- 1二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 06:19:20
- 2二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 06:28:16
- 3二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 06:28:49
- 4二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 06:48:57
- 5二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 06:49:20
「常夜燈」×ナイスネイチャ
「ネイちゃん、次のレースも頑張ってね」
「商店街一同、応援してるぞ!」
その優しい言葉が心に刺さってしまうようになったのはいつからだろうか
「あっはは、ありがと~。ほどほどに頑張りますよっと」
そうやって誤魔化すようになったのはいつからだろうか
「………はぁ」
悩みを誰にも言えずに明かりの消えた部屋の天井を見るしかなくなったのはいつから───
「………暗いな。明かりつけとこ…」
そうしてついた常夜燈を眺めていれば、そのぼんやりした遠い輝きが。遠く手の届かないキラキラしたあのコと重なって見えた。
才能。どうしようもない格差。彼女は天才、自分は凡才。誰が否定しようとそれはきっと悲観でもなんでもなく事実だった。進んでるようで進んでない。後退しているようで後退していない。どっちつかずの日々の中、一つだけわかっていたことは…
「…ま、レースをやめる気なんてさらさらないんですけどね」
それだけが自分の中の結論。走るのはなんだかんだと楽しくて、走ることそのものが自分の心を軽くしていたから。
それでも臆病な自分が囁いている。次もどうせ負けてしまうと。次もあのコには勝てやしないと。走るのは好きでも負けるのは悔しくて、辛いから。そんな不安を一人抱えていた、ら。
ピロン
「…ん?LANE?こんな時間に…トレーナーさんか」
『最近少し悩んでるように見えたから、明日は思いっきり羽を伸ばそう。悩み相談も付き合うよ』
「………ははは、かなわないなぁ。…いつも、寄り添ってくれてるよね…」
軽く了承の返事をして、また仰向けになって、視界に入った常夜燈のぼんやりとした優しい明かりは。今度は、優しく寄り添ってくれるトレーナーさんと重なって見えた。
「っし、明日は思いっきりリフレッシュしよ」
この悩みが晴れたら、臆せずに正々堂々とあのコと勝負できるかな。
- 6二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 06:55:44
- 7二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:08:29
「kaleido proud fiesta」×カツラギエース
きっと出会ったのは運命だった。いや、それを超えた何かだったかもしれない。そんな感傷に浸っていると、彼女の横顔が見えた。
何も言わなくても気持ちは同じだろう。なら、黙っていよう。
拍手喝采、感動の叫び。その全てがカツラギエースに向けられている。その観客の心内には様々な感情が渦巻いているだろう。感動、驚愕、そして…今まで持っていた、自らの不安だったモノ。
「一緒に、この時を戦おう!」
ああ、君は。
「あたしもここで、みんなと───戦い続けるから!!!」
君は、ここまで来た。止まらなかったんだ。脚を止めず、今を理由にして、未来へ進んだ。
君の夢も、自分の夢も、叶った景色。それが目の前の景色だった。きっときれいすぎて、一生忘れられない、そんな景色。
そして、君はこの場にいる全員の夢も後押ししようとしている。みんなで夢を見続けようと呼びかけている。
きっと君は、まだ速くなって、まだたくさんの人の背中を押して───
また、君の走る新しいレースのファンファーレが鳴る。これは君と、君に勇気づけられた人の快進撃の始まりの鐘、前奏だ。
全ての選択、それが正しかったかどうかなんて後日譚までわからない。なら、今一番誇れる選択をしよう。自分にとっての今一番誇れる選択は、君とただ前へ進むことだ。
スターは増え続ける。新しい世代がどんどん台頭してくる。その沢山のウマ娘たちは、さながら広がり続ける星空の様で。それでも…自分を、誇れるように。
まだ、カツラギエースと夢を見続けていたい。
かくして、またストーリーは始まる。
次に始まるストーリーは、自分のものでもなく、カツラギエースのものでもなく、カツラギエースに勇気づけられた誰かのストーリー。
- 8二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:18:05
- 9二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:20:42
- 10二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:30:19
「捨て子のステラ」×アドマイヤベガ
私はあの子と生きてきた。なのに、体も命も一つしかなかった。あの子の分まで、走らなくてはいけない。それが、私にできる罪滅ぼしで───
「はっ、はっ、はぁ。…今日は夜空が綺麗ね」
ランニング中の夜の公園、休憩を兼ねて、なんとなくブランコに座り込んで夜空を見上げる。
キィ、キィ、音を立てながら私はブランコに揺られる。確実に空とつながっている空気に触れながら、前後に揺られている。行っては戻って、まるで…今の私みたいだった。
「…結局」
結局、私はなんなのだろうか。罪滅ぼしのためだと思い続けてきた、それだけが存在意義だった、のに。自分が走りたい理由が、できてしまって。
私は、私のために走っていいのだろうか。一つしかない体は、そんな疑問に埋め尽くされていた。まるで手入れのされていない望遠鏡のような、曇った瞳で空を見上げる。
「…ベガ」
私の名前にもなっている天体。今日は夏の大三角が良く見える。あれはデネブで…あれはアルタイルだ。七夕の昔話ではベガは織姫、じゃああの子がいたとしたらアルタイルなのだろうか?なんて、考えながら。ただ空を見ていた。
そのアルタイルが、私の目に光を直接届けてくる。曇っている瞳に、無理やり光を反射させる。…なんなのだろうか。
「………私は」
"私"はちっぽけだった。何のために走っているのかと言えばあの子への罪滅ぼしのため。…だった。自分が走りたい理由ができた途端、こんなにも潰れそうになってしまって。
けれど、諦めないでも良いのだろうと、自分も大切にしていいのだと、誰かに教えられたから。
一人は寂しかった。けれど、私は一人じゃなくなった。たとえ、あの子がいなくても。
「…お姉ちゃんのこと、待っていてね。そして…見守っていてね」
小さな小さな、ちっぽけな自分なりの結論を胸に、ブランコから立ち上がる。
"アルタイル"の先、あの子がいない場所にいつか辿り着いてしまったとしても。誰かが私を見つけてくれるのでしょう。
ようやく気付けたから。私は、思ったより恵まれていたから。
- 11二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:37:44
思ったより筆が乗ってるので今のうちに追加で3曲募集します
- 12二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:38:50
- 13二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:40:43
やはりこの曲はアヤベさんになりますよね
歌詞の入れ込み方が見事です
「"アルタイル"の先、あの子がいない場所にいつか辿り着いてしまったとしても。誰かが私を見つけてくれるのでしょう。」ここ特に好きです
素敵なSSありがとうございます
- 14二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:47:59
「Big Brother」×ケイエスミラクル
おれの中の弱いおれが言う。
「おれはもう少し、自分に甘く生きても───」
瞬間、それは別のおれにかき消される。まるで電撃の様に、鋭く引き裂いて。
「おれは、恩返しのために生きるんだ」
おれは恩返しのために生きる。恩返しのため、みんなのため、それがおれの生きる意味。生きる意義。
考えちゃダメだ。おれは走るんだ。考える暇があるなら脚を動かすんだ。だって、そうしないと、おれに意味も意義もないから。
まるで何かに追いかけられるかのように脚を動かす。追いかけられているとすれば、それはおれ自身にだった。
地面を踏み鳴らす。おれの意味から、意義から逸脱したおれ自身は、かき消さなきゃ。
これは、「良い事」のはずだから。みんな喜んでくれるはずだから。おれが、走ることを。
誰かがおれを見ている。走っているおれを。喜んでくれてるかな。
誰かがおれを追いかけている。走っているおれを。おれに夢を見ていてくれてるかな。
日付が変わってまた朝が来た。みんなのために頑張る朝が。
おれの中にいる恩返しの気持ちは、満足そうに。保護者の様におれを見ている。そうしてまたおれは無意識に暗示をかけている。
「これも恩返しのため」
これしかできないだけ、これ以外に知らないだけ、それから目を逸らし暗示をかける。
誰かがおれを見ている。走っているおれを。喜んでくれてるかな。
誰かがおれを追いかけている。走っているおれを。おれに夢を見ていてくれてるかな。
誰かがおれを見ている。弱いおれを。恩返しできないかもしれないおれを。そうしてまた引き裂いて。
「…次のレースで1着取ったら。みんな喜んでくれるよね」
- 15二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 07:51:18
- 16二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 08:03:09
セイちゃんでお願いします!
タイトル的にもあってそうなネオユニと迷ったんだけど、最初聞いて何故か浮かんだのが彼女のシナリオ終盤だったのよ…
NEO feat. 初音ミク / じん【Official MV】
- 17二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 08:14:23
「Take The Wave」×ライスシャワー
『あるところに、絵本が好きな、ちっぽけなウマ娘がいました。
ウマ娘はたくさんのレースを走りました。そうして、ついに菊の舞台でG1ウマ娘に輝きました。しかし、誰も賞賛しませんでした。なんでお前が勝ったんだ、そう言われ続けました』
「………蹄鉄、よし」
『ウマ娘はひどく悲しみました。走ることを辞めようとさえ思いました。ですが、大切な人が、大切なものをくれたのです。
それは、夢でした。昔思い描いた夢を、もう一度思い出させてくれました。ウマ娘は、もう一度走ろうと思いました』
「…勝負服、よし」
『ウマ娘は一度絶望して、一つ気が付きました。あの時は1分、1秒すら呼吸をするのが苦しかったのです。
ですが、勝ったウマ娘にも、負けたウマ娘にも夢があって。勝つということは、それを破ることなのです。だから、ちっぽけなウマ娘は覚悟を決めました』
「ライス自身、よし」
『覚悟を決めて、危うく天国に片足を突っ込んでしまいそうなほどに過酷なトレーニングを積みました。
その姿はもはやちっぽけなウマ娘ではありませんでした。まるで…"鬼"でした。ですが、その力は…間違いなく、何かを変えられるほどの力でした』
「…今日は勝つよ、マックイーンさん」
『春の楯の舞台。鬼を宿したウマ娘はそこに立ちました。
その気迫に恐れを抱いた者もいました。ですが、その時目の前にいたライバルは、"鬼"ではなく"ウマ娘"を見ていました。ライバルは、ただ一言告げました。そうしてウマ娘はそれに返答します』
「ええ。私も負けるつもりはありませんわよ」
「…ライスもだよ」
『そうして、大切な人にもらった、大切なものを返すために。そのウマ娘は今日、向かい風を切り走るのです』
- 18二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 08:23:15
まだいけそうなのであと2曲くらい募集
- 19二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 08:33:34
誰でも合うと思うけどマックイーンでお願いしたい
- 20二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 08:42:01
STAND BY ME - Ben E. King 【和訳】ベン・E・キング「スタンド・バイ・ミー」1961年
まだ間に合う?寂しがりのタイキシャトルでお願いします
- 21二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 08:54:54
「夢で逢えたなら…」×サイレンススズカ
まだ夢を見る。かつての担当がターフを賭ける夢を。
走りきった君と、ハイタッチをして、ウイニングライブに送り出して。
夜に瞼を閉じれば、いつでもあの光景がありありと映し出される。
感動、それを君は届けていた。難しい事なんて何もない、ただ先頭を駆ける君は綺麗だった。
「それじゃあ走ってきますね」
なんてすぐに走り出そうとするのは困りものだった、けれどそんなところも愛嬌だった。
今晩も、朝が来るまで走り続けようか。
そうして朝が着て、今日も病院へ見舞いに行く。
「…あ、トレーナーさん。来てくれたんですね」
脚に巻かれた包帯が痛々しい。目を逸らしたくなるのを必死に耐えて。
そんな日々はずっと続いて。
夢から覚めるときは近いのだろう。はっきりと映し出されていた彼女のレースの光景は日に日に朧気になってゆく。
夢の中ですらあの日の君に会えなくなってゆく。
きっと夢から覚める。現実に戻る。君と自分という、担当とトレーナーという関係は夢になり、覚めてしまう。
それがただつらかった、中で。
「………また、走ります」
君がそういったのは、救いだった。
救いが叶うかなんてわからないけれど、一歩一歩、ゆっくり進めばいい。
まだ、夢から覚めたくないから。
- 22二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 10:51:10
- 23二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 10:59:42
ケイエスミラクルでお願いします
- 24二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 19:33:23
保守
- 25二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 19:34:04
そうだ報告忘れてた
急用で出かけちゃったので続きは明日の朝くらいに書きます - 26二次元好きの匿名さん23/10/04(水) 19:55:25
- 27二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 00:42:16
保守
- 28二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 01:44:18
- 29二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 10:11:41
期待の保守
- 30二次元好きの匿名さん23/10/05(木) 16:01:53
頼むから戻ってきて