【🎲・閲覧注意】薄明/トワイライト

[1 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:12:07]

「マグカップ組＆ラウダでオリジナルシナリオを独自ルールで遊んでいくよ。

　シナリオを進めるキャラ（PC）とは別にメタ視点の俺たちワイプ組の反応も入るからよろしくね。

　今回の進行役は俺が務めるよ。皆頑張ってね」

「PCの説明がほぼ白紙に近い私…」

「………『先生』」

「開始前からしっとりさせるのはやめなよ」

「俺ほぼNPCじゃないのかこれ」

「PCの説明、本当にまっさらですね…これが記憶喪失…」

「…今回は相棒だ。生き残るぞ、水星女」

「本シナリオではメイン格のキャラ以外にもサブキャラとのCP成立＆サブキャラ間のCP要素が含まれる可能性があります。

　左右は明言しませんが、こだわりの強い方や地雷のある方はブラバ推奨ですよ。

　それと展開によっては猟奇的な展開や性癖モロ出しになる可能性がありますのでご注意ください」

[2 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:14:47]

「私はすごいえらいつよい愛の女神。

　語気の強いレスやレスバはサクッと撃滅しますね。愛の女神なので。

　CPに関する質問や展開への不満も基本的にスルーです。愛の女神なので。

　合わないと感じた方はそっとブラバ＆理想のスレがあるなら自分でレッツスレ立て！ですよ」

「このスレでは独自ルールを採用して遊んでいる。

　広く知られているTRPGとは異なり、ダイスを振った際の成功値は『定められた数値以上の出目』となる。

　ある技能が60％で成功する場合、出目が41以上で成功といった形になるね。

　今回のシナリオで使用する技能については…こっちの処理で使うだけだから、あえて一覧にはしないよ。

　面倒とかそういうのじゃげふんげふん。

　キャラのロストが発生する確率は…PCに関してはごく低いけどあり得るかな。

　NPCは割と儚いかもしれない。

　…他に説明を忘れていることがあれば、その都度説明するとしよう。

　数字を処理するのはこっちの仕事だから、閲覧している人は気楽に楽しんでいってね」

[3 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:16:43]

「これまでの長編シナリオは以下参照よ」

↓『ダイス・オブ・ザ・リング～船旅の仲間～』

【🎲・閲覧注意】ダイス・オブ・ザ・リング～船旅の仲間～｜あにまん掲示板

↓『すすめ！アスティカシア冒険隊』

【🎲・閲覧注意】すすめ！アスティカシア冒険隊｜あにまん掲示板

↓『ゆりかごの街』

【🎲・閲覧注意】ゆりかごの街｜あにまん掲示板

↓『エランズマンション』

【🎲・閲覧注意】エランズマンション｜あにまん掲示板

[4 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:17:54]

「単発シリーズはこっちのリンク先を見てくれ」

【愛の女神シリーズまとめ】

[5 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:22:25]

「今回のシナリオについて軽く紹介するよ。

　舞台は近未来。アンドロイドが実用化され、人々の暮らしに溶け込みつつある…某ゲームを想像してもらうとわかりやすいかな？」

「『開けろ！』」

「はは…。

　PCたちは各々の理由で、あるパーティーの開催される屋敷に集うことになる。

　屋敷は人里離れた雪山に位置していて、パーティー中のトラブルによりPCたちは外部との連絡が難しくなり…

　さらに、ある人物が死体となって発見される…という流れになるね」

[6 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:26:19]

「一応、PCも軽く説明しておこうか」

ミオリネ：『傑作』

・パーティー主催者の最新作にして最高傑作。無垢で好奇心旺盛。

エラン（4号）：『弟子/芸術家』

・パーティー主催者とはかつて師弟関係にあった天才芸術家。彼とは当時恋人だったと噂されている。

ファラクト（5号）：『旧友/建築家』

・パーティー主催者の旧友であり腕のいい建築家。アンドロイドを嫌っている節がある。

・エランとは10歳差の兄。

グエル：『従者』

・パーティー主催者から旧友へ贈られたアンドロイド。冷淡に扱われようと主人に忠実。

スレッタ：『遭難者/？？』

・遭難して記憶を失った何者か。

ラウダ：『遭難者/相棒』

・遭難して記憶を失った何者か。スレッタの相棒を自称する。

[7 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:41:52]

相変わらず筆がはやい！
今回も楽しみにしてます～！

[8 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:45:09]

「プロローグをやっていこうか…と思ったけどこんな時間だね」

「寝ます？」

「うん」

「素直」

「眠くて意識が朦朧としてたからね…」

[9 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:46:54]

「豆知識。パーティー主催者とファラクトは同学年の友人だから…エランは師匠と10歳差だったわけだ」

「手を出してたらまずいですよ」

「どうかなぁ…」

[10 二次元好きの匿名さん 23/10/01(日) 23:49:12]

「重ね重ね言うけど…

　想像もしていなかったNPCが死亡する可能性もあるし、そういう描写が耐えられない人は無理しないようにね」

「マンションみたいに性描写とかは…」

「ナイナイ。…たぶんきっとおそらく」

[11 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 05:28:30]

新作楽しみ！！

[12 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 06:23:14]

プロローグ　『宴の前』

『NO　MORE　ANDROID』　『プラスチックの塊より人間を！』　『アンドロイドを廃棄せよ』

（今日もデモか…）

　声を張り上げる集団を横目に、できるだけ距離を取って進む。気持ちは分からないでもないが、絡まれたい相手でもない。

　いっぱいになった買い物袋を抱え直し、ファラクトは歩調を早めた。

dice1d3=1 (1)

1：タクシーを探す

2：通りの様子を見る　目星（41～）：dice1d100=69 (69)

3：家に連絡する

[13 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 06:37:26]

　折よく車道の向こうから走って来るタクシーを見つけ、軽く手を挙げて呼び止める。

　停車した車両の後部座席へ誘うように扉が開けられ、乗りこもうとしたファラクトの動きが止まった。

「お客様？いかがなさいましたか」

　振り向いた運転手の耳から目を逸らし、ステップに掛けていた足を下ろす。

「この車に乗るつもりはない」

「承知いたしました。またのご利用をお待ちしております」

　気分を害したふうでもなく会釈した運転手の片耳は、常人のそれとはまるで違う。

　インカムを直接埋め込んだような姿のそれは、時折チカチカと光って何らかの処理を行っているらしかった。

　走り去るタクシーを見ることもせず、ファラクトは次に通りがかった車両を呼び止め、運転手が人間であることを確認して乗りこむ。

「最近はすっかりアンドロイドの運転手も増えましてね」

「らしいね」

「まあ私なんかは、家ではすっかり世話になっているものですから。あまり文句も言えないんですがね」

　犬の世話をしてくれるだの、娘の大切な親友になってくれるだの、好きに話す運転手の言葉をシャットアウトして流れる景色を見つめる。

　景色の中を歩くのは人、アンドロイド、人、アンドロイド、アンドロイドーー

（…これが君の望んだ世界なのか？）

　第三世代アンドロイドの生みの親として名を馳せる友人の姿を思い浮かべる。そこから思考は友人、弟、さらには学生時代にまで流れた。

　そうして自宅が近付くほどに家で待っているものの存在を意識し、ファラクトは気分が沈んでいくのを感じていた。

[14 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 06:52:34]

　15分後に帰宅予定との連絡を受け取り、グエルは掃除の手を止めた。優先順位が切り替わるのに合わせ、片耳に埋め込まれた機器のLEDが発光する。

（マスターが帰宅するまでに食事を用意しておこう）

　グエルのマスターーーファラクトの帰宅後のルーティンは食事→仕事→風呂→就寝のパターンが多い。それに合わせてグエルも行動し、可能な限りファラクトの前に姿を見せないようにしている。

　ファラクトはグエルが同じ空間にいることを嫌った。かといって家から追い出すでもなく、家事を一任している。そのことをグエルが疑問に感じたことはない。自分は彼の旧友からの贈り物で、アンドロイド嫌いであっても無下には扱えないのだと理解していた。

　食事の支度を終え、それから玄関でコートを受け取るために廊下を進む。玄関扉を目にしたところで新しいタスクが浮上した。

　夕方の配達の時間は過ぎている。郵便受けを確認しなければ。

　外に出ると、夕焼けが世界を染めていた。赤く色づく芝生の中、石畳の小路を歩いて郵便受けの前に立つ。何か入っている確率は低かったが、開けてみれば封筒が一つ。

　取り出すと、宛名は間違いなくファラクトだった。

　帰宅後に確認してもらおうと決め、家の中に戻ろうとしたところで微かなモーター音を認識し、通りに顔を向ける。

　静かに停車したタクシーから降り立った主人の姿を認め、グエルは封筒を片手に彼へ歩み寄った。

「おかえりなさい、マスター」

「…それは？」

「郵便受けに届いていました」

　グエルの差し出した封筒を無言で受け取り、ファラクトが玄関に向かう。その背を追い、グエルもまた無言のまま歩き出した。

[15 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 07:02:35]

　真っ白なキャンバスに線を一つ。…違う。

　思い切って塗り潰してみる。…違う。

　違う、違う、違う。どれも違う。

「…描けない」

　そう思い知らされる度に立ち上がってはアトリエを、キッチンを、居間を…とにかく家中をぐるぐると歩き回っては、またキャンバスの前に戻る。そうして再び描けないのだと実感して――エランの憂鬱は深まる一方だった。

　描けない理由は分かっている。作品に魂を込められない。要は心ここにあらずの状態で、きちんと作品に向き合えていない。

　その原因は過去に置いて来たものでもあり、現在頭を悩ませているものでもあった。

（…こんなに悩むなら、いっそ）

　思い立って居間に向かい、机の上でくしゃくしゃに丸められた紙を手に取る。手に取って、引き裂いてやろうと指を掛けて…できない。

　それどころか、丸めた時にできた皺を伸ばしてしまう始末だった。

　紙には日時と住所、歓迎の言葉が印刷されている。…それと、手書きの言葉が一つ。

「…今更、何だって言うんだ」

　苛立ちを滲ませながらも、エランにはそれを捨てることなどできなかった。観念して、出掛けるための支度のため立ち上がる。

　行きたくはない。けれど、行くべき理由はある。置いて来たものを取り戻せば、きっと描けるようになる。

　自分を誤魔化すように、けれど切実にそう願って。

「…先生」

[16 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 07:13:59]

「どうして起こしてくれなかったんですか？」

「僕を目覚まし時計扱いするな」

　雪道を走る車が一つ。運転席には年若い青年の姿があり、助手席にはそれよりさらに若い少女の姿があった。青年に文句を言いつつ、少女はスナック菓子の袋を開けて順調に中身を減らしている。

「夕食前に何してるんだか」

「もー。ラウダさんは私のお母さんですか？」

「絶対に嫌だ」

「奇遇ですね、私もです」

　そもそも私のお母さんの方がいいですし～と笑顔で続ける少女に内心「これがマザコンというやつか？」と考えつつ、青年は真っ直ぐ前を見てハンドルを握る。

「今回の旅行も楽しかったですね」

「お前があちこち予定外の場所に立ち寄るおかげで滞在期間が延びた。どうしてくれるんだ」

「頑張れラウダさんのポケットマネー」

「こいつ…」

　悪びれもしない少女を横目で見、溜息を吐きたくなった、その時。耳に届いた音に顔を見合わせ、外の様子を伺って――

　轟音の正体を、少女が叫んだ。

「雪崩！」

「スレッタ！」

　青年は自分より小さな体を抱き寄せ、守るように抱え込み――やがて二人の乗った車は、押し寄せた雪に覆われた。

[17 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 07:23:28]

　声が聞こえる。

「おはよう、ミオリネ。今朝の気温はいつもより少し高いね。太陽の光が雪に反射して、眩しいが美しい。いい天気だよ」

　穏やかな声。

「今夜は忙しくなる。エナオは参加者のリストを何度も確認していたし、レネは彼に会えると嬉しそうにしていたね」

　彼って誰かしら？

「メイジーも部屋の用意を張り切っていたよ。イリーシャは…こう晴れていると、雪崩が起きないかと心配していたが。

　先日の経験がよっぽど怖かったらしい。彼女には悪いことをしたね」

　家から少し離れた設備の点検に行って、雪崩に巻き込まれたのよね。

「サビーナは…この催しを、あまり快く思っていないのかもしれないな。でもこれは必要なことだ。少なくとも俺や…君に。そして、彼にとって」

　彼？

「…そろそろ時間かな。おやすみミオリネ。次に目を覚ます時が、君の本当の誕生だ。

　君にとって世界が、光に満ち、素晴らしきものでありますように」

　おやすみなさい、――

[18 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 07:29:31]

「プロローグ終了。大体の雰囲気は掴めたかな？」

「なんか全体的に真面目なのにコントしてる奴らがいなかった？」

「分かっていたけど僕が過去をひきずっている」

「僕も何だか今回は暗めだなぁ」

「もしかして俺とフラグが立つNPCって…」

「どうもコントコンビです」

「一緒にするな。お前がふざけてるだけで僕は真面目だ」

[19 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 13:36:05]

いつもながら引き込まれる導入だ
ありがとう女神

[20 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 18:57:25]

file 1　『訪問者』

「目的地に到着しました。コートの着用をおすすめします」

（…言われなくても分かってるよ）

「時間は」

「受付時刻より30分早いです」

（………他に車は…二台停まってるな。一台は…この家のもの。

　もう一台は…どこにでもあるような高級車。既に他の招待客もいるのか）

「時間まで車内で待ちますか？」

「降りる」

（お前と二人なんて、息が詰まるし）

ファラクト目星（41～）：dice1d100=69 (69)

[21 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 18:59:20]

「…ん？」

（確かにどこにでもあるような高級車だけど、あのナンバーどこかで見覚えが…

　…聞けば答えが返って来るか？）

「マスター？立ち止まっていては体が冷えます」

dice1d2=2 (2)

1：グエルに車について尋ねる

2：やめておく

[22 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:09:19]

（…まあいいか。仮に知人のものだとすれば、中に入れば顔を合わせるだろうし）

「………」

（インターホン…飾りみたいなものだけど。センサーで来客は分かっているだろうし。一応押すか？

　…いや、その必要はなさそうだ）

「ようこそおいでくださいました！ファラクト・ケレス様、お会いするのは二ヶ月ぶりですね。

　中へどうぞ。お茶の用意もございます。それともコーヒーをご所望ですか？」

「コーヒーで」

「かしこまりました。…ふふっ」

「………」

グエル行動：dice1d2=1 (1)

1：レネと話す

2：ファラクトについて行く

[23 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:13:19]

「レネ」

「グエル、待ってたよ。

　…ねえ、マスターにいじめられてない？大丈夫？」

「ああ。マスターは整備も欠かさないし、よく面倒を見てくれている」

「ならいいけど。…あいつ、グエルに冷たいから」

「………」

dice1d2=1 (1)

1：そうは思わない

2：レネは優しくしてくれる

[24 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:17:49]

「そうは思わない」

「どうして？」

「さっきも言った通りだ。暴力も暴言もないし、タスクも与えてくれる。

　俺の生活は充実していると思うよ」

「…グエル、無欲すぎ！もー、今回も私が娯楽ってものをしっかり教えてあげるから」

「ああ、期待している。ありがとう」

「それじゃあ、また夜に。マスターが眠ってからね。私はコーヒーの準備をしてくるから、グエルはマスターと一緒に奥で待ってて」

[25 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:21:50]

（…またレネに捕まったか。いや、あいつもレネに何か…

　なんて、ないか。あれはあくまで『おままごと』みたいなもので…

　彼らは結局のところ、人間じゃない。真似事をしているだけの機械なんだから…）

「よお、暗い顔してるじゃないか」

「…！」

「…兄さん」

「エラン、久しぶり！それと…」

「お兄様にも挨拶しろよ、ファラクト」

[26 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:25:19]

「二人と長兄の関係値を決めます」

「急に出てきたな…」

「低いこともあり得るの？」

「そうだね。エランとファラクトはシナリオの展開上仲良しの方が無難だと思ってそうしたけど、

　長兄…オリジナルとはぶっちゃけ仲が悪くてもいいし」

「俺の扱いひどくないか」

「じゃあ決めまーす。出目が高いほど仲がいいし、低いと良くなかったり疎遠だったりするよ」

オリジナルとの関係

エラン：dice1d100=80 (80)

ファラクト：dice1d100=36 (36)

[27 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:27:49]

「いや草」

「そりゃ最低でも10歳は年下の弟はかわいいわよね…」

「そして年が近い方とは微妙と…」

「年齢差も決めよう。最大5歳で…もしかしたら双子かもね？」

dice1d2=1 (1)

1：双子

2：dice1d5=1 (1)　歳差

[28 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:32:08]

「げえっ」

「何だその反応」

「どうしているの…いや、どうしてなのかは分かるけど。

　…ああ、あの車はオリジナルの…」

「お、に、い、さ、ま…だろ？」

「うるさいな。…エラン、もしかしてオリジナルの車で一緒に来たの？」

「…違う。僕は彼女に麓まで迎えに来てもらった」

「こんにちは、ファラクト。久しぶりね」

[29 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:38:17]

（エナオ…秘書業務が主な担当だったかな）

「…ああ、うん。二ヶ月ぶりだってね」

「私は奥に戻るから、何か用があったら玄関のレネを呼ぶか内線で連絡を」

「うん。応対ありがとう、エナオ」

「仕事の内だから。…楽しんでいって、エラン」

「………そうだね」

「………」

（にしても、意外だったな。まさかエランが来るなんて…）

「………」

オリジナルはエランと主催者の関係について詳細を…dice1d2=2 (2)

1：知っている　2：知らない

印象：dice1d100=16 (16)

[30 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:41:08]

「末弟に対してブラコン発揮してないか？」

「悪い男に引っかかる弟を心配するのは当然だよな」

「くっ…」

「どうしてそこで悔しがるのよ」

「僕も兄さんと兄弟したかった」

「心配しなくてもワイプの俺たちは兄弟だぞラウダ」

「そうなんだけど…向こうでも兄弟がいいっていうか…」

「強欲だなぁ」

[31 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:43:27]

面識が無いアンドロイドを突然兄さんと呼びだすのはさすがに…さすがにね！

[32 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:44:44]

オリジナルにはシナリオ上の名前はあるのかな?

[33 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:46:41]

「…何のために来た？」

「ちょっと、オリジナル」

「………」

「まさかとは思うけど、よりを戻そうだとか…」

「やめなって。…でも、本当に意外だったよ。気持ちの整理、ついた？」

「…気持ちに、整理をつけに来たんだよ」

「そっか。…無理しないようにね」

「何かあれば愚弟じゃなくて俺に頼れよ、エラン」

「…えっと」

「怒るよ」

[34 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:49:45]

>>32

5号がファラクトだからオリジナルが名前なのでは？

4号がエランみたいだし

[35 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:50:05]

>>32

「オリジナルは『オリジナル』だよ」

「ネーミングセンスのなさが光るね」

「…マスター、遅れました。すみません」

「………」

「返事してやれよ」

「久しぶり、グエル」

「エラン、それにオリジナルも。久しぶりですね」

[36 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 19:56:14]

「他のアンドロイドと話してる時みたいに楽にしていいぜ」

「…人のアンドロイドに勝手に指示を出すなよ」

「お気遣いありがとうございます。しかし俺は特に緊張しているわけではありませんから」

（…ファラクト兄さんは、相変わらず…グエルに冷たいな。

　アンドロイド嫌いと言っても、他の皆には普通に対応するのに…）

「コーヒーをお持ちしました。オリジナル様、エラン様、おかわりはいかがですか？」

「不要だ」

「レネ、ありがとう。僕も大丈夫だよ」

[37 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:00:08]

「では会場の準備が終わるまで、今しばらくお待ちください。

　…またね、グエル」

「ああ」

「………」

（まだまだ時間はあるけど…どうしようか）

dice1d3=1 (1)

1：エランと会話する

2：オリジナルと会話する

3：他の部屋を見に行く

[38 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:09:50]

「本当、ここでエランに会えるなんて思ってなかったよ。最近顔を見られてなかったし、嬉しいな」

「そうだね。僕も会えて嬉しいよ。

　兄さんたちならきっと招待されているだろうと思っていたけど…そうでなければ、来なかったかもしれない」

「…そう」

（もう三年になるけど…まだ気持ちの整理がついてないなんて。エランは本当に…）

「…兄さんは、今でも定期的にここへ来るんだよね」

「ん？そうだね、増改築の相談とか…あとは、あいつの整備も兼ねて」

「…第三世代の、初期型…現在も稼働しているのは、グエルくらいって言ってたかな」

「その後すぐに性能の良い後継機が出たからね。特にあいつは…本格的な商品化の前に作られたものだし」

dice1d3=3 (3)

1：エラン（そのあたりの事情、実はよく知らないし気になる…）　交渉（51～）：dice1d100=34 (34)

2：ファラクト「…彼にはもう会った？」　交渉（51～）：dice1d100=9 (9)

3：ファラクト「それにしても…」

[39 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:13:29]

「それにしても…あいつも勘違いさせるようなメッセージを寄越すよね」

「…？」

「招待状に一言添えてあってさ。『エランをよろしく』なんて、言われなくても兄弟なんだからよろしくするし。

　…それに、君のことも呼んでるならわざわざあんなメッセージを入れなきゃいいのに。

　おかげで君は来ないんだとばかり思ってたよ」

「…招待に応じると思わなかったんだろうね。先生は」

「でもこうして来たわけだし、精々驚かせてやろうよ。

　まさかエランが来るなんて～ってびっくりするあいつの顔、見てみたいだろ？」

「…そうだね」

[40 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:22:24]

～パーティー会場～

「みなさーん！腕によりをかけた料理があるから、どうぞ堪能してねー！

　といっても自動調理なんだけどね」

（メイジー…いつも一緒にいるイリーシャの姿がないな。何かあったのか？

　…まあいいか。会場に人は…一見すると20人程度だけど、アンドロイドもいるだろうし…招待客は十人と少しってところかな）

「………」

「最新モデルの発表までは…一時間近くあるな。

　いろいろ展示もあるが…エラン、見て回るか？それとも食事にするか」

「当然のように一緒に行動しようとするなよブラコン。エラン、自由にすればいいからね」

「…うん」

（会場には先生の作品が…展示されてるのか）

dice1d3=1 (1)

1：誰かと話す

2：展示を見る

3：軽く何か食べる

[41 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:25:31]

（…気晴らしに…誰かと話そうかな）

dice1d3=3 (3)

1：兄（dice1d2=1 (1)　　1：ファラクト　2：オリジナル）

2：招待客

3：アンドロイド（dice1d3=1 (1)　　1：グエル　2：メイジー　3：レネ）

[42 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:37:30]

「グエル」

「エラン、何か御用ですか？」

「少し…話し相手になってほしくて」

「わかりました。天気の話題から最新の流行、サブカルチャーまで何なりと。

　もしくはエランの作品について話しますか？」

「…そういう、検索すれば出てくる話題を話すのはいいかな。僕は君と話がしたい」

dice1d3=2 (2)

1：芸術について

2：ファラクトについて

3：レネについて

[43 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:42:48]

「君は兄さんをどう思う？」

「マスターは俺のマスターです」

「…どうして僕みたいに名前で呼ばないの？」

「そう呼ぶようにと命令されているので」

「…そう。何年くらいの付き合いになるんだったかな…」

「十五年です」

[44 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:51:11]

「…長いね。思えば君は、僕が幼い頃から兄さんの側に居た」

「はい。エランに本を読み聞かせたり、絵のモデルになったり…宿題を手伝ってマスターに叱られたこともありました」

「…懐かしいね」

「興味があるなら俺のメモリから当時の映像を確認することも…」

「グエル。…君は、兄さんのことは好き？」

dice1d3=2 (2)

1：好ましい

2：わからない

3：………

[45 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:54:25]

「…わかりません。そもそも俺はアンドロイドで…好悪の感情を持ち合わせていませんから」

「………」

「でもマスターは、マスターとして適切な人間です」

「…そう。君がそう思っているなら、よかった」

「………」

グエル：dice1d2=1 (1)

1：疑問を口にする

2：黙っている

[46 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:56:43]

「エランは何故、俺たちの感情を気にするんですか？そんなもの、存在していないのに」

「………違う」

「エラン？」

「僕は…君たちにも『魂』があると思っている。それだけだよ。

　…アンドロイドのことなんて何も知らない、素人の考えだけど」

「…魂…」

[47 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 20:59:13]

（エランは…あいつと話してるのか。僕はどうするかな…）

dice1d3=1 (1)

1：誰かと話す

2：展示を見る

3：軽く何か食べる

[48 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 21:23:54]

グエルってわからないが選択肢に入ってる時わからない選びがちな気がする
グエルらしくて好きだ

[49 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 21:51:51]

（誰かと話そう。…さすがに選りすぐりの招待客たちなだけあって、面識のある人がほとんどだけど…）

dice1d3=1 (1)

1：オリジナル

2：見覚えのある女性

3：見覚えのない女性

[50 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:01:50]

「…では、こちらの提示した条件にご満足いただけた場合は…」

「待て、仕事の話は一旦やめだ。

　どうした愚弟？お兄様に構って欲しいのか」

「…邪魔をしたかな、サビーナ」

「いや、問題はない。よく来てくれた、ファラクト」

「俺を無視するな」

「パーティー中も仕事の話？ワーカホリックも程々にしなよ」

「ホリックってわけじゃないさ。単に話の流れでそうなっただけだ」

「…私はこれで失礼する。他の客人にも挨拶が必要だ」

[51 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:08:30]

（サビーナ…チーフとして屋敷のアンドロイドを総括する立場の個体。彼にとっては、最も信頼するアンドロイド…といったところかな）

「明日は改築中の区画の話をするからそのつもりで」

「承知した。彼にも伝えておく」

「お前こそ仕事の話をしてるじゃないか」

「これに関しては趣味みたいなものだよ。友人の家だからって好き勝手させてもらってるし」

「へえ。そりゃよかったな」

「適当な相槌どうも」

dice1d3=2 (2)

1：エランのこと

2：グエルのこと

3：アンドロイドのこと

[52 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:15:38]

「お前、案外この屋敷のアンドロイドには普通に接するな」

「…慣れてるからね。年に何度かここへは来てるし、こんな雪山だろ。

　毎度泊まっていくのが恒例で、一緒に過ごす時間も長い」

「それなのに十五年間毎日一緒のグエルにはああも冷たいと。薄情なご主人様だな」

「………関係ないだろ」

「関係はあるだろ。あいつは――」

dice1d2=2 (2)

1：聞きたくない

2：………

[54 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:19:38]

（画像ミス）

「…単なる『家電』じゃないだろ、特にお前にとっては」

「………」

「…ま、急に態度を改めろとは言わないが。

　あいつがグエルをお前に託した意味、考えてやれよ」

「…考えてるよ、そんなこと…十五年前から、ずっと…」

[55 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:24:07]

「グエル」は実はファラクトにとって特別な存在なのか？
それとも「グエル」の元になった人間がいて、その人が特別な存在だったのかな？

[56 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:38:53]

「皆様、ご注目願います」

　落ち着いた声が会場に響く。照明が落とされ、スポットライトを浴びているのはサビーナだった。

「本日お披露目させていただくのは、我々のマスターであり製作者の――魂を込めた傑作です。

　すぐにでもお目に掛けたいのですがご存知の通りマスターは少々人前に立つのを嫌うところがありますので、準備に手間取っているらしく…」

　会場からくすくすと笑う声が聞こえる。主催者の人となりをよく知る人物たちは、彼が壇上に立つのを渋る姿を容易に想像できたらしかった。笑い声が収まりきらない内、サビーナが片手を広げ、その先のスクリーンへとライトが当たる。

「今しばらくのお時間をいただくため、そしてお初にお目に掛かる方のためにも、先んじて我々のことを紹介させていただきます。

　まずは皆様を玄関にてお迎えさせていただいたレネ。彼女は主に来客への対応と、有事の際にマスターの身を守る役目を担っています」

　スクリーンには笑顔を輝かせるレネの姿があり、その前では実物のレネが愛らしい笑みを浮かべながら行儀よく手を振っていた。

「次にエナオ。彼女はマスターの秘書を務める他、運転手としても皆様と接する機会が多いことでしょう」

　スクリーンの画像がエナオに切り替わり、実物の彼女は小さく会釈をして招待客へ挨拶した。

「メイジーは住環境の整備を主に行っています。皆様が今夜過ごす部屋を用意したのも彼女です。何か不便があればすぐにお申し付けください」

　ライトを浴びたメイジーが元気に手を振り、スクリーンと変わらぬ笑顔を見せる。

「そして…残念ながら、先日大きな損傷を負ってしまい、今夜は会場にいないのですが…イリーシャのことも紹介させていただきたい。彼女はマスターの助手としてアンドロイドの整備をする以外に、この屋敷の通信設備の点検も行っています」

　スクリーンに映し出されたのは、どこか気弱そうな表情を浮かべた女性の姿のアンドロイド。数秒の後、スクリーンに映し出されるのがサビーナに切り替わり、スポットライトが彼女の元へ戻る。

「そして最後に…私がマスターの右腕であり、チーフアンドロイドとして彼女たちを統括するサビーナです。この屋敷の警備担当でもあるので、不安な点などございましたらご相談ください」

[57 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:43:13]

「我々は旧型モデルとなりますが…マスターは常に整備・点検を続け、アップデートを続け…

　ゆくゆくは最新モデルと遜色のない性能にしていくと話していました。

　皆様も是非、現在所有しているアンドロイドを破棄するのではなくアップデートすることをお考え下さいと、マスターからの言付けです。

　…ここまでお聞きいただき、ありがとうございました。マスターの準備が整ったようです」

「上にちゅうもーく！」

「…マスターからの話の後、こちらの幕を上げて新型モデルをお目に掛けます」

「それでは、今暫くご清聴願います！」

[58 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:47:47]

　ホールの上層に、バルコニーのように突き出した足場。

　そこに当たったライトの中、一人の男が立っている。

　堅苦しい格好を嫌ったのか、アトリエからそのまま抜け出して来たようなラフな格好で――

（…先生…）

　彼の姿を直接目にするのは三年ぶりだった。

　彼は何事かを口にしようとして咳払いしつつ階下を見下ろし、そして…

　目が、合った。

　見開かれた目の、浮かんだ表情の意味を考えるより先に。

「停電…？」

　会場の照明が落とされ、人々の困惑したような声が広がった。

[59 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 22:58:22]

　ガシャン。何か、重たいものが叩きつけられたような音がする。

　暗闇の中、突然の音に誰かの悲鳴が上がる。それを皮切りにパニック状態に陥った人々が会場内を動き回る気配がする。

「皆さん、落ち着いて！」

「大丈夫！非常電源がありますから、すぐに明かりは戻ります！今の音の正体だってきっとすぐに――」

　サビーナが声を張り上げるのに続いて、レネが招待客を落ち着かせようと声を掛けているのが分かった。

（レネが困っている）

　困っているなら、手伝うべきだろうか。何より人々の恐怖が強まり、流血沙汰にでもなったら。それにファラクトが巻き込まれたら。

　声を頼りにレネに近づき、「どうすればいい？」と尋ねると「グエル…」と名を呼ばれた。小さな手が袖を握るのを感じる。

　レネも、恐怖を感じている？

　その疑問に行き当たったところで、遠くに大地が唸るような低く重たい音を感じ取る。

「雪崩…？」

「この屋敷は雪崩が起きても被害が出ないよう設計してる」

「そいつは心強いな。…けど、どうしてそんなことを知ってるんだ？」

「僕は設計者だからね」

　ファラクトの声が聞こえる。それと、聞き覚えのない女性の声。誰だろう、とデータベースを参照しようとしたところで、明かりが戻った。

　一見すると会場には何の変化もない。数人の招待客が尻もちをついたり、恐怖からか抱き合っているだけだ。

　ただ、一つ。決定的に違うとすれば――上層にいた主催者の姿がない。どよめきが起きる中で、閉じられていた幕が上がる。

（時間が来れば上がるように設定していたのか）

　自然、人々の注目が集まったそこに現れたのは――

[60 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:03:14]

　透明なケースの中、花に包まれ、少女が眠っている。

　一見すると人間と何も変わらない――どころか、どれだけ目を凝らしても、人間にしか見えない。

　ショーケースのようでもあり、棺のようでもあるその箱の中身は、本来であればこの催しの目玉で、人々の関心を集めるものだろう。

　しかし、その上。

　ケースの上で赤い花を咲かせている男の姿に、人々の目は釘付けとなり、言葉さえ失っていた。

　つい先程まで、上層に立っていたはずの男が、ケースに叩きつけられた衝撃で全身から血を流している。

　不意に、少女が目を開ける。

　彼女はケースにうつぶせになって倒れている男の姿を見て、やわらかく微笑んだ。

「おはよう、イエル。今日の天気は？」

[61 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:08:20]

「やっぱ死んだかぁ」

「ていうかイエルなんですね？」

「軽っ」

「先生…」

「ちゃんと悲しんでくれてる…」

「やさしい」

「ところで僕と水星女が全く出てきてないんだが、このまま第一章終わりなのか？」

「いや？第一章はまだ続くよ。でもちょっと息抜きも必要かと思ってね。ワイプ劇場を入れてみた」

[62 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:19:48]

「イエル！」

　真っ先に駆け出したのはサビーナたち、アンドロイドだった。主人に駆け寄り、ケースから慎重に下ろして、何とか手当てをしようとその体を仰向けにして――絶句する。

　喉に赤い線が一つ。ぱっくりと割れたそこからはどくどくと血が流れだしている。

　助からない。

　誰が見ても、そう理解することができる状態だった。

「イエル…？」

　重しがなくなり、内側から蓋を開けられるようになったのか、飾られていた少女がケースから外へ出る。

　彼女はきょろきょろと会場を見回し、イエルを囲んだアンドロイドたちを順に見、それからイエルの傍にそっと膝をつく。

「眠っているの？おやすみ、イエル」

[63 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:24:29]

「………っ、あ……」

「…エラン！…立てないか？無理するな、どこか近くの椅子に…」

「せ…先生、が…」

「………とにかく、座れ。向こうは見るな」

「…イエル…どうして…」

「出血量が多すぎます。あれでは到底――」

「分かってるんだよ、そんなことは…！」

「…すみません」

[64 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:28:53]

「会場にいる全員、不用意に動くな！」

「…君は？」

「警察だ。パーティーには個人的に参加したんだが…こんな事態になるとはな。

　落下しただけであんな首の傷はできるはずない。つまり…」

「…犯人がいるとでも？」

「可能性はある。会場の明かりが落ちてから、衝撃音がするまで…階段を上って上層に行くには十分な時間があった。

　つまりこの会場の全員、容疑者になり得る」

[65 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:32:49]

「………誰かが…先生を…？」

「…まともに聞くな。今は考えなくていい」

（…同じ顔の男が二人と、そいつらを若くしたような男が一人…ややこしいなこいつら）

「…ねえ、何の話をしているの？」

「うおっ！？う、動くなっつったろ！」

「はい。じゃあもう動かないわ。…それで、何の話をしているの？」

「何のって…見て分かんだろ」

「分からない。だから質問してるの。知りたいから」

[66 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:44:40]

「…ミオリネ。彼らは『イエルを殺したのは誰か』話しているんだ」

「そうなの？…誰かがイエルを殺したの？

　じゃあ…イエルとはもう、お話できないの？」

「………ああ」

「…こいつは？」

「…発表予定の最新モデル。イエルの傑作にして…遺作となった、ミオリネ」

「遺作…かぁ」

[67 二次元好きの匿名さん 23/10/02(月) 23:50:13]

（レネ…？）

「…！…サビーナ、聞いて！玄関に誰かいる！」

「何だと？」

「玄関にって…どうしてわかるんだよ」

「私は来客対応のために、インターホンが押された時に直接通知が来るようになってて…

　そんなことはいいから見て！」

[68 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 00:00:47]

　レネがプロジェクターに触れると、スクリーンに映像が映し出される。

　玄関の照明は消えているのか、はっきりとした姿は映っておらず、人相も判然としないが――青年が、少女を抱えているのがかろうじて見て取れた。

『助けてくれ！このままだと彼女の命が危ない！』

　必死の訴えに、レネがサビーナを見る。サビーナはイエルを一瞥し、それから刑事へ視線を向けた。

「…迎えに行っても？」

「いいに決まってんだろ。一晩のうちに二人も三人も死なれてたまるか。

　…けど、容疑者には監視をつけたい。自棄になって暴れられて被害が広がりでもすれば目も当てられないからな」

「容疑者は会場に居た全員では？全員で玄関に押しかけるつもりか」

「そうは言ってない。…衝撃音が聞こえた直後、あーしの傍にいた奴がいる。

　一人はサビーナ、お前だ。それとそっちのレネ。後は…そこの、同じ顔した奴の一人と、前髪ピンク。この四人は犯人の可能性は極めて低いと見てる」

「…それと、ケースの中にいたミオリネ。彼女にも犯行は不可だろう。ケースの中にいる状態で、上からイエルを落とすことなどできるはずもない」

「…じゃあ、そうだな。レネ、お前は玄関まで迎えに行っていい。サビーナ、お前はあーしと一緒に会場の見張りだ」

「わかった」

「了解した」

　許可を得たレネが扉に向かい、サビーナは招待客たちへ向き直る。

　誰もが不安そうに顔を見合わせる中で、レネが困ったように声を上げた。

「開かない！」

「…ケースに衝撃が加わって、防犯用のロックがかかったか。…イエルの生体認証で、解除可能だが…」

　会場に重たい沈黙が落ちた。

[70 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 00:05:54]

「今夜は画像ミスが多いですね」

「誠に申し訳ない」

[71 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 00:06:27]

「…他に解除方法は？」

「何もせずとも、12時間経過すれば解除される設定だ」

「長すぎんだろ！そんなに待ってたら玄関の二人は凍え死ぬぞ！？」

「…他に、何か…方法があるとしたら…」

「………エラン」

「え…ぁ……な、なに…」

「来て」

「おい、弟に何をさせるつもりだ」

「…お願い、エラン」

「わ…わかった」

[72 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 00:11:05]

「…開いた。やっぱり」

「………どうしてそいつの指紋で開くんだよ」

「…彼はかつてここに住んでいた。当時の登録情報が残っていた。それだけだ」

「…ここに、住んでいた？じゃああなたが、イエルの…」

「ミオリネちゃん、その話は後だよ」

「？…分かった。後でちゃんと教えてね」

「…で？これで玄関まで行けるんだろうな」

「いや。道中の扉もロックされているはずだ。エランの同行は不可欠だな」

「はあ！？」

（…先生…どうして、僕の生体認証を消さずに…。…そのままにしておくなんて、らしくないのに）

[73 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 00:19:12]

「…だぁー！仕方ないな、人命救助を優先だ。ただしそこの…エランに監視を付ける。レネ、いいな」

「もちろん。来客対応は私の仕事だし。…でも、エランは…」

「…行くよ。人の命が、掛かっているなら…」

「…チュアチュリー・パンランチだったな。一つ進言が」

「あん？」

「この屋敷は何度も増改築を繰り返している。エランが住んでいた当時にはなかった扉やロックも追加されているが、そこは通ることができないだろう。

　そうした場所を避けて玄関にたどり着くため、増改築の記録を事細かに把握している人物を同行させるべきだ」

「つまり？」

「…僕のことだね。さっき暗闇の中で話しただろ。僕はこの屋敷の設計者だって」

「…まあ、お前は一応信用できる、か。よし、ついて行っていい。他はここに残れ！」

[74 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 06:21:41]

～廊下～

「………」

（エラン…会場を出てから一言も喋ってないな。当然か…

　…イエル、どうしてこんなことに…一体、誰が君を…）

「グエルも一緒で良かった。…本当は、少し心細くて…なんて、おかしい？」

「…それは…」

dice1d3=3 (3)

1：おかしい

2：おかしくない

3：わからない

[75 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 06:29:44]

「…わからない。ただ…何か俺にできることがあるなら、するよ」

「…ありがと。グエルはやさしいね」

「………」

（…これはあくまで、他者を気遣うというプログラムされた思考のはず。

　それを何故、レネはやさしいと…）

dice1d3=1 (1)

1：エラン

2：ファラクト

3：グエル

[76 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 06:40:56]

「ねえ、あなたがエラン・ケレス？」

「…え？」

「！？いつの間に…！」

「…ミオリネ、何してんの。他の皆と会場で待ってるはずでしょ」

「そうなの？でも、こっちが気になったから…ねえエラン、教えて。あなたはイエルの恋人だったの？」

「………」

「あなたはイエルをどう思ってるの？何故ここへ来たの？三年間一度も連絡をしなかったはずなのに」

「答えは全て『答えたくない』だ。今は君の相手をしてる場合じゃない」

「どうして？」

「人の命が掛かっている。それに、その質問は不躾だ。人間を不快にさせる会話は推奨されない」

[79 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 06:48:25]

（画像ミス）

「？」

「ミオリネ、会場に戻って…って、一人で移動させるのも危険か…

　…ファラクト、彼女の同行を認めてください。彼女はイエルの…最後の作品です。万が一何かあったら…」

「………（イエルを殺すような人間なら、その作品に何かしてもおかしくないか…）

　わかったよ」

「玄関に行くのね。私、玄関を見るのは初めて。お客様を出迎えるのも」

「はしゃがないの。…エラン、次はこの扉を…」

「待った。そこは二年前に改装されている。こちらの部屋を通り抜ける必要がある」

[80 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 06:53:04]

「了解。…最新の見取り図以外必要ないと思ってたけど、こんなことになるなんて。

　本当、グエルがいてくれてよかった」

「役に立てて何よりだ」

「この部屋は…ギャラリーか」

（先生の集めた作品が…飾られている部屋。

　…僕の、絵も…ここに…）

「…これは何を描いているの？何を意味しているの？

　作者はどんな人なの？どうしてこんな絵を――」

「ミオリネ、見てないで行くよ。急がないといけないんだって」

「…わかった。後で教えてね」

[81 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 06:57:56]

「………」

「あと少しでギャラリーを抜けて、廊下の先が玄関。非常電源に切り替わって、玄関扉に電気が通っていない可能性もあるけど…」

「………（先生…どうして…）」

ミオリネ目星（21～）：dice1d100=92 (92)

ファラクト目星（41～）：dice1d100=86 (86)

グエル目星（31～）：dice1d100=63 (63)

複数人成功の場合は最も出目の高い人物を優先

[82 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 07:04:11]

「どうかしたの？落ち込んで見えるわ」

「………何でも、ない」

「はしゃいでいられる状況じゃない。当然だろ」

「イエルが死んでしまったから？」

「っ…」

「…レネ。こいつは本当に最新モデル？どこか調整しないまま起動したんじゃないの」

「いえ、間違いなく最新のアンドロイドです。ミオリネ、彼への質問は控えること」

「…わかった。私が話しかける度、つらそうな顔をしているものね」

「………」

（つらいのは…彼女のせいじゃない。

　先生、どうして…僕の作品がないの…）

[83 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 07:09:09]

～玄関～

「…玄関の扉は開かない、か」

「向こう側から扉を叩く音が聞こえるね」

「…三人がかりなら、何とか…」

「グエル？」

「電気が通っていないということは、電子ロックも通っていない。

　俺とレネ、ミオリネの三人でなら、手動で動かすこともできるだろう」

「さっすが！じゃあすぐに開けるよ。ミオリネ、手伝って」

「うん」

[84 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 07:19:19]

ミオリネとグエルアンドロイド感すごく似合う気がする

[85 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 07:22:28]

　重たいものが擦れる音を立てながら、ゆっくりと扉が開いていく。

　吹き込んできた冷たい風と雪にたまらず身震いしつつ、床に視線を落としてぼんやりしている弟の背をさする。

（…三人だけであの扉を…それも、あんな華奢な少女二人がいて、当然のように開けられるのか）

　大の大人三人で開けられるかどうか怪しいものだ。扉の重量はもちろん、事故を防止するためのストッパーなど、かかる負荷は大きいはず。

　それを顔を歪めることもなく開ける三人から目を逸らし、開いた扉の向こうに姿が見えた来訪者を見つめる。

　隙間に体をねじ込むようにして飛び込んできたのは、安堵したような表情の青年と、ぐったりして目を閉じたままの少女だった。

　青年は自分のコートを少女に着せていたようで、寒さに身を震わせている。しかしそんなことは一切頓着せず、少女の身を心配しているようだった。

（兄弟には見えないし…恋人か何かか？）

　大丈夫かと声を掛けつつ、二人の関係について思案する。弟の手前、恋愛関係かと真っ直ぐに問いかけるのは気が咎めた。

　グエルとレネが開けた扉を閉じ、冷たい風が遮断される。ミオリネはというと、興味深そうに二人の訪問者のそばにしゃがんで顔を覗き込んでいた。

「本当に助かった…車を走らせていたら雪崩に巻き込まれて、ここの明かりを見つけて歩いて来たんだけど…

　彼女、全く目を覚まさないし、体温も下がっていって…」

「…うう…ん…？」

　少女の睫毛が震え、ゆっくりと目蓋が開かれる。そうして彼女は青年に身を預けつつ周囲を見回し、こてん、と首を傾げた。

「ええと…すみません。ここはどこで…私は誰なんでしょう？」

[86 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 07:33:34]

「第一章終了～。これで全員揃ったね」

「レネがかわいく見えてきた」

「こいつ優しくされたらすぐその気になるじゃないの」

「4号に比べて僕は友人の死を冷静に受け止めてるよね」

「年の功？」

「私の状態へのコメントはないんですか？」

「事前情報で分かっていたことだからな…」

[87 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 07:40:33]

スレッタやラウダはどういう役割なんだろう…
NPCもガールズだけだと思ってたらチュチュや様もいて更にわくわくしてきた

[88 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 14:47:14]

ミオリネさんの無垢な感じすごくいい 登場人物たちとの交流でここからどう成長していくのか見守りたい

[89 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 18:38:37]

「第二章は実質幕間みたいなものかな」

「デートですか！？」

「…まあ…場合によってはね」

「死体の横でデートとか正気か？」

「はは…」

[90 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 18:46:04]

file 2　『興味』

～玄関～

「記憶喪失…ということですか？」

「そのようですね…そして…さっっっむいです！！！」

「うるさい。…はぁ…それだけ腹から声を出せるなら、危険な状態は脱したかな…」

「そっちの君は？見たところ怪我もなさそうだけど…」

「…すまない、僕も雪崩のショックで記憶が混濁しているようで…持ち物にも身分を証明するようなものはないし。

　ただ、自分自身と彼女の名前は覚えているよ。それと、僕たちが相棒だってことも」

「相棒…？バディということ？一体何の？どこで知り合ったの？どうして相棒になったの？」

「いや、覚えてませんから」

「それじゃあ、名前は？」

「…僕の名はラウダ。彼女はスレッタだよ」

[91 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 18:52:44]

「ラウダ、スレッタ…二人は相棒。記憶喪失。車を運転していたのよね。

　どうしてこの家の傍を走っていたの？どこへ向かう途中だったの？もしかして招待客？」

「…この家、とは？雪山に豪邸なんて不思議だと思っていたけど…」

「招待客というのも何のことで…さむっ！」

「ここは第三世代アンドロイド生みの親であるイエル・オグルの屋敷であり、今夜は最新モデルの発表会が行われていたんです。

　…けど、事件が起きてしまって…」

「………」

「…そこの、さっきから全然喋ってない人は…へくちっ！…どちら様…っくしゅん！」

「ああもう…こっちに来い。引っ付いていた方が多少はましだろ」

「はぁい。ラウダさんったらお母さんみたいですね」

「お前の例えのバリエーションは母親だけか？」

[92 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 18:56:03]

「…二人のデータは招待客のものと一致しない。本当に偶然、雪道を通っていて雪崩に巻き込まれたみたい」

「招待客にしても、来場の時間が遅すぎるからな」

「………？」

「…ラウダ。せっかくだし、5号と一緒に目星振っていいよ」

「兄さんか？兄さんと呼べるのか？」

「そこはまあダイス次第だけど」

ファラクト目星（41～）：dice1d100=62 (62)

ラウダ目星（11～）：dice1d100=48 (48)

[93 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 18:58:36]

（…あいつ、腕の調子が悪いのか？

　さっき、扉を開けた時に…？）

（…彼、腕の動きが少しぎこちないな…）

dice1d3=1 (1)

1：ファラクト「…会場に戻ったら腕を直す」

2：ラウダ「そこの君、よければ僕が腕を見るよ」

3：レネ「…グエル、大丈夫？」

[94 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:02:39]

「…なあ、腕…さっきので調子が悪くなったんだろ。会場に戻れば道具もあるだろうし、そこで直す」

「ありがとうございます」

「…ふーん…」

「ラウダさん、さむいです、おなかすきました」

「だからって僕の指をかじるな馬鹿」

「…仲が良いんだね、君たち」

「………」

「ミオリネ？どうしたの、震えてる…？」

「…寒いわ…」

「ああ、そんなこと。温度センサーを切ればいいだけでしょ」

[95 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:07:17]

「どうやって？」

「え？そんなの、設定をいじればすぐに…」

「どうやって設定を変更するの？」

「あらら、自分で調節できないんですかね？それは大変です、さっさと温かいところへ…へくしょんっ」

「…自分が暖を取りたいだけだろうが…僕も賛成だ。迷惑でなければ、奥に通してもらえないかな」

「…ああ…ちょっと、見せるには忍びないものもあるけど。そのあたりの事情は道中で。

　とにかく移動を開始しようか」

「承知いたしました。ではすぐに――」

[96 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:12:33]

（………あ、この絵…）

「俺の絵を玄関に？」

「そう」

「…俺はあまり、自分の作品をひけらかしたいとは思わないんだが…どうしてまた急に？」

「帰ってくる度に、先生の絵を見られるから。先生がアトリエにいても…出迎えてもらえているみたいで。

　…駄目かな、先生…？」

「…好きにするといいよ。飾る絵も、エランが決めて構わない」

「！…ありがとう、先生」

[97 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:18:30]

「………っ、…う…」

「エラン！？」

「エラン！…大変、気を失ってる…」

「………（エラン…か。成程）」

「えーと…そこの…エランさんが起きるまで、ここで待ちます？」

「スレッタとラウダの体調は問題ありませんか？早く暖を取った方がいいかと」

「二人はお腹も空いているのよね」

「…ファラクト。私がエランについていますから、先に戻っていていただいても？」

「…わかった。弟を頼んだよ、レネ」

[98 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:25:50]

「………」

「…エラン…あんた、本当に…イエルのこと…」

「…寒くないかな。何か毛布とか探して来るから、ちょっと待ってて」

？？？？？（41～）：dice1d100=17 (17)

[99 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:34:46]

～ギャラリー～

「すごいですよこれ！ガラスを砕いて絵具に混ぜてるんですかね？」

「ああ…その作家は絵具に他の材料を混ぜて作品を制作することが多いらしいね」

「じゃあこっちは？この絵、何を意味してるのかな」

「え？海の絵ですよね？『海だなぁ』以外に何かあります？」

「…無人の海だが、よく見ると砂浜に足跡のようなものがある。あえて人の姿を消したのか、人が立ち去った直後なのか、またすぐ戻って来るのか…

　作者の意図は不明だが、僕には少し寂しく見えるかな」

「寂しい…そう、そんな感じ方もあるのね」

「そこの三人、よくはしゃいでられるね…仮にも殺人の起きた家にいるんだよ？」

「はあ…そうは言われましても」

「現実感がない…ということでしょうか」

[100 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:39:00]

「じゃあこれは？どうしてこの絵は他より大きいの？どうしてこっちの絵は他と質感の違う紙に描かれているの？」

「だから、そんな場合じゃない…ああもう、相手してられない…さっさと行くよ」

「はい、マスター」

「あ…」

「ミオリネさん、気にすることないです。好奇心を失ってはいけませんよ。

　それは私たちの心を豊かにし、人生を彩るものですから」

「お前は少しは抑えろ」

「いやでーす！」

「…うん」

[101 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:45:08]

～パーティー会場～

「おおっ温かい空気！そしておいしそうな匂い！スープ発見です！」

「んなっ！？勝手に動くななんだてめー！」

「はふはふ…おいひいれふ」

「食べながら話すな、行儀が悪い」

「………！？お…お前ら…」

「僕たちは運転中、雪崩に巻き込まれた。何とか車から脱出したはいいが、ショックで記憶喪失になってしまったんだ。

　でも、自分たちの名前は覚えているよ、僕はラウダ、彼女はスレッタ。どうぞよろしく」

「あ、ああ…よろしく…。んんっ！…あーしはチュアチュリー・パンランチ、刑事だ」

「刑事さんですか。心強いですねえ」

[102 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:50:03]

「おい、ファラクト。エランはどうした」

「…玄関で倒れたんだよ。イエルの絵を見て…」

「………そうか。で、レネがついてるんだな」

「…ああ。…じゃあ、僕はあいつの腕の調子を見る。玄関扉を開けた時にどこか悪くしたみたいで…」

？？？（41～）：dice1d100=69 (69)

[103 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 19:56:12]

「あ…あの！」

「ん？…ああ、君は…」

「お久しぶりっす、ファラクト先輩とオリジナル先輩」

「…こんなことになるなんて…イエル先輩が…

　…って、今はその話じゃなくて、その。…調子が悪いって聞こえて。私、手伝います」

（フェルシーとペトラ…学生時代の後輩で、フェルシーはイエルに出資してる投資家の娘、ペトラは腕の良い技師だ。

　パーティーに参加していることは気付いていたけど…）

「…いいの？僕としては助かるけど」

「…はい。やらせてください」

「ペトラ、フェルシー。お久しぶりです」

「………こっち、来て。関節の不調程度なら、ここにある道具で何とか出来るから」

[104 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:01:07]

「………」

（人がたくさん、それにアンドロイドも。

　展示だって気になるけど…どうしようかな）

（サビーナは見張りに忙しそうで、スレッタは食事に夢中…

　声を掛けるとしたら、それ以外の人？）

dice1d3=3 (3)

1：誰かと話す

2：展示を見る

3：イエルの遺体を確認する

[105 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:07:42]

「イエル…本当にもう、お話できないの？」

「…君と彼との関係は？」

「ラウダ。…彼は私にとって…親のような、先生のような人だった。

　調整のため、アトリエから出ることのない私に…いろいろな話を聞かせてくれたの。

　毎日、おはようって挨拶して天気を教えてくれた。アトリエの窓からは外がよく見えたけど、イエルはもっといい景色の見える部屋があるって。

　いつか教えてくれると言っていたけど…それは叶わないみたい」

「…そう。残念だね」

「うん。本当に残念。ねえ、ラウダはどうしてここに？スレッタの側に居なくていいの？

　人は人が死んでいる姿に動揺するものじゃないの？エランなんて、気絶するくらいなのに」

「どうしてだろう。きっと僕は…遺体をよく見る仕事でもしていたんだろうね。

　今も比較的冷静に彼の状態を見極めようとしている、と自覚しているよ」

「そうなの？それってどんなお仕事？」

「さあ。警察あたりが有力候補かな？」

[106 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:10:11]

「何か分かった？」

「ここから見ただけで分かることなんて大してないよ。君こそ、何か気付いたことは？」

「私は…」

ミオリネ目星（21～）：dice1d100=13 (13)

[107 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:14:17]

「…よく、分からない。

　いつも見ていたイエルとは違うけど、それだけ」

「いつも見ていたイエル？」

「そう。笑顔で、あたたかくて、でもどこか寂しそう。それがイエルだった。

　今のイエルには何もない」

「死んでいるからね」

「死って、…ああ…この感覚、何なのかな」

「………dice1d3=3 (3)

　1：寂しいんじゃないかな

　2：悲しいんだと思うよ

　3：恐怖を感じている？

　」

[108 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:18:59]

「恐怖…」

「確かに存在していたものを喪失する感覚。そしてそれは、二度と取り戻すことができない。

　…喪失の恐怖というのは、何もおかしなことではないよ。ミオリネ」

「これが…怖いということ？」

「きっとね。それ以外の何かも、あるかもしれないけど」

「…ねえ。ラウダは私の『感情』を、当然みたいに受け止めるんだね。

　世の中にはそうじゃない人もたくさんいるって、イエルは言ってた。

　どうしてラウダは…」

「どうもこうも。見て、触れて、感じる。その機能を持っているものが感情を持つことに、さして疑問はない。それだけだ」

「…何だか、難しい答えだわ」

「これに関しては簡単な答えの方が少ないと思うよ。…僕の答えだけが全てでもない。

　きっと君は…まだまだ多くの人と、たくさんのことについて語り合うべきだろうね」

[109 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:24:15]

「皆様、大変お待たせいたしました！」

「…レネ、戻ったのか」

「………」

「…整備はおしまいかな」

「あ…はい。これで元通り動くはずです」

「ありがとう、ペトラ」

「………別に」

[110 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:30:35]

「ここに戻る前に、ゲスト用の部屋を解錠してきた。…エラン、歩き回って疲れてるだろうけど…」

「…ああ。まだもう少し、付き合ってもらう必要があるな。メイジー、刑事の許可を取り次第、ゲストの案内を」

「りょーかい！個室に閉じ込めておいた方が安心だもんね」

「エナオは私に同行してくれ。万が一のこともある」

「了解」

「………」

「エラン、倒れたんだってな」

「あ…兄さん。もう、大丈夫だから」

（…青い顔して、どこがだよ）

[111 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:36:07]

「…成程な。そういうことならそれぞれの部屋に通してしっかり施錠すればいい。

　いつまでもここに居させて見張ってるんじゃ、現場の確認もままならないからな」

「ではメイジー、それにレネも。ゲストの移動は任せた」

「あのー。私たち、どうすればいいですかね？お部屋は余ってますか？」

「事件後に来たんだし、犯人ってことはないだろ。身の安全を確保するためにもあーしの部屋で過ごすといい。ベッドは…一つか？」

「ああ。ソファーならあるが…」

「それなら問題ない。スレッタ、お前がソファーでチュチュがベッドだ」

「ええ～！？」

[112 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:40:02]

「第二章終了～」

「ペトラが俺に冷たくて心が折れそうだ」

「かわいそう」

「ラウダが割とやさしい」

「私には冷たいんですが！？」

「PCの言動が悪いだろ」

「…グエル、もしかして僕が知ってる情報を知らない？」

「え？」

「まあね」

[113 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 20:54:34]

何人か思うところありそうな雰囲気出しつつ冷たいし、やっぱりグエルの元になったグエル(？)がいたのかな

[114 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 21:58:09]

file 3　『疑い』

～廊下～

「住環境は私の担当だから、何かあればすぐに内線で連絡してね！

　あっちの区画は改築中で危ないから行っちゃダメだよ！」

「…メイジー。本当はあんたもあっちに…」

「…大丈夫だよ。それよりほら、イエルの大事なお客様なんだから、案内しなきゃ！

　あ、ファラクトくん！あなたはこっちのお部屋だよ」

「分かった。…エランは？」

「整備室に向かってるはずだよ。あそこには…イエルの雇った技師とその連れ、それに…イリーシャがいるからね」

「…レネ」

「グエル、今夜は話せないね。…でも、今度また絶対。約束ね」

「わかった」

[115 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:10:11]

「………」

（しっかり施錠されてるな。連絡すれば開けてはもらえるだろうけど…）

「………」

（今夜は本当に…いろいろあったな）

dice1d2=1 (1)

1：グエルに話しかける

2：話しかけない

[116 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:11:47]

「…ねえ」

「何でしょう、マスター」

「………」

dice1d3=1 (1)

1：イエルのこと

2：レネのこと

3：ペトラのこと

[117 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:17:26]

「…イエルは…どうして、誰に…」

「分かりません。情報が不足しています。少なくともマスターではありません」

「当たり前だろ。僕が…イエルをなんて…」

「…すみません。俺は…マスターの心の機微を慮ることが、不得手なようです」

「………」

――会話してやるほど、多くのことを学習するんだ。逆に言うと、会話がなければ学習することもできないんだよ

[118 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:21:13]

「………君に…会話なんて、期待してない。

　いつも通り、身の回りのことを手伝っているだけでいい」

「はい、マスター」

（…ごめん、イエル。でも僕は、やっぱり…）

（………このままじゃ眠れそうにないな。部屋の中を少し見て回ろう

　…あ、これは…）

ファラクト目星（41～）：dice1d100=11 (11)

[119 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:24:44]

（…学生時代…卒業式の写真かな。懐かしいな、皆若い…

　僕と、イエル…フェルシーにペトラもいるし…オリジナルも）

（…こっちは…それより前か。僕の部屋って言うだけあって、僕の写った写真ばかり…

　………僕と、イエルと………）

「…とうとう僕一人になっちゃったな」

「………？」

[120 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:30:22]

「…エラン、すまない。だが整備室にいる人々を取り残したままにしておくわけにもいかないんだ」

「…大丈夫」

「ったく…どうして屋敷に住んでるアンドロイドじゃ開けられないんだよ」

「アンドロイドには指紋がない。生体認証は登録できないのよ」

「んなこた知ってるっつーの！…え、本当に指紋がないのか？」

「ええ。見ても構わないけど」

「…おお…本当だ…」

（先生…）

[121 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:34:42]

目星ふるわねーな…

[122 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:35:56]

「…刑事。この先にいるのは技師とその連れ二人。それと私たちの同志であるアンドロイドのイリーシャだ」

「ああ。新作の調整があるからイエル氏が修理にかかれなかったのか？」

「その通りだ」

「………」

「…エラン」

「…何？」

「足がふらついている。疲れだけが原因ではないでしょう。…好きだったのね、イエルのこと。本当に、ずっと…」

dice1d2=2 (2)

1：肯定する

2：否定する

[123 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:39:51]

「…君たちほどじゃない」

「………え？」

「………」

「君たちにとっては…先生が家族だったんだよね。

　…ほんの数年、師弟関係で…たった一年、一緒に暮らしただけの僕より…ずっと…

　君たちの悲しみの、方が…深いと……思う、から…」

「…そうね。そうかもしれない。

　でも…無理はしないで、エラン」

「………」

（なんつーか、ここのアンドロイドたちは…まるで…）

「…ここが整備室だ。エラン、解錠を頼む」

[124 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:44:02]

～パーティー会場～

「おなかいっぱいです」

「食べ過ぎだ」

「えへへ」

「…二人は部屋に行かないの？」

「チュアチュリーさんが戻るまで待っているように、とのことで～。ここ、いろいろ展示とかありますし、退屈はしませんよ」

「ミオリネこそ…どうしてここに？」

「私は…イエルを一人にするのが、何だか…上手く言えないけど。よくないって思ったから」

「…そう。ミオリネはやさしいね」

[125 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:48:56]

「でもちょっと邪魔だなって思いませんでした？」

「思うはずないだろ」

「…私、邪魔なの？どうして？」

「だってミオリネさん、考えてみてもください！こんな何もない雪山を二人きりでドライブする関係なんですよ、私たち。

　記憶がなくても分かります、これはもうラブです！」

「馬鹿」

「…と、ふざけるのはこれくらいにして。誰もいない間に会場を見て回っちゃいましょう」

「どういうこと？」

「だって、気になるじゃないですか！犯行の手口とか！」

「…好奇心の獣め。止めはしないが…ミオリネ、構わないかな」

「…ええ。いいと思う。だって私も気になるもの。誰が、どうして…イエルを殺したのか」

[126 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:55:38]

「じゃあ私は…上を調べようかな。ラウダさんはイエル氏の遺体を確認してね」

「勝手に決めるな。…それと、遺体とその周辺は既に確認済みだ」

「あら。じゃあ一緒に上を見ましょうか」

「どうして上を見るの？イエルはここにいるのに」

「だってイエル氏は上から落ちて来たんですよね？なら犯人も上にいたと考えるのはごく自然です。

　さあミオリネさん、好奇心と想像力を働かせる時間ですよ」

「スレッタ、楽しそうだね」

「ええ、とっても楽しいです！ミオリネさんも楽しくないですか？」

「………ミオリネ。君はこうはならないで欲しい」

[127 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 22:59:52]

「…どういう意味？」

「言葉のままの意味でしょう。ラウダさんにとって私の人格は好ましくないようです」

「…そうは言っていないよ。

　少なくとも君を『相棒』と呼ぶ程度の好感はある」

「それは嬉しいですね。…うん、嬉しい。ありがとう、ラウダさん」

「…そういうところがな…」

「？」

「…ミオリネ、君はどうする？僕たちは上に行くけど…」

「私は…」

dice1d2=2 (2)

1：イエルの近くにいる

2：二人について行く

[128 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:04:03]

「イエルはここに立っていた…はずよ」

「ひゃあ…こ、ここから下を見ると、結構高いですね…」

「しがみつくな、動きづらい」

「…何か、見つかりそう？」

「一目見ただけでも絨毯に血痕があることは分かるが…」

ミオリネ目星（21～）：dice1d100=84 (84)

スレッタ目星（？？）：dice1d100=88 (88)

ラウダ目星（11～）：dice1d100=94 (94)

[129 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:11:50]

「…イエルはここで首を切りつけられて、下に落とされたみたい」

「…スレッタ」

「そうですねぇ」

「？他にも何か…ええと…凶器は？何だったのかな。それに、どこにあるんだろう」

「うーん。持ち去られたのなら場所を特定するのは難しそうです。ね、ラウダさん」

「そうだな」

「他は、そうね…イエルは抵抗しなかったのかな」

「ミオリネさん、ちょっと軽く跳んでみて」

「？…はい、跳んだよ」

「うん。絨毯に音が吸われて、あんまり聞こえませんでしたね」

[130 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:18:25]

「じゃあ…誰かが近付いても気付かない？だから抵抗する間もなかった…？」

「その可能性はあります。当時は会場もざわついていたでしょうし。後は…うーん。今はまだいいかな」

「どういうこと？」

「まだその時ではないという意味です。何となく、ですけど」

「直感か」

「そういうことです」

「…誠に不本意だが、お前の勘はそれなりに信頼している。従うよ」

「わーい♪」

「…よく、わからない。二人は言葉が少なくても分かりあってるみたい。本当に記憶がないの？」

「ええ。私には全く、何の記憶も残っていません。でも分かるんです。ラウダさんは絶対に私の味方だって」

[131 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:22:20]

「…そう思える相手がいるのは、いいこと…のような気がする」

「えへへ～」

「…僕はお前が絶対に僕の味方だなんて、口が裂けても言えないが」

「ええっ！言ってくださいよ！私たち仲良しじゃないですか～！」

「嫌だ」

「嫌だ！？」

「…あれ？ねえ、これって…」

「…ミオリネさんも気付きましたか。でも今は材料不足です。もう暫く、他の人には黙っておいてくださいね。

　気付かれたことに気付かれて証拠隠滅なんてされると面倒なので」

[132 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:27:15]

「ところでミオリネさん、整備室はどこか分かりますか？」

「ええ、分かるけど。行きたいの？」

「ご名答！何だかチュアチュリーさんの帰りが遅いですし…何か起きているかもしれません」

「…どうしてそう、次々と首を突っ込もうとするんだ」

「楽しいからです！」

「…スレッタは…dice1d3=3 (3)

　1：楽しい

　2：不思議な

　3：よく分からない

　人だね」

[133 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:29:00]

「実質2/3で不思議ちゃんと言われる私…」

「僕と水星女、結構仲が良いな…」

「最初から分かってたことでしょ」

「それじゃあ整備室に視点を戻そうか」

[134 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:33:47]

～整備室～

「…これはどういうことだ」

「………」

「………」

「………」

「イリーシャ、説明して」

「…どうしてアンドロイドが子供を人質に取ってるんだよ！？」

「…ごめんなさい。でも、彼女を信用できません。先に彼女を拘束して」

「………」

[135 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:41:02]

「…イリーシャ」

「エランさん…あなたも来てたんですね。ごめんなさい、こんなことになって…」

「順を追って説明を。何故お前はその子供を拘束し、ニカ・ナナウラに銃を向けている」

「…イエルはどうなったの？…生きている…？」

「…イエルは死んだわ」

「…そう。予想は、してた…。

　停電の直前、彼女が部屋を出て…その後の警報や、イエルから内線での連絡がないことで分かったの。イエルに何かあったって。

　暫くして彼女が戻ってきたけど、タイミングが良すぎる気がして…」

「だからって子供を人質に取るか普通！？そもそもアンドロイドが人間に――」

「ま、待って！あまり刺激しないでください！…ソフィに何かあったら…」

「うっ…」

[136 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:46:17]

「…アタシのことはいいけどさ。ニカに銃を向けるのはやめなよ」

「ごめんなさい、それはできません。私は彼女を信用できません」

「………ニカ・ナナウラ。身の潔白を証明できるか？」

「それは…」

「…ニカが人を殺すなんてあり得ません。だから早くソフィを放してください」

「………」

（…堂々巡りだ。…どうすれば…先生ならこんな時…）

「…クソッ…変異体絡みの事件なんて、あーしの専門外だぞ…」

[137 二次元好きの匿名さん 23/10/03(火) 23:53:16]

「…そこの彼女…ニカが、犯人でないことが分かれば、イリーシャは落ち着いてくれるね」

「…はい」

「もしくは…犯人だって照明できりゃ、あーしが捕まえてやるよ。刑事だからな。

　だからその銃を下ろして、子供を解放しろ」

「………」

（もし仮に、彼女が犯人だとわかったら、僕は…

　………僕でさえ、そう思うなら、イリーシャは…それに、彼女たちは…）

「………」

「………」

dice1d3=2 (2)

1：ニカの様子を観察する　目星（41～）：dice1d100=19 (19)

2：ニカに話を聞く

3：イリーシャを落ち着かせる　交渉（51～）：dice1d100=35 (35)

[138 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:00:06]

「…ニカ。君に聞きたい。

　停電後、屋敷内の扉にはロックが掛かった。部屋から出ていたなら、戻る時に生体認証でロック解除する必要があったはずだ」

「それは…イエルさんが、万一のためにっていくつかの扉に情報を登録してくれたので」

「具体的にどの扉に情報が登録されているのかは分かる？」

「ええと…整備室は当然ですけど、ここから玄関までのルートも登録してあると」

「………そう」

（なら…会場もルート上に存在している以上、ロックを理由に犯人ではないと言うことはできないか）

dice1d3=3 (3)

1：ニカの様子を観察する　目星（41～）：dice1d100=28 (28)

2：少女たちに話を聞く

3：イリーシャを落ち着かせる　交渉（51～）：dice1d100=5 (5)

[139 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:01:48]

失敗してる選択肢選ばなくてよかった～と思ったのに…
エラン動揺してるのか出目がひどいな
でもここでファンブルはまずいですよ

[140 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:03:03]

「おわった」

「おいおいおい」

「ニカさんーーーッ！！！」

「ごめんね」

「…いや、まあ、うん…ファンブルの処理は…dice1d3=2 (2)

　1：突然悲しみに襲われまともに声が出ない

　2：イリーシャが興奮してしまい銃口を向けられる

　3：ある人物との色ボケを強制

　にするよ」

[141 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:07:20]

「イリーシャ…落ち着いて、銃を下ろしてほしい。

　…先生も、きっとこんなこと…望むはずが…」

「………！」

「なぁっ！？ちょ、待て、お前――」

「静かに！…イリーシャ…それだけは、やめるんだ。銃を下ろせ」

「………」

（今、撃たれたら…先生に、会える…？）

「…エラン。妙なことは考えないで」

「………」

「ソフィ…？」

？？（51～）：dice1d100=43 (43)

[142 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:11:31]

「…今、チャンスじゃんね！」

「！ソフィ、駄目！」

「あっ…！」

「銃がなきゃアンタなんか、…あ」

（暴発！銃弾は…）

「…っ」

「エラン！」

「あ…私、…ごめんなさい…」

「…サビーナ、拘束手伝え！」

「…了解した。悪く思うな、イリーシャ」

[143 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:16:57]

「エラン、傷は…」

「…少し、掠めた程度。何ともないよ」

「ごめんなさい！私の助手が…」

「…ごめん」

「………」

「あらら？銃声が聞こえたと思ったら…もう解決済みですか？」

「スレッタ、ラウダ…それにミオリネまで」

「…エラン、怪我してるの？…あなたも死んでしまうの？」

「ミオリネ」

「…？」

[144 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:23:17]

「死なないよ。…残念ながら」

「エラン！」

「…ごめん。どうかしてるね、僕…」

「…そこで拘束されているアンドロイドは？」

「変異体。子供を人質に取ったうえ、人間に銃を向けた」

「では廃棄ですか？」

「…っ」

「待って、その必要は――」

「変異体すなわち廃棄ではないよ。主人を失った直後で興奮していたのもあるだろうし…一度強制スリープ状態にしておくのはどうかな」

「…よし、じゃあそれで。…で、どうやるんだ？」

[145 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:27:35]

「いやぁ…本当ならもう少し情報を得られるはずのシーンだったんだけどね。

　失敗ならともかくファンブルかぁ」

「無念」

「イリーシャが不憫だなぁ…」

「変異体って何？」

「急に質問してきたね。

　まあ…例のゲームと同じようなものだけど。

　有名なロボット三原則を無視して行動するアンドロイドのことだとでも思ってくれればいいよ」

[146 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:33:01]

　すっかり夜も遅くなってしまった。

　与えられたゲストルームにたどり着き、扉を開ける。

　以前なら、ゲストとしてではなく住人の一人として、寝室を使っていたことを思い出す。

　深まる憂鬱に頭痛すら覚えながら部屋に入って、ぴた、とエランの足が止まった。

　誰か、いる。

「………誰？」

　心臓が早鐘を打つ。恐怖に汗が滲む。

　まさかこの人物が、先生を――

「会いたかった」

「…え…」

　穏やかで、やわらかい声だった。

　それでいて切なさの滲む、そんな声で。

　エランにとっては、今、誰よりも聞きたい人の声に、よく似ていて。

　窓から月明かりが差し込み、影でしかなかったその人物の輪郭が夜の闇の中に浮かび上がる。

「…エラン」

[147 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 00:36:22]

「第三章終了～」

「生きてるが？」

「偽物じゃないですか？」

「どちらにせよ僕のピンチのような気がする」

「弟に手を出さないでくれる？」

「…いいなあ兄弟…」

「諦めなさい」

[148 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:22:54]

file 4　『家族』

「………」

（…先生…？でも、先生より、ずっと若い…僕と、同じくらいの…）

？？：dice1d100=16 (16)

「…これはね…真ん中くらいが一番いいかなぁ。でもなぁ…」

「難しいことを言うね」

「とりあえず振ってみよう」

[149 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:29:53]

（…若い、とか、そんなの、どうだっていい。…だって、この人は…）

　一歩、踏み出す。

「先生…」

「…っ」

　エランの言葉に、彼は言葉を詰まらせた。その反応の意味を、違和感を、考えている余裕などない。

　上手く息ができずに、頭がくらくらする。彼に後少しで届く、というところでよろめいて、床に崩れ落ちそうになった体が支えられた。

　あたたかい。

「……先生…せんせい…っ」

　抱きとめられた体勢のまま震える手を背に回し、縋りつく。微かに迷うような気配の後、腕の中に閉じ込めるように抱き締められた。

（こんなこと、先生は一度も…）

　たったの一度だって、してくれなかった。ただ側に居て見守り、言葉を交わし、時には作品を通じて触れ合って。

　それだけだった。

　エランが、それ以上を望んでも。

[150 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:32:18]

（やっぱり、先生じゃない？それとも都合のいい夢？

　…それでも…）

「…すまない、エラン。俺は…」

（それでもいい、から…）

「…言わないで…」

「………」

？？？？？？？：0→1

[151 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:35:12]

「開幕からすごいしっとりしてるが？」

「あはは、あは、あはは」

「…出目が低かったせい？」

「うん、まあ…あれは警戒レベルだよ。高いほど強く警戒していて…出目が高いと混乱のあまり部屋を飛び出してたね。

　中程度なら冷静に彼の正体を見極めようとしていた」

「そして低いと色ボケる、と…」

「これ色ボケとかそういうテンションですかね…？」

「何らかのカウントが上がったのが不穏なんだけど」

[152 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:35:41]

前回は高難易度ダイスをバンバン攻略出来たのに今回は低め設定のダイスを下回っててうまくいかないな

[153 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:40:10]

「…ふわ…朝か。

　…なあ、本当にあーしがベッドで良かったのか？さすがに十代相手にベッドを譲らないってのは…」

「構わないよ。…おかげで僕は一晩中この姿勢だけど。

　膝枕なんてない方がよく眠れるだろうに…」

「…ふふふ。そうでもないですよ？ラウダさんの膝はちょうどいい感じです」

「起きてたのかよ」

「はい！まだもう少し眠っていたい気分なので、こうして寝転がっていますが」

「さっさと起きろ。動けない」

「え～」

[154 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:45:54]

「にしてもイリーシャさん…残念ですね」

「…ああ。強制スリープする前の落ち込み様…アンドロイドと分かっててもさすがにな。

　駆け付けたメイジーもショックを受けてるように見えたし…」

「いえいえ、そこではなくて。エランさんを撃ってしまうことがなければ、強制スリープは免れたと思うんですが」

「あん？」

「まあ仕方ないですよね。ところでラウダさん、おなかがすきました」

「悪いが何も持ってない。朝食に呼ばれるのを待て」

「うう…空腹はつらいです…」

『――おはようございます。ゲストの皆様にご連絡したいことがあり、モニターをお借りしています』

[155 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:51:50]

「…サビーナ？」

「各ゲストルームに通信が繋がっているようです」

『本来であれば、昨夜ご紹介するはずでしたが…

　発表会では最新モデルのプロトタイプ『ミオリネ』だけでなく、サプライズでもう一体のアンドロイドを紹介する予定でした。

　それが…彼です』

『…おはよう、ゲストの皆。初めまして』

「な――」

「…イエル…に、よく似ていますね」

[156 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 06:58:42]

『俺はイエルの技術・思想を継ぐ存在として開発された…『シャディク』。

　どうぞよろしく』

『…何のために、とお思いでしょうが。

　イエルはミオリネの製作を最後に、引退を予定していました。

　…彼は、重い病に侵されており、余命僅かと宣告を受けていたのです』

『だからこそ俺が彼に代わってアンドロイドの開発を続けていく予定だったけど…

　大切なことを学ぶ前に、イエルは逝ってしまった。今の俺は、ただイエルに似ているだけのアンドロイドだ』

『…こんな事態が起きた以上、混乱を防ぐために彼の存在を伏せることも考えましたが。

　現在雪崩の影響で外部との通信が繋がらず、麓へ降りる道も通れない状況です。

　道が開通するまでの間、皆様が屋敷で過ごすうち、事前情報なしにシャディクと出会えば混乱は必須…

　我々で相談の末、ご紹介させていただくこととしました』

「………シャディク…」

[157 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 07:02:22]

～食堂～

「…というわけで、よろしくね」

「………」

「うん、よろしく」

「…あいつ…性懲りもなく…」

「よろしく、シャディク」

「よろしく頼むよ」

「よろしくお願いしまーす！」

[158 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 07:06:30]

「………」

「………」

「…あのさ、怪我は大丈夫？」

「…え…ああ、うん。もう何ともないよ」

「怪我？」

「大したことじゃ……あ、…」

「…どこ？手当てはちゃんとした？」

（…近い…手、掴まれて…）

「おい、何してるんだイエルもどき。エランから離れろ」

[159 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 07:09:49]

「…もどき、か」

「シャディク。彼の言う通りだ。…あまり、エランを混乱させるな」

「分かってる。ごめんね、エラン」

「……大丈夫…」

「………」

「うーん、昨晩のお食事もおいしかったですが、朝食も最高ですね！ね、ラウダさん」

「ちょっと塩分の摂り過ぎじゃないか」

「人の食事内容にケチつけないでくださいよ～」

[160 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 07:21:32]

「…ところでサビーナ。外部と連絡が取れないって話だけど…」

「…一刻も早く皆に安全を確保するためにも。そして警察の応援を呼び、イエルの事件を解決するためにも…

　外部との連絡は可能な限り早く取りたい。そうだな？」

「おう。つっても方法はあんのか？」

「…おそらく、屋上か離れの設備に問題が生じているのだろう。

　離れに関しては危険も大きいのでこちらで対処するが…屋上については、誰か手を貸してもらえると助かる。

　…通信関係はイリーシャの担当で、私たちでは技術や知識に不足がある」

「あの、それなら私――」

「待て。お前に関しちゃ事情聴取の必要がある。事件発生当時のアリバイがないからな。大事な設備を触らせられるかよ」

「………はい」

「…感じ悪」

「………」

[161 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 07:39:28]

「…あの。私が行く」

「ペトラ・イッタか。イエルから優秀な技師と聞いている。協力感謝する」

「待てよ、勝手に話を進めんな。そいつも容疑者には変わりないし…」

「なら僕がついて行くよ。一応、容疑者候補からは外れてるんだろ？」

「…うー…しょうがないな。早く通信を回復させたいのは事実だし…」

「…それと。非常用のロックは既に12時間が経過して解除されているが、屋上は来客の立ち入りを想定していない。

　普段からロックの掛かっている箇所だ」

「…僕も、同行の必要があるんだね。分かった」

「………」

[162 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 07:48:25]

「…で？他は部屋に缶詰めってわけか」

「…私としては、メイジーやレネ、エナオの目が届く範囲であれば自由にしてくれて構わないと考えているが。

　刑事、どう考える」

「そりゃ、部屋にいてもらうのが一番に決まってんだろ」

「そうでしょうか？ある程度自由に行動できていいと思いますけど」

「はあ？」

「容疑者の最有力候補であるニカさんはともかく…他の人にはある程度話を聞いていて、アリバイもあるんですよね？」

「…まあ、完全にシロってわけでもないけどな」

「僕もスレッタに賛成。下手に行動を制限してストレスを与えると、シロがクロに変わる可能性もある」

「………じゃあ…部屋とどこかもう一か所。この屋敷のアンドロイドが監視してる場所なら、まあ…いいか」

[163 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 07:51:02]

「………」

「ミオリネ？」

「私…」

dice1d2=2 (2)

1：屋上に行ってみたい

2：残って皆と話してみたい

[164 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 09:35:15]

性懲りもなくってことはやっぱり前にも実在の人物モデルで作ったことあるのか…
一晩中膝枕とかラウダなんだかんだスレッタにも優しいな？口は悪いけど

[165 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 18:40:03]

「…君も屋上について来るつもり？」

「ああ。…駄目かな」

「シャディク」

「…あーしはいいと思うけどな。ミオリネと同じで事件当時は眠ってたんだろ？そいつ。

　信用できる面子がファラクトとグエルだけじゃ、何かあった時に不安もあるだろうし」

「…刑事の許しは出たが、私は推奨しない。

　これ以上、彼に…」

「………」

グエル？？（41～）：dice1d100=77 (77)

[166 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 18:43:50]

「俺もシャディクの同行は有意義だと思う。

　マスターの安全確保の観点からも、是非」

「…グエル。君の発言も、もっともか…

　分かった。ただしシャディク、『余計なこと』はするな」

「…分かってる」

「…じゃあ行こうか。ペトラ、屋上に着いたら頼むよ」

「はい」

「………」

（なんか…暗いな、こいつら…。いや、殺人事件で知り合いが死んでるんだし、当然っちゃそうなんだが…）

[167 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 18:47:39]

「…どうして、屋上に行こうと？」

（…エランからシャディクに話しかけるとは…）

「…それは…君に何かあってはいけないと思って」

「僕…？」

「そうだ。イエルもきっと、君を守ることを望んで…」

「………」

dice1d3=3 (3)

1：そんなはずない

2：その必要はない

3：君は先生じゃない

[168 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 18:51:40]

「…君は先生じゃない」

「あ…」

（当然だ。…どれだけ似せて作ったところで、結局…）

「………」

「だから…君は、君の望むようにすれば…いいんじゃないかな。

　先生ならどうしたか、じゃなくて…」

「………！それなら、俺は…」

「…？」

「やっぱり…君のことを守りたいよ」

シャディク？？：1→2

[169 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 18:57:08]

「…そう。ありがとう、シャディク」

（…僕より、ずっと年下のくせして。

　ああ、もう…これじゃあ僕の方が子供みたいじゃないか）

「………」

「シャディクは何故そんなにエランを優先するんだ？」

「え？ああ、えっと…」

「グエル。突然そういう質問をするのは…失礼だよ」

「そういうものですか？すまないシャディク」

「いや…構わないよ」

[170 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:02:47]

「ここが、屋上…雪が積もって一面真っ白ですね」

「ああ。…反射がちょっと眩しいな」

「…銀世界、っていうのかな。きれいだね」

「…うん」

「………」

「…？」

ファラクト目星（41～）：dice1d100=89 (89)

[171 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:05:15]

（…あいつ、震えてる？温度センサーを切ってないからか。

　僕らに比べて薄着だし…）

「………じゃあ、作業を開始しますね、ファラクト先輩」

「…うん、頼んだよ」

「………」

（震えてないでさっさとセンサーを切れよ。

　…僕の許可を待ってるのか？………）

dice1d2=1 (1)

1：声を掛ける

2：声を掛けない

[172 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:09:35]

「…ちょっと。寒いの？」

「はい、マスター」

「…センサーを切れば寒くないんだから、さっさと切りなよ」

「ありがとうございます」

「………」

（兄さん…何だかんだ言って、グエルの調子は気遣ってる。

　…本当にグエルのこと、嫌ってるのかな…）

「………うーん」

「？」

[173 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:15:16]

「しゃがみ込んで、どうしたの」

「雪に触れるのは初めてなんだ。

　屋上とはいえ、建物の外に出るのもね」

「…そう」

（先生は…手がかじかんで作業に支障が出るからって、あまり雪を触りたがらなかったな…

　それなのにこんなところに家を建てたりして、本当に…不思議な人だった）

「…ああ、駄目だ。

　俺はやっぱりイエルじゃないね。作品を創り出すことができない」

（…雪で、何か作りたかったのかな）

dice1d3=1 (1)

1：他のことをすればいい

2：雪遊びを楽しめばいい

3：手伝って

[174 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:17:34]

「…人とアンドロイドで、得意なこと、不得意なことが違うのは当然だよ。

　もっと君の得意な…他のことをすればいい」

「………」

「…シャディク？」

「…そうだね。俺は…人とは違う」

「………」

エラン交渉（51～）：dice1d100=95 (95)

[175 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:22:32]

「…教えて」

「え？」

「何を作りたかったの？」

「…分からないんだ。何を作ればいいのか」

「作るべきものなんてないよ。ただ君が、楽しめるものを作ればそれで。例えば…君の好きなものは？」

（…今の僕、少し…先生みたいだ）

「………」

「…？」

[176 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:25:26]

「………雪で作るのは、少し難しいかな」

「そう。なら定番の雪だるまでも作ってみようか」

「…エランも、一緒に？」

「そうだね」

（こうして、何かしていれば…少しだけ、気持ちが落ち着く気がするし）

「…そっか。うん、それはいいね」

シャディク？？：2→3

[177 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:26:53]

シャディクのエランに対する好感度？が順調に上がっていくなぁ

[178 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:29:24]

「………」

（ペトラ、集中してるけど…時々手が止まってるな。

　専門はアンドロイドの技師なんだし、突然こんな設備の点検を任されても…）

「………」

（…こいつに手伝わせれば…もっと順調に作業が進む可能性もある、か？）

グエル？？（36～）：dice1d100=15 (15)

[179 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:30:58]

「………」

「………」

（エランは…シャディクと雪遊び？

　…ちょっと複雑な気持ちだけど、ずっと暗い顔して俯いてるよりはいいか。

　………どうするかな）

dice1d2=1 (1)

1：グエルに手伝わせる

2：何も言わない

[180 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:33:35]

「…ペトラ、こいつに手伝わせるよ」

「…え」

「了解しました、マスター。

　ペトラ、お手伝いさせてください」

「………っ」

ペトラ友好（36～）：dice1d100=79 (79)

[181 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:36:34]

「…邪魔は、しないでよね」

「はい。細心の注意を払います」

「………ごめん、余計なこと言った」

「いえ、ペトラの危惧も当然です。俺にインストールされている知識は、頻繁にアップデートしているわけではありません。

　何か間違ったことをしていたら指摘してください」

「………」

（もっと嫌がるかと思ったけど…受け入れてくれたか。

　…悪いね、ペトラ）

[182 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:48:15]

「誰か…そうだな、レネは護身術や不審者の拘束もできるんだったか？」

「はい。イエルの護衛担当でもありましたから。…彼のことは…守り切れませんでしたが」

「責めてるんじゃない。あのニカ・ナナウラ…現状だと一番怪しいからな。

　部屋から出ないように言ってはいるけど、念のため見張っといてくれ」

「かしこまりました」

「ニカちゃんのお連れ…ソフィちゃんとノレアちゃんはどうするのかな？」

「…イリーシャと一緒にロックされた部屋にいたわけだからな。犯行は不可能だろうし、ニカとは別の部屋で自由に過ごさせる。

　出入りも自由でいい。昨夜は怖い思いをしただろうしな…」

「そうね。人質にとられて、ショックを受けた可能性は高い」

「本当にそうですかね～？」

「…何故、当然のように我々の会話に混じっている？」

[183 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:53:05]

「すまない。彼女は何と言うか…自由な性質で」

「風のように自由な少女！それが私です！」

「…記憶喪失とは思えないくらい余裕ね、あなたたち」

「お褒めに預かり光栄です♪」

「…スレッタ、彼女たちの温厚さに感謝しつつ速やかにこの場を離れよう。

　どこか他に興味のある場所くらいあるだろ」

「ありますとも！アトリエとか～」

「駄目だ」

「え～？」

[184 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:55:54]

今回のスレッタ本当に自由奔放な不思議ちゃんだなぁ
記憶喪失になる前は探偵みたいなことしてそう

[185 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 19:58:48]

「アトリエはイエルの聖域…みたいなものだからね。私たちでさえほとんど出入りはできなかったよ」

「なおさら気になります！」

「ダメよ」

「そこを何とか～！」

「スレッタ様、お控えください。警備担当として実力行使することになります」

「うう…ラウダさん、ファイト！」

「は？嫌なんだが」

「…そもそも、あの部屋もロックが掛かっている。行ったところで入ることはできない」

「なーんだ…残念です」

「ゲストのためギャラリーは解放している。イエルの作品もいくつか置いてあるから、そこで我慢してくれ」

[186 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 20:05:13]

「…イエル氏は、人嫌いだと招待客から聞いたけど。その割に熱心に他人の作品を集めていたんだね」

「ああ。…イエルは確かに人嫌いだが…人の創った物が好きなんだ」

「それなのに、恋人の作品は置いていなかった？」

「おい、あんまりそこを突っ込んで聞くのは…」

「…スレッタ、ラウダ？何してるの？」

「ミオリネちゃん、ちょうどよかった～！この人たち、ギャラリーに案内してあげて」

「丁重にね」

（体よく追い払われたな…）

「わかった。行こう、二人とも。私も誰かと話したかったの」

「では…いざ、ギャラリーへ！」

[187 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 20:12:00]

コントコンビに癒やされる
この２人は最後までこの雰囲気で突っ走ってほしい

[188 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 20:27:56]

【🎲・閲覧注意】薄明/トワイライトpart2｜あにまん掲示板

「次だよ」

「こっちはまあ適当に…誰の画像でもいいので、使えそうなものがあればどうぞ～。

　感想をいただけると励みになるので、感想のみでも大歓迎ですよ！」

[189 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 20:36:35]

今回も楽しく見てます！！
スレッタとラウダのコンビが可愛くて好きだ……

[190 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 20:44:40]

散りばめられた謎がどう結びついていくのか楽しみです！

[191 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 20:46:18]

シャディクとエランの言葉が切なくて苦しい…コントコンビもファラクトグエルも、みんな愛しいです！続きも楽しみにしてます

[192 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 21:33:03]

ファラクトグエルコンビと大人しいミオリネが新鮮で楽しい
イエル関連でそれぞれの過去出てくるかな、続き待ってます！

[193 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 21:40:46]

グエルくんとレネちゃんの絶妙に初々しい距離感にドキドキしちゃう…好き…

DBH脳なのでスレッタとラウダの捜査系相棒コンビは色々想像が膨らみますね
楽しみ！

[194 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 21:43:37]

このへんお持ちですかね？

[196 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 21:55:32]

張りミスった…

[197 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 21:58:24]

ニカとチュチュ

[198 二次元好きの匿名さん 23/10/04(水) 23:53:56]

女神のフィギュアが出るみたいなので

[199 二次元好きの匿名さん 23/10/05(木) 08:59:38]

腕組みレネ

[200 二次元好きの匿名さん 23/10/05(木) 18:35:07]

座るチュチュパイセン