- 1二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:55:35
このスレは前作
ぐへへ、ついにマックちゃんと結婚したぜぐへへ|あにまん掲示板おい………なんで俺の稼ぎがマックちゃんに全部管理されてるんだ……?コヅカイセイ?月10万円?俺の月収は6億だぞ??bbs.animanch.comこのスレの92からラスト迄の話の続きとして書いています
一応単品でも読めるようにはしてありますがよろしければ前作も見ていただけると幸いです
見ていなくてもマックイーンがサンデーへの愛情を自覚して、これから恋人らしいことをしていこうとなったということだけ把握していただければ問題ありません
- 2二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:55:59
そう彼女が言い出したのはあの日からしばらく経った冬の日、世間もクリスマスに向けてあわただしくなってきた頃のことだった
「今まで夫婦、というか恋人らしいことすら全然してこなかったじゃん?だからその、な?」
そう言って少し照れ臭そうな彼女の頬は朱が差し、普段の威勢無くはにかんだ
あの日から私達の関係は精神的な意味では大きく変わってはいたものの、行動という意味ではあまり変化は無かった
……行為が甘いものになったりはしたが
私達の関係が以前と違うということを明確に行動にするのはやや気恥ずかしい気持ちはあるが、私としても望ましいことだった
「いいですわね、是非そうしましょう」
返事を聞いた彼女の耳はピンと立ち尻尾がブンブンと揺れる、世間的には豪気でカッコいいウマ娘であるとそういう方向が注目されがちではあるが、幼い少女のような可愛らしい側面こそ最大の魅力であると思うと同時に、私の前でだけ見せてくれる事への優越感と他の人に見せたくない独占欲が溢れてくる
「じゃあさ、俺ちょっと行きたい所があって」
そう言ってニコニコしながらデートプランを語った彼女は、今までに見たことのないくらい上機嫌であった
その日からはずっと彼女はそわそわしっぱなしで、まるで付き合いたてな学生のようですらあった - 3二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:56:29
「ということがありまして、今年は二人でゆっくり過ごす予定なのです」
「へぇ~いいじゃんいいじゃん、やっと夫婦らしくなってきたじゃん遅すぎる位だけど」
この日久々にかつてのライバルと偶然会った私は互いの近況報告も兼ねて紅茶を楽しんでいた
「遅すぎるのは私達も自覚してます、でも漸く互いを解り合えたのですからゆっくりでも二人で歩んでいきますわ」
「うんうん、とっても良いことだと思う。マックイーンも昔より随分いい顔になったし、いわゆる恋する乙女の顔ってやつみたいな~」
悪戯な笑みを浮かべながら煽って来られるけれど、こう言う内容では何も言い返せず大人しく肯定するのみである
「恋愛事はほとんど触れてこなかったもので、今までの遅れを取り戻す為に必死ですから……」
「そうだね、マックイーンもサンデーも失った青春を取り戻しているようで我輩感激の涙が止まらないぞよ」
ふざけた口調でからかって来るものの、優しい笑顔でと柔らかい視線が私達を心から祝福してくれていることがわかる
友達に恵まれた事を感謝しながら、思出話に花を咲かせた
「ところでデートは何処にいくの?」
「東京メガイルミを観に行こうかと、サンデーが行きたいと言っていたのと、私も気になっていましたので」
「確か大井レース場でやるイルミネーションイベントだっけ?いいねいいねぇ、青春だねぇ、他は何処か行くの?」
「食事をしてイルミネーションを見たら帰るだけのつもりですわ、あまり張り切り過ぎて気疲れするより二人でゆっくり過ごせるのがいいかなと思いまして」
「かぁー!さっきまでの話の初々しさから途端に熟年夫婦の響き!いやでもある意味こっちの方が初々しいかな?」
等と普段より騒がしく反応してくれるのは、野次馬根性半分、私達への祝福の気持ち半分で何だか気恥ずかしい気持ちにもなるけれど、それはとても幸せな事だった
ところでクリスマスプレゼントの話をした時に少し複雑そうな表情をされたのは何故だったのだろう、一瞬ではあったが心に少しの引っ掛かりが残った - 4二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:56:59
来る12/24当日、大井レース場にて
駐車場からでもわかるきらびやかなイルミネーションに自然と胸が期待に踊らせ、いざ会場へと向かったのだが
「これは、思った以上に人が多いですね」
多少は予想していたとは言え、この日は想像以上の混雑具合となっていた
見渡す限り人、人、人、とてもじゃないがゆっくり回るのは大変だろう
「これはなかなか大変かもしれませんね」
そう言って彼女の方を見ると、あきらかに落ち込んでいた
「うぅ、なんかごめんよマックちゃん……せっかく二人でゆっくりって誘ったのに……」
おそらく張り切っていた反動であろう、彼女は何も悪くないというのに
「賛成したのも私です、だからサンデーあまり凹まないでください」
「でもよぅ」
正直気持ちは理解出来るところもある、ゆっくり静かに彼女と過ごしたいという気持ちは同じだし確かに残念ではある
「あぁもう、あまりうじうじしないでください。貴女がそんなだと、私も悲しくなりますから、それに」
彼女の手に指を絡め優しく握る
「はぐれないようにこうしていましょう、これもその、恋人らしいこと……ですし……」
思い至って行動したは良いものの途中で恥ずかしさが勝ってしまい最後には声も少し掠れてしまった
「あっ、その……うん、そうだな、そうしよう」
戸惑い気味ではあったものの彼女は何とか落ち着きを取り戻した、先行き不安な気持はあるがとりあえず一安心である
「では行きましょうか」
「あ、ちょっと待ってくれ」
歩き出そうとした私を止めたかと思うと私の手が暖かい物に包まれる
「こうした方が、その、恋人っぽい……よな……」
繋がれた彼女の左手と私の右手は彼女のコートのポケットにすっぽりと入っていた
「え、えぇ!そうですわね!」
突然の事に声が裏返ってしまった、気恥ずかしい気持ちで彼女を見ると、その頬は赤く染まっていた
おそらく私の頬も彼女と同じ色をしてるのだろうと思うと、何だか不思議と少し安心した - 5二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:57:48
人混みに流されるようにしながらもなんとか目的のエリアを回りきり、人の少ない休憩スペースでそろそろ出ようかと話していた頃、声がかかった
「あれ?サンデーさんじゃないですか」
声のした方を振り向くと目を奪われる程の綺麗な黄金の髪をしたウマ娘がいた
あれは確か
「おぉ、アリュールじゃねーか。珍しいとこで、いや場所は珍しくないか」
今年のジャパンダートダービーウマ娘、確か彼女が指導を受け持っていた
サンデーサイレンスは祖国アメリカでの現役生活を終えた後、ここ日本でウマ娘達の教官としての仕事をしている。その指導の効果は素晴らしくサンデー塾と呼ばれた育成プログラムは多くのG1ウマ娘を排出していた、あの娘もその一人だ
サンデー塾生として初めてのダートG1勝利ウマ娘だということで彼女が熱く語っていたのを覚えている
「いやー、週末のレースを前にちょっとでも場所を感じておこうかなと、前走では情けないところを見せちゃったので今度こそはって感じです」
「ずいぶん燃えてるのな、お前は期待を力に出来るタイプでそれは長所だが追い込みすぎる事もある、こんな日でもあるし根を詰めすぎないようにな」
そう言って彼女は次のレースに対して語り出した
教官としての彼女を見る機会は珍しく、レースには真摯な彼女の話は大変興味深く私も感心しながら話を聞いていた、しかし
「そういう時は夏の事を思い出せ、同じレース場同じ距離だその時の感覚を……」
流石に話が長い、おそらく指導者としてのスイッチが入ってしまったのだろう、かれこれ二十分は話している
指導者としての彼女は尊敬しているし尊重しようという気持ちもあるが、今は私とのデート中なのである
やきもきしていた私は以前教わったとあることを試すことにした - 6二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:58:11
ポケットの中の右手の指を彼女の手の甲に優しく這わせる
ピクッと彼女の全身が震えるのを感じる、そのまま指の腹から掌へと丁寧に撫で上げる
手の輪郭に沿うようにして触れるか触れないかの強さで指を伝わせる、なぞった指を握り扱き次の指との股を優しく愛撫する
その間何度も彼女の尻尾がピンと跳ね反応を示したものの、相変わらず話は止まる様子がなかった
小指から伝い親指までなぞった時、突然彼女の手が動き私の指を絡めとり恋人繋ぎの形に戻した
いきなりの事で声が出そうになったが何とか堪える、しかし彼女の手は握ったまま互いの指同士が扱き合うように動き出した
絡み合う互いの指、密着したまま撫で合わせられる掌は汗でじんわりと湿りだし肌でしか感じられない程度の音を出していた
ただ手同士が触れ合っているだけだというのにその快感は限りなく夜のそれに近い
私は我慢出来ず彼女の肩へ顔を預けた、おそらく今私は酷く蕩けた顔をしていることだろう、そんな私の頭を彼女が優しく撫でる
そうこうしながらも話を続ける彼女、平然としていることに少しモヤモヤしながらも掌から伝わる悦びに悶えることしか出来なかった
掌の汗は粘度を増し水音を立てる、これ程迄に汗かきだっただろうかと疑問が一瞬過ったが伝わる快楽に押し流される
その時頭を撫でていた彼女の指が私の耳をなぞった
「っ~~!!」
脳内で火花が散る、身体から力が抜け彼女に寄り掛かる
輪郭をたどり一週、そして耳の内側へと指が侵入してくる
その時にはもう彼女に完全に身体を預け、己の矯声を押し殺すのが精一杯だった
耳を愛撫していた手が降りてきて頬を撫で、そして顎を持ち上げる
こちらを覗き込む彼女と視線が交差する
「車、戻るか」
いつの間に会話が終わっていた事に気付くことも出来なかった私は、ただ無言で頷いた
車に乗り込んだ後も、私達は汗を拭くこともせず帰るまでずっと手を繋いでいた - 7二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:59:01
「メリークリスマス、サンデー」
帰宅した私達は部屋でプレゼント交換をしていた
やはりクリスマスと言えばプレゼント、お互いに用意して帰ったら贈ろうと決めていたのだ
「ありがとう、開けさせてもらうぜ」
彼女が包みをほどき、中の物を手に取る
「マフラー、か」
少し時期的には遅い気もするけれど、彼女は持っていなかったしこれから更に寒くなるらしいので丁度良いと考えた故の結論だった
「ちなみにだけど、これ何処のやつだ?」
だがそれはもしかすると過ちなのかもしれない、彼女は珍しく歯切れ悪くブランドを尋ねてきた
少し不安になりながらも、欧州の老舗ブランドでオーダーメイドしたものだと伝えると、彼女はまた何かに悩んだようだった
「もしかして気に入りませんでした?」
「いや、そうじゃなくて、これ自体は嬉しい、手触りもいいし、マックちゃんの髪と同じ色だし」
話しながらマフラーを巻いていく、うん、やっぱり似合ってる
しかし何処か引っ掛かっているような態度が気になるが、それを遮るように彼女が続ける
「俺からのプレゼント何だけどさ、その、俺からもマフラーなんだ」
そう言って彼女が取り出したのは綺麗な漆黒のマフラーだった
ただそれは
「ありがとうございます、着けさせて貰いますね」
そう言い、マフラーを巻く
やはり、手触りでも感じたがあまり出来の良い物では無いようだ
彼女に限ってハズレを掴まされた等という命知らずな事をする輩がいるとも考えにくい
悩んでいると遠慮がちに彼女が口を開いた
「えーっと、あんまり上等なものじゃないんだけど、その」
喋りながらも迷うように視線を泳がせている、そして
「実はそれ、俺の手作りなんだ」 - 8二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:59:29
衝撃だった、先程出来が良い物では無いと言ったが、あれはあくまでも私が贈ったブランド品と比較すると一段階落ちるというレベルの話である
一般的な既製品レベル以上に手作りで仕上げてきた技術と熱意に感動を覚える
「ありがとうございます、大切にしますわね」
そう言って微笑みかけると、彼女は安心したように脱力しベッドへ倒れ込んだ
「良かった、同じ物で高級品が出てきたからやらかしたかと思って不安で」
「バカを言わないでください、私にとってはどんな高級な物よりこのマフラーの方が素敵なプレゼントですわ。むしろ私ちょっと悔しいんですの、敗けたような気分です」
そのまま彼女の隣へと寝転がる
「こんなに沢山愛の詰まったプレゼントをいただけて、私は世界一の幸せ者ですわね」
彼女はこちらの言葉に赤くなり、視線を伏せる
「俺だって、そう言って貰えて世界で一番幸せ者だよ」
表情こそ見えなかったがピンと伸びた尻尾が彼女の気持ちを伝えてくれた
同じように感情を主張する耳に囁きかける
「私達世界一幸せな夫婦です、愛しますサンデー」
「ひゃうっ……!?」
ビクンと身体が跳ね、丸まるようにする彼女
先程の仕返しとばかりに耳に口付け、そのまま舌で撫でる
「んっ、ぁ……」
可愛らしい吐息が漏れる、先程の私もこんな感じだったのだろうか
「俺も、愛してるよ、マックちゃん」
蕩けた顔で囁き、両方の手を繋ぐ、それぞれ片方の手だけが湿りふやけていた
そのまま愛しの彼女へと口付ける
そうやって私達の初めての聖なる夜は更けていった - 9二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 01:01:14
うっひょ〜〜〜〜❗❗
- 10二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 01:02:33
- 11二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 01:04:17
やはりササマクこそ至高
- 12二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 01:07:35
よきかな
- 13二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 01:11:03
- 14二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 02:23:50
フフフ……手ックス!
- 15二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 13:01:11
まさか続くとは、ありがたや
- 16二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 15:54:04
👍
- 17二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 16:15:27
よかった…
- 18二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 22:56:15
あっあっ……いい……
- 19二次元好きの匿名さん21/12/28(火) 00:36:07
やっぱササマクなんだよなぁ…