたとさ。 - 2語り部21/12/21(火) 18:23:17
さて、唐突に現れた私は語り部。わりと忙しい身だからこのあたりで失礼! 気が向いたらまた話しにくるよっと
- 3二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 18:34:29
期待
- 4二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 18:35:40
悲しいなぁ
- 5語り部21/12/21(火) 20:29:48
巨人は泣きましたが涙は出ません。叫びましたが口はありません。そういう生き物ではなかったからです。
その代わり、周りの生き物は震えあがりました。巨人の叫びはテレパシーとして、遠くまで届いたからです。
やがて、巨人を倒そうとする生き物が集まりだしたのです。