【閲覧注意】絶対BLになるTRPGvs絶対BLになりたくないボブ 魔法使い編

  • 1二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:08:59

    「何故僕たちを殺さない」

    「それは目的ではないから」

    「いつか、必ず__君を倒す」

    「そっか。せいぜい楽しみにしているよ、『ファラクト』、『ミカエリス』」

     対峙していた青年がふわりと消える。その場に残されたのは、かろうじてこの蹂躙を生き延びたエランとイエル、戦場としてめちゃめちゃに破壊された戦術試験区域、そして__

     前髪だけピンクに染めたお団子頭の男だけだった。


    「それせ君を救助したところ、強い才覚に目覚めていたので、僕たちで保護することになった」

    「ってワケ。エランサマ、説明ゴクロウ~」

    「はあ……」

     目の前に座るのは、緑目の儚げな少年と、金髪の麗しき青年。見るからにわかりやすい美形二人組に加え、このような経緯を聞き、ボブは静かにうなった。

     BLの導入じゃねえか。

     ボブ、アス高経営戦略科二年、ジェターク寮。苗字とついでにこの学校に至るまでの記憶がない。だが本能で理解している、この世界はBLという法則によって支配されていると。つまるところ男同士が恋愛するような仕組みになっている。

     残念ながらこのエランという男が語るのは事実であるようで、知識なんてないはずなのに何故か自在に魔法とやらを操れる。完全に主人公属性だ。ボブは心に決めた。絶対この世界に負けないと。優しくて可愛い同級生の女の子と結婚して逆玉で将来安泰だと。ぐっと手を握ったのを何だと勘違いしたのか、エランが首をかしげて、しかすぐにこちらを見つめる。

    「……今は一人でも戦力がほしい。早速で悪いけれど協力してもらうよ、ボブ」

     展開早いなあと思った。

    dice1d3=3 (3)

    1:何故戦力がほしいか尋ねる。

    2:魔法使いについて勉強する。

    3:エランとイエルの関係について聞く。

    ※誤字脱字が多く、執筆しながら管理するのが苦手です。

    ※今回一部実際にあるTRPG(マギカロギア)を採用していますが、自身に課した縛りプレイ&ネタ出しみたいなものなので特段本家を知ってる必要はないです。

    ※書いてる人の好み(ラウ→グエ強火、エラシャディ、おにショタおに他)で贔屓が入る可能性があります。

    ※単純に趣味の問題でスレミオとフェルペトは基本くっつきます。

    ※モブレ・廃人化・死亡などダイス次第で酷い状況になるかも。割と何でも許せる方向け!苦手な展開になりそうなら自己判断でブラバしてくださるとありがたいです!

  • 2二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:10:56

    まってた

  • 3二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:13:00

    クトゥルフはちょっと知ってたけど今回の元ネタは全く知らないね

  • 4二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:15:28

    ボブくんの絵可愛くて倒れちゃった
    今回も楽しみです!

  • 5二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:16:02

    新作だ!
    記憶喪失ボブだ!楽しみにしてます!

  • 6二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:23:52

    「えっとそれで、エランさんとイエルさんは魔法使い……なんですよね?」

    「敬語はいらないよ、楽しくやってこ!」

     イエルが砕けた調子で言いながらボブの肩をぱしぱしと叩く。一応先輩(?)にあたるのにそういうのはどうなのだろうと思いながら、一度こほんと咳払いをして、エランの方を見やる。

     BLフラグにおいて大事なのは先手必勝の対消滅。その中でも明らかに__そう明らかに特大フラグの『仲間』は早々に潰しておいた方がいい。

    「エランとイエル……って、ふつうにこの学校に通っている、よな。魔法使いってMSの学校通うのか?」

    「色々事件があった。それを解決するため派遣された」

    「そ!俺とエランは、タマシイのベストフレンドってワケ」

    「寄らないで」

     イエルがささっとエランの傍によってその肩を持つと、エランがやや顔を顰めた。「僕は君なんて嫌い」と吐き捨てるように言うのを見ながら、ボブは相槌をうちながら、先ほど説明されたことについて思い出す。

     この世界にはいい魔法使いと悪い魔法使いがいる。エランは悪い魔法使いと戦うための組織の中で、主に回復や治療、援護を担当している男。そしてイエルは、元は悪い魔法使いで、紆余曲折あって現在はエランの使う高速魔術に縛られ、例の組織のため馬車馬のように働かされているとか。

     なるほど?

     ボブは派手に気ぶることにした。これはBL対消滅フラグきたのではないか。どう考えてもキている。何せ善と悪の二項対立、そのそれぞれに属する人間で、片方はもう片方に奉仕させられている。なかなかに条件が揃っている。「へえ~……」と低く笑えば、エランが少しだけ苛立ったような調子で言った。

    「それで、質問はおしまい?」

    「オシマイ?」

     イエルがオウム返しで続ける。息もピッタリだ。アリだな……そう思ったボブは__

    dice1d3=1 (1)

    1:「わかった、さっそく調査に行こう!」とるんるんで部屋を飛び出すことにした。

    2:「いや、その前に、まずはその事件について教えてほしい」と尋ねる。そうだなんも知らねえわ俺 危ないところだった

    3:「ま、魔法!試し撃ちしていいか!?」と言いながら呪文を充填する。対象はdice1d2=1 (1) (1:エラン 2:イエル)、使うのは相手の感情を暴発させる呪文__『衝動』だ!ハイスピード

  • 7二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:27:16

    わぁい新作
    ボブあまりにも足元がお留守過ぎるよボブ

  • 8二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:32:27

    「わかった!じゃあ早速そのジケン?の調査に出発しよう!」

    「あ、待って、ボブ、大切なことが__」

    「あとは二人でよろしくやってくれ!!」

     ボブはそういって、呼び止めてくるエランとイエルを置いて部屋を飛び出した。ちなみにここは今は使われていない空き教室、とはいってもそこそこ人通りはあるのに、なんでも外からは感知できない結界?を張っていたらしく、他の生徒は誰も入ってこなかった。魔法ってスゲーと思う。

     __簡単に情報を整理すると。

     ボブは記憶喪失のジェターク寮生。あの場に倒れていた経緯もあまり覚えていない。たまたま偶然どういうわけか魔法の力に目覚めた。こういう人は一定数いるらしいが、にしても経営のことを学んで堅実に生きていこうと思っていた自分が、まさかそんなファンタジーな存在になるなんて、人生とは不思議なものである。まあもう俺人間じゃないんだけどな! るんるんで鼻歌をうたいながらしばらく歩いて__はたと気づく。

    「……あれ?俺どこに向かえばいいんだ?」

     ボブくんはアホの子ポンコツ属性らしかった。

     それはBL回避という点で致命的だからやめてほしかった。

    dice1d4=3 (3)

    1:とりあえず同級生のカミルさんに相談しよう!頼りになるいい奴だ

    2:とりあえず寮長に相談してみようかな。魔法使いとして目覚めるから仲のいいあの先輩に

    3:いや男は危険だ!ここは女キャラを探してみよう!dice1d3=1 (1) (1:スレミオを発見した 2:フェルペトを発見した 3:みつからなかった!詰んだか!?)

    4:……?向こうから誰かが歩いてくる。

  • 9二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:36:47

    やったぁあ!!!新作!!!
    スレ画も凄く可愛いいいい!!!

  • 10二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:47:15

    「あ、いた。スレッタさん、ミオリネさ~ん!」

    「あら?ボブじゃない」

    「えへへ、この前ぶりですね、ボブさん!」

     ボブはとりあえず、知っている顔を目指すことにした。

     というわけで辿りついたのは、エランと同じ組織に所属していて、エランの直属の上司にあたるという二人の少女__スレッタ・マーキュリーとミオリネ・レンブランだ。ちなみにこの二人は結婚している。謎の敗北感があるのは何故だろう

     今まで普通に同級生として接していた二人までもがスパイとして送り込まれてきた魔法使いだったのには若干ビビったが、それほど今回の事件が複雑ということなのだ。

    「えっと……そういえば、エランやイエル、皆さんが、どうしてここに来たのか、聞いてなかったなって」

     所在なさげに視線を巡らせると、スレッタが「なあんだそんなことですか!」とぽんと手を叩いた。ミオリネは「あいつら説明しなさいよ……」と頭を抱えているが、声に咎める調子はない。

    「……簡単に言うと、『本来そこにいるはずのない人間が発生している』っていう事件が起きている。世界線の混雑と言えばいいかしら?あんたの仕事は、この学園のどこかにいる犯人を見つけて、とっ捕まえること」

    「はい!ただし犯人であるわるーい魔法使い__禁書さんは、とっても賢くて……自分自身を断章っていういくつかパーツに分解して、いろんな人に取りついているんです。探すのは骨が折れるんですよね」

    「説明口調ありがとうございます、助かります」

    「えへへ」

     スレッタはぱしぱしとボブの背を叩き、ミオリネもやや頬を緩めてこちらを見やる。期待、されている。それは重くもあるけれど、同時に心地いい。ボブが「ありがとうございます!」と頭を下げると、「いいこですね~、こんどおべんとうをおごってあげましょう!」「あんまり甘やかすな」と楽し気に話すのが聞こえた。

    dice1d3=3 (3)

    1:「えっとそれで、断章?がとりついている人に目星はついているんですか?」と尋ねてみる。

    2:「ありがとうございます!じゃあいってきます!!」とるんるんで飛び出す。学ばない!

    3:「……」と不意にミオリネが顔を曇らせた。

  • 11二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 20:55:49

    おや?ミオミオの様子が?

  • 12二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:04:41

    「……」

    「ミオリネさん?」

    「え、あっ……いや、なんでもないの。じゃ、あとはよろしく」

     ミオリネはそう言って、ボブを半ば無理矢理部屋から押し出した。ボブはなされるがままに「わああっ」と押し出されつつ、しょんもりと肩を落とす。

     自分は何かミオリネの気に障るようなことをしただろうか。

     上司__というか顔のはっきりした女性と関係がこじれてもろくなことがない。そういうのはBLフラグになりがちなので。ボブ知ってる、そういうのは「上司がさ~」と飲み会で愚痴るためのネタにされる。あるいは腹いせに無理矢理結婚させられる。そうでなくても後々ボディブローのようにきいてくるのだ。

     少なくとも、これ以上ミオリネから情報は得られそうにない。

     さてここからどうするべきだろうか。ボブが考えながら歩いていると__

    dice1d4=2 (2)

    1:エランとイエルが「あっ」「いた~!」と駆け寄ってきた。

    2:カミルが「お、ボブじゃねえか」と片手をあげた。

    3:寮長が「ボブ!」とこちらに駆け寄ってくる。dice1d2=2 (2) (1:グエル? 2:??)

    4:……不意に、「こんにちは」と話しかけられた。


    「……ね、ミオリネさん。教えてください」

    「あんたにはバレてるか」

    「はなむこ、ですから」

     ボブが出ていった研究室で、ミオリネはスレッタに小さな書類を見せる。そこにはボブの魔法使いとしての適性が簡潔にまとめられていた。

     ボブ。あらゆる可能性を掴み取る『夢』の力を持った魔法使い。過去に干渉し、人の記憶を改竄し修正することすら可能な、【追憶】そのものを使役する。これ以上ないほど模範的、わかりやすく有能な『未来と過去を操る魔法使い』といったところだ。__が、

    「彼、本来の性質は、そうではない……気がする」

    「というと?」

    「直感。ただ、『ボブ』という存在は、何かが『ずれて』いる。本来の属性としては、むしろ__」

    「むしろ」

     ミオリネは微かに目を伏せる。

    「__【深淵】。昏く、深い場所__たとえばなんでしょう、水星とか?」

  • 13二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:06:27
  • 14二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:10:30

    続編と言うことはグエルシャディク様は飛び降りてて、ラウダが不穏な世界線ってことか
    続編嬉しいです、楽しみ!

  • 15二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:13:13

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  • 16二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:16:13

    なんか不穏な属性の数々が積まれていってるな…

  • 17二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:21:40

    「お、ボブ」

    「カミルさん……!」

     ボブはぱあっと顔を輝かせて駆け寄った。

     カミル・ケーシング。ジェターク寮のメカニックで、ボブと同い年。学園に来たばかりなうえ記憶喪失なボブを心配して、面倒をみてもらっていたっけ。その関係で、今でもなんでもないことでメールを交換する仲だ。ついでにいうと、彼はボブの、現状唯一の『アンカー』__現実への錨である。なんでもカミルが死ぬかボブのことを完全に忘れ去ったら、ボブも消滅するらしい。ヤバ

     つまるところ一蓮托生なわけで、危険でわるい魔法使いたちからは守ってあげなきゃな~なんて思っていた__ところで、ふと。

     気づく。

     今自分、すごくBL思想に染まりかけていなかったか?

     冷静に考えてみる。同い年。文通。唯一のアンカー。一蓮托生。役満である。同期同じチームの魔法使いがどうこうではなかった。敵は身内にいたのである! はっとして思わず警戒するように少し距離をとると、カミルは「どうした?」と不思議そうな顔をする。

    「え、えと……なんでもない、です」

    「そうか。お前妙にあぶなっかしいところあるから気をつけろよ」

    「もちろん!」

     咄嗟に元気よく返事をして、ボブはせかいのきょうせいりょくに震えた。なんだそれ強すぎる。ボブの無意識にまで干渉してくるとでもいうのか。ということは今までのポンコツ属性な行動の数々も……くっ……なんて卑怯な……!

     別に全然そんなことはないしボブお前が迂闊なだけだよ。全責任をなすりつけられた世界は静かにそう思ったという。

    dice1d3=1 (1)

    1:「あー……最近変わったこととかなかったですか?」と尋ねてみる。

    2:「えと……なんでもない、ほんとに……」と言いながら、カミルに悪い魔法使いがとりついていないか探る。

    3:「心配してくれてありがとうございます。じゃ、じゃあ、えっと、また、夕食のときに……?」と言いながらそっとその場を離れることにする。

  • 18二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:37:26

    なぜか強敵のイメージしかないカミル
    そしてスレ画すごいかわいい

  • 19二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:45:43

    「変わったこと……?うーん……」

    「な、なんでもいいんです」

    「……何かあったのか」

    「えあっいや、そんなことは、な、ななな、ない、けどぉ……!?」

    「お前さ、わかりやすすぎ」

     カミルが困ったように笑った。ボブはしょんぼりと肩を落としていると、カミルがぽんぽんと肩を叩いてくれる。一瞬絆されかけたがそうだここはBL世界。ここで「ありがとう」なんていって頬を染めた日には完全にルートが確定してしまう。ボブが挙動不審にぐっとこぶしを握っていると、カミルが「あ」と声をあげた。

    「そういえば、dice1d3=2 (2) (1:うちの寮長がやたら決闘ふっかけてる 2:後輩たちの間で妙な遊び?が流行っている 3:うちに転寮生が来る)って話らしいぞ。あくまで噂だが」

    「え、あ!ありがとうございます、カミルさん」

    「いいんだ。……なあ、ボブ」

     不意にカミルの瞳が、その色を深める。じっと、こちらを見つめてくる。

    「俺には何もわからないが。もし、何か危ないことに巻き込まれたなら、俺を頼ってくれ。少しでも、力になりたいから」

    「……__、もちろん、ですよ」

     やや歯切れ悪く、ボブが呟いた。

     カミルは魔法をつかえない。認識することすらできない。だからここから先に行かせるわけには__巻き込むわけには、いかない。それに、これから長い、ながい、永遠の時間を生きることになるボブは、いつか必ず、彼と別れる日が来る。だけど、

    「大丈夫です。俺は、なんとかしてみせますから」

     何故ならボブは、人の『夢』となる魔法使い。

     あらゆる可能性が降り注ぐ中で、ただ進み続ける存在なのだから。

    dice1d3=1 (1)

    1:いったんエランとイエルに合流しよう。dice1d3=3 (3) (1:むしろ険悪になってないか? 2:特に変わらずって感じだな 3:あっ……えっと……中に入らないでおこう……)

    2:カミルがいってた噂を確かめに行こうか?

    3:そうだ!ちょっと魔法の特訓とかしてみよう!!(ノリ)

    ※せっかくなのでシーン表(状況)と事件表(何かが起きた)をふるよ 完全に勢いだし私が楽しいだけなので全然気にしないでね!

    シーン表:dice2d6=1 6 (7)

    事件表:dice2d6=6 5 (11)

  • 20二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 21:48:54

    おおっと

  • 21二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:04:20

    対消滅したかな

  • 22二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:09:10

    シーン:周囲で事件が発生する!ヤバい

    事件表:懐かしい感情、伴侶となる予感……大切な記憶がよみがえるような。属性が【血縁】のアンカーを手に入れる。ようするに血縁っぽい人と繋がれるということ!これ出るの?マジかよ


     とりあえずいったんエランとイエルに合流して、今後どうするかについて考えてみることにしよう。そう思って先程の空き教室に戻ったところで__

    『イエル、ミカエリスっ、従え、ぼくの、命令に、』

    『んっ、えら、エランサマっ、よんごぉ……』

    「……対消滅完了だな!」

     ボブはそっと扉から手を離すことにした。さすが可能性の魔法使い。こんな細い可能性まで掴みとってみせるぜ!すすす、と数歩あとずさり、中で何が起きているのか極力考えないようにして、振り返る。

     ゾンビがいた。

     目を逸らし、扉を見て、もう一度振り返る。

     肌が緑色の、落ちくぼんだ目の、どう見てもわかりやすくゾンビがいた。

    「ミ゜ッ……!?」

     パニックホラー?ゾンビが何故か襲い掛かってくる。パニックホラーだ。いや確かに世界線が混在とかどうとかいってたけどそういうのアリなのかよ!知らねえよ!水星の魔女・オブ・ザ・デッドやめろ!!こういう時に限って周りに人はいない。いても困る

     ボブは咄嗟に逃げて、逃げて、走った先は__行き止まり、だった。ここまでか。ボブはゼエゼエと息を切らしながら、両の手を前に突き出す。やったことはない、が、できるはず。目を閉じ、魔法使いとして、呪文を、詠唱する!

    「『魔王召喚(サモンロード)』__!」

    「いらない」

     バチ、と。

     不意に、目の前で何かが弾ける。

     と、思ったら、次の瞬間、ゾンビはふうっと、消滅して、そこにいたのは。

    「いらないでしょう」

     青い髪の、知らない青年。

     知らないはずなのに、どうしてか。かれをみると、懐かしく感じる。ボブは困ったようにエランとイエルを置いてきた方を見て、それから迷った末に、口を開いた。

    dice1d3=1 (1)

    1:「どこかで……あったことがありましたっけ」と聞いてみる。

    2:「あなたは誰ですか?魔法使いなんですか?」と尋ねてみる。

    3:「あー助けてくれてありがとうございますそれじゃ!」と逃走する。dice1d2=1 (1) (1:逃がしてくれた 2:ダメだった)

  • 23二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:15:40

    運命だなぁ

  • 24二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:19:47

    事前にシーン表と事件表のダイスを振った結果シュバってくるのヤバいね

  • 25二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:28:37

    「……俺たち、どこかで……あったことが、ありましたっけ」

    「ふふふふふ。さあどうだろう、あるかもしれないしないかもしれない」

    「俺が……この学校に来る前どうしていたか、知っているんですか?」

    「知っていてほしい? ほしくない? 従うよ、あなたが決めればいい。ただあなたは僕と共にいると、存在しないはずの過去の記憶が、【追憶】が刺激されてしかたないはず」

    「か……からかってるんですか?」

    「からかってなどいないよ。事実の指摘だ、間違っていたかな、『ボブ』」

     それはにこやかに微笑み、こちらをじっと、見つめてくる。一部は図星である、というのは、確かだった。この青年を見ていると、妙な胸騒ぎがする。記憶喪失になる前の自分は、彼と何らかの関係があった?違う、何か、もっと。ルーツ、根源にかかわる、たとえばそう、

     ……血族のような?

    「忠告するよ、あなたはこの事件に関わらない方がいい」

     それがにこやかに、微笑みかける。

    「あるいは今の幸せを壊し、危険を引き受けて__呪いと向き合えるのなら」

     どうか、目覚めて。

     意味がわからない。呆然としていると、それはくるりと踵を返した。そうしてすたすたと背を向けて去っていく。ボブは咄嗟に、「待って!」と呼び止めた。

    「お前は、一体__」

    「ラウダ・ニール。あるいは『シュバルゼッテ』」

     振り返り、笑みを浮かべる。

    「あなたのいうところの、『悪い魔法使い』かな」

     __消える。

    dice1d3=3 (3)

    1:らっ……ラウダを追いかけてみる!dice1d3=2 (2) (1:話を聞く 2:戦いを挑む 3:???)

    2:とりあえず事件の調査をするぞ!誰に聞こうか……?dice1d3=2 (2) (1:フェルシー 2:ペトラ 3:???)

    3:……なんだか不安になってきた、自分について調べたい……dice1d2=2 (2) (1:魔法使いとしての自分を調べてみよう。俺って何ができるんだろ 2:人間としての自分について調べてみよう。俺って今までどうしてた?)

  • 26二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:38:02

    「……」

     グエルは一旦、寮の自室に戻る。ベッドに寝転がって、端末の記録を調べる。

     ボブ。名字はない。経営戦略科二年、ジェターク寮所属。成績はそこそこよくて、教師からの覚えもめでたい。アスティカシア高等専門学校に来るまでの記憶はないが、ここに来てから二年で、たくさん、たくさん、思い出を作った。

     でも、自分はもう、人間じゃない。悠久の時を生きる魔法使いなのだ。フェルシーとも、ペトラとも__カミルとも、いつか別れなければならない日が来る。いずれやってくるその時に怯えながら、ボブは進み続けなければならないのだ。そういう生き方しか、もはやできないのだ。

    「……?」

     ふと、引っかかる。

     自分はアーシアンかスペーシアンかも定かではない、路傍の浮浪者のがまだマシな不審者。それがガッツリ家族経営の身内贔屓なジェターク寮に、入寮させてもらった?そのうえで、皆と仲良く、何も波風立てず過ごしている?何かが、おかしい。それこそエランやイエルは、魔法を使って介入したらしいが、入寮当時、ボブは魔法使いでもなんでもないただの人だったはず。それが今にいたるまで、悪くされた記憶もない。つまるところ、これは。

    「__ジェタークの寮生、それもかなりの上層部__いや、寮長に、悪い魔法使いが取りついている……?」

    dice1d3=3 (3)

    1:早速寮長__グエル先輩に、直談判だ!

    2:早速寮長__ヴィム先輩に、直談判だ!

    3:……そろそろ終わってるだろ、エランとイエルのところに戻るぞ。dice1d2=1 (1) (1:終わってた 2:全然終わってなかった)

    シーン表:dice2d6=3 2 (5)

    事件表(使う場合):dice2d6=4 3 (7)

  • 27二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:40:29

    ヴィム先輩の選択肢で草

  • 28二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:48:00

    シーン表:雷鳴、風。どうやら一雨きそうだ。


    「なるほど。ジェタークの上層部に断章が取りついている可能性がある__と」

    「お手柄じゃん、ボブくん!」

    「ハハ……」

     ボブはイエルの服の隙間からちらちら浮いて見える謎の赤い鎖のような形の痕については一切見ないように気を付けつつ、そう報告した。別にBL自体は(ボブさえ巻き込まなければ)好きにやればいいと思うが、これ合意なのだろうか。ちょっとそこだけは気になった。明らかになんらかの拘束的なサムシングの魔法を使っているだろ。いやBLならたとえ最初は非合意でもどうせやってるうちにどんどん絆されてくるんだろうな。ボブは遠い眼をした。やたら解像度高く理解できてしまう自分がちょっと嫌だった。

    「……それなら、そこに関しては実際にボブに調査してもらった方がいい。同じ寮なんでしょ」

    「えあ、そう……ですけど」

    「ふふ!記念すべき初仕事、期待しているよ?ボブくん」

     エランが無表情に、イエルが笑いながら促してくる。これ俺が出てったらまたおっぱじめるやつじゃないのか。おっぱじめるやつだ。ボブは詳しかった。後輩が頑張っている間にそっちを頑張ってるなんてややちょっと割とだいぶムカつく。だがあまり深入りしても今度は自分に深入り(意味深)される可能性があるわけなので、その辺にはそっと目を瞑っておくことにした。

    dice1d3=1 (1)

    1:「……えっと、お二人は何か情報を手に入れましたか?」と尋ねてみる。dice1d2=1 (1) (1:持ってた! 2:持ってない)

    2:「……そういえば、さっきそこでラウダ?って人に出会ったんですけど……」と聞いてみる。

    3:「じゃ、いってきます!」と飛び出す。まなばない!dice1d2=2 (2) (1:グエル 2:ヴィム)

    3の場合↓

    シーン表:dice2d6=4 2 (6)

    事件表:dice2d6=4 4 (8)

  • 29二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:58:18

    毎回思うけど、やっぱり主の作るストーリーとか構成とか、本当に面白いなあ…

  • 30二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 22:59:48

    「えっと。お二人は何か調べられましたか?」

    「もちろん」

    「えっ」

     まさかの即答で、ボブはやや困惑する。ちょっとそれは予想外だった。お前らヤッてるだけじゃなかったのかよ。イエルがひらりと指を振ると、白い騎士のような形をした手のひらサイズの人形が現れた。

    「俺は『エロスの精霊』を使役できる。誰かの愛を検知することで、そこに含まれる微妙な違和感を探り当てることができるんだ」

    「なんだよエロスの精霊って……えっちなの……?」

    「失礼だな、愛って意味!」

     どっちにしてもアウトだ。てかアレって諜報活動(?)だったのかよ。それとも単純に趣味でやってたのか?どっちにしても嫌だな。ボブが頭の中でつらつら考えながらイエルを見ていると、何故かエランに睨まれた。何?怖……

     イエルが更に、指を振る。

    「断章が取りついてるのは、この三人。dice1d2=2 (2) (1:グエル・ジェターク、エラン・ケレス(様)、シャディク・ゼネリ 2:ヴィム・ジェターク、デリング・レンブラン、サリウス・ゼネリ)。基本ここからは、彼等に戦闘を挑んで、その破片を回収することにあてる」

    「彼はふざけてはいるけれど、この魔法に関しては性格だから信用していい」

    「ちょっと~エラン、ふざけてるってどういう意味!?」

     イエルがぷくーとふくれて、エランの脇を小突いた。エランは無表情に座っているだけである。グエルはやや考えて、「つまり?」と尋ねた。

    「この三人、全員叩きのめす」

    「ワ……」

    「躊躇はいらない、全力でやって」

    「ワアァ……」

     ちょっとだいぶ怖かった。

    dice1d4=4 (4)

    1:グエルorヴィムから行こう。

    2:様orデリングから行こう。

    3:シャディクorサリウスから行こう。

    4:もうちょっと準備を整えよう。いやあ俺ちょっとだけ席外しますね!後はお若い二人で!!

    「そうだ」

     不意にイエルが、それまでのふざけた調子を放って、真剣な様子でこちらを見つめる。

    「ひとつ。なにか、よくない反応がある。強大な、魔法のような、そうでないような__とにかく不気味な力だ。できるだけ警戒した方がいい」

    「……それもうエンカしたかも……」

    「え?」

    「なんでもない」

  • 31二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 23:12:30

    大人組がでるのはめずらしいな

  • 32二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 23:14:51

    場合のよっては大人組とのフラグが立つのか…?

  • 33二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 23:16:46

    大人組がすでに3Pしてるかもしれんし

  • 34二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 23:17:12

    ヴィムとフラグ立つとか地獄かよ…いやボブはヴィムとは無関係の一般ボブなのか?

  • 35二次元好きの匿名さん23/10/06(金) 23:19:48

    果たして大人達は普通に大人なのか
    あるいは生徒枠としては若返ってんのか

  • 36二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 07:40:41

    ボブちゃんは大人に対して激チョロそうで心配だわぁ(ニチャア)

  • 37二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 16:53:44

    なんでやグエルくんはちゃんと危険人物センサー持ってるやろ
    なお父さん

  • 38二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 21:33:01

    ラウダが出ただけでハラハラニヤニヤしてしまう…どう絡んでくるのか逃げられるのか楽しみ!!

  • 39二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 21:59:01

    「……まずは準備を整えましょう。話はそれからです」

    「準備とは?」

    「俺、ちょっと人を探してくるので!エランとイエルはあとで合流しましょう」

    「……?よくわからないけど気をつけて」

     イエルが不思議そうな顔をしながらふわふわと手を振った。グエルは外に出て、中の二人に気取られないよう大きく息を吸って吐いてから、両手に力を込める。

     __『衝動(アージ)』。

     本来は使役する精霊や騎士などの攻撃性を暴走させるためのものだが、あのふたりにかけておけば__まあどうなるかは考えるまでもない。これでいよいよ、『三人でどうこうなるやつ』にはならないことが確定した。特段あの二人に限るのであれば、これ以上何も心配することはない。身体が軽い……!もうなにもこわくない!!

     さて、問題はここからどうするか、だが。

     ヴィム、サリウスは、それぞれグエルとイエルの所属する寮の寮長をやっている。デリングは決闘委員会の筆頭で、今は専用の部屋を用意してもらっているのだったか。ヴィムに限ればボブもそこそこ交流があるが、学年が違うのでそこまで交流があるわけでもない。

    「……」

     あのラウダという人物も、カミルが無事かどうかも、気にならないといえば嘘になる。もちろんBLフラグの可能性も高いが、同じくらい__そう、怖いのだ、自分に、自分の知らない「何か」が、確実に存在しているのが。

    「うーん……」

     ここからグエルは、ひとりで行動しなければならない。

     ……どうしよう?

    dice1d4=1 (1)

    1:dice1d3=2 (2) (1:ヴィム 2:デリング 3:サリウス)と接触する。

    2:カミルの様子を見に行く。

    3:ラウダと接触する。

    4:魔法の練習をする。ふうん、俺は二つの魔法を使えるのか……どっちを召喚しよう?dice1d2=1 (1) (1:騎士 2:魔王)

    3:

  • 40二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:06:25

    デリングか…相性悪くは無さそうなんだけどやる事は苛烈なんだよなぁ

  • 41二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:16:47

     __デリング・レンブラン。

     決闘委員会の筆頭で、経営戦略科三年。ボブの先輩にあたる。ミオリネ・レンブランのいとかだか兄だか、詳しくは知らないがそういう存在で、次期グループ総裁であり、成績はぶっちぎりのトップで、周囲からも一目おかれている。今思えばこのやや破綻した設定も、断章__悪い魔法使いの影響で改竄された現実故なのだとしたら、納得もいくというものだ。

    「えっと……なんだっけ……」

     ボブは回想する。

     基本的な流れとして、まずは本当にその人間に断章が取りついているのか魔法をつかって確認し、その後戦闘を挑む。この際は自身の二つ名__『魔法名』を宣言することで、魔法使いとしての真の姿に覚醒するのだとか。なんだかかっこいい。ボブはちゅうに病という不治の病にかかっているのでそうおもった。

     どうやらデリングは、今はとある空き教室にて、自習をしているらしい。

     扉の外から中を伺う。淡い色の瞳は吊り上がって、眉間には深い皺が刻まれているが、黒い髪のせいか体格のせいか、やや儚げに見える。たぶん気のせいだ。ここで『華奢』なんて言葉を使ったらいよいよおしまいなのでボブは咳払いをして無意識を誤魔化した。

    「……」

     デリングがこちらに気づいている様子はない。

     どうしよう?

    dice1d3=1 (1)

    1:デリングの【追憶】を確認して、過去の記憶やらなんやらから真実を探る。ん?これは……dice1d3=1 (1) (1:ヴィム 2:サリウス 3:ボブ)に関する思い出が多い……?

    2:【自由の騎士】(使い魔。ダリルバルデのすがたをしている)を呼び出してデリングを探らせてみる。

    3:うるせ~!行こう!!(戦闘)

  • 42二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:19:13

    慎重でよろしいと思ったらヴィム出て来たな……チャート破壊の権化じゃん

  • 43二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:20:33

    まさかヴィムデリヴィムの気配……ガタッ

  • 44二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:28:09

    10代のデリングなんです!? ヴィムとサリウスも!? 新たな可能性出てきたな

  • 45二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:31:39

     ……人の記憶を勝手に覗き見るなんて、よくない。

     そう思いながら、ボブはそっと手を組んだ。指先を絡ませて、祈るような姿で。

     さすればボブのからだが、ふわりと発光する。指先がふわりと熱をもつ。これが、魔法を使うという、感覚。世界と一体化するような、とけていくような、あらためて不思議な感じだ。いや魔法なんだからトンデモで不思議でオカルトじゃないとおかしいのだが__

     ……微かに目を伏せて。

     今までデリングが辿ってきたあらゆる過去と、可能性を、追憶する。どうやら本来の歴史では、彼はベネリットの総裁であったらしい。なるほど1グループのトップだけあって、責任と重圧に押しつぶされ、愛する人に先立たれ、そうして。

     __そうして、気付く。

     いや、知る、理解する、わかる。あの時も、あの時も、あの時も。この人はずっと、ヴィム・ジェタークを見ていた。そうして考えていた、もっと違う世界だったら、もっと違う設定だったら。どんな出会いだったか。どんな関係だったか。憎しみ合わずにいられたか。あるいは__

    「……」

     そういう願いに、つけこまれた。

     彼は悪い魔法使い__断章【世界】に憑依されている。

     それも、かなり深い場所まで。このまま放置しておけば、いずれ完全に乗っ取られてしまうだろう。できるだけ早いうちに、助けなければ。それに、これは個人的な感慨だが。

    「__人の想いを利用して、世界を変えようとするなんて……!」

     これは憶測だがこの感じ、敵の名前は【絶対BLになる世界】な気がする。そして残りのふたつは【絶対】と【BL】あたりに分裂してどっかに潜んでいる気がする。許せねえよ……

     ボブは決意を新たに、ぐっとこぶしを握り直した。

    dice1d3=2 (2)

    1:早速戦闘を挑む!

    2:先にヴィムを探してみようか?

    3:「関わってはだめ、と言ったよね」と声がかけられる。

  • 46二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:48:53

    「……いたっ、ヴィム先輩!」

    「ん?ああ、ボブじゃないか」

     先を歩く茶髪の男に声をかける。彼はくるりと振り返り、やや生意気そうな笑みを浮かべてみせた。

     彼の名はヴィム・ジェターク。パイロット科三年、ジェターク寮の寮長だ。行き場を失っていたボブをひろって、ジェターク寮にいれてくれた恩人でもある。ボブは無意識に背筋をしゃんと伸ばし、「お疲れ様です」と頭を下げた。ヴィムはふふん、とやや小生意気そうな笑みを浮かべ、肩にかけた上着をふわりと揺らしてみせた。

    「何か困ったことはないか。いじめられたらすぐに言えよ、俺がなんとかしてやる」

    「ありがとうございます……!」

    「うちの寮生が舐められるなんて許せないからな!なんでも相談するんだぞ」

    「もちろんです!」

     にこにこ話しながら、ボブは彼の様子を伺う。

     ぱっと見た限り、おかしなところはない。

     本当に彼もとりつかれているのだろうか?とりつかれているとして、一体何に?考えてみる。もし彼がBLにとりつかれてたらマジでどうしよう。グエルはちょっと思った。

     __いや。

     ヴィムがなにであっても、ボブにとって大事な先輩であることには変わりない。ヴィムを、大切な皆を守るために、ボブは戦うのだ。例え誰に知られなくても、たとえいつか誰ともおわかれしなければならないとしても。

     今の回想ちょっとBLぽかったな。ボブは思った。これから気を付けなければならないと切に思った。

    dice1d3=2 (2)

    1:同じく【追憶】を使ってヴィムの記憶を見てみる。えと……dice1d3=2 (2) (1:デリング 2:ボブ 3:……?)

    2:「いやあちょっと、いろいろあって……」とヴィムの【怒り】を煽ることでヴィムを探る。

    3:「ヴィム先輩ってデリング先輩のことどう思ってるんですか?」と直球で聞いてみる。

  • 47二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:01:12

    「いや、それがその、ちょっと。いろいろ……あって……」

     ボブはやや憔悴したような演技をみせる。そうすればヴィムは「なんだと!?」とすぐに眦をつりあげた。単純な人だ。単純だからこそ、強い人だと思う。

     同時に、頭の中で呪文を組み立てる。【衝動】__先程エランとイエルのいる部屋に向けてはなったものと、同一だ。ただしこれはどちらかというと、嘘をつきづらくなる、自分の本心を話さずにはいられなくなる、そういう自白剤に似た類の使い方でる。

    「誰だ。グラスレーか、ペイルか?」

    「いえ、その。友人関係なんですけど」

    「言え。俺が助けてやる、必ず!」

    「その、」

    「今度こそ」

     不意に、ヴィムが俯いた。

    「失いたくないんだ、俺と、お前らを、繋ぐものを、……【絶対】……」

     右の手がボブの肩を持つ。微かに震えて、否、痙攣している。あるいは左手は、己の腹に添えられている。なにかから庇うように。

     こんな単純にひっかかるとは思わなかった。

     だけどだからこそ、この人はこの人だ。

     ヴィム・ジェタークは、断章【絶対】に憑依されている。

     本来の歴史では、この人はジェターク社のCEOであった。やや高圧的でこそあるが、息子を愛する普通の親であった。だけどある時を境に、徐々に何かが壊れて、なにかに、脅かされて、取りつかれて。そうして最期は__

     息子の手によって、殺された。

     ヴィムは本来この世界には、『死んだ』はずの人物だ。それがこうして生きて動いているのは、魔法の仕業に異ならない。もしヴィムから魔法使いの存在を引き剥がしたら、同時に彼も死んでしまう。それが正しく、あるべき形だから

    (……だからデリング先輩は……)

     何かが繋がって、ボブは俯いた。

     手のひらに爪が食い込んで、少しだけ、痛かった。

    dice1d3=3 (3)

    1:先にサリウスのところも確認してみようか?

    2:「ヴィム先輩……俺は……」とヴィムの手を取る。

    3:……ヴィムをデリングのところに案内してみる。

  • 48二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:04:30

    わくわく

  • 49二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:07:55

    ヴィムとデリングで対消滅させるのか?

  • 50二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:31:15

    「……ついてきて、ください」

    「ボブ?」

     ヴィムは半ば無理矢理ヴィムの手を引き、歩き出す。

     諦めたくない。終わらせたくない。……この世界が紛い物のおもちゃで、それを正しく戻せばかならずデリングは想っていた人を失うことになるのだとしても。何もしないままで、いたくない。

     それはもしかしたら自己満足なのかもしれないし、あるいは「もしかしたら自分ならなんとかできるかも」という根拠のない自信なのかもしれない。ただ、ボブは。突き動かされるように、ヴィムを連れて歩いた。

     空き教室の扉を開ける。

     デリングが、何もかもわかっていたように、こちらを見た。ヴィムは「デリング……?」とはっとしたように彼を見るが、デリングは何も言わないままだった。ヴィムが自分の腹のあたりをぎゅっと握り、ボブの手を離すと、つかつかとデリングの方に向けて歩み寄る。

    「デリング、まさか、お前か。お前なのか」

    「何の話だ」

    「お前が俺を、墓場から叩き起こしたのか!」

    「お前は生きているじゃないか」

     感情の読めない声だった。

     本気でそう思っているのか、それとも別のことを思っているのか、わからない。どちらにせよ、切羽詰まったように声を荒げるヴィムを見ていると、何か胸が締め付けられるような、酷く悲しい思いが、あった。

    「俺はお前の同情で生き返りたくなんてない、だから、お前は、気に入らないんだ……傲岸で、自分勝手で……!」

    「……」

     デリングは何も喋らない。ただ、自分の胸に縋るようにしてがんがんと殴ってくるヴィムを、静かに見下ろしていた。

     ボブは__

    dice1d3=1 (1)

    1:デリングに取りついている断章に決闘を申し込む。これで色々改善したりしないか……?

    2:ヴィムに取りついている断章に決闘を申し込む。するか、介錯……

    3:????

  • 51二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:41:14

    なんだかんだでシリアスしてる2人はさておき残るサリウス代表の断章が今の所はギャグっぽいのがちょっと笑えるな……いやそれが【BL】とは限ら無いし仮にそうだとしてももっと別の何かの略の可能性もあるけどね?

  • 52二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:43:36

    絶対BLになる世界が分裂して憑りついてるとか見て笑ったけどシリアスしてるな…

  • 53二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:46:50

    「……デリング・レンブラン」

     ボブはヴィムを、そっとデリングから引き剥がした。ヴィムは、何も言わなかった。ただぎり、とくちびるを噛んで、デリングを見るだけだった。

    「あなたは希望を得るために、叶えたかった想いを叶えるために、それにつけこまれて、取りつかれてしまったんでしょう」

     彼は何も喋らない。

     もしかしたらもう精神のほとんどを悪い魔法使いに支配されてしまっているのかもしれない。だったらそれは、許せないことだ。人の想いを弄び、利用するなんて。特段このBLの世界においては致命的によくないと思う。BL的に。いやある意味おいしいのか?ボブは一瞬真面目に考えこみそうになって、こほんと咳払いする。

    「ひとつ、問います。あなたが望む世界は本当に、これですか?あらゆる運命が交錯し、ヴィム・ジェタークと再びやりなおすことのできる『これ』なのですか?」

    「この人間はそれを望んでいたよ」

    「__それが『お前』か」

     戦うべき、相手だ。

     デリングが、ふわりと倒れる。ヴィムが咄嗟にか、「デリング!」と叫んでその身体を支えた。そこからまるで発芽するように、真っ白で巨大な種があらわれる。ボブはふっと、手を振った。どこからともなく現れたのは、黒く無骨な薙刀である。それは窓の外のあかりを反射し、きらきらと輝いていた。

    「デリング・レンブランの想いを利用し、世界を創り変えんとした。どちらも許しがたい大罪、決して許されぬ『悪い魔法使い』さん」

     切っ先を、向ける。

     周囲の力が高まるのを感じる。ふっと目を閉じ、開けば、自分の体に灰色の防具のようなものがまとわりついてくるのを感じた。普段よりいくらか良い視界は、真っ赤なモノアイに支えられている。

     これが、魔法使い。

     正真正銘、初仕事だ。

    「ボブ__『プロドロス』が、お前に決闘を申し込む」

     さて、白星を頂こうか。

    dice1d3=2 (2)

    1:【自由の騎士】を召喚する!なるほど……こいつは赤くてちっちゃい俺って感じの姿なんだな

    2:【追憶の魔王】を召喚する!なるほど……こいつは割と俺そっくりな姿をしてるんだな

    3:おっしゃ薙刀で叩き斬りに行くぞ!

    dice2d6=1 6 (7) (5以上でダメージが与えられるよ!ただし両方2が出る大失敗をすると……)

  • 54二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:50:44

    来ちゃったよ魔王…

  • 55二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 23:55:22

    合計5以上だから良かったけど最大値と最小値を出してくるとはまた極端な

  • 56二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:04:54

    「【魔王召喚(サモン・ロード)】、出でよ、追憶の魔王よ、敵を殲滅せよ!」

     ボブは薙刀を地面に突き刺し、そう宣言する。さすればどこからか、真っ白な衣装に身を包み、頬に赤い痣のようなものを浮かせ、額から二本の角を生やした、ボブにそっくりの青年があらわれる。彼はちらりとボブの姿を確認すると、小さく笑みを浮かべてみせた。

    「俺を【魔王】としておきながら、命ずるとは。我が主はどうやら余程わがままらしい」

    「いやお前意思疎通できるのかよ!?なんかそういう概念とかそういうんじゃないのかよ!!」

    「ふふん、俺はそこらの騎士や精霊とは違う、特別なんだ。喋れるに決まっている」

     魔王はやたらどやあ……とばかりの顔をして胸をはってみせた。なんだか調子が狂いそうになる。「何とお呼びすれば?」とやや困りながら聞いてみれば、彼はどこからか白い大剣を取り出して言った。

    「シュバルゼッテ__黒き紛い物。俺はそういう意味を持つ、お前の中ではな」

    「……?」

    「ふふ、ハハハハハ!さあ命じろ。この俺に!」

     ボブは不思議に思いながらも、すぐに気を取り直す。そうして薙刀を握り直し、ガンと地面を突いて、駆け出した!

    「右四十度の方向から頼む、挟撃するぞ、【シュバルゼッテ】!」

    「イエス、マイロード」

     シュバルゼッテの体から、無数のビットが分離し、レーザーを放つ。青く白熱した色は、それだけ彼が本気であることの証左だ。それは逃げ場を潰すように、敵を追い詰める。そして、

     ボブの刃が、種の中心を深く抉った!

    dice1d3=1 (1)

    1:このまま攻撃を続ける!

    2:……そういえば【衝動】って魔法、本来は使い魔を暴走させるためのものなんだよな?(アイデア成功)

    3:ちょっとこう、いい感じにシュバルゼッテと会話とかできないか?

    dice2d6=4 1 (5) (↑の間違えてましたわ!5以上で攻撃成功、両方1が出て合計2ならファンブルです!)

  • 57二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:11:34

    大丈夫?大丈夫なのかこれ!?

  • 58二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:30:31

    やだ、ボブ君たらカッコいい…
    凄く読みごたえある、また保存して読み返そうっと

  • 59二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:31:51

    「っわ、」

    「ボブ!」

     種が身震いをする。

     同時に、ボブの体が弾き飛ばされ、壁にぶつかって崩れ落ちる。シュバルゼッテが心配するようにこちらを向いた瞬間、彼もまた吹き飛ばされ、悲鳴をあげた。がは、と口から吐いたのが、血ではなくどす黒い何かであったことで、ボブはようやく、自分が人間ではなくなったことを実感する。

    「大丈夫だ、しんぱいには、およば、ばい」

    「ボブ__」

     シュバルゼッテは少し考えるような素振りをしてみせた後、ぐっとくちびるを噛む。そうして、「お前がそこまで言うなら」と立ち上がり、ボブの持っていた薙刀を奪い取る。ボブが「あ」と声をあげる前に、彼は持っていた剣を放り投げ、薙刀を掲げた。

     瞬間、剣を覆っていたビットが展開し、薙刀を包み込む。白く発光し、輝く。ゴウ、と風が呻り、叫ぶ。種が再び震えるが、それより先に、シュバルゼッテがニイと口角を吊り上げ、真っ直ぐにつっこんだ!

    「応えねばならない、何故なら俺は!」

     __その言葉の続きを聞く前に。

     魔王と種がぶつかり、爆発する。あとに残された本のようなものが、ふわりと浮き上がり、ボブの手の中に納まった。

    「これが……」

     断章、立ち向かうべき、敵。

     持っていると熱く、力がこもっているのがわかる。はっとして周りを見てみると、いつの間にやら周囲の景色はもとに戻っていて、ボブ自身も、元の姿に戻っていた。

    「……取り戻せるなら、と、思わなかったと言えば、嘘になる。だが」

     デリングがヴィムの手を取り、静かに呟く。

    「それ以上に、きちんとさよならが言いたかった。それだけだ」

     何故私以外に殺されたのだ、ヴィム・ジェターク。

     デリングの静かな慟哭に、ヴィムは閉口した。

    dice1d3=1 (1)

    1:このままヴィムの方とも連戦する!

    2:……いったん、回復に務めよう。しばらく二人の時間を設けてやるべきだ。

    3:「いやなんでそんな命令する?別に俺はお前に興味ないんだが……」と全然閉口しなかった!ウワアヴィム先輩ちょっと黙ってください!!

  • 60二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:37:44

    ボブめっちゃ好戦的やな

  • 61二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:40:47

    ヴィムとデリングがしっとりしてる

  • 62二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:44:32

    「……」

     ボブはしばらくその様子を眺めた後、静かにヴィムの肩を叩いた。ヴィムはくるりと振り返ると、少しだけ視線を落としてみせる。

    「俺は……死んでいる、んだよな。妙な力で蘇ったらしいが」

    「そう、ですね」

    「死んでいるのがあるべき形だ、デリングは……」

    「……俺は、あなたを、殺さなければならない」

    「そうか」

     どこか吹っ切れたような、晴れやかで。だけどもなぜか、悲しそうな笑顔だった。

    「結局俺は、そうなる運命なんだな」

     ヴィムの体から力が抜ける。

     その腹を食い破るようにして、真っ黒で巨大なロボットが現れる。これが、断章【絶対】。どういうわけか心の奥が身震いするような、不思議な感覚だ。

     再び薙刀を構える。ぱちぱちと火花が散っている。世界が剥がれ落ちて、再構築される。だめだ、感傷にひたってはならない。ボブのなすべきことは、これを倒し、回収すること。それ以上でも、それ以下でもない。

     __ないはずだ。

     連戦のせいか、ボブの体のあちこちが、悲鳴をあげているのがわかる。これでは少しでもダメージを喰らったらそのまま死んでしまうかもしれない。縁起でもないことを思っていると、黒いロボットが、こちらに銃を向けた。ボブは真っ赤なモノアイを閃かせ、薙刀を構える!

    dice1d3=3 (3)

    1:もっかい【魔王召喚】だ!シュバルゼッテを呼ぶぞ!!

    2:今度は【自由の騎士】を使ってみるか……?

    3:おっしゃあああステゴロ!やっぱ時代は殴り合いだぜ!!

    dice2d6=6 1 (7) (5未満の数が出ると……?)

  • 63二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:52:07

    今回は5未満の方が返って良かった気もするが果たして……

  • 64二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:52:39

     前のめりに黒いロボットの懐に飛び込み、薙刀を振り下ろす。ロボットが一歩引いた。刃が顎先ぎりぎりで空を切る。ボブはからぶった勢いそのままに一回転し、空中で身体をねじって、そのまま回し蹴りを決めた。ボブの片足は、しかしロボットの腕によって塞がれる。足首を掴まれ、ボブは咄嗟に逃れようとしたが、それより先に、ロボットの指先にギリギリと力がこもった。

    「ッ、く……!」

     骨がきしんで悲鳴をあげる。いくら魔法使いであっても、まだ人間である頃の感覚を捨てきれていないのか。痛みに思わず顔を顰め、ボブは薙刀を両手で構えた。切っ先が金色に白熱し、レーザーを放つ。

     唐突に脈絡なく出てきたそれが、ロボットの顔面にあたる部分をじゅう、と焼き尽くした。同時に力が緩む。ボブはすぐにその手を蹴りあげ、ひらりと着地する。そして勢いそのまま、ロボット目掛けて突進し、その腹部に刃を突き立てた!

     ……なんでこんなに真面目に戦闘シーン書いてるんだろBLで需要ないだろ。

     やや疑問に思わないでもなかったが、そこは目を瞑ることにした。何故ならちょっとでも足を止めたらマジで死ぬので。

    dice1d3=1 (1)

    1:やっぱ一人はつれぇわ……!シュバルゼッテ来い!!

    2:物は試しだ!【自由の騎士】を召喚してみよう

    3:おらああああ殴れ!!(ステゴロ)

    dice2d6=6 1 (7) (5以上で攻撃成功。4以下だと……)

  • 65二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:53:12

    さっきから出目が極端だな

  • 66二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 00:59:25

    片っぽが1が続いてるからどっかでファンブりそうで怖い フラグを立てるな? それはそう

  • 67二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:00:48

    面白い…またいつもとは違うテンションで話にグッと引き込まれる…
    主は引き出しの中に、本当に色々なもの持ってるんだなぁ

  • 68二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:07:24

    「ぐっ……【魔王召喚(サモン・ロード)】、来てくれしゅばるぜって!」

    「呼んだか?」

    「よんだけどもうちょっとこう情緒とかないのかよ……さっき爆散したじゃねえか……!」

    「お前の呼びかけに応じて何度でも実体化できるからな。なんならお前が頑張れば同時に複数顕現できるぞ」

    「やりたい放題かよ!!」

     白き魔王がけらけら笑い、大剣を構える。会話の応酬をしながらも、視線は敵に固定されているのだから大したものだ。目を閉じ、開ける。

     シュバルゼッテが援護するように、ロボットの逃げ場を潰してくれている。これなら外さない。外せない。両手で薙刀を握り、突き出す。ただ真っ直ぐに、まっすぐに。そうして、

     __刃を突き立てる間際、ボブは無意識に呟いていた。

    「ごめんなさい。大丈夫。安心して、一人じゃないから。今はおやすみ」

     爆発する。


     ……、

     流石にこれだけ連戦すると、なんだかかなり疲れていた。全身ぼろぼろで、動けそうにない。【絶対】は本の姿となり、ボブの手の中に納まる。デリングにとりついていたものと、形は似ているが全く別のものだ。

     顔を、あげる。

     デリングは起き上がったのに、ヴィムはくたりと倒れたままだった。デリングがそれを抱き上げ、うずくまっている。その姿は痛々しくて、悲し気だった。

    dice1d3=2 (2)

    1:「あー……デリング先輩、きっといいことありますよ」とそっと肩を叩いてみる。

    2:何も言わず部屋を出る。休みたいし!ここで話しかけるとBLフラグになりそうだし!!

    3:ヴィム「は?生きてるんだが?勝手に殺すな」

     

  • 69二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:14:41

     ボブは何も言わず、そっと部屋から出た。

     二冊の本は、とりあえず鞄にいれておくことにする。今のデリングは、そっとしておくべきだし。二人に、しておいてあげたかった。あとなによりここで下手打ったらそのままボブとのフラグになりそうなので怖かった。

     __全身ぼろぼろで、傷も酷い。

     肩が上がらない。腕が痛いし、片足に関しては引きずらないと歩けそうにない。詳しく検査してもらったわけではないからわからないが、この調子だと骨が折れているかもしれない。なんとか壁にもたれかかって、ずるずる、這うように動く。確かエランが回復の魔法を使えるとか言っていた、ような気がする。彼に頼めばなんかこう、いい感じに治してくれないだろうか。いやそもそも頼めるだろうか。今あいつらどこにいるんだろ……またあの空き教室でお楽しみだったりするのだろうか……?

     ……どちらにせよ、今この状況で普通の人間に__【魔法使い】を知らない人間に出会うのは、まずい。

     人気のない場所を選び、ボブはなんとか息を吸って吐いて、ふらつきながら歩いた。

    dice1d3=2 (2)

    1:カミルが「ボブ……!?」と声をあげながら駆け寄ってきた。ウワアフラグを立てるから!

    2:何事もなくエランとイエルに合流できた。彼等はdice1d3=3 (3) (1:調査中 2:サリウスに取りついていた分を回収 3:さくやはおたのしみ)していたらしい。

    3:__唐突に、身体の傷が、ふっと治る。

  • 70二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:19:15

    ヴィムなのに、切ない…

  • 71二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:25:58

     ぽう、とエランの指先がボブの傷を撫でる。

     痛みがすうっと引いていく。同時に身体が軽くなって、どうやら完全に回復したらしい。魔法とは本当に便利だ。あるいは魔法使いの体が便利なのか。「ありがとうございます」と言えば、エランは「別に」とそっけなく言った。……そっけなく言ったが、こう。やたら服が乱れているし、何故か普段かっちりと詰まっているはずの襟から赤い痕が無数にある首元が見えているので、ついさきほど、ボブが真面目に戦闘やってる間、この二人が戦闘(意味深)していたことは疑いようがない。いや別にいいんだけど全然……こう……ほらさ……一応俺後輩なんだしさ……!

     __回収してきた断章ふたつを、エランの前に置く。

    「これはそれぞれ、デリング・レンブランと、ヴィム・ジェタークのぶんです。回収した結果、ヴィム・ジェタークは__正しくあるべき形に戻りました」

    「何故泣きそうな顔をしているの、ボブ」

    「俺は、間違っているのかな……あれでよかったのかな……」

    「キミが正しいことをしたのかなんて、俺にはわからないけど。少なくとも最善の選択をしたと思うよ」

     イエルが不意に、ボブの髪を撫でた。エランが無表情に、頬杖をついてこちらを見る。

    「それでいい。君は迷いながら、それでも進むことに決めた。それが君の、『ボブ』の、『プロドロス』の、正義なのでしょう。ならそれを貫くことが、彼への餞だよ」

    「それが、介錯をすることであっても?」

    「……馬鹿だね」

     エランは小さく笑って、それきり黙りこくった。

    dice1d3=3 (3)

    1:「残り一つの回収はセンパイたちに任せます!俺疲れたんで!!」と言ってみる。

    2:「……ありがとうございます。じゃあ、俺、次の仕事にいきますね」と立ち上がる。二人はdice1d2=2 (2) (1:ついてくる 2:ついてこない)

    3:「そうだ。その……『ラウダ・ニール』って何者ですか?」とそろそろきいてみる。

  • 72二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:28:10

    気になるけどそれ聞いちゃうのボブ!いや気になるけど

  • 73二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:40:57

    い、一応ヴィムの方はまだシュレディンガーの猫的な可能性もあるからさ(3は選ばれなかったとはいえまだ死亡確定はしてない…)
    後シャディクとエランを煽ったのは君だから文句言う資格はないぞボブ…w

  • 74二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:46:05

    「……あの。『ラウダ・ニール』って何者ですか」

    「出会ったの?」

    「ええ、まあ、はい」

     ボブが言葉を濁すと、エランが苦虫をかみつぶしたような顔をする。そうしてぽつぽつと、語り始めた。

    「彼が何者なのかは__実は、僕達にもわかっているわけじゃない。ただわかるのは、古い、ふるい昔から、存在していること。僕達に敵対していること。そして、」

    「『誰か』を探していること」

     イエルがにっこりと笑って、エランの頭に己の顎をのせた。エランがむぐ、とつぶれたような音をたてる。イエルがからから笑い、続ける。

    「それが『誰か』はわからない。ただ気まぐれに表れて、俺達に攻撃を仕掛けてくる。彼はつよいよ、とってもね」

    「……君を見つけた時も、彼と戦ったあとだった。案外、彼の魔法を近くで浴びた影響で、君も魔法に目覚めたのかもね」

    「な、なるほど……?」

     全て理解したわけではないが、だいたいわかった、ような気がする。だが、それだと何故、自分が彼に対して、『懐かしい』だなんて思ったのか__全く、説明がつかない。だけどあれは確かに、運命だった。無意識に、そう感じた。根底に、自分とあれは、家族だったのだ、という確信があった。

     目を、伏せる。「見つかったらできるだけ逃げるか、俺達を呼ぶこと!」と言いながら、イエルがボブの頬をつつく。ボブは釈然としない思いを抱えながら、とりあえずこくりと頷くことにした。

    dice1d3=3 (3)

    1:回復も終わったし一緒にサリウスのところに行くか!

    2:じゃあサリウスのぶんの回収は頼みました!俺休んでます!

    3:……シュバルゼッテ、追憶の魔王に聞けば、何かわかるだろうか?召喚してみよ!dice1d2=1 (1) (1:一人で 2:二人の前で)

    「……ふふ」

    「自分の記憶にはないある人間を正しい形に戻しただけで、あんなに思い悩むなんて」

    「本当に愚かだなあ、だからこそあなたは、あなたなんだ」

    「僕の血族」

    「僕の運命」

    「僕の__」

    「ふふ、」

    「ふふふふふふふ!」

    もうだいたい決まってるけど、せっかくなので細かいところはダイスふってみよう!血縁(家族、兄弟、伴侶)のうちdice1d3=2 (2)

    1:兄弟

    2:家族

    3:花嫁

  • 75二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 01:56:03

    可愛い顔して なんか不穏な雰囲気でもある…?
    君は 敵なの?味方なの?

  • 76二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 02:02:07

    前スレではボブとグエルは他人設定だったが…
    果たしてどうなることやら

  • 77二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 03:49:57

    家族とはまたどうとでも解釈できる選択だな…

  • 78二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 04:19:58

    最高のしっとりデリヴィムデリをありがとう…
    しかしもしこれでサリウスの断章が【BL】だったらギャグというかもう三角関係を超えてなんかとんでもないことにならんか…?

  • 79二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 07:24:31

    まさかのサリボブが始まったりするのか…!?

  • 80二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 10:33:55

    前回のことを考えるとラウダがイエル・エランと敵対するのも仕方ないと思えるんだよな…

  • 81二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 10:48:43

    BLがぼーいずらぶの略称じゃない可能性も辛うじて残ってるかもしれないから…
    じゃあボブくんは何に抗ってるんだって?なんだろうね(無責任)

  • 82二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 12:21:15

    「……【魔王召喚(サモン・ロード)】」

     ボブは静かに祈りを捧げる。

     さすれば白き青年があらわれて、「戦いか!?」と好戦的に目を輝かせた。ボブはふるふると力無く首を振り、シュバルゼッテの赤いひとみを、じっと見つめる。

    「なあ、俺はどうしてお前を操ることができる?どうして魔法を扱える?どうして戦っている?……俺は、何者なんだ?」

     尋ねれば、シュバルゼッテがきょとんとしたような顔をする。しかしそれも一瞬のことで、すぐにふわりと笑みを浮かべ、ボブの頭を優しく撫でた。

    「失った過去を取り戻すのは、特段【追憶の魔王】であれば容易い。だが俺は、それをしない。なぜならお前はそれを望まないから」

    「のぞんでいるよ、俺は」

    「いいや。拒んでいる。俺はお前に抗えない、お前の知っていることしか知らない、俺はお前で、お前は俺なのだから。だから自分で見つけるんだ、ボブ」

    「……怖いよ……」

    「内心の不安を吐露できるなら百点だな。お前はそのままでいて」

     シュバルゼッテがボブの額に、優しくキスを落とした。

     祝福するように、優しく。柔らかい感触はあまりに鮮明で、しかし不快ではない。この状況に、ボブは__

     はっと気づきを得た。

     これシュバルゼッテともフラグたつやつか?フラグたつやつなのか!?こいつギリ自我あって会話通じるだけの概念存在だろ!?なんでだよ!ツカイマならツカイマらしく主に従えよ!!いやツカイマと魔法使いのカップリングはまさか王道なのか?いやそれにしても。概念というか魔王とカップルにされるのはBL以前の問題だ。

     サッと顔を青ざめさせたボブに、シュバルゼッテが「あるじ?」と声をかけてくる。彼に向かって、ボブは__

    dice1d3=2 (2)

    1:「はなしきいてくれてありがとな!ばいばい!!」と強制送還

    2:「……それでも知りたい、教えてくれ……思い出させてくれ」と懇願する。

    3:【自由の騎士】も召喚して対消滅だ!!!!

  • 83二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 12:48:52

    そういうところだよ…

  • 84二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 12:52:14

    進む男だねカッコいいよ(過去の敗北を振り返りつつ)

  • 85二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 20:52:46

    ほしゅ!

  • 86二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:08:58

    「……それでも、俺は知りたい」

     ボブは祈るように呟いた。

    「それは本当の言葉?覚悟なのか?」

    「お前が俺なら、わかるだろうに」

     シュバルゼッテが笑った。そうしてふわりと降りて来て、ボブの手をとる。どうやら伝わったらしい。目を閉じて、祈るように、囁いた。

    「お前が【追憶の魔王(おれ)】を操れるのは、ひとえにお前が俺そのものであるから」

    「……は?」

     意味が、わからない。笑みを浮かべるシュバルゼッテは、きれいだ。押し返そうとすると、つよく、つよく、腕を握られる。

    「どこかの墓荒らしさんは、連れていかれたものを取り戻したくてたまらないらしい。結果として昔の俺__俺という概念は、あいつに一度、殺された。そうしてうまれなおした」

     シュバルゼッテは笑うまま。何だか漠然と嫌な予感が湧いてくる。ひゅ、と息を飲み、振り払おうとするも、逃れられない。癒着でもしたように、ぴったりと重なって動けない。否、ちがう、最初から、彼と、自分は。

    「お前は【深淵の魔王】。かつて深い狂気の底、あるいは深淵なる宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)そのものを司っていた存在が、お前。その玉座を奪われて、あの日あの時、別たれて。【魔王】、概念体としての性質を持ったのが俺。そうでない部分__既に剥奪された深淵という性質を【追憶】するだけの、人形、世界の誤植としてうまれたのが、お前、ボブだよ」

     ボブは、だまりこむ。

     つまり自分は、最初から人間ではなかった?それどころか、カミルと、フェルシーと、ペトラと、皆と、一緒にいた記憶すら、偽物だった?__あの日、倒れていた時、そうだ、それまでの記憶がないのも当然だ、そもそも『存在しない』のだから。

     でも、そんな。

    「……うそだ……」

     俯いた頬が濡れる。

     青いひとみから涙がこぼれておちた。

    dice1d3=3 (3)

    1:シュバルゼッテが「ボブ……」と抱きしめてくる。

    2:「だから何って話だけどな!そうだな確かに俺どっちにせよ人間じゃねえし!!」と爽やかにサムズアップする。

    3:「……待て仮にも概念が殺されたって大丈夫なのか!?その、深淵?に住んでた宇宙的恐怖?とか……」とあわあわ心配してみる。

  • 87二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:13:25

    ワァ…どんどん深みにはまっていく…

  • 88二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:14:44

    そこで他を心配しちゃうとこだよ

  • 89二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:20:00

    「こんな時でも誰かの心配か、さすが俺」

    「自画自賛か?」

    「ふふ」

     シュバルゼッテはふわりと浮き上がり、空中に白い羽でスクリーンをうつす。これも追憶の性質なのか、そこにはふわりと映像らしきものが浮かび上がってきた。

     うつしだされたのは、こう……なんか……見てるとSAN値的な何かが減りそうな……明らかにこうヤバそうな……そういう化け物の数々だった。シュバルゼッテがそれらを俯瞰し、静かに呟く。

    「これが、【深淵】に棲んでいたものどもの数々。今これは、俺の力で【追憶】の中に隠している」

    「なんか一部消えた方がましなのもいないか?

    「もしラウダ・ニールにコレがバレたら、もしかしたら俺ごとこの存在を破壊されるかもな」

    「ハア!?なんで」

    「実際消えそうになったら怒るんだな。……お前にその記憶は与えられていないか、アイツは何故だか、やけに【深淵】を恨んでいる。宇宙的恐怖を憎んでいる。だからこそ俺らはこうして殺されてばらばらにされてるわけだし」

    「……何か、あったのだろうか。そんなに、なる理由」

    「さあ?【追憶(おれ)】にできるのは回想することだけ、そこに付随する感情はよくわからない」

     シュバルゼッテがからから笑った。ボブは「なんだそれ」とあきれるように顔をあげる。

     と。

     彼の指先が、ボブの額に触れた。その微笑みには、穏やかな祝福が宿っている。ボブは少しだけ面食らい、彼の瞳を見つめ返す。

    「だから」

     決めるのは、お前だ。

     彼と戦うのか。彼から逃げるのか。あるいは、決断を保留するのか。

     ふっと。

     音がして、シュバルゼッテの姿が消える。同時にどっと力が抜けて、椅子に倒れ込んだ。全身が重い。なんだか息苦しい。ふっと呼吸をして天井を見上げると、まだあの白い翼が見える気がした。

    「……ほんとにアイツ、俺なのか……?」

     ぜったいうそだろ。ボブはちょっと思った。

    dice1d3=1 (1)

    1:……ラウダと戦う。

    2:……ラウダから逃げる手段を考える。dice1d3=3 (3) (1:イエルとエラン 2:スレッタとミオリネ 3:シュバルゼッテ)に相談してみよう

    3:とりあえず保留だ!dice1d2=1 (1) (1:イエルとエラン 2:サリウス)の状況を確認しに行く

    シーン表:dice2d6=5 5 (10)

  • 90二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:23:27

    そこですぐにラウダと戦うを選ぶところだよ…

  • 91二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:40:14

    シーン:雑踏。あなたを気に掛ける人は誰もいない。


     廊下を探せば、すぐにラウダは見つかった。

     彼は微笑み、こちらを見つめている。雑踏の中、人はそこそこいるはずなのに、誰もこちらを見ない。気に賭けない。灰色に沈む世界の中で、ただラウダの金色の瞳だけが、爛々と輝いて見える。

    「お前が、俺を__『俺達』を殺したのか」

     問えばラウダは笑った。やだなあ、人聞きの悪い。一歩近づいて、どこからか巨大な斧を取り出す。切っ先で、ボブの顎を持ち上げる。

    「うみなおしてあげたんだ。あんな概念は破壊されてしかるべきだった、まさかそうしてうまれた姿がそっくりだったなんて、皮肉だね。あるいはかつて【深淵】におちたあのひとを、【追憶】するための罰なのか」

    「あのひと?」

    「……ねえ、僕は君と戦うつもりはない。だって僕にとってあなたは、大切な『家族』の似姿だ。それに、僕とあなたは『アンカー』、もしあなたが僕を殺したら、あなたに災厄が降りかかることになるだろう」

     これは脅しじゃない。忠告だ。

     ラウダはもはや笑みを浮かべていない。直感的に、嘘ではないとわかった。ボブは無意識に一歩後ずさる。灰色の人影とぶつかる。人影は気にしない、自分たちのいる場所だけ、切り取られるように世界から浮き出していた。

    「どうする?」

     ふたたび、微笑みかけてくる。

     なんか今回全然BLふりかかってきてねえ。やっぱシリアスつれぇわ。次アホめなやつになるよう祈っておこ。ボブはとりあえずそう思うことにした__

    dice1d3=2 (2)

    1:__それでも、戦う!

    2:「あの人とは、誰だ」と尋ねてみる。

    3:「何故お前はそんなに【深淵(おれ)】を憎むそのくせ、大切なものを見る目で見る?」と咎めてみる。

  • 92二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:44:34

    BL回避は喜ばしいだろ!しっかりするんだボブ!

  • 93二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:47:52

    トンチキBL展開が恋しくなるほどのシリアス

    好き

  • 94二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:54:09

    「……あのひととは、誰だ」

    「かつて兄だった人」

    「兄?」

    「うん。【深淵】に取りつかれて、僕にすべての人間としての地位と権力を譲ってから、崖の下に身を投げたよ。高慢で、傲岸で、高潔な人だった」

     ラウダは胸に手をあてる。

     そうしているだけで、彼がかつて『見た』ものが、鮮明に浮かび上がってくるのだから不思議だ。あるいはこうなるように、ラウダが魔法を使っているのか。化け物から守ってくれた人。自分で全て引き受けた人。やがて、動かぬ姿となって見つかった人。

    「反魂の術を使ってもかえってこなかった。何故なら彼の魂は、あのイス人とやらに、深淵に、奪われたままだったから」

    「……だから俺を殺したのか」

    「さあ、どうだろう」

    「取り戻したかったんじゃないのか。俺を壊したら、二度と戻ってこないのに?」

    「僕のものになってくれないなら、」

     いっそ、そちらの方がいいとおもったのかもしれないね。

     その瞳には、明確な狂気が宿っている。ボブはひっと息をのんで、後ずさった。明らかに、正気じゃない。狂っている。だけどもその狂気に、絶望に、至る理由を、ボブは知ってしまった。見て、しまった。理解していた。だから__

    dice1d3=3 (3)

    1:だからこそ、戦わなければならない!(好戦的)

    2:「だったら俺をもとに戻せよ!ちょっとくらいならそのお兄さん?取り戻すのに協力してやるから!!」と説得してみる。

    3:「お兄さんのこと……好きだったんだな……?」と言ってみる。

  • 95二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:54:21

    笑えるBLもシリアスも大好き…

  • 96二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 21:56:18

    ここまでみんな言ってるけど言わせて
    そういうところ!!!

  • 97二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:05:21

    「……お兄さんのこと、好きだったんだな……?」

     ボブは口をついて、そうつぶやいていた。

     ラウダがきょとんとしてこちらを見る。「ぇ」と声があがる。それを見て、ボブはややあわあわとくちびるを動かして、言い訳するように言った。

    「その。そういうこというって、ラウダ・ニールは、兄のことを求めていたから……一緒に居たかったし、それが叶わなかった?だけなんだから、憎む必要はないんだ。恨むことも、ない。違うか?」

    「……」

    「えっとだから、お兄さんのことが好きなら、【深淵(おれ)】の中でたのしくやってるお兄さんを肯定するのも、大切だと思う!」

     ボブが言い切ると、ラウダが黙りこくる。

     何か失敗しただろうか、と考えていると、ラウダがふと、静かに呟いた。

    「そうだね」

     僕、失恋したんだ、あの時。

     どこかからりと、乾いた調子だった。

    dice1d3=2 (2)

    1:「ありがと、おしえてくれて。……ありがとう……」となきはじめる。え何?怖……

    2:「まあそれとこれとは今話は別だよね!それであなたは、まだこの事件に関わるつもりかな?」とコイツ厚かましいし精神が強いな

    3:「ボブ__僕と、結婚してくれ」まてまてまてまてまて

  • 98二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:05:31

    シリアスありがてぇ!シリアスありがてぇ!(貪り食うオタクの図)

  • 99二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:06:32

    ここのラウダは本当に色々と強いなw

  • 100二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:08:35

    こんな図太いのに狂ってるのなんなんだよ

  • 101二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:13:10

    「それとこれとは話が別だよね?」

    「え」

    「まだあなたは__この事件に関わるつもり?」

     シリアスキャンセル しっぱい!

     ボブのあたまにぴこんとそんな文字が浮かんできた。くっ……ある意味このシリアスの流れを断ち切るにはここが唯一の太刀筋だった(ような気がする)のに……ラウダ意外と切り替え早いから……!先程までの殊勝な顔を放り捨てて再び読めない笑みで対峙するラウダに、ボブは再び、身構える。

    「……それが俺の、仕事だから」

    「そもそもあなたはどうしたいの?」

    「えっ」

    「どうして、戦うの。何になりたいの?僕は兄さんを__ううん違うな、【僕の理想の兄さん】を、取り戻したい。あなたは、何を理由に戦う。何をしたい?」

    「__それは__」

    「応えられないなら、あなたではずっと、僕には勝てないままだよ」

     ラウダが不敵に微笑む。

     ……そうだ、今まで自分は、漠然と戦っていた。なんとなく、突き動かされるまま、「仕事」として戦っていた。あるいは単純にその時、ケースバイケースで動いていた。だけど自分は、……ボブは……

    「あなたは、どうしたい?」

     今度は彼が、ボブに問いかける番だった。

    「……俺は……

    dice1d3=3 (3)

    1:ボブとして……誤植じゃない、カミルの友人の、フェルシーやペトラの先輩の、エランやイエルの後輩の『ボブ』として生きたい」と答える。

    2:【深淵の魔王】としての力を取り戻し、今は息をすることすらできない同胞を助けなければならない。それが俺の、使命だ」と答える。

    3:……わからない。でも、進み続けることに、きっと意味がある」と答える。

  • 102二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:16:35

    うーんグエル度高い

  • 103二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:17:31

    やはり、そういうところだよとコメントしてしまう🎲だ

  • 104二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:23:20

    分からないの選択肢があるとダイス神はすぐそれを選ばせるところ、原作グエルへの理解度が高いぞ

  • 105二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:25:55

    「……わからない」

    「ふうん」

     ラウダが興味深そうに眼を細める。ボブは顔をあげる。その手には、黒い薙刀が握られていた。ラウダの斧がそうするように、その切っ先を、相手に向ける。

    「わからないけれど、進み続けることに意味がある」

    「そっか」

    「何がしたいんだろうな、俺は」

    「……僕たち、似てるね。家族だからかな」

     ボブは目を閉じる。全身で魔力が、熱が高まるのを感じる。身体が軽い。周囲の人々、灰色が徐々に風景に同化して、頭の中に在る小宇宙が具現化する。戦場、結界。展開する。目を開く。

     対峙するは孤独で、とびきりわがままで可哀想な、強い魔法使い。

     だけども何も怖くない。ボブにとっては彼だって、戦うべき『悪い魔法使い』であることにかわりないのだから。

    「……名もなき綴り手、あるいはボブ。『プロドロス』が、お前に勝負を挑む!」

    「ラウダ・ニール」

     塗り替えられる。びりびりと、圧を感じる。これはそう、初めて向けられた、明確な__殺意だ。

    「『神を讃える歌』が、お前を打ち砕く」

    dice1d3=3 (3)

    1:【魔王召喚】!最初からフルスロットルだ!!

    2:【騎士召喚】でまずは様子を見つつ距離を取る。

    3:うるせェ!こういう時はステゴロって相場がきまってるんだよ!!

    dice2d6=6 1 (7) (5以上でボブくんの攻撃が通ります)

    dice2d6=5 4 (9) (5以上でラウダ君の攻撃が通ります)

    ※両方とも通った場合、出目が高い方が優勢になるよ

  • 106二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:30:44

    ステゴロは熱いけど負けてますねぇ

  • 107二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:33:52

    数値的にはめちゃくちゃいい勝負してるな
    ボブがんばれ!

  • 108二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:37:41

     剣戟が交わる甲高い金属音が、頭の中に響き渡る。

     遠心力の乗った武器は、一撃一撃が重い。かわしても受け流しても、ダメージが蓄積しているのを感じる。このままではジリ貧だ、なんとかしないと。そう思っても、回避することに精一杯で、チャンスがない。

     ラウダがひらりと飛び上がり、そのまま空中で一回転して、こちらに回転切りをお見舞いしてきた。ボブは咄嗟に身体を捻ってそれを回避し、逆に薙刀で上段を切り払う。予想済みだったか、回避される。はっとしている間に継が来る、腹部を蹴られ、口の中に鉄錆の味が広がる。距離をとられて、ゼエゼエと息と、血の混じった唾液を吐いた。

    「……なかなか、やるな」

    「あなたこそ。見くびっていたよ、ボブ」

    「だが、俺は__負けない、負けるわけにはいかない!」

    「正義のヒーローが勝つだなんて、おとぎ話の夢物語だよ。現実と神は君が思うほど甘くない」

    「それを可能にするのが、『夢の魔法使い』の__俺の、役目だろうッ!」

     薙刀がラウダの肩を突く。

     ぐ、とラウダが呻いた。しかしすぐにラウダの斧が、先程負傷したばかりの腹に入る。鋭い痛みに、悲鳴があがった。まだだ、まだ、終わりたくない。

     終われない。

    「……ふふ」

    「何がおかしい」

    「さあ?ただ」

     ラウダが斧を構えた。

    「こうしてあなたと戦うのが、心底楽しいんだ!」

    dice1d3=2 (2)

    1:うーんここは【魔王召喚】!シュバルゼッテやっちゃいなよ!そんな搭乗機体の名前とられた魔法使いなんか!

    2:【騎士召喚】だ、人数有利をつくりたい

    3:ステゴロ続行!!!!

    dice2d6=4 1 (5) (5以上でボブくんの攻撃が通る)

    dice2d6=3 2 (5) (5以上でラウダ君の攻撃が通る)

  • 109二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:40:25

    このレスは削除されています

  • 110二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:45:45

    ダリルバルデくる!?

  • 111二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:48:51

    「ぐっ……【騎士召喚(サモン・ナイト】!」

    「甘いね、【精霊召喚(サモン・スピリット)】!」

    「ああっ今まで特に見せ場のなかった自由の騎士くんがろくすっぽ描写もなく消された!?」

    「あっははは。他に頼ろうとするなんてひどいよ?僕だけ見て、僕とだけ戦って」

     一瞬具現化しかけた騎士の姿が、よりあつまってきた光と共に霧散する。どうやらあらわれかけていた使い魔に別の力をぶつけることによって、そのエネルギーを吸収しきったらしい。これがほんとの対消滅ってね

     ラウダが体重をかけて、ギリギリと薙刀と鍔迫り合いをする。ばちばち火花が散って、ボブが、ぐっと歯を噛む。こうしているだけで体力を奪われていくのが、精神をすり減らされるのがわかる。それだけ重い、おもい。

     ばち、と閃く音と共に、ボブが弾き飛ばされる。

     それはラウダも同じことだったようだ。吹き飛んで、壁にぶつかり、崩れ落ちる。ボブは薙刀を杖にして、立ち上がった。先程まで酷使していた右手は、もうほとんど感覚がない。左手に重心をこめられるように持ち替えて、対峙する。

    「……お互い、あと一発が限界、というところかな」

    「ラウダ、」

    「ねえボブ。場違いな感想かもしれないけれど、僕、あなたと戦えて、嬉しい」

     たのしい。

     ……終わってしまうのが、少し惜しいほどに。

     ボブはため息をついて、腰を落とす。突進しながら、半ば叫ぶように、低く言った。

    「奇遇だな」

     同感だよ。

    dice2d6=2 4 (6) (5以上でボブくんの攻撃が通る)

    dice2d6=2 2 (4) (5以上でラウダ君の攻撃が通る)

    ※ボブくんが2以上差をつけて勝ったらボブくんの勝ち。それ以下だとラウダ君の勝ち。

  • 112二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:50:05

    うわぁギリギリ勝った、🎲結果が良すぎる

  • 113二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:52:27

    まさかの同値だったので

    dice1d3=1 (1)

    1:ボブくんの辛勝扱い

    2:ラウダ君の辛勝扱い

    3:引き分け扱い

    ※どれにしても両方かなりの深手を負ったとします!


    (……仲いいな……どんな確率だよ……)

    「運命だね!」

    「ウワア枠でまで話しかけてくるな!!」

  • 114二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 22:53:21

    いい勝負だったな

  • 115二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:02:04

    息呑みながら読んでますわ
    はぁ…面白れぇ
    リアルタイムでこれ読める有り難さよ
    ありがとう…

  • 116二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:06:13

    「ぐ、がは、あ、」

    「……」

     激戦の末、勝利したのはボブであった。

     最後僅かに、ラウダの攻撃、その切っ先が、急所から逸れた。ラウダの体が崩れ落ちる。それでもボブも、大きな傷を負ったことには変わりない。血だまりの中に跪いて、ボブはラウダの髪を撫でる。癖のある、硬い髪だと思った。

    「ひとつ、聴いてもいいか」

    「なあに」

    「お前はどうして俺の挑戦を受けた。戦いに応じる義務はない、逃げる選択肢だってあってはず」

    「……何故だろう、何がしたいんだろうね、僕」

     あなたが、進み続けることに意味があるって、言ったから。

     ラウダが微笑む。その身体から、くたりと力が抜けた。

     死んだ、のだ。

     ボブが殺した。

     それが、ボブの心に、重くのしかかる。断章を回収したときには起きなかった後味の悪さ。本当にこれで良かったのだろうか__そう考えていると、ふと。

     __世界の【辻褄合わせ】がはじまる。

     ラウダが、魔法使いが、復活しようとしている。さすれば何が起きるか__そう、『運命変転』。マギカロギアが鬱展開自動生成システムなどというなかなかに酷めな愛称(?)をつけられるに至った理由がこれである。死んだ魔法使いは復活する際、その代償をアンカーに、大切な人に、支払わせる。そして今回選ばれた『ラウダのアンカー』は、

     ……ボブだ。

    「ッひ__」

     世界が牙をむく。具体的には選ばれたアンカーが魔法使いだった場合何も起きないのが基本なんだけどせっかくだしやっておくかのノリでやっておく。このスレは勢いとノリによって経営されています

     運命の輪が回る。ラウダの死体を、庇うように守れば、どこからか伸びてきた黒い腕が、ボブの腕を掴んだ。

    運命変転の内容は?dice1d4=2 (2)

    1:別離__ボブくんは今後dice1d2=1 (1) (1:カミル 2:エラン&イエル)と【必ず】別離する運命になる。

    2:事故__ボブくんは取り返しのつかない怪我を追う。具体的には腕が上手く動かせなくなり、以降薙刀攻撃ができなくなる。

    3:BL__なんかはじまったな 以降シリアス関連のシーンでも必ずBLにゴリ押される選択肢が2つくらい入る呪いがかかります

    4:まておいこの黒い手なんか俺のこと弄んで馬鹿やめろ触手とかそういうのはよくない

  • 117二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:10:38

    まだまだ続くんですね!?
    手負いのボブ…

  • 118二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:13:57

    ステゴロが封印されてしまったボブ
    おいたわしいけどちょっとすき

  • 119二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:18:47

    「ッは__」

     黒が、

     ボブの右の腕を、奪い取る。

    「あッ__あ、が、あああああああああッ!?」

     ボブが絶叫する。痛い、いたい、イタ、イ。息があがる。吐きそうになる。たすけて、たすけていたい、いたい、痛い、いたい、いたい! 声にならない悲鳴をあげていると、ふと。

     痛みが、消える。

     気づけば傷は塞がっていた。なくなった右腕を埋めるように、おそらく魔法で作った義手なのであろう、深い藍色の肌が見える。この色を持つ人物を、ボブはひとりしかしらない。

    「……ラウダ……」

    「僕がよみがえったせいで、こうなったの」

     彼の手が淡く輝いている。どうやら彼が回復の魔法を使ってくれたらしい。だが、余程焦っていたのか、接合がうまくいっていない。これでは、一回ボブも死んで復活しない限り、まともに薙刀を握って戦えないかもしれない。

     ラウダはボブの胸に縋った。微かに、生暖かく濡れるのを感じた。

    「だから言ったのに、関わらないで、と。……楽しかったけれど、僕はあなたをこんなにしたいわけじゃなかった……」

     彼は、

     __きっと、酷い自己矛盾を抱えて、狂気と絶望で生存欲求を補強して、それでなんとか、生きているのだろう。

    「ごめん……」

     ボブは、藍色になった右の手で、ラウダの頭を撫でた。少しだけ、ぎこちない手つきだった。

    dice1d3=2 (2)

    1:「……気にしていない。それで、俺が勝ったんだから、お前はこの事件の解決に協力してくれるんだよな?」と持ち掛ける。

    2:「……俺の勝ちだ。この事件からは手を引いてくれるよな」と持ち掛ける。

    3:「この手なんかこう……色とか偽装できないか?人ならざるだとバレそう」と茶化してみる。

    dice1d3=3 (3)

    1:久々にこんな状況になって錯乱してる

    2:もともとSAN0だし発狂もクソもない

    3:せ……責任取って僕兄さんと結婚する……

  • 120二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:19:32

    流れ変わったな

  • 121二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:21:33

    BLの流れになりそうですね

  • 122二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:22:55

    流れ変わったな

  • 123二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:26:38

    シリアスの道を夢中で進んでたら急にBLの落とし穴あるのほんま笑う。油断するな!

  • 124二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:28:44

    その兄さんは果たしてどっちを指してんだろうか

  • 125二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:39:10

    「……俺の勝ちだ」

     ボブは立ち上がり、見下ろす。できる限り、感情のない瞳で。

    「『神を讃える歌』、お前はこの一件から手を引け」

    「僕のせいで__」

    「うん?だから俺の」

    「僕責任とる」

    「ハ?」

     ラウダが突然、顔をあげた。

     そうしてやたらきらきらしい目で、ボブの、ペールオレンジの方をした手を握る。跪いて、こう__血まみれなので情緒もへったくれもない感じで、こう言った。

    「兄さん__僕と結婚して」

    「誰だよ兄さん!?俺別にお前の兄じゃねえよ!!」

    「事実上兄さんみたいなもんだし」

    「何が!?!?」

     ラウダは離れない。ここでボブは、ようやく思い出す。ここは別にシリアスでしっとりなマギロギの世界ではなく、絶対BLになる世界であり、それは隙を見てこちらに牙をむいてくるということを。ボブの敵はラウダでも断章でもなく、『世界』であるのだということを。

     うそだろラウダ。うそだろ世界。

     ボブはシンプルに泣いた。世界の修正力の結果突然ほぼ赤の他人の知らん男に兄と呼ばれてプロポーズされるのがあまりに怖くて。

    dice1d3=2 (2)

    1:「いっ……いやだ~!!」と言って逃げる。ラウダはdice1d2=2 (2) (1:追いかけてくる 2:追いかけてこない)

    2:「……よくわからないがそれは後で。手は引いてくれるんだな?」とシリアス続行。ラウダは話をdice1d2=1 (1) (1:聞いてくれる 2:聞いてくれない)

    3:「いやその……お前はお兄さんが好きなんだろう?俺はお前の兄じゃない」と否定する。ラウダは話をdice1d2=2 (2) (1:聞いてくれる 2:聞いてくれない)

  • 126二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:42:30

    まだ舞えるのか…?

  • 127二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:43:02

    返答はdice1d3=1 (1)

    1:……わかった。頑張ってね、僕は理解ある花嫁だからね

    2:あなたが頷いてくれたら応じるよ

    3:やだ。ぼく協力する

  • 128二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:48:08

    「……わかった。僕は理解ある花嫁だからね」

    「スレミオやめろ。あと別に俺は承諾していない」

    「頑張って事件、解決して。そしたら結婚式挙げよう!お揃いのお洋服きて、指輪も」

    「スレミオやめろって!方々から怒られるから!!」

    「じゃあね!」

     ラウダが空間の中に溶けていく。

     ふっと、全身から力が抜けた。とんでもない疲労感があった。なんかもう戦闘よりさっきの一瞬のやり取りの方が余程疲れたような気がする。額を腕で拭い、考える。

     これで厄介な介入はなくなったと見ていい。あとやるべきなのは、基本的にはサリウスにとりついた断章を回収すること、ただそれだけだ。だけどこれだけ時間あったんだしもうイエルとかエランとかやってたりしないかな。ボブはきゅっと顔を顰めた。真面目に怖いなと思った(こなみかん)

     __さて。

     ここから、どうしようか?

    dice1d3=3 (3)

    1:サリウスのところに直行だ!

    2:いったんエランとイエルのところに合流しよう。

    3:ん?あれは……dice1d3=3 (3) (1:カミル 2:五号 3:オルコット)?

    シーン表:dice2d6=6 5 (11)

    使う場合事件表:dice2d6=6 6 (12)

  • 129二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:51:43

    おおオルコットさん!
    でもオルコットさんルート入ると誰かがシュバって来ない?

  • 130二次元好きの匿名さん23/10/08(日) 23:54:52

    オルコットさんもいるんだと思ったが絶対BL世界が息を吹き返し理解ある花嫁が現れたのでどう転ぶのやら

  • 131二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:04:46

    事件:献身的な介護、祝福、奇跡……あなたはその人物に救われる。もし何か傷を負っているなら完治してもいい。ウワア!嘘だろお前 それ 引くのかよ

    →オルコット 運命属性:dice1d5=3 (3)

    1:支配(すべてを支配したい) 2:宿敵(トモダチ以上仲間でライバル) 3:恋愛(心を奪われた!) 4:興味(研究や観察の対象) 5:尊敬(畏敬や尊敬)


    「……」

     ボブは部屋を出てからも、ラウダのいなくなった方をじっと見つめていた。

     藍色の手が痛む。ふうっとため息をついて、歩きだした。きちんと制服を着ていれば、わからない範疇だ。一応手袋か何かを調達した方がいいかもしれないが、差し迫って必要だというわけではない。ただ、

     あの時の痛みが、脳裏にこびりついていた。

     少しだけ、顔を伏せる。そうして鞄を握り直して歩くと、ふと。向かいから、見知った顔が歩いてきた。オルコットだ。彼は__いやずっとうちの教師だと思っていたのだが、彼も魔法使い、というよりはハンター?か何からしい。特別な能力を持っていて、今はこの組織に雇われているのだとか。名前と顔は知っていたけど、さして交流はない。あまり気にしない方がいいか、と思って歩いていると、

    「……義手か?」

     不意に、話しかけられる。

     「え」と振り返ると、オルコットが半ば無理矢理ボブの藍色の手を取った。瞬間、焼けるような痛みと、すっと抜けるような不思議な感覚がある。それも一瞬のことで、寸での後に、それは元通り、赤褐色の健康的な色に戻る。ボブはしばし、立ち尽くして呆然とする。

    「初期治療は早い方がいい。新人を失うのは、こちらとしても損失だ」

     オルコットがすれ違い様そう言って、去っていく。ボブは「待ってくれ!」と咄嗟に振り返って、叫んだ。オルコットが立ち止まる。雑踏の中で、誰もこちらには気にかけない。呼び止めた、はいいものの、どうして自分は呼び止めた?一体何故?ぐるぐる考えて、ボブは__

    dice1d3=3 (3)

    1:「あ、……ありがとう、ございます」と礼を言う。

    2:「ど、どうしてわかった……ですか」と尋ねる。

    3:「た、たたた、たすけて……ください……」と懇願してみる。

  • 132二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:07:19

    助けてオルコットさん

  • 133二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:08:19

    恋愛!?ついにオルコットさんとそういうフラグ立つのか!

  • 134二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:13:38

    まさか助けてオルコットさんがガチに来るとは

  • 135二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:24:02

    「た、……たすけて、くれませんか……」

    「……」

     オルコットがぱちり、と指を鳴らした。

     瞬間、周囲の景色が切り替わる。廊下の雑踏は姿を消し、無骨な机といすがあらわれる。なんだか取調室みたいだ、と思っていると、オルコットが向かいに座った。

    「それは、お前の腕に関係あることか」

    「えあ、まあ、……はい……」

    「藍色。ラウダ・ニールか?」

    「はい……」

     ボブは頷く。オルコットがかなり深いため息をついた。

    「洗いざらい吐け。なにか力になれるかもしれないから」


    「というわけで俺、もうどうすればいいのかわかんなくてぇ……」

    「あいつに個人的な執着があったことにまず驚きだな」

    「面識あるんですか……」

     流石に魔王云々のことは言えなかったが、ラウダ関連はあらかた話した。オルコットが背もたれにもたれかかる。白熱した明かりが、こちらを眩く照らしている。憂うように視線を落とし、「災害か何かだと思え、しばらくもしないうちに飽きる」と言う。かけてもいいがこれは飽きないパターン

     __それにしても、何故だろう。

     何故だか先程からぶってぇはずのオルコットの首を見て「細ぇ……無防備にさらしやがって……」とかすみれ色を煙らせる睫毛を見て「よくみりゃ長いな……」と妙な感想を抱いてしまう。常時見えてる急所に無防備もクソもないと頭では理解しているのだがそれでもなぜか、やたらと華奢に見えてしまう。

     だめだこれ。よくない傾向だ。ボブは知ってる。これは恋の始まりを示唆するのだと。【魔導書(グリモワール・オブ・ヤオイ)】で見た。よりにもよってを引きやがったな畜生!!ハイ……二度と2d6を振りません……

    「それで、俺はどうすればいい」

    「え……えっと」

     ボブはぐるぐる考える。なんかもう何やってもフラグになる気がする!ここからBLフラグを回避しつつ、ついでにオルコットの協力も取り付けるたった一つの冴えた方法は__!

    dice1d3=3 (3)

    1:「……これから、エランとイエルも連れて、断章回収に向かいます。その際、護衛をお願いできますか」と頼む。

    2:「もうわけわかんないよ……こわいよぉ……」とえんえん泣く

    3:「『リドリック・クルーヘル』 それは僕の獲物だけど?」とぬるっとラウダが出てくる ウワアっあああ!

  • 136二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:24:31

    案の定シュバってきた

  • 137二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:25:34

    マジで弟のオルグエオルセンサーなんなの…(畏怖)

  • 138二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:27:06

    シュバるの早くね?

  • 139二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:37:54

    「『リドリック・クルーヘル』 それは僕の獲物だけど」

    「ウワッうわあああ!?」

    「ここは俺の呪圏だ。それに干渉するなんて……相変わらず滅茶苦茶な魔力をしている」

    「なんか冷静に対処してる!?!?」

    「ああ、せっかく僕がつけた傷も、痛みも、全部消してしまって……!どうしてこんなことするの!?僕『事件』に関わるなとは言われたけど兄さんに関する事象に関わるなとは言われてないもんね!」

    「なんか被害者面してるけど基本的にこの場合オルコットの方が好感度高いで正解だからな?」

    「__『神を讃える歌』。再び強制送還されたいようだな」

    「アめっちゃ戦闘はじめようとしてる!!」

     ハイ……二度とネタ選択肢で埋め尽くして1d3なんて振りません……ダイスなんてもう、振るな……

     存在しない前世の記憶で言われ続けてきた言葉が何故か頭に蘇ってくる。なんでだよそうはならないだろ。ラウダはぬるっと半身を突き出して斧を持っている。完全に死神のそれである。怖いか怖くないかでいえばメチャメチャ怖い。貞子とかのホラーの文脈である。

     ラウダはかなりキレたような顔で、ふわ、と地面に降り立つ。そうして斧を地面に突き立てると、周囲に無数の精霊が浮かび上がる。オルコットも機銃を持ち、背に薙刀を背負う。供するのは、翼を持った漆黒の騎士だ。クッ……こんな状況でも「柔らかそうな羽……」とか思ってしまうオルコットなら何でもいいらしい己のバグった美的感覚が恨めしい……

    「『神を讃える歌』、ラウダ・ニール。罪には罰を与えねばならないよね」

    「『リドリック・クルーヘル』。……後輩の腕の代償は高くつくぞ」

     あれこれラウダが負けたらまた腕やられるやつでは?詰んだ

     ボブは思った。心底思った。

    dice1d3=2 (2)

    1:ラウダがオルコットを倒す。ウワア!しめやかに地獄

    2:オルコットがラウダを倒す。ウワア!↑の運命変転がもっかいグエルに降り注ぐ 次はdice1d4=3 (3) です

    3:「待て待て待て待て争うな!!!!」と止める。

  • 140二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:40:33

    このレスは削除されています

  • 141二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:41:00

    運命変転のダイス結果が3ってことは、 >>116 の↓になるのかな?


    >3:BL__なんかはじまったな 以降シリアス関連のシーンでも必ずBLにゴリ押される選択肢が2つくらい入る呪いがかかります

  • 142二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:43:06

    オルコット強いな!?

  • 143二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:43:17

    このオルコットさん……強い……!(なお弟も強い)(兄はクソ弱い)

  • 144二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:47:19

    「ぐ……僕も鈍ったかな……」

    「……いや、やはり強いよ。ラウダ・ニール」

    「アッ……アッ……」

     ラウダが死んで、復活して、運命が変転した。

     結果として残されたのはここから先BL選択肢が増えまくるという結果のみである。ぜつぼうした!そんなわけあるかよ お前なんなんだよ

     ボブが膝から崩れ落ちていると、オルコットが盛大にため息をついた。「お前は何がしたいんだ、『神を讃える歌』」。ラウダは静かに目を伏せ、呟いた。

    「……もしかしたら、ひとりでるのがいやなのかもね」

     それきりラウダは黙りこくる。

     オルコットが視線で、合図する。

     それすなわち、ここからさらにギアが一段階あがった絶対BLになる世界がはじまることを意味する。そんなわけあるかよ お前なんなんだよ 嘘だろ

    「……とにもかくにも。そろそろ動かないと上もうるさいころだろう。さっさと【断章】を回収するぞ」

    「お、おお……」

     火蓋は、切って落とされた。

    dice1d3=3 (3)

    1:何事もなくサリウスの元にたどりつく。取りついて、いたのは__

    2:うっかりdice1d2=1 (1) (1:ボブ 2:オルコット)が不明な無に躓いてしまう。腰細ぇ……ちゃんと食べてるのかよ……(完全詠唱)

    3:ラウダが「ねえ兄さん♡結婚しよ結婚♡」とふわふわ視界を漂ってくる。もう 何? 集中が

  • 145二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 00:53:33

    弟ブレない

  • 146二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:16:05

    「ね♡結婚しよ結婚♡けっこん♡」

    「……オルコットさん断章の反応は」

    「二時方向。それ無視して進むのか」

    「イチャイチャじゃなきゃヤダ」

     自分にふわふわと纏わりついてくるレースを丸無視して、ボブは冷静に仕事をする。質量のあるものが首に抱きついているのは、いくら体重がかかっているわけではないとて気になる。だがとりあえず今は断章回収が優先だ。擦り寄ってくるのが本当に気になるけど。

     __探せば、それはすぐに見つかった。

     サリウスは静かに、本を読んでいるようだった。

     そういえば彼はイエルのアンカーで、グラスレーに入るために『協力』してもらったんだっけ。ぼんやりと考えていると、確かにぼんやりと『中身』が浮かび上がってくる。それを、確認して__

     息を飲む。

     サリウス・ゼネリは断章【ハッピーエンド】に憑依されている。

     この世界に取り付く禁書__『絶対ハッピーエンドになる世界』の、最後のパーツだ。

    「誰も死なない、傷つかない。理想の世界がここだよ、ここで何もしなかったら、あなたは自分が【誤植(バグ)】だとも知らず、しあわせにいることができたのに」

     黙りこくったボブに、ラウダが囁く。それでもあなたは、断章と戦うの。世界を『正常』に戻すの。そうしない方が、【彼ら(デリングとヴィム)】は幸せだったのに?

     奥歯を、噛む。

     オルコットが無表情にこちらを見下ろしていた。「辛いなら代理で戦うが」と言われ、ボブは__

    dice1d3=3 (3)

    1:「……頼んでも、いい、か」とオルコットの腕を握りしめる。

    2:「……うるさい。うるさい、アンカー『ラウダ・ニール』、契約をもって命ずる、俺の騎士となれ!」と叫ぶ。

    3:「不要だ」と立ち上がる。「俺はひとりで、戦える」

  • 147二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:18:45

    高潔で気高い…

  • 148二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:21:08

    カッコいい…

  • 149二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:44:35

    カッコつけてるが弟?に結婚を迫られている

  • 150二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:48:22

    カッコよさと同時進行のBL世界版危機か…

  • 151二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:48:58

    それでこそラウダなのだ

  • 152二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:53:38

    世界を正常に戻したら『絶対ハッピーエンドになる世界』から『絶対BLになる世界』になったりしない?大丈夫??

  • 153二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 08:57:26

    「……不要だ」

     ボブは立ち上がる。

     前に出る、腕を振る。健康的な色をした皮膚に、薙刀が握られる。目を閉じて、開く。大丈夫、今までだってずっとこうしてきた。鞄の中に入れていた二冊の断章が、熱を持ってひらめく。ボブのからだが、淡く光る。

    「俺はひとりで、戦える」

     空間を切り裂く。

     裂け目が広がって、飲み込む。

     不意打ちでボブの結界の中にひきずりこまれた断章【ハッピーエンド】は、幸せそうに微笑む、幼い頃の__ボブ自身の姿をしていた。それは一瞬きょとんとしたような顔をしたあと、くすくす、ふふ、と無邪気に微笑む。今までの化け物共とは違い発声器官があるため、声をあげることができるらしい。

    「魔法使い。オマエは【幸せな結末(オレ)】を壊すことをのぞんだのか」

    「ああ」

    「進むと決めたんだな」

    「ああ」

    「そうか。なら容赦はしない」

     それでも、もう悩む必要はない。断章の周囲に、無数の精霊が浮かび上がる。ボブが薙刀を構えると、幼い日のボブと同じ姿をしたソレが、愛らしく、おぞましく、笑ってみせた。

    「断章【ハッピーエンド】は、この楽園を守ってみせる」

    「『プロドロス』__真実を隠す偽りの楽園を、打ち砕く!」

     同時に、かけだす!

    dice1d3=2 (2)

    1:薙刀で精霊を切りはらいつつ肉薄する。

    2:dice1d2=2 (2) (1:騎士 2:魔王)を召喚し援護させる。

    3:外から「援護する!」とdice1d3=3 (3) (1:オルコット 2:ラウダ 3:終ぞ出番のないエランとイエル)声が聞こえてきた。

  • 154二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 09:18:03

    「【魔王召喚(サモン・ロード)】、頼んだシュバルゼッテ!」

    「人使いが荒いなあ」

    「言ってる場合か!」

    「多めにちょうだい」

     シュバルゼッテが白い衣装を翻し、【ハッピーエンド】の呼び出した精霊たちを蹴散らしていく。いくら数があるとはいえ、所詮は下位の元型。圧倒的な上位存在である魔王にはかないすらしない。時にレーザーで切り裂いて、時にビームでなぎ払い、時にシンプルに踏み潰す。一方的な蹂躙とまではいかなくとも、まかせておけば問題はない程度に強い。なんならレーザーを無数に降り注がせて、こちらを援護する素振りまで見せる。

    「だから死ぬなよっ、ゴシュジンサマ!」

    「言ってろ、『俺』」

     ボブは薙刀をくるりと回して、目の前のそれにつっこむ。彼はどこからか白い短剣を取り出して、自分にあたりそうなものだけ受け流した。かん、きん、がん。重い金属音が響く。今まで余裕気な笑みを浮かべていた青い双眸が、かすかに不快げに細められる。

    「なぜ戦う?なぜ正しさを求める?ニンゲンの大多数は不合理な現実より【都合のいい幸福(オレ)】を求めるのに」

    「お前がやっているのは救済じゃない、人の気持ちを、死を、絶望を、玩具にして弄んでいるだけの演劇だ!」

    「オマエがそれを言うなんて、馬鹿馬鹿しい」

    「だからなんだ!」

     叫ぶと同時に、ボブの薙刀が短剣をはじき飛ばした。

    「俺は【誤植(バグ)】じゃない、かつて死んだ魔王を追想する【人形(かいらい)】じゃない、ただ戦うだけの【魔法使い(プロドロス)】でもない」

     鋒が金色に燃え上がる。ぐっと奥歯を噛んで腰を落とし、まっすぐに突っ込む!

    「俺は、【俺】だ!!」

    dice1d1=1 (1)

    1:__決めつけられた【ハッピーエンド】を、打ち砕く!

    dice2d6=4 3 (7) (5以上でボブの勝利)

  • 155二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 09:21:50

    カッケェ…!

  • 156二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 09:23:24

    何度も言わせて!!
    カッコいい…

  • 157二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 11:10:29

    このままシリアスに終われるのか
    はたまた荒ぶるダイス目によって恒例の「ダイスなんて、もう振るな…!」オチになるのか

  • 158二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 11:28:29

    最後の最後にそうはならんやろダイスでBL堕ちをする傾向がありますからね。
    グエルくんは反省してください。

  • 159二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 12:00:44

    オルコットもしっかり随所でお耽美受けフィルターを纏っていて絶対BL世界の力強さに笑ってしまう
    オルコット(華奢)の破壊力がすごい

  • 160二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 12:08:16

    オルコット(華奢)ほんとおもろい
    そうはならんやろ!!がおもろいのでもっとオルコットに惹かれて欲しい

  • 161二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 20:31:32

    ボブよく見ろ!オルコットが華奢なわけないだろ!よく見ろ!お前よりデカケツだぞ!

  • 162二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 20:44:24

    オルコットさんが華奢に見える世界の強制力、
    怖くて震える…

  • 163二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 21:36:21

     貫く。

     幼い幻覚が光に消える。輝く破片となって、空中に溶けていく。そうして一冊の本となり、ボブの手のひらにおさまった。他とは少し違う、あたたかな本。胸に抱きしめると、確かな祈りを感じる。

     __これで、正しかったのだろうか。

     少しだけ悩む。考えるたびにあの時のヴィムとデリングのことが脳裏をよぎる。だけど。__だけど、後悔はしない。それが彼を、断章【ハッピーエンド】を倒した者の、責任である。誰かのハッピーエンドを奪った、罪、罰である。

     鞄に本をしまう。これで、三つ。すべての断章が回収できたことになる。もちろんこれで事件が終わったわけではない。どうせこういう敵は最後に派手に暴れるので、それもおさえないと、倒さないといけない。だがここまで三つの断章をすべてひとりで回収したボブにとっては、その程度造作もないだろう。

     顔をあげる。

     雲が切れる。差し込んできた光が、ボブの横顔を、優しく照らした。

    dice1d3=3 (3)

    1:__最終決戦だ。

    2:エランとイエルも一緒に戦うぞ!

    3:ラウダとオルコットが「僕も戦う!」「いったん回復しろ」と言ってくる。

  • 164二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 21:57:49

    「待って。僕も戦わせて」

    「……傷を負っている。治療くらいは、してやる」

     一人で歩き出そうとすると、不意に二人が、声をかけてきた。

     ラウダは巨斧を取り出す。その姿がふわ、と空中に溶けて、幼い姿に再構築される。どうやら一時的に魔力のリミットを解放することで、「魔法使いラウダ・ニール」から「献身の騎士」と姿を変え、一時的にボブの使い魔となったらしい。オルコットは「【回復(ヒール)】」と詠唱をしてボブの体の傷を癒した。やめろ「細ぇ指……」じゃない。今確実にそれじゃない。というかそもそも剣だこや傷がたくさんついた指は別に全然華奢じゃない。

     ボブはショタ属性を付与されたラウダと、こちらを祈るように見てくるオルコットを順にみて、少しだけ、ふわりと微笑む。「大丈夫です」と言い、立ち上がる。

    「何故なら俺は【夢の魔法使い(おれ)】だから」

     どんな可能性だって、掴み取ってみせる。


     __戦術試験区域に、無数の屍がおちていた。

     彼等は断章の無力化によって、その姿を【正しい姿】に戻したのだ。ただ、怨念は、祈りは、呪いは、消えない。誰かの願いが渦巻いて、最後の悪あがきとばかりに、悍ましい魔女を形作る。

    『……これ以上悠長している暇はないわ、ボブ。初仕事で悪いけど、このままアレを封印してくれる?』

    「まかせてください」

     脳裏にミオリネの声が響いてくる。ボブの目の前には、一体の白いモビルスーツがあった。これはきっと、散った彼等の思いなのだ。ならば、きちんと弔ってあげなければならない。ボブの手に薙刀がにぎられる。

    『愚かな運命の走狗。我を封印しなければ、望む結末が得られるぞ』

    「それでも、守りたい世界があるんだ」

    『__禁書【絶対ハッピーエンドになる世界】。われの世界に、お前はいらない』

    「『プロドロス』。お前なんかに幸福にされてたまるかっ!」

     正真正銘、最終決戦だ。

    dice1d4=4 (4)

    1:やはりステゴロなのだなあ

    2:やっぱりシュバルゼッテがナンバーワン!!

    3:【献身の騎士】__ラウダが、援護してくれる!

    4:結界の外から、立会人となったオルコットが呪文で援護してくれる!

    dice2d6=6 5 (11) (5以上でボブくんの攻撃が通る)

    dice2d6=1 4 (5) (5以上で禁書の攻撃が通る)

  • 165二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 21:59:03

    強い!やる気だグエル!

  • 166二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 21:59:43

    最終決戦だ!オルコットさんもしかしなくとも有能ユニットか?

  • 167二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:23:59

    「っは、遅い!」

    『邪魔立てするな【誤植(バグ)】!』

    「俺は__逃げないっ、何からも!」

    『戯言を!』

     白い機体が大量の小さなユニットを吐き出す。それらが一斉に、襲い掛かってくる。なんとかすり抜けるも、一部はどうにも避けられない。咄嗟に薙刀で切り払うが、それも少しのことだ。あたる!痛みと衝撃に備えて、目を閉じる。

    「__【魔楯(シールド)】」

     しかし。

     いつまでも、予想していた痛みは来なかった。

     ボブの前に、巨大な翼の楯がある。それはボブにあたりそうになったレーザーを受け止め、寸でののち、無数の羽毛に弾けた。

    「【裁断(ギロチン)】!」

     その羽毛が、次々と鋭利な刃物に変わり、機体に襲い掛かる。弾ける。壊れる。「露払いはしておいた」と聞こえてきた声は、オルコットのものだった。ボブはぱっと顔をあげて、無意識に笑いをこぼす。

    「ありがとうございます、オルコットさん!」

     そのまま割れた羽毛を足場に、禁書に肉薄する。手ごたえを、感じる。勝てる! ボブはレーザーをぐるりと回転して躱し、そのまま薙刀をカメラ・アイ目掛けて突き刺した。

    『______ッ!!』

     機体から壊れたようなノイズがあがる。ボブは真っ直ぐに、そちらを睨んだ。

    「観念したか」

    『愚かな、馬鹿な、バカナァッ……!』

    「してないようだな」

     ボブは薙刀を構え直す。

     逃げない。ならば、戦わねばならない。白い羽毛が、その選択を祝福するように降り注ぐ。薙刀が金色に輝く。

     もう、迷わない。

     駆け出す!

    dice2d6=5 6 (11) (5以上でボブくんの攻撃が通る)

    dice2d6=4 4 (8) (5以上で禁書の攻撃が通る)

    ???の場合dice1d3=1 (1)

    1:カミル

    2:ラウダ

    3:オルコット

  • 168二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:34:49

    『クッ……』

    「大楽勝過ぎる……ダイスがデレたか?この出目だと不穏な???も使わないし」

    『ダイスとはなんだっ、お前は何を言っている【破壊者(まほうつかい)】!』

    「なあ強敵枠のラウダより一個上ってことで三回攻撃通ったら勝ちってことにしてたらしいけどこれワンチャン既にかってるってことにしてもいいか?」

    『だから何の話だ!?』

     だめです だめかそっかぁ……ボブはしょんもりと肩を落とし、しかし不敵に、微笑む。オルコットの【裁断(ギロチン)】、【献身の騎士(ラウダ)】の援護。そしてボブ自身の、覚悟。これだけピースが揃って、負けるはずがない。そうでなくても、何よりも。

     ボブは薙刀を構え、それを見つめる。「なあ、知っているか、禁書」。それが顔をあげる。ぼろぼろになった機体に、ボブはとどめを、さしにいく。この攻撃で、ケリをつける!

    「正義とは曖昧で、不確かなものだ。だから正義が必ず勝つとは限らない」

    『ナニヲ__』

    「だが」

     何かのために傷つくことを厭わず進むことを決めたもの。覚悟をもって、大きな決断をしたもの。あるいは単純に、誰かのために、戦うもの。それを、人はこう呼ぶ。

    「【主人公(ヒーロー)】は、最後に必ず勝つんだッ!」

     突き刺す!

    dice2d6=6 6 (12) (5以上で勝利)

    dice2d6=2 4 (6) (数値によって↓を使うかも たぶん使わない)

    dice1d3=3 (3)

    1:カミル

    2:ラウダ

    3:オルコット

  • 169二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:36:51

    最後の最後でクリティカル出してんじゃん! 凄い!

  • 170二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:38:18

    ダイス"理解"ってる…!

  • 171二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:46:04

    アツい展開過ぎる…!!

  • 172二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:47:12

    完 全 勝 利
    (※だがまだ肝心のBL世界との戦いが残っている)

  • 173二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:48:17

    「俺は、お前のこと、理解はできるよ」

    『__』

    「理解したうえで、わかりあえない。ハッピーエンドを矯正するお前と、運命を切り開く俺は、最初から違った。互いの因果を削りあうことしかできない。ならば」

     【献身の騎士(ラウダ)】に命ずる。薙刀の光が強く、つよくなる。オルコットに命ずる。無数の鎖が、それを縛り付ける。ボブは呪文を唱えながら、自分のからだを回転させた。そのまま機体の中心に突っ込んで、その核となっていた本を、切り裂く!

    「せめて俺の手で、終わらせてやる」

     機体が、どろどろと崩れていく。

     本が__禁書【絶対ハッピーエンドになる世界】が、封印される間際。微かに微笑んだ、ような気がした。

    『【勇敢なる主人公(ボブ)】。我はお前を、認めよう』

     この瞬間。悪い魔法使いは封印され、事件は終わりを迎えた。


     気が付くと、ボブは元の戦術試験区域に戻っていた。

     空が青い。時計の表示を見てみれば、まだあの時から一分も立っていない。生理的に大きなため息をはきだせば、どっと疲れが湧いてきて、身体が、崩れ落ちる。

     終わった。

     ゆっくりと目を閉じる。掌に、一冊の本がおさまっていた。表紙には【絶対ハッピーエンドになる世界】とだけ書かれている。優しい風が頬を撫でる。ボブは、無意識に笑みを浮かべて、安堵からか、それともそれではない何かからか。静かに、涙を浮かべた。

    dice1d4=4 (4)

    1:エランとイエルのところに、戻ろう。

    2:ラウダが駆け寄ってくる。

    3:オルコットが近づいてくる。

    4:「……【魔王召喚(サモン・ロード)】」

  • 174二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 22:58:59

    「……【魔王召喚(サモン・ロード)】」

     ボブは残った魔力を振り絞って、そう詠唱した。

     さすれば目の前に、白い衣装を身に纏った、ボブの__というよりはきっと、グエル・ジェタークに似ているのであろう青年、シュバルゼッテが、姿を現す。彼はしばらくぱちぱちと瞬きをして、「どうした?戦闘か!?」と目を輝かせた。ボブは力なく首を振り、シュバルゼッテの手を握る。

    「なあ。俺達が【深淵の魔王】に戻るためには、どうすればいい」

     シュバルゼッテが、目を見開いた。

     いいのか、と呟いた声は、やはりボブと同じ__茶化して言えばCV.阿〇上さん(トークイベントお疲れ様でした)で、やっぱり自分たちは同じものなのだな、と納得する。ボブは笑みをたたえて、力なくその掌を撫でた。

    「お前がそれに戻れば、【誤植(バグ)】としてのお前も、【魔法使い(プロドロス)】としてのお前も、【主人公(ヒーロー)】としてのお前も__全部、消えてしまう。なかったことになる」

    「ああ」

    「お前が生きた証は、誰からも忘れられてしまうんだぞ。カミルだけじゃない、エランも、イエルも、ラウダも__オルコットも」

    「わかってる」

    「それでも、いいのか」

     ボブは頷く。

     それが、【誰もが認めるハッピーエンド】を壊し、封印した自分の責任だ。それにかつて【深淵の魔王】であったものとして、今や追憶の中にその面影を残す限りとなった彼らを、解放してやる義務がある。

     __ころり、と瞳から涙が溢れた。

    「悲しいのか」

     ボブは首を横に振る。シュバルゼッテがぐっと、ボブの肩を握る。

    「うそつき。お前は俺だから、わかるのに……」

    dice1d3=2 (2)

    1:「……この刃を胸に刺したら、お前と俺は、ひとつになる」とシュバルゼッテが赤く光るポン刀をとりだす。カッケ~

    2:「__厭だ、やめろ」と。どこからか、dice1d3=3 (3) (1:エラン&イエル 2:ラウダ 3:オルコット)の声が聞こえてくる。

    3:「そうするためにはどうやればいいかわかるな?真実の愛のキスだ!!!!!!」

  • 175二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:00:53

    わあ不穏

  • 176二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:02:52

    ラクダはまた置いてかれるのか!?

  • 177二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:04:04

    たすけてオルコットさん

  • 178二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:06:21

    オルコット!止めるんだ!

  • 179二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:10:50

    「……厭だ、やめろ」

     不意に、低い声が聞こえてくる。

    「やめてくれ……」

     ほんの数時間の間で、すっかり聞きなれたような気がする声だった。

     低く響く声が、かすかにふるえているのがわかる。ボブは振り返らないまま、ぐっとこぶしを握る。振り返ったら決意が揺らいでしまいそうだったから。決めたから、覚悟したから、決意したから。

     逃げないと。

     __もう、迷わないと。

    「オルコットさん。ほんの少しの間だけど、お世話になりました」

    「お前は__」

    「すいません、わがままばかりで。それ以上、言わないでください。きっと離れがたくなってしまうから」

     見上げる。

     逆光になって、シュバルゼッテの瞳が赤く、あかく輝いている。この色は、ボブと違う。その差異に少しだけ安心する自分がいるのが、一番苦しかった。

    「__最期まで、【主人公(ヒーロー)】で在らせてください」

     両手を広げる。

     受け容れる。

    「最後の命令だ、【追憶の魔王(おれ)】!【名もなき魔法使い(おれ)】から、全てを奪ってくれ!そうして再び、【深淵の魔王】として降臨しろ!」

     シュバルゼッテが、ボブとそっくりの顔で笑った。

    「馬鹿な男だ」

    dice1d3=3 (3)

    1:__その剣が、ボブの胸を穿つ。

    2:シュバルゼッテの顔が、近づいてきて__

    3:ひとつになる……そうつまり(暗転)だ!!!!

    dice1d2=1 (1)

    1:……変わる。

    2:ちょっとタンマ

  • 180二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:12:05

    暗転かぁ

  • 181二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:12:27

    なんて????????

  • 182二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:12:49

    BLしちゃったかぁ

  • 183二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:13:18

    変わるって何!?

  • 184二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:15:40

    い つ も の
    さすがBL世界さいよわの男

  • 185二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:17:08

    風向き、戻ったわね(いつもの)

  • 186二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:20:01

    ここまでのシリアス展開は何だったんだってくらい台無しだよ!

  • 187二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:20:40

    「……そうか。わかった」

    「介錯してくれシュバルゼッテ。醜い泣き顔は見せたくない」

    「もちろん。早急に終わらせる」

    「ああ。……あ?待て何故制服に手をかける?」

    「何って__【暗転(ひとつになる)】ためだが?」

    「ハッ!?待て待て待て待てちょっとタイムちょっおいオルコットさん頼む向こう向いててついでに耳も塞いでっうあああああああ!?!?!?」

     __自分だしノーカンである。

     かつてシュバルゼッテの纏っていた白い衣装__それを赤く染めたようなものを身に纏ったボブは、未だぼんやりとする頭でそう思った。今はまだ自我が残っているが、遅かれ早かれ【深淵の魔王】として統合され、うまれかわるのだろう。

     ほうと息を吐けば、自分を中心に、宇宙的恐怖が再び息を吹き返すのがわかる。きっと誰もが【誤植(ボブ)】という存在を忘れ、【深淵の魔王】を認識する日が来るのだろう。

     それは当然で、当たり前で、喜ばしい、祝福すべきことで。

     __少しだけ悲しい。

    「オルコット、ラウダ__」

     ボブはふわりと、そちらに近づいた。

     ラウダはずっと見てたのか脳破壊された顔してる。オルコットは宣言通り目と耳を塞いでいたのか「もういいか」と聞いてくる。目の前でかわったから覚えてくれているみたいだが、ボブのことをその記憶からなくすのも、時間の問題であるに違いない。

     ……だからこれは、こうして逢える、最後なのだ。

     ボブは__

    dice1d3=2 (2)

    1:dice1d3=3 (3) (1:ラウダ 2:オルコット 3:二人)に自分を召喚できる【魔王召喚】の呪文を教える。

    2:dice1d3=2 (2) (1:ラウダ 2:オルコット 3:二人)の額に、キスをする。

    3:別になんもせんわBLフラグだから!「今までありがとな、あばよ!」と言って颯爽と消える!!

  • 188二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:24:46

    自分だしノーカンである めちゃくちゃ笑った
    自分相手なのに暗転してしまうのさすがだよ

  • 189二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:25:24

    ラウダ!大丈夫だよ!兄さんと兄さんがフィックスしただけだから!!破壊されないで!!

  • 190二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:33:40

    (エピローグ)

     __だからこれは、自己満足だ。

     ボブは消えていく最中、微笑んで見せた。頬が奇妙に吊り上がって、瞳が微かに引き攣っていて、きっと少し歪だっただろうけど、それでも。

     最後に見せる顔なのだから、きれいだと思われたかった。

     そうっと、オルコットの額にキスをする。祝福、するように。オルコットがはっと、顔をあげる。ボブはそんな彼を突き飛ばし、片手を振り上げた。空間が裂ける。宇宙の切れ目に、風穴があく。

    「__さよなら」

     吸い込まれる。

     完全に、完璧に。これで__きっと【最高(ハッピーエンド)】ではないけれど、【最善(トゥルーエンド)】には至れたはず。そう信じるほか、なかった。だって、そうじゃなければ。

     …………。

    「一人は、寂しいな」

     これからきっと、気の遠くなるほどの時間を過ごすことになるのだろう。何故ならボブは最早人間でも、それに類する【魔法使い】なる存在でもなく、完全に孤独な概念体、領域を司るだけの魔王であるのだから。

     玉座に腰かけると、やたら寒く感じる。ずっと誰かの傍にいて、ずっと誰かの温かみを感じていたのだと、ようやく気付いた。ほう、とため息をついて、ぼんやりと俯くと__

    「一人じゃないぞ」

    「っどわあああああ!?!?」

     素っ頓狂な悲鳴をあげた。

     いつの間にか、同じ玉座にもう一人__ボブによく似た青年が、座っていた。白い衣装。シュバルゼッテ、というより追憶の魔王と呼ばれていた存在だ。え何?ひとつになったはずでは?混乱していると、彼はけらけら笑ってボブに囁く。

    「なんか俺は消えなかったみたいだ。これからは二人で過ごそう、この始まりも終わりもない空間で!」

    「はっ、ンだ、それ__!」

    「それに俺達、アンガイ相性がいいかもしれないぞ?」

     シュバルゼッテの指先が、不意にボブの頬を撫でる。

     ぞ、と。この期に及んで、思い出す。そういえばここはシリアスでもなんでもない絶対BLになる世界、そっくりの姿の元主従(現「ひとつになった」)のカプなんて見逃すはずがなかった。シュバルゼッテが微笑み、ボブの頬を撫でる。

    「よろしくな、ボブくん!」

    「バッ__」

     馬鹿ああああ!!!!

     ボブの悲鳴が、無謬の闇の中に広がった。


    【シュバルゼッテ(実は登場回数多)と魔王化エンド】

  • 191二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:36:08

    まーたオルコットさんと悲恋してる…
    自分相手にすらBLに負けるってお前ェ!!

    スレ主今回も楽しかった!ありがとう

  • 192二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:38:17

    やっぱりBLには抗えなかったか

  • 193二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:38:56

    ちなみにシュバルゼッテ→ボブくんの運命属性はdice1d3=1 (1)

    1:興味 2:支配 3:恋愛

    ボブくんの堕ちたな(確信)度はdice1d100=81 (81) 程度 低いほど正気を保っています

    オルコットはdice1d3=3 (3)

    1:完全に忘れてしまう

    2:忘れてしまうが、うっすらと額に柔らかい感触があったと残っている

    3:漠然と【主人公(ボブ)】という存在がいたと覚えている

    ラウダはdice1d3=2 (2)

    1:完全に忘れる(もっかい深淵の魔王を殺さなきゃ状態)

    2:忘れてしまうが、何故か深淵を殺すのに逡巡を覚えるようになる

    3:漠然と脳破壊の記憶だけがある

  • 194二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:39:01

    やはり最弱…

  • 195二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:39:30

    ほぼずっとゼッテ召喚してたし順当なルートという気はするな!(同一人物であることには目を瞑る)
    結婚するとまで言っていたラウダがさらにヤバい存在になってしまわないかが心配すね

  • 196二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:39:44

    楽しかったですー!!
    エンドまとめ見ていくつか見逃したのが会ったのですが検索で上手に出てこなくてもし良ければいつかスレまとめ等くださるとありがたいです……!

  • 197二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:39:52

    ラウダとオルコットの役割が的確すぎるわ最高潮で戦闘クリティカルするわやっぱり最後は暗転するわでダイス神がエンタメを分かりすぎてる
    今回もめちゃくちゃ面白かったです!!!!!

  • 198二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:41:05

    自分は新しいパターン…
    でもさいよわなのな

  • 199二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:41:36

    今回も面白かったぁ!!ありがとう!!!!

    あと一つ勝手に宣伝させてください!
    前スレで主ご紹介の 幼児退行女体化奇妙な性的嗜好兄さん、

    ヤバかった…兄さんなのに姉さんで、設定からして頭がバグる。
    ありがとう…新しい世界をありがとう…
    狂気と正気のラリーに当てられて言葉が出ないよ…爆散したよ…

    今までみてたのは、主の引き出しのほんの入り口部分だと知った
    それこそ『深淵』覗いた気分になった
    恐ろしいものをみましたよ
    …緩急凄いわ、えってぃポイントも直球で地面にめり込みそう、卒倒しかけた…こんなん書けない…

    主の四次元ポケットは底知れないです、手品をみてるみたいです…

    狂気と正気の狭間でピンポン玉になりたい方、濃厚えってぃなラウグエ見たい方、…主のファンで未読の方はぜひ!色々と、頭バグる位に強烈ですよ!(勝手に宣伝)

  • 200二次元好きの匿名さん23/10/09(月) 23:42:26

    ラウダはまた置いて行かれたんだな…

オススメ

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