- 1◆7kUE5q3HYnS023/09/27(水) 22:02:00
「私の右目、知ってるかい?」
満月が欠け始める頃、その人はターフに現れる。
時刻は決まって深夜0時丁度。
姿を見た者に、そう問いかける。
怪奇の多いトレセン学園で語られる、噂の一つに過ぎない。
だが、ある事実が私の興味を引いた。
"お友達"が、彼女を知らぬということ。
ある生徒は言う、幸せを運ぶ"片翼の君"と、ある生徒は言う、悪意に満ちた"片翼の君"と。
彼女に出会った者は口を揃えて、"ただ問う、そして消えてしまう"と。
だが、彼女の容姿については誰も知らない。
月明かりの下、確かに見ている。
でも、思い出せない。
彼女が何者か、それはただの興味。
今日は丁度満月、深夜には欠け始めるだろう。
寮をそっと抜け出し、練習コースへ向かう。
ターフに降り立つと、時刻は深夜0時丁度。
月明かりに照らされ、ターフは青白く染まる。
噂の君は、いない。
所詮は数ある噂の一つ。
そう思い、戻ろうとした。 - 2◆7kUE5q3HYnS023/09/27(水) 22:02:44
「私の右目、知ってるかい?」
"片翼の君"は、私の目の前にいた。
整った顔立ち、短く切り揃えられた鹿毛の髪。
そして、猛禽類の様な鋭い瞳。
彼女の目は、月に照らされ煌々と輝いていた。
左目だけ。
光を失い、白く濁った右目、そして、右目から頬にかけて残る、やけどの様な傷跡。
美しい顔立ちにそぐわぬ悍ましいもの。
優しく微笑みかける彼女の瞳から発せられるもの。
それは、憎しみ、悪意、いや違う。
この問いに、答えを出せずにいた。
私は知っている、彼女の正体を。
それは、遠い日の悲しい記憶。
長く短い静寂は、月の瞬きで遮られた。
月を覆い隠す一筋の雲。
暗闇に呑まれてなお、彼女の左目は輝き続ける。
「知らないなら、それでいい。」
「頭上にご用心。」
雲が去り、月が目を開く頃、あの人は消えた。 - 3◆7kUE5q3HYnS023/09/27(水) 22:02:56
静寂が戻る。
誰もいないターフで、私は月に答える。
「私は、貴女を知っている。」
「貴女のことは、忘れません。」
きっと気のせいだろう。
でも、その日の月は微笑んでいた。
"片翼の君"の正体。
それは、憎しみでも悪意でもなく、一人の悲しみ、諦めの痕跡。 - 4◆7kUE5q3HYnS023/09/27(水) 22:03:26
- 5◆7kUE5q3HYnS023/09/27(水) 23:24:10
ウマ娘では障害レースは出てきていないが
将来的に実装されたら個人的にウマ娘化して欲しい馬
何気に平地・障害の重賞ウィナー - 6二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 23:43:51
ウマ娘に対してやるなら悪質すぎる事件だな
- 7二次元好きの匿名さん23/09/27(水) 23:50:39
- 8◆7kUE5q3HYnS023/09/28(木) 00:23:03
ダテハクタカの引退後ですが、事件後は人間不信になり気性も悪化していたようです
繁殖入りしていないため、消息は不明です - 9二次元好きの匿名さん23/09/28(木) 00:39:47
あの世界って怪奇がポンポン出て来るけど寺生まれのTさんみたいな人の割合も高いんやろか
- 10二次元好きの匿名さん23/09/28(木) 07:00:36
サイゲは障害レースの実装はよ
- 11二次元好きの匿名さん23/09/28(木) 19:03:25
障害レースは演算大変そう