- 1二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 21:57:23
夢の中で私はとある街の大きいなスタジアムにいました
ここで開かれる大きいな音楽の合同ライブに美琴さんが招待されたのでプロデューサーさんが美琴さんと一緒に来たのです
にちかさんは美琴さんだけ招待された事に『はいはい、どうせ私は芸人担当ですもんねー!』と拗ねりましたが、それでも美琴さんが招かれた事には嬉しいようでした
プロデューサーさんと美琴さんはスタップさんや他の共演者さんたちにたくさん挨拶をして回った後、ライブをする舞台まで見回りました
「うん、ライトも申し分ないし、音響も良いね。十分な広さもある。良い舞台になりそう」
「そうか、美琴を満足させられる設備でよかったよ。美琴、あのレールあるだろう?あれを使ってカメラと演出ライトも回るらしいから、それも忘れずに、な」
「……うん」
プロデューサーさんはスタップさんから聞いた舞台の仕様を美琴さんに説明してあげていました
美琴さんはそれをとても真剣な顔で聞いていました
「まあ、美琴はすぐにでも練習を始めたいかも知らないけど、今日のところは我慢な」
「そうだね。まだ設備の片付けも終わってないようだし。私がみんなのお仕事の邪魔になりそう」
「そういうことだ。美琴が練習の途中で怪我でもしたら大変だからな」
私は真剣な眼差しで舞台と観客席を見渡す美琴とプロデューサーさんの上を飾る、パーライト達でした - 2二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 21:58:45
出たわね
- 3二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 22:00:57
STAP
- 4二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 22:02:09
- 5二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 22:11:20
それはスタジアムの休憩室での事でした
プロデューサーさんはいつも使ってるノートパソコンでお仕事を確認してたんですが、ちょっと休もうとしてたのです
でも寝落ちしたプロデューサーさんは一瞬ビックリして目覚めました
なんと、寝てるプロデューサーさんのすぐ側で美琴さんがプロデューサーさんをじーっと覗き込んでいたのです
「うわ…っ、み、美琴か…!?どうしたんだ?」
「ううん、何も。プロデューサーが寝てたから」
間近で見る美琴さんの綺麗な瞳にドキッとしたプロデューサーさんは自分で考えても可笑しいくらいに慌てました
「そ、そうか、ごめんな。なんか用があったのなら起こしてもよかったのに…いま何時だ……?」
「8時40分くらいだったよ」
「…マジか、30分だけ休もうとしてたのに」
「そうだね。プロデューサー、5時間も運転してたからもっとちゃんと休むべきだったね」
「いや、そういう意味では…えーと、美琴は何時から来ていたんだ……?」
「20分くらい前かな」
「20分も俺が寝てるのを見てたのか……!?」
「うん、駄目だった?」
「ダメじゃない…けど、なんかすごく恥ずかしいな……!」
「でもプロデューサーが事務所で寝てると皆も静かに眺めてたよ」
「うぅ…っ、それもかなり恥ずかしいぞ……!」
もう出来るだけ机で仮寝取るのは辞めようと思うプロデューサーさんは荷物を片付けて美琴さんと席から立ちました
私はホテルに向かうプロデューサーさんと美琴さんを見送る休憩室の窓の外の躑躅でした - 6二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 22:36:32
河◯さんなにしてるんすか
- 7二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 23:31:56
- 8二次元好きの匿名さん23/09/09(土) 23:38:49
- 9二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 00:34:01
つつじの花言葉は節度と慎み
そして色別だと赤は恋の喜び、白は初恋になるそうで - 10二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 01:01:28
うわぁぁ久しぶりの文豪果穂だ!!
誰だ果穂にスタップ細胞の話した奴は - 11二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 09:26:12
- 12二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 09:35:45
それはホテルの廊下での事でした
プロデューサーさんは美琴さんを部屋まで見送り、自分の部屋に入ろうとしていたのです
(明日はバンドと早くから楽曲の打ち合わせをして、舞台の準備が出来たら美琴に簡単な慣らしを―――)
プロデューサーさんが明日の予定を考えてる時でした
「おや、これは283プロの…ここで会うとはね」
「あ、いつもお世話になっております……!」
「ははは、いや、そこまで283プロに声援した覚えはないがな。もしそう見えたのなら君の実力だろう」
「いえ、そんな事は……!」
放送局の偉いおじさんがプロデューサーさんに話をかけて来たのでした!
プロデューサーさんはちょっと緊張しながらも礼儀正しく応対しました
「しかし、なんで君がここに?」
「はい、この度合同ライブに参加する事になりまして―――」
「ほう?アイドルを何人か呼んだ話は聞いたが、283プロからも来るとはね。私の知る限りでそこまでのレベルはなかったと思うが」
「―――いえ、緋田美琴が招待を受けました」
「おお、そうか!緋田か!緋田ならまあ、大丈夫だろう…いや、すまんな、緋田が今は君の所に居るのを忘れてたよ」
「……いいえ」
「まあ、気を悪くしないでくれ。別にアイドルを軽く扱うわけではないが、やはり舞台には相応の役者はいるわけだからね」
「はい、十分に分かっております」
アイドルのみんなさんを舐めるような放送局の偉いおじさんの物言いにプロデューサーさんは少しむッとしましたけど、ちっとも顔に出すことなく返事を続けてました - 13二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 09:55:27
それからプロデューサーさんは放送局の偉いおじさんと色んなお話をしました
殆どは世間話でしたけど少しはお仕事に関わるお話もありました
「しかし、君も物好きだね。いくら歌とダンスが出来るとはいえ、緋田をアイドルとして使うとはね」
「……それは、」
「ルックスは良いがトークも、演技も出来ないしなぁ。もうちょっと若かったらそれもまあ、キャラになっただろうが―――」
「お言葉ですが、私は今の緋田も十分にアイドルとして通用すると思っております」
でも流石にこれだけは黙って聞き流せないと、プロデューサーさんは強い口調で語りました
「アイドルの在り方とは決して決められたものではないと…緋田には緋田だけのアイドル像があり、私はそれを人々に伝えるために出来ることを尽くす覚悟です」
「ふむ、そうか…まあ、君がそう言うならそれも良いだろう」
さて、そろそろ失礼するよと言う放送局の偉いおじさんにプロデューサーさんは深く挨拶をしました
でもおじさんは最後にプロデューサーさんに言い残したのです
「誤解がないよう言うが、私はアイドル業に馬鹿にしてるわけはないぞ、だが君にもうちょっと似合う肩書があるんじゃないかと思うだけだ。天井の元が窮屈になったら訪ねてきなさい。悪いようにはせん」
「……ありがとうございます」
私はあのおじさん、悪の幹部みたいな事言う人だなぁと思う赤いカーペットでした - 14二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 09:56:28
- 15二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 11:46:15
- 16二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 11:47:13
いつもPドルの夢見てんのか
- 17二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 11:57:13
シャニPを曇らせるな
おじさんを始末しろ - 18二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 12:04:35
夏休みで文豪パワーを充電してきたわね
- 19二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 12:38:58
部屋に一人で戻ったプロデューサーさんはずっと悩んでいました
それは先廊下で偉いおじさんから聞いたことのせいでした
プロデューサーさんははじめて美琴さんと会った時を今も覚えていました
最初は美琴さんの素晴らしいダンスに見惚れてたプロデューサーさんでしたが、それは美琴さんの魅力の内の一つでしかなかったのです
『歌とかパフォーマンスで、人々に感動を与えられるアイドルになれるのなら、死んでも良い』
プロデューサーさんは今まで様々なアイドル達と出会ってきました
皆それぞれの思いを抱いて真剣にアイドルとして頑張っていたのです
でもその中でも美琴さんは異彩を持っていました
決して言葉や一時の思いではなく、本当に自分自身の全てを掛けてあれほど理想の為に生きてるアイドルを、プロデューサーさんは他に知りませんでした
美琴さんの歌とパフォーマンスの真の美しさはその誠実さ、切実さを知って初めて分かるものだとプロデューサーさんは思いました
だからこそ、プロデューサーさんは美琴さんに『美琴はこれからもずっとステージで生きていくんだ…アイドルとして』と真心で告げたのです
(……でも、俺一人がそれを知っても―――……)
プロデューサーさんはそれが悔しく、惜しいと思いました
美琴の本当の魅力を、輝きを人々はまだ分からない
だからただの『歌とダンスが恐ろしいくらいに上手いアイドル』だとしか思ってない
(美琴の実力は完璧なんだ。そうだとしか言いようがない―――だから)
後は俺の仕事なのに、思ったより成果が出ない
(少なくとも、美琴はあんな事を言われて良いアイドルではない―――)
偉いおじさんの言葉を思い出すと、プロデューサーさんは自然に手に力が入りました
あのくらいしか言い返せなかった自分自身も、情けないと思われました
私は暗い部屋の中でずっと一人で悩み続けるプロデューサーさんの前に置かれた手帳でした - 20二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 12:46:55
シャニ世界に出演出来るくらいの程よい多方面失礼おじさんで非常に味わい深い
- 21二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 13:10:35
- 22二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 13:40:51
今回はかなり長編ね
いいわね - 23二次元好きの匿名さん23/09/10(日) 19:16:39
- 24二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 02:05:55
続きが読みたいわ
話の続きを見せてちょうだい - 25二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 07:41:41
文豪果穂やん 元気しとん?
- 26二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 10:15:24
- 27二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 10:17:46
次の日の事でした
美琴さんはステージの上で他の共演者さんやスタッフさんたちと話し合いながらライブの準備をしていました
その中には美琴さんのお知り合いの方もたくさんいましたので、お話は止まることなく続いていきました
「―――うん、私はその3曲出るよ。ソロ1曲と、合同で2曲」
「じゃ、美琴さんとやれるのはだった2曲かぁ、惜しいな。あんまりない機会なのに」
「本当、美琴と舞台上がるとそれだけでなんか学ぶんだよね」
「これはもうちょっと何とか出来ませんか、もっとこう…今回だけじゃなくて美琴さんと定期的にステージ上がれる何か」
「バカ言いなさい、何で美琴がアンタと舞台に上がるの。あんた完全に足引っ張るだけでしょ」
「本当そうー!美琴さんがステージ上がるんだったら、同じシーズのにちかちゃんでしょーが!」
「うわ、容赦ねぇー…」
「大丈夫、もし私に教えて欲しい事あったら何でも聞いて良いよ。出来るだけ力、貸してあげる」
「聞きました!?やっぱ美琴さんはやさしー!僕、もう感動しそうですよ!」
「美琴、甘やかしたら駄目だよ。こいつ、女にモテたいからドラム始めてたバカだから」
「アハハ、本当バカみたい!何でドラム?普通はギターでしょ?」
「いや、その話マジでやめてくださいよ!何年も前の事でしょ!?それにカッコいいじゃないですか、ドラム!」
プロデューサーさんは美琴さんが共演者さんたちやバンドの人たちと和気あいあいに話合うのを遠くから眺めていました
美琴さんはステージには恐ろしいくらい真剣で冷静でしたけど、本当はとてもやさしくて思いやりが出来る人でした
美琴さんのそういう一面をもっと多い人々が知れば、美琴さんのパフォーマンスに違う魅力を感じるファンも出来るかも知りません
(でも、それは美琴が望む形ではない……)
美琴さんが願いはあくまで歌やダンス、パフォーマンスで人々を感動させる事です
それを忘れてはいけないと、プロデューサーさんは気を引き締めるのです
私はそんなプロデューサーさんと一緒に美琴さんを見守る大きいなアンプでした - 28二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 10:58:59
- 29二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 18:39:53
何故か外だとコミュ力高くなるみーちゃん好きなんだ
- 30二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 19:01:54
そういえば今回珍しくアイドル視点じゃなくてシャニPの内面描写が多いね
- 31二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 00:15:56
果穂はもう寝ちゃったかな
早めの睡眠えらいね果穂 - 32二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 07:28:35
- 33二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 07:32:18
共演者さんたち練習が終わり、美琴さんが舞台から降りた時の事でした
プロデューサーさんはそんな美琴さんを微笑みながら待っていました
「お疲れ様、美琴。どうだ、問題はなさそうか?」
「大丈夫。今のところは上手く行きそう」
「そうか、それは良かった。さて、お昼はどうする?誰かと約束がなければ……」
「ふふ、じゃあプロデューサーにお願いしようかな」
「おう、任せておけ。実は昨日、ここの近くに美味しい店をお勧めされたんだ」
「……あ、プロデューサー、ごめんね。少し待って」
プロデューサーさんと美琴さんが一緒にお食事の為に行こうとしていた時です!
美琴さんが誰か見つけてはちょっとびっくりしてその人を呼びかけました
美琴さんと同じ歳くらいに見えるその女性はちょっと可愛い雰囲気で、服装からスタッフさんのようでした
美琴さんは彼女と親しい感じでお話をした後、プロデューサーさんにも紹介してくれたのです
「この子は私が練習生だった時一緒だったよ」
「は、初めまして……!」
「初めまして、283プロのプロデューサーを務めております。今は緋田美琴さんの担当プロデューサーでもあります」
「あ…プロデューサーさんでしたね、マネージャーなのかと…!」
「ははっ、よく間違われますよ」
プロデューサーさんは美琴さんの古い友人と会ったのがなんか嬉しいようでした
「練習生時代の友人なら、何時からの知り合いだったんだ?」
「15歳の時からだったね。練習生の中では一番最初に入るかも」
「美琴はその時からみんなの中から一番上手かったけどね」
「うん…でも、先にデビュー出来たのはキミの方だったよ」
「…あはは、すぐ終わっちゃったけどねー…」
「2年後だったかな」
「うん…覚えてくれてたんだ、美琴は」
「覚えているよ、全部」
静かに、温かく答える美琴さんに、友人さんは一瞬曇り顔をして言いました - 34二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 07:43:42
「……ねえ、美琴、今、楽しい?」
「………?」
「……アイドル、やって行けそう…?」
「……未来の事は分からない。でも、今はプロデューサーが支えてくれてるから」
「……そうなんだ」
友人さんは顔を伏せて小さく呟きましたけど、すぐ顔を上げて明るくなりました
「…私も美琴の話、聞いてるよ。シーズでしょう?いつも応援してるからね!」
「そうなんだ、ありがとう」
「今回の参加者に美琴がいるのも知ってたけど、まさか美琴の方から私を覚えて声かけるくれるとは思わなかった……」
「……?どうして?」
「…何でもない!私、もう行かないと。美琴も今回のライブ、頑張って!アイドルの力を見せてやれ!」
「うん、毎日練習、して来たから。この日のために」
美琴さんの友人さんはお二人さんに挨拶した後、ちょっと走って離れていきました
その後ろ姿をずっと見つめる美琴さんに、プロデューサーさんは静かに言いました
「……良い人だな」
「うん、一緒に練習生だった時は、一番親しかったかも」
「そうか……なのに、残念だな」
「……仕方ない事だね」
一年の間にもたくさんのアイドル達がステージに上がって、またたくさんのアイドル達が去っていきます
その中では大勢の人々に惜しまれながら引退する人もいれば、誰も知らないうちにひっそり消える人もいます
その事を誰よりも知ってる美琴さんとプロデューサーさんは少し、いたたまれない気分になってしまいました
私はそんな美琴さんの足元で転がる、空のペットボトルでした - 35二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 10:41:27
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 11:23:46
- 37二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 12:40:12
「終わった」はアイドル引退したってことなんだろうな…円満に…
- 38二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 18:20:21
アイドル引退してライブ会場のスタッフの仕事を…
- 39二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 22:41:40
- 40二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 23:23:08
偉いな果穂は
- 41二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 00:05:33
環境省とコラボもしたからな
- 42二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 06:22:27
続き楽しみ
- 43二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 12:58:48
ほしゅ
- 44二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 13:29:32
それからライブは本当になんの問題もなく進められました
元々美琴さんの実力は確かなものだったので何回か練習で合わせて見たりリハーサルをした後はもう安定的なパフォーマンスを見せられたのです
プロデューサーさんもその点は全然心配してなかったので、美琴さんが練習に専念してコンディションを維持出来るよう、気を付けるだけでした
そしてライブは始まりました
誰もが素晴らしい腕前を持ったとても派手でカッコいいステージが続きました
その中の一人である美琴さんも不足のない、プロデューサーさんから見ても完璧だと言っても良さそうな、そんな舞台でした
プロデューサーさんは美琴さんがステージの上で止まることなく自由に、何もかも解き放つようなパフォーマンスを見ながら思いました
―――美琴には華やかなステージが似合うよ
美琴を縛るものなどない、広くて絢爛な場所
その上で望むがままに、しなやかながら力強く踊るのが似合う
でもだからこそ孤独に見える
今そこにいるのが美琴ではなく、ただ美しい歌とダンスを再生するだけで
まるで公演が終わってライトが消されると美琴も一緒に消えてしまいそうだ
やはり美琴にはパートナーが必要だよ
ただ一緒に歌って踊るだけじゃなく美琴を見つめ、ステージに繋ぎ止めてくれる、そんなパートナーが
私はきっと素晴らしい舞台のはずなのに嬉しさよりも寂しさを感じてしまう、プロデューサーさんの手に握られたタオル一つでした - 45二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 18:02:03
このレスは削除されています
- 46二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:54:56
このレスは削除されています
- 47二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:57:47
美琴の思うパートナーの答えによってはにちかもシャニPもルカも曇らせることが出来る
ルカがパートナーって言え美琴 - 48二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 23:01:17
ルカは関係ないでしょ
- 49二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 23:56:10
美琴さんが舞台から降りた後の事でした
プロデューサーさんはとても喜びながら美琴さんを迎えました
美琴さんは激しく息をしながらも満足出来るステージだったようで、その顔は少し微笑んでいたのです
プロデューサーさんはそれもまた嬉しくて、美琴さんを急いで控室まで案内してくれました
でもその時スタッフさんがプロデューサーさんを探してたので、プロデューサーさんは急いで出て行かなければならなかったんです
「……大丈夫。休んでいるから行ってきてね」
「……っ、ごめんな、美琴。出来るだけ早く済ませて戻るよ…ええっと、一応準備しておいたものはこっちにあるからな……!」
美琴さんは控室に一人で息を整いながら少し考えました
283プロに来て、シーズとして活動するようになってから美琴さんは何度か大きいなステージに立つ事がありました
今日の舞台はその中でも特に大きいなライブに入るようなものでした
美琴さん本人は今日の舞台でのパフォーマンスは完璧とまでは行かなくとも、成功的だとは言えそうだと思いました
そしてそれは、観客席からの反応でも感じ取れるものでした
(………でも)
プロデューサーさんは違ったのでしょうか?
プロデューサーさんは降りて来た美琴さんを満面の微笑みと一緒に迎えてくれましたけど、美琴さんと目が合う前の一瞬、何故か少し暗い顔をしていたように感じられました
(………気のせいかな、それとも)
もしかしたら美琴さんも思いつかなかった美琴さんのミスをプロデューサーさんは見つけたのかも知りません
今日のライブにシーズを参加させるために、プロデューサーさんがとてもとても頑張ったのは美琴さんも知っていました
結局、参加できたのは美琴さんだけだったけどそれでも美琴さんはシーズとして、全てを人々に見せようとしたのです
「……ねぇ、美琴」
その時、誰かが控室に入ってきました
それはプロデューサーさんではなく、美琴さんの友人さんでした - 50二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 01:04:08
人物は初めてじゃないか?
これは続きがあるのか? - 51二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 02:08:12
どうも、俺が美琴の友人です
- 52二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 10:01:01
PみこSSだと思ってたらみーちゃんの情操教育SSの様相を帯びてきたわね…
- 53二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 14:48:45
これは果穂が友人になったのではなく美琴の友達が入って来たってのじゃないかな
- 54二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 18:37:40
美琴さんは友人さんを見て喜びました
練習生の頃から一緒にアイドルになるために頑張った仲間さんなのです
友人さんは残念にもアイドルを辞める事になったけど、美琴さんは今、こんなに大きい舞台に上がるくらいにアイドルしてます
だから、美琴さんが先にデビューしてたお友達を応援してくれてたように、美琴さんを、シーズを応援してると言ってくれた友人さんに『アイドル・緋田美琴』を直に見せてあげたかったのです
「どうして美琴は、アイドル続けられるの……?」
でも思ってもみなかった友人さんの言葉に、美琴さんは何も言えなくなりました
「私が悪いの?でも仕方ないじゃん…私も、私だって、私だって頑張ったよ…!」
「美琴より歌も、ダンスも出来なかったけど、それでも私だって、本当に頑張ったんだよ……!!だれでも美琴みたいにやれるわけがない……っ」
「良いよね、美琴は…あのプロデューサーって人、すごく真面目な良い人のようで…ちょっと有名な人でしょう?あのアンティーカもあの人の作品だってさ」
「そんな人にプロデュースしてもらって、美琴は良かったね。私は、私は……っ」
「私の運がなかったのが悪い?だったそれだけで、私の、私の夢も、未来も台無しにされて……!」
そして友人さんの嘆きが続く中、いきなり門が開かれたのです
「申し訳ありません。弊社のアイドルに個人的な用がありましたら、まずは私を通してからしてください」
プロデューサーさんはとても厳しい顔のまま、友人さんを睨みながら冷たく続けました
「ご退室、願います」
友人さんは涙を流しながら逃げるように控室から出て行き、控室には顔を伏せた美琴さんとプロデューサーさんが無言のまま残されたのでした
私はそんな友人さんが怖くておどおどするだけの控室の青いシクリッドでした - 55二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 18:58:26
終わっちゃったってやっぱりそっちだったか……
- 56二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 19:23:04
熱帯魚は草
- 57二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 23:22:00
このレスは削除されています
- 58二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 02:28:29
続き楽しみにしてる
- 59二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 09:42:33
このレスは削除されています
- 60二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:27:32
「その、すまん…余計なお世話だったかも知れないが、黙って見過ごせなかった」
「……ううん、ありがとうね」
美琴さんは大丈夫だとばかりにプロデューサーさんに微笑みましたが、その笑顔はとても疲れていて、悲しそうに見えました
ステージから降りた時の美琴さんはとても忠実で、華やかな笑顔をしていたのに、だったの数分で見る影もなくなったのです
「……良ければ、聞かせてくれないか、彼女のこと」
美琴さんはプロデューサーさんから渡された温かいコーヒーのコップを手に握ったまま頷き、話し始めました
「私たちは…一緒にアイドルの練習生だったよ。私が歌もダンスも確かに上手かったけど、でも彼女は…明るく優しい、良い子だった」
「アイドルのデビューも彼女の方が先だった。私は別にそれを疑問にも思わなかったかな…当たり前のことだとさえ思えた」
「……だから活動を応援して、雑誌とか、テレビとか…新聞記事も集めてたよ…でも、彼女は2年くらいで引退してしまった」
「何が問題だったのか、良くわからない。噂ではマネージャーが何か難ありな人だったとも聞いたし、彼女のアイドル活動そのものがあんまり上手く行きなかったとも聞いたけど」
「でも、私は……彼女が引退した理由には、あんまり興味がなかった……」
プロデューサーさんは言葉一つないまま、美琴さんの話を聞いていました
美琴さんは友人さんの事で心を痛めてますけど、美琴さんだって、決して恵まれた環境ではなかったはずです
10年も近くの時間、自身の目標のためにただただレッスンを積んでゆく中、美琴さんにもとてもたくさん悩みと不安があったはずでした
『人々が耐えられなくなるのは今がつらいからではない、明日に希望を持てないから耐えられなくなる』
有名な言葉ですが、それでも美琴さんは耐え切って来たのです
だった一つ、『人々に歌とパフォーマンスで感動を与えられる、そんなアイドルになりたい』と言う願いのためにでした
プロデューサーさんは改めて、美琴さんのプロデューサーとして背負うべき責任を感じました
美琴さんまで『あんな風に』してはいけないと、思ったのです
(……でも、今は)
今はその事よりも、目の前で顔を伏せて、後悔と悲しみに震える美琴さんが、とても弱々しく思われました - 61二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:38:30
「……『美琴が悪いわけじゃない、気にするな』なんて、無責任なことは言わないよ」
「それでも俺は、美琴が彼女の事情にあまり深入りしないで欲しい」
「彼女の身の上の不幸には、俺も同情するよ。プロデューサーとして、申し訳なさを感じるところもある」
「でも、それでも……彼女の人生は彼女だけのものなんだ。美琴だって、美琴の夢のために10年もかけて来たんだろう」
「彼女が不幸で美琴が幸運なのなら、その美琴の幸運だって、今までど諦めなかった美琴だからこそ掴むことが出来たんだと思う」
「俺は美琴が彼女の事であまり気負いして欲しくない。美琴だけじゃなくて、今やっと美琴の舞台を見れる、そしてこれから見ることになるファン達のためにも」
プロデューサーは静かに、そしてゆっくり言葉を続けていきます
こんな事を言っても良いのか、プロデューサーさんは悩みましたが、それでも少しでも美琴さんの気持ちを軽くしてあげたかったのです
「……うん、大丈夫。分かってる」
美琴さんも静かに、答えました。顔は伏せたままでしたけど、その口元は確かに少し微笑んでいました
「……ねえ、プロデューサー、私の舞台を見るファンが、これからもずっといるのかな」
「俺が集めるよ。美琴がステージで立ってる限り、ずっと」
「……そうだね、私にはプロデューサーが居てくれてる」
「はは…俺に美琴が居てくれてるの方が俺にはもっとじっくり来るかな、美琴がいないと俺もプロデューサーになれない」
「ふふ、じゃあ、私たちはお互いの為でもアイドルとプロデューサーを続けて行かないとね」
―――美琴、それも違うよ
美琴がアイドルとして舞台に立つ事に、俺の事は良いんだ
美琴の幸せだけを考えてくれ
華やかなステージの上で、誰よりも輝く時だけを
でもプロデューサーさんはその言葉を口には出さなかったんです
今はただ、美琴さんが少しは元気を取り戻したことだけが、プロデューサーさんは嬉しかったのでした
私はプロデューサーさんが目を離せない、美琴さんの胸元の今はヨレヨレになったコサージュでした - 62二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:38:37
このレスは削除されています
- 63二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:40:02
- 64二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:47:50
アイツは会えなかったかもしれねぇけど、美琴は会えたんだよ…テメェに…
絶対手ェ離すんじゃねえぞ… - 65二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 23:45:12
美琴は本当にシャニPと会えてよかったね……
- 66二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 23:51:17
- 67二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 10:06:09
このレスは削除されています
- 68二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 13:00:29
このレスは削除されています
- 69二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 13:01:36
- 70二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 16:59:55
プロデューサーさんと美琴さんは海に来ていました
ホテルの近くに海がある聞いた美琴さんが、行ってみたいと言ったからなんです
美琴の気晴らしくらいになるのなら…と思ったプロデューサーさんが、帰る前に少し時間を取ったのでした
夏ももう終わり、涼しい風が吹く中、他の人々もいない夕べの海辺は綺麗だけど少し寂しい気もしました
美琴さんとプロデューサーさんは砂場に座って、陽が沈み始めた海を眺めています
「……綺麗だけど、淋しいね」
「もうちょっと暑い時期なら人もまだあったかも知らないがな」
美琴さんが立ち上がり、海に方に歩いていきます
「夢を叶えるアイドルになれたら、死んでも良いと思ってた。でも、プロデューサーは……それを許さないのかな」
「そうだな、美琴が死んだら困るよ。だって、俺はずっと美琴を見ていたい」
夕陽に紅く染まりゆく美琴さんは、何故か妖しくも見えました
「そしてそれはきっと、俺だけじゃない。美琴のステージに魅了された人々も同じことを思うだろうな」
「ふふ、だったら良いね」
でも美琴さんは分かっていました
全てのアイドルが人々に愛されるものではないと言う事です
どんなに頑張っても努力をしても、ちょっとの不運や流行りで、たくさんのアイドル達は人々から忘れられて行くのです
―――そう、彼女のように
(でも、私には、プロデューサーが一緒にいる)
プロデューサーさんが砂場に座ったまま、美琴さんを見上げています
どんな考えをしてるのか美琴さんは分かりませんでしたが、それでも何を考えてるのかは美琴さんにも分かりました
「私の記憶にあるのは、今までずっとレッスン室だった…そしてそれが可笑しいことだとも思った事がない」
「283プロに来て、プロデューサーに会って…今まで一度もやろうと思わなかった事、たくさんするようになったよ」
「今はレッスン室だけじゃなくてプロデューサーも私の記憶の中にいる」
美琴さんはどんな顔をしてるのでしょう、プロデューサーさんにはよく見えませんでした - 71二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 17:14:35
「ねえ、プロデューサー。これからもずっと、私を見てくれる?」
「……勿論だよ。美琴から目を離すなんて、俺には出来ない」
プロデューサーさんの返事を聞いた美琴さんは靴を脱ぎ捨てました
そしてその場でゆっくりと、踊り始めました
「え、美琴……!?」
「駄目だよ、プロデューサー、見てくれるんでしょう?」
柔らかな砂場の上で美琴さんが優雅に動いていきます
美琴さんの綺麗な足は決して乱れることなく、美琴さんの思う通りに動いてるのが、プロデューサーさんにも分かりました
―――いつかは私も消える
永遠なものなんてない
それでも、少しでも永く続けて欲しい
迷いなく、力強く、私の夢を共にしてくれると言う彼と一緒に
砂場の上に美琴さんはまるで文字を残すように静かに踊り続けます
プロデューサーさんはそんな美琴さんの姿に釘付けたように目を離せません
この砂場に美琴さんが残した痕跡はきっと、すぐ波で消されるでしょう
でもプロデューサーさんの記憶の中ではきっと、永遠に残るかも知りません
流麗に踊る美琴さんの姿と一緒に
私は海の砂場で陽が沈むまで踊り続ける美琴さんとその美琴さんを見つめているプロデューサーさんを見下ろす、みずがめ座のサダルスウドでした - 72二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 17:16:51
- 73二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 18:17:05
今回も大満足だったよ果穂
初めて美琴のWING優勝コミュを読んだ時並に感動した
本当に小学生か…? - 74二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 20:07:16
- 75二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 22:41:19
サダルスウド(Sadalsuud):みずがめ座β星。みずがめ座で最も明るい恒星。意味は『幸運の中の幸運』
星の勉強でもしたのかな果穂? - 76二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 02:04:14
『幸運の中の幸運』って、美琴もプロデューサーも、お互いに出会った事かな
- 77二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 02:36:47
夏休みに勉強たくさん頑張ったんだな
偉いぞ果穂 - 78二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 12:06:40
- 79二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 20:02:39
冷徹な態度を見せるシャニPが新鮮な感じだった
- 80二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 07:22:15
果穂ちゃん放クラのお姉さん達にも色々教わってるんやろなぁ
- 81二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 09:33:24
チョコと凛世から変なドラマ影響受けてる!
- 82二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:05:36
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- 83二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:06:07
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- 84二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:06:28
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- 85二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:07:19
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- 86二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:07:46
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- 87二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:08:02
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- 88二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:08:23
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- 89二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:08:44
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- 90二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:09:01
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- 91二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 01:08:35
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- 92二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 10:48:18
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- 93二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 16:13:38
所属アイドル全員夢に見るのかな
- 94二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 23:16:30
283プロ全員夢に見たあとは他事務所も見てそう……
- 95二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 23:44:59
そういえば自分の夢は見てたっけ?
- 96二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 10:08:47
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- 97二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 11:10:54
野良でも果穂ちゃんの夢を見た事は多分ない