- 1二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 20:54:11
- 2二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 20:55:09
あっ…死に目にも会えなかったモブか…
- 3二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 20:57:35
- 4二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:04:50
- 5二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:05:48
- 6二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:07:01
ユメ先輩からの引き継ぎでホシノは知らなかったのかな?知らなかったなら連絡出来なかった事に後悔しそう
- 7二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:17:18
方舟周りの必要性もポシャってるから底値で返してもらえる可能性ワンチャン
- 8二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:18:42
- 9二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:28:38
- 10二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:33:21
ホシノおじさんの変貌ブリに前より落ち着いたね〜って言ってホシノがブチギレそうな感じがある
- 11二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:35:22
「いやー、ホシノちゃんなんかキャラ変わった?ちょっと昔の雰囲気漏れてるけど」
- 12二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:37:09
冷静に考えると3年かけてここまで出来てるだけでもとんでもない…流石元アビドス生…
戦闘力とかはどうなんだろう、やっぱり強いのかな? - 13二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:51:27
- 14二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:52:30
とっつき使いかぁ…
- 15二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 21:57:09
「あ、ああ、うん、ごめんねホシノっち。これでも結構急いで作ったんだけど、やっぱりユメパイセン卒業しちゃったかぁ……お別れの挨拶くらいしたかったんだけど」
「それでええっと、アビドスの土地の権力だっけ?全部は流石に無理だけど私の貯金を崩せばちょっとは買い戻せるだろうし、ちょっとずつ緑化していけばいつか人も戻ってくるよ!」
「卒業したユメ先輩もいつかはまた会えるだろうし、それまで砂祭りを開催できるくらいにはアビドス復興頑張るぞー!」 - 16二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:00:25
良いですか?対策委員会編を終えたあとはほぼカイザーを金でビンタして土地を買い戻すだけなのでアビドス復興までロケットブーストですこれ
- 17二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:01:18
- 18二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:01:44
あと、温泉開発部を適度に誘致できればアビドス温泉で恒常的な財源も得られる……はず
- 19二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:02:03
なんだろうなこれ
ホシノはどんな感情を抱けばいいんだ - 20二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:03:00
ホシノは最初はユメ先輩のこと隠そうとするけどやがて耐えきれなくなって2人きりの時に昔のテンションで全部吐き出しちゃいそう
- 21二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:03:09
ユメ先輩の事は教えるのかな
- 22二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:04:31
何も知らないセリカたち後輩組は大盛り上がりしてるんだろうな
- 23二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:04:51
- 24二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:06:38
あっそうか…ユメ先輩の事を知らない後輩たちがユメ先輩の事を知る機会か!
- 25二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:06:52
すばらしい…
- 26二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:08:32
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:09:37
他校からの留学生とはいえこれだけ優秀ならリオの目に留まって研究の支援とかもしてくれてたかも
ミレニアムにいる間はエンジニア部あたりにいたんやろな
で、砂対策に加えて多くの最先端技術を有する勢力とのパイプも持って帰ってこれたけど、送り出してくれた恩人はもういないんだ
- 28二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:11:30
セミナーエピ見るとミレニアムって設立してから10年も経ってない可能性あるんだっけ?
対策はじめた当時は無理でもいまならワンチャンって送り出したんやろうなぁ - 29二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:13:17
すげえよあんた
希望の未来にレディゴーじゃねえか - 30二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:14:03
簡易プロトコル:アトラ・ハシースやん
- 31二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:14:42
ユメ先輩が居ないからこのモブからしたら希望の未来では無いぞ
- 32二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:15:05
1番見せたかった相手はヘブンにゴーしてるけど改善するからヨシ!
- 33二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:15:15
砂漠化関連の問題解決のための発明を何とか実用化したけどユメ先輩が「卒業」した時に間に合わなかった元アビドス生VS
ユメ先輩の「卒業」を見送る事になったけど借金で首が回らなくなって生徒数も激減してた所を何とか守れたホシノ
VS
またしても何も知らないアビドス生徒達+先生(+何か知ってそうなノノミ) - 34二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:15:48
もはやアビドス復興こそが唯一の弔いであろう
- 35二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:16:51
- 36二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:17:23
これもうクラフトチェンバー亜種か何かじゃないの?
- 37二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:17:51
- 38二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:19:23
- 39二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:20:01
- 40二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:20:21
- 41二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:22:04
やめろよ…おじさんが人知れず吐くだろこんなの…。
- 42二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:22:15
ホシノの顔から感情が…
- 43二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:29:48
- 44二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 22:52:26
- 45二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 23:28:51
- 46二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 23:39:32
やめて……これ以上おじさんを曇らせないで……!
- 47二次元好きの匿名さん23/09/13(水) 23:55:45
多分本人の運動神経とか戦闘センスとかは皆無で普通の銃を使うと全然強くないけどどっからともなくトンデモ兵器取り出して戦況を滅茶苦茶に荒らすタイプだこれ
- 48二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 02:13:20
各所で急に増えた元アビドス生概念ぜんぶすき
- 49二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 02:15:19
このレスは削除されています
- 50二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 04:34:47
いくら借金を返したところで、砂漠化と離れた人が元に戻るわけじゃない。アビドスを本気で何とかしようと思ったら、この砂まみれなの環境を変えないことには未来はない。
やるべきことは二つ。今ある砂を何とかしてどけることと、新しく降ってくる砂を防ぐごと。そんなことは人間の力だけじゃ絶対に無理。でも、科学の力なら。そんな技術を、もし作ることができたのなら。
そんな私の空想を、本気で応援してくれたのが生徒会長だった。新興の学校ながらキヴォトスの学校の中で随一の科学力を誇っていたミレニアムに、留学の話を通してくれた。とんでもない難易度の試験を突破することを条件に出されて、「成績いいからきっと大丈夫!」なんて言われてちょっと顔が引き攣ったのは懐かしい記憶。
「絶対戻ってきます!この学校を救える手段、留年してでも作ってきます!」
「留年はしちゃダメだよ!?」なんて言われながら送り出された先で、沢山のことを学んで。予算を回してくれたセミナー、色んなことを教えてくれて研究も手伝ってくれたリオ会長、他にも色んな人の力を借りて。空想でしかなかったそれを、自分の手で形にできた時は、涙が出そうなくらい嬉しかった。これで母校が救えるって、夢にまで見た瞬間だった。
背中を押してくれたあの人に、いの一番に知らせかったけど、どうにも連絡が取れなかった。
少し寂しかったけれど、まああの人なら元気にやってるだろうし、活気付いたアビドスを見たら、どうせひょっこり顔を出すはず。その時になったら、「約束、守りましたよ」なんて、渾身のドヤ顔で言ってやろうかな。そんなこと大胆なイメチェンをした同輩に冗談混じりに話したりしながら、今日も今日とて砂まみれの街を綺麗にしていくのだった。 - 51二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 06:57:59
後輩たちとアビドスの未来は守れた
だが失った過去は取り戻せない - 52二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 07:51:29
最近のあにまんはおじさんの情緒破壊に余念がないな……
- 53二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 09:19:10
先輩にもらった宝物の砂祭りのポスターと一緒に自信を持って帰ってきたのかな
- 54二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 09:46:58
底抜けに明るいからホシノが言えないまま抜群の科学技術で復興に励む姿を見ていたいけど
自然の力と人の意志によって全て壊されてしまったことを知って「何が…何が科学だ!!」ってなる展開も見てみたいちゃ見てみたい - 55二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 10:18:12
この子はきれいなままの砂祭りポスター持ってたらいいな
- 56二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 11:59:56
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 12:17:41
①: 不毛な土地が金の生る木に化ける超技術に目をつけたカイザーにモブちゃんが拉致られ、救出のために暁のホルス復活
②: 不用意に砂漠の砂を除去したことで古代からアビドスに封じられてきたなんかやばい存在が目覚めてしまい、アビドスどころかキヴォトスの危機に
③: 土地の問題もなんとかなってアビドス復興も進むけど、昔からアビドスに住んでた市民と移住してきた移民+出戻り組との対立が深刻化。たった5+1人しかいない対策委員会だけじゃ自治区の行政がままならない状態に
さて今後どうなるだろうか - 58二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 13:33:40
- 59二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 14:32:20
邪魔なだけだったアビドスの砂が全部活用可能(最低でもアバンギャルド君への使用をリオ会長が考えるくらい)な素材になるの名前の通り錬金術すぎる…
- 60二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 15:10:34
本当にアビドスの環境が一気に変わり始めて「遅いよ」と言ってしまったことを後悔する反面、やっぱり「もっと早かったら、もしかしたら」と考えてしまうのをやめられない自分と、そんな半ば責任転嫁のようなことを考えてしまう自分への嫌悪感でぐちゃぐちゃになるおじさんがいる……?
- 61二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 18:54:05
ホシノは留学する時この子が逃げたと思ってたりしてたのかな?
- 62二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 18:56:07
留学ってことは流石に知ってそう
留学を口実に逃げたと考えるかもしれないけど - 63二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 19:17:14
- 64二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 19:36:44
- 65二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 20:01:52
- 66二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 20:10:20
おじさんはこの程度じゃへこたれないと信じてるけど、それでも楽しそうな同輩の笑顔見て過呼吸起こすおじさんは見てみたい
- 67二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 20:28:29
確かにおじさんは強い もしかしたらキヴォトスで一番強いかもしれない
だけど強いだけじゃ大人には勝てなかった アビドスは守れなかったんだ
破れてないポスター、アビドスを救う手段、未来への希望、諦めない意思
このモブちゃんはホシノのような強さを持てなかった代わりに、ホシノが喉から出るほど欲しかった全てのものを持ってるんだ
こんな子が突然帰ってきたらホシノもどんな顔したらいいか分かんないよ…… - 68二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 21:05:15
- 69二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 21:11:09
モブちゃんのこの装置ならきっと最近のあにまんキヴォトスを曇らせてる砂糖も何とかできるよな……
- 70二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 21:13:15
- 71二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 21:17:41
人材は大事だろうけどぶっちゃけミレニアムでいちばん大事なのって千年難題に届く可能性のある研究データだろうしな
- 72二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 21:20:40
この子のバイタリティならそういう引き抜きもちゃんと断って帰ってきそう
- 73二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 22:17:21
- 74二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 23:27:53
捕まっちった☆
ロボットたちに襲われてカイザー傘下のどっかが管理してるらしい建物に幽閉されてしまった……結構痛いんだけど……
それにしても思ったより強硬手段に出て来たな……技術供与とか共同開発とかのこれまでの誘い全部「御社のこれまでの行動を加味した結果御社を信用することは大変難しいですね」っていう定型文で突っぱねまくったのそんなに根に持ってんの?
何?かなり大規模な砂嵐が予想外の進路を進んで会社の拠点や工事現場が壊れた?わお、それはかわいそーに。それで私の技術を使ってどうにか立て直しを図りたかったと。だからって盗むわ攫うわでガチの犯罪までするこたないでしょーに。っていうかアビドスで作業するなら災害対策くらいちゃんと……痛あ゙っ!?
い゙っ、づ……いくら殴られたって私の気は変わらないってのー……!
はあ、でもどうしよっかなあ……攫われる前にリオ先輩にだけは救難信号を出せたけど忙しいだろうし……ホシノっち達は気づいてるかわかんないし……
誰か、助けて……
- 75二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 23:35:59
自分を相も変わらず頼りになる同級生だと思ってるのに耐えられず泣いちゃうんだよね
時代や環境のせいじゃなくて…私が悪いんだよ
ユメ先輩が死んだのは私のせいだ! - 76二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 23:43:03
- 77二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 23:49:17
このレスは削除されています
- 78二次元好きの匿名さん23/09/14(木) 23:49:58
このレスは削除されています
- 79二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 00:04:13
(好き勝手書いてるけどメガネちゃんの出戻りはアリス編一章が終わったあたりくらいの想定で書いてます)
(でも最終編終わった後解釈もアリかもしれない) - 80二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 00:11:37
修羅が舞い降りるぞ…(ガクブル)
- 81二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 03:20:04
彼女のことは、記憶の片隅に引っかかっているだけだった。運動が苦手で、撃ち合いが苦手で、戦闘が苦手で。その代わりなのか、上級生どころか大人すら歯牙にかけないくらい頭が良くて。機械いじりが大好きで、壊れた機材を触っては直していたような。そんな、入学したばかりの時でも片手で数えられるほどしかいなかった、私の数少ない同学年。
ある日、彼女は学校に来なくなった。ミレニアムに留学生として通うという話だったけど、心の中ではどこか冷めたようにそれを聞いていた。
────変に取り繕ってるけど、要するに出ていきたかったんだろう、と。
何かと理由をつけて、転校や引っ越しでアビドスを離れる生徒は何人もいた。ここに残る意思がある生徒の方が少数派なくらいだ。そんな状況にあって、彼女もまたアビドスを離れるんだと思って疑っていなかった。
それから、しばらく経って。人はどんどん去っていって、結局、私の同学年も1人のこらずいなくなって。
……ユメ先輩が、死んで。
いつのまにか、忘れてさえいた。ふと昔を思い返して、そういえばいたなって思い出す、その程度。その筈だったのに。
「アビドスよ!私は帰って来たー!!」
何やら物々しい機械を引き摺りながら、彼女はこの学校に戻って来て。留学する前に時折こぼしていた、アビドスの環境を変える技術、そんな夢物語を現実のものにしていて。
「どうよホシノっち!これが私の発・明・品!これならアビドスも希望が見えそうじゃない!?生徒会長の卒業には間に合わなかったけど、活気が戻ったアビドスを見たら、いつか会長もきっとこっちに戻って────」
メガネの奥で瞳を輝かせながら、希望に満ち溢れた未来を語る彼女に、私は。
「────遅いよ」
「え……?」
君がもっと上の学年なら。君がもっと早く完成させていたら。もしかしたら、『間に合った』かもしれない。一瞬でもそんなことを考えて、先輩の死の原因を求めようとしている自分に気が付いて。あまつさえ、少しだけ口に出してすらいて。
「……うへ、何でもないよ〜。こんなにすごい機械、もしユメ先輩が見たら喜ぶだろうなって思っただけ〜」
吐き気を堪えきれたのは奇跡にも思えた。
無理矢理取り繕って、いつものようにぐーたらな小鳥遊ホシノに戻って、精一杯おどけて見せた。さっきの私の言葉を、少しでも誤魔化せるように。 - 82二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 03:23:43
本気でアビドスを何とかしたくて、解決策まで携えて戻って来てくれた。そんな彼女に、先輩の死の原因を押し付けるみたいに『遅い』なんてなじってしまった罪悪感。
私にはどうしようもなかったことを、まとめて解決してしまう、そんな彼女への嫉妬心。
心の片隅でほんの小さく燻るそれらをどうしたら良いかわからないまま、いつも通りの表情の下に隠し続けて。彼女の口からユメ先輩のことが出るたびに、心がざわつくけれど。大丈夫、ちゃんとできてる。
そもそもの話、彼女の発明で砂に埋もれたアビドスの街の復興が本格的に現実にできそうで、気にしていられないくらい忙しくなって。そっと安堵の息をついた。
「ホシノ先輩!今、ミレニアムから連絡があって────!
血相を変えたアヤネちゃんからその知らせを聞かされたのは、そんな矢先のことだった。 - 83二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 06:23:02
あかん…アビドスとミレニアムの連合軍が攻めてくる、もうおしまいだぁ…
- 84二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 11:21:36
おじさんが修羅になっちゃうよぉ
- 85二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 12:11:44
- 86二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 12:31:11
- 87二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:45:54
会長失踪しちゃうけど大丈夫?
- 88二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 18:58:56
あっそうか、パヴァーヌ一章後想定の場合なら、リオの初顔見せになるのかな?2章の時系列わからんけど
- 89二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 19:46:12
- 90二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:10:34
「パンパカパーン!アリスは錬金術師の救出クエストを受注しました!」「ああ、アリスの光の剣にも使われてるっていうあの……」「本当に魔法みたいだったよねー、あのメカ」
「先輩がカイザーに拉致された!?」「ああ、リオ会長の元にSOSが届いたらしい。ミレニアム中に協力を募っているようだ」「そっか……じゃあ、私たちも」「もちろん」「もうアビドスに戻っちゃいましたけど……先輩も、エンジニア部の一員ですからね!」
「リオからの依頼か。内容は────救出ぅ?」「捕まったのは、確か会長が懇意にしていた……」「アビドス出身の留学生、通称"眼鏡の錬金術師"。私たちのメイド服やバニー服の繊維にも使える丈夫な素材を作った人」「砂から作った素材が何で服の繊維に使えるんでしょう……?」「ね、すごいよねこれ!」「まあ、その話は今はいいだろ準備するぞー」
「先輩、故郷を救うんだーって、ものすごく頑張ってたのに……許せない」「ふふっ、ユウカちゃんしょっちゅう予算増やしてくれって太ももに縋り付かれてましたね」「砂まみれになるからやめて欲しかったけどね。……それじゃあ、私たちも」「はい。ヴェリタスの皆さんにも声をかけました。きっとすぐに見つかるでしょう」
「え、マジ?メガレンパイセン拉致られたの?」「誰それ」「ほら、あのアビドスから留学して来てたっていう先輩」「あーあのよく砂まみれになってた人か」
「あ、例のやつ行くの?」「とーぜん」「先輩が作ったアレには現在進行形でめちゃくちゃ世話になってるしねー」
「え!?今日はカイザー相手に試作品の武器を全部試して良いんですか!?」「損失分補填してくれる上に活躍次第では報酬で予算増やしてくれるんだって」「やるしか」「え、そんな金あんの?」「多分メガレン先輩の財布でしょ、あの人特許とか素材とかで山ほど稼いでるし」
「許さん……許さんぞカイザー……あの女をわからせるのは我々……獲物は渡さぬ……!」「何あれ」「例の特殊素材にお株を完全に奪われて嫉妬で狂った新素材開発部の人」「ああ……」
「アビドスの広い土地を探すために、C&C以外にも声をかけたけど……」
「あの子、愛されてるのね」
- 91二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:19:50
これ大丈夫?砂すら残らずあの辺消し飛ばない?
- 92二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:20:42
アビドス側としても砂は消し飛ばしてくれた方が助かるし……
- 93二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:23:25
いやでも今のアビドスの砂はメガレンちゃんが監禁可能にしちゃったから……
- 94二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:25:35
監禁じゃないや換金
- 95二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:28:10
- 96二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:31:04
正直二桁くらい殴らないと死にそうにないくらいのしぶとさだから一回くらいヘーキヘーキ
- 97二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:34:22
日頃の行い…ですかね
- 98二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 20:40:15
どうせトカゲのしっぽの如く頭が何本もあるんだからいくら殴ってもいいんだ!
- 99二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 22:48:57
ミレニアムの援軍が来てくれるのも彼女がアビドスを救うために色々頑張ってたからだろうね
- 100二次元好きの匿名さん23/09/15(金) 23:16:30
1人なんか違う意味で脳を破壊されてる研究者がいるみたいですね……
- 101二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 08:15:55
このぐらいならむしろ健全な嫉妬
- 102二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 12:01:05
新素材開発部はおとなしく透明下着とかの砂装甲と別アプローチを模索すればいいんじゃないですかね
- 103二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 12:05:20
現実でもセラミックは色んなところで使われてるからこれだけ顔が広いのも納得
というか無作為に集めた砂の組成解析して任意のセラミックを合成できる技術とかできたなら世界ひっくり返るぞ - 104二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 15:45:08
interlude
ん?私が作った特殊素材について聞きたい? 良いよー。ふふふ、可愛い後輩に興味を持ってもらえるのは嬉しいねえ。
ミレニアムに行った私は、アビドスの街を埋もれさせてる砂をどける・減らす方法をいくつも考えたんだ。砂から資材を作るっていうのもその一つ。
とは言え最低でも使える、もっと言えば売れるようなのが作れなきゃ話にならないからね。頑張って研究したよー。その結果が砂からケミカルちゃんってわけ。アビドスの砂の粒子を強固に結合させる、私渾身の大発明!
目玉はもちろん、腐るほどあるアビドスの砂を放り込むだけで作れる手軽さ、そして従来の金属やら合金やらダイヤモンドやらなんて目じゃない圧倒的な頑丈さ。爆発や衝撃にも強い。
装甲に使えば普通の銃弾じゃいくら打ち込まれても傷一つつかない防御力に。逆に銃弾として使用すれば、弾丸のスピードにもよるけど普通の金属装甲は余裕でぶち抜く貫通力になる。
あとはかなり軽量で作れるのと、元が砂だからアルケミちゃんにデザインを入力すればその通りの形で出力できる加工のしやすさだね。装甲型ほどの防御力は出ないけど、繊維状にしてめっちゃ丈夫な衣服にすることもできるよ!
これが基本スペックなんだけど……開発の最終段階で面白いことが分かってね。
何とこれ、生成段階で組成や手法の条件を変えるとその特性に差異が生じるんだよね!硬さを維持したまま吸水性を持たせたり、衝撃吸収特化にしたり。
特に顕著なのが導電性!普通に作ると絶縁性を持つんだけど、少し作り方を変えれば電気が通るようになる!まだ実験段階の域を出てないけど半導体として生成することもできたし、導電性に特化させることも可能!
……常温なのに限りなく超伝導に近いレベルの性能のケーブルができた時は自分でも引いたね、うん。いや本当に何でああなるの?アビドスの砂どうなってんの?それともアルケミちゃんがおかしいの?その内ちゃんと調べないと……
あ、あとこれはまだ机上の空論だけど……今はアビドスの砂だけに特化してるアルケミちゃんだけど、突き詰めていけばそれ以外の材料でも似たように強固に結合させられるかもしれないんだ。
究極的には、周囲からリソースを収集して思うままの物体に再構築する……なーんてこともできるようになったりしてね。ま、何十年何百年かかるかわからないけど。せめて見本でもあればなー。 - 105二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 15:45:52
名前は無いのかって?特許とかいろいろ申請する時に『アビドシウム』って名前がつけられて、商品名もそれになったよ。本当は【多芸多能・砂砂マテリアルちゃん】とかもう少し可愛げのある名前にしたかったんだけどな……リオ会長以外の周りのみんなに猛反対されちゃったよ、とほほ。
- 106二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 15:47:31
- 107二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 15:49:06
「あの2人すごいもの作るのにネーミングセンスが壊滅的なんだよな……」とか思われてそうなリオとメガレンちゃん
- 108二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 15:52:52
なんかアルケミちゃんに似た最終兵器を知ってる気がしますね……
- 109二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 16:09:51
とんでもないオーパーツの雛形を作りかけてません?
- 110二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 16:22:57
装置もそうだけど材料の砂おかしくね?本編だとあれって自然発生ってことになってるんだっけ
ぜったいなんか神秘絡んでるだろって思うけど… - 111二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 17:09:39
アビドスの砂がおかしいのか、アルケミちゃんがおかしいのか……
多分両方やろなあ - 112二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 17:19:47
アビドスの砂が鉄と石油を合わせたようなスーパー資源に…
サウジやUAEみたいになってそう - 113二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 17:51:21
このレスは削除されています
- 114二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 17:52:14
ゴールドラッシュならぬアビドスラッシュが始まりそうな予感
- 115二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 17:55:43
なお現状アルケミちゃん(技術盗用対策完備)がないとただの砂という
- 116二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 18:46:42
リオはあれでドチャクソチョロ甘な所あるしな…
- 117二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 18:57:07
プロトコルAHAに足を踏み入れかけてる……
- 118二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 20:36:24
?????え、ちょっととんでもないもの作ってない?????
- 119二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 20:42:40
- 120二次元好きの匿名さん23/09/16(土) 21:06:05
こいつにクラフトチェンバーを見せたら1回のレートが1キーストーン=100クレジット分のアビドスの砂粒とかの超大特価と化しそう
- 121二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 00:59:14
眼鏡の錬金術師、多分眼鏡の発音が鋼になってるやつ
- 122二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 11:09:30
ミレニアムの人気者だったのかな?
- 123二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 11:24:50
『私が受け取ったのは、以前から彼女のスマホに組み込ませていた救援信号送信機能の通知。自分の身に危険が迫った場合、前後の時間最大1時間の映像と音声のログと位置情報を私に転送するようにプログラムが組んであった。先ほどそちらにも共有したけれど、届いてる?』
「は、はい!」
ミレニアムのトップだという黒髪でスーツ姿の生徒……調月リオと名乗ったその方は、ホログラム越しに情報を伝えて来ます。
「私たちに知らせずに、ミレニアムに知らせたのは────」
『知らせなかったのではなく、できなかったと見るべきね。1秒未満の操作で事足りる私以外に連絡している暇すらなかったのは、音声ログからも確認できるわ』
最初にミレニアムから先輩が攫われたと聞かされた時。驚きや動揺と共に、どうしてアビドスの生徒の危機をミレニアムから聞いているんだろう、と疑問に思ってしまいました。
留学していたとは言え先輩はアビドスの生徒なのに、頼るのはミレニアムなのか、私たちは頼りなかったのだろうかと、そんな不甲斐なさにも似た思いがしてしまって。仕方のない理由があったのだと聞いて少しは納得したけれど、どうしても、心にしこりが残ったような気がします。
『…………次からはアビドスにも通知が行くようにアップデートする必要がありそうね。あの子にも言っておかないと……』
そんな私の態度が見えていたのか、小さく溜息を吐きつつぼやくように言ったリオさんが、やけに印象に残りました。 - 124二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 11:26:01
「それにしても……どうしてそんなものを?まるで、こういう事態が起きるとわかっていたみたいな……」
空気を変えるように、シロコ先輩が疑問を投げかけます。
『分かっていたというよりは、備えていたと言う方が正確ね。あの子1人が抱えている産業的価値は今や計り知れないほど。強硬策で身柄を狙われることは決して起こり得ない想定ではないと、あの子にも言い聞かせていたけれど……現実になってしまった』
「…………そんなに?確かに、先輩が作った発明品は凄いけど……」
『あの子の持つ技術もそうだけど、特に直接的に価値があるのは特殊素材……アビドシウムの方よ。私もアレを使ってマシンを作った身だからこそ、カイザーがアレほど執着するのも理解できる。今はまだ様子見のために、ミレニアムの内部で売っている分を除けば、ごく限られた企業にしか取引はしていないけれど……』
『本格的に社会に流通させ始めれば────冗談抜きでキヴォトスが変わるわ』
断言された未来図に、その場にいるみんなが言葉を失う。話が大きすぎて信じられないような、でもどこか信じられるような。
『だから、カイザーなんていう悪徳企業に渡すわけには絶対にいかない。それに、何より────』
『そんな事情を抜きにしたって、先輩は私たちにとっても大切な人だもの。だから絶対に、助け出しましょう』
横から現れた人物、ミレニアムのセミナーの1人の早瀬ユウカさんが言葉を引き継いでそう言いました。
「は、はい!」
「言われなくても!」
「ん、みんな総出で盛大に迎えに行こう」
「ふふ、こんなに大勢で一緒に戦うのは初めてですね。…………ホシノ先輩?」
それぞれが気合十分に返事をする中、1人だけ、ずっと静かに黙っているホシノ先輩に、ノノミ先輩が話しかけました。
それに対して、ホシノ先輩は。
「あぁ────わかってるよ」
見たことないくらい鋭い目で。聞いたことないくらい冷たい声で、そう言いました。 - 125二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 11:54:51
ねぇこれ大丈夫?
助けに来た時のはもうすでにってなってない? - 126二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 12:00:42
助けは間に合うけどユメ先輩が『行方不明』になってる事聞かされちゃってたパターンとか
(ユメ先輩の事話題に出したら「は?アビドスの生徒会長はかなり前から行方不明と聞いているが」って悪意なしに返されちゃう事故) - 127二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 12:01:46
それで問い詰められたホシノが「私が殺した」って言っちゃうんだ…
- 128二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 13:58:42
- 129二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 14:29:42
流石ハッピーエンドRTA走者だ……
- 130二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 14:35:38
やったこと(ギャンブル、古代史研究襲撃)を何もしていないと言った奴だ
面構えが違う - 131二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 19:03:51
だーかーらー、あんたらに協力するつもりは無いし技術提供の予定も無いしあんたら用にうちのアルケミちゃんを渡すつもりも無いって言ってんでしょー?
だったらアビドシウムを売ってくれ?悪いけどあんたらとの取引なんてごめんだね。百歩譲っても建設業までだ。ま、どうせカイザー傘下である以上横流しするだろうし、PMC関連に流れて悪用される可能性が否定しきれない以上はそう簡単に認可されないと思っておくんだね。
ん?どうしてそんなに拒絶すんのかって?そりゃあんたら自分の胸に聞きなさいよ。信用なんてできるわけないでしょ。
それに……私が作った発明はアビドスを救うための希望なんだよ。もう卒業しちゃったけど……あの時ユメ会長が背中を押してくれたから実現できた、みんなを幸せにするための、明るい未来を作るための技術なんだ。悪用なんてさせるもんですか──────
え?
今、なんて言った?
- 132二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 19:04:46
あっ
- 133二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 19:08:04
助け出したところに死んだ目をしたモブちゃんが!
- 134二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 19:09:32
真相を知ってるのはおじさん含めごく僅かで対外的には行方不明扱いだから……まだ死んだと聞かされたわけじゃないから……多分……
- 135二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 20:45:20
カイザーくらいの立ち位置だとユメパイセンは行方不明くらいの認識かな?
- 136二次元好きの匿名さん23/09/17(日) 23:48:53
アビドスの生徒会長は突然消えた?卒業したんじゃなくて、行方不明……?連絡が取れなかったのはそのせい……?いやでも、ホシノっちはそんな話一度も……
『────遅いよ』
あっ…………。
じゃあ、まさか、あの時ホシノっちがああ言ったのは、これが理由で……?いやでも、行方不明にしては何かおかしい。本当に行方不明なら、ホシノっちが会長を探してないわけがない。対外的に情報を募るなりなんなりする筈だし、なにより私に何も言わないままなわけがない……。
なんだ、一体何がこんなに引っ掛かるんだ……?行方不明というか、いなくなったのは間違いないのかも知れないけど、それに、しては、何か変な────
────ッ!?な、なんの音……?あれ、なんだろ、壁に亀裂が…………
どわぁぁぁっ!?
「はっ、はっ、はぁっ、はあっ……!」
ほ、ホシノっちー!?ホシノっちがなんか懐かしい目つきの悪さになってるー!!
- 137二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 00:15:47
今更ながら定着しているホシノっち呼び
- 138二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 06:48:19
今ホシノを見たあとに過去ホシノのこの目を見ても一切ビビることなく気軽に接してるのほんと友達なんだなって
- 139二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 07:18:41
さりげなくおじさんがピンクのゴリラムーヴしてる
- 140二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 13:01:26
おじさん今度は間に合って良かったとか余計なこと言っちゃいそう…
- 141二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 20:50:55
保守
- 142二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 20:53:00
アビドスに連絡を入れなかった理由にアビドスが存続してるかどうか内心少し不安だったから研究にのめり込んで誤魔化してたとかありそう
- 143二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 22:13:39
走る。走る。足を取られやすく進みづらい砂の大地に構うことなく走り続ける。目の前にはやたらと図体のデカい、ゴリアテとかいうロボットが1機。
「────邪魔だっ!!どけっ!!!」
脚に相当する部位の脆そうな場所、関節に狙いを定めて一気に距離を詰める。左手に構えた盾を"横に"一閃。火花を散らしながら露出した内部に銃口を捩じ込んで、二度三度とゼロ距離で銃弾をぶち込んで壊す。バランスを崩して倒れた巨体を無視して、また走る、走る。
「うわーん!タンクの人がものすごく先行しています!タンクなのに斥候です!というか切込隊長です!何かがおかしい気がします!」
「クッソ、作戦も何もあったもんじゃねえな……!何時もあんな感じなのか……!?」
「い、いや、私たちも何が何だか……!」
「ん……前には出るけど、普段はあんな風に突貫したりはしない。あんなに攻撃的なのは初めて見た」
『ホシノ先輩!止まって、止まってください!一人で先行するのは危険────』
後ろから飛んでくる声も、通信で叫んでくる声にも構わず、敵を退ける、ただそれだけの最低限の戦闘をしながらひたすら進む。転がり込むように、!目標の建造物の中へ。
「どけって言ってんだよっ!!!」
事前に聞いていた情報を頼りに進む。途中で邪魔してくるロボットを薙ぎ倒して、薙ぎ倒して、走って、走って、走って────!
ようやく目的の部屋まで辿り着く。外部からのハッキングで扉が開くのも待っていられなくて、銃と盾と力技で無理矢理壁をぶち抜いた。
「どわぁぁぁっ!?」
情けない悲鳴が聞こえる。目を向けると、そこには探していた同級生が拘束されている。
「な、なんか懐かしく感じる目つきの悪さー!」
目が合うや否や失礼なことを言い出す同級生にイラッときた。そばに立っていたカイザーの社員らしきロボットに八つ当たりするみたいに苛立ち混じりのショットガンをぶちこむ。
「おおう、相変わらず容赦無い……暁のホルスっちは健在なのね……」
「……………」
「え、ちょっ、ホシノっち……?」 - 144二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 22:15:19
縛られたまま呑気な調子で話し続ける同級生に無言で近づいて、胸ぐらを掴むようにしながら顔を寄せる。
「ちょちょちょっ、やっぱホルス呼び嫌だったら!?ごめんごめんごめん許して!」
顔やら服やらに擦り傷やら汚れが見て取れるけど、大きな怪我はしていないらしい。意識もしっかりしている。
「は、ぁ…………」
「ホシノっち……?」
そこまで確認して、ようやく小さく息を吐く。
ああ、良かった。
「"また"────間に合わないかと思った」
「…………ねえホシノっち、それ、一体どういう意味──」
「…………っ!」
メガネちゃんが何か言おうとした瞬間、外から地響きのような戦闘音が聞こえてくる。もう一度、今度は強く息を吐いてから、肩の力を抜く。拘束を解いてあげながら、気怠そうないつもの小鳥遊ホシノに戻していく。
「────じゃ、早くこっから出よっか〜。アビドスミレニアム合同救出隊が一斉にこっちにきてるから、モタモタしてると巻き込まれるよ〜」
「えっちょ、それは困る!っていうかその前にあいつらに盗られた機材と武器回収しないと!」
「うへ、めんどくさい。もう建物ごと吹っ飛ばして新しく作ったら?得意なんでしょもの作るの」
「そういう問題じゃなくてー!」
二人してやいのやいのと騒ぎながら、部屋から抜け出した。
「…………………まさか、ね」
- 145二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 22:17:19
流石に勘付いたか…
- 146二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 22:29:15
この子もこの子でユメ先輩が死んで大変なことになってたのに自分は……ってメンタル削れそう
- 147二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 22:34:52
今までやってる事を考えると二人とも責任感強そうだからね
- 148二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 23:12:04
「遅いよ…」が真実その通りだったと思い込んで自責の念に沈んでいくモブとそれを見て自分が漏らしてしまった言葉が呪いになってしまったことに気づくホシノ
お前は本当にアビドスのためだけに邁進してきたのか?関係ない研究を楽しんだりミレニアムの子と遊んだりして時間を無為に潰した事があるんじゃないか?と自分で自分を苛めてしまうんだ… - 149二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 07:57:15
このレスは削除されています
- 150二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 11:54:26
留学当初は切羽詰まって鬼気迫る表情で自身の研究の有用性を説明しまくって何とか予算をもぎ取ろうとして周りから怖がられたり寝食忘れて何度もぶっ倒れて心配されたりしてて欲しい〜
- 151二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 12:12:34
それを見兼ねて、加えてその研究が十分に実現可能かつそれを実現出来る能力をモブ子が持っていた事を見抜いたリオとヒマリがバックアップをした事でメンタルも研究も安定して、この技術は完成したんだよね…(強めの幻覚
- 152二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 12:25:18
この騒動が終わったあと夜の校舎の屋上で二人きりでホシノにユメ先輩の真実を聞いたあと自分もミレニアムで研究ばっかしてたわけじゃないからって言って謝って
出てってから戻ってくるまでの話を一晩語り明かしてようやく本当の親友になるんだよね(強めの幻覚) - 153二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 19:25:17
漸く再会した最強の二人
- 154二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 19:28:01
一人は最強
なら二人揃ったら?
_人人人人_
> 無敵 <
 ̄Y^Y^Y^Y^ ̄
- 155二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 19:58:48
やめなよ二人とも!必要以上に自分を責めるのは恥ずかしいことなんだよ!
- 156二次元好きの匿名さん23/09/19(火) 21:49:54
2人とも改めて友達になれたらいいね
- 157二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 01:45:14
あの後。カイザーの連中の残骸が散乱する砂漠の上で、心配したと言う後輩たちにお礼を言いつつ、ミレニアムから集まったという救助隊──全員見事に私の知り合いだった──に揉みくちゃにされた。
「パンパカパーン!錬金術師救出クエスト、見事クリアです!」
「おーおー相変わらずだねぇアリスちゃん。クエストクリアの報酬に今度なんかゲームソフトをプレゼントしよう」
「えっマジ?」
「期待してるとこ悪いけどモモイ、ゲーム部全体で一個だからね?流石に。…………ってかマジで大所帯じゃん。エンジニア部のみんなにセミナーに……C&Cまで。こんな沢山来ることある?」
「それだけじゃないよ。会長がミレニアム内で有志を募った結果、君が作った例の素材を使っていた部を筆頭に山ほど集まってね。新素材開発部も来てるいるよ、別動隊に配置されてたけれど」
「おーっとそいつとは会う前に逃げることにしよう」
ちなみにリオ会長が勝手に約束したと言う報酬をユウカにざっくり概算してもらった結果、普通にやばい桁数になった。あいつら私の貯金残高が無限だと勘違いしてる気がする。
一方その頃、ホシノっちは単騎で突っ込んだことをアヤネちゃんから苦言を呈されていた。なーにやってんだか。
「………………」
困ったように笑いながらごめんごめんと謝っている彼女を見て、ふと考える。
このアビドス高校で、唯一残った同学年。小鳥遊ホシノと私を結びつけるのは、それだけ。互いにあだ名で呼び合ってはいるものの、友人と言えるかは正直微妙な関係性だと思う。
向こうの『メガネちゃん』呼びは、イントネーションや言い方からして名前を呼んでるわけでも愛称というわけでもなく、名前を呼ぶ気にならないから目立つ記号で呼んでいるだけな気がする。私は私で『ホシノっち』なんで気安く呼ぼうとしてるのも、なんとか距離を詰められないか考えた末の手段くらいでしかないから
仲が悪いとは言わない。その代わり殊更良いとも言えない。そんなどっちつかずな距離感が、私と彼女の間にはあった。なんなら、向こうに良く思われていないんじゃないかとすら思っていた。私に複雑そうな目を向ける事は、一度や二度じゃなかったから。
人がいなくなったアビドスをずっと守っていた彼女からすれば、他所の学校で過ごしていた私なんて、良い印象は持っていなくても不思議じゃない。そう思っていた。 - 158二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 01:46:20
だから、正直意外に思った。あれほど必死になって、普段被っている誰かの真似のような外面も取り払って、もう懐かしく感じる荒々しくてどこか粗暴だったあの頃の小鳥遊ホシノに戻ってまで、私を助けに来たことが。嫌われてるとまでは思ってだわけじゃないけど。そんなに取り乱してまで、私に心を砕けるくらいの思い入れはあったのか、と。
『"また"────間に合わないかと思った』
………………いや。それだけじゃないのか。あそこまで焦ってた理由は。
数日後。私は、今はもう使われていない旧校舎の、かつて私たちのクラスがあった教室に。私は彼女を呼び出した。 - 159二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 04:16:01
>かつて私たちのクラスがあった教室
有って当然なのに有ったんだと思ってしまった。
離島や過疎地域の皆同じ教室で受けているイメージが強すぎて。
- 160二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 12:13:36
きちんと真正面から向き合えたらいいね
- 161二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 12:23:08
>かつて私たちのクラスがあった教室に
もうこの文面だけで心が痛ぇよ。
本当にこの2人の思い出は色々な意味で遥か彼方なんやな…。
頼む、ここからでも良いから希望の未来へレディーゴーしてくれ。
- 162二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 20:56:16
ほしゅう
- 163二次元好きの匿名さん23/09/20(水) 22:29:15
「おーっすホシノっち。いきなり呼び出してすまないねぇ」
「うへ、別に気にしてないよ〜。…………それより、ずいぶんキレイにしたね?」
「まあねー。砂集めサイクロンちゃんは掃除機の代わりにも使える優れものなのさ」
「量産したら一家に一台サイクロンちゃんの時代が来るかもね〜」
話したいことがある。そんなメッセージと共に呼び出されたのは、アビドス高校の旧校舎。彼女がまだミレニアムに留学していなかった頃に、アビドス高校があった場所。
彼女の発明が動き出して以来、アビドスの砂嵐はすっかりおさまっていた。部屋の中の砂も埃も綺麗に取り除かれていて、床や壁や窓ガラスを直して電気を通せばそのまま使えてしまいそうなくらい、校舎は綺麗になっていた。
「…………本当に、凄いね」
どうしようもなかったアビドスの環境を、たった1人で変えてしまう技術。それだけじゃなくて、ミレニアムの会長だという人が言うには、本当にキヴォトスが変わりかねないくらいの可能性が秘められているらしい。本当に、とんでもない同級生だ。再開して以来小さく疼いていた嫉妬心は、今もまだ少しだけ燻っている。同時に、そんな感情を抱くことへの罪悪感と、自己嫌悪。
「まーね。故郷を救うのが夢だったし、それに────ユメ先輩と、約束したから」
その名前に、思わず息を呑みそうになる。彼女と話している時は、いつだってそうだった。不意に出てくるあの人の名前に、胸がひどくざわついてしまうから。
「────今日来てもらったのは、そのユメ先輩の話なんだ」
「え…………?」
「カイザーの連中が妙なことを言ってた。ユメ先輩は卒業したんじゃなく、突然消えた。行方不明になったって、そんな話を」
余計なことを、とあのロボット連中に怒りが湧いたけど、ひとまずそれは置いておいた。
「…………黙ってて、ごめん。ユメ先輩は卒業するよりも前に、アビドスからいなくなってて────」
予想していなかった事態じゃない。いつかは知られるとは思っていた。呼び出されたのはきっと、今まで言わなかった私を糾弾するためだろう。そう思って、素直に謝ろうとした。
・・・・
「うん。表向きはそういうことにした。そうでしょ?」
その言葉に、心臓が止まったような気がした。 - 164二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 02:36:20
「『行方不明』だと腑に落ちないんだよね」
ホシノっちの方には目を向けない様にしながら、これまで調べて来たことと、私が至った考えを順番に話し始める。
「ヴェリタス……ミレニアムの知り合いに調べてもらったけど、行方がわからなくなったと言われている割には"探された形跡が全く無い"んだ。連邦生徒会やヴァルキューレに捜索を頼んだ様子も無いし、何かしら情報を募るような動きも無い。あれだけユメ先輩を気にかけてたホシノっちが、何もしないなんてことはありえないのに」
────"何もする必要がない"と、わかっていた場合を除いては。
「この前のカイザーの一件で、ホシノっちが助けに来てくれた時に言ってたことを思い返してみたんだ。"また間に合わないかと思った"。確かそう言ってたよね」
それは、まるで。
「過去に一度────"間に合わなかったことがあった"。そんな言い方だった」
そこまで言ってから振り返る。私たちの代の中で最後に残った同級生。俯いて前髪に隠れた表情は窺えない。その心の中なんて、想像もつかない。
「…………今から冗談でも言っちゃいけないようなことを言うよ。違うんだったら、違うって言って。……何も言わないんだったら、合ってるって捉えるから」
そんな前置きをした。本当は、もうわかっているけど。99%の推論が確定してしまう、その予感がどうしても怖くて、声が震えそうになる。それを口に出してしまったら、決定的なラインを踏み越えてしまう、それだけはわかっていたから。
意識して、すぅっと息を吸い込んで。
「ユメ先輩はもう────死んでるんだよね?」
「……………………」
返答は無かった。訂正も無かった。何を言ってるんだって、怒って欲しかった。なのに、返ってくるのは沈黙だけだった。それが何よりの答えで、それを理解した瞬間、血の気が引いて、今にも崩れ落ちそうになるような感覚に襲われた。そんな私に、小鳥遊ホシノは、重々しく静かに口を開いた。
「…………全部、話すよ」 - 165二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 06:32:17
おじさん過去と向き合う時が来た
- 166二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 15:12:08
話す事で重荷が少しでも下りたらいいんだけどね
- 167二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 22:26:55
このレスは削除されています
- 168二次元好きの匿名さん23/09/21(木) 22:47:51
今まで誰もホシノの「罪」を知らなかった、だから誰も裁かなかったし赦すこともできなかった、それはメガネちゃんも同じ
やっとお互いの罪を裁ける、赦せる存在に巡り会えたんやなって - 169二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 01:48:39
全て。全て、話した。ユメ先輩の死。私が知っていること。私が、遺体を見つけたこと。
「…………そっ、か」
話し終わった私に、彼女は消え入りそうな声で、そう溢しただけだった。その姿を見て、胸が張り裂けそうな……文字通り、刃物でも突き刺して裂くような鋭い痛みに似た、そんな錯覚がした。
今まで何度か聞いた話。ユメ先輩に背中を押されて、必ず戻ると約束をして、それを果たす一心でミレニアムで研究していたという話。いつかあの人に褒めてもらえるように、なんて、明るい未来を笑って信じていた彼女に。私は残酷に真実を告げたんだ。
「…………………………っ!」
ギリ、と歯を食い締める。私は何をしているんだろう。先輩のことは守れなくて。母校を救った恩人には心の奥底で嫉妬して、その人が拐われた時には他校の生徒におんぶに抱っこで、あまつさえこんな形で傷付けて。
私は何をした?先輩がいなくなったアビドスで何をしていた?アビドスに対して何ができた?
(私は……私には……何も……)
…………何もできてない。それどころか、過去の生徒会が遠因とはいえ、シャーレの先生が来るまでいつまでもいつまでもカイザーにいいようにされていて、最後は後輩たちにまで迷惑をかけて────!
「────よしホシノっち、思い出話しようぜ」
「………………はぁ?」
パチン、と綺麗な音を立てて指を鳴らしながら彼女が発した言葉に、顔を上げて困惑しながらそんな声を出してしまった。 - 170二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 01:49:40
「いやいや、は?じゃなくて。思い出話だよ思い出話。私らが一年生だった頃の話。私がミレニアムに行く前、アビドスにいた頃の話。そこまで長いわけじゃないけど、結構濃密だったじゃん?」
ほんのついさっきまで力無く項垂れていたはずなのに、いつの間にやらいつもの調子に戻って、いや、なんならいつもより高いようにも見えるテンションで、やけにやかましく話してくる。
意味がわからなくて、胡乱なものを見るような目を向けてしまう。
「…………いや、意味わかんないんだけど。いきなり何……?」
「まあまあ、そう邪険にしないで付き合ってってよ────」
「────あの頃の……ユメ先輩がいた頃の、私達が一年だった頃の話ができるのは、もう私と君だけなんだからさ」
そんな。そんな風に、寂しげな顔で言われて、私は。
「……………わかっ、たよ」
悩んだ末に、頷いて。彼女の言う『思い出話』に、乗ることにした。
「…………さすがホシノっち、話がわかる!そんじゃあ思い出話スタート!思い返せばあの頃の私とホシノっちはそれほど仲良いわけでもなかったけど、その割に一緒に行動することはそこそこあってさ────」 - 171二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 05:31:38
仮にアビドスが復興してかつてのホシノたちの同級生が戻ってきたとしても、ホシノが素直に思い出話を楽しめるのはこのメガネちゃんだけなんだろな
- 172二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 15:23:14
これでホシノも未来に向けて歩ければいいんだけど
- 173二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 15:27:19
少しだけでもいいからお互いの距離を縮めて欲しい
- 174二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 15:55:51
お通夜にも似てるな…やれあの人はこうだった、あの時はこうだったって、悲しむだけじゃなくて笑いながら故人の事を話すんだ。
そうする事で供養になるし、残された人達も心の中で区切りが付いて、前に進む事が出来るんだ。
沢山話せおじさん…モブ子ちゃん…そして少しでも前を向いて歩き始めるんだ…。 - 175二次元好きの匿名さん23/09/22(金) 22:11:38
保守
- 176二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 04:36:13
「にしてもほんと性格と雰囲気変わったよねぇ。小鳥遊ホシノって言えば武力戦力暴力の化身で粗野で粗暴で荒々しい猛禽類みたいな暁のホルスっちだったのに」
「喧嘩売ってんの?」
「あ、今ちょっとホルスった」
「────ねぇ」
「あっごめんなさい許してください」
「そっちもそっちで結構様変わりしたんじゃないの?暇さえあればなんか変な……参考書?みたいなのを読んでた真面目ちゃんが、今やここまでになるとはねぇ〜」
「はー?真面目ちゃんなのは昔のホシノっちの方でしょーに。生徒会に入ってからユメ先輩に何回も何回も真面目にやれーって突っかかってさー。『ホシノちゃんが厳しいよ〜!』って先輩に泣きつかれてたんだよ私」
「は、ちょっ、うそ!?」
「これね、ほんとの話」
「はぁー……あの人はぁ……」
「んで、あの時ホシノっちはいなかったけど、それはもう見事に砂の中に上半身が埋まっちゃってさ。これがそのギャグみたいに地面に刺さった先輩の写真」
「ぶふっ!?ふっ、くっ、そっ、そんなのことあったんだ……くふっ……!」
「ちなみにこれ、あの時残ってた人全員知ってる。ホシノちゃんにだけは知られたくなーい!って言った会長が緘口令敷いてた。職権濫用だよね」
「クッ、ふっ、ちょっ、まって、お腹攣る……!」
「やばい、抱腹絶倒しかけてるホシノっちとか初めて見た。動画撮っとこ」
「意外にあるんだね、私の知らない先輩の話」
「ねー。ホシノっちは先輩にべったりだったから、私が知らない先輩の話ばっかりになると思ってた」
「べったりだったのは先輩の方だよ。………ねえ、なに、その目は」
「べっつにー」
「思い返せば思い返すほど、なんで生徒会長なんだろだってくらいポンコツだったよね、先輩」
「否定できない……」
「でも、さ」
「うん」 - 177二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 04:38:38
「優しかったよね」
「うん」
「聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらい、いっぱい褒めてくるような、そんな人だったよね」
「……あんな風に言われたら、ほんと恥ずかしすぎて、照れ隠しするしかないってくらいだっけどね」
「でも、嬉しかったよ」
「……そうだね、嬉しかった」
「明るかったよね」
「うん。明るいだけで、頼りなはならなかったけど」
「確かに。でもさ、そんな先輩がいたから……なんだかんだで、楽しかったよね」
「…………そう、だね。楽しかった。うん、あの頃は……楽しかった」
「ねえホシノっち」
「なに?」
「私さ。思った以上に、ユメ先輩のこと、大好きだったみたい」
「……………」
「ホシノっちは、どうかな」
「……………うん。そうだね。私も、大好き」
「ユメ先輩が、大好きだった」 - 178二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 06:07:03
懐かしき思い出は過去、遠い日の残照
- 179二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 15:17:46
あの頃だけじゃなく今も心から楽しくなれるといいね
- 180二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 21:12:45
保守
- 181二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 23:51:48
「でも。もう、いないんだね」
「うん。先輩は、もういない」
その言葉は、思った以上にすんなりと口からこぼれていった。きっと、『思い出話』に付き合ったおかげで。先輩の死を呑み下そうとして、いつのまにか蓋をしてしまった、古い記憶を思い出せた。あの頃の楽しかった思い出。私が、私たちが、先輩に抱いていた想い。
私の過去の中の、今まで目を向けてなかった部分。それに向き合えたことで、心の中にあった何かが、解きほぐされたような気がした。
「ホシノっちがあの時言ってたのは、こういう意味だったんだね」
「…………本当に、ごめん。あんなこと、言っちゃいけなかったのに。君は、何も悪くないのに」
今更のように謝罪をする。ずっと後悔していたこと。先輩の死の原因を勝手に求めるみたいに、責めてしまったこと。
「…………急いでなかったわけじゃないんだ」
返ってきたのはそんな呟きだった。窓の外に目を向けて、どこか遠くを見るような顔をしていた。 - 182二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 23:53:30
「日増しに砂が増えていってた。反比例するように人は減っていってた。そんな環境から、解決方法を作るためとはいえ、私まで離れて。正直なところ、いつアビドスから学校が無くなってもおかしくない……そう思った時は、結構、ある」
「研究が思うように進まない日なんかには、決まったように夢に見た。アビドスが廃校になって、帰る場所が無くなる、そんな夢を。みっともない声をあげて飛び起きて、考えないために機械をいじって……ひどい時は1ヶ月くらい平均睡眠時間が2時間切ってたかな。4徹5徹もザラにあったし」
一回ガチで身体を壊しかけてユウカに泣かれながら大目玉食らったよ、なんて。乾いた声で笑いながら語られる、私が知らない場所で、ずっとずっと諦めずに、希望を作り出そうとしていた、その過程。
「向こうでの生活は確かに楽しかった。でも、頭の片隅で、いつ来るかもわからないタイムリミットにいっつも怯えてた。たとえアビドスが無くなっても、完成さえさせられれば────なんて。無くなる前提でものを考えようとしてる自分が嫌になりそうだった。そんな風に追い立てられるみたいになりながら、後輩達にも迷惑をかけて……」
聞くたびに、自分の罪を理解させられて。胸の奥がズキズキと痛んだ。
「…………本当に、ごめんなさい」
何がもっと早かったら、だ。本気でアビドスに戻ってくるくらい、強い意志があった彼女が、精一杯の全速力を出してないわけがないのに。心と身体を擦り減らしながらでも、願いを叶えるために、全力だったって言うのに。
「あっ!?その、違う!責めたかったわけじゃないの!! 前置きの自分語りが長かった!私の悪い癖!えっと、とにかく、何が言いたいかっていうとね!」
頭を下げた私に、泡を食って慌て出した彼女は、荒々しく強く息を吐いてから、すうっと息を吸い直して。その言葉を口にした。 - 183二次元好きの匿名さん23/09/23(土) 23:55:15
「────────ありがとう」
「…………え?」
聞こえてきた言葉の意味が信じられなくて、思わず聞き返す。
「学校を……アビドスを、ずっとずっと守っていてくれて。ありがとう」
寂しげだけど。穏やかな顔で、微かに笑いながら、確かに彼女はそう言った。
「大好きだった先輩が、亡くなって。遺体まで見て。そこから先、君がどんな風に過ごして来たかなんて、わからないけど。どんな気持ちだったのかなんて、想像すらできないけど」
「きっと、ユメ先輩のことを含めて、君自身の思い入れが理由で、何より後輩たちの為で……そこにいなかった私のことなんて、考えてもなかったと思う。けど────」
「君がこの学校を守ってくれたから……私にとっての"帰る場所"が残っていてくれた。そのおかげで、私の悪夢は正夢にならなかった」
「砂まみれで、人は少なくて、あの頃のクラスメイトも全員いなくなっちゃったけど…………それでも、大好きだった先輩がいた、大好きだったこの学校に、帰って来る事がちゃんとできた」
「だから……ありがとう。気恥ずかしくて言えてなかったけど。本当に、ありがとう」
「………………そっか」
私にも、あったんだ。先輩を死なせて。何もできなかったと思っていたけど。私にも成し得たことが、確かにひとつ、あったんだ。 - 184二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 04:09:53
「…………お礼を言うのは、こっちの方だよ」
言えなかったことがあるのは、こっちも同じ。つまらない嫉妬心はもう無い。自分勝手に責めた負い目も、今だけは傍に置いておく。私達の学校を、私たちの故郷を、救ってくれたこの人へ。心の底からの言葉を。
「ありがとう。アビドスに帰ってきてくれて」
「君が『希望』を創ってくれたから。アビドスの未来が救われてる。だから本当に……ありがとう」
私の言葉を聞いて。ぱちぱち、とメガネの下で瞬きをした彼女は、私の方をじっと見て。照れくさそうにはにかんだ。
「…………『希望』。科学で創った希望、か。随分大袈裟に褒めてくれるじゃん」
「言っとくけど、お世辞なんかじゃないからね」
「わかってるよ、もう。………にしても────」
「…………?」
「────そんな風に笑うんだね。初めて知ったよ」
私の顔をぼんやり眺めながら、彼女はぽつりとそんな事を呟いた。 - 185二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 08:10:47
ホシノが自分の足掻きを肯定できるようになるの良い…
- 186二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 08:20:22
ホシノが今の今まで耐え抜いたからモブ子が間に合ったのだ
- 187二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 11:35:34
これ迄の全部に意味があったんだ
- 188二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 11:40:10
何かを守れているのか自身の行動は無意味に後輩を苦しめてるだけではないかと悩んでたホシノに、ありがとうが染み込んでいく…
- 189二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 15:17:39
「ホシノっちが後輩達と守ったアビドスは、私の発明で蘇らせてみせる。もう街を砂に埋もれさせたりはしないし、人が安心して暮らせる街にする。そんな決意も実現させられるところまで、私たちは来てる」
これまでの事を一通り話し切った後。話すのは、これから先の事。
「邪魔なだけだった砂は全部『資源』になった。アビドシウムの売買はアビドス高校主体で進めていくから、予算問題も学校が自分の手でどうとでもできるようになる。砂嵐は力づくで黙らせた。こっから先は、科学の力だけじゃない『人の力』で、町興しをしてかないといけない。…………前までみたいにぐでーっとしてる暇はない、そう思っておいた方がいいよ?」
「うへ、おじさんの身体には厳しい戦いになりそうだねぇ」
いつもの調子でそんな事を言うと、メガネの下の瞳から妙な目線を飛ばされた。
「…………ホシノっち、ひとつ言っていいかな?」
「いきなり何?まあいいけど。はい、どうぞ」
「そのユメ先輩のエミュっぽいの、ぶっちゃけクオリティが微妙」
「微妙」
「あと前のホシノっちを知ってる身からすると色んな意味で見てて痛々しいっていうか痛あ゙っ!?ちょっ、やめっ……もうっ!すぐに手が出る脚が出る!根っこのところがまだホルスっちの癖に!後輩達に悪影響!」
「安心しなよ、君にしかやらないから」
「嫌すぎるよそんな特例!」
「…………ふふっ、あははっ!」
「…………もう」
後輩達しかいなかった頃じゃ……いや、先輩がいた頃のアビドスでもできなかった良く言えば気楽な、悪く言えば雑なやりとり。なんだかそれが、とても楽しい。
ふう、と息を吐いて、彼女が話を戻してくる。
「まあでも……ホシノっちはずっと頑張って訳だし。今は私だっているから、ちょっとお休みするくらいしてもいいとは思うけど────」
「…………ううん。私も、もう一度頑張ってみるよ。みんなと一緒に」
だから。見ててね、ユメ先輩。
「それで、いつかアビドスを人でいっぱいに…………それこそ、アビドス砂祭りができるくらい、人でいっぱいにするんだ」
あの時、夢物語なんて言ってしまったことを。私たちの手で、現実にしてみせるから。 - 190二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:21:05
────あれから、数日経った。
少しだけ無理してるみたいだったホシノっちも、あの日以来、前より自然体で過ごせているみたいだった。秘密にしておきたかっただろうことを暴いて、酷く傷つけてしまったかもしれないけど。良い方向に変われたなら、無駄じゃなかったんだと思う。私は私で知りたかったことは知れたから。
だからこれは、ただの蛇足みたいなものだ。
「…………ふっ、ゔっ、ぅっ」
あの時、2人きりの教室で話した日。最後まで、ちゃんと堪えられてよかった。こんな姿は彼女に見せられない。見てしまったら、きっと彼女は、自分を責めてしまうだろうから。
────ねえ、先輩。私、頑張ったよ。いっぱいいっぱい頑張ったよ。故郷をなんとかしたくて、みんなの学校を救いたくて、先輩との約束を守りたくて。
「…………ふっ、うっ、うぅぅっ……!」
でも、先輩は。ユメ先輩は、もういない。あの時交わした約束を果たす相手は、もういない。
私が作り上げた技術は、間違いなくアビドスを救えた。アビドスをずっと守って来たあの子が、そう言ってくれた。意味が無かったとは思わない。私がやって来たことは、絶対に、かけがえのない、大きな意味があった。そう確信できる。
ああ、でも、でも。やっぱり考えてしまう、一度でいいから。一度だけで構わないから。
「あ、あっ、……うあ゙あぁああぁあぁぁ……!」
頑張ったねって、凄いねって。
そんな風に、褒めて貰いたかったな。 - 191二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:25:07
- 192二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:33:33
強い子なんやなって
- 193二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:38:55
(スレの書き込み見つつつらつらssみたいなのを書いてみました)
(楽しんでいただければ幸い) - 194二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:45:53
- 195二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:46:00
- 196二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:49:14
猛烈なおじさん曇らせからの激烈なおじさん救済スレだった……
楽しかった - 197二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 16:56:13
完結乙
砂祭りがちゃんと希望のある未来が見えているのが良い - 198二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 17:50:48
素晴らしいSSと出会えたことに感謝
- 199二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 19:13:11
- 200二次元好きの匿名さん23/09/24(日) 19:43:28
200ならハッピーエンド