- 1二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:25:35ウマカテ麻雀部5卓目|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/2467144/前スレここはウマカテ民たちが描け/書け麻雀をする場所です。ルールはいたって単純。雀魂または天鳳というゲームで麻雀をし、勝っ…bbs.animanch.com
このスレで出題されたお題でこのssを書いたんですけれど、翌日提出しようと思っていたらその日のうちに同じようなシチュでssがあげられてしまい、やるせない気持ちになりました。
でも性癖が一緒な同士が見つかったのでOKです!
今回は疲れきったトレーナーがダーレーアラビアンに耳かきされるお話です。トレーナーはどっかの冴えないチームトレーナーです。勝手にネームドの担当に脳内変換してもいいよ。
ダーレーさんの口調を再現しようと頑張った結果そんなにイチャコラしたやつは作れませんでした!許してください!
それでは、どうぞ
- 2二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:25:51
「やぁ、子羊くん。その顔を見るにお疲れかい?」
そう言って眼前に姿を現したのはサトノ家の叡智によって現代に甦った、三女神の一人の名を冠したAI、ダーレーアラビアンだった。
「あ、ダーレーさん、お疲れ様です。そうですね、最近ちょっと疲れ気味で……」
"疲れ気味"と言うにはあまりに目立つ隈、瞬きの度にキュッと強く目を閉じる仕草からもそれがちょっと所でないことは明白だった。が
「なるほど、心当たりはあるか?」
おそらく、内心気づいてはいるだろう。だが、彼女はあくまで心配を掛けたくない、という男の心情を汲み取った。
「最近はレース分析とかの仕事で目と耳を酷使していたので、そのせいかもしれないですね」
男は彼の指導するチームメンバーのウマ娘達のレースが同時期に重なったこともあり、連日ライバルの分析、更には感謝祭でのOPムービーの作成などの業務により疲弊しきっていた。
「そうか、ちょっとこっちにおいで」
彼女はそう言ってちょんちょんと手招きをし、タッタッタッと軽快に跳ねるように歩みを進めている。
「…?……はい」
男は多少、疑問を持ちつつも言われるが儘について行く。
「おいで」
そう言って布団の上に正座したダーレーアラビアンはポンポンと自身の腿を叩いた。
「……え?」
意味がわからない、といった様子で男が聞き返す。
「ほら、俺の膝に頭を預けて」
再度脚をポンポンと叩く。
「は、はい。失礼します」
男は観念したのか、少しきまり悪そうに、ゆっくりと、やさしく、ダーレーアラビアンの腿に頭部を乗せる。普段の力強い走りから想像できない、程よく弾力をもった柔らかい膝枕に、太陽を宿した髪から快然たる香りが鼻を抜ける。 - 3二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:26:06
「じゃあ、まずは耳かきから」
「え」
男は突如放たれた言葉に驚嘆し、身体を起こそうとしたのも束の間、細く、長く、小さな指が懇篤な手付きで頭を抑える。
「ほら、動かないで、優しくするから大丈夫だぞ」
そう告げる声はどこか心地よく、抵抗する気持ちはいつの間にか去ってしまった。
「人間の耳は不思議だな、俺たちの耳とまるで違う……」
耳かきを始めようと耳に触れた途端、そう言ってダーレーアラビアンは男の耳をペタペタと触る。
「あの、ダーレーさんの耳も触っていいですか?」
それは、ただただ純粋なお願い、トレーナーとして、教育者としてのウマ娘という生物に対する知的好奇心。けれどちょっとだけ、自身の耳だけを執拗に触れられる不公平感を孕んだお願い。
「ん?俺の耳も触りたいのか……それは、また今度だな」
質問を繰り返し、少しばかり、顔を逸らして答える。
「残念そうな顔をするな、いつか触らせてやるから……いつか、な……」
褐色の頬を太陽が宿ったように紅潮させ、翡翠の眼を逸らす。
「じゃあ……始めるぞ。ゆっくり、ゆーっくり………カリ……カリ……カリ……カリ……」
竹で出来た棒が男の外耳に付いた耳垢を削り取る。海苔を砕いたような小気味いい音が耳の中で木霊する。
「おっと、結構溜め込んでたな。耳の中でパリパリって音がしてるのが分かるかい?随分と耳掃除がご無沙汰だったんだな」
言われてみれば、男は激務に追われ、自身の身嗜みは外から見て分かる箇所だけ、最低限整えるだけで済ましていた。耳掃除をいつやったのかなど、とうに忘れていた。
「お恥ずかしながら」
鼓膜の間際に段々と音が近づく。 - 4二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:26:23
「それじゃ、奥の方も……カリ……カリ……カリ……カリ……」
「凄い沢山取れたぞ、見るか?」
少しばかり好奇心を擽られるが、自身のものを見せられるのはあまり心地よい気がしないと考えた男はふるふると小刻みに顔を横に振る。
「そうかい?じゃあここからは梵天を使うよ。くすぐったくても、動くんじゃないぞ」
「ふわ……ふわ……ふわ……ふわ……」
羽毛が耳の内壁を優しく撫でるのと同時に、柔和なオノマトペが聞こえ、頭を内からも外からも包まれたような感覚に陥る。
「どうだ?癒されるかい?」
そう問われ、ほわほわとした穏やかな心地から自然に言葉が漏れ出る。
「ええ、とっても」
「そうか、それは良かった。いつでも寝てしまって構わないからな」
その言葉が耳に届き、男の瞼が急激に重くなる。
「ははっ、急にトロンとした顔になったな」
「ほら、入口の辺りも……ふわ……ふわ……ふわ……ふわ……」
なぞるように梵天を動かされ、眠気を誘われると同時にくすぐったさを覚える。
「よし、こっちは終わりだ。逆を向いてくれ」 - 5二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:26:39
「こっちも随分溜め込んだな、それじゃあまずは手前から、カリ……カリ……カリ……カリ……」
またトレーナーの耳元でパリパリという音が鳴る。彼は削り取られるような快感が段々と癖になりつつあった。
「奥のほうも……カリ……カリ……カリ……カリ……」
「右より酷いんじゃないか?ははっ、冗談だよ」
「にしてもいっぱい取れたな。やり甲斐があって楽しいよ。それじゃこっちも」
「ふわ……ふわ……ふわ……ふわ……」
二度目の梵天、男は先程よりも慣れている筈なのによりくすぐったさを感じ、身体を小刻みに揺らす。
「そんなにピクピクして、くすぐったいなら素直にいいな」
そう言った直後、男の耳に暖かい息がかかる。
「ふぅーー」
無数の触腕で脳を直接弄られるような、言いようの無い知覚。男の全身の毛穴が逆立ち、ブルブルっと身を震わせる。
「ほら、ちょっとしたイタズラさ。ゾクゾクっとしたかい?」
男からは見えない筈の彼女の表情、だが見えずとも、徒に微笑む姿が浮かぶ。
「よし、耳かきは終わりだ。頭を真ん中にしてくれ」
言われた通りに天井を見上げると一瞬だけダーレーアラビアンと男の目が合う。キラキラと輝く宝石のような眼に惹き込まれる。 - 6二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:26:56
「あぁ、そうだ。よし、頭をマッサージするから、痛かったら言ってくれ」
そう告げ、ダーレーアラビアンは少しづつ、ウマ娘の膂力からすれば本当に僅かな力で頭を指圧していく。しかし、それは男の頭を揉みほぐすには十分であった。
「大丈夫か?力加減はどうだ?」
「ちょうど、いいで……す…………」
その言葉が口から漏れでた刹那、今迄理性の際で押さえつけていた睡魔が襲いかかり、男を夢現に引き込む。
「そうか、それは良かった………寝てしまったのか?」
「グッ……グッ……グッ……グッ……」
「……随分と気持ちよさそうな寝顔をするな、そんなに良いのか?」
その問いに返答するかのようにこくりと男の顔が動く。
「…そうか………じゃあ、耳の方も……コリ……コリ……コリ……コリ……」
「やっぱり、何度触っても不思議だ」
「………………チュッ」
「……ん、……おはようございま、す?………あれ?」
生暖かい布団の中で男が目を覚ます。そして挨拶を交わして直ぐに、自身の置かれた立場を悟る。
「おはよう、子羊くん。ぐっすりと寝ていたな」
目前で横になり、こちらを穏やかに見つめるダーレーアラビアンを確認し、飛び起きる。
「え、今何時ですか?!」
自身のスケジュール、担当達のスケジュール、積み重なった仕事の数々が脳裏に過る。
「今日、君は休日だろう?そんなこと今は忘れろ。ただ、俺に身を委ねろ」
彼女は飛び起きた男の肩にそっと手を添え、もう一度敷布にいざなう。 - 7二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:27:08
おしまい。
- 8二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 14:41:47
最近会ってないな……
- 9二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 15:09:18
あげ
- 10二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 16:27:44
抱擁感すこ
- 11二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 19:04:33
耳かきはいいぞケンシロウ
いいものを読ませて頂いた - 12二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 19:26:28
- 13二次元好きの匿名さん23/10/07(土) 22:55:48
逆はありか?