ぼくのデリバード ハロウィン・ホリデー

  • 1二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:15:52

    前スレ

    ポケモンクリスマス短編 「ぼくのデリバード」|あにまん掲示板今年もクリスマスがやってきました。クリスマスと言えば、大好きな人やポケモンと一緒に過ごす楽しい日です。ですが、この子には今、大好きな人やポケモンがいないようです。「いやだ!いやだーっ!」教会の裏に建て…bbs.animanch.com

    ぼくのデリバード Chapter.2|あにまん掲示板bbs.animanch.com

    10月の半ば、ラルフとデリバードはそろそろ染まってきた街並みを歩きながら、おつかいをしていました。


    「見ろよデリバード、でっかいカボチャが飾られてるよ!」


    『オ- ハロウィンハロウィン』


    街のあちこちにあるバケッチャの顔やゲンガーの顔が彫られたカボチャたちを見て、興奮する2人。

    そんな2人が手に持っているのも、小さいカボチャです。


    「そのうちカボチャパーティをやるんだよデリバード、シスター・ホルミー特製カボチャプリンにグラタンに……楽しみだな!」


    『デリシャス-!!』

  • 2二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:16:30

    「仮装グッズも飾りも買ったし、もうすっかりハロウィン気分だね!」

    デリバードは、シスター・ホルミーの作るご飯が大好き。まだ食べたことのない味が楽しみでしょうがないようです!
    そうしていると、デリバードの目に家電屋さんに展示されている新型テレビが映りました。

    『デリバリド-』

    「どうしたんだい、デリバード?」

    デリバードが指差したのは、テレビに映るニュース番組。
    仮装しているププリンの群れが大行進している様子です。

    「わぁ〜!可愛いな、デリバード!」

    『デリキュ-ト』

    なにやら楽しそうに歌っているププリンたちの様子に、デリバードも釣られて踊り始めます。

    『デリパ-リナイ!!』

    「こらデリバード、通りの真ん中で踊ったらダメだろ?帰ってから踊ろうよ!」

    『デ-リバ!』

    ウキウキの気分で帰路に着く2人の背を、何者かが伺っていることには気付いていませんでした。

    「……ぷりぃあ!」

  • 3二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:25:25

    ラルフとデリバードがウキウキで帰る一方で、街には1人ベンチでスマホを弄りながらため息を付いている人影がいました。

    「はぁ……マジ卍〜」

    ラメがバシバシの服に、アクセたっぷりの鞄を抱えてむくれる女の子。
    彼女の名前は、サウィン。年齢はラルフよりちょっと上でしょうか。
    なんだか憂鬱そうな顔をしています。

    「ママったら、また約束破ってさ……マジ酷くね?」

    苛立ちながらフーセンガムをプクと膨らませていると、サウィンの視界に何やら見覚えのあるものが写ります。

    「……ん?」

    「ぷくぅぅう〜」

    それは、僅かに見覚えのない風体をしていました。

  • 4二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:26:50

    新作きたぁぁぁー!

  • 5二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:41:53

    「これ……プリン?」

    サウィンが膨らませたガムに合わせて頬を丸めているのは、なんだか妙に大きいプリンでした。
    しかも、ただ大きいだけではなく髪のキマッているおしゃれなプリンです。

    「デッカ〜、XXXLサイズ?」

    「ぷくぅぅう〜!!」

    「なんかめっちゃ膨らんでるし……」

    でかでかプリンはサウィンがパチンとガムを弾けさせると、目を丸めてひっくり返ってしまいます。

    「ぷりゅ!?」

    「うおっ、何……大丈夫?」

    ひっくり返ったままジタバタするでかでかプリンに、サウィンは呆れながらも手を貸します。

    「あっ、結構重い……」

  • 6二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:47:42

    パラドクスがいっぱいじゃ〜〜〜〜〜

  • 7二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:52:03

    デリバードの新作だーーー!!!!!

  • 8二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:53:17

    ハロウィンだからサウィンか

  • 9二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 10:53:51

    初めて前SSイッキ読みしたけど良作だった、期待

  • 10二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 11:13:24

    シッポちゃん…

  • 11二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 11:16:47

    サウィンがでかでかプリンを起こしてやると、でかでかプリンは突然とんでもないほどの大きさで叫び始めます。

    「ぷりぃいいいあああ〜!!!!」

    「うわっ!?うるさっ、なに!?」

    そのあまりの大きさに一瞬びっくりするサウィン。周りの人も、プリンらしからぬ甲高い絶叫に驚いたようで視線が集まります。

    「え、なに?」

    「あのプリン凄い大きさだな……」

    「声もデカかったぞ」

    「ぷりぃ!!ぷりゃあ!!」

    それはサウィンの座っていたベンチ周辺の公園の全員が聞いていたほどに響いていましたが、しかし驚き以上のものは生まれませんでした。
    何故なら……。

    「なんか、声でかいけど……可愛いが勝るカンジ?」

    必死に凄んでいる様子すら、生来の可愛さには勝てないのです。

  • 12二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 11:27:20

    「「かわいい〜!!」」

    「プリンって威嚇するとこんな感じなんだぁ」

    「凄んでても全然怖くないや」

    「ぷり!?」

    でかでかプリンが手を挙げて目一杯自分を大きく見せても、顔の可愛さで通行人は全員和んでしまっています。
    そんな様子が意外なようで、でかでかプリンは目をぱちくりさせています。

    「よく見たらメイクしてんじゃんこのプリン、きゃわわ〜」

    「ぷりぃ?」

    「てかプリンなのにめっちゃもふもふだし……ヤバっ、超かわ〜!」

    「……ぷりぃ!」

    1番近くにいるサウィンはでかでかプリンの毛並みにうっとり。でかでかプリンも困惑はしていますが、褒められていることはわかっているのかどこか得意げです。

  • 13二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 11:28:48

    こわいなーこわいなー

  • 14二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 17:43:52

    かわいいかわいいと連呼しながらサウィンがでかでかプリンを撫でようと手を伸ばすと、でかでかプリンは何やら睨みつけて手をはたいてしまいます。

    「ぷ!」

    「いたっ!え〜撫で撫ではダメ?」

    「ぷいや!」

    「んー、頭に手乗っけるの嫌ってポケモンもいるみたいだしなぁ」

    名前通りにでかでかプリンがぷりぷりと怒っている様に、サウィンは思わず頬を綻ばせてしまいます。
    全く、何をやっても可愛くて凄いポケモンだ。サウィンはこのでかでかプリンに感嘆すら覚えています。

    「プリンっていいなぁ、いつでも誰にでも可愛がられてそー。この見た目だし」

    「ぷりゃ?」

    「それに比べて、あーしは……」

  • 15二次元好きの匿名さん23/10/01(日) 21:04:49

    そう呟くと、唇をキュッと結んでサウィンは静かになってしまいます。
    様子が変わったサウィンの顔をでかでかプリンは下から覗き込むと、不思議そうに首しかない身体を傾げてしまいます。

    「ぷ?」

    「ン……いや、なんでもないよ。あんたどっから来たの?」

    「ぷ〜……」

    ハッと気付いて先程までの態度を誤魔化すようにでかでかプリンに話を振ると、でかでかプリンはキョロキョロと辺りを見ながら悩んでいる様子。

    「もしかして、迷子?……そりゃそうか、ポケモントリマーがメイクアップしたプリンでもなきゃこんなにおしゃれじゃないだろうし」

    「ぷりゃりぃ!」

    「……よし!あーし暇だし、あんたのご主人様探したげるよ!」

    「ぷり?」

    サウィンがでかでかプリンの手を下からすくいこむように取ると、でかでかプリンも拒否することなく一緒に手を繋いで歩いて行きます。

  • 16二次元好きの匿名さん23/10/02(月) 07:15:34

    プリンちゃんでっかいでっかいネ……

  • 17二次元好きの匿名さん23/10/02(月) 13:50:28

    続編だと!?待ってた

  • 18二次元好きの匿名さん23/10/02(月) 15:39:23

    まあ今回はハロウィンだし仮装した大きいプリンが居ても違和感は無いか…

  • 19二次元好きの匿名さん23/10/02(月) 17:32:56

    「んーと、まずはあんたのご主人様っぽい人を探さなきゃね」

    「ぷぃ!」

    サウィンは手始めに、呼びかけから始めることにしました。

    「あのー、サーセーン!!このでっかいプリンの飼い主さんいませんかー!!」

    「ぷ!」

    「めっちゃ目立つプリンですけど、飼い主さんいますかー!!」

    缶スプレーで描いたでかでかプリンの看板を掲げてサウィンが声を張り上げると、負けじとでかでかプリンも大声を出します。

    「ぷりゃりゃりゃ〜〜〜!!」

    「おっ!良い声!ほら、このでっかい声のプリンに覚えがありますよね!」

    サウィンに負けじと大声を上げるでかでかプリンにも負けないように、もっともっと大きな声でサウィンは呼びかけます。

  • 20二次元好きの匿名さん23/10/02(月) 22:09:10

    そうしてしばらく呼びかけ続けていても、でかでかプリンの飼い主は中々見つかりません。

    「う〜ん、中々見つかんないなぁ」

    「ぷいいいあ!!」

    叫びっぱなしで疲れているサウィンに対し、でかでかプリンは楽しそうに叫び続けています。
    そんな姿がまた愛らしいからか、でかでかプリンを見学するために人々も集まっているようです。

    「かわい〜」

    「ずっとプリプリ叫んでる〜」

    「ぷりゃりゃりゃ!!」

    「はぁ……あんた結構喉がタフなんだね」

    中には投げ銭をしている通行人もいるようで、でかでかプリンは落ちてくるピカピカのコインに興味津々。

    「ぷりぃ?」

    「ああ、それ?お金だねぇ、あんた可愛過ぎてお金貰っちゃったみたいだわ」

  • 21二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 07:08:54

    物珍しそうにコインを手に取り、裏返してみたり太陽に当ててみたり、でかでかプリンは初めて見るモノのようにコインを扱っています。

    「あんた、コインのこと知らないのかな?」

    「ぷりん?」

    「うーん、てことはやっぱり野生?でもこんなプリン見たことないし……」

    「ぷりゃぷりゃ〜」

    正体はなんであれ、でかでかプリンはコインが気に入ったようで、大事そうに髪の中に仕舞いました。

    「髪の中に色々入れられるんだねぇ」

    「ぷい!」

    「しかしあんたの髪も中々綺麗で……ん?」

    髪に視線を移し、毛先まで追ってみると、サウィンはでかでかプリンが他のプリンと異なる何かを見つけました。

    「あんた、尻尾まで生えてんじゃんー!オシャレすぎー!」

  • 22二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 07:10:09

    おしゃ……

    いやまぁメカメカしいデリバードよりは……ましか……!

  • 23二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 08:32:59

    >>22

    ただのちょっと変わったデリバードなだけだが何か?

  • 24二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 18:23:59

    保守

  • 25二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 18:34:20

    髪に隠れているがちょこんと生えている尻尾をピンピンと触れてみると、でかでかプリンは恥ずかしそうにお尻をぷりぷりさせます。

    「ぷ、ぷひぃん……」

    「えっ、なにその反応えr……」

    サウィンがそう言いかけた時、1人と1匹に声を掛ける人が現れました。

    「おい、アンタら!」

    「ひゃあ!?な、なに?」

    「そこのアンタと……もっと言えば、そのプリンに!頼みがあるんだ!!」

    サウィンとでかでかプリンに話しかけてきたのは、如何にもといった風貌のバンドマンでした。

    「アンタ、俺たちのバンドに入ってくれないか!?」

    「ええ!?」

  • 26二次元好きの匿名さん23/10/03(火) 22:02:04

    サウィンがびっくりしていると、バンドマンは頭を下げて頼み込んできます。

    「頼む!そのプリンの遠く響く叫び声!ぜひうちのバンドに入って欲しいんだ!」

    「ええ〜……いや、この子別にあーしの子じゃなくて……」

    「えっ!?そうなのか!?」

    「むしろ、飼い主を探してる途中なんで……」

    しかし、バンドマンの持っている楽器に関心を持ったのか、でかでかプリンは乗り気なようです。

    「ぷり!ぷりゃあ!」

    「え?あんた行きたいの?」

    「ぷりりぃん!」

    「いいのか!?早速、オレのバンドメンバーに会ってくれないか!?」

    「……なんか、不思議なことになってきたなぁ」

  • 27スレヌシ-23/10/04(水) 09:28:49

    キョウハイソガシ- コウシンナシ-
    wi-fiトドカナイカラデキレバホシュシテオクンナマシ-

  • 28二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 10:43:30

    >>27

    ヌシヌシーオツカレー

  • 29二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 20:24:36

    保守

  • 30二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 00:29:43

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 07:23:08

    保守

  • 32二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 15:43:09

  • 33二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 18:33:14

    続きが楽しみ

  • 34二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 19:02:31

    バンドマンに着いていった先には、これまた如何にもといったモヒカンとスキンヘッドの男たちがドラムとベースを弾いていました。

    「ヒャッハァ!戻ってきたのかパンク!」

    「待ち侘びたぜ、はやく準備しろい!」

    「まあ待てお前ら、今日は新メンバーを連れてきたぜ!」

    バンドマンことパンクがそう言うと、サウィンは素っ頓狂な声をあげます。

    「えっ?」

    「ぷりぃ?」

    「見てくれ、このプリン!見た目に華があって、凄え声なんだよ!」

    「ちょ、ちょっと待ってよ!あーしたち、このプリンのトレーナー探してるって言ったじゃん!」

    「ええ!?着いてきてくれたってことはOKなんじゃないのぉ!?」

    「んなわけないでしょ!!」

  • 35二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 22:36:14

    パンクがビックリしているのに対してサウィンは呆れた目で睨みますが、それは他のバンドメンバーも同じ様子です。

    「おいパンク、お前またやっちまったのかベイベェ」

    「ダメだろ迷子と女子高生を連れ込んじゃ」

    「マジかよぉ!やってくれると思ったのに!」

    「キャラ濃いな……」

    「ぷぃ?」

    ドレッドヘアのバンドマンはドラムをパシンと鳴らすと、スティックを回しながらパンクを呼びます。

    「取り敢えず時間が押してるんだ、リハだけでもやっとくぞ」

    「それもそうだな!リハ見て決めてくれよ!」

    「だから入んねっつの……」

    「ぷりぷりぃ!」

    「え?あんた意外と乗り気?」

    「ぷ!」

    「そっかあ……じゃ、一応見ますか」

  • 36二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 08:09:45

    保守

  • 37二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 15:26:16

    保守ぷり

  • 38二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:19:33

    そうして始まったパンクたちのリハーサル。しかし、サウィンはかなり怪訝そうな表情です。

    「いや……演奏は良いけど……」

    「夢うぉ〜↑夢でぇ→終わらせないとぅめぇにィ〜↑」

    「こいつ歌ヘッタクソじゃん……」

    思わず辛辣な本音を呟くサウィンだが、でかでかプリンは楽しそうに身体を揺らしています。

    「ぷぃ!ぷぃ!」

    「ええ?あんた楽しそうじゃん、マジィ?」

    「ぷいぷりぃ!」

    いつの間にかサイリウムを振ってノリノリなでかでかプリンに、サウィンはこれまた思わずといった感じに笑みを溢してしまいます。

    「あんたこんなんでも音楽好きなんだねぇ」

  • 39二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:20:04

    唐突なギャグマンガ日和で草なんだ

  • 40二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 03:00:01

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 07:47:04

    保守

  • 42二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 16:07:35

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 21:28:26

  • 44二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:03:23

    ぷりぷりしているでかでかプリンはテンションが上がったのかピョンとステージの方に飛び出し、大声で歌い始めます。

    「あっ!」

    「ぷりゃりゃりぃ〜!!ぷりゃりゃ〜!!」

    「おおっ!?」

    リハの途中に乱入してきたでかでかプリンにバンドメンバーたちは驚きますが、同時にでかでかプリンに合わせてメロディを整えていきます。

    「いい歌声してんなベイベェ!!」

    「だろ!?新メンバーに相応しいだろ、このプリンとデュエットを……」

    「パンクはギターに集中してボーカルはプリンに任せるぞ!!」

    「えっ」

    「だな!パンクと違って超歌上手いぜベイベェ!」

    「えっ」

  • 45二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:38:19

    でかでかプリンが楽しそうにパンクロックを歌い上げる様を見ていると、サウィンもなんだか乗り気になってきてしまいます。

    「ねーあんたら、プリンが良いっていうなら本番は協力してもらえるみたいだよ」

    「ぷぃ!」

    「助かるぜベイベェ!」

    「パンク、お前ギターは上手いから今日はそっち頑張れな」

    「マジかよォ〜」

    がっくり来ているパンクに変わるように、サウィンもステージに登ってキーボードに手を掛けます。

    「じゃあ、あーしキーボードやったげるよ」

    「え?あんた音楽やれんの!」

    「まあ……これは得意なんだ」

    そう、それはサウィンの意外な特技なのです。

  • 46二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 09:01:10

    でかでかプリンちゃんカワイイね

  • 47二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 09:11:46

    最低限の合わせを終えた後、サウィンとバンドメンバーは一緒にライブステージに立ちます。
    客席にいる人は少ないものの、センターでキメ顔をしているでかでかプリンは注目されているみたいです。

    「またあの歌ど下手くそバンドかよ」

    「そろそろ帰るか」

    「待てよ、なんかJKいないか?新メンバー?」

    「てかあのプリンなんだよでけえな」

    「メイクしてて可愛いじゃん」

    そんなザワザワした様子に、でかでかプリンの突き刺さるようなマイクパフォーマンスが差し込まれます。

    「ぷひゃりゃりゃりゃ〜!!」

    「「おぉ〜……」」

    そのプリンらしからぬ大きな声に圧巻の声が上がる中、サウィンは高らかに宣言します。

    「ミュージック・スタァット!!」

  • 48二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 16:07:30

    それからは、正に圧巻でした。元々演奏技術が悪くはなかったバンドメンバーたちに加えて、サウィンによるステージ上の華やかさ。
    そして何より、でかでかプリンの圧倒的声量でありながらも可愛い歌声はそれまでにない盛り上がりを見せ、ライブハウスは熱狂に巻き込まれたのです!

    「「「おお〜!!」」」

    「センキュー!」

    「ぷりぃん!!」

    今までは冷めた見送りだったはずが、なんと今日はアンコールを受けています。
    これにはパンクも、バンドメンバーたちも感動しているようです。

    「ま、マジかよベイベェ……!」

    「オレたち、アンコール受けてるぞ!」

    「感動だぜ……!」

    「これも、あんたのおかげ?凄いじゃーん!」

    「ぷりぃ!!」

    嬉しそうなみんなの姿を見たでかでかプリンも、とても楽しそうにぽいんぽいんと飛び跳ねています!
    何はともあれ、ライブは大成功なのです。

  • 49二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:34:49

    保守

  • 50二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 07:47:00

    保守

  • 51二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 11:13:16

    ライブが終わり、バンドメンバー全員でファミレスでの打ち上げが始まります。
    みんなでコップを掲げ、パンクが乾杯の音頭を取ります。

    「よし、じゃあ今日のライブの成功を祝して!」

    「「「「乾杯〜!」」」」

    「ぷぃぷい〜!」

    ぐいっと自分のドリンクを飲み干し、サウィンとバンドメンバーは笑い合いながら今日のライブの振り返りをします。

    「いやぁ、マジであんたらが入ってくれて助かったぜ!こんなにお客さんが沸いたのは初めてだった……」

    「あんたら、今後もヘルプでいいから入ってくれよベイベェ」

    「プリンの歌声もキーボードの腕前も最高だぜ!!」

    「え〜?そんなに頼られると悪い気はしないなぁ」

    「ぷりゃ!」

    小さい手でなんとかコップを掴みながらオレンジジュースを飲んでいるでかでかプリンは、これまた初めて飲んだかのように興味深く目を輝かせています。

    「ぷり〜!」

    「え?なに、おかわり?はいはい、今持ってくるから」

  • 52二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:36:14

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん23/10/10(火) 00:33:56

    サウィンがドリンクバーに取りに行っている間、バンドメンバーたちはでかでかプリンの綺麗な毛並みを撫で回します。

    「おお〜しかしお前良い毛並みしてんなぁ」

    「もふもふだしサラサラだぜベイベェ」

    「ぷりぃ!」

    「おっと、触るのは嫌なのか」

    「その割には得意げに見せびらかしてんな」

    なんとも自分の容姿に自信を持っているご様子のでかでかプリン。
    すると、ドレッドヘアのバンドメンバーがとあることに気付きます。

    「……ん?このプリン、野生じゃないのかベイベェ?」

    「え?でもあの嬢ちゃんトレーナーを探してるって……」

    「いや、誰かが手持ちにしているならモンスターボール内のメディカル機能が毛並みの細かい汚れは落としているはずだ。こいつ、毛先が微妙に荒れてるし野生じゃなきゃ付かない埃が幾つか付いているぜベイベェ」

    「モンボってそんな機能があるのか……」

  • 54二次元好きの匿名さん23/10/10(火) 07:12:40

    保守

  • 55二次元好きの匿名さん23/10/10(火) 07:39:11

    ドレッド滅茶苦茶詳しくて草

  • 56二次元好きの匿名さん23/10/10(火) 09:25:55

    語尾ベイベェのくせに知能派!?

  • 57二次元好きの匿名さん23/10/10(火) 17:10:55

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん23/10/10(火) 19:48:43

    ドレッドの解説を聞いたパンクは、早速サウィンにでかでかプリンのことを教えます。

    「おい嬢ちゃん!あんたこのプリンの飼い主を探してたんだったな」

    「え?まあ、そうだけど」

    「このプリンだがよ、野生らしいぜ!」

    「……ええ?んなことある?だって、野生のプリンって髪をこんなに整えたりしなそうだし……」

    「ぷり?」

    「もしかしたらスタイリストのブリーダーが逃したのかもな!」

    「逃した……?」

    「ああ、ポケモンはトレーナーの保護下にあるとはいえ、生物だからな……管理しきれなくなって逃すこともあるんだろう。まっ、事情はどうであれ手塩にかけて育てたポケモンを逃すってのは良い気がしねえけどなベイベェ」

    「……あんた、トレーナーに捨てられたの?」

    「ぷや?」

    サウィンはなんとなく、そのことを聞いて心が騒ついたかのような感覚に陥りました。
    もし、このでかでかプリンが親となったトレーナーに捨てられたのだとしたら。信じていた人間に裏切られていたとしたら。
    落ち着く話ではないでしょう。こんなに可愛くて良い子だというのに。

  • 59二次元好きの匿名さん23/10/10(火) 22:04:40

    サウィン良い子

  • 60二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 07:43:09

    保守

  • 61二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 16:07:51

    保守

  • 62二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:07:08

    落ち着く話ではないって言い回し好き
    絵本調の面白ほんわか話にぴったりな優しい言葉

  • 63二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:13:27

    かわよ...

  • 64二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 08:02:56

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 18:23:34

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 18:25:18

    保守うぉ〜↑保守でぇ→終わらせないとぅめぇにィ〜↑

  • 67更新遅れて申し訳ナシ23/10/12(木) 18:54:50

    「……とても、捨てられているようには見えないけど」

    一言そう呟くも、サウィンの頭の中では様々な考えが巡ります。
    それは言葉にし難いものであり、一分ほど押し黙るサウィンにパンクは優しく呼びかけます。

    「なあ嬢ちゃん、複雑に考えてるみたいだけどよ……こいつが過去にどんなことがあったとしても今は今じゃねェか」

    「そうだぜ、悲しかろうと何も無かろうと、今ここにいるこいつは幸せそうだぜベイベェ」

    「嬢ちゃんよ、こいつは嬢ちゃんに懐いてんじゃねえか?」

    「あーしに?いや、ないでしょ……」

    「ぷりゃ?」

    いまいち状況がわかっていないようなでかでかプリンの様子ですが、何かを感じ取ったかのようにサウィンの膝に飛び乗ります。

    「ぷぃ!」

    「うぉ!でかい!重い!前見えない!」

    「ほら、仲良いじゃんかよ」

    「……ふわふわだ」

  • 68二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:04:20

    もっふもふの毛並みがサウィンの顔面を覆い尽くし、これまた言葉にならないような感情になります。

    「もごもごもご……ぺっ!毛が!毛が口に!」

    「マジ?どんな味?」

    「割と不味い!!」

    「こんな近くにいるくらいだしよ、好かれてるぜ嬢ちゃん」

    パンク、ドレッド、モヒカンが口々にそう言うと、サウィンも決意が段々固まってきたようです。

    「ねえ、あーしさ……この子の「おや」になれるかな……」

    「なあ嬢ちゃん、よく聞けよベイベェ」

    サウィンの不安そうな言葉に、ドレッドは自分のモンスターボールの中身を見せながら真剣に向き合います。

    「こいつを見な、俺の可愛いベイビーだベイベェ」

    「ベトベトン……?」

    「こいつを拾ったのはクソ暑い夏の日だった……死ぬほどクセェ臭いがしたが、こいつがゴミ捨て場で苦しそうに横たわってたんだ。世間一般じゃ汚ねえと言われがちなベトベトンを、何故オレが拾ったかわかるかベイベェ?」

    「わかんない……なんで?」

    「理由はまあ色々あるが……こいつを1人にしてやりたくなかったんだ」

  • 69二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:13:42

    ドレッドのその言葉を聞き、サウィンは感銘を受けたかのように目を見開きます。

    「何も、難しいことを考える必要はねえんだ。1人にしてやりたくないとか、一緒にいてえとか……最初の理由はそんなんでいいんだよ」

    ドレッドに続き、パンクとモヒカンも自分のモンスターボールを取り出して口々に自分のポケモンを自慢します。

    「なあ嬢ちゃんよ!俺も最近エレズンを育ててんだ!最初は俺たちのリハに迷い込んできてよ、俺の演奏にすっげえ楽しくしてくれたんだよォ!まあ子守唄歌うと泣き出すんだけどな……」

    「へへ、オレも実家から連れてきたスカタンクの真似してこの髪型始めたんだぜ!屁をこくのもなんか癖になってくるんだよな〜!」

    「だから臭ってたんだ……」

    「おうよ!彼女が出来ねえけど、スカタンクがいるからそれでもいいんだ!」

    「そっか……」

    バンドメンバーは全員、ポケモンのことが大好きなのだと伝わってきます。
    それは自分の都合以上にポケモンを大切にしたいという気持ちの大きさがさせるものであり、サウィンも自分の中にそうした気持ちが芽生えていることに気付きました。

    「ポケモンは、仲良くなりたいと思ったら一緒にいていいんだね」

  • 70二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:06:43

    口調はアレだけどバンドメンバーいい奴ばっかりやん……口調はアレだけど

  • 71二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:48:21

    保守バード

  • 72二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 08:06:44

    子守唄で泣かれるんだパンク……

  • 73二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 09:13:39

    でかプリちゃん割と不味い!!で草

  • 74二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:05:18

  • 75二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:45:38

    サウィンがそう呟くと、パンクは肩にポンと手を乗せて笑いかけます。

    「なあ嬢ちゃん、難しいことなんて考えんなよ。居たいから一緒にいるんでいいんだぜ」

    「そうだね……あーしさ、ちょっとこの子連れて帰ってみる。捕まえんのは、ママに聞かないとだけど」

    「ヒャッハァ!それで良い!それが良いぜ!」

    「お前らきっと良いパートナーになれるぜベイベェ」

    「……うん!」

    バンドメンバーたちの心強い言葉に突き動かされ、サウィンはプリンを抱えたまま立ち上がります。

    「ぷりゅ?」

    「あーし、この子と一緒になる!」

    「おお!」

    「熱烈なプロポーズだな」

    「ママを説得するよ!」

    「よし、そんじゃ今日はバンドの成功と嬢ちゃんの初パートナーとの出会いを祝して……」

    「「「「乾杯〜!!」」」」

  • 76二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:58:37

    改めての乾杯と共にバンドメンバーたちと食事を済ませたサウィンは、でかでかプリンと手を繋いで誰もいない自宅に帰って来ました。

    「ふぅ……楽しかったなぁ」

    「ぷい!」

    「あんたも楽しかった!」

    「ぷりぷり〜♪」

    「そっか。なら良かったじゃんね」

    仲良く手を繋いで帰路に着く1人と1匹は、まるで仲睦まじい姉妹のようでした。

    「あんた、今からウチに行くんだよ。わかる?」

    「ぷい!」

    「あーしと一晩一緒だけど、良いんだよね?」

    「ぷい!ぷや!」

    質問にしつこいとばかりにぷりぷり怒るでかでかプリンに、サウィンはほっぺたをもふもふしてなでめます。

    「ふふっ、あんがと」

  • 77二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 02:20:28

    保守デリ

  • 78二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 07:57:15

    保守

  • 79二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 18:40:12

    サウィンの家につくと、まずでかでかプリンは広い庭を興味津々に見つめます。

    「ぷぇ〜」

    「ここね、ママのきのみを育ててるんだ。最近は仕事が忙しくて手が回らないんだけど」

    「ぷぃ!」

    オレンの実を1つ取って口に入れると、でかでかプリンは美味しさのあまり飛び跳ねてしまいます。

    「ぷりぷり〜!」

    「おっ!気に入った?それ、あーしが子供の時に植えた木なんだ」

    「ぷぃ!ぷいぷい!」

    「明日はモモンの実を取ってみよっか」

    家に入ると、次に目に入ったのは自分の姿が映るほどにピカピカのフローリングです。
    でかでかプリンは、床に映った自分に驚いてひっくり返ってしまいます。

    「ぷや!?」

    「あはは!自分の姿に驚いてんの?」

  • 80二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 20:27:06

    デリシャス-!!

  • 81二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:30:15

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 11:02:38

    保守

  • 83二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 13:02:13

    フローリングに映った自分に威嚇するでかでかプリンですが、その自分の威嚇にもびっくりして再度ひっくり返ってしまいます。

    「ぷりぃ!?」

    「何やってんの?ほら、行くよ」

    次に一緒にシャワー室に入るサウィンとでかでかプリンですが、ここで自分の背丈以上の大きさのシャワーヘッドにまたもでかでかプリンは怯えてしまいます。

    「ぷぃ!!」

    「なに?あんたもしかしてシャワーの大きさにビビってんの?」

    「ぷ、ぷ……」

    「臆病な性格なのかな……?」

    どう見ても控えめではないなと思いつつも温水を出すと、でかでかプリンは小さな手足で逃げ出そうとします。

    「ぷやぁ!」

    「あっ!ちょっと、暴れないの!すぐ済むから!」

    「ぷやぁ!やぁやぷぅ!」

    「重いけど力は弱いから全然抵抗できてないし……」

    ジャーッとあったかい刺激が来ると、でかでかプリンは素っ頓狂な声をあげます。

    「ぷぉおお〜ぉ……」

  • 84二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 14:42:48

    スレ更新されてた!
    期待してます

  • 85二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 17:08:56

    でかプリちゃんも面倒見いいサウィンちゃんもカワイイカワイイネ…

  • 86二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:46:17

    サウィンちゃんすき

  • 87二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 23:43:18

    みんなかわいい

  • 88二次元好きの匿名さん23/10/16(月) 00:10:42

    「ね?シャワー浴びた方が良いっしょ?」

    「ぷぉ……おぉ……」

    シャワーに埃を流されたでかでかプリンは恍惚の表情ですっかりリラックスしています。

    「すっごい砂利とか埃とか流れてる……やっぱシャワー浴びさせて正解だったわ」

    「ぷぃ〜」

    「待って、めっちゃ膨らんでんだけど!?」

    水を吸ってビッチョビチョのまま膨らんでいくでかでかプリンに、サウィンは押し出されて壁に挟まれてしまいます。

    「うおおお!?なんかすごい……ビチョビチョしてんだけど!?」

    「ぷぃ?」

    「早いとこドライヤー掛けたげないとこれ風邪引きそ〜……」

  • 89二次元好きの匿名さん23/10/16(月) 08:04:30

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん23/10/16(月) 18:30:47

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん23/10/16(月) 22:36:22

    でかでかプリンで毎回ふふってなる
    かわいいね

  • 92二次元好きの匿名さん23/10/16(月) 23:11:33

    風呂上がりに入念にドライヤーを掛けられたでかでかプリンは、今日1番のリラックスした表情です。

    「おおぉぉお……ぷぉ(残心)」

    「やー、あんたマジでもっふもふだね。30分やってようやく乾いたよ」

    「ぷぉああああ〜……」

    「どう?気持ちいいっしょ!」

    サウィンも達成感が額に光っています。
    充分に水気が取れたのを確認したサウィンは、でかでかプリンのもふもふの毛並みに飛びついてみました。

    「えい!」

    ぽふっ、と聞こえそうなほどの弾力。頬を押しのけるものは、でかでかプリンの穏やかな息遣いでした。

    「ふわぁ、あったけぇ……」

    「ぷゃ……」

    「あっ、やば……これ寝れる……」

    でかでかプリンは既に寝息を立て、サウィンもでかでかプリンのあったかい体温をその身に感じたまま自然と眠りに誘われていくのでした。

  • 93二次元好きの匿名さん23/10/16(月) 23:40:16

    その翌日。
    ところ変わって孤児院では、奇妙な噂が流れていました。

    「ねえラルフ、聞いた?不思議なプリンの噂?」

    「ええ、不思議なプリン?」

    「なんでもデカくって、声がプリンとは思えないほど大きいんだって」

    「ふうん、不思議なポケモンもいたもんだね、デリバード」

    『デリバッバ』

    モゴモゴとカボチャソテーを食べながら答えるデリバードを見て、ラルフはデリバードと初めて会った時のことを思い出します。

    「デリバードも最初は変わってるやつだと思ってたけど、今となっては普通のデリバードってことがよくわかったしなぁ。食いしん坊で、びびりで時々首が飛ぶってだけで他のデリバードと大して変わらないよ」

    『ン- デリシャス-』

    「不思議なプリンって言っても、ポケモンって早々変わってるってこたないよなぁ。なっ、デリバード」

    『ポ-ンッ ア-』

    ラルフがデリバードの肩を軽く叩くと、デリバードの頭はいつも通り弾け飛ぶのでした。

    「おー、今日は52cm!新記録だなデリバード!」

  • 94二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 00:41:02

    >時々首が飛ぶってだけで他のデリバードと大して変わらない

    >デリバードの頭はいつも通り弾け飛ぶのでした

    まてまてまてまて

    相変わらずこの孤児院は順応性高いな

  • 95二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 08:15:59

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 08:18:03

    新記録って記録取ってるのか……

  • 97二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 09:17:55

    文明にリラックスするふわふわでかプリちゃん良いな

  • 98二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 10:22:26

    でかでかプリンより変わったデリバード来たな……

  • 99二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 19:00:11

    同時刻、外でマメパトが羽ばたく音が聞こえてサウィンは目を覚まします。

    「ん……う〜ん……?」

    「ぷやぁ……ぷやぁ……」

    「ん、えっと……昨日プリンと一緒に帰って、シャワー浴びてそれから……」

    ふわあ、と大きな欠伸をしながら状況を纏めていくと、サウィンはあまりにも良い目覚めであることに驚きを口に出します。

    「いや〜……すんごい良く眠れた〜」

    朝飯をどうするかと考えていると、インターホンが前触れもなく鳴り響いてきました。

    「ん?誰か来たぁ……?」

    『サウィーン?開けてー!ママが帰ってきたわよー!』

    「え……大変!ママが来た!!」

  • 100二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 22:09:29

    保守

  • 101二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 22:12:00

    >>93

    52cmってツツミの身長とほぼ同じ...(ツツミ高さ0.6m)

  • 102二次元好きの匿名さん23/10/17(火) 23:17:10

    「まだ事情説明する準備できてないのに……」

    サウィンはママを家に迎えるため、急いで準備します。

    「えっとえっと、髪を整えてご飯用意して……」

    「ぷや?」

    「起きて起きて!ママに挨拶しなきゃ!」

    「ぷぅん?」

    でかでかプリンを起こしつつサウィンは軽く支度をし、ママを家に入れます。

    「や、やあ……おかえりママ」

    「ただいまサウィンちゃ〜ん!ごめんねぇ、約束破っちゃってぇ」

    「いいんだよママ……それより、仕事の方は大丈夫なの?」

    「うん、サウィンちゃんに会いたくて早く終わらせてきたからねぇ!」

    「ありがと、ママ……」

  • 103二次元好きの匿名さん23/10/18(水) 01:02:07

    >>101

    思ったよりでけぇ

  • 104二次元好きの匿名さん23/10/18(水) 08:00:33

    ほしゅ

  • 105二次元好きの匿名さん23/10/18(水) 18:14:18

  • 106二次元好きの匿名さん23/10/18(水) 19:57:47

    ママ帰宅がどう転ぶか

  • 107スレヌシ-23/10/18(水) 22:30:09

    ホンジツハコウシンナシ-
    トリックル-ムコウシンデモウシワケナシ-

  • 108二次元好きの匿名さん23/10/18(水) 22:35:17

    スレヌシオツダシー!

  • 109二次元好きの匿名さん23/10/19(木) 07:37:14

    保守

  • 110二次元好きの匿名さん23/10/19(木) 13:07:50

    ママの母音を伸ばす喋り方 オレスキー

  • 111二次元好きの匿名さん23/10/19(木) 17:38:09

    ママとハグしたサウィンは、リビングで待っているでかでかプリンを紹介します。

    「ねえ、ママ……あーしね、パートナーにしたいポケモンが出来て……」

    「あらぁ!それは素敵ね、どんな子なの?」

    「それがね、まだモンスターボールは無いけれど家に連れて来ちゃったんだ」

    「あらあらぁ、それはちょっと良くないわねぇ。でも、問題が起きてないなら許しちゃうわぁ」

    「ありがとママ、今リビングで待ってもらってるから一緒に来て!」

    「うんうん、サウィンちゃんが選んだ子がどんな子か楽しみだわぁ」

    ママの手を引いてリビングの扉を開くと、髪をいじっているでかでかプリンが待っていました。

    「ねえ、プリン!紹介するね、ママだよ!ママ、プリンだよ」

    「ぷりゃ?」

    「……え!?」

    その時、ママの表情が変わったことにサウィンは一瞬気付きませんでした。

  • 112二次元好きの匿名さん23/10/19(木) 22:50:22

  • 113二次元好きの匿名さん23/10/20(金) 00:07:04

    「サウィンちゃん……その子、どこで出会ったの?」

    「昨日街中でね、迷子になってたみたいだけど野生だったらしくて」

    「そう……サウィンちゃん、このプリンちゃんのこともっと詳しく知りたいな」

    「勿論!この子、尻尾があって……」

    サウィンが楽しそうに話している最中にもママの表情は優れず、何か不安そうな目線を向けています。

    「そう……わかったわ。サウィンちゃんはこの子のことをとっても大切に思ってるのね」

    「うん!きっとママとも良い家族になれると思うんだ」

    「そっか……ちょっと、ママも帰宅の連絡を会社に入れたいの。待っててくれる?」

    「うん!」

    ママは一旦席を外すと、神妙な表情で電話を掛けます。

    「こちら、エーテル財団○○地方支部長……外来種らしきポケモンを保護致しました」

  • 114二次元好きの匿名さん23/10/20(金) 08:18:35

    デリデリ

  • 115二次元好きの匿名さん23/10/20(金) 09:36:50

    「はい……はい……失礼します」

    ママが電話を終えると、サウィンも表情に気付いたようで不安そうに聞きます。

    「ママ……どうしたの?顔がちょっと、怖いよ?」

    「サウィンちゃん……ちょっと大事なお話があるの」

    「大事な?」

    「そのプリンちゃんにも関係すると思うんだ」

    ママの言葉を聞くと姿勢を正し、サウィンは真面目に考えなければならない状況であることを認識します。

    「そのプリンちゃんね、近頃パルデア地方で目撃されている危険外来種の可能性があるの」

    「え……?」

    「特徴的な毛並み、通常のプリンとは異なる容姿、プリンらしからぬ大声で叫ぶ生態。突然変異か、特別な個体なのかはわからないけど地方では危険だと判断されているのよ」

    「そんな……いや、そんなことないよ!」

    サウィンはママの言ってる言葉がわかりませんでした。
    このでかでかプリンは、危険なことなんて一度もしていないのですから。

    「この子は良い子だよ!あーしが保証する!」

  • 116二次元好きの匿名さん23/10/20(金) 17:12:23

    ママエーテル財団だったかー…
    しかも支部長って滅茶苦茶優秀じゃん

  • 117二次元好きの匿名さん23/10/20(金) 22:33:35

    デリデリバー

  • 118二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 06:10:38

    ホシュホシュ

  • 119二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 12:59:53

    保守

  • 120二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 20:36:52

    アゲアゲバー

  • 121スレヌシ-23/10/21(土) 23:26:01

    コウソウガマトマラナシ- モウシワケナシ-

  • 122二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 09:06:02

    スレヌシオツダシ
    ウカバヌナラシカタナシ-
    ユックリコウシンヲマツシー!

  • 123二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 17:10:03

    サウィンはそう訴えかけるも、ママは首を縦にも横にも振ってくれませんでした。
    その代わりのように、サウィンの頭を優しく撫でて呼びかけるように言います。

    「ひとまず、この子の危険性を確かめるためにも検査が必要ね。サウィンちゃん、一緒に来てあげて」

    「……はい」

    サウィンの翳りのある表情を見て、でかでかプリンも心配そうに首を傾げます。

    「ぷり……?」

    「大丈夫だよ、あんたは危険なポケモンじゃないってわかってるから」

    「ごめんね、サウィンちゃん……一緒にビターバレーシティに行こうって約束してたのに……」

    「ううん、ママのせいじゃないよ。勿論プリンのせいでもない、手早く済ませてみんなでハロウィン楽しんじゃお!」

    サウィンの日焼けした手がでかでかプリンの小さな手をギュッと掴み、反対側をママの同じく日焼けした手が優しく掴みます。

    「そうね……ママもサウィンちゃんが選んだこの子と家族になりたいわ。一緒に頑張ろぉ!」

    「おー!」

  • 124二次元好きの匿名さん23/10/22(日) 22:05:09

    保守

  • 125二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 07:12:44

    あげ

  • 126二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 17:45:47

    保守

  • 127二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 21:00:10

    ホシュホシュ

  • 128二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:31:01

    でかでかプリンとサウィンはママに連れられ、まずはエーテル財団で検査を受けてみることにしました。
    ママが運転する車の中で、でかでかプリンは不安そうに顔を俯かせます。

    「ぷりぃ……」

    「大丈夫よ、痛いことはしないからね」

    「ぷぃ〜」

    「怖い?お菓子食べよっか、ほら……キャンディあるよ?」

    宥めるように後部座席のでかでかプリンを撫でるサウィン。飴玉を口の中に投げ込んであげると、ちょっと上機嫌に短いあんよをぷらぷらさせます。

    「ぷぃ……」

    「じゃあさ、ママ音楽掛けてあげてよ。こいつ音楽好きらしくて」

    「あら音楽好きなのね〜、将来は音楽家かしら〜♪」

    「バンドやったことあるよ!」

    「バンドさんなのね!じゃあ〜……」

    ママは少し悩んだ後にプレイヤーを起動し、車内に爆音が響きます。

    「お〜!マキシマムザグルトン!」

    「ハードロックと言えばこれよね〜!」

  • 129二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:34:08

    ホシュホシュバー

  • 130二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 00:38:51

    マキシマムザグルトンの激しい音楽にでかでかプリンもテンションが上がり、リズムに合わせてぼいんぼいんと跳ね始めます。

    「ぷい!ぶい!」

    「こらこら、シートベルトしてんだから暴れないの」

    「サウィンちゃんの言う通りだわ〜、音楽大好きなのね〜」

    音楽に合わせてでかでかプリンが歌い出すと、気持ち窓が揺れ始めて慌ててサウィンが制止します。

    「ぷやぁああ〜♪」

    「あーストップストップ!窓割れる!」

    「えっ!?窓割れる!?」

    「こいつ本気出すと窓くらいなら割れるから……」

    「割と危険ねえ……」

  • 131二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 08:19:47

    デリデリ

  • 132二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 18:58:59

    保守

  • 133二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:06:14

    そんなこんなででかでかプリンとサウィン親子はエーテル財団の支部に到着し、早速検査を受けることにしました。

    「じゃあプリンちゃん、これからお注射とか色々するけど我慢しようね」

    「ぷやぁ!」

    「嫌がってる……注射のこと知ってんのかな?」

    「頑張ったらご褒美にお菓子をあげるからねぇ」

    「ぷ〜ん……」

    お菓子と聞くと不服ながらもでかでかプリンは大人しく着いていき、お医者さんに検査をしてもらいます。

    「はぁい、支部長さんの言ってた子ってこの子ですか?」

    「そう、娘が保護してくれたのよぉ」

    「はぁ〜……いやホントにでかいんですねぇ」

    「車の中でもギッチギチだったのよぉ、毛ももふもふだし……」

  • 134二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 23:33:39

    アゲアゲー

  • 135二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 07:37:30

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 07:44:34

    もふもふでかプリちゃんにぎっしりされたい

  • 137二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 13:07:49

    オレモホシュー!

  • 138二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:24:41

    アゲアゲー

  • 139二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 07:33:47

  • 140二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 10:48:13

    ほしゅ

  • 141二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 20:27:24

    まずはでかでかプリンに注射を打とうとお医者さんが毛並みを確認しますが、普通のプリンと違いもふもふさ故に毛並みをのけてものけても押し返されてしまいます。

    「うおっ、凄い毛並みですねえ!こりゃ苦戦しそうだ」

    「ぷやぁ……」

    何度も体毛を弄られて不機嫌そうにでかでかプリンは足をふらふらさせています。

    「ねえ大丈夫?イライラしてる?」

    「ぷぃい……」

    「すいません、刺せますか?」

    「いやぁ結構苦戦しますねえ、換毛期のウィンディくらい毛が多いんで」

    「よしサウィンちゃん、みんなで毛を掻き分けよう!」

    「うん!」

    なんとかママと2人がかりででかでかプリンの毛を掻き分け、その隙に注射は完了できました。

    「ぷぅうぅ"ん……」

    「ごめんごめん、時間かけ過ぎちゃったね」

  • 142よく考えたら順番逆23/10/27(金) 01:25:26

    続いてお菓子を貰いながら放射線検査などを受けるでかでかプリンですが、特に何も異常はなくでかでかプリンは慣れた様子になっていきました。

    「うーん、思ってたより異常なく終わったわねぇ」

    「ね?ずっといい子でこなしてるじゃん」

    「心配なかったかもしれないわねぇ」

    無事に最後の検査を終えたでかでかプリンは、最後に貰った大きな飴玉をころころと口の中で転がしながら幸せそうな様子で戻ってきました。

    「ぷぃ〜♪」

    「うい〜お疲れ〜」

    「良かったわぁ、良い子で偉いわね〜♪」

    「ぷぃぷい〜♪」

    何事もなくお菓子を頬張って2人と1匹で帰るサウィンとママとでかでかプリンですが、それが嵐の前の静けさとは気付いていませんでした。
    ボリボリとお菓子を咀嚼するその音は、事件の起きるカウントダウンだったのかもしれません……。

  • 143二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 08:34:04

    突然の不穏フラグやめろください

  • 144二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 18:33:57

    不穏だな‥‥

  • 145スレヌシ-23/10/27(金) 23:50:19

    キョウハコウシンナシ-
    モウスコシデマトメニハイルシ-

  • 146二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 10:56:03

    デリデリ

  • 147二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 22:24:45

    オツカレサマダシー!
    フオンナフラグガコワイシー!

  • 148二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 22:27:36

    でかでかプリンが問題なしと診断されて数日後。サウィンの家ででかでかプリンは穏やかな日々を送っていました。

    「よーし、プリン!今日もいい朝だね!」

    「ぷや!」

    「ママもしばらくは家にいるみたいだし、プリンもいるし、あーし今人生で1番幸せかもー!」

    「ぷやぁ!」

    「サウィンちゃんったら毎日言っちゃって、よっぽど嬉しいのねぇ」

    ママが思わず苦笑するほど幸せ絶好調な様子のサウィンに、可愛い盛り付けのパンケーキを差し出します。

    「さ!遊びに行く前にパンケーキを食べて精をつけてねサウィンちゃん!」

    「うーん!やっぱママのパンケーキが最高なんだワ〜!」

    「ぷぃ!ぷややぁ!」

    「おっ!プリンもすっかりママの甘々スウィーツが大好きになったね〜♪」

    差し出されたパンケーキに早速がっつくでかでかプリン。幸せそうに頬をもちもちさせますが、その時事件は起こります。

    「ぷ"ッ"……"!"?"」

    「えっ?何その声?」

  • 149二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 10:00:55

    でかでかプリンちゃん!?

  • 150二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 16:22:31

    苦悶の表情に変わった次の瞬間、でかでかプリンは凄まじい絶叫をあげました!

    「ぷりゃああああッッッ!!!!」

    「うわっ!?」

    それは破壊力を伴って部屋中に響き、窓や陶器を瞬く間に粉砕していきます。

    「お、お皿が!?どういうこと〜!?」

    「これは……ハイパーボイス!?何故!?」

    「ぷりゃりゃりゃ!!!!ぷりゃああああ!!!!」

    でかでかプリンの目が恐ろしい黄色に輝き、繰り出したハイパーボイスは天井を突き破るほどの威力でサウィンとママを吹っ飛ばしてしまいます。

    「ぶやああああ!!」

    「突然どうしちゃったの!?ずっと普通の良い子だったのに!!」

    「ま、ママどうしよう!?プリンが出て行っちゃった!!」

    「お、落ち着いてサウィンちゃん!ああなった原因を探らなきゃ!」

  • 151二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:49:54

    アワワワワ

  • 152二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 08:34:40

    ホシュダシ
    でかプリちゃんこだいかっせいしちゃった…?

  • 153二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 16:35:45

    ハロウィン…

  • 154二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 18:37:23

    あちこちに大声を轟かせて暴走するでかでかプリン。サウィンとママは急いで追いかけますが、中々追いつけません。

    「ぷやああああ!!!!」

    「ぼいんぼいんって飛び跳ねてて、全然追いつけないよ!どうしようママ!?」

    「しょうがないわね……サウィンちゃん!ちょっと手荒に行くけどいいかな!?」

    「ええ!?い、痛いのはダメだからね!?」

    「大丈夫、私こう見えてポケモンバトルなら支部一なんだから!」

    ママはでかでかプリンの方に向かって思い切りボールを投げ、相棒のポケモンを繰り出します!

    「お願いジャラランガ!プリンちゃんを食い止めて!」

    「ジャガアアアッ!!」

    こちらも凄まじい咆哮を上げながら飛び出したジャラランガは、全身の鱗を震わせてサイドチェストのポーズを取ります。

    「ソウルビート!」

  • 155二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 19:54:09

    鱗を震わせて音を鳴らすと、ジャラランガの肉体が熱を帯びて輝きます。
    その勢いのまま凄まじい速さでジャラランガはでかでかプリンを追跡し、その身体を抱え上げます。

    「ジャンガァ!」

    「ぷやぁ!!イヤッ!イヤッ!」

    「お〜!流石ママのジャラランガ!」

    「良い子ね〜ジャラちゃん!そのままプリンちゃんを抑えてて!」

    じたばたしてももがいてもがっちりと離さないジャラランガから逃れるため、再びでかでかプリンはハイパーボイスを繰り出します。

    「ぷやああああっっっ!!!!」

    「ぐわー!また!?」

    「これじゃ近づけないわね……!」

    しかし、最も近い距離で音波を浴びてるはずのジャラランガだけは涼しい顔ででかでかプリンを捉えています。

    「ぷや!?」

  • 156二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 23:29:15

    「良いわよジャラちゃん!特性のぼうおんが効いてるわ!」

    ママの声援を受けてジャラランガは極力傷つけないような力ででかでかプリンの口を塞ぎ、ハイパーボイスを封じます。

    「ジャガッ!」

    「ぷいやぁ!!ぷやいやぁ!!」

    「ジャラァ!」

    苦心しつつでかでかプリンを抑え込むジャラランガですが、ここででかでかプリンが火事場の馬鹿力を引き起こしました!
    サイコエネルギーを纏った牙で、ジャラランガに噛み付いたのです!

    「ぷやぁ!」

    「ジャアッ!?」

    「あれは!サイコファング!?」

  • 157二次元好きの匿名さん23/10/31(火) 07:29:13

    ホンジツハロウィンホシュ-

  • 158二次元好きの匿名さん23/10/31(火) 18:06:39

    カプッとジャラランガに噛み付いたでかでかプリンに、効果抜群の威力にたじろぎます。

    「かぷっ!」

    「ジャ!?」

    思わず手を離してしまったジャラランガに、続いてわなわなと震えたでかでかプリンがさっきよりも更に大きい声で叫びます!

    「ぶやあああああっっっっ!!!!!」

    「ジャッ!」

    「うわあ!?さっきより大きいよ!?」

    「ばくおんぱね!」

    しかしいくら威力を上げようとでかでかプリンの音攻撃はジャラランガには効きません。
    すると、大口を開いているでかでかプリンを見てジャラランガが何かに気付きます。

    「ジャッ!?」

    「なに!?どうしたのジャラちゃん!」

    「ジャラァ!」

    次の瞬間、ジャラランガがでかでかプリンにばかぢからを繰り出します!

    「ええ!?何やってんのジャラランガ!?」

  • 159二次元好きの匿名さん23/10/31(火) 19:21:57

    ばかぢからででかでかプリンの口に手を掛けるジャラランガ。当然ながらでかでかプリンも必死に抵抗してサイコファングを繰り出しますが、小さな歯ではジャラランガの身体には届かずに空振りです。
    そうしている間にもでかでかプリンの口を弄ろうとするジャラランガに、思わずサウィンは飛び出します。

    「やめてよジャラランガ!プリンが傷ついちゃうでしょ!」

    「ジャアッ!ジャガッ!」

    「乱暴なんてしないで!」

    ジャラランガが何かを訴えかけますが、サウィンはまず手を離すのが先だと主張します。

    「ジャガ!ジャガンガ!」

    「そんな痛そうなことしたらプリンが可哀想でしょ!」

    「待って待ってサウィンちゃん、ジャラちゃんにも何か考えがあるのよ。万が一傷ついたらポケモンセンターに行けば良いじゃない」

    「万が一でも傷ついて欲しくない!だってプリンは……もう家族なんだから!」

    「ジャア……」

    「サウィンちゃん……」

    でかでかプリンが涙目になっているのと同じように、涙を溜めてそう言うサウィンをママは優しく抱きしめます。

    「うんうん、わかるわサウィンちゃん……ポケモンとパートナーになるのは初めてだもの、傷ついちゃったらどうしようって思うわよね……」

    「だってだって、プリンが怪我したらあーし……すっごい悲しいから……」

    「ぷや……」

  • 160二次元好きの匿名さん23/10/31(火) 23:11:08

    サウィンの感情は尤もなものでした。ポケモントレーナーとしての経験がない人にとっては、屈強でない見た目のポケモンがバトルしている場面を目の当たりにするだけでも拒絶することが少なくないのです。
    しかし、その悲痛な声がでかでかプリンには届いたようです。

    「ぷ……」

    「ジャア?」

    でかでかプリンもまた苦痛に顔を歪ませながらも、サウィンを気遣うように抵抗を止めます。
    その様子を見て、ジャラランガも丁寧にでかでかプリンを下ろして宥めるように撫でます。

    「プリン!大丈夫……?」

    「ぷ……!」

    「ジャアッ!」

    サウィンが駆け寄るとでかでかプリンもおずおずと抱きしめ、2人は安否を確かめ合います。

    「良かった、どこも痛くない?」

    「ぷい、ぷぃ……!」

    「ああ、やっぱり痛いんだ……」

    弱々しく痛いことを主張するでかでかプリンのジェスチャーにサウィンは心配そうな顔を向けますが、ここでジャラランガが自分の口の中を指して何かを訴えます。

    「ジャッ!ジャッ!」

    「えっ?どうしたの、ジャラランガ?」

  • 161二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 07:50:23

    ママごっついポケモン使いおるな

  • 162二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 19:00:41

    ホシュプリ

  • 163二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 22:42:21

    保守

  • 164二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 08:33:38

    プリプリデリデリ

  • 165二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 19:09:09

    保守

  • 166二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 23:45:20

    でかプリちゃんとサウィンちゃんに菓子あれ

  • 167二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 00:45:47

    すると、ジャラランガのトレーナーであるママは意図を感じ取ったようです。

    「あっ!もしかして……」

    「どうしたの?ママ」

    「サウィンちゃん、プリンちゃん……一緒に行かなきゃいけないところがあるみたいよ」

    「ジャァ……」

    ママがそう言うと、ジャラランガはでかでかプリンに同情するようにぽんぽんと叩くのだった。
    そう、でかでかプリンが連れて来られたのは子供が満場一致で大嫌いと言うあの場所でした。

    「うわ……ここって……」

    「そう!歯医者よ!」

  • 168二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 11:21:00

    野生じゃ歯磨き文化なんてないもんね…

  • 169二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 12:13:46

    でかでかプリンは歯医者の前に到着すると、不思議そうにキョロキョロと辺りを見渡します。

    「ぷり……?」

    と、思っているとでかでかプリンはとあるポケモントレーナーたちを見つけます。

    『イヤンイヤンバ-ド』

    「ダメだよデリバード!ちゃんと毎日歯磨きしてないから来ることになったんだから!」

    『ヤダヤダヤダヤダババババ!! ハロウィンハロウィ-ン!!』

    「今治さないとハロウィンスウィーツも食べられないんだよ!ほら!行くよって!」

    『デデデデリデリデリ・バ-!!!! イヤ---ッッッ』

    「くそっ!1年前より重い気がする……!!」

    そのデリバードとトレーナーの様子を見て、でかでかプリンも何かを察したようです。

    「ぷりゃ……!?」

    じりじりと後退り、でかでかプリンが逃げ出そうとしたその時、ジャラランガががっちりとでかでかプリンを捕まえて離しません。

    「ぷりゃーーーーっっっ!?」

  • 170二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 12:33:03

    ロボも虫歯になるのか…

  • 171二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 14:44:25

    >くそっ!1年前より重い気がする……!!


    肥えたな…

  • 172二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 15:11:39

    やっぱあくまで金属生命体なのか…

  • 173二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 23:57:57

    駄々捏ねバードもビビりでかプリちゃんもカワイイネ

  • 174二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 00:18:28

    嵐の前の静けさだの事件だの言うからやめてくれよぉと思ってたけど可愛い事件でよかったよー
    ツツミ共演もウレシイウレシイネ

  • 175二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 08:01:30

    鳥に歯……?メカに歯……?

  • 176二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 19:44:26

    イヤンイヤンバードかわいい

  • 177二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 23:44:57

    はみがきだいじ

  • 178二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 10:12:20

    必死に抵抗するでかでかプリンですが、受付を済ませてからは最早されるがままでした。

    「はい、え〜……珍しいプリンですね。虫歯治療ならぼうおんポケモンが施術してくれますよ〜」

    「大人しくしてたら痛くないからね〜」

    「はーい麻酔打ったから痛くありませんよ〜」

    「ドリルは見ない方が良いよ〜」

    でかでかプリンはその間も暴れ回りましたが、数匹のバクオングにガッチリと掴まれて逃げることなど出来やしませんでした。
    手術が終わった後、退室したでかでかプリンの頬には一筋の涙が伝っていました……。

    「ぷ……ぷりゅ……」

    「あ〜よしよし!頑張ったね〜頑張ったよ!」

    「プリンちゃんは偉いわね〜!」

    「ジャア!」

    「ぷぃ……」

  • 179二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 21:41:15

  • 180二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 07:02:15

    古代プリンちゃんかわいい

  • 181二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 18:43:50

    保守

  • 182二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 22:35:49

    寝る前保守プリ
    というかポケモンが施術してくれるのか

  • 183二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 09:49:33

    デリデリ

  • 184二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 19:15:43

    ポロポロと泣くでかでかプリンをみんなで慰め、でかでかプリンは涙を堪えます。

    「大丈夫よ、おやつはしばらく食べられないけど次からはご飯がもっと美味しくなるわよ」

    「ぷぃい〜」

    ママに抱きつくでかでかプリンをジャラランガがうんうんといった様子で眺めます。

    「ジャラランガ、ありがとね。おかげでプリンの虫歯がわかったし……」

    「ジャ!」

    「やっぱり同じポケモンだし、わかるのかなぁ」

    サウィンはジャラランガの手を取って、もう片方の手をでかでかプリンと繋ぎます。
    ジャラランガはママの手と自分の手を繋ぎ、みんなは笑いかけます。

    「じゃあ……帰ろっか!」

    「うん!」

    みんなで帰路に着くその時、でかでかプリンたちは本当の家族になれたのかもしれません。

    『イヤンイヤンバァアアアアアド!!』

    「ドリュウズ呼んできてドリュウズ!歯が硬いよ!」

    「大人しくしなさーい!」

    『イヤアアア!!デリバババ-!!』

  • 185二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 19:29:14

    良い話だなーってほっこりしてたら落差で草

  • 186二次元好きの匿名さん23/11/08(水) 07:22:04

    保守

  • 187二次元好きの匿名さん23/11/08(水) 18:46:49

    ホシュー

  • 188二次元好きの匿名さん23/11/08(水) 23:27:16

    それからまた数日が経ち、でかでかプリンは今度こそ美味しくハロウィンスウィーツをお腹いっぱいに頬張っています。

    「ぷりぷりぃ〜!!」

    「ほらほら〜、まだまだあるわよ〜!」

    「でもプリン、また食べ過ぎて歯を痛めないようにしないとダメだよ?」

    「ジャア!」

    おやつを食べているでかでかプリンの髪を弄りながら、サウィンは数日前の事件を思い出して苦笑してしまいます。

    「……よし、できた!ほらプリン見な〜、キマってるっしょ?」

    「ぷい〜♪」

    「あら〜可愛いじゃない♪」

    美味しいおやつを口いっぱいに詰め込みつつ、可愛い髪型を作ってもらいご機嫌です。

    「うーん、やっぱプリンは磨けば光るねぇ……今度またパンクたちのバンド行って自慢しよっか!」

    「ぷりゃあ!」

    「これからが楽しみだね、プリン!」

    今後も、でかでかプリンとサウィンは仲良く家族として過ごしていくことでしょう。
    紆余曲折を経て、一緒に生きることを決めたパートナーなのですから。

    おしまい

  • 189二次元好きの匿名さん23/11/09(木) 07:45:44

    乙でした
    今回も面白かった!
    でかプリちゃんとサウィンちゃんカワイイネ…ってほっこりした

  • 190二次元好きの匿名さん23/11/09(木) 19:38:59

    スレヌシオツダシー!

  • 191二次元好きの匿名さん23/11/09(木) 22:21:18

    でかでかプリンちゃんよかったね……

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています