お姉ちゃんは――――迷った

1二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 20:42:54

「祈り求めるものはすべて、すでに得られたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになる」（マルコによる福音書11:24 聖書協会共同訳）

お姉ちゃんは、カレンチャンのために祈れば何でもできる。異次元の侵略的知的生命を捕食するし、因果律も操作するし、いつまでも待つ。

お姉ちゃんは――迷った。本当にそれがカワイイカレンチャンのためになっているのか？　自分はカレンチャンのカワイイにふさわしいトレーナーか？　かえってカレンチャンの邪魔をしているのではないか？　いっそのこと、サブトレーナー君（彼は、並行世界ではお兄ちゃんとして立派にトレーナーを務め上げている）に全てを引き継いで、自分は時空の牴牾面から見守るだけにした方がよいのでは？

お姉ちゃんは――ナーバスになっている。

「何か、思いつめてるみたいだね。触手の粘液もいつもより少ないし」
お姉ちゃんの同僚にして友人、そしてライバルでもあるファイントレ、女騎士だ。

一緒にラーメンをすすりながら、お姉ちゃんは悩みを話した。
「カレンチャンは、あなたを信頼してるよ。私が見る限りでは。もっと担当ウマ娘の事を信じてみて。私だって、HARAKIRIくらいしかできないけど、ファインモーションはこんな私を信じてついてきてくれてるよ」

そう、背脂のようにこってりとコミュニケーションを取り、スープのように濃く信じればよかったのだ。そうすれば、この麺のように太く長く一緒にいられるはず。

「求めなさい。そうすれば、与えられる」（マタイによる福音書7:7 聖書協会共同訳）

お姉ちゃんは、走った。愛バのところに。カレンチャンのもとに。

「メリークリスマス、お姉ちゃん！　天使カレンの讃美歌で、魂を救ってあげるね♪」
「ﾐ°ｯ!!!!!」
お姉ちゃんの魂は風を切って大地けって、虹のかなたに逝った。夕飯までには帰って来たけど。