- 1二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:51:40
目覚めると、見慣れているのに見覚えのない天井が目に入った。
矛盾した感覚ではあるが、それは純然たる事実。
毎日見ているはずなのに、何故か見覚えがないというおかしな思考。
まだ頭が回ってないのかもしれないな、そう思って俺は身体を起こそうとする。
しかし、身体を上手く動かすことが出来ない。
全身に冷たい何かが、絡みついているような感触。
その『何か』はとても柔らかく、そして甘い香りをふんわりと漂わせている。
この匂いもまた、嗅いだことのあるような、ないような。
先程からの不可思議な感触に首を傾げながらも、俺は視線を自身を身体に向けた。
そこには────一人の金髪の女性が俺に抱き着くように横たわっていた。
心臓がどきりと跳ね上がる。
しかし恐怖は感じない。何故ならば、俺はこの女性のことを良く知っているからだ。
ただ、俺が知っている『この子』は『女性』というより『少女』という言葉の似合う容姿だったはず。
今、俺と同じベッドでいる彼女の見た目は、俺が良く知る『彼女』とは、微妙にズレていた。
金色の美しい長髪は、髪飾りで一つに縛られている。
スレンダーでしなやかだった肢体は、少しばかり丸みを帯びて、女性らしい身体つきになっていた。
顔つきもあどけない少女らしさを少し残しつつ、少し大人びた、色気も感じる美しさを感じさせる。
「んんっ……、あれ、あなたも“AWAK”をしていたんだね」
俺の動きで起きてしまったのか、彼女はピコンと耳を立てて、青空のような瞳をこちらに向ける。
そして、未だ呆気に取られている俺の頬をそっと撫でて、優しく、慈しむように微笑んだ。
「おはよう、ふふっ、“SUSL”だったからネオユニヴァースも“同期”しちゃったんだ」
目の前の女性は、自らをネオユニヴァースと名乗った。
それは俺の担当ウマ娘の名前で────目の前の女性は、その子と同じ顔で、違う顔をしていた。 - 2二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:51:56
結局のところ、俺はその場では何も言えなかった。
ただ、おはようと挨拶を返すだけで、ベッドの上で困惑しているだけ。
そうこうしているうちに、彼女……仮称ユニヴァースがひょいとベッドから起き上がった。
飾り気のない長袖のセーターにロングスカート、その前面には青いエプロン。
似合ってはいるものの、あまり彼女が選ぶ印象のない服装に、思わず目を奪われてしまう。
「“AM”の“栄養補給”の準備をしないと……あなたは“SLLY“で」
彼女はそう言って、こちらが何かを言う前に部屋から退室した。
俺以外誰もいなくなった部屋、外からは小さく階段を降りていく足音だけが響いている。
そして、俺は一人、ぽつりと言葉を漏らした。
「……なにこれ」
全く状況が理解出来ていないので、まずはそこから始めなくてはいけない。
まず、今いる場所について。
何となく、ずっとここにいたような安心感はあるのだが、まるで見覚えがない場所。
そもそも俺の今現在の居住地はトレーナー寮であるわけで、二階建ての家では断じてない。
じゃあ何故ここにいるのかというと、そのヒントはどこにもない。
次に、ネオユニヴァースを名乗る女性について。
彼女が間違いなくネオユニヴァースであるという確信はあるのだが、見た目が少し違う。
俺が良く知る彼女は成長したらああなるのかな、そう思ってしまうような、大人びた姿。
その推論が正しかったとして、何故急に成長したのか理由は全くの不明。
結論────なんもわからん。
……でもまあ、こういうのにも慣れて来た、恐らくはユニヴァースが何かをした結果なのだろう。
いきなり海外に飛ばされたり、見知らぬ過去に飛ばされた時に比べれば、穏やかなくらいだ。
こういう時の鉄則は、とりあえずユニヴァースと共に行動をすること。
俺はベッドから起き上がり、部屋を出ることにした。 - 3二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:52:12
階段を降りていくと、トントンと小さな包丁の音が聞こえて来た。
やはり見覚えのない家のはずなのに、足は迷わず台所のあるリビングへ向かっていた。
そこには────鼻歌混じりで楽しそうに料理をしている、ユニヴァースの姿。
不思議な気分だった。
彼女が料理をしている姿なんて見たことないはずなのに、見ていてとても穏やかな気持ちになる。
やがて、彼女は俺の気配に気づいたのか、尻尾を少し反応させながら振り向いた。
「“JYVE”だね、ちょうど『朝ご飯』が出来上がるところだよ」
そう言って、彼女は手際良くテーブルに料理を広げ始める。
手伝うべきかと思ったが、そんな隙もなく、食卓の準備は完了した。
ご飯、玉子焼き、焼鮭、海苔、納豆────そして、豆腐の味噌汁。
そういえばネオが朝食には必須だって言っていたな、と思い出して口元を緩ませてしまう。
俺は促されるがままに席について、彼女と向かい合う。
机に広がる、定番というべき日本の朝食メニューに思わずお腹が鳴ってしまいそうだった。
そして俺達は、まるで毎日の習慣のように、声を揃えて「いただきます」と告げる。
俺は最初に、湯気が立ち上る味噌汁を取って、一口啜る。
鼻から抜ける優しい香り、そして味蕾を刺激するダシや味噌の旨味、思わずほっと息を吐いてしまうほどの温かさに身体が包まれて、気持ちまで温かくなってしまうようだった。
「……うん、美味しいよ、ネオ」
「ふふっ、それはスフィーラだね……そうだね、納豆と“接触”する前に」
「えっ」
「ネオユニヴァースはあなたに“AUHN”をするよ」
そう言ってユニヴァースは焼鮭を小さく切り分けて、箸で掴む。
そして、少し身を乗り出すようにして、俺の口元へと差し出すように運んだ。
……えっ、そういうことするの? - 4二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:52:33
困惑する俺の前で、彼女はにこやかな表情を決して崩さない。
俺が必ずや食べてくれると信じて疑わない、そんな顔。
しばらくの硬直の後、俺は諦めて少し顔を熱くしながらも、差し出された焼鮭に食いつく。
……程よい塩加減に、脂の乗った身、焼き方も見事で、とても美味しい。
言葉に出さなくともわかるのか、目の前の彼女は嬉しそうに顔を綻ばせて、耳を動かす。
「じゃあ次はネオユニヴァースの“TURN”だね……『アーン』」
次いで、ユニヴァースは、口を俺に向けて開いた。
普段は見ることの出来ないはずの彼女の舌が、奥歯が、口蓋垂が露になる。
その光景はとても綺麗で、何故か色っぽく、そして背徳感を感じさせるものだった。
……いや、何をじっくり見てるんだ俺は。
気づかれないように小さく深呼吸をして、俺は彼女と同じように焼鮭を彼女の口に運ぶ。
ゆっくりと咀嚼し、飲み込んだ彼女は、口元を押さえながら目尻を下げた。
「今日の“SYAKE”は、とっても『甘い』をしているね……♪」
俺が良く知るネオユニヴァースとは違う、どこか蠱惑的な笑み。
今まで見たことのない、彼女の表情。
心臓が、どきりと跳ね上がる。
本来ならば何かを感じ取らなくてはいけないのに、俺はただその顔に見惚れてしまっていた。
どこか惚けたまま俺は食事を終えて、一緒に片付けをして。
しばらくゆっくりとお茶を飲みながら過ごした後、ユニヴァースは立ち上がった。
「“シグナル”へ、共に“プラネター”になって欲しいな」 - 5二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:52:49
差し出されるは、小さく、白魚のような手のひら。
散歩に行きたいと、彼女は俺を誘っていた。
────断るべきだ。
未だにこの状況を、俺は何も掴めていない。
目の前の彼女が本当にネオユニヴァースだとすれば、問えば答えてくれるはずだ。
散歩はやめておこう、この状況はどういうことなんだい?
そう問いかければ良い、それだけの話だ。
しかし俺は、誘われるままに、その手を取ってしまう。
すると、彼女の細い指先は滑らかに動き回り、あっという間に俺の指を絡めとった。
「……“REEN”だね、この“コネクト”を維持して“ランデブー”をしたい」
「……ああ、一緒に行こうか」
ああ、ダメだ。
さっきからずっとそうだ。
問いかけるチャンスは何度もあったのに、その気概は何度も削がれてしまう。
ユニヴァースの幸せそうな、楽しそうな、心地良さそうな顔を見てると、水を差す気が失せる。
今もまた、彼女の手を取って、俺は立ち上がっている。
結局のところ、彼女と同じように、俺も楽しんでしまっているのだろう。
日常でありながら、非日常である、この謎に包まれた状況を。 - 6二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:53:06
家の外は、学園近くの風景に良く似ていた。
俺とユニヴァースは目的も目標も決めずに、ただ歩いて回っている。
他愛のない会話を繰り返しながら、ふらふらと、風に運ばれる葉っぱのように。
ぴゅうっと背中を押す風はどこか冷たくて、繋がっている彼女の震えが伝わって来た。
「まるで“ブーメラン星雲”のよう、“断熱材”が“NERY”だね……んしょ」
ユニヴァースは一旦手を解く。
手のひらに彼女の温もりが残って、少しだけ名残惜しさを感じてしまう。
しかし、そう考えていられるのも、束の間の出来事であった。
空いた手が、柔らかくて温かい感触に包まれる。
手だけではない、先ほどまで彼女と手を繋いでいた腕全体だ。
見れば、ユニヴァースは全身を押し付けるように、俺の腕に絡みついていた。
そして、上目でこちらを見つめながら、微笑みかける。
「ふふっ、これじゃあ“ドッキング”かな、ネオユニヴァースは『あったかい』をしているよ」
俺はそうだね、とだけ返して、目を逸らした。
確かに、ユニヴァースの言う通り、寒さはあまり感じない。
それが彼女のおかげなのか、顔から発せられる熱からなのか、それはわからなかった。 - 7二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:53:24
「……“ランドマーク”、ここに“着陸”したい」
街を見渡せる丘の上、ユニヴァースはベンチを指差した。
お互いにベンチへ腰かけても、彼女はくっついたまま。
かなり昔にこんな感じの人形が流行ったんだっけと、急に思い出した。
「もう“ETD”、あっという間、“ウラシマエフェクト”だね」
ユニヴァースは遠くを見つめながら、そう言った。
その表情には、どこか寂しそうな、でも勿体無さそうな、そんな色を感じられる。
やがて、感傷的な気持ちを吹き飛ばすように彼女は笑みを浮かべ、こちらを向く。
「────それじゃあ、『あなた』の“MIS”をネオユニヴァースは答えるよ」
向けられる、全てを見透かしているような、青い瞳。
きっと彼女には俺が疑問を持ちながら、見過ごしていたのもお見通しなのだろう。
ならば遠慮なく聞くのが、むしろ礼儀といえるかもしれない。
俺は、彼女に問いかける。
「君は、俺が知っているネオユニヴァースなのか?」
「……アファーマティブ、でもネガティブ」
肯定かつ否定、とユニヴァースは答える。
その答えを俺は、なんとなく予想していた。
ずっと確信はしていた。彼女は俺の良く知るネオユニヴァースであると。
でも、それと同時に俺がいつも見ているネオユニヴァースではないとも、思っていた。
そして、その二つはある結論においては、矛盾しない。
要は、見た目通りの話なのである。
「『私』は、私とあなたがずっといられる『新しい宇宙』────その未来から来たんだ」 - 8二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:53:43
そっか、と頷く俺にユニヴァースは不思議そうに首を傾げた。
「……ビックバン、しない?」
「うん、まあ、そんな感じだろうなあ、とは」
「むぅ、“FANON”みたいに机から“射出”したりするべきだった?」
「…………まあインパクトは大きそうだけど」
「『パーパッパーパ、パパパパー、テッテン』」
「それ別のヤツ」
おかしいなあ。
ちょっと前まではすごい真面目な話が始まる雰囲気だったんだけど。
すっかり緩んでしまった空気に、少しだけ肩の力を抜いて、俺は話を続けた。
「それで、この世界は現実のもの……じゃないんだよね」
「アファーマティブ、あなたの時間軸のネオユニヴァースの意識を“中継器”にして、私の意識とあなたの意識を“DSN”上に“接続”、一種のVRを頭の中で“再現”したシミュレーションの世界」
「……えっと?」
「いわゆる『夢の世界』、現実のあなたはトレーナー室で“DZOF”だよ」
とりあえず、夢の世界だということはわかった。
そして夢はいずれ覚めるもの、彼女の感じからするに、終わりの時は近いのだろう。
俺は彼女に問いかける。多分、悪意はないんだろうけど、と思いながら。
「ちなみに、何のために来たんだ? こういうことって簡単に出来たりするの?」
「後者はネガティブ、本来ならば私と『私』の意識の間には“カーマンライン”があって“CMIN”は“EXDFF”、だけど私達の“周波数”の“一致”が“観測”されて、“EXLY”に“CETI”してみたんだ」
「…………端的に換言すると?」
「『たまたま』出来たから『やっちゃった』んだ」
ユニヴァースは口元を隠しながら、悪戯っぽく笑う。
大人っぽいのに、どこか無邪気なその笑顔に、文句を言う気すら起きず、俺を釣られて笑みを零した。 - 9二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:54:08
「……“恒星”になった私の『感想』を、あなたに“REQU”するよ」
ユニヴァースはそう言うと、急に胸を張り始めた。
まるで、その部分を強調するように。
俺はそこにはあえて視線を向けないようにしつつ、言葉を紡いだ。
「……驚いたよ、背も高くなって、とても綺麗になって、でも今の魅力も残ってて」
「スフィーラ……だけどネガティブ、この“ホイヘンス山”を“観測”して欲しい」
「…………いや、女性のそういう部分を見るのは、ちょっとね」
「『9』と『7』だよ」
「それはサバ読み過ぎでしょ」
「……」
「……ごめん、反射的に、つい」
「……ネオユニヴァースはちょっとだけ『誤魔化し』をしたよ、1.5855×10の-17乗光年ほど。広大な“銀河”からすればちょっとした“誤差”」
「二重の意味でスケールの大きい話だね」
俺が少し呆れながら言うと、ユニヴァースは俯いて、目に見えて落ち込んでしまった。
……それは、まあ、ベッドの時とか歩いている時とか接触してたからちょっとは思ったけども。
とはいえ、不用意な言動で傷つけてしまったのは事実、事実かなあ。
フォローの言葉を伝えることに、俺は脳漿を絞り始めた。
「君の魅力は儚さというか、浮世離れした雰囲気にあるというか」
「……」
「あっ、勿論女性らしさも増して……ってセクハラかなこれ、とにかく魅力的になったと思う」
「…………」
「といっても今の、過去の君が魅力的じゃないわけではなくて、どっちも素敵な女性というか」
「………………ふふっ」
「変わる良さと変わらない良さが絶妙なバランスで……ってネオ?」
俯いた彼女は、ぷるぷると肩を震わせて、笑いを堪えるようにしていた。 - 10二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:54:27
謀られていたことに気づいて、俺は思わずため息をついてしまう。
顔を上げたユニヴァースは、それはまあ、良い笑顔を浮かべていた。
「ふふっ、過去も、現在も、未来も、あなたは“GENY”なんだね」
「…………未来でもこんな感じなのかな」
「それは『ヒミツ』をしておくよ、未来は“ダークマター”じゃないといけないから」
「そっか、じゃあ楽しみにしておくよ」
どれだけ先の未来かはわからないけれど。
どういう形であれ、彼女と会うことは出来るとわかったから。
色々と言いたいことはあるけれど、その時に纏めて言えばいいかと、そう思った。
「……そろそろ跳ばないといけないね、“KICS”だよ」
ユニヴァースは名残惜しそうにそう言うと、何時の日かと同じように俺の目元に手のひらを向ける。
懐かしいな、と思い出しながら目を閉じると、ひんやりとした感触で押さえられた。
ああ、そうだ、ちゃんと別れの言葉を告げないといけない。
ふとそう思って、口を開こうとして。
────温かな感触に、その口を塞がれてしまう。
「……んなっ!?」
「……ふふっ、顔が“赤方偏移”をしているね、この頃のあなたは『ウブ』なのかな?」
慌てて後ろに飛びのくと、そこにはぺろりと唇を舐めながらこちらを見つめるユニヴァース。
その目はとても熱っぽく、妖しく、そして色っぽく輝いている。
「昔からあなたにはいつも『ドキドキ』させられてるから、“REVG”したかったんだ」
それが本当の目的と言わんばかりに、彼女は笑みを浮かべた。 - 11二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:54:47
……参った、心臓の音がうるさいくらいに響いてしまっている。
俺は両手を上げて、降参の意思を示すと、とても情けない言葉を彼女に送った。
「参った、正直とてもドキドキしている……だからもう勘弁してください……!」
「えへへ、セクシーユニヴァースでごめんなさい、だね」
彼女は袖口で口元を隠しながら、楽しそうに表情を緩める。
それは、俺が良く見ていて、ずっと見ていたいと思う、ネオの笑顔そのままだった。
ああ、ずるいよなあ。
その顔だけで、なんでも許したくなってしまうのだから。
「とっても『カワイイ』をしていたよ、“PHGR”に残したかったくらい」
「まあ、満足してくれて何よりだ……よ……?」
刹那、ぐらりと視界が歪む。
そして意識が急速に薄くなっていき、どんどん目の前が真っ暗になっていく。
閉じた視界の中、ひんやりとした感触と共に、小さな言葉が鼓膜を揺らした。
「だからお礼に────私の『カワイイ』を“PRST”するね、『あなた』」 - 12二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:55:15
目を開けると、見慣れていて、見覚えのある天井があった。
……というか、トレーナー室である。
目覚めは妙に良好、先ほどの夢の内容も、殆ど綻びなく覚えている。
────唇に生々しく残る、温かい感触も、例外ではなかった。
「はあ……なんて夢を見てるんだか」
夢の中でのユニヴァースは自分が夢を見せたといった。
しかし、それは俺自身が頭の中で見せた、都合の良い解釈であることも否定できない。
そうだった場合、俺は自分の担当ウマ娘に対して良からぬ妄想するヤツということになる。
「……煩悩を払いに行こうかな、どっかトレーナーが詳しいとか聞いたことあるけど」
誰のトレーナーだったろうか、それなりに有名なウマ娘だった気がするけど。
そんな思考を巡らしている最中、コンコンと遠慮がちにドアがノックされた。
「トッ、トレーナー、今は“ALT”かな?」
「あっ、ああ! 大丈夫だよ! 待ってて、すぐに開けるから」
静寂の夜空に響くような儚げな声。
聞き間違えるわけもない、担当ウマ娘の声だった。
夢の内容がモヤモヤと湧き出て来るが、それを振り払って、立ち上がる。
ドアには鍵をかけっぱなしで、開けてあげなければ入ることが出来ないからだ。
鍵を外して、ドアノブを掴み、くるりと回して、扉を開ける。
ふと、夢の中での彼女の言葉を思い出した。
『────あなたの時間軸のネオユニヴァースの意識を“中継器”にして、私の意識とあなたの意識を“DSN”上に“接続────』
……良く分からないけど、俺が見てた夢って、もしかしてネオも見てるんじゃないか?
当然そんな疑問には誰も答えてはくれず、無機質に扉が開く音が響き渡るだけ。 - 13二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:55:47
そして、開けた先。
「……っ」
そこには顔を真っ赤に染め上げて、目を逸らすユニヴァースの姿があった。
頬の赤みを隠すように、口元を袖で押さえているが、顔全体が赤いので効果がない。
視線は明後日の方向を向いているけれど、時よりチラチラとこちらの口元に。
耳はピコピコと忙しなく動き、尻尾は興奮気味にブンブンと揺れている。
そんな彼女の姿を見て俺は────ああ、可愛いなと思ってしまった。 - 14二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:56:09
お わ り
セクシーユニで申し訳ないって言わせたかった - 15二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:58:04
よいもの見れたよ
夜更かししててよかった - 16二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:58:13
"APPR"…だね
- 17二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 00:59:25
スフィーラ
- 18二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 01:01:10
スフィーラ、とても“wdfl”だね、あにまんみんはこのSSに『尊い』を感じているよ
- 19二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 01:45:44
うーん尊みビックバン...
- 20123/09/11(月) 07:28:25
- 21二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 07:38:50
可愛かった…
ユニちゃんサイドも見たいわね - 22二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 11:17:27
スフィーラ……
顔真っ赤照れ照れネオユニヴァース、"VECU"だね - 23二次元好きの匿名さん23/09/11(月) 17:27:38
いいものよませてもらったわ。感謝感謝。
- 24123/09/11(月) 22:25:33
- 25二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 04:21:08
- 26123/09/12(火) 07:55:07
- 27二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 09:56:19
てぇてぇ…
照れユニ良き… - 28123/09/12(火) 14:36:09
それが書きたかった……!
- 29二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 15:01:53
気がついたら成長した自分になってて体が勝手に行動してて運命的に大好きなトレーナーとイチャついてるのを体感させられるなんて意識が爆発しそう
それとも神の目視点でまじまじと見せつけられてたのか…? - 30123/09/12(火) 22:11:11
- 31二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 22:20:00
すごく良かった
ありがとうございます… - 32二次元好きの匿名さん23/09/12(火) 22:22:18
- 33123/09/12(火) 23:58:19
- 34二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 00:09:14
ユニ違いじゃねーか!
それはそれとしてとても美しいものを見た - 35123/09/13(水) 01:05:13
トレセン学園のやべーヤツには違いないからセーフ
- 36二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 01:54:17
他世界のユニちゃんたちが感想を送り付けてる
- 37123/09/13(水) 08:42:33