【あにまんオリキャラSS】特別な聖夜に、とびっきりの愛と祝福を【遊子】

1二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 12:14:43

短めだけどSS書きました
感想をいただけるとありがたいです

2121/12/24(金) 12:15:10

読者の皆様にクリスマスの予定を聞くなどという野暮はするまい。
ただ今日は自分に起こった幸せな出来事を読んで欲しい。
一人ではあり得ない幸福の話だ。
言いたいこともあるだろうけど全部置いておいて、奇跡でもなんでもない日を祝ってくれ。
後一言だけ、僕に言われたくない人もいるだろうけど言わせて欲しい。
メリークリスマス、聖夜に幸あれ。

3121/12/24(金) 12:16:13

画面の中から菫が出てきた時、僕の人生は変わった。一人で暮らすにはあまりにも広すぎる我が家は、住人が増えたことで程よい広さに変わった。いつかは狭くなるかも、なんつって。
そんな我が家で初めてクリスマスパーティーを開催することにした。菫が僕の恋人になってから初めてのクリスマスということで友達を呼んで楽しむことにしたのだ。
クリスマスパーティーの準備は当然ながら分業である。料理は菫が、テーブルのセットは僕が、飾り付けは二人で行う。
並行して風呂掃除やゴミ出しなども行い、予定や食べ物の好みについてメールで友達と連絡を取り合う。
飲料はパーティーが始まるギリギリ前まで冷蔵庫で冷やしておく。お値段結構お高め円なジュースが今回の目玉だ。
皆に渡すプレゼントは目につかない場所に置いてある。上手く隠せているかどうかが心配なので何度も確認をしていたら、菫に心配し過ぎと笑われてしまった。
メールを見るとニジケイさんがワインを持ってくるらしいのでワイングラスを急いで調達し、ついでに注文していたクリスマスケーキを取って帰ると、菫の準備はほとんど終わっていたようだった。

4121/12/24(金) 12:17:26

「お疲れ様。まだやることある？」
「いえ、もうないわね。あとはお客を待つばかりよ」

ふと菫の様子がおかしいことに気がつく。なんだ？　何かをためらっているような………？

「菫？」

そう問いかけると菫は僕の言いたいことが分かったようで、ほんの少しだけ目を左右に動かした後決心したように

「ユティ、ちょっと目をつぶっていてくれないかしら？」

と言った。
言われた通り目をつぶって待つと、僕の頭を抱くように腕が回され、唇が触れ合った。これって……？

「ちょっと早めのクリスマスプレゼント、なんて」

顔は真っ赤だ。菫も僕もという意味だが。
というか熱が篭っているのを感じる。充電しすぎたバッテリーくらい熱いのではないだろうか。
しかし唇は柔らかかったな健康な証拠だやはり健康の秘訣は食生活かな食べ物といえばファーストキスはレモンの味というのは常套句だがむしろ甘いように感じたぞ甘い物は良い物だどんどん摂取したいなんか摂取って言うと変態的だななんと言うのが適切なんだろうか果たして菫は知ってるのかな待てよ自分の唇はどうだったんだろうガサガサだったとしたら目も当てられないぞいや当ててるのは唇か本人に聞くわけにもいかないし幻滅されたらどうしよう
と、脳がそこそこバグっていた僕だが、菫もどうやら同じようで、二人揃ってメダパニになっていた。グルグル目である。

5121/12/24(金) 12:17:41

ああう、このまま二人してバグっているわけにもいかない。何か言ったりは出来ないのか？　と、その時僕は最低限の言葉ながらも何よりも雄弁に想いを語る言葉を思いついた。しかしそれを言う度胸が僕にあるのか？　ええい、ままよ。菫がしてくれたのに自分が出来ないなんてヘタレたことは許さん。

「僕からも……いいかな？」

勇気を振り絞ってそう言うと、菫は顔を赤くしたままコクンと頷いた。それから僕は別々の場所に一回ずつキスをする。
一回目は額に、二回目は唇に。キスの場所が表す意味のことはまあ今論じることでもないだろう。
数時間、あるいは数十秒の間そのままでいたが、やがては唇を離して見つめ合う。
と、そこで玄関のチャイムが鳴った。そこで二人とも我に帰って笑い合う。

「僕が出るよ」
「私は準備してくるわね」

クリスマスパーティーはもうすぐである。

6121/12/24(金) 12:18:01

賑やかなパーティーはあっという間に終わった。クリぼっちをしていたころとは違った時間の過ぎ方を感じる。
ガチャガチャと食器を洗っている菫の横で、僕は余った料理をタッパに詰めたりしながらそんなことを思っていた。小さめなクリスマスツリーの下には友達から貰ったプレゼントが沢山置いてある。
後片付けも終わって、僕は今日一日の出来事を思い返していた。音理の男装が似合ってたこと、ナホ子のプレゼントが割とまともだったこと、ニジケイさんが酔ってマスアニさんに絡み始めたこと、あにまんまんがお菓子をくれたこと、僕のミニスカサンタコスが大ウケしたこと、ゴリラさんが欲しかった本をくれたこと、そして………キスのこと。
多分菫も一緒だろう。顔がまた赤くなってるし。
入れ替わるように風呂に入り、パジャマに着替える。
ベッドメイキングはとうに済ませているので少しだけ夜更かしをしたあと歯磨きをした。いつもと同じ、だけどほんの少しだけ違う夜。
明日はどんな顔をして話そうか、なんて思いながら今日も同じベッドで眠りに就く。
握った手はいつにも増して温かく、愛する人の存在を証明していた。

なおこの後特に何もなかった。

7121/12/24(金) 12:18:17

終わり

8二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 12:33:03

ええやん…甘酸っぱくて幸せそうでとても良い
本人とは似て非なるキャラクターとしてのユティの感じが個人的にとても好き

9二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 12:37:35

>>なおこの後特に何もなかった。