ファン感謝祭で勝負服交換レースに参加したら

  • 1二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 19:43:23

    クジで巨乳ウマ娘の衣装を引いてしまい
    胸元がスカスカになって公開処刑を受けるわ自分の勝負服は凄い事になってる事に絶望するカフェが見たいです

  • 2二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 19:45:59

    できれば胸元スカスカゆるゆるの子と衣装交換してほしい。
    フラッシュとかゼファーとかフラッシュとかゼファーとか……

  • 3二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 19:47:54

    ムチムチでセンシティブな事になってるスカーレットVSゼファーの勝負服を着てしまい誰もツッコミを入れれないカフェ

  • 4二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 19:48:28

    (主催の生徒会から無言で渡される胸パッド)

  • 5二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 19:49:44

    身長も胸も酷いことになりそうなボーノとフラワー

  • 6二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 19:51:06

    ビリッ ブチッ ポロン

  • 7二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 20:53:17

    ゴルシの勝負服来たらもうヤバい
    脇見えるわ輪っかが無意味すぎるわ

  • 8二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:17:14

     それは、私──マンハッタンカフェ──の勝負服とは、全く違う世界のものだった。
     私の勝負服は、珈琲のような漆黒を基調とし、黄色いネクタイなどでアクセントを利かせたシックなもの。
     ロングコート風の上着に、ミニスカート、厚手のタイツ。
     どちらかといえば硬い印象を受けて、ファンの皆からは格好良いと言ってもらえる、自慢の勝負服だ。
     
     ────けれど今、私の身体を包んでいるものは、全く違う世界のものだった。

     それは、おとぎ話に出てくる妖精のドレスのよう。
     白地に赤い意匠を散りばめて、袖や靴下などには透き通るような青色。
     そして、各所にはフリルが散りばめられていて、とても可愛らしい印象を受ける。
     そよ風のようにふんわりと、涼風のように爽やかで、桜舞う風のようにきらびやか。
     本来の持ち主の想いを、そのまま形にしたような勝負服だった。
     そんな、ヤマニンゼファーさんの勝負服を、私は着ている。
     それ自体は、とても光栄なことだと思うけれど。

    「ですが……これは…………流石に……っ!」

     私は鏡の前で、勝負服の胸元を必死で押さえつけていた。
     見本として頂いた、ゼファーさんの勝負服姿の写真を横目で見る。
     勝負服確かに魅力的ではあるのだけれど、それ以上に目を惹いてしまうものがあった。

  • 9二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:17:33

     大胆に露出している、肩と胸元。

     正直なところ、同性である私ですら見た瞬間、どきりとしてしまった。
     彼女は風を浴びるのが好き、というのは聞いたことがあるけれど、それにしたってこれはやり過ぎに思う。
     肩は鎖骨どころか、腕を上げれば腋が丸見えになってしまうほど。
     そのあどけない顔立ちに見合わない胸の山脈は、険しい谷間を築いていた。
     ふと、写真から、自身の身体に視線を落とす。
     手で懸命に押さえている胸元には、穏やかな丘が広がっていた。
     …………それは、良い。全くもって、何も、一切合切、本当に、気にはならない。
     問題点は、別にある。
     私は両手を勝負服から離してみた。
     すとんと、勝負服の胸元はスムーズに落ちて、私の胸が晒されてしまう。
     
    「……っ」

     誰も見ていないとはいえ、少し恥ずかしくなってしまう。
     そう、最大の問題点は、胸元がスカス……サイズが少し合わず、着られないことだった。
     そもそもな話、何故私がゼファーさんの勝負服を着ることになったのか。
     それは、数日前に遡ることとなる。

  • 10二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:17:46

    「勝負服交換レース……ですか……?」
    「うん、今年のファン感謝祭の企画で、カフェにも是非出て欲しいって」

     トレーニング後の、コーヒーブレイク。
     とても穏やかな心地になれる、トレーナーさんとの大切な時間。
     その最中、彼は書類と共に話を切り出した。

    「抽選で選ばれた他のウマ娘の勝負服を着て、ちょっとした模擬レースをするらしいんだ」
    「……レースというよりは…………余興といったところでしょうか?」
    「他の子の勝負服で本気はなかなか出せないだろうから、そんなところだね」
    「…………トレーナーさんは……見たいですか?」

     珈琲に満たされたカップに口をつけながら、トレーナーさんの様子をちらりと窺う。
     彼は少し困った様子で、頬をかきながら、目を逸らして言葉を紡ぐ。

    「それは、まあ、普段と違った君が見られるなら、見たいかな」
    「ふふっ……そうですか…………それなら……見せてあげましょうか」

     私は少し可愛らしいトレーナーさんに微笑みながら、書類を受け取って必要事項を書き込む。
     途中、彼に聞きたいことが出来て、私はペンを止めた。

    「……ところで…………トレーナーさんは」
    「うん」
    「私の……どんな勝負服姿が…………見たいですか……?」
    「えっ」
    「タキオンさん……? ユキノさん……? それともポッケさんですか……?」
    「ジャングルポケットの、勝負服?」

  • 11二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:17:58

     トレーナーさんの視線が、微かに揺らぐ。
     きっと大胆にお腹を晒した、ポッケさんの勝負服を着た私を、想像したのだろう。
     私はわざとらしくジトっとした目で、彼を見つめて、呟いた。

    「……トレーナーさんの……えっち」
    「カフェ! 誤解だから!」
    「ふふっ……誰の勝負服が着れるか……楽しみですね…………♪」
    「…………まあ、それは、そうだね」

     ────ああ、今思えば、あの時は幸せだった。
     ただ自分達の未来には希望しかないと、無邪気な子どものように信じていたのだから。
     まさか、服を着るだけでこんな絶望を味わう日が来るだなんて、思いもしなかった。
     一旦、制服に着替えようか、そう考えた瞬間。

     コンコン、とドアがノックされる。

    「カフェ? 着替えどう? 入っても大丈夫?」
    「ト、トレーナーさん……えっと…………その……」
    「今、ヤマニンゼファーがこっちに来てて、着方とか教えてもらった方が良いんじゃないかな?」

     そういう……問題ではないんです……!
     感情のまま言い返しそうになったが、僅かに残っていた冷静さが、真っ当な思考を取り戻す。
     改めて見ると、この胸元の構造は明らかにおかしい。
     仮にゼファーさんが着たとして、ウマ娘の全力疾走に耐えられるとは思えない。
     すなわち、何か特別な着用方法があるはず。
     こんな情けない姿を晒すのは躊躇するけれど、背に腹は代えられない。

    「…………わかりました……どうぞ……入ってください」

  • 12二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:18:10

     絞り出すように発した声に応じて、扉が静かに開いた。
     そしてトレーナーさんと、ふわりと軽やかなステップで一人のウマ娘が入ってくる。
     大きな二つ結びの淡い茶色の髪に、特徴的な大きい流星。
     ゼファーさんは私の姿を見て、目を大きく見開いて、そして輝かせた。

    「まあ、まるで小夜風のよう、それでいて花信風を感じさせて、素敵です」
    「…………ありがとう……ございます……」
    「着る人が違うだけなのに、まるで木枯らしと緑風ほどの違いが生まれるのですね」
    「…………」

     噂には聞いたことがあったけれど、ゼファーさんの言葉はとても個性的だ。
     隣にいる、私のトレーナーさんも困惑した表情を浮かべていた。
     けれど────そんなことは些細なこと。
     問題は、今の彼女の姿。
     今回の私達が参加した企画は、勝負服の『交換』レース。
     私がゼファーさんの勝負服を着ているということは、彼女も私の勝負服を着ているはずなのだ。
     けれど、彼女が今着ているのは、私の勝負服ではない────そう、思いたかった。

    「カフェさん? くるくるさんが豆台風を浴びたような顔をされてますが……?」
    「…………勝負服」
    「ええ、風はあまり受けられませんが、たくさんの想いを込めた黒風を感じます」

     そう言って、ゼファーさんは楽しそうに微笑む。
     彼女と私の身長はほぼ同じで、サイズに関しては全く問題はなかった。
     極一部を除いては、だけれど。
     コートの黒地に、まっすぐ伸びているはずの金色の意匠が、何故かひどく歪んでいる。
     その下のブラウスははち切れんばかりにパツパツで、ネクタイがちゃんと締められていない。
     またネクタイも、聳え立つ二座の霊峰の狭間に飲み込まれてしまい、見ることが出来ない。
     まさか、もしかして、ひょっとして、万に一つ、あり得ないことだとは思うけれど。
     彼女が着ているのは────私の勝負服なのではないだろうか?

  • 13二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:18:25

    「ふぅ、でも少し隙間風が恋しくなってしまいますね」

     ゼファーさんはネクタイを少し緩めて、空気を取り込むように襟を広げた。
     そこからは、少し汗ばんだ、激しすぎる谷風が吹き荒れている。
     隣にいるトレーナーさんは、慌てて目を逸らした。
     ────そんな反応、私が着ている時には、したことがなかったのに。
     奈落に落ちているかのような敗北感が、私を襲った。
     勝てる、わけがない。
     絶望のあまり、私の腕からは力が失われて、だらりと垂れ下がってしまった。
     膝から崩れ落ちそうにもなるけれど、それだけは歯を食いしばって耐える。
     そこまで堕ちてしまったら、もう立ち上がれなくなりそうだったから。

    「カッ、カフェ!?」
    「カフェさん!? そっ、そんなあからしまな……!?」

     トレーナーさんとゼファーさんが、突然、顔を真っ赤にしながら慌てだした。
     どうしたのだろうか、何かおかしいことでもあったのだろうか。
     ああ、それにしても、急に涼しく……なった……ような…………。
     ふと、思い出す。
     私は今、ゼファーさんの勝負服を着ていて、その服を上手く着れなかった。
     胸元を手で何とか押さえた状態で、彼女達をトレーナー室に招き入れたのだ。
     そして先ほど、私は絶望のあまり、両腕をだらりと下げてしまった。

     では、その両腕で押さえていたはずの胸元は、今どうなってしまっているのか。

    「──……っ!!?」

     私は慌てて、ゼファーさんの勝負服よりも大胆に晒した胸を、両手で隠して屈みこむ。
     直後、弾丸のような“お友だち”の飛び蹴りが、トレーナーさんの顔面に突き刺さるのであった。

  • 14二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 22:25:24

    通りすがりの字書きさんありがとうございます!!
    めっちゃいいです…(語彙力ゼロ

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