【SS】パリ旅行計画 アペリティフ

  • 1二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:49:45

    「トレーナーさん、今度一緒に行くパリ旅行、何処に行きたいですが」

    「……そうだなぁ。前は見ることが出来なかった凱旋門には行きたいかな」

    「凱旋門素敵です。トレーナーさん、凱旋門は上ることができますが上ってみますか?」

    「凱旋門って、登れるのか。折角だし、登ってみようか」

     いつもはトレーニングメニューや勉強などに使用されるトレーナー室では、担当のサトノダイヤモンドが持ってきた、普段なら置くことがないカラフルな旅行雑誌やガイドブックが机の上に積まれている。
      
    「トレーナーさん、これ見て下さい。凱旋門、屋上から撮れる写真です」

    「結構高くて見晴らしが良さそうだな。おっ、エッフェル塔も見えるのか」

    「えぇ、凱旋門はパリの中心ですから、360度パリを見渡せます」

    「へぇー。じゃあ、ダイヤ。エッフェル塔の展望台からは見える景色の写真とかあるかな?」

    「はい、ええと、こちらです」
     
     その机の前にトレーナーと傍で座っているダイヤは、旅行雑誌などに載ってある写真を二人で見ながら、楽しそうに旅行の行きたい場所を決めていく。
     何せ以前、行ったパリ旅行はダイヤの思い付きでの弾丸旅行。計画もないまま彼女の行きたいところに付き添って行くままで、それはそれで楽しめたが、今回はトレーナーが行きたい所に連れていくのが目的だ。
     現に旅行計画を練っている段階でトレーナーは楽しそうに、彼女が持ってきた旅行雑誌などに目を通している。
     この御時世、スマホを使えば簡単に動画で現地の雰囲気などを掴めるが、それはしない。
     写真を見ながら、1回目の旅行の景色を思い出しながら、想像で風景を思い描くのが楽しい。
     それに、知らない他人の紹介より自分と親しいダイヤからの経験談からくる話の方が、より一層楽しい気分にしてくれる。

     現にダイヤも、トレーナーと一緒に行く旅行に胸を膨らませているのか、目をキラキラ輝かせながら楽しそうに話す。
     トレーナーが行きたい場所をピックアップしながら、自分が行った経験からパリを流暢に紹介していく。

  • 2二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:51:26

    「そういえば、ダイヤ。フランスって、パンが有名だけどフランスパンが美味しいのかな」

    「はい、フランスパンも美味しいですが、クロワッサンも有名です。バターが香り高くて、素晴らしいお味です。こちらに美味しいパン屋さん特集がありますよ」

    「どれどれ、どれも美味しそうだな。雑誌載っている食べ物って、美味しそうに感じるよな。ダイヤは何か食べたいものとかある?」

    「そうですね、私はエクレアが食べてみたいです。トレーナーさん、知ってますか、エクレアもフランスが発症なんですよ」

    「そうなんだ。流石、美食の国って言われることはあるなフランス」
     
     トレーナーとダイヤは、そんな穏やかな会話をしながら、旅行の計画を練り上げていく。
     トレーナーにとって、何処か出かける準備にかける時間にこんなにワクワクするのは久々の感覚だった。
     
    「なぁ、ダイヤ?」

    「はい、トレーナーさん」

    「今日は随分嬉しそうだな」

    「そうですか?確かに楽しいですが、その理由は……。ふふっ、秘密です♪」

    「秘密か」
     
     トレーナーは、彼女が嬉しそうな理由を薄々分かっているような口ぶりで返答するが、ダイヤもそれを察しながら微笑んでいるので、それ以上聞くことはしなかった。
     
     トレーナーが、自分が好きなフランスに一緒に行ってくれるだけでも嬉しいのに、そこで自分の好きなものに興味を持ってもらえることにダイヤは喜びを感じるのは自然な道理だろう。

     和気あいあいとした旅行計画を話し合う時間はあっという間に過ぎていった。

  • 3二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:53:06

     「ふぅ、こんなところですかね」

     「今日はありがとう、ダイヤ」
     
     「いえいえ、こちらこそ楽しい旅の準備ができて嬉しいです」

     「俺も楽しかったよ。ダイヤ、その旅行雑誌少し借りていいか」

     「はい、どうぞ。良ければ参考にしてください」

     「ありがとう、ダイヤ」
     
     トレーナーはダイヤから旅行雑誌を受け取り、自分のカバンに入れた後に、裾を
    引っ張られた。

    「トレーナーさん……」

     ダイヤはトレーナーの裾を指先で摘み、上目遣いで少し照れながら彼にお願いした。
    「ん?どうした、ダイヤ」

    「その……いっぱいお喋りしたので、喉がが乾きました。ですので、よろしければ食堂でお茶にしませんか」
     
     そう言われて、トレーナーも喉が乾いていることに気づき、ダイヤの提案を了承する。

    「うん、いいよ。行こうか」

    「はい、では参りましょうか」
     トレーナーとダイヤは立ち上がると、トレーナー室の扉を閉めた後に談笑しながら食堂に向かっていった。
    その道中も食堂でも、今日の二人は楽しげに会話をするのであった。

  • 4二次元好きの匿名さん23/09/18(月) 17:57:08

    ダイヤちゃんの新衣装イベントの「デセールは最後に」を参考に書きました

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