【閲覧注意🎲⚓SS】ロー中心ハートの海賊団をホラーな目に遭わせる Part5

[1 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/13(水) 21:24:56]

お盆だけどきせいするばしょがないので、ローやハートのひとたちにちょっかいを出そうと思うPart5（9月の半ば…だと…！？）

※諸注意は前スレを参考にしてくれ

※怪異に遭遇すると正気度ダイス→出目により行動・結果が変化する（1d6で6を引く→混乱　1を引く→冷静に対処　など）

※怪奇現象は1d3前後、大切な人やモノに関わることなら1d6前後

【閲覧注意🎲／参加型の物語】ロー中心にホラーな目に遭わせる｜あにまん掲示板

【閲覧注意🎲⚓SS】ロー中心ハートの海賊団をホラーな目に遭わせる Part2｜あにまん掲示板

【閲覧注意🎲⚓SS】ロー中心ハートの海賊団をホラーな目に遭わせる Part3｜あにまん掲示板

【閲覧注意🎲⚓SS】ロー中心ハートの海賊団をホラーな目に遭わせる Part4｜あにまん掲示板

SANを削って反応を楽しむスレだからガンガン削るぞ　スレ民次第だが市にはしない予定だ

ダメだと思ったらブラバしてくれ、他におもろいスレはたくさんある

生かすもトラウマ刺激するも発狂させるもスレ民次第だぜよろしくな！

[2 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/13(水) 21:25:44]

【追加の諸注意】

・感想、ツッコミ、考察、関連する雑談も大歓迎だ　いつもありがとな！ハートの海賊団語れる場所ないしヒートアップしない程度に好きに使ってくれ
・ただし言葉遣い＆過度な否定になっていないか気を付けてくれ
・意見が違っても「みんな違ってみんないい」精神でいこうぜ



【現状とSAN値メモ】

＝現実世界組＝
シャチ46 （発狂・恐慌まであと21）…シャワーブースで眼球に遭遇した係／酒と塩まみれのペンギン置いてボイラー室へ
ベポ 36（発狂・恐慌まであと26）…船長室へ戻る係／E:大判タオルで包んだパンイチ姿のロー

＝精神世界組＝
ペンギン 26（発狂・恐慌まであと6）…船長を連れてさっさと帰る係／前スレで怪異にフルボッコされた人
ロー ??

[3 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/13(水) 21:26:06]

【戴いたイラスト】

Part4 196氏より／最高なんだ…（このスレまで追いついてから見てほしいぜひ）

○○する３秒前

[4 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/13(水) 21:34:15]

御礼伝えきれなかったがイラスト本当に有難う！！！！！この薄ら笑いの表情も妖しい目も手つきもアングルも最高なんだ　あと鬼哭以下を指で隠すとペンギンの視界を追体験できる感じがしてすげーぐっとくる

みんないつも見てってくれるだけじゃなく感想とかイラストとかマジでめちゃくちゃ嬉しいありがとな！！！

[5 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 21:34:44]

あまりの喜びにスレ主のSAN値がめっちゃ回復している...

[6 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/13(水) 21:36:30]

（もしよければ前スレでベポ＋ゼポのSS執筆経験者も自分以外に見たい人いると思うし検索ワードとか教えてくれると有難い）

あと悪いが実は今日いいところまで書けてないんだ
保守のためにも前に別スレでアップした（今は削除済）ハートの海賊団SSで良ければアップできるがホラーじゃないし掲載するかどうか迷ってる　要る？

[7 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 21:37:22]

たて乙
ペンギンの寝床に飾ろうとするのさすスレ主

[8 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 21:38:03]

ぜひ見たいです！
スレ主の文章めっちゃ好きなんだ

[9 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 21:52:46]

追いついた！
楽しみ！

[10 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 22:02:48]

幕間あるいは小休止というていで是非ハートSSを
…船長のパンイチには触れてあげないで

[11 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 22:03:29]

たておつ　前スレぎりぎり使ってごめんなのだ

>>6

ベポSSものなのだ

ベポゼポが直接会うわけじゃなく、SS不慣れなのでちょっとはずいのだが

「過去スレ　ベポ　ゾウ」

で出ると思うのだ　終わりの方なのだ

[13 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/13(水) 22:05:19]

>>12（リンク間違えた…）

>>7 飾ったときの反応想像すると愉しくなるよな

有難う、お言葉に甘えて箸休めを置かせてもらう

ハートの海賊団日常

明日は普通にシャチの続きからだ　すまんが今日は消えるおやすみ！

[14 二次元好きの匿名さん 23/09/13(水) 23:12:51]

仲良しほっこりは良いもんだ
ありがとう主

[15 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 08:03:09]

この修学旅行感なごむ…たまにはこういうのもいいなあ
と思うペンギン連続最大値に貢献した怪異であった

[16 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 08:11:19]

めっちゃ微笑ましい時間が流れてて好き
ギュッてなってるとこを想像するとホント可愛いなお前ら、ってなる
良い話をありがとうスレ主！

[17 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 18:01:04]

こういうtrpg風のやつ好きだから一気に見てきちゃった
最高に面白くて怖くていいな
解決はしてほしいけど終わってほしくない……まだたくさん読みたい……

[18 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/14(木) 21:41:57]

新規さんいらっしゃい＆感想ありがとな！ハートの連中ずっと童心忘れないでほしい

>>11

このスレ知らんかった　めちゃくちゃ良いSSを有難う！！ペドロ視点すげーよかった

こういうもうちょっとベポ側の救いというかミンクとしての行動欲しかったよな…

[19 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/14(木) 21:42:54]

（シャチ　SAN値49-3=46）（発狂・恐慌まであと21）

「う"あ"あ"あ"あ"あ"ッ！！！！」

"それ"と目が合ったと認識した途端、本能的な恐怖に襲われたシャチは瓶を床へ叩きつける。硝子の破片と派手な音がブースに飛び散った。
しかし、とぷとぷと排水溝へ流れてゆく液体を見ても、砕け散った瓶を見ても、眼球らしきものはどこにもない。シャチの脳裏に、廊下で見たいくつもの"目"と刺し殺したローの姿が思い浮かぶ。

―今このときも"あいつら"に視られているということか

廊下で視た、一斉にこちらを凝視するいくつもの目玉たち。執拗に得物を見定め、愉しむ気配は"同じ"だった。怒りに任せて潰して回り、結果、幻だったとはいえローの心の臓にダガーを突き立てた感触を思い出した手が恐怖に戦慄いた。
また同じ幻を見せられるのでは。今度は本物のペンギンを使われるのでは、などと疑心暗鬼に陥ってゆく。

「くそ……クソッ！！！」

ダン、と割れた瓶を踏み抜いた。それでもやり場のない感情は排水溝に流れることなく、シャチにまとわりついたままである。
あのいくつもの目が仮に"あいつら"だとしたら、果たしてあの酒を掛けて大丈夫だったのだろうか。そして流してしまった酒は、本来ローの身体にこそ必要なものだったのでは。ベポを一人にするという自分の判断は間違っていたのでは。
いくつもの疑念や後悔がじわじわと身を焦がすが、シャチはそれらを振り払うように首を振る。

「ダメだ、行動しねえと、」

未だ落ち着かない胸のあたりの服を握り締め、意識なく壁に寄り掛かるペンギンを見下ろした。
"目"はどこまでも追ってくる。時には幻覚をもかけてくる厄介な代物だ。やはり自分が一緒だと却って危ないかもしれない、とシャチはペンギンの帽子についている飾りのミニペンギンごと頭をぽんぽんと叩く。

「……行ってくるぜ、相棒。頼むから無事でいろよ」

ボイラー室に行って、稼働させて戻るだけのわずかな時間だ。問題ない。ミニペンギンにも、そして己にもそう言い聞かせてシャチは酒の香りに包まれたシャワーブースを後にした。

[20 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/14(木) 21:43:31]

その後、何事もなくボイラーを稼働させたシャチはボイラー室を出て大きく息を吐いた。特に異変は起きておらず、通路では機器や計器類の音だけが低く静かに唸っている。長く聞き慣れた"我が家"の呼吸音や心音ともいえるそれを意識して聴けば、凝り固まった心身が安らいでゆく。

「（そうだ、これが当たり前なんだ）」

この一時間にも満たない間でさまざまな事が起こり過ぎた。キャプテンの命が、果ては皆の命が掛かっているとも言える状況で動けるのは自分たちだけなのだから、冷静にならなければと頭を冷やしながら歩き出す。

「（酒はどうすっかな……食堂は２回も妙なことが起きてるからあんま行きたくねェし、食糧庫もすぐ隣だから危険なことに変わりはねェ。倉庫にもあるだろうけど探してる時間は惜しい……）」

確か"子供"は塩や酒といった単語に頷いていただけで、使い方を含め明確に何かを言っていた訳ではない。もしかすると、ペンギンの傍に置いてきたように近くに置いたり撒くだけで良いのかもしれない。

「使いかた聞いときゃ良かったぜ。……なァ、その辺に居たりしねェ？」

道すがら、きょろきょろと辺りを見回しながら何もない宙に向かって声を掛けるが応えは無い。掛けた声が独り言となってしまったシャチは気恥ずかしさに首の後ろを掻いて、再び歩き出す。

と、そのときシャチの耳が背後の微かな甲高い音を知覚する。
ぴし、と何かが張り詰めた、か細い悲鳴のような音だった。

「……なんだ……？」

例の"子供"からの合図か伝達音かと振り返ったその瞬間、シャチの周囲にビキビキと耳を劈く"音"がいくつも走る。巨大な氷塊が割れ砕かれるようなそれは通路へ反響し合い、やがて、最悪の事態を連れてきた。

―水が、噴き出している。

「おい……なんで、なんで水が！！！」

シャチは思わず水が出てくる奥へ駆け出そうとした。しかし水はシャチの身体を押し流すように向かってきており、思うように進めない。代わりに思考だけがばちばちといくつもの可能性を弾き出す。

「（老朽化…点検ミス…いや有り得ねえ！　それに衝撃が無かった、敵襲ってセンは薄いが能力者なら話は別だ……！）」

神経を奪う冷たさとあっという間に足を絡め取って流れてゆく濡れた感覚は、現実という無情を突きつける。

[21 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/14(木) 21:45:01]

「こんな時に！！なんでだよ！！！」

理不尽を呪う悲鳴が怒涛の水流音に掻き消える。伝声管で現状を伝える余裕も、損傷を確認しにいける状況でもなく、シャチはとうとう膝上まで迫りくる水圧に耐え切れず壁のパイプへ掴まった。この量の水が流れ込むことの"意味"に改めて血の気が引いてゆく。

「（浸水なんてレベルじゃねェ…！！）」

損傷個所に行けないのなら、せめて発令室へ連絡できる場所へ。無力な自分を叱咤して水の中で踵を返そうとしたそのときだった。

―きん、と超音波のような音が、一閃。

シャチには何が起きたのか分からなかった。

目前に広がる"艦体の断面図"。壁面、パイプ、計器、居室、上階の床、下階の天井。まるで等身大の模型のような光景だった。次いで視界いっぱいを埋め尽くす深海の黒と、激しくせめぎ合う気泡に身体を襲われる。口腔内の酸素が奪われ、肺からも気体が逃げてゆく。あちこちから身体を圧し潰され、もみくちゃにされる感覚は激しい殴打に近い。

消えかける意識に抗いながら瞼をこじ開ければ、そこにはさきほどまでシャチが居た通路を境にして真っ二つとなったポーラータング号の"向こう側"があった。激流に呑まれ、多くの気体を白く吐き散らしながらゆっくりと離れてゆく船体。その天地は反転しているが上下左右が不覚となっているシャチにはどちらが正常な向きなのかすら分からない。

ただひとつ分かるのは、もう二度とあの"家"へ帰ることができないということだけだった。

―敵の把握と、人員の避難を。

―ポーネグリフの回収を。

―このままでは就寝中の皆が、意識のないペンギンが、一人ぼっちのベポが、身体を乗っ取られかけているキャプテンが、死んでしまう。水に攫われて、いなくなる。

気泡と水流、そして失われてゆくものへの恐怖という渦に呑まれてゆく。

全身を貫く深海の冷たさと遠くなってゆく大小の気泡たち。様々な物品や破片、船体が体を叩きつけてゆく衝撃と荒れ狂う水の流れ。状況に翻弄され続けることしかできない、あまりに無力すぎる自分。

シャチの口から、奥底に残っていた最後の酸素がごぼりと漏れた。

シャチSAN値チェック

dice1d10=7 (7)

[22 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 21:58:37]

海中でこれは普通に恐怖すぎる
しかし前軽い気持ちで目を安価したけどここまで効果があると嬉しいですな

[23 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 22:09:00]

SAN値ざっくり削れてにっこりやで
いたずらのネタに使われたクラさん的に愉悦か激おこのどっち案件なんだろ

[24 二次元好きの匿名さん 23/09/14(木) 22:26:14]

もしかして未来視かとふと考えてこっちのSAN値も削れたんれすが…ｵｵｩ

[25 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 07:44:39]

前スレでシャチはベポのフルスインググーパンを喰らわなくて良かったね

[26 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 08:38:21]

ほっこりの後にきたのがこれか…
温度差倍で風邪どころかインフルなりそう

[27 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 09:52:39]

>>2

ベポキャプテンに服着せたげて！

[28 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 10:20:39]

>>27

塩と酒で浸した服を着せれば安全だな！ヨシ！

[29 あ 23/09/15(金) 18:27:37]

面白い、すき、楽しみ

[30 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/15(金) 19:09:11]

（シャチ　SAN値46-7=39）（発狂・恐慌まであと14）

あまりの出来事にシャチが思考の一切を放棄しかけたそのとき、ぐん、とものすごい勢いで襟首の後ろが引っ張られた。反動で喉が詰まるが、絞め殺されかねないその力に成す術はない。ただひたすらに全体重を一点で引かれ、混濁する意識を繋ぎとめるのに精一杯だった。

そして次の瞬間、悪夢から飛び起きるかのように、息継ぎのため海面に顔を出すように、シャチは"飛び起きた"。



「―ッガハッ！！　ゲホッ、ゲホッ、」

急に肺が酸素を取り込み、反動で噎せ返る。数度咳を繰り返すなかで薄っすらと目を開くが視界はぼやけて使い物になっていない。
此処はどこだ、息ができるということは命は助かったのだろうか。ポーラータングはどうなった。他のクルーは、ペンギンやベポ、キャプテンは。次々と浮かび上がる疑問が思考を占領する。

「なんであんな…あんなことが、あっていい訳がねェ…！」

嗚咽に似た声を吐き出し、震える手で頭を抱え込む。
離れゆくポーラータングの半身が、断ち切られた心音にも似た計器類の悲鳴が、すべてを吞み込まんとする闇色への恐怖が、頭にこびりついて離れない。

「あ、あぁあああ……ッ！　みんな、みんなっ……！」

家も居場所も、一瞬にしてすべてを海に攫われる。心を抉られる痛みに意識を乗っ取られかけるなか、シャチの鼓膜に耳鳴りに近い音が飛び込んだ。地を這う怨嗟のようでいて、甲高い悲鳴のような音。聴覚めいっぱいに広がるその音へ反射的に耳を塞ごうとするが、シャチがそうするより前にふと掻き消えた。

「な……、」

なんだったんだ、と荒い息を吐く。
思わず音の出所を探ろうとして周囲を見渡そうとすれば、首が不自由なことに気が付いた。背中が、正確には"首の後ろ"が壁に固定されている。おそるおそる背後へ顔を向ければ、見慣れた刃文の輝きがそこにあった。

「え……あ！？　鬼哭！？」

全容を確認すべく視線を流せば、床付近に覚えのある柄も特徴的なもふもふとした鍔も見える。間違いない。ローの愛刀が、シャチの襟首を掴み上げるようにして壁に突き刺さっていた。

[31 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 20:41:56]

鬼哭ウゥーーー!!!
船長室から飛んできたのか？さす妖

[32 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 20:53:43]

やだかっこいい...

[33 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 21:23:22]

鬼哭さーーん！！

[34 あ 23/09/15(金) 21:33:05]

お！更新されてた！！

[35 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 22:50:07]

鬼哭パイセンナイスすぎ…！

[36 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/15(金) 22:52:07]

シャチは改めて周囲を見渡した。開けっ放しになっている正面の扉から漏れてくる常夜灯の光は頼りなくも室内を照らしている。室内には大きめの木箱や麻袋がしっかりとラベリングして積まれており、失ったと思ったポーラータングの"鼓動"が耳に、そして部屋に馴染んでいた。

「第三…倉庫…？」

呆けた声が室内に反響した。もう十数年と住んできた艦内を間違えるはずがない。各季節に対応する用品をしまっておくこの倉庫は前の島に分かれを告げて次の島の準備をする切り替えのような役割があり、シャチの好む部屋のひとつだった。周囲に水は一滴もなく、当然船体も真っ二つになどなっていない。

「は…はは……」

都合の良い夢や走馬灯の類かと思ったが、手を握る感覚も固く冷たい床の感触も、何もかもがリアルだった。しかし先ほど渦中にあった感覚も体が鮮明に覚えている。どこからが夢で、どこからが現実なのか。

「（キャプテンを刺したときも、そうだった）」

そこまで思ってから、嫌な記憶を振り払うようにぶんと頭を振る。

「大丈夫だ……整備は毎日しっかりしてるし索敵も怠ってない。あのクソ目玉みたいに、きっと幻だ」

物事を深く考えない、短絡的、と評されることがあるシャチだが、信じたいものを信じる姿勢は美徳でもあった。直感に任せてうまくいってきたという実績がそれを後押ししているともいえる。

そうして深呼吸をひとつ落とし切り替えて、シャチはおもむろに片足を立てて鬼哭で襟首の布地を裂いた。自由になった身体で立ち上がって大太刀を見下ろせば、床付近から刃先を持ち上げるようにして壁に突き刺さっている。不自然な低位置にあるそれは、"誰か"が柄を握り刺したとは思いにくい。

「……助けて、くれたのか？」

当然のように応えはないが、渦中で首を引いてくれたのも注意を引く耳鳴りのような音も、おそらくこの妖刀だろう。あれがなければ今も幻の最中だったのかもしれない、と海の冷たさを思い出す。

[38 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/15(金) 22:53:56]

>>37（安価番号間違えたので修正！）

しかし基本的にローと共に在る刀が何故こんなところにあるのかと首を捻る。もしや偽物かと思い先ほど己が居た船長室の記憶を掘り返すが、この大太刀のことを意識していなかったため存在の有無を思い返せない。

「とにかく、お前のおかげで助かった……だよな？ありがとな。なァ、なんでこんなところに居るんだ？　キャプテンいま船長室にいるぜ」

ひょいと屈んで話しかける。返答があるとは思っていないが、この船に乗っているクルーは皆この妖刀のことも仲間と思っているためこうして話しかけることが多々あった。

そのままの体勢で、シャチはどうするかな、と思案する。

>>41　シャチは鬼哭をどうする？（持っていく系or置いていく系／その他やりたい事があれば）

[39 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 23:02:43]

持ち歩かせて鞘さがす
納刀されてる状態の鬼哭見つけてﾋｯってなればいい

[40 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 23:07:39]

もっていく
お守り代わりに

[41 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 23:09:22]

鞘探しもしたいが…ちょうど倉庫なので酒調達

[42 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 23:43:18]

シャチを助けた鬼哭が本物だとしたら
ローが持ってた鬼哭は一体…うごごごご

[43 二次元好きの匿名さん 23/09/15(金) 23:58:41]

>>42

あっちは精神世界みたいなもんなので実際のモノとは違うんじゃねえかな

にしても何故いきなり倉庫？ってのは気になる　何かそこにあるのか？

[44 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 07:20:36]

昨夜のハイライト：鬼哭パイセンが満を持しての登場　主人公ムーブをかます

[45 11 23/09/16(土) 13:47:41]

>>18

主に感想もらってすごくうれしいのだ！

こんなん書いてここのベポにゼポ怪異だしてキャプテンの現状の原因になったおれです許してください

[46 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 14:05:07]

鬼哭パイセン滅茶苦茶カッコいい
ハートが鬼哭に対してフラットに接してるのが凄い想像できる

[47 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 15:55:25]

鬼哭は妖刀だからこういう時は一番、それこそロー自身よりも頼もしいかもしれん笑

[48 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 16:00:56]

ステルペンのロングバージョンぽく感じた
意外な展開多くてすごい

[49 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/16(土) 20:39:49]

抜き身で持つには危なすぎるうえ、悲しいかなシャチの身長と技量では刀身をぶつけずに持ち歩ける気がしない。船体に傷を付けては鬼哭にもポーラータングにも申し訳ないため、この妖刀に関しては一旦保留とした。

「（鞘があれば…あと酒も）」

ぐ、と背筋を伸ばして倉庫を見回す。酒があればとは思ったものの、この第三倉庫にあるのは冬用の衣類や毛布、予備の備品など普段使わないものばかりで食糧の類を置いている気配はない。一抹の望みにかけて木箱や麻袋のラベルを探っていくが、当然の結果しか見当たらない。

「やっぱねェか～～」

誰かが隠した酒や紛れ込んだものがあればと思ったが、医療品を多く載せているこの艦において整理整頓は厳守されている。いざという時に判断が遅れたり共通認識が成り立っていなかったりすると命を守れないからだ。基本的に船内では何をするも自由だが、艦の点検管理、衛生管理、整理整頓は船長であるローを筆頭として徹底的に教育されているのがハートの海賊団である。
が、今この状況においては別の方向に効果が発揮されていると言えなくもない。

「（ここで時間かけてらんねェし、一旦ベポのところ戻るか、第一倉庫に行くかだな）」

額の汗を拭いながら顔をあげる。そこでふと視界の端に鈍い光がちらついた。

「……？」

上下左右に積まれている木箱と木箱の間。シャチがギリギリ半身で通れそうなスキマが開いている。この薄暗い室内で光るようなものでもあったかと首を捻りながら覗き込めば、縦になった楕円が鈍く存在を主張していた。鞘の、鯉口だ。（※鯉口…刀身を差し入れる部分）

「鬼哭の鞘…か？」

手を差し込めばすぐに掴むことができる。が、抜き取ろうとしても何かに引っかかって引っ張れない。一度抜くのをやめて改めて検分すれば、どうやら奥で麻紐に絡めとられているようだった。ますますどうしてこんなことになっているのか分からないが、眉を顰めつつ自身のダガーを突っ込み紐を切り離してゆく。

「よ……っと、抜けた！」

ずるりと引き抜いた鞘には特に割れや欠けなどは無さそうだ。安堵の息を吐いて、ちょうど鞘からほぼ直線上の位置にある刀身へ向き直る。

「キャプテンじゃなくて悪いな、ちょっと我慢してくれよ」

慣れない手つきで力任せに引っこ抜き鞘へ納めれば、張り詰めていた辺りの空気が少しだけ和らいだ。

[50 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/16(土) 20:40:34]

>>52 シャチはどうする？

（ペンギンを拾ってベポのところへ or 酒の調達へ　そのほかやりたいことがあれば）

[51 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 20:48:49]

なぜそこに鬼哭があったのか気になって鞘のあった付近を調べてみる

[52 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 21:17:51]

ペンギン拾ってベポのところへ行く
悪夢の後だしクルーの安否確認したくなるかなあ

[53 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/16(土) 21:58:24]

鬼哭があったこの部屋のことは気になるが、優先すべきことがある。酒が調達出来なかった事も惜しいものの、こればかりに時間を削ってはいられない。塩もある。最悪ペンギンやベポの様子を確認してからまた取りに行けばいい、と一旦船長室へ戻ろうとシャチは通路へ足を向けた。

扉からそっと顔を出して通路を見るが、しんと静まり返っているそこは普段と変わりない。浸水はもちろん、あちこちを走るパイプの悲鳴も聞こえなかった。何も起こってくれるなよ、と内心で怪奇現象へ威嚇しながら部屋の外に出る。

シャワー室でペンギンを回収し、急ぎ船長室へ。ただし警戒は怠るな。逸る気持ちを抑えながら自身へ言い聞かせ、鬼哭を抱えて歩き出す。

「（にしても、マジで何であんなところに鬼哭があったんだろうな…）」

助けられたという自覚もあって、シャチにはこの手中にある妖刀が偽物や幻だとは到底思えなかった。だからこそ、あんな人目につかない場所へ隠し捕えるようにされていたことに憤りを隠せない。クルー達があんな悪質なことをする訳がなく、必然的に怪奇現象の類だろうと臍を噛む。

「……お前もムカついてるよな、あんなところに押し込められて」

ぎゅ、と鬼哭を握り締める。とにかくいまは皆の安否確認が優先だった。自分があんな目に遭っているのだから、ペンギンやベポの方にも何か異変があったとしてもおかしくはないだろう。

「鬼哭も、ちゃんとキャプテンのところ連れていってやるからな」

万が一、もう一振り船長室に鬼哭があったとしてもその時はその時だ。シャチが手にしているそれを本物だと信じる心は変わらない。床や壁へ当たらないよう目の高さまで持ち上げて語り掛ければ、まるで返事をするように赤色の下緒がゆらめいた。

>>　ペンギン（肉体）への怪異を募集…しようと思ったが出来なかった

続いてベポの様子に移るぞ

安価遠いから適当なタイミングで参加してくれ　また明日な！

>>59 船長室へ向かったベポはどうする？ or 何か怪異を起こす？（塩を摂取したメンバーの偽物を創り出すのは不可能）

[54 二次元好きの匿名さん 23/09/16(土) 23:56:15]

塩摂取メンバーの「偽物創出」以外はオケってことかな
少なくとも幻覚系は有効だったな

[55 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 02:11:57]

船の気圧が急激に変化する

[56 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 02:17:26]

とりあえずキャプテンにツナギか私服か着せてあげて…
その上で船長室の照明が突然落ちたり音が何も聞こえなくなったりしてほしい

[57 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 05:52:32]

ローが「消える」（ひところのシャチみたいな状態　見えない・触れない）

[58 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 07:52:12]

ローに部屋着着せて温めつつ何か歌を歌う
飴を口に入れたいけど船長室にはないだろうな

[59 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 07:56:12]

方向感覚狂わされて行き着いた先で偽クルーたちがグロ＆ゲテモノ（許される範囲で）夜食会を開催中

[60 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 09:36:15]

>>59

ひでぇ事考えやがる（褒め言葉）

[61 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 09:48:02]

やさしめのコメとの温度差ワロタ
最近見てるゾンビ映画で想像してしまった

[62 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 09:50:51]

グロ系はベポが一番良い反応してくれそうな感じあるから楽しみ！
なんとなくだけどシャチとかペンギンは耐性ありそう

[63 59 23/09/17(日) 09:56:07]

>>60

そ、そんな事言われても嬉しくネーゾこのやろー!!!（はぁと）

[64 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 13:42:13]

邪悪なチョッパーやなぁ(褒め)

[65 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 13:48:30]

ペンギンへの怪異が出来なかったのはお酒を振り掛けたから？と思ったけどシャチも同じ状態なんだよね
なんでだろうな

[66 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/17(日) 18:50:24]

>>54

すまん遅レスだがそんな感じだ

旗揚げ組のみ偽物（ベポが最初に遭遇したハクガンみたいなの）はNGだが幻はOKという感じ

安価に温度差ありすぎてスレ主がグッピーだったら死んでた

そしてまたしても衣服がお預けになるトラファルガー・ロー（26）

[67 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/17(日) 21:59:59]

シャチと別れたベポはローを抱えて船長室へ急ぐ。洗面室とは階層が違うが時間のかかる距離ではない。

「（戻ったらまず服だ、起きたとき裸だとキャプテン困るもんな…あとは何すればいいのかな…）」

戻った後のことを脳内でシミュレーションするが、体温を分け与えるくらいしか良い方法が思い浮かばない。湯たんぽなどの調達も考えるが、安易に出歩くべきではないだろう。慣れた通路を急ぎながら思慮を巡らせるベポは、ふと立ち止まる。

目前には、船長室とは程遠い"第一倉庫"の扉があった。

思わず我が目を疑い幾度も瞬くが、文字は変わらない。前後左右を見ても、普段通りのそれである。もう十何年と住み慣れた艦だ。船長室を目指して間違えたと言うには有り得ない距離と位置に思わず後退る。

「（キャプテンの部屋に向かってたはずなのに…！）」

侵食してくる疑心と不安へ対抗するように、腕の中のローを抱き込んだ。ミンク族としての本能が警告音を鳴らす。
怯んだら負けだとベポは踵を返し足早に歩き出した。考え事をしていて正反対に向かったという可能性はゼロに近いが、道のりを意識していなかったのは事実である。今度は落ち着いて、左右の扉を見ながら確実に船長室へ向かってゆく。
しかし階段を過ぎ、あとは真っすぐという所で見えてきたのは在るはずのない食堂だった。

「な、なんで…！」

確かに通り過ぎたはずだが、奥に見えるのは食堂に他ならない。ベポはぶるりと身を震わせる。船長室へ戻れない苛立ちと焦りが、そして明らかな怪奇現象に空恐ろしさが募ってゆく。

それでも心を奮い立たせて再び船長室へ向かおうとするが、食堂の中から明かりが漏れていることに気付き足を止めた。中からはクルー達の微かな話し声がする。体感時刻は早朝4時前、こんな時間に誰が居るのだろうかと耳を澄ませ様子を伺った。

「（この声…イッカク、ウニ、クリオネ…ジャンバールも…？）」

話している内容までは分からない。今夜寝ているはずの面子だが、怪奇現象が起き集まったのかもしれないとベポは扉へ近付いた。気配を消して丸窓から中を覗く。しかしちょうど死角になっていて様子を確認することは叶わない。

もし皆が恐ろしい目に遭っているなら事態を説明する必要がある。少しだけ顔を覗かせて、何事も無ければ「トイレに起きただけ」とでも言ってすぐ退散しようと思い肘を使って扉を開けた。

[68 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/17(日) 22:00:17]

食堂の中には、くすくすと控えめな笑い声と粘着質のある水音がいくつも響く。先ほど知覚した数人が集まってテーブルの一角を占拠しているが、ベポの位置からはジャンバールをはじめ皆の背中があることしか分からない。

「み、みんなおはよ…何やってるの、こんな朝早く…」

ゆっくり扉を開けただけでは気付かれなかったらしい。控えめに声を掛ければ、皆が一斉にベポを見る。その瞳は異様なほど煌々と輝いており、口元からは深い赤が滴り落ちていた。

―血の、におい。

ベポの喉がひゅ、と鳴る。

「ああ、ベポいらっしゃい！　待ってたんだよ」

「そうそう、小腹が空いちまってよ。先に食ってたぜ」

イッカクとウニがいつもの調子で楽しそうに良い、腕で口元を拭う。同時に、ジャンバールがベポを歓迎し道を開けるようにその巨体を退かして見せた。

「食うって、なにを……」

強張る身体を動かせず、目線だけをテーブルの上へ滑らせる。

乗せられていたのは、折り重なってだらりと垂れた二つの肢体だった。白いツナギは腹を中心に赤黒く染まり、ぬらぬらと光る臓器がいくつも飛び出している。そしてその身体の持ち主だったのであろう胴と別れた首がふたつ、色鮮やかな血を零しながらテーブルの上へ無造作に転がっていた。

―シャチとペンギンの首が、苦悶の表情で虚空を見詰めている。

それはあまりに惨たらしい光景だった。喉も手足も、その場に張り付き動かせない。しかし硬直するベポを意に介さず、舌なめずりをしたイッカクが、そして血肉を嚥下したジャンバールが、机を避けてベポのほうへ歩み寄り手を伸ばす。正確には、その腕のなかの存在へ。

「ベポ、メインディッシュ持ってきてくれてアリガトね」

ベポSAN値チェック

dice1d6=4 (4)

[69 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:05:55]

ﾋｪｯ

[70 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:11:42]

あー……食べちゃいたいほど皆キャプテンのこと大好きなんだね(現実逃避)

[71 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:37:03]

そっかいま食べやすい状態だね！（開き直った怪異）

[72 二次元好きの匿名さん 23/09/17(日) 22:38:09]

このあとスタッフが美味しくいただきました！

[73 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 02:09:27]

今までで一番【閲覧注意】に相応しいターン
いやホラーとして大変素晴らしい
グロやカニバは本来得意ではないが食べられているのがペンギンとシャチというあまりの残酷さが美しすぎて感動してしまった

[74 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 06:52:19]

>>72

スタッフっておれらかw

[75 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 08:48:54]

昨日のハイライト：マスコットキャラの闇（違）
　　　　　　　　　お に く お い し い ね

[76 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 09:22:26]

本日のメニューはペンギンとシャチの活け造り！
メインディッシュはキャプテンのタオル包みです！
完成品はこちら、ベポが持ってきてくれました！

[77 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/18(月) 14:40:42]

スレ民のSAN値も同時に削れてるな！ヨシ！
本当はシャチ＋ペンの二人を踊り食いにしようと思ってたけどマイルドにして正解だった　たんと食べてくれ

[78 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/18(月) 14:42:55]

（ベポ　SAN値36-4=32）（発狂・恐慌まであと22）

「あ、あぁ、あ……！」

つい先ほどまで自分を励まし勇気付けてくれたシャチが、キャプテンを迎えに行くと心を抜け殻にしたペンギンが、無残な姿で"食い散らされている"。あり得ない、あってはならない光景にベポの身体はいう事をきかず震えた声しか出なかった。

大きな一歩で机を跨いだジャンバールがローの身体を掴み取ろうとしたところで、弾かれたように我に返る。

「わああああ触るなあああッ！！！」

手が届く瞬間に身を引き、食堂を飛び出したベポは一目散に通路を走り出す。

「（ああああれは、あれはオバケだ……！）」

クルー達のはずがないと頭の中の冷静な部分がそう告げていた。だが一方で、殺された二人に対しては確証を得ることができないでいる。噎せ返るような血のにおいと、虚ろな目が記憶から離れない。

別れてからそれほど時間も経っていない、戦闘があったのなら音がしたはず。そう自分に言い聞かせるがすべて不安の裏返しでもあった。

通路の階段を駆け上がったあとにゆるゆると足を止めてみれば、後ろから追ってくる足音はない。しっかりと耳をそばだてても食堂方面からは声どころか物音ひとつ聞こえてこなかった。

相手が息を潜めて機を伺っているのか、幻のように消えたのか、ベポには分からない。

ただひとつ分かるのは、たった今この状況で二人の生死を確認をするためには本人たちを探すか、食堂に見に戻るしかないということだった。もちろん船長室へ戻りシャチを信じて待つことが最優先だが、空間を捻じ曲げられた艦内で戻れる保証はない。

「（キャプテン、おれどうしたら……！）」

祈るように意識のない身体へしがみつくが、ベポの耳には細く薄い、苦しそうな呼吸が聞こえるだけだった。

>>80 ベポはどうする？

[79 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 15:19:42]

ダメもとで船長室を目指す
（ペンシャチはもう元の場所に居ないしな～食堂は躍り食いが始まってそうだしな～）

[80 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 15:42:43]

食堂に戻る
もしまだﾊﾟｰﾘｨ中だったら「お前たちは仲間じゃない、違う！」と拒絶する

[81 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 15:46:39]

飴ってまだ持ってたっけ？
持ってたら飴舐めて船長室を目指す
持ってなかったらシャチ達を探しに行く

[82 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 15:55:56]

ひょっとして千歳飴だから守護効果高いのかも？

[83 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/18(月) 18:41:10]

このままにして船長室へ戻れない。それがベポの出した結論だった。

もしもシャチとペンギンが"本物"だったなら。この疑念を解消しないまま船長室に戻り、二人を待つなどベポには出来はしなかった。凄惨な光景は二目と見たいものではないが、状況を把握するためにも確認しに行くほうがいいだろう。
ベポはごくりと唾を呑んでそっと階下へ足を戻す。

「（大丈夫、もしも危ないと思ったらすぐ逃げるんだ）」

確認を目的としたが、ローの安全確保が最優先なことに変わりはない。
薄暗い廊下をゆっくり、忍び足で食堂へ近付いてゆく。先ほど話し声を認知したあたりに来ても、声はしなかった。それどころか、丸窓から漏れていたはずの灯りさえ消えている。
もう居なくなったのだろうかと、足早に食堂の扉へ張り付いたベポは窓から中を覗き込む。やはり常夜灯が普段通り静かに灯り机も椅子も整然と並んでいるだけで、そこに人の気配はない。

扉を開けずに戻っても良かったが、ここまできたら最後まで確認せずにはいられなかった。先ほどと同じ要領で肘を使ってそっと扉を押し開ける。いつもは気にも留めない扉が開く金属音が、やけに大きく通路へ響いた気がした。

「だ…誰も、いない……？」

覗き込んだ食堂内は何の痕跡も残っていなかった。クルーは誰一人としておらず、シャチも、ペンギンも、血のにおいもない。普段の食堂そのものである。それでもベポは警戒心を携えたまま皆が集っていた一角を凝視し、それから食堂内をぐるりと見渡した。
異変も、物音もないことを改めて確認し、細く長い安堵の息を吐く。

「（やっぱり幻だったんだ）」

緊張を重ねたぶんだけ、ベポの肩に疲労感が圧し掛かる。それでもシャチとペンギンが手に掛けられていないという情報が得られたのだから、徒労ではなかったと思いたい。

「キャプテン、シャチとペンギンたぶん大丈夫みたいだ」

腕の中のローへ報告をしてその痩身を抱え直したベポは、悪夢が消えたことと船長室に辿り着けない異変について考える。

「（そういえばあの"子供"、前に『"あいつら"がこっちの世界にがおーってできる時間が長くない』って言ってたな。時間制限とか、あるのかも）」

もしくは自分の与り知らぬ何かがあるのか。
考えていても仕方がない。とにかく今なら船長室へ戻れるのではないか、思い至った希望にベポの背筋が伸びる。

[84 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/18(月) 18:42:55]

>>87　ベポはどうする？or 怪奇現象起こす？

ちなみにベポのターンが終わったら精神世界組に話を戻す予定だ　そろそろ終わりも近い…はず

[85 あ 23/09/18(月) 19:07:44]

楽しみー！

[86 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 19:12:02]

終わり近いの！？？

[87 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 19:13:25]

ゾロがファンタジスタで迷いこんで精神世界にやってきて怪異含めて大パニック

[88 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 19:14:25]

今のうちに戻る
ついでにキャプテンに何か着せたげて

[89 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 19:14:43]

>>87ゾロならやりそう

[90 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/18(月) 19:18:27]

>>87

めちゃくちゃわろたが今はベポのターン（現実世界）だすまん！

という訳で再安価だ

>>92

[91 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 19:20:33]

何か着せようとして服探してたらローがいなくなった

[92 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 19:25:02]

>>57

[93 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/18(月) 19:41:34]

何度やっても衣服がお預けになるトラファルガー・ロー（26）

なるほどつまり身体が温められず船長室にも戻れないということだな　了解したぞ

[94 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 20:12:29]

これシャチと鉢合わせたら何時ぞやの幻覚通りになるのでは...？
いやさすがに失望の目は向けられんだろうけど

[95 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 20:23:11]

ワンチャン鬼哭をパンイチで振るうローの可能性が残ってるの笑う

[96 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 20:50:58]

ベポはクラちゃんに千歳飴ソード合成してもらって怪異を消滅させよう！

[97 二次元好きの匿名さん 23/09/18(月) 21:18:35]

ローって今シーツは被せて貰ってるんだっけ
目覚めた時にパンイチおくるみ状態の可能性残ってるの申し訳ないけど笑う

[98 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 06:51:45]

ローに服を着せてあげて笑

[99 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 07:26:24]

昨日のハイライト：ヌギファルガー継投

[100 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 07:49:45]

ベポさんなんで水風呂に浸ってたの・・・・なんで・・・・（遠因のゼポ怪異が理不尽に詰める）

[101 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/19(火) 15:42:58]

「キャプテン、戻ろう船長室に。きっとすぐシャチも来るはずだ」

気を取り直し、食堂を出て船長室への道を辿ろうとする。が、その足はすぐにぴたりと止められた。

ふと見下ろしたローの身体が薄っすらと消えかかっている。

「え…え……！？」

それはまるで空中に溶けてゆくようだった。ベポが目を見開くが、その間にもするするとローを包んだバスタオルごと消えてゆく。何の兆候も、誰の気配もない唐突な現象だった。咄嗟にしゃがみ込んで、己を肉壁とするように、そして盗られないように必死にローの身体を抱え込む。

「ダメ、ダメだ！！　やめろ、キャプテンを持っていくなあああ！！！」

しかし喉を振り絞る絶叫は誰にも届かない。

ベポの脳裏に、これまで遭遇したものたちが過ぎる。おそろしいほど穏やかに笑んで溶け消えるローや、今見たばかりの食い殺されているシャチやペンギン。

あれらは結果的に夢幻の類であったが、こうしてずっと腕の中で守ってきた存在が"直接"消えているという事実にどっと嫌な汗が噴き出してゆく。誰も失わない、絶対に守ると誓った矢先にこうして"本当に"失ってしまうのか。

―腕の中から、存在が、質量が、消えてゆく。

"無くなる"まで、ほんの一瞬の出来事だった。ベポの腕はローを抱いていた形のみが残されている。まるで最初から此処には何もなかったかのように。

「う……あ、あああ、あ"あ"あ"あ"！！！」

身が張り裂けるほどの絶望。またしても見ていることしかできなかったベポは頭を抱え、その場で崩れ落ちて泣き叫ぶことしかできなかった。

ベポSAN値チェック

dice1d6=2 (2)

[102 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/19(火) 15:44:42]

おっ比較的冷静だな　前回のあれこれが教訓として生きたか？
ちょっと構成変えてこよう

[103 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 15:51:38]

ベポ冷静だいいぞ！という自分ともっと削れても良かったのにという自分がいる

[104 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 17:45:05]

シャチが「のろい」を引き受けて一時クラさんがみえる様になったんだっけ
キャプテンの代わりに顕現するのはなんじゃろな

[105 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 18:03:14]

透明シャチの前例あるから冷静説
見た目消えただけで移動はしてない可能性が頭の片隅にあるのかな

[106 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/19(火) 22:07:25]

（ベポ　SAN値32-2=30）（発狂・恐慌まであと20）

枯れるまで声をあげ続けるベポは頭の中で「なんで」「どうして」を繰り返す。

シャチとペンギンを襲うおぞましい光景は幻だったのに、と思ったところではたと"気付き"が引っ掛かる。

「（おれ……直前に、この部屋はしっかり確認したんだ）」

五感をもってこの食堂に敵がいないことは確認済だった。気配も異音もニオイもなく、だからこそあの凄惨な光景を幻だと断じることができた。その直後に"見えない敵"がやってきてローを透明にした、あるいは連れ去ったとは到底思えない。

「（それに、そうだ。さっきまでシャチが透明になってた。返してもらった、って言ってたけど、あれは……）」

"あの子"の性質と入れ替えられたという"のろい"のようなそれを被っていたシャチのことを思い出す。どういう経緯で透明になったのかは分からないが、"あいつら"と呼ばれる敵によるものということは間違いない。

―もしかしたら、キャプテンも。

点と点が繋がる感覚に、ベポの涙が止まった。泣いてばかりではダメなんだと袖で乱暴に涙を拭って立ち上がる。普段とは勝手が違うが戦いの最中なのだから、憶測だろうが何だろうが、希望を捨ててはいけない。いまの自分にできることをやる。そのためにも冷静になれと歯を食いしばり、状況を改めた。

「（いま"あいつら"は直接キャプテンを乗っ取れる段階じゃないみたいだし、関係あるかは分からないけど塩も食べさせてる。だから今すぐどうこう出来ないはずだ……！）」

透明になっただけでまだこの部屋に"居る"可能性と、"盗られた"可能性。相手の実態がつかめない分どちらの可能性も捨てきれないが、今無闇に動き回るのは良くないことだと本能が訴える。

「それなら、おれは……！」

決意に目を光らせて、ベポは食堂の灯りをつけてキッチンのなかへと急ぐ。ありったけの酒と塩と、身体を温める湯たんぽや飲み物を準備するために。

そこにはもう泣き喚くだけの未熟なミンク族はいない。ハートの海賊団の航海士が自分を信じ、今この場でローのために出来ることを粛々と進めていた。

>>111　ローへの怪異

[107 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 22:14:19]

ベポかっこいいぞ

[108 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 22:23:06]

ままままて、どっちのロー？意識ある方でいいんだよな

[109 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/19(火) 22:43:33]

意識あるほう（精神世界）だな！ロー単体で頼む

[110 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 22:48:33]

無数の手に体や足を引っ張られる

[111 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 22:51:46]

一緒にいるペンギンの姿が化け物にみえたりおかしなことを言ってる幻聴がきこえる

[112 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 22:57:11]

父母妹の声で「そいつ（ペンギン）を信じるな、ついて行くな」という幻聴が聞こえる

[113 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 22:58:06]

弱っている身体の影響が徐々に出てくる
寒くて動けないとか目が見えなくなるとか声が伝わらないとか

[114 二次元好きの匿名さん 23/09/19(火) 23:36:29]

闇から出てきた自分の手に心臓その他抜かれてギューされる

[115 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 00:56:23]

足元から生えてきた手に片足を少しずつちぎられる
最終的に膝下くらいまでちぎらせて欲しい

[116 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 06:52:15]

ワクワク

[117 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 08:27:51]

深夜になるほど容赦なくなるの草

>>114

自分の技に牙剥かれるのいいな

そういえばホラー向きの能力だったわ

[118 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/20(水) 17:52:14]

参加さんきゅー！　ベポにあった優しい怪異が一切なくてわろた
111がメインだがあとはローのSAN耐久次第だな

[119 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/20(水) 17:53:27]

（side ペンギン）（SAN値26／発狂・恐慌まであと6）

闇のなかを"ロー"と二人で、どのくらい歩いただろうか。些細な光も見逃さないよう慎重に歩いていたことや消えゆく手足の違和感もあり、数分のようにも、十数分のようにも思える。
その間にもペンギンは"ロー"へこれまで何があったか問いかけたが、やはり何事かを考えこんでいたり軽妙にはぐらかしたりと相手にされることはなかった。この道程で分かったことといえば「どこかの部屋から出てきた気がする」「誰かに何かを言われたが覚えていない」という２点のみだった。
"どこかの部屋"というのは船長室と仮定できるが、"誰かに何かを言われた"というのは取っ掛かりすらなく、これ以上思い出させるとなるとまた弊害がありそうで諦めた。それに、とペンギンは気になっていることを確かめるべく横をちらと盗み見る。

「船長」

「……」

「船長！」

「……なんだ、聞こえてる」

「口数減ってません？　どこか痛むんですか」

「一人で喋り続けてるお前が変なだけでおれは元々こういう性格だ。あと手足やら身体やらが消えかけてるお前に体調の心配をされる謂れはねェ」

1を聞けば10返されてペンギンは閉口する。それでも十数年を共に過ごした仲だ。一見普段通りを装ってはいるが、不規則な呼吸や鬼哭を握りしめている手に力が入っていること、緩慢とした動作などが不調を物語っている。
どこかで休憩を挟んだ方が良いだろうか、それとも他に要因があるのだろうか。そう考え始めた矢先に暗闇のなかから"音"がした。

『おかえり、ぺんぎん』

「いるのか、そこに！　船長を連れてきたぞ！」

その声は今のペンギンにとって希望の道標に近い。喜色に染まる心を押し留めて暗闇に返事を投げる。

―これで戻れる。やっと、いつもの日常に。

そう思った途端、"ロー"ががくりと崩れ落ち膝をついた。

[120 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/20(水) 17:54:36]

「ぅぐっ、ハァ、ハァッ、……ぐ、あ、ッ……！」

「船長！？」

限界を越えたといっても過言ではない苦しみようと、抑えがきかないのかがたがたと震えだす姿にペンギンが駆け寄る。が、その手はすぐに振り払われた。

「く、るな…やめろ……ッ！」

それは明確な拒否だった。下手に手出しをすれば己がこの場から消えてしまうかもしれない。どうして、何が急変の元になった、と歯噛みする。行き場のない手を彷徨わせていると、闇のなかから視線を送られペンギンは警戒を露わに"ロー"の前に立つ。

『ふふ、がんばってつれてきたんだね』

例の子供の出す音が再度あたりに響く。敵ではなかった。視線の主は"あの子"だったかと息を吐き、そして慌てて口を開く。

「ああそうだ、なあ、船長のようすがおかしいんだ！　おれももう消えかけてる、時間が無いんじゃないのか！？　船長室は近いのか！？　何をすればいい！？」

平静さを欠いた声とは真逆に、返ってきた言葉は哀れみすら含むほど優しくゆったりとした音だった。

『うん……ねえ、いいの？

ぺんぎんは、ほんとのほんとに、それでいい？』

>>123　ペンギンはどうする？（どう答える？）

[121 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 19:19:21]

ペンギンにはおかえりって言ったけど“ロー”の名前は呼んでないのがこわーい
火の玉ストレートに「おれが連れ帰ったのは“誰”だ？」って質問したら正解教えてくれるかな？

[122 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 19:24:56]

答えを知っていて謎めかす　お前こそほんとうにあの子供か？と問いかける

[123 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 19:41:13]

船長がどこで、どうなっているのか本当は知っているんじゃないのか？

[124 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 21:45:02]

クラちゃんのセリフが見覚えある感じなのが不穏なんですがgkbr

[125 二次元好きの匿名さん 23/09/20(水) 21:49:06]

本物のクラちゃんとして、このまま連れ帰ったら良くないことでもあるのかな
欠けた記憶が戻らないままとか

[126 二次元好きの匿名さん 23/09/21(木) 07:51:29]

もしかして身体の方に塩入ったから偽物維持できなくなってる　とか？

[127 二次元好きの匿名さん 23/09/21(木) 16:32:31]

今更だけどクラちゃんって呼ばれてるのかわいいね

[128 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/21(木) 22:04:28]

聞き覚えのある台詞"子供"の言葉にペンギンは眉根を寄せた。先程とにかく早くと手を引いて連れてきた"モノ"は偽物だった。そこからあとに視たものは正直思い出したくもない。不安と嫌悪に焦れて、見えない"子供"へ詰め寄るように一歩前へ出る。

「この空間は記憶を元に偽物を創り出している……船長自身の記憶も曖昧で、おれにももう分からない…いや、"自分自身を信じられない"んだ……！」

短時間で幾度も人生を書き換えられる経験を受け、自分という存在ですら確かと思えない。加えて"ロー"の記憶も欠けすぎていて危うい状況だ。パズルのピースは凹凸がないと嵌まらないが、今の自分達にはそれすら無い。

これ以上"ロー"を害することはできないと腹に決めて連れて来たことは事実だ。身体が消えてゆくことの影響も整合性は取れている。しかし、おぞましい体験をしたあとでは背後の"ロー"が"ロー"だと断言できるだけの力がない。
ペンギンは慎重に、唸るように言葉を向ける。

「お前は……お前は、船長のことを、本当のことを知っているんじゃないのか！？　教えてくれ！」

『あははっ』

笑い声が言葉を遮った。

『そうだね、ぺんぎんだもの。あいまいで、"わからない"ものをてきとうにきめたりしないよね。さっきは、ちょっと、いそぎすぎたんだよね』

"声"は踊るように、うたうように紡がれる。

『ねえ、でも、ぺんぎん。ぼくがほんものだよ、っていったらしんじる？　にせものだよ、っていったらしんじる？　ぼくがほんもののほしょうはあるの？』

「そ、れは……」

この空間では何もかもが分からない。それは"子供"にもあてはまる。ペンギンは言い淀むが、その逡巡の内に"ロー"の苦しむ声が一際大きくなった。

「あ、ぐ、っうああっ……！！」

「船長！」

が、ペンギンが振り返ると同時に、横を見えない"何か"が揺らぐようにすり抜けた。あの"子供"だろうと気付いたペンギンが手を伸ばして静止をかけるが、その手はどこにも届かない。

[129 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/21(木) 22:05:17]

『　　　　』

悶え苦しむ"ロー"のそばで呟かれた"音"は聞き取れなかった。しかしあれだけ苦しんでいた"ロー"はそれを耳にした瞬間、糸が切れた人形のように床へ倒れ伏す。

「なっ……船長！？　お前、なにを！」

咄嗟に駆け寄り"ロー"を抱き起こすが、その意識は深く沈んでいるようで瞼は固く閉ざされていた。血の気が引いた顔色と現実世界でも見てきた浅い呼吸。今しがた"子供"が発した「ぼくがほんもののほしょうはあるの」という言葉が氷のように冷たく背筋を伝ってゆく。

どういうことだと再度噛みつこうとしたそのときだった。
不意に、暗闇のなかで煙がたつように白い色が浮かび上がる。徐々に形を帯び、それは見覚えのある"子供"の姿となってゆく。何の前兆もなく現れた姿にぎょっとするペンギンだが、それは"子供"のほうも同じだったらしい。あれ、と声をあげて己の手足を見回している。

「ああ……そっか。……そう、ああ、あれは、だめ。あぶない」

「お、おい、」

「ぼく、いかなくちゃ」

"子供"は宙を睨むように顔を上げ、呟いた。事態を呑み込めないペンギンが眉を顰める。

「どういうことだ、お前は"本物"なのか！？　船長に何をした！？」

しかし"子供"は問いに応えない。ペンギンを見下ろしてにっこりと笑む。

「ぼく、いままでがんばってあつめてた。しりたがりのぺんぎんに、これ、あげる」

そう言って小さな手がペンギンの額に翳される。咄嗟に身体を引こうとしたが、"ロー"の身体を抱えていて逃げを打つことはできなかった。侵食するように、ペンギンの視界に、そして思考にもやがかかってゆく。

「（待て…なんだ、これは…！）」

遠退く意識。暗くなる視界の奥ではあの"子供"が自分たちを置き去りにして駆け出し、小さな背がさらに小さくなって、闇のなかへと溶けてゆく。ペンギンの意識もまた、溶けるように落ちていった。

[130 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 07:10:56]

人事不省の二人は置き去りか…クラさんそれはご無体な

[131 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 08:05:41]

クラちゃんは現実世界のローが見えなくなったことの対処に行った
に一票
戻ったらみんなで飴ちゃん食べようね
きっとクラちゃん金太郎飴があるよ

[132 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 09:14:39]

シャチにちょっかい出してたポラタン轟沈怪異をフォローしに行った時系列なのかなと思った
ぼちぼち精神世界組の意識戻りそう

[133 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 09:55:33]

鬼哭を倉庫に持って行ったのクラちゃん？でも縛られてたしな〜

[134 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 20:16:45]

保守

[135 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/22(金) 20:19:58]

悪い今日更新できなさそうだ
保守も無理しないでくれ落としても大丈夫だ

というかロー視点Part3以来になるんだな
ハートクルー虐に精を出してしまった…

[136 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 20:37:43]

>>135

ｵｵｳ…主無理せんでな

お盆に始まってほぼ皆勤だったもんなあ　もうお彼岸だよ

[137 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 20:51:40]

ここ数日鯖落ちか何かで全然スレに来られなかった
更新されてた分一気に読めて嬉しい
マジで本物や正解を見極めるのが難しすぎて大変だけどペンギン達には頑張ってほしい

[138 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 21:36:59]

>>135

いつも楽しませて貰ってるよー、無理せずに主さんのペースで大丈夫

[139 二次元好きの匿名さん 23/09/22(金) 22:39:47]

スレ主おつ
のんびり保守してるから無理しないでね

[140 二次元好きの匿名さん 23/09/23(土) 10:07:46]

スレ主おやすみなさい
自分ゼポ怪異だけどよかったらSS投下して待ってるよ

[141 二次元好きの匿名さん 23/09/23(土) 20:22:00]

ほしゅがてら、ベポSS置いていい…？

telegra初めて使った　うまくいったかな

走る子ども

[142 二次元好きの匿名さん 23/09/23(土) 20:30:46]

失踪したわけでもないし主が居る絵スレに絵を投下するようなものだから許可もらってからの方がいいかもしれんですぜ…！

[143 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/23(土) 22:24:35]

スレ生きてたのかー！多方面で気にかけてくれてありがとう！！失踪してはない大丈夫だ！！

掲示板でSSそれも長編なんて書くの初めてだから更新頻度が分からなくてつい全力疾走してしまった　心配かけてすまん

>>141

小説保守すげー！！さんきゅー！！！めちゃくちゃ切ないが希望のある…心がきゅっとなるな…

描写すごい丁寧で幼ベポの住んでるゾウのにおい？雰囲気？みたいなの感じられるし兄貴との別れの寂しさが増したわ　そうか９歳…泣くのに飽きるって表現がすごいリアル感があってすとんと心にきた

ただこんなしがないホラースレの片隅なんてすげー勿体なさすぎるからぜひもっと人に見てもらえる所のほうがいいのではと思ってしまったぞ　マジで勿体ない

※万が一というか億に一、このスレの三次創作（って言っていいのか？）してもらえるならこのスレに貼り付けてくれると嬉しい！！　それ以外だとSSとか絵のスレとか沢山の人に見てもらえる所に貼ってもらってからこのスレに「ハートの創作したよ」的な報告もらえると見に行けるからスレ主が喜ぶ

まあそう言っても次スレあたりで終わる気がするけどな

[144 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/23(土) 22:25:16]

（ロー　SAN値29）（発狂・恐慌状態中）

※時系列戻る

どこからか歌が聴こえてくる。それは懐かしくも美しく、敬虔な歌声だった。幼い子供の、のびのびとした女性の、穏やかな男性の、重なり合った讃美歌がローの耳元まで届く。

懐かしい、と思った。
征く先々で耳にした覚えはあるが、意識して聴くことはなくなった美しい旋律。もう忘れたとすら思っていたそれは、じわじわと身体に、そして意識に染み渡ってゆく。しかしそれ以上はっきりしたことが思い出せない。自分が何者であるのか、何をしていたのかが煙のように掴めない。ローは倒れていた身を起こしふらりと立ち上がる。

「（……ここは…）」

第一印象は暗い、ということだった。ただ真っ暗な空間に独り取り残されている。
次いで、自身を囲むようにして縦に伸びる鉄の檻。黒一色の地面から生えているそれがどこまで伸びているのかと、滑るように上空へ目を向ければそれは途中でカーブを描き、正反対に落ちてゆく。

―まるで、トリカゴだ。

「――ッ……！？」

捕らわれている。そう意識した瞬間、まるで鞭を打たれたように身体が跳ねる。己の意識の何がそうさせるのかは分からない。それでも植え付けられた絶望と喪失の象徴にローの喉がはく、と空気を押し出した。

「ぅ、あ……ッ」

誰かを呼びたいのに、呼ぶ名前を持っていない。

どこまでも大きくて、優しすぎるひとだった。

すべてを投げ出して自分を生かしてくれたひと。

「ぁ、あ……！」

[145 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/23(土) 22:26:22]

しかし思い出そうとすればするほど、消えていき次の瞬間にはもう"自分が誰のことを考えていたのか"すら分からなくなっていた。どうして、なぜ、と疑問と本能的な恐れが脳を駆け巡る。

そして追い討ちをかけるかのごとく、ぎぎぎと嫌な音がこの場に鳴り響いた。

「え…」

鉄の檻はローが"目覚めた"ことを感知したかのように、音を立てて内側へ動きだし空間を狭めはじめる。ぎりぎりと糸を張り詰めさせる音。がりがりと地面を削る音。それらが遠くに聞こえる讃美歌を不協和音に変えてゆく。

ひずんだ歌声はいつしか多くの人々の悲鳴や怒声、泣き叫ぶ声に変わり、銃声と靴音がローの鼓膜を震わせた。途端に立ち昇る炎の音と"人が焼ける"臭い。"駆除完了"と紡がれる音声。建物が崩れ落ちる轟音。

「やめ…やめろ……」

震えながら絞り出した声は己の耳にすら届かない。震えに任せ無意識に足を引こうとした瞬間、裾を引っ張られる感覚にローは息を呑んだまま視線を落とす。

闇から這い出た多くの手が、足へしがみ付いている。そしてその中のいくつかにローは見覚えがあった。

よく分かったな、と褒めてくれた父の大きく筋張った手。

患者の看護ばかりで荒れた母の優しい手。

苦しいようとベッドから伸ばされた小さなちいさな、妹の手。

確かにそれは、家族のものだった。

たくさんの手がどこへ行くのかと咎めるように、助けを乞うようにローの身体を引き摺り倒す。

「……ッ、」

もはや声すら出なかった。白く眩しい手はずるずると無限に湧き出てローの四肢を、胴を、抉り取るような力強さで掴んで離さない。頭上を飛び交う銃声と絶叫。心が、身体が、引き千切られ刃を突き立てられてゆくようだった。何も成せず自由は奪われ、この場所からも音からも逃れる術はない。無力さに零れ落ちた涙をトリカゴが嘲笑うように見下している。

「い、いや、だ……！」

dice1d6=3 (3)

[146 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/23(土) 22:30:23]

３か　割と危なかったな
ロー虐のターンだ！！！という訳でまた明日


あと執筆用BGMこれかけてたからぜひ聞いてくれ
ttps://youtu.be/ezH7gslZm5k?si=lGdBkaP3tJOq-b60

[148 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 06:49:54]

BGMでうちの猫が逃げてって草　削る気に満ちあふれてるな
猫のお礼に　終末感に浸れるBGM
ttps://www.youtube.com/watch?v=lyVsRGyd2r8

[149 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 14:33:49]

猫の逃げるBGMは草
これ出目によっては廃人ルートになりそうだな
土壇場でどこまで足掻けるか

[150 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 19:00:26]

３スレ前にとりかごのことつぶやいた外れ安価が拾われたような気が…
ロー虐に今までの集大成する気れすか？（ｿﾞｸｿﾞｸ）

[152 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 22:11:39]

保守はできる範囲でのんびりやっとくよ〜
もし10/6まで難しそうなら安価削るとかスレ主の負担減らす方向なら何とか…？1スレ民的には完結まで見届けたいが一番だからマジで無理はしないでね…

[153 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/24(日) 22:13:46]

>>151　（修正削除）

>>148

猫のSAN値を削るBGMわろた

このリンク先の音楽刺さりまくった有難う！！　こういう民俗音楽？インスト系？めちゃくちゃ好きなんだ今朝からヘビロテしてるしバンドそのものが好みすぎる　実は夜中にひとつ前コメ見てたがフレバンス…ｱｧ…

あとトリカゴは絶対やりたかった

ペンギンと一緒あるいは分断という構成もアリだったが単独もまたいいものだ

そんで今日もちょっと更新無理そうだすまん！　10月6日までには生還or廃人にしたいんだが間に合うか？？

[154 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/24(日) 22:17:53]

>>152

さんきゅー！楽しいし愉悦も安価も妥協したくないからまあ誕生日過ぎてもいいかの精神でいくぜ！！お互い無理せずいこう

[155 二次元好きの匿名さん 23/09/24(日) 22:22:48]

>>151

気に入ってもらえたなら幸甚　同じアーティストの”Summoning of the Muse”もかなりフレバンスだと…

昨日の更新のBGMにして一人愉悦に浸ってました（ﾆﾁｬｧ　私信すいません

[156 二次元好きの匿名さん 23/09/25(月) 07:02:35]

ワクワク保守

[157 二次元好きの匿名さん 23/09/25(月) 07:28:24]

廃人√も見たいような…いやしかし誕生日にかー…
「白い町」掲載誌の発売も誕生日だったのをふと思い出した

[158 二次元好きの匿名さん 23/09/25(月) 18:28:35]

保守がてら主に質問

ホラースレの主旨から外れちゃうと思うんだけど>>13のSSを三次創作で漫画化してもよき？

[159 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/25(月) 22:28:49]

執筆用BGMもらってウキウキだぜ！！と思ったら

>>158 にむちゃくちゃビビったんだが！！？ええのんか～～！？！？！？（前のめりバスコ・ショット）

いや無理しないでくれしかもこんなスレに勿体ないから沢山人がいるところでもぜひお披露目してくれ13のSSは好きに使ってくれると有難い！！なんならテキストデータもアップし直すから言ってくれ

このスレにいるみんなナニモンだよ…保守感想で待っててくれるし絵からSSから漫画から…好みの音楽まで把握してくるし…いつも有難うな元気出る！！！

[160 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/25(月) 22:30:17]

（ロー　SAN値29-3=26）
肉を抉るように四肢を掴まれ痛みに喘ぐ。倒れ伏した身体では身動ぎの如くか細い抵抗しか成し得ない。
が、そのときだった。感覚が薄れた指先に、硬質ななにかが触れ合った。

「……！」

身体を電流が駆け巡るようだった。それは"思い出す"感覚に近い。無我夢中で手を伸ばせば、馴染んだ柄の感覚と重みが手のひらに収まった。途端、奪われかけていた意識がぐんと頭の中に引き戻される。

「（鬼哭…！）」

そのまま力の限り辺りを薙げば、視界や身体を覆っていた手指がぱっと宙に霧散した。"それら"は人体の感触どころか宙を斬る感覚に等しく、身体を掴んでいた力強さが嘘のように切り応えがない。
あちこちから激痛が走る身体を制して、自由になった上半身で態勢を整える。腹や足にしがみつく数多の手。もう父母や妹のものは判別すらつかない。どれもが四肢を、胴を抉り取ろうと爪や指を食いこませている。

息を呑む。迷う暇はない。

―脳裏に、優しい笑顔の家族が浮かぶ。

「（そうだ…父様が、母様が、ラミが……こんなことするはずがねェだろ……！）」

己を掴む手を睨め付けた。目は逸らさない。閉じることもない。
手にしていた大太刀を一閃、祓うように横へ振るい、次いで足の間に振り下ろせば絡みついていた手は耳を劈く金切声と共に消え失せる。低い声、細い声、幼い声。そのどれに反応することなく、ローはひたすら唇を噛み、大太刀の柄を握り締めていた。

ぎりぎり、がりがりと歪な音をたてて鉄の檻が迫る。
感傷に浸る暇もない。顔を上げたローは鬼哭を携え、立ち上がる。身体中に肉を抉られた痛みは続いているが、不思議と衣服を含めた外見そのものに異変はない。

「（こんな、訳の分からねェとこでくたばってたまるか……！）」

手にした鬼哭を突き立てて杖代わりにし、呼吸を整えてゆく。しかし手に伝わる感覚に違和感を覚え、ローは思わず呼吸を忘れて大太刀を見る。

「（……これは、鬼哭……か…？）」

[161 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/25(月) 22:32:43]

かたちは刀身も、柄も、何もかもに覚えのある"鬼哭"そのものである。しかしだからこそ、そこにあるべき妖刀の"意志"が感じられないことにローは訝しむ。精巧にできたレプリカといったほうがよほどしっくりくる。

それでも手に馴染む感触や存在感のある重み、何一つ変わりない切れ味は精神に落ち着きを取り戻させる。

ローSAN値チェック（回復）

dice1d2=2 (2)

「……分からねえ…が、今はいい」

別の何かが入っている訳でも、悪意が感じられる訳でもない。ただ"留守"や"眠っている"という表現がぴったりくるそれをローは改めて握り直し、構えた。幾度か素振りをしたり精神を集中させてみるが、やはり常日頃のような意思疎通は叶わない。

それでも刀としては業物だ。丸腰でいるよりよほど頼りになる"仲間"だろうと、ゆっくり迫る檻の前に進み出る。

がりがり、がりがり、

　がりがり、がりがり、

一定のスピードで窄まる檻。捕えられる感覚に覚えのない恐れが全身を揺さぶるが、ローには"斬れる"確信があった。

「（ここのモノは、全部幻だ）」

断片的に浮かび上がる、数々の光景。

見知らぬ部屋、こちらへ呼びかける大男、海に浮かぶ小舟、独特な衣装の国、敵対する男、襤褸雑巾のようなみっつの遺体、偽物の妹の呼び声、人間と瓦礫の焼ける臭い。

どれもが明確に掴むことができない記憶だった。だが、それらが"この場にあるはずのないもの"ということだけは心に刻まれている。

自分が何者か、なぜこんな場所にいるのかすら漠然としており、現実か夢かも分からない。

それでも、とローは詰めていた息を意識して吐いた。

足を開き、両の手で大太刀を構える。檻が、間合いのなかへ踏み入れた。

「（それでも、――斬れる！！）」

一刹那の煌めきが鉄を横断する。柄を握る手には何の感覚もなかった。が、刀身に触れた鉄の檻はそこから張り詰めた紐が弾けるようにするりと宙へ溶け、ほかの鉄をも道連れにしてばらばらと順繰りに消えてゆく。

あっという間にすべてが無くなり、耳鳴りがするほどの静寂と暗闇に独り残されたローは、肩で息をしながら力が抜ける身体に任せてその場に座り込むのであった。

[162 二次元好きの匿名さん 23/09/25(月) 23:00:41]

さすがに折れるかな？というところで折れない　これこそローだよわれらがキャプテンだよ
しかし怪異的視点からみると時間掛けると回復しちゃうから大火力で一気に攻めないと攻略できないボスキャラみたいだな

[163 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 06:30:41]

さすがのメンタル

[164 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 08:11:21]

>>159

158ですご返信ありがとうございます　快く許可していただき大変恐縮ですﾋｪ

ネームと下書き半分くらい済んでるので10/6をめどに完成予定です

あのSSの仲良しな空気感が大好きで大好きでたまらんのです

[165 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 18:43:29]

これこそキャプテンって感じするな　出目ってのもあるけど不屈さがイイ…でも廃人にもさせたい…心が二つある〜

[166 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/26(火) 22:01:56]

（ロー　SAN値26+2=28）


忙しない呼吸はなかなか落ち着かず、身体のあちこちに強い力で掴まれた痛みが残っている。服を捲って肌を確認してみるが、表面上は問題が無い。それでもはっきりと感じられる、指が食い込み肉が抉られ骨が軋んでいる痛み。

「（幻肢痛の一種…？　とするとここは現実じゃねェ可能性が高い…）」

自身の容態をおざなりに"診察"したローは息を吐く。身体の状況も悪いが、記憶に損傷があるのも問題だった。点で思い出せることはあるが、線に繋がらない。自分の名も、姿も、能力も、Dの意味を知りたいという目的も分かっている。それでもその周辺にまつわる記憶が思い出せそうにない。試しに出そうとしたroomやその他能力は一切が反応しなかった。
そこまで考えて試行錯誤した結果、ローのなかにひとつの可能性が思い浮かぶ。

「（……この空間が幻ってことは、おれ自身が幻や偽物ってことも有り得る）」

本物は別に居て、鬼哭ごと"複製"された存在。多くの異変やトリカゴに襲われたのは処分もしくは都合が悪くなったと思えば筋は通る。総合的に考えれば可能性はゼロではない。

しかしローの口元から漏れたのは恐怖でも悲哀でもなく、笑みだった。

「だとしても関係ねェ。……そいつら"全部"、倒せばいい」

相手が"本物"の自分だろうが幻だろうが、関係ない。生きてやることがある。あまりに簡単な問題に、ローは思わずふふと愉快そうな声を漏らす。

そうと決めたら、と痛む身体と頭を無視してゆるりと立ち上がる。とにかく今は、この暗闇の中から脱出するための情報が必要だった。この場に蔓延る偽物を締め上げてもいい。己に接触してくる人物がいれば、きっとそいつから手掛かりが掴めるはずだろう。

近場に転がっていたいつもの帽子と鬼哭の鞘を拾い、納めて肩に担ぐ。そのたった数歩歩みで両の足が、そして鬼哭の重みで首や肩、背中の見えない傷がずきずきと痛むが、どうせ幻だと無視を決め込み歩き出す。痛みに構ってなどいられない。

「さァ……次は何が出てくるんだ？」

そうしてローは不規則な呼吸に合わせて唇の端を吊り上げた。

[167 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/26(火) 22:02:37]

向かうあてなどある筈もなく、行く先は闇雲だった。それでも何かあれば"向こう"から接触してくるだろう、もしくは何かが見つかるだろうと歩き始めてすぐ、黒一色の視界に異変が訪れる。
遠くにぽつんと映える小さな白い影。ローは帽子の下で目を眇めてその"かたち"を確かめる。黒が滲む視界のなかでよくよく見れば、それは幼い子供のようだった。歩くスピードを変えずに近寄れば、その"かたち"はどんどん輪郭を成してゆく。

泥と煤と死臭にまみれた服。

まだらに染まった白い肌。

父から貰った、懐かしい帽子。

歪な笑みと濁った瞳でこちらを見上げる子供は、幼い頃の"ロー"そのものだった。

[168 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/26(火) 22:07:48]

短いが今日はここまで
しばらく安価は無いと思う　すまんが切削を見守ってやってくれ

というか本誌でフレバンスやったの誕生日周辺だったのか　その頃ワンピ離れてたからレスで初めて知った…そもそも物語中のフレバンス壊滅がローの誕生日周辺だった可能性もいややめよう

[169 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 22:15:46]

有り難いお言葉をいただいたのでつい

もうキャプテン調子取り戻してるし機を逸した感が否めませんが…

勝手にすみませんです

５－１４５のあたり

[170 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 22:42:19]

>>168

今回のも面白かった！ここからペンギンとの接触につながるのか

>>169

イラストからの下部のセリフよｗｗｗ

[171 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 22:49:00]

相手が本物でも関係ねェやってやんぜとか　前向きにも程があるな

>>168

前年も結構大変な目に遭っていたので界隈で誕生日が受難日みたいに言われていたような

[172 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 23:11:06]

体の痛みに頓着してないとか全部倒すとか笑ってるのとかでちょっと危なげを感じる
CoCの狂気表（今回は違うけど）で自傷壁とか殺人癖引いたような

[173 二次元好きの匿名さん 23/09/26(火) 23:27:35]

船長流石のメンタル
でもSUN値は夢の20代だし不安なのは変わらんなあ

[174 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/27(水) 02:41:45]

>>169

深夜規制が解除されてると噂を聞いて来てみればおっほっほほホオーウホッホアアー！？！？！？

この言葉を失ってる表情たまんねえなあゾクゾクするぜ！！！！首元に掛けられた手が喉を潰しそうで最高だ！！！横90度で見ると引き倒されてる感もあり180度にすると堕とされてる感もありコメントで笑いもとれてしまう　一枚絵で何度も美味しいのすげーよ…ラミちゃんそのお兄様服を捲れば胸元と背中にもあるんだぜ

マジで有難う興奮して寝るどころじゃねーわ

キャプテンの絶望アルバムに収めてクルーに配布し天国の家族とコラさんで鑑賞会も開こうな

[175 二次元好きの匿名さん 23/09/27(水) 12:35:49]

保守

[176 二次元好きの匿名さん 23/09/27(水) 13:05:02]

キャー船長カッコイー!　と同時にでも今現実ではパンイチなんだよな～と思ってしまった自分の頭を断ち割りたい

[177 二次元好きの匿名さん 23/09/27(水) 21:59:38]

ここまで来たら船長にはパンイチで最後まで駆け抜けて欲しい自分と早くあったかい服装させてあげたい風邪引いちゃうじゃん…！な自分がいる
心がふたつある〜〜〜

[178 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/27(水) 22:05:46]

「（また幻か）」

幼い自分と相対してもローが動じることはなかった。慣れた動作で鬼哭に手をかけ鯉口を切る。ちき、と暗闇に響かせる金属音は相手に対する警告でもあった。

「お前は何だ。知ってる情報を、」

「みんな無くなった」

言い終える前に子供が呟いた。歪な笑みを顔に張り付けたまま、声変わりのしていない高い声が紡がれる。

「フレバンスも、街の人も、教会も、友達も、家族も、大切なものはみんな無くなった。おれにはもう何も残ってない。……お前も、そうなんだろ？　おれと一緒だ。だってお前は、おれなんだから」

「お前と、同じ……？」

この"幼い自分"には覚えがあった。それでも遠く過ぎ去ったものだと、"何も知らなかった頃"の幻だ。斬り捨ててしまおうとしたローはしかし、子供の言葉に動きを止める。
みすぼらしく汚れ、全てを巻き添えにして破滅を願う子供は一歩前に出る。"そこ"は鬼哭の間合いだった。

「そうだよ。だってお前も、大切なものなんて何も持ってない」

「ちがう、おれは、」

お前とは違うと言いかけたローは、最後まで言い切ることができずに口を閉ざす。
一体何が違うというのだろう。何を持っていたのか、何を失ったのかすら分からず、自己認識も曖昧で、降りかかるモノを消そうと歩き回るがらんどうな自分と、この子供と。
自分には"持っていたもの"がある。そう断絶するだけの材料は、何もない。
幼い頃から、何も変わっていない。頑是ない子供のように壊して回るだけ。歪んだ笑みによって突きつけられた指摘は事実としてローの心をじくじくと蝕んだ。

「いいよ。大丈夫。まだ持ってるなら壊すよ。ほかでもない"おれ"が。おまえのもの、全部」

子供がそう口にした途端、ローの脳裏へいくつもの"映像"が駆け抜ける。

[179 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/27(水) 22:06:18]

甲板で、オレンジ色のツナギを着た大きなシロクマが笑顔で鼻水を垂らしながら、喜び、"おれ"へ抱き着いている。大きく、柔らかく、暖かそうな白い毛皮がもふりと揺れた。が、"おれ"は無感情にその首を鬼哭で跳ね飛ばす。ごとん、落ちた生首が甲板を叩く音が耳に響く。

既視感のある部屋で起き上がる。シロクマと同じデザインのツナギを着たサングラスの男が、至極嬉しそうな、泣きそうな笑顔で手を差し出した。"おれ"は表情を変えることなくその手を取って、枕元のダガーで男の心臓を貫いた。口元から溢れる生暖かな赤。驚愕に見開かれた目の色は、1mm厚の暗色に阻まれ分からない。

計器類に囲まれた通路を歩く。後ろから追いついた男が"おれ"の腕を取る。振り返れば畏怖と疑念を顔に浮かべた防寒帽の男がいた。声は聞こえなかったが、その口元は確かに「だれだ」と呟いていた。"おれ"は笑う。クイズが正解した子供のように。楽し気に笑って、男の首の骨を掴み、圧し折っていた。

くるくると走馬灯のように場面は変わる。

一面、雪のような、街のような、白い景色だった。足元に転がる父と母。焼けた臭いのするロッカー。数歩先には、臙脂色の頭巾を被った大男が宝箱を背に座り込んでいる。何かを叫ぶその男へ、"おれ"は手に持っていた銃の引鉄を。

「やめろ！！！！」

自身の悲鳴に、はっと意識を取り戻す。気付けばここは甲板でも部屋でも雪の中でもなく、もとの闇のなかだった。いつの間にか頬を伝っている涙につられて、引き攣るように肺がせわしない呼吸を繰り返す。

「ぁ、……っ、は、ぁ、」

家族以外の誰も彼もが、知らない人間たちだった。それでも自分の"何か"が確かな痛みを伴い削られてゆく。手の届かない何かが、自分の知らないところで壊されてゆく恐怖に震えが止まらない。

dice1d4=4 (4)

「や、やめろ、やめろっ……！」

うわ言のように呟き、力の入らない手で鬼哭を抜刀して刃先を向けた。対する子供は、"幼い自分"は薄ら寒い笑みを浮かべたままこてんと首を傾げてみせる。

「なんでだよ。だっておまえにとっては知らない奴だろ？　どうなったっていいだろう？」

知らない奴。どうなったって構わない奴。本当にそうだろうか、知らないのだろうか。陽動だろうか。赤の他人だろうか。ローが思い出そうとすればするほど、破滅を願う子供は悦んだ。

[180 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/27(水) 22:07:37]

遂に立っていられなくなり膝をついたローへ、"幼いロー"はふわりふわりと夢見心地で歩み寄って囁いた。

「ぜんぶ壊してやる。ほら、くまなく思い出せよ、おれがちゃんとお前を、残ったものも、壊してやるからさ。　"おれ"は"お前"なんだから。一緒じゃなきゃダメだろ？　"何か"が残っていていいはずがない。残していていいはずがない。"おれ"はぜんぶ無くしたんだから」

「おれは、お前とは……、」

「ほら、はやく。はやく思い出してみろよ。壊したいんだ。一緒になりたい。一緒なんだから。あは、はは、ははははははははっ」

狂気を宿した瞳。空っぽな笑い声。肩を撫で上げ、落ちた涙を楽しそうに見下ろし首に手をかける"幼い自分"。その濁った金色の瞳に己が映り込んだ瞬間、ぞわりと背筋に鳥肌が立ったローは弾かれたように子供を突き飛ばして鬼哭を振るう。これまでのモノと同じく手応えはないが、刀身に触れた子供は煙のようにふわりと暗闇へ溶け消えた。

残響する笑い声。

分からないものが、分からないまま奪われてゆく。

もう、先ほど視たはずの映像さえも思い出せない。

"何"と相対していたのかさえ分からない。

それでもローの身体と心には、"思い出すこと"への恐怖が刻まれていた。




「こわす……ぜんぶ……ちがう、おれは、ちがう……そうだ、ええと、おもいだすな。ニセモノを……そう、偽物を斬っていけばいい。まずは、ここからでる必要が、それから…それから、ちがう、おもいだすな……」

幾重にも言い聞かせ、蓋をする。幸い、ローには身体中の痛みがあった。そちらへ意識をもっていれば、"思い出さないこと"など造作もない。

―まだやれる。生き延びて、やることがある。

何のために。湧き出そうな疑問を意識外へ追いやり、ローは鬼哭を納めてふらりと歩み出してゆくのであった。

[181 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/27(水) 22:08:11]

（ロー　SAN値28-4=24）

[182 二次元好きの匿名さん 23/09/27(水) 22:45:06]

キツい試練が続くなぁ
ここからどうやってリカバリーしていけばいいんだ

[183 二次元好きの匿名さん 23/09/28(木) 00:36:45]

Part2の160番代ぶっ込んでんのか（愕然）
残りの安価と更にプラスアルファで…船長どうなってまうん？

[185 二次元好きの匿名さん 23/09/28(木) 12:20:01]

>>183

そんなバカなと思って確認してきたらマジだった

しかし不謹慎にも26ローを追い詰める全壊幼ローはいいなと思ってしまった…

[186 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/28(木) 21:56:07]

前後左右も不明確な闇のなか、どれほど彷徨っただろうか。
人の声が耳を掠め、自然とそちらへ足を向ける。音を立てずに近付けば、二人の男が揉めているようだった。一人は見知らぬ男だが、それに対する男の後ろ姿は明らかに"自分"を模している。その"自分"が"自分"を斬れとダガーを握らせているという滑稽な状況だ。不快感に思わず眉が寄る。

「（――斬るか）」

「やめろ、もうやめてくれ！！　おれには……ッ！！」

ダガーを握らされた男が情けなく喚く。あまりに悲痛なその声に、ローの胸が小さく傷んだ。

「そんなに嫌なら、おれがやってやるよ」




出会った男は異質だった。
加害も敵対の意志もなく、罠かと疑えば精神世界がどうの、ベポやシャチがどうのと勝手に話し出す。おまけに"何かから攻撃を受けている"かのように、不自然なかたちで手指がうっすらと消えている。

「（むかえにきた？　だれを、…………おれ？）」

もしかしたら本当に"この空間の外"から来た人物かもしれない。
この闇から抜け出すためのヒントが欲しいとは思っていたローだったが、想定外の情報量と固まりきらない意識に思考が散漫になっていた。ただでさえ何も覚えておらず、"思い出すこと"が自分や"誰か"の危険につながっている身としては、下手に言葉を返せば不利になりかねないと黙り込む。幸いにも、男はなぜかよく喋るため聞き出す手間が省けている。
が、同時に男の言葉のひとつひとつへひどく心がざわついた。いつでも斬れるように男へ向けていた鬼哭の切っ先がふらりと揺れる。

「何してもいいですよ。おれを偽物だと思うなら拒絶してもいい、その鬼哭でおれの腕をぶった切ってみてもいい」

「（何でこいつは、こんなにも……、）」

「船長を連れ戻すためならこの身体なんて安いものなんだ。だってほら、覚えてます？　この腕は船長につけてもらったものですよ。こっちの傷は縫ってもらったやつ」

腕や首の、記憶にない傷を晒す男。この暗闇の空間にそぐわない圧倒的な存在感と熱量に気圧される。はっきりと覚えていないが、今まで見聞きしてきた何者とも違い、ずかずかと踏み込んできて心を荒らす男だった。

[187 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/28(木) 21:58:22]

「ちが……、やめろ、いやだ思い出させるな、おれは、」

そこから先のローの記憶は曖昧だった。思い出させようとする男も、何も分からない自分も、壊されるであろうモノも、この場にあるすべての存在が苦痛を伴い心身を蝕んでゆく。

ローSAN値チェック

dice1d2=1 (1)

ただひたすら男を拒絶し、痛む身体と搔き乱される思考に危機感を覚えてその場に背を向けた。

―が、"船長を連れ戻したい"と豪語する男は、ローを逃がさない。

「あんたはおれたちの船長だ！！　自分に何があっても、船長がどこに行こうとしてもついていく！！　全員その覚悟でここまで来たんだ、こんなところで諦めてたまるかよ！！！」

諦めが悪いうえに、要領も悪かった。

勝手に自分を担ぎ上げようとする男を締め上げたローは、その無様さに呆気にとられ、次いで思わず笑みが零れる。それはこの暗闇の中で目覚めてから、はじめて肩の力を抜いた瞬間だった。

あまりに必死な様子に悪い奴ではないこと、そしていざとなれば御するのは容易いと判断して一先ずついていくことに決めれば、男の顔が喜色に染まる。

「はい……はい！！　それでいいです、お願いします！！」

完全に信用した訳ではないが、会話する相手がいるというのは悪くないなとローは考える。

なるべく"思い出さない"ために身体中の痛みを敢えて意識していたが、今度は男との会話や"消える手足"を診察に集中していれば痛みを無視できる。自身の医療の知識にも問題は無さそうだということが新たに判明し、そっと安堵の息を吐いた。身体のあちこちで主張する痛みは動けないほどではない。何が不利にはたらくか分からない現状、身体の異変も含めて気取られてはいけないと密かに唇を噛み締める。

「（ただ、事態は動いている）」

後退か進展かは分からないがとにかく今は様子をみるか、と心に決める。

名が無いと不便だからと帽子にあった単語を男に与えれば、存外あっさりと了承してみせる。聞き分けが良すぎるうえに名を名乗らないのは怪しいものの、互いに違和感がないなら問題はないだろう。

思い出さなくていいと言うくせに、やけにこちらのことを聞き出そうとしてくる"ペンギン"をあしらいながら、ローは努めて平静を装いつつ闇のなかを進むのであった。

ローSAN値チェック（回復）

dice1d3=3 (3)

[188 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/28(木) 22:01:54]

（ロー　SAN値24-1+3=26）

おさらい（別視点）回はこれにて一区切りだな
外れた安価は拾えないものもあるからあまり期待せずにいてくれると嬉しい
そしてSAN値が年齢になったな！不審がるわりにはペンギンのこと信用してそうだから次ちょっと影響させるか

[189 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/28(木) 22:11:38]

今気付いたがもう190か！明日の更新は次スレになるかな
いつも中途半端になって次を建てるタイミングが分からん…残りはできれば雑談とかに使ってくれると嬉しい

[190 二次元好きの匿名さん 23/09/28(木) 22:37:48]

更新ありがとう！ようやく繋がったなぁ！！
次スレも楽しみだ
ペンギンが来てよかったと思ってるけどベポ（しゃべる白熊）が来たらどうなってたのかも気になるｗ

[191 二次元好きの匿名さん 23/09/29(金) 08:01:21]

今のところパンイチ生還√かパンイチ廃人√のどっちかなんだよな船長
今回ペンギンだったから“ペンギン”って名前つけてたけどシャチの場合だったら帽子のまんまで“シャチ”の可能性もあるけど“サングラス”とかになってた可能性もあるのかな

[192 二次元好きの匿名さん 23/09/29(金) 09:18:29]

2年前ならキャスとかキャスケットって呼ばれてた可能性も…！？

ローは今後服着せるタイミングあるのかな
それでも全裸じゃないだけマシ…マシか…？？

[193 二次元好きの匿名さん 23/09/29(金) 19:19:05]

最大回復するくらいには信用したってことなんだなぁ

[194 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/29(金) 21:20:44]

折角だしスレギリギリまで使うか


ダイスと安価次第だがベポが来てたらもう少し警戒心解くの早かったと思うぞ
かわいこぶったり情に訴えたりできたはずだ　SAN値低いから一番イージーかも
「おいクマ」「クマですいません…」みたいなやりとりが見える見える

シャチが来てたら鼻が利くから直感的に本物を判断して連れ帰るのが早かったかもしれん　ただグイグイいくからローが警戒心ガン積みする可能性もあるな
名前はやはりシャチとかグラサンとかか？キャスも懐かしいなー

[195 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/29(金) 21:22:01]

（ペンギン視点）

頬を伝う熱い感触にペンギンは我に返る。いつの間にか両の目からぼたぼたと涙が落ちていた。

"視た"ものは追体験というよりも、脳に直接情報を流し込まれた感覚だった。それは断片的ではあったが、暗闇のなかで彷徨っていたローの軌跡。数々の異変に襲われ、惨いものを見せつけられ、記憶を失い、それでもまだ"覚えのない"自分達を失わないように、危害が及ばないように戦っていた記憶のカケラたち。

「っ……くそ、」

静まり返った闇のなかに嗚咽交じりの悪態が響く。自身の不甲斐なさ、遭遇したモノ、助けに来たつもりが守られていたこと、すべての事象に胸が張り裂ける思いだった。

ペンギンSAN値チェック

dice1d2=2 (2)

おそらく、視てきたこれが"子供"の言っていた「頑張って集めた」ものなのだろう。それなら自分がやる事はひとつだ、ローを抱えている腕に力を込める。

情報を流し込まれてからどれだけの時間が経っているのか分からないが、もうそんなに時間は残されていないだろう。きっと"子供"が駆けていった方向に"船長室"があるはずだ。

ペンギンとしてはこのまま運んでしまいたいところだが、透明化が進む身体や四肢では危険も多い。異変に襲われたときのことを考えると、本人の意識があったほうがいいだろうと肩へ手を伸ばす。が、ふと直前の出来事を思い出して動きを止めた。

「（船長が苦しんでいたのはなんだったんだ…？）」

"子供"と会う少し前から突然ひどく苦しみだしていたことを思い出す。それに、"視た"記憶のなかで判明したことだが視認できない身体の痛みも抱えているようだった。それについては隠されていたことを腹立たしく思うが、ローの性格と状況を考えると致し方ないことだろう。今は横に置いておこうと息を吐く。

あの"子供"がなにかを語り掛けて、落ちたローの意識。もしかしたら起こさず運んだ方がいいのかもしれないという迷いがペンギンのなかに生まれていた。

>>197 ペンギンはどうする？

[196 二次元好きの匿名さん 23/09/29(金) 21:23:52]

スレ終わりなのでまた供養させていただきたく…

5－180

[197 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/29(金) 21:26:06]

>>196

ア”ーーーーーー！！！！！！！！

[198 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/29(金) 21:26:53]

あ！！？！？！？間違えてタップした
ちょっとまってくれやりなおさせてくれすべてを

[199 二次元好きの匿名さん 23/09/29(金) 21:27:41]

あああ間が悪くてごめんなさい！
つか安価ぁ！！

[200 ◆Pxx1Kifjy2 23/09/29(金) 21:59:33]

興奮しすぎた　すべては親指が悪い

次スレだッ！！！

https://bbs.animanch.com/board/2445089/?res=3

恒例チェックもしておこう

やらかしに愕然としたから削る方向で

dice1d100=54 (54)