「…何でも願いを聞いてくれると、そう言いましたね?」

  • 1二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:40:27

    「でしたら、私も叶えてほしい願いがあります。…今夜、私の家に来てください。お待ちしてます」

    「ようこそ、ハヤヒデさん。外泊届は出されましたか?」
    「無論忘れてないさ。まあ、今日に関しては私の他にも出す生徒もたくさんいたのでな…」
    「なら大丈夫です。さっ、どうぞ上がってくつろいでください」

    「…これ、まさか全部トレーナー君が作ったのか…!?」
    「ええ、少々気合が入って色々と大量に作ってしまいました。まあ全部ネットを見ながら作ったんですけども」
    「凄く嬉しい…のだが、普段からこのぐらいやる気を持って自炊したらどうなのかと思わずにはいられな」
    「さて、食べましょうか」

    「ごちそう様でした…!どれも最高に美味しかったよ、トレーナー君!」
    「ふふっ、お粗末様でした。…ですが、本命はまだ残ってるんですよ」
    「えっ? …!!それは…」
    「フルーツケーキ(バナナたっぷり)です!前はお店の物を買いましたが、今回は張り切って自作してみました!
    …結構不恰好になっちゃいましたけどね」
    「…これ、全部私のものなのか?」
    「勿論です。毒味は済ませてありますので、どうぞごゆっくり召し上がってください」
    「……いや、それは断る」
    「あらっ…」
    「これは、君と食べるべきものだ。君が食べないなら、私も手をつけないよ」
    「ああいや、私の事は気にせず…」
    「ほう、もっと分かりやすく言うべきだったかな?…私はこれを、君と一緒に食べたいと言ってるんだ」

    「…これは失礼しました。ハヤヒデさんがそう言うのであれば、遠慮なく頂きましょう」
    「うん…それで良い」

  • 2二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:41:15

    「それで、その、トレーナー君…」
    「何でしょう?」
    「…そろそろ君の願い事について教えてくれてもいいんじゃないか?」
    「…ん?」
    「私も、今日この日に君の家に上がることについて、覚悟は決めてきたんだ。この意味が分からないほど、バカではないからな。だから…君の望むものは、何でも受け入れられる」
    「んん…?」
    「…だが、その、あー…焦らされると少し、緊張するというか…」

    「…願いなら随分前に言ったつもりだったんですが」
    「…えっ?」
    「言ってませんでしたか?
    …“くつろいでください” と」

    「…は?」
    「これが、私がハヤヒデさんに望む願いです」
    「…!?そ、それが君の願い、だと…!?」
    「…今日はクリスマスな訳ですが、クリスマスといえばサンタクロースがプレゼントを配る日ですよね?」
    「え?…まあ、そうだな」
    「しかし、そんな大忙しのサンタを労おうだなんて発想をする人は滅多にはいません。それは何故でしょう?」
    「…サンタが、その日以外は休んでるから、とか…?」
    「その通りです。裏を返せば、サンタは日常の大半をフィンランドの山奥でのんびり暮らしてる高齢者に過ぎません。
    故に、年に一度の仕事日である今日、人々は遠慮なくサンタに願いを託す事が出来るのです」
    「は、はぁ…まあ、そういう見方も出来るかもしれないが…」
    「ですが…ハヤヒデさんは違います」
    「…ん?私?」

  • 3二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:42:43

    「ええ、そうです。…あなたはいつだってそうだった。

    何かとあれば他人を気遣い、妹から友人、果てには関係のない人達までその優しさと包容力をもって接してしまう

    これは、あなたの最大の魅力であると同時に、あなたの最大のけってんでもあります」
    「わ、私は別にそんな…」
    「今日もそうです。トレセン学園の夢見る皆さんのために、あなたは自らサンタ役を買って出た。
    ……本当なら、ハヤヒデさんだって“貰う側”の人間であっても良かった筈なのにです」
    「………」
    「勿論その選択はハヤヒデさんらしい素晴らしい選択だったと思います。責めるつもりは一切ありません。

    ですから…私は決めました。
    私がハヤヒデさんのサンタになろう、と」
    「なっ…!」
    「…私は、これまであなたに数え切れないほど大切なものを貰いました。
    あなたと出会い、あなたに惚れ込んだあの日から私は…楽しくてしょうがないんです」
    「トレーナー君…」
    「ですから今日は…その恩返しも兼ねて。思いっきり羽目を外し、くつろいで欲しいんです。それが私の最大の願いです。
    …もし私が邪魔でしたら今すぐにでも消えますので、思うように過ごしてください」
    「いやっ待った!消える必要は全く無くて…そうだな…
    要は、君は…私に楽に過ごしてほしいという事なんだな…?」
    「ええ、そうです」

    「なら…いつものように、私と話をしてほしい。のんびり私と、身になるかどうかも分からない話をしてほしい。
    …私にとっては、これが一番幸せな時間なんだ」
    「…なるほど。ハヤヒデさんがそう言うなら、そうしましょうか」
    「ああ…よろしく頼むよ、トレーナー君」

    (私は、ハヤヒデさんが幸せでいてくれればそれで良かった)
    (ですが…本当は、私と時間を共にしてくれたらと、少し思っていました)

  • 4二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:43:43

    (今夜はクリスマス。星輝く空に乾杯を、雪舞う街に祝福を。そして私は…この暖かく愛しい時間を、楽しむことにしましょう)

  • 5二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:44:40

    おわり
    姉貴には夜は穏やかにトレーナー君と過ごしてほしいと思ってたらクソ長くなってしまった。駄文

  • 6二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:47:12

    クリスマスにいいものみれた…

  • 7二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:49:45

    メリークリスマス!ハヤヒデとそのトレーナーに祝福を!

  • 8二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 22:58:49

    メリークリスマス、良い物を観たよ

  • 9二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 23:26:14

    掛かり気味なハヤトレもいいけど
    こういう大人な感じなのもいいね…

  • 10二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 23:28:15

    クソボ…いや、今日はゆっくり過ごすといい…

  • 11二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 00:13:29

    >>サンタは日常の大半をフィンランドの山奥でのんびり暮らしてる高齢者に過ぎません

    ハヤトレ節効いてるなあ

  • 12二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 08:06:58

    ただただ姉貴を労わるハヤトレ良いね…

  • 13二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 12:22:06

    みんなのサンタのハヤヒデ
    姉貴だけのサンタのハヤトレ

  • 14二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 15:08:42

    良い…

  • 15二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 19:35:31

    この後ぴょいはしないけどめちゃくちゃ良い雰囲気になってそう

  • 16二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 00:36:52

    あったけえ…

  • 17二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 00:38:51

    抱け

  • 18二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 01:14:17

    そして二人はいつまでも幸せに暮しました
    めでたしめでたし
    そういうあったけえ結び方をしたくなる

  • 19二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 01:43:07

    ハヤヒデ「体の関係だけが全てじゃない、こうして愛を育むのも大切なんだ」
    ナリブ「一理あるがそう言って何年目だ」

  • 20二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 01:48:55

    精神的つながり大事にしてるSSで体の関係強要するようなのはちょっと野暮だと思うんすよ…

  • 21二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 11:55:09

    >>17

    まあ待てブライアン

    今はコレで良いんだ

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています