【🎲・閲覧注意】オール・フォー・ユー

1二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:03:11

「マグカップ組＆ラウダでオリジナルシナリオを独自ルールで進めていく。

　シナリオを進めるキャラ（PC）とは別にメタ視点の俺たちワイプ組の反応も入るからそのつもりで。

　今回の進行役はこの僕、ラウダ・ニールだ」

「生き残りたい」

「ただ生きてたくなる～」

「死に怯えすぎでしょ、あんたたち…」

「事前に何度も注意されているから、当然の警戒だよ」

「いや～あはは。今回のお労しい枠は俺かな？」

「事前情報ではエランさん…4号さんがおつらい目に遭っているみたいでしたけど…」

「本シナリオではメイン格のキャラ以外にもサブキャラとのCP成立＆サブキャラ間のCP要素が含まれる可能性があります。

　左右は明言しませんが、こだわりの強い方や地雷のある方はブラバ推奨ですよ。

　それと展開によっては猟奇的な展開や性癖モロ出し、暴力描写や性描写が含まれる可能性がありますのでご注意ください」

2二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:06:00

「私はすごいえらいつよい愛の女神。

　語気の強いレスやレスバはサクッと撃滅しますね。愛の女神なので。

　CPに関する質問や展開への不満も基本的にスルーです。愛の女神なので。

　合わないと感じた方はそっとブラバ＆理想のスレがあるなら自分でレッツスレ立て！ですよ」

「このスレでは独自ルールを採用して遊んでいる。

　広く知られているTRPGとは異なり、ダイスを振った際の成功値は『定められた数値以上の出目』となる。

　ある技能が60％で成功する場合、出目が41以上で成功といった形になるな。

　キャラのロストが発生する確率は…それなり。

　NPCは割と儚い。最初から生存ルートのないNPCもいる。

　死亡描写などが耐えがたいという人は閲覧非推奨。

　…他に説明を忘れていることがあれば、その都度説明する。

　数字を処理するのはこちらの仕事だ。見ている人は難しいことは考えずに楽しんでくれ」

3二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:07:47

「これまでの長編シナリオは以下参照だよ」

【愛の女神シリーズ】長編シナリオ増えてきたのでまとめた。
ネタバレにならない程度の軽い紹介を添えて。
それぞれリンクはpart1のみ。

『ダイス・オブ・ザ・リング～船旅の仲間〜』
進行役︰スレッタ（女神）
船旅を楽しむ三組のコンビが『女神の指輪』を巡り影の世界を探索する。
コンビの組み合わせは『ミオリネ・シャディク』『グエル・ラウダ』『4号・5号』。謎の少女スレッタちゃんも登場。
CP要素あり。ほんのり暴力描写。微妙にホラー描写あり？

『すすめ！アスティカシア冒険隊』
進行役︰4号
ひょんなことから放課後の校舎で『だいじなもの』を探すことになった小学生たちの冒険譚。
ミオリネが主人公ポジ。ジェタークがちゃんと兄弟。シャディクのみ担任の先生。
CP要素一切なし。ちょっとだけホラー？

『ゆりかごの街』
進行役︰ミオリネ
近未来✕ディストピアもの。ある街を管理する謎の存在『M』、それに仕える『ドミニコス』、反抗する『レジスタンス』の物語。
グエルがほぼ主人公。ジェタークが兄弟してない。4号と5号はNPC扱い。
グエルが女性。暴力描写あり。CP要素あり。

『エランズマンション』
進行役︰5号
大学生の仲良しグループが、旅行中に立ち寄った屋…telegra.ph

4二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:08:30

「単発シリーズは以下参照」

【愛の女神シリーズまとめ】シリーズが長くなってきたのでまとめ。
ネタバレに配慮して結末を書かないことにした結果CPなどの地雷に配慮できてない、ウケる。

【🎲・閲覧注意】「ラウダ先輩！」「大変っす！」
記念すべき？一作目。ラウダ主人公、フェルペト装備。
ケナンジ隊長にプロポーズしたグエルをフィックス・リリース（）で元に戻そう！

【🎲・閲覧注意】「グエル先輩！」「大変っす！」
グエル主人公、フェルペト装備。
兄への愛憎反転したラウダ（冷たい）を元に戻そう！

【🎲・閲覧注意】「グエル先輩！」「大変っす！」りべんじ！
グエル主人公、フェルペト装備。
兄への愛憎反転したラウダ（メンタル激弱）を元に戻そう！

【🎲・閲覧注意】「ミオリネ！」「大変だよ！」
ミオリネ主人公、フェルペト装備。
女の子になっちゃったエラン（4号）を元に戻そう？

【🎲・閲覧注意】「ラウダ先輩！」「大変っす！」おかわりっ！
ラウダ主人公、フェルペト装備。
記憶喪失になったグエルを元に戻そう！

【🎲・閲覧注意】「ラウダ先輩！」「大変っす！」りとらいっ！
ラウダ主人公、フェルペト装備。
別人をラウダと思い込むようになったグエルをフィックス・リリース（）で元に戻そう！…telegra.ph

5二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:11:34

「本シナリオに登場するPCを紹介する」

グエル

・一般家庭に生まれたお節介焼きなところのある学生。『仲の良い弟』がいる。

5号：輝きの獣/×××

・自信に満ち、自らを英雄と語る。

ミオリネ

・裕福な家庭に生まれ、放蕩を繰り返す学生。

4号：背徳の獣/××

・どこか神秘的な雰囲気がある。夜は一人になりたがる。

シャディク

・恵まれない家庭環境、恵まれない人間関係により人間不信に陥りつつある学生。

スレッタ：堕落の獣/××

・人を遠ざけようとするところがある。しかし心根の優しさが見え隠れする。

6二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:21:05

「…改めて注意を。

　今回、基本的に全員が生き残るのは難しいと思ってくれ」

「はい」

「何故敬語…？

　…それと。PC、NPC問わず、つらい目に遭う描写が挟まれる可能性がある。

　苦手な人は注意を」

「…他に言っておくべきことは？」

「…ああ、そうだ。すっかり忘れていた。

　4号は性別が曖昧な人物として設定されている。

　男になったり女になったりするからそのつもりで」

「了解」

7二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:26:45

「…始めようか」

「幸せになりたい」

「楽して生きていたい～」

「そこ二人、ワイプでカラオケするのやめろ」

「…僕たちも歌う？」

「いっそポップコーンとコーラ片手に見るくらいの気持ちでいいのでは？」

「ついでにピザでも頼んじゃう？」

「…何をして抵抗しようと開始するからな。プロローグだ」

8二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:33:51

プロローグ　『死』

「あ゛～！やっと講義が終わった…あの先生、熱心だけど話が長いんだよな…」

「でも兄さんは寝ずにノートを取ってたじゃないか」

「ラウダもな。…よし、今日の夕食は何がいい？早く帰って食べよう」

「兄さん、今日はバイトないんだっけ？」

「ん？」

「あれ？」

「………まずい」

「兄さん…」

「今から走れば間に合うな…うん。ラウダ、悪いけど夕食は冷蔵庫の残り物を温めてくれ！」

9二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:37:26

「えーっと…こっちの橋の上を通った方が近道だっけな…」

「ちょっと、兄さん！…はあっ…ようやく追いついた…！」

「どうしたラウダ？先に帰っていて構わないぞ」

「…兄さん、これ」

「…あっ」

「もう。慌て過ぎてキーケースを落とすなんて…

　バイト先の鍵も入ってるんだよね？」

「ああ、助かる。メイジーにからかわれるところだった…

　…ん？」

「どうかしたの？」

10二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:48:13

　偶然だった。本当に偶然。耳を澄ませなければ聞き取れないくらいの音が、不思議と気になって、出所を探す。

　何の音だろう。下から聞こえた気がして、橋の欄干から身を乗り出す。ラウダが不審そうに「兄さん？」と聞いて来るのを、しぃ、と人差し指を唇に当てて制した。

　そして。

「………子供！」

「え！？」

　橋の下を流れる川は、それなりに幅が広く深いのだが…そこで、子供が溺れている。河川敷の土手を犬がうろうろと走り回っていて、どうやら散歩中に川へ転落したのだということが分かった。グエルの耳に届いたのが、子供が必死で水面を叩く音だったということも。

　そうして見ている間にも、幼い子供の体が流されていく。これはまずいと羽織っていたパーカーを脱ぎ、鞄と一緒にラウダに押し付ける。

「兄さん、まさか…」

「すまん。余裕があったらメイジーかイリーシャに連絡しておいてくれ！」

　さすがに橋の上から飛び込むのはまずいかと思ったが、事は一刻を争う。意を決して飛び込むと、ラウダの悲鳴にも似た呼び声が聞こえた気がした。

　川の水は冷たく、中にいるだけで体力を奪われていく。早く子供を助けなければ。

　必死に腕を、足を動かし、川に流されていく子供へ近づく。先日の雨のせいか水が少し濁っていて、視界が悪い。それでもどうにか子供に近づき、抱きかかえたところで。

　嫌な音がした。背中に何か、ぶつかったらしい。しかし運が良いことに、体がその何かに引っかかっている。このまま誰か、子供を岸に引っ張り上げてくれれば…。

「大丈夫ですか！？」「早く手伝え！早く！」「もう一人流されなかったか！？」「岩にぶつかって――」

　すべての音が、声が遠くなる中、大切な弟の声が聞こえた気がした。

「兄さん？」

11二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 22:56:28

「だからね」

　何度も繰り返した説明を、もう一度繰り返す。いい加減舌がもつれそうだった。

「私はあんたと付き合ってたつもりはないの」

「どうして！」

　ヒステリックな叫びが耳に刺さるのも何度目だか。耳にタコどころか鼓膜に音が焼き付きそうだ。

「あんたも一緒。彼氏でも何でもないから」

「嘘だ。俺たちあんなに愛し合ってたのに…」

「だーかーらぁ…単に友達なんだって。しつこいわよストーカー。警察呼んでもいいんだからね」

　いよいよ面倒になったが故の発言だった。対峙する男と女、二人の目がギラリと異様な輝きを放ってミオリネを見つめる。

「本当は誰と付き合ってるんだ？」

「いや、誰とも付き合ってないし。ちょっと、近づいて来ないでよ」

「私のことが好きなんだよね？本当は私と付き合いたいのに誰かに邪魔されてるんだ」

「違うっつーの！」

　いやこわ。知らんがな。頭おかしいの？

　宥めようとして口から出る言葉が、どれもこれも相手の神経を逆なでしているらしい。とはいえミオリネも最初は優しく諭していたのだ。それをもう三時間ちかく部屋に居座られ、堪忍袋の緒が切れかけている。というかもう切れた。何なら滞在時間が一時間を超えたあたりから切れてた。

「俺のものにならないなら…他の誰かのものになるくらいなら…」

「考えたんだけど…あの世で幸せになろうよ！そこなら何のしがらみもないよ！」

「は？」

　いや、だからって――刺すか、普通？

12二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:04:10

ワイプの学生カラオケのノリから
プロローグ「死」への落差すごい

13二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:07:45

生き残りたいって言ったそばからもうﾀﾋんでるー！？

14二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:08:01

「…帰って来ないなぁ」

　実はもう、捨てられてしまったのかもしれない。

　旅行と称して家を出て、そろそろ一年になる両親の顔を思い出す。いつもニコニコ笑顔で、幼い頃にはシャディクのことをよく撫でてくれた。

　そう。いい両親だ。公共料金の支払いを止めたことを連絡してくれなかったのは少し困ったが、シャディクとてバイトして稼いだ金がある。

　そのほとんどは学費に消えているわけだが、それでも。生きるため最低限の出費だと思えば飲み込めた。

「…まだかなぁ」

　帰ってくるはずないと思いつつ、今にも玄関のノブが回らないだろうかと期待してしまう。

　だってもう、シャディクには信じられる人が両親しかいなかった。

　親戚に預けられた時のことは――思い出したくない。嫌なことがたくさんあって、両親はシャディクを抱き締めもう大丈夫と背中を撫でてくれた。

　中学、高校とつるんでいた友人も、シャディクを裏切った。何が気に食わなかったのかはわからない。

　ただ、ひどく…シャディクのトラウマを抉る方法で、傷つけた。彼になら話せると、心の傷を共有したことを深く後悔した。

　その時も両親は、自分たちだけは味方だからと手を握ってくれて。おかげで自らを奮い立たせ、大学に通うことも決められた。

「あ」

　玄関の方から音がする。ほんの一週間が一年にも膨らんだけど、そんなのもうどうだってよかった。

　跳ねるように玄関へ向かい、飛び切りの笑顔で二人を出迎えようとして――

「なんだ。バラすにはもったいない顔だな」

「仕方ないだろ。中身を売り飛ばして金にしろって言われたんだから」

「…ちょっと遊んでからでもいいか？」

「抵抗されると面倒だろ。さっさとやるぞ。悪いな坊主、恨むなら両親を恨んでくれ」

　ああ、なんだ。やっぱり俺は捨てられたのか。

15二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:13:23

　声が聞こえる。

『惹かれ合うのか、反発し合うのか、あるいは調和か。
　理由は分からずとも、お前たちは選ばれた』

　男なのか、女なのか。若いのか、年老いているのか。何も分からない。
　ただひどく静かで、何の感情も滲ませない声だった。

『生を望むのなら、契約を』

　何もない空間。黒も白もない、その場所に、誰かの手が浮かぶ。

『獣を人に戻すには、その罪を雪がねばならない』

　その手に触れれば、契約は完了する。説明されるまでもなく、本能でそう理解する。

『奇跡が果たされた時、もう一つの奇跡も叶う』

　――まだ、死にたくない。

『これより、罪を清めるための巡礼を始める』

　手を掴んだ瞬間、何もなかったはずの世界に光が弾け、そうして意識がまた遠のいて――

16二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:18:11

「兄さん」

「…ラウダ…？」

「ああ…よかった、兄さん…！」

「…俺…えっと…」

「心配したんだよ、本当に…子供を助けたのはいいけど、意識を失って…

　このまま目を覚まさなかったらどうしようって…」

「そうだ、背中…怪我…」

「…医者によると、どこも怪我はないって。本当によかった…」

「………」

（確かに、死んだと思ったのに…？）

「…喉、乾いてるよね？ずっと眠っていたし…何か買ってくるから！」

17二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:22:09

「あ、ラウダ！…行ってしまった」

「ふーん。君が僕のパートナー？」

「………！？」

「いや、相棒っていうより…従者あたりがぴったりかな？よろしくね」

「な、おま、誰…」

「僕は英雄さ。名前は…5号とでも呼んでよ。君は？」

「え？俺は…グエル。グエル・ジェタークだ」

「グエル、君は状況をどの程度理解しているかな？」

18二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:25:33

開幕からフルスロットル！！(新作ありがとうございます今回も楽しみにしています)

19二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:28:33

「状況…って。川で子供を助けようとして意識を失ったと思ったら、病室に不審者がいた…ってところか」

「不審者？どこ？僕がやっつけてあげるよ」

「お前だよ！」

「冗談きっついな～。僕は英雄だよ？不審者とは対極だね」

「自称英雄って果てしなく怪しいだろ…！」

「ひどいなぁ。僕たち、運命共同体なのに」

「…どういう意味だ？」

「僕がこの世界に存在するためには、君の命が必要不可欠ってこと！逆も同じだよ？」

20二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:34:46

「？」

「…おかしいなぁ。司祭から聞かなかったの？

　巡礼や、僕たち獣について」

「…巡礼…獣…言われてみればそんな夢を見たが…」

「何だ、ちゃんと聞いてるんじゃないか。一応、もう一度説明してあげるね？

　まず、君は死んだ」

「…！（やっぱり…）」

「でも、僕の巡礼のパートナーに選ばれた。だからもう一度生きるチャンスを与えられたんだよ。

　巡礼が失敗すればそのチャンスもなくなっちゃうらしいし、一緒に頑張ろうね」

「………巡礼、って？」

「さあ？」

「さあ！？」

21二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:39:54

「そもそも僕、罪とかもよく分かってないし。英雄の僕に罪を清めろとか、わけわかんないよね？

　でもまあ、やるべきって言われたならやるよ。英雄ってそういうものだし」

「そういうもの…なのか？」

「正しいこと、すべきことをするのが英雄だからね！巡礼については…その時が来れば、司祭から連絡があるはず。

　確か…全部で7つだったかな？僕の手にかかれば楽勝だろうし、グエルは気楽にしててよ」

「う…うーん…？」

「ただいま、兄さん。…そこの少年は？兄さんの知り合いかな」

「こんにちは～。グエルの弟？」

「そうだけど…ラウダ・ジェタークだ。よろしく」

「ラウダ…その…」

（どう説明しよう…）

22二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:45:02

～ミオリネの自宅～

「…それで、刺されたはずの傷がないわけ？不思議…ま、生きてるならなんでもいいけどね」

「………」

「私のこと刺した奴らはどうなったのよ？」

「…記憶を改変されているはず。次に会えば…どうなるかは分からないけど」

「ふーん…。…にしても、あんた…」

（きれい…。人形みたいにも見えるけど、確かに生きてる。これは…）

「………」

「…ねえ。私たち、運命共同体なんでしょ？なら、親交を深めるためにも『仲良く』しようよ」

「………」

23二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:49:55

「…僕は………『女』だよ」

「見れば分かるわよ。っていうか何？お堅いこと言っちゃって。私そう言うの気にしないから。

　女の子相手も慣れてるし…気持ちよくしてあげるよ？」

「…触れないで」

「え？」

「見ないで。僕に…何も求めないで」

「何よ、それ。パートナーなんでしょ？だったらいいじゃない」

「…君は、僕と繋がっているから、影響はないと司祭に聞いていたけど。

　それなら今の発言は、君自身の意思？」

「？よく分かんないけど、そうね。私、あんたみたいに綺麗な子は始めて見た。是非お相手して欲しいんだけど？」

24二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:53:00

ミオリネが思ってた以上に肉食で草

25二次元好きの匿名さん23/10/11(水) 23:55:56

「………君みたいな人は、苦手だ」

「何よ、もう。カマトトぶってんの？…ま、無理強いなんてしないけどね」

「…それを聞いて少し安心した。二度とあんなこと言わないで」

「………ふーん？」

（何だろ…経験がない…って感じはしないんだけどな、落ち着いてるし。…変な子）

「…もうすぐ、夜になるね。僕は部屋で休みたいんだけど…」

「ああ、部屋なんていくらでも余ってるし自由に使えば？」

「…わかった。…間違っても、入って来ないでね」

「はあ！？この家の持ち主は私だっつーの！」

「じゃあね」

「…何よ、不愛想なやつ！」

26二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 00:03:21

～山中～

「………」

「あの。夜になりますが、拠点に移動しなくてもいいんですか？」

「………」

（帰ったところで…またあの男たちが来てしまったら…そもそもあの家は、既に差し押さえられた可能性も…）

「…分かりました。それでは野営の準備を」

「…え？」

「慣れていますから。シャディクさんは休んでいてください。

　…いろいろあって、疲れているでしょう」

「………君は…」

「あなたと私は、運命共同体。私にはあなたを守る義務がある。…務めは果たしますから」

27二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 00:06:19

「プロローグ終了」

「死んだーっ！」

「生き返ったからセーフ」

「肉食獣・私」

「正直初対面であれは恐怖の対象」

「俺、元気ないなぁ」

「あんなことがあったら当然では…？」

28二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 06:33:30

「第一章が始まるわけだが」

「私とシャディクさんだけ野宿で既にハードモード入ってません？」

「つらい」

「そういえば…最初はシャディクの役が私の想定だったんだよね？」

「ああ、そこは配役に合わせて多少設定を変えてるから安心してくれ。

　ミオリネの場合は元々社長令嬢だったが母を亡くし、父は事故で昏睡して会社や親戚に負債を押し付けられ…

　という設定になっていた」

「どこに安心すればいいわけ？」

「とにかくひどい目に遭うのは確定かぁ…」

29二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 06:37:33

第一章　『侵食』

「おはよう！いい朝だね」

「………兄さん」

「ん？」

「どうして彼を家に泊まらせたのかな。

　昨日はもう遅かったし、疲れてるだろうと思って聞かなかったけど…」

「………あ～」

（これは…正直に言っていいのか？ラウダなら信じてくれるかもしれないが…）

「お腹空いたぁ。朝ごはんまだ？」

「厚かましいぞお前」

グエルはラウダにdice1d2=1 (1)

1：話す

2：話さない

30二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 06:40:36

「…ラウダ」

「こら、勝手に棚を漁るな！…何、兄さん？」

「聞いてほしいことが…5号、一旦座れ。砂糖をそのまま食べようとするな」

「えー？しょうがないなぁ」

「ラウダ。実は俺…一度、死んだんだ」

「………！」

31二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 06:47:18

「…というわけで。俺と5号は運命共同体…命を共有している状態らしい。

　帰る家もないらしいし、これからその…巡礼とやらが終わるまでは、ここに置いておこうと思う」

「よろしく～」

「………兄さん」

「突然こんなことを言われて、ラウダも混乱するだろうが――…ラウダ？」

「そんなことが…きっと、つらかったよね。痛くて、苦しかったよね。…何もできなくて、ごめん」

「ラウダのせいじゃない。俺がもっと上手くやっていれば…」

「兄さんは正しいことをしようとしただけだよ。兄さんは悪くない。…兄さん」

「ん？」

「僕のこと、信頼して…打ち明けてくれて、ありがとう」

ラウダ親愛：0→1

32二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 06:53:29

「美しき兄弟愛、ってやつかな？」

「茶化すな。…お前、何が何でも兄さんを守れよ」

「当然だよ。僕の実力なら問題なし！」

「そもそも…巡礼というのは危険が伴うものなのか？」

「さあ？どんな内容でも僕に任せておけば間違いないと思うけどね」

「…とんでもない自信家だな」

「ねえねえ、それよりお腹空いた～。あと着替え！着替えほしい！僕これしか持ってない！」

「…確かに、その服は目立つか。華やかだが…映画か何かのコスプレみたいだ」

「目立つのは構わないよ？英雄たるもの華がないとね」

「構え馬鹿」

33二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 07:00:44

～ミオリネの自宅～

「ん～…やっぱりちょっとサイズが合わないかな？あんた、私より背が高いもんね…それと…dice1d3=1 (1)

　1：…ま、私と同じくらいか

　2：並…かな

　3：嘘でしょ…どうしてそこだけスレンダーじゃないのよ…！

　」

「………何のためにこんなこと…」

「決まってるじゃん。昨日はいろいろあって気にしてる暇もなかったけど…何それ？ネグリジェ？

　その格好で外を歩いたら目立つに決まってるし」

「それは…」

「嫌でしょ？隅っこで誰にも気づかれず生きてたい…みたいな顔してるもんね、あんた」

「………」

「にしてもいい生地だね、手触り最高。…ああ、この服ならゆったりしたデザインだし…」

34二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 07:06:47

「…服、すぐ返すから」

「え？いいわよそれくらい。っていうか買い物行くよ」

「………」

「あんたの服とか…食器に日用品いろいろでしょ、それにあんたの体質に合ったスキンケア、ヘアケア…」

「…必要ない。一人で何とかするから、放っておいて」

「いや無謀すぎ。あんた、お金も何も持ってないじゃん」

「………何とかなる、から」

「遠慮することないわよ？ほら、行くよ！」

「…手…繋がないで」

「…振り解くことないじゃないの！」

35二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 17:22:43

ラウダの親愛値は何に関わってくるんだろうか

36二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:12:41

～山中～

（いやだ、やめろ、やめ――）

「――っ、は……はあっ…！………夢…」

（…最悪の目覚めだ。背中は痛いし、頭も…

　………あれも全部夢なら良かったのに、ベッドの上で目覚めたんじゃないってことは…）

「…目が覚めたんですね。食事の用意はできています」

「魚…？」

「川で獲ってきました。内臓と鱗は処理しているのでご心配なく」

「………」

dice1d2=2 (2)

1：食べる

2：食べない

37二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:18:15

「………」

「…そうですか。無理にとは言いませんが…食べなければ体力が保ちません。

　魚が嫌いなら兎か何か…」

「…必要ない」

「………わかりました。でもせめて水くらいは――」

「こんなところの水なんて飲めないよ」

「え？」

「…ミネラルウォーターや…せめて水道水でもないと」

「…？」

38二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:24:58

「…その妙な格好もだけど…俺と君では常識が異なるみたいだ」

「…そのようですね。具体的にはどこがおかしいですか？」

「………その、鎧。少なくとも現代でそんな仰々しいものを着ている人はいない」

「そう、なんですか。…では、この国には…戦争がない？」

「…ああ」

「それは…いいことですね。本当に…」

39二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:31:25

「しかし…このままでは巡礼どころじゃないな」

「何が必要ですか？」

「…何が必要だったとしても、まずは先立つものだ」

「要はお金ですね。…元いた世界なら力になれたんですけど…」

「…家には戻れない。となると財布も通帳も手に入れられないし…」

「…よく、分かりませんが。お金がないなら稼げばいい。

　仕事を探しに行ってきます」

（………一人で街に解き放つのは、さすがにまずいか…？）

「…俺も行く。バイト先を…紹介できるかもしれない」

40二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:37:56

「やっぱり私とシャディクさんだけハードモードですよね？」

「俺たちだけコミカルさがない」

「諦めろ」

「全員街に出たけど…出会ったりするわけ？」

「いや？現段階ではまだ出会う予定はない」

「せっかくだしダイスで決めようよ～」

「は？」

「幸運クリティカルで遭遇とかどうだ？」

「………まあ…いいけど」

41二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:40:22

「じゃあ人間側が代表してダイスを振ってくれ」

「了解。…俺、結構幸運高いんだな」

「並ね」

「やや低め…かぁ」

グエル幸運（31～）：dice1d100=98 (98)

ミオリネ幸運（51～）：dice1d100=31 (31)

シャディク幸運（61～）：dice1d100=27 (27)

42二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:42:54

「は？」

「いえーい」

「やった～」

「……………わ…わかった。

　兄さん、ちょっと、その…追加でイベントを…考えるから。

　少し待っててくれる？」

「いいぞ」

「あと5号は…4号と水星女、どっちがいい」

「え～？じゃあdice1d2=1 (1)

　1：4号　2：スレッタ

　で」

43二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:45:44

さすがだよ兄さん！

44二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:49:43

「すごく　とても　不服」

「急にどうした？」

「嫌だ…嫌だ…っ」

「何が？」

「くっ………しかし、生存率は上がった…」

「マジ？グエル神じゃん」

「グエルを崇めよ」

「よっ！大事なところで成功する男」

「ありがたい」

「ううう…」

45二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:50:17

有言実行素晴らしいよ兄さん

46二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:55:30

～ショッピングモール～

「わあ～！人もお店もたくさん！何あれ？」

「ん？家電量販店だけど…あっこら！店頭のものを次々触るな！」

「えー！何これ？触ると光った！魔力は感じないのに、不思議だね！」

「さ、騒がないでくれ、目立ってるから！」

「別に目立つくらいいいよ。そもそも僕、かっこよくて、きれいで、かわいいから目立っちゃうし」

「すごい自己肯定感が高い！…目的を忘れないでくれ。まずお前の服を買わないと」

「あ、そっか。じゃあ服を売ってるお店に連れてってよ！」

「ああ。…ラウダも来られたら良かったんだが…」

47二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 19:58:24

「大学の課題…だっけ？それってそんなに大事？」

「それはもう。ものすごく」

「そっか。じゃあしょうがないね。それに…」

「…？」

「…んー。何でもない！ねえ、それで服ってどこで買うの？あそこ？」

「いや、あれはレディースの店で…ああもう、すぐに走るんじゃない！危ないだろ！」

48二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 20:00:20

はしゃいであちこち動き回るのかわいい…

49二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 20:01:23

「…見失ったんだが！？」

（どうする…どうすればいい…？あんなに目立つ容姿と格好だったのに人ごみに紛れると分からなくなるものだな…

　…あっちは人だかりがすごいが…イベントでもやってるのか？5号はいない…と思いたい。

　向こうも俺とはぐれたことには気付いているだろうし…スマホも持ってないから連絡はできないが、確か…

　…はぐれた時は外で合流って言ったよな。よし）

「…一旦、モールから出るか…」

50二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 20:05:50

～ショッピングモール前～

「………来ないな…はしゃいでいたし、夢中になって俺とはぐれたことに気付いていない可能性も…

　それだけならいいが、人に迷惑をかけていたら…？」

「…やっぱり中に戻るべきか？でもな…」

「………っ…」

「…？今、何か聞こえて…」

「…ぁ……クソ…」

「…！（物陰で人が倒れて…！）

　大丈夫か！？」

「………ぁ…？」

51二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 20:10:57

「え…？…5号…？」

「………おま、え…」

（いや…違う、5号じゃない。彼より少し年上に見えるし…何よりあいつはこんな、ボロボロじゃなかった）

「…立てますか？無理はしなくていいから、落ち着いて」

「…ん…」

（体温が低い…。一見して怪我はなさそうだが、弱っているな…）

「あの、失礼ですがご家族は…それとも病院に連絡した方が？」

「………」

（首を横に振っている…。『いない』？それとも連絡が『必要ない』という意味か。

　しかしこのままにしておくわけにも…）

52二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 20:34:07

ラウダが嫌がってたの、様と出会っちゃうからかな？

53二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 20:37:36

今回のシナリオだとエランズそっくりはどういう理由になるのかな
その辺も楽しみ

54二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 20:44:51

今回の人外側は本編とかなり違う服装みたいだけど
目立つ5号とネグリジェ4号は通り名とイメージ通りながら鎧姿のスレッタが堕落の獣なのか
ボロボロの様の存在も気になる

55二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:05:29

「………」

（手招きされている？何か話したいことでも…？）

「何ですか？」

「……くいもの」

「え？」

「…っはぁ……みず…も…」

「…わかりました。少しだけ待っていてください」

56二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:11:16

「………っ、…はぁ……」

「良かった…少し顔色が良くなりましたね。ああ、まだ座ったままで。

　楽になったと思っても急に歩き回ると危ないですよ」

「…お前」

「はい？」

「怪しいとか思わないのか？普通近付かないか、警察か救急車を呼んで放置だろ」

「いや、でも…困ってたし。救急車も呼ばれたくなかったんですよね」

「………そうだけど」

「こんなところで倒れているなんて、何か事情がありそうですし。

　俺は警察でも何でもないし、疑ったり捕まえたりするのは俺の仕事じゃない。

　ただ目の前で困ってる人がいたら助けるだけです。

　他にできることはありませんか？」

57二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:15:59

「…変な生き物だな…」

「はい？」

「…まず、その敬語は必要ない」

「あ、そう…か？見たところ同年代だし、そうだな」

「………後は…」

「そうだ、服…随分と汚れているし、着替えも必要だよな」

「………」

dice1d100=80 (80)

「何だこのダイス」

「………ファンブルしろ…頼む…」

58二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:22:02

「…元手があれば、どうとでもなるか」

「ん？」

「お前…俺が財布寄越せって言ったら、渡す？」

「そ…それはさすがに厳しいなあ…！？」

「…当たり前か」

「…えーと…いち、に…3万…程度なら…出せる」

「………は？」

「早く受け取ってくれ。俺の気が変わらない内に…！」

「…嘘だろ、お前…」

59二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:24:15

隠しダイスは怖いけどラウダの望みも虚しく割りと高い出目は草

60二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:28:13

「返すのはいつでも…いや。無理に返すことは…ない！」

「………馬鹿なのか？」

「いや、俺も誰彼構わずこんなことは…

　ただ、お前は何と言うか…本当に困っているように見えたし。これで助かるって言うなら、それでいい」

「………」

「………（無言で受け取った…）」

「………ふ…本当、変な生き物…」

「！」

「…ん…？…妙な感覚だな、今の…

　まあいいや。…お前の働きにはいつか必ず応える。次会う時を楽しみにしてろよ」

61二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:32:19

（一人で行かせてしまったが…

　案外しっかりした足取りだったし、大丈夫だろうか）

「そういえば…名前も聞いてなかったな」

「グエル～！」

「ん？」

「グエルグエル、グエル！聞いて！」

「ど、どうした！？」

（すっかり忘れていた…！すまない、5号…！）

「あのね、さっきね…！」

？？？親愛：0→1

62二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:32:37

お節介のレベル超えてない？　このグエル大丈夫か？

63二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:37:44

～ショッピングモール～

「な…何これ…？」

「………」

「服を買うのかい？なら是非プレゼントさせてくれ！」「ねえ靴はどう？これなんてきっとよく似合うわ！」「このバッグは君に相応しい！」

「こっちも――」「これも――」「あれも――」

「…ちょっと！あんたたち、邪魔！プレゼントとかいらないし、ゆっくり買い物させなさいよね！」

「………だから…嫌なんだ…」

「？」

「どけよ！」「私が先に――」「こっちを見て！」

「ああもう、押すなっての！…あれ、ちょっと、どこ行ったの！？ねえ～！？」

（…ごめん。僕がいると、収まりそうにないから…）

「あれ？」

64二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:42:45

「何だか騒がしいと思って来てみたら…君、僕にそっくり？」

「え――」

（いつの間に…全く気付かなかった。こんなこと、珍しい…）

「ん～…でも、ちょっと違うかな？女の子だし。それに何だろう、この気配…懐かしいような…」

「………」

（彼の言う通り、僕たちはよく似ている。少し気になるけど…このまま話していたら、また…）

「あ、駄目だよ、こっち向いて。顔をよく見せて？

　…僕に似てるだけあってかわいいね。でも、それだけじゃない。何だろう…君ってすごく…」

「…っ」

4号魅了（11～）：dice1d100=89 (89)

5号魅了抵抗（21～）：dice1d100=82 (82)

65二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:44:50

「これってどうなるの？」

「どちらも成功の場合は抵抗を優先する。…でないと5号と、パートナーの恩恵で魅了の効かないミオリネ以外…誰も抵抗できなくなりそうだ」

「そこは魅了されときなさいよ」

「理不尽」

「…安心した」

66二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:50:25

「…好き！」

（…やっぱり…彼も、結局は…）

「ねえねえ名前を教えてよ。あ、僕は5号！つい最近ここに来たんだけど、君ってこの辺りのこと詳しい？

　僕、服を買いたいんだけどどこに行けばいいのかわからなくて。連れともはぐれちゃったし…」

「…？」

「君、本当にかわいいね！英雄の隣にいるのにぴったりって感じ！僕と結婚しようよ！」

「！？」

「あ、それでね、服ってどこで買うの？あとお腹も空いて来ちゃった。何か食べようよ」

「え…っと…」

（妙なことを口走ってはいるけど…他の人たちとは違う。まさか…影響を、受けていない？）

67二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:55:53

「ねーえ！名前！服！ご飯！結婚！」

「………その…結婚は、しない」

「そうなの？残念だなあ。気が変わったら教えてね」

「う…うん」

（やっぱり…彼は正常な思考能力を維持している。でないと、もっと強引に…。

　…そのうえでこの発言というのは、不可解だけど…）

「じゃあ名前！名前は？」

「…4号…」

「変わってる名前だね。僕も似たようなものだけど」

「………」

dice1d100=17 (17)

68二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 21:59:00

出目低いな…良いのか悪いのか

69二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:00:59

「…僕も、連れを置いて来てしまったから。戻るね」

「えー？せっかくだしもっと一緒にいようよ」

「…一緒には、いない」

（君まで、おかしくなってしまったら…）

「そう？…口説く時、無理強いは禁物だっけ…なら仕方ないか。

　…うーん。僕もグエルが心配してるかもしれないし、いい加減に探そうかなあ」

「………」

（あっさり引き下がった。…変な感じ…）

「じゃあまたね、4号！次はもっとたくさんお話できるといいな！」

「………」

（彼は…何者だ？）

5号・4号友好：0→1

70二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:05:13

5号のテンションが可愛い

71二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:05:33

「…ってことがあって！是非結婚したいんだけど、どうすればいいと思う？」

「お前の思考回路はどうなってるんだ？」

「？だって、可憐で麗しい姫君みたいな子だよ？英雄の妻に相応しいよね？」

「…まともにツッコミを入れていては追い付かないな…」

「？」

「…とりあえず、本来の目的を果たそう。服を買いに行くぞ」

「あ、そうだった。早く早く！あとご飯も！お腹空いちゃったから！」

「うっ…ちょっと…出費を抑えるためにも…外食はよさないか…？」

72二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:12:13

「ちょっと、どこ行ってたのよ！？」

「………ごめん」

「まったくもう。にしてもすごかったね、さっきの。

　何とかするって言ってたのはああいうこと？モテ女は財布いらずってわけ」

「………」

「…冗談だっての。そんな顔されると私が悪者みたいじゃん」

「………」

「…ああ～…！…あんた、本当に黙ってばっかりだよね！」

73二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:16:38

～コンビニ～

「で？」

「その…彼女を、雇って欲しい」

「何なりと申し付けてください。睡眠時間は一時間もあれば充分なので」

「…うちはそんなにブラックじゃないわ。

　やる気はありそうだけど、…さっきから、どうしてこんなに物珍しそうに商品を見てるのかしら」

「…いろいろあってね」

「…そう。またシャディクの『いろいろ』ね」

「………」

74二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:23:38

「話せない、話したくない事情がある人を、積極的に受け入れると思う？」

「………」

「あの、お願いします。私は…信頼のおけない人物でしょうが、それでも。

　持てる力の全てを発揮して働きます」

「………」

「エナオ…」

「お願いします！」

「…店長には口添えしておくわ。後は面接次第よ。それと…スレッタ」

「はい」

「…その、ちょっと肌着みたいな服は、着替えた方がいいと思う」

「は…はい…（どうしよう…鎧の下に着ていたの、これだけなんだけど…）」

75二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:29:01

「…着替え、ないの？」

「…はい」

「………シャディク」

「…ごめん」

「さすがに着替えくらいは用意してあげて。…できないならすぐに私を頼って。

　スレッタ、近くのお店に行きましょう」

「…いいんですか？」

「貸すだけよ。当然、あなたの給料から天引きさせてもらうから」

「…はい」

（優しい人…きっと、私やシャディクさんが変に気負わないよう、わざとこんな言い方をしてる。

　…だって。声音がやさしさを隠しきれてない）

76二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:41:42

「本当ならちょっとパートナーと出掛けたりバイトを始める描写を入れるだけのつもりだったんだ」

「俺、またケレスさんと結ばれるのか？」

「嫌だ…っ！」

「草。僕は4号と結ばれるのかな？」

「…それは分からない。一応二人のイベントは他に比べて多いが…色ボケダイス次第だな」

「あれ色ボケダイスだったんだ…」

「で？ここからはどうなるわけ？」

「それぞれのバイト先や行きつけの店での描写になる。見事に全員バラけているし、軽い描写で終わるだろうな」

>>77

77二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:46:19

>>76

前スレで言ってた“あるNPCと人間枠3名”はケレスさんだったのかな

78二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:48:41

せっかく強制で兄弟ポジについたのに、またケレスさんにグエル持っていかれそうになるラウダ草
4号と5号の組み合わせも何だか実家のような安心感
シャディクとスレッタだけ温度感違い過ぎて大変そうだ…頑張れ…

79二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:49:44

～ジェターク家～

「じゃあ5号、俺はバイトに行ってくるから大人しくしてるんだぞ」

「はーい！」

「なんだろう。とても不安だ」

「？」

「夕食は冷蔵庫に入れてあるから温めて…待て、お前…電子レンジの使い方は分かるか？」

「分かんない！」

「………ちょっと待ってろ。すぐ教えてやるから」

「ところでラウダは？まだ帰って来ないの？」

「うーん…大学の図書館で調べ物をするって言ってたからな。さっきも『まだもう少しかかりそう』って連絡が来てたし」

80二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 22:54:46

～喫茶店～

（…一人で置いて来て、本当に大丈夫だろうか。

　念のため出掛ける時には鍵を閉めるよう言ったし、スペアの鍵も渡しておいたが…）

「やっほー、無断欠勤のグエルくん♪」

「うっ！す、すまない…昨日は急に休んだりして…」

「大丈夫だった…？子供を助けるために、川に飛び込んだって聞いて…」

「大丈夫じゃなきゃバイトになんて来ないよね～？」

「ああ。もう何ともない。安心してくれ」

「よしよし。じゃあ昨日休んだ分、たっくさん働いてもらおーっと！」

「…無理、しないでね？」

「ありがとうイリーシャ。でも昨日は迷惑掛けただろうし、遠慮はいらないから頼ってくれ」

81二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:00:22

～バー～

（あいつも来ればよかったのに…さっさと部屋に籠っちゃって。

　何よ。引きこもり？罪だか何だか言ってたのもそれだったりして。ニートの罪…とか？）

「うわキモ。なに薄ら笑いなんか浮かべてんの？」

「うっさい。お客様に何よその態度」

「お客様、お早いご注文をお待ちしております～」

「…サビーナ、今日のおすすめ」

「承知した」

「で？何かあったわけ？」

「別に？…何て言うか…面倒な奴と知り合っちゃっただけ」

「…またか」

82二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:07:40

「またって何よ」

「言葉のままの意味だ」

「ミオリネももっと相手を選びなよ。私のキープ君たちはもっとお利口だよ？」

「私のはそういうのじゃないし。単なる友達よ、友達」

「………」

「友達ってわりに、私とキープ君たちよりも深～い仲みたいだけど？」

「そこは個人の自由でしょ」

「…以前のように投げやりになっているわけではないな？」

「当たり前。ただまあ、最近はちょーっと…羽目を外しすぎてたかな…（刺されたし…）」

「…ま、悩んでるとかじゃないならいいんだけどね」

83二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:15:07

～コンビニ～

「…初日で分からないことも多いだろうし、何かあればすぐに伝えて」

「はい」

「…シャディクに何があったのか、知っている？」

「いえ、詳しくは…」

「そう。…スマホも財布も持ってないなんて、普通じゃないけど…」

「………お二人はどのような関係なんですか？」

「別に、特別なことなんてない。

　数年来の付き合いではあるけど…それだけよ。彼は肝心な時には、全く頼ってくれないから」

「…そうですか」

84二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:18:41

「あなたも、少しシャディクに似ている」

「…そうでしょうか」

「あまり、目を合わせようとしない。

　警戒しているのかしら。それとも、人と距離を縮めるのが苦手？」

「………」

「どちらとも少し違う気がする。…不思議な人ね、あなたって」

「…すみません。お話しできることが少なくて」

85二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:26:17

～路地裏～

「ふん、ふふん、ふん♪」

「…んー。いまいち気分が乗らない。夜の散歩は好きなんだけど、どうしてかな。

　この街の空気は、あんまり…」

「…4号といる時は、もうちょっといい感じだったんだけど。

　また会いたいなあ。どのあたりに住んでるのかな？」

「ん？」

86二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:33:21

　微かな悲鳴と、鈍い音。

　くぐもった泣き声、物が散乱する音。

　興味本位でこっそり近づいてみると、なんと！

「悪い人だ」

　女の人を地面に押さえつけて、それはもう、悪いことをしている気配がする。

「見過ごせないよね」

「何だガキ、あっち行ってろよ」

「混ざりたいのか？僕ちゃんは家に帰ってママに遊んでもらってな」

「帰っても暇なんだよね。それに知ったからには助けないと。だってほら、僕は英雄だから」

　軽く手を振ると、握り慣れた柄が、そして剣が、一瞬のうちに現れる。

　これってすごく便利。司祭の魔法らしいけど、武器が荷物にならないのってすごくいい。

　突然、自分たちに切っ先を向けて現れた純白の剣に、男たちが目を丸くする。

　女はぐったりと倒れ伏して、意識を失っているらしかった。

　そして、5号は。

「それじゃあ英雄らしく、悪い人をやっつけるね」

　にこりと笑って、迷いなくその刃を振りぬいた。

87二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:37:46

～ミオリネの自宅・4号の部屋～

「………」

（彼女はまだ…どこか遊び歩いているのかな。

　万が一何かあったら…）

（何か、あったところで…僕と、彼女が死ぬだけだ。

　彼女は悪人ではないのかもしれないけど…

　僕には、善人だとも思えない）

（…あんな…性に奔放で、誠実さの欠片もない生き方…）

4号？？（21～）：dice1d100=38 (38)

88二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:43:23

「………あ」

　ぞくり。背筋が震えた。

「だめ…いやだ…」

　腰かけていたベッドの上で、自分の体を抱き締める。震えが止まらない。

　息が荒くなり、目の端には涙さえ浮かんでいた。

「いや…」

　声が上ずる。甘く掠れた響きのそれは、誰か聞く人がいれば、言い様のない艶めかしさを感じていたことだろう。

　上体を起こしていられなくなった4号が、シーツに体を沈める。

　4号にとって、絶望の時間が始まりを告げた。

89二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:46:25

～山中～

「………」

（置いて来てしまった。…きっと俺のために、働こうと決めてくれたのに）

（…それはあくまで、利害が一致しているからで。

　俺が死ぬと彼女も死ぬから…）

（………なら俺も、少しは彼女に協力をするべき…なのか？

　生きていたいと思うなら…

　…でも、あんなことになって…父さんと母さんも、もう…

　どうやって生きていけば…）

90二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:52:24

『第一の巡礼の時だ』

「…！」

『境界を食い破らんとする異界のものを狩れ』

「この声は、どこから…まるで、直接耳…いや、脳に…？」

『お前たちの体を境界へ送る。侵食者を食い止めよ』

「…侵食者…？」

91二次元好きの匿名さん23/10/12(木) 23:59:35

～喫茶店～

「グエルくん、遅くまでお疲れ～。…グエルくん？」

「あれ…？さっきまでここにいたはずなのに…」

～バー～

「…あれ？ミオリネ、支払いもしてないのにいなくなってない？」

「………さほど飲んでいないと思っていたが…まあいい。次にまとめて請求すればいいだけだ」

～コンビニ～

「初日にしては上々だったわね。これ、少ないけど今日の――

　………あら？慌てて帰る用でもあったのかしら」

92二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:02:27

～？？？～

「！？な、なんだ？声が聞こえたと思ったら、急に…」

「やっと巡礼が始まったみたいだね。で、侵食者って何かな？」

「5号？…待て、何かこう…物騒なものを持ってないか？」

「ん？ああこれ、僕の相棒ってところかな！小さい頃から修行に使ってたし、戦争では五年も一緒に――

　っと、危ない。何これ？」

「な………何だ、この……生き物、なのか…？」

「よく分かんないけど、これを倒せばいいのかな？」

「お前順応力高いな！？そもそもここはどこで――うわあ！？」

「ん？」

「し、下…！」

93二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:14:03

　街の明かりが足元に見える。

　グエルと5号は、街の上空に立っているようだった。足場は見えない。

　ともすれば、一歩踏み出しただけで真っ逆さまに落ちていくかもしれない――

「よし、まずは一体」

「5号！？おま、よく走り回れるな…！」

　恐れなど欠片も抱いていないらしい5号が、禍々しい姿をした何かを切り裂いた。

　それは岩のような、水晶のような、無機物のようで有機物のようで。四足の獣のようで、見ようによっては机か何かが意思を持って動いているような。

　とにかく奇妙なその何かを、5号は当然のように切って捨て、笑顔でグエルに振り向いた。

「まあそこで見てなよ。グエルのことは守ってあげる。だって僕、英雄だからね」

　そう言っている間にも、中空に黒いヒビが入り、何かが這い出して来る。

　まるでこの世界に裂け目を創り、そこから侵食しているようだった。

「侵食者…か。どこから来たのか知らないけど、運が悪かったね。

　僕がいる以上、この世界は君たちのものにはならないよ」

94二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:20:46

～？？？～

「っはぁ………はっ……はー……っ」

「ちょ、ちょっと…どうしたの？大丈夫？なんか、顔赤いし…息も荒いし…

　変な奴までいるし！狩れとか食い止めろとか聞こえたけど、あんたには無理でしょ！」

「ふ、……ふっ……ぁ…だめ…こないで…！」

「はあ～！？ほっといたら逃げることもままならないでしょ！ほら行くよ！」

（今、触れられたら…！）

「っ………、……あ……？」

「何よ、ほら！へたり込んでないで起きろっつーの！立て！」

（彼女に触れられたら…少し、収まった？…司祭の計らいか…）

「…ん、…もう、平気」

「なわけないでしょ！？あ、ちょっと…！」

95二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:22:25

グエルが早々に様とフラグ立ててるけどここから他の人間枠2人も様とフラグイベント起こす可能性はあるんだろうか

>>105

96二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:27:18

「待っ――」

　言い終えるより早く、すぐ傍に迫っていた何かがその場へぐしゃりと崩れ落ちた。

「は？」

「………動かないで。間違えて、攻撃すると…危ないから」

「い、今…何したの」

　無言のまま4号が右手を軽く振る。チカチカと月明かりを反射して、白銀の刀身が煌めく。そこで初めてミオリネは、4号が右手にナイフを持っていることに気付いた。

「武器の扱いには、あまり長けていない」

「嘘つけ！じゃあさっきの動きは何よ！？」

「………」

「無視！？」

　ぎゃあぎゃあと騒ぎつつ、言いつけを守って動こうとしないミオリネを背に庇って、4号はにじり寄って来る侵食者たちを見据える。

　まだ、体は熱い。脳髄の痺れるような感覚も、手足の震えも収まりきっていない。

　しかし、鈍重な相手を切り刻む程度なら、できる。

（人の形をしていないなら…躊躇う必要もない）

97二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:37:40

～？？？～

「…妖精や魔物の類でしょうか」

「…まるでおとぎ話だな」

「私もこの目で見るのは初めてですが、遠い異国ではまだ身近にいると…

　いえ、話している場合ではありませんね。

　シャディクさん、あなたには戦いの経験がないんですよね」

「…ああ」

「であれば下がっていてください。可能な限り私の視界に入る位置で、ギリギリ剣の間合いの届かない場所…」

「剣？」

「はい。司祭から聞いています。こうして…自らの意思で、一つだけ…望んだ武器を使えると」

98二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:45:45

　少女の手には似つかわしくないはずの剣が、不思議と馴染んで見える。

　それは、剣の柄を握るスレッタの手が、構える姿勢が、敵を見据える瞳が。あまりにも当然のように、戦うことを受け入れているからか。

（君は…あの鎧といい、どこかで戦っていたのか？）

　声にして問いかけることはせず、胸の内でだけ疑問を浮かべる。

　知ったところで、シャディクには何の関係もない。…というより、知ることが恐ろしかった。

　知って、近づいて、心を許して。

　そうして裏切られるのが、怖い。

（…情けないな。守ってもらっておいて、こんな…）

　スレッタは時折シャディクへ視線を向け、危険が迫っていないかを常に気に掛けながら戦っている。

　考えてみれば当然のことだった。シャディクが死ぬとスレッタ自身も死ぬのだから。

（だから…これはあくまで、協力関係で）

　自分たちは信じあっているわけでもなければ、互いを案じているわけでもない。

　ただ、孤独な二人が孤独なまま、行動を共にせざるを得なくなっているだけだった。

　きっと、そうに決まっていた。

99二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:50:43

「突然だがダイスの時間だ。侵食者の撃破数を決める。それぞれ倒せる数の上限が違うから気を付けるように」

「何体倒せばいいの？」

「5体がノルマだ。かなり甘めのラインだから全員しっかりクリアしてくれ」

「1が出たらどうしようもないと思う」

「3ターン×それぞれの上限値だから安心しろ。最低でも3にはなる」

「よっぽどダイス運が悪くなければクリアできそうですね！」

（フラグ？）

「それぞれ1ターンに倒せる侵食者の最大値は…5号が5体。4号と水星女は3体だ」

5号：dice3d5=5 3 1 (9)

4号：dice3d3=2 3 2 (7)

スレッタ：dice3d3=3 1 2 (6)

100二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:56:22

『第一の巡礼は果たされた。獣は一歩、人に近づいた』

「！」

「また、この声か…」

『次の巡礼の始まりを待て』

「ちょっと待ってくれ、どうやって下に降りれば――」

「…あれ？」

「家に戻ってきたね？」

「え…兄さん！？5号も…こんな時間になっても帰ってないなんて、珍しいと思ったら…いつの間に帰ってきたの？」

「いや、それがだな…俺にもよく分からないんだが…」

101二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 07:59:50

～ミオリネの自宅～

「帰ってきたみたい…？って、ああ！私のバッグ、バーに置きっぱなし…！

　…あれ？ソファーに置いてある。…何だ、意外と気が利くじゃない」

「………」

（…あつい…）

「ちょっと、どこ行くのよ？怪我とかしてない？一応見てあげるから――」

「放っておいて」

「はあ！？………～～～っ！

　何よもう！勝手に引きこもってれば！？私も好きにさせてもらうからね！」

102二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 08:03:38

～山中～

「…エナオさんに挨拶もせず、戻ってしまいましたね」

「………」

「シャディクさん、突然あんな場所で…戦闘に巻き込まれて、疲れたでしょう。

　先に休んでください。危険がないよう、見張りをしておきますから」

「………君は…」

「私のことは気にしないでください」

「………」

（確かに、疲れてはいるが…実際にあんなものと戦った彼女ほどではないはず。

　………）

dice1d2=1 (1)

1：少し休むように促す

2：何も言わない

103二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 08:06:40

「…君こそ、先に少し…休んでおくといい」

「いえ、その必要は――」

「また、さっきみたいなことがあったら…君に頼ることになる。

　…体調は万全に整えておくべきだ」

「…わかりました。では少しだけ」

（………座ったまま、木に背を預けて目を瞑っている。

　本当に眠っているんだろうか…）

（…やさしい人。…私は…せめて、この人だけでも…）

シャディク・スレッタ友好：0→1

104二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 08:10:47

「第一章終了。………まさか…こんなことになるなんて…」

「ごめんなラウダ」

「いつもの」

「あんた私に喧嘩売ってんの？こっちは心配してやってんのよ」

「ごめんね」

「ほぼ水星ちゃんとしか交流してない」

「私たちだけシリアス濃度が段違いですね…」

「…幕間でもっと気楽に交友関係を広められる可能性はあるからそこに賭けろ」

105二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 08:14:38

>>95

「………彼は本来、隠しキャラで…

　特定タイミングで幸運判定クリティカルでも出さないと交流できないはずだったんだ…

　クリティカルを出したPCは、その後通常の判定成功でも出会えるようになるが…」

「つまり？」

「兄さん以外も特定タイミングで幸運クリティカルを出せば交流できる。

　というか出せ。兄さんと奴のフラグを折れ」

「必死過ぎて草」

106二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 12:31:54

まさかの隠しキャラ初手クリティカルは草なんよ
さす兄

107二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 13:46:24

　ある日、夢の中で。

　子供が、金の髪を靡かせ花畑を駆けている。
　穏やかな日差しに照らされ、色とりどりの花が風に吹かれ揺れる。
　幼さ故か性別の判然としないその子供の背後から駆け寄った中性的な人物が、子供を抱きしめて愛おしそうに頭を撫でた。

「かわいい5番目の子」

　撫でられ、髪を梳かれるのが心地良いのだろう。犬や猫のように目を細めた子供の額に、また別の大人が唇を寄せた。

「いつか英雄になる子」

　絡みついた腕が解かれた途端、きゃあきゃあと嬉しそうに笑いながら、子供が再び駆け出す。
　向かう先には澄んだ水で満たされた湖があった。
　光を反射して輝く水に躊躇いなく足を浸け、子供は湖の中で遊ぶ。
　湖のほとりでそれを微笑みながら見守っていた人物が、穏やかな眼差しのまま呟く。

「私たちの世界を守ってね」

　子供はその声を聞いたのか、はたまた別の理由か。
　振り向いたその背に湖面の煌めきを背負い、満面の笑みを浮かべながら手を振った。

108二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 13:58:15

　ある日、夢の中で。

　薄汚い布を敷いただけの簡素な――ベッドと呼ぶのもおこがましい台の上に、子供が一人。
　淡い色の金髪がしどけなく広がり、肌は薄暗闇の中で光を放つように白く透き通っている。
　格子を嵌められた部屋の前を通った二人組の男が、ちらりと子供を見て、感心したようにため息を零した。

「見ろよ、もう治ってる」
「へえ。完全に切り落とさない限りはすぐ治るのか」

　南京錠で固く閉ざされた入口から寝台まで続く血の量はおびただしい。しかし横たわる子供には傷一つ残ってはいなかった。

「どんな薬もすぐ効果がなくなるからな。壊れないのはいいが検体としては不適だ」
「いいじゃないか、補充の必要がないだけ。この前来たやつなんて三日で死んじまった」
「あいつは…もう一年になるか？それとも二年？」
「半年だよ。来た頃はまだ小さかったが、随分とでかくなったな」
「ああ…生まれて一年で5歳くらいの見た目に育ったんだって？」
「ありゃバケモンだよなあ…しかし、まあ…」

　美しい。
　じっとりと熱の籠もったその言葉に、子供が肩を震わす。無気力に横たわったまま緑の目を伏せ、誰にも聞こえないほど小さな呟きを落とした。

「みんな…いなくなればいいのに…」

109二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 14:06:46

　ある日、夢の中で。

「妖精は好き？」
「うん！」

　赤毛の少女が、よく似た色の髪を持つ女性の膝の上で足をぷらぷらと遊ばせている。
　女性の手には挿絵の描かれた本があり、少女は熱心にその絵を目で追っていた。

「じゃあ今日は…ずぅっと昔、人と妖精が手を取り合って、長い戦争を終わらせて…平和を作った時代の話をしようかな？」
「あのね、私ね、そのお話だいすき！」
「ふふ。この前はこっちのお話が好きって言ってなかった？」
「でもね、でもね、このお話の妖精はこわいんだもん」
「そうね、ちょっと怖いね。人と妖精が、手を取り合えなくなった時代のお話だもんね」

　突然視界が暗転し、先程の少女が揃いの髪と目をした、少しだけ背の高い少女に頭を撫でられている光景が浮かぶ。
　きっと姉妹なのだろう。姉は愛おしそうに妹を見つめ、妹の頭はうとうとと船を漕いでいる。
　それを優しく見つめていた女性が、扉を叩く音に反応して顔を上げた。
　メイドらしき女が扉を開けると、そこには厳しい顔をした男たちの姿があり、そして。

　泣き崩れる女性。背を撫で励ますメイド。泣きじゃくりながら妹を抱きしめる少女。
　そして、幼い少女は。

「お父さん、帰ってこないの？」

110二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 14:09:58

「急に何！？」

「察することはできるけど…」

「一人だけ初手から人生詰んでる奴いなかったか」

「章の終了後に夢の話が入ることがあるからよろしく」

「すごいマイペースに進めるじゃん…」

111二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:12:11

幕間

〜ジェターク家〜

「おはよう、兄さん」

「おはよう、ラウダ。今朝は一限からか？」

「それは兄さんだろ？僕は二限からだよ」

「そういえばそうだったな。5号のやつは…まだ寝てるのか」

「…あいつ、夜中もなにかゴソゴソと…」

「いいじゃないか。最初はどうなることかと思ったが…

　やっていいこと、いけないことの説明は素直に聞くし。

　一週間経ってかなり慣れてきたみたいだ。元の生活については気になるが…

　あいつ、話し始めるとあちこち脱線して進まないんだよなあ」

「………」

112二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:18:54

「ラウダ？…大丈夫だ。

　5号はあれで結構…いや、かなり強いし、頼りになるってことはよくわかった」

「…巡礼って…想像していた以上に危険なんだよね」

「そうだな…前回は本当に驚いた。こう…妙な怪物がだな…」

「そんなこと…どうして兄さんが…

　罪を清めないといけないのは5号だけだろ？

　兄さんはついて行かず、家に居てくれればいいのに…」

「そうは言っても、前回は強制的に連れて行かれたからな。

　次はどうなるか分からないが…」

「………」

「悩んでいたって仕方ない。暗い顔してないで、大学に行こう。

　明日は休みだ。たまには一緒に出掛けるのもいいな。…出費は少ないと嬉しいが」

「………うん」

113二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:26:23

〜大学構内〜

「はあぁ〜〜〜…！ほんっと、あいつ…」

（挨拶もまともに返さないし、ちょっと肩に触れたくらいで嫌な顔するし、何よ！

　軽いスキンシップも嫌ってこと？）

「ムカつく…」

「ねーねー、ミオリネ」

「今日飲みに行こーよ」

「ん？ああ…いいよ。バー…は、騒ぐとサビーナに睨まれるし。

　どこがいいかな〜…」

（…待った。あいつ、どうせ夜は引きこもってるんだし…）

「…家に来る？」

「えっマジ？ラッキー！」

「ミオリネの家広いもんね〜。じゃあさ、彼氏も誘うから…」

（よし…今日は思いっきり飲んで楽しんじゃおっと！）

114二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:32:31

〜山中〜

「では、私は街に降ります。シャディクさんは…」

「………俺も行くよ」

「そうですね。野生動物に出くわすと危険ですから。

　ではまた、夜にコンビニで落ち合いましょう」

「…わかった」

（この一週間で…あれだけ珍しそうにしていた街にも慣れてきたみたいだ。

　服だってすっかり街の景色に溶け込んでいる。

　高層ビルや車に驚いていた人物とは思えないな）

115二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:39:44

「では人間サイドの午後からの行動を決定する。

　獣サイドは行動が決まっているからそのつもりで」

「行動というと？」

「誰かと一緒に過ごすとか、兄さんならバイト先に行くとか…

　あとは街を自由に見て回ってもいい。

　それから………」

「それから？」

「…幸運を………振ろうか………

　兄さんは通常成功で、ミオリネ、シャディクはクリティカルで、昼行動終了後にイベント発生だ…」

「あっ（察し）」

グエル幸運（31～）：dice1d100=35 (35)

ミオリネ幸運（51～）：dice1d100=75 (75)

シャディク幸運（61～）：dice1d100=43 (43)

116二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:43:46

素の幸運が高いばかりに一度クリティカルしたらフラグが着々と積み重なっていくパターンか

117二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:48:45

「……………もっと兄さんの幸運を下げればよかった…」

「拗ねててかわいい」

「うれしくない…」

「拗ねてないで昼行動決めるわよ」

「…わかった…」

グエル︰dice1d3=3 (3)

ミオリネ︰dice1d3=1 (1)

シャディク︰dice1d3=2 (2)

1︰行きつけの場所へ

2︰dice3d4=2 4 4 (10)　へ

　　（1︰大学　2︰ショッピングモール　3︰図書館　4︰商店街）

3︰誰かと一緒に過ごす

「選択肢2は分かりにくいだろうが…

　兄さんが2の場合は1つ目の結果、シャディクが2の場合は3つ目の結果を採用する」

118二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:53:23

「兄さんは僕と過ごすよね？」

「圧がすごい」

「選択肢は9割僕でいいよね？」

「ゴリ押しがすごい」

「いいよね？ねえ？」

「…進行役はラウダさんですが…

　八百長で得た勝利の味はどうでしょうね」

「……………くっ…」

dice1d3=1 (1)

1︰ラウダ

2︰メイジー

3︰イリーシャ

119二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 15:56:14

「兄さん！！！！！」

「声でかっ」

「うるさ」

「兄さん…兄さん…！」

「喜びのあまり言語野が退化している…」

「ラウダはかわいいなあ」

120二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:03:44

ラウダのダイスの引きがすごい

121二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:04:05

〜大学構内〜

「ラウダ」

「兄さん、お疲れさま。今日の講義は全部終わり…だよね？」

「ああ。用事がないなら一緒に帰らないか？」

「もちろん構わないよ」

「まーた兄弟でいちゃついてるよ」

「ヒュー！ラブラブ〜」

「うるさいぞお前たち」

「悪いな、仲良し兄弟で」

「今度遊び誘えよ〜」

「ラウダ、また試験前に勉強会頼むわ」

「はー…仕方ないな…」

122二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:09:16

「ラウダもあれこれ言いつつ面倒見が良いよな…」

「…兄さんには負けるよ。

　今日は真っ直ぐ帰る？それともどこか寄り道する？」

「ん？そうだな…dice1d3=2 (2)

　1︰真っ直ぐ帰って夕食の用意をしよう

　2︰お茶でもして帰るか

　3︰散歩がてら臨海公園を回って帰ろう

　」

「わかった。じゃあ行こうか」

123二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:17:01

〜商店街のカフェ〜

「懐かしいな、この店…」

「ん？そんなによく来てたか？」

「…ううん、何でもない。

　それより兄さん、何を頼む？」

「ラウダはもう決めたのか？」

「うん。あ、急かしてるわけじゃないよ。

　ゆっくり決めて構わないから」

「ありがとう。それじゃあ…dice1d3=1 (1)

　1︰コーヒーで充分かな

　2︰せっかくだしケーキも…

　3︰平日昼間限定のスペシャルケーキセット…だと…？

　」

dice1d100=6 (6)

124二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:22:30

「休みの間にレポートを仕上げないとな…」

「僕に手伝えることは？」

「自分の課題くらい自分でやるさ。

　ラウダこそ、困ったことがあれば言うんだぞ」

「…同い年なんだから、そんなに気負うことないよ。

　兄さんは立派な人だけど…だからって無理していいわけじゃない」

「過大評価だよ、それは。…でもありがとう。

　お前がそうやって認めてくれるからこそ、俺は頑張れているのかもしれないな」

「兄さん…」

「父さんも早く出張なんて終わらせてくれたらいいんだが…

　向こう一年は帰れないって言ってたからな」

「…年末には帰るって言ってただろ？それまでの我慢だよ」

ラウダ親愛︰1→2

125二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:27:07

「色ボケ弱者乙〜（笑）」

「これはエラン・ケレスには勝てなさそうだなあ」

「うるさい。まだだ…まだ始まったばかり…」

「そもそも兄弟なんですから、色ボケる必要はないのでは…？」

「今更じゃない？そのツッコミ」

126二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:34:43

PLじゃなくて進行役がダイスの出目でいじられてるの草

127二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:37:57

〜バー〜

「いらっしゃいませ～」

「悪いけど今日はすぐ帰るから。家に友達を呼ぶんだよね」

「…酒の肴でもたかりに来たか」

「言い方。だってここのが一番美味しいんだもん。持って帰るから準備お願い」

「お客様、当店はテイクアウトには対応しておりませんので〜」

「いいじゃん別に。常連のお願いなんだから」

「…いいと言うまで居座るだろうな、君は。仕方ない」

「サビーナが甘やかすから余計に遠慮しないんじゃないの？もう」

128二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:42:05

「ありがと。ねえ、最近おもしろいお客さんなんて来なかった？」

「おもしろい客？ん〜…」

「…あの客はどうだ」

「ん？どの客？」

「何々？おもしろい人なら私にも紹介してよ」

「………」

dice1d100=99 (99)

1〜50︰一般通過おもしろい客

51〜70︰？？？

71〜90︰？？

91〜100︰？？？

129二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:49:20

「…身なりの良い青年が一人。特に緊張している様子もなかったから、慣れているのかと思ったが…」

「ああ！あの人ね？」

「何？何があったの？」

「それが…一口カクテルを飲んだら噴き出しちゃってさ！

　もー、あんなかっこつけて注文したのに、飲むの初めてだったなんて！」

「汚した分だと多めに金を払って去って行ったし、悪い客でもなかったな」

「それと、すっごい美形！」

「へえ。また来ないかな？」

「…来ないだろうな、あの様子では」

「そっか、残念」

130二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 16:52:20

「無駄クリティカル…」

「何ですって」

「そもそも通常の判定とは違って成功も失敗もないダイスだから…

　ファンブルでもデメリットがない代わり、クリティカルのメリットもない」

「…いいわよ、別の機会でもクリティカル出してやるから！」

「強気な発言。パートナーとして頼もしい」

131二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 17:14:35

〜商店街〜

（………あそこの肉屋…昔よく…

　『ここのは安くておいしい』って、コロッケを買ってくれたっけ…）

（………あの時間は、何だったんだ…？

　全部、意味のない…嘘だった？）

シャディク幸運（61～）：dice1d100=79 (79)

132二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 17:20:39

「うおっ！？悪い、前見てなかった」

「大丈夫ですか？」

「え、ああ…こちらこそ、………！」

（…そういえば、朝から何も食べていなかった…）

「……………」

「………えっと。お腹、空いてます？」

「…いや、その、自分で何とか…」

「…んー。ねえ、いいかな？」

「いいよ。そうだな…あそこのコロッケなんてどうだ？

　安い、美味い、早い！の三拍子揃ってるし、あーしもよくお世話になってんだ。

　おーい！コロッケ三つ！」

「え？ちょっと…」

「遠慮しないでください。こういうのも縁…だと思うから」

133二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 17:25:43

（結局…押し付けられるようにして受け取ってしまった）

「んだよ、見てないで食えよ。冷めるぞ？」

「そんなに見てると食べづらいんじゃないかな…」

「ん？それもそっか…」

（しかもベンチに並んで座っている。この状況は何だ…？）

「…お腹が空いていると、物事を悪く考えがちですから」

「え？」

「暗い顔、してますよ。お腹がいっぱいになれば、少しは気持ちも前向きになるんじゃないかな」

「それはあるよな。あーしも苛つくと思ったらお腹が空いてたとかざらにあるし」

dice1d100=45 (45)

134二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 17:32:42

「………おいしい」

（昔と、変わらない。…俺を取り巻く状況は、こんなに変わったのに…）

「よかった」

「ふう、食った食った。

　っと、もうこんな時間か。チビ共の様子を見に行かないとな…」

「じゃあ行こうか。あ、あなたはゆっくりしててくださいね」

「え？お代…」

「いいから。ぶつかった詫び！じゃあな、お前ももうちょっと上向いて歩けよー！」

「お元気でー！」

「…行ってしまった」

（不思議な人たちだった、けど…

　…本当に、少しだけ。力が湧いてきたかも知れない。現金だな、俺も…）

135二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 17:34:41

頑張れシャディク！

136二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 17:46:16

「二人とも俺にやさしい…」

「二人との友好値が1アップだ。よかったな」

「でも助けられないって言ってましたよね？」

「　　　」

「し…シャディクーーーッ！」

「かわいそ…」

137二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 18:32:47

そういえばニカも獣なんだった
最初の戦闘のときもニカも侵食者と戦ってたのかな

138二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 18:38:15

今回はシャディクが本当にお労しいな
なんとか幸せになって欲しいが

139二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:31:22

救われれば救われるほどお労しいって何
最高ですぜスレ主

140二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:26:54

〜森林公園〜

（人の少ない時間は…落ち着く。いたとしても、子供が遊んでいるくらい。

　みんな楽しそうで………？……あれは…）

「にいちゃんすげえ！リフティング上手すぎ！」

「やったことないなんて絶対嘘でしょ！？」

「ん？そう？僕って英雄だからね、何でもできちゃうんだよ」

（彼は…あの時の。…彼なら、もしかしたら…僕のことを…

　………いや、期待するなんて…僕らしくない）

「きれいだ」

「………あ」

（しまった、向こうに気を取られて…）

「欲しい…」

「っ、やめて…」

（………濡れた眼差し、吐息に籠もった熱…気持ち悪い…）

141二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:35:54

　ベンチに座る4号の太腿を跨ぐようにして、男が膝をつく。手首を握りしめた手のひらには汗が浮かんでいて、じっとり肌を濡らして、やはり気持ちが悪い。

「離して…」

「本当にきれいだ。何でもするから…欲しい…」

　何も要らない。ただ、放っておいてくれればいいのに。

（…振りほどいて、突き飛ばして逃げれば…）

　力の込め具合には細心の注意を払い、怪我をさせないようにしなければ。

　早く、下手に刺激を受けないうちに――

「わーるいんだ。嫌がってる子にそんなことしちゃダメだよ」

「………！」

　男に覆い被さられてできた影がなくなる。太陽の光に目を細めた4号の視界に、麗しい少年の姿があった。

　彼は4号の手首を掴んでいた男の腕を掴まえ、軽く捻り上げて得意げにしている。

「やあ、4号！また会えて嬉しいよ」

　痛みが刺激となったのか、男の瞳に理性の光が戻った気がした。

　彼は不安そうに視線をさまよわせ、そして。

「化物…」

142二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:43:14

「バイバーイ。…バケモノかあ。

　英雄って普通の人から見るとそう思えちゃうものなのかな？」

「彼が、言ったのは…」

（きっと、僕のことを…）

「ん？まあ何でもいいや！

　ねえねえ、隣りに座っていい？お話しようよ！

　そしてお互いのことを知って結婚！」

「…結婚はしない」

「えー！知る前から決めつけなくてもいいのに〜」

（拒否する間もなく座った…）

「ふふ〜やっぱりかわいい。それに何だろう、この懐かしいような、落ち着くような感じ…」

（近い…。……っ、あまり、近づかれると…！）

4号魅了（11～）：dice1d100=43 (43)

5号魅了抵抗（21～）：dice1d100=51 (51)

143二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:44:16

5号いろんな意味でつええ…

144二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:48:28

「…あ、ごめんね？照れちゃったかな」

「………ええと…」

（やっぱり…効いてない。…本当に…大丈夫、なのか？）

「ねえねえ、君のこと教えてよ。

　それと僕のこともたくさん聞いて？」

「………」

「4号？」

（…でも…僕は…）

dice1d100=49 (49)

145二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:55:41

「………」

「ん〜…じゃあ勝手に話すね？

　あのね、僕は英雄になるべく育てられた、生まれながらの英雄で…」

（既に情報量が多い…）

「…恋を、してみたくて。

　君がその相手かもって思ったんだけど、ダメ？」

「………恋なんて…」

「？」

（僕も…そんなもの、したことないよ）

「あ、それとね！恋のあとは結婚しよ！それで、幸せな家庭ってやつを作って…」

146二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:02:20

「結婚はしない」

「ん？」

「…作れないよ。僕と…幸せな家庭なんて」

「そうなのかな？」

「そう。…それに、恋も…僕なんて、相手にしない方がいい」

「んー…君は嫌なの？」

「………もう行くね」

「またね！…嫌とは言わないってことは…

　チャンスはあるのかな？」

5号・4号友好：1→2

147二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:06:41

ポジティブ！…いや本当に強いなこの5号

148二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:11:37

〜図書館〜

（…この世界の文化…歴史…

　私の知るものと似ている部分もあるけど、まるで違う物も多い。

　…ちゃんと勉強して、迷惑かけないようにしなきゃ）

（…まだ、時間に余裕はあるよね。次は…）

「あっ」

「あ…」

（同じ本…）

「…お先にどうぞ」

「………どうも」

（…何だろう、この子…？）

スレッタ目星（31～）：dice1d100=29 (29)

149二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:14:07

（気のせいかな？）

「あ、いたいた！ノレア〜！」

「…静かに。図書館では大声出しちゃ駄目なんでしょ」

「あ、そうだった」

（友達…かな？仲が良さそう。

　邪魔しちゃいけないし、私は別の本を探そう）

150二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:19:47

「はいごめんなさい」

「草」

「責められる前に謝ったわね…」

「…まあ…気づかなくてもどうということはない」

「助けられないNPCだからね…」

「うっ」

「仕方ないね」

151二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 06:33:13

〜ジェターク家〜

「しまった、今日は肉の安売りか…」

「僕が行って来るよ」

「構わないのか？」

「もちろん。それとも夕食の用意をしておこうか？」

「そうだな…」

dice1d2=2 (2)

1︰買い物を任せる

2︰夕食の用意を任せる

152二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 06:44:36

（ついでにいろいろ買い足しておこう…と思って、ラウダには夕食の用意を任せたが…）

「…少し買い過ぎたか？しかし5号がよく食べるからな…

　あんな細い体のどこに入るんだか」

（そういえば…まだ帰ってきてなかったな。

　毎日外を出歩いて、近所の子供と遊んだり商店街をぶらついたりしているようだが…）

「ん？」

「よお」

「……………はっ！？あ、あの時の…何と言うか…見違えたな。

　元気そうで何よりだ」

「一週間もあれば充分だ。ほらこれ」

「んっ！？」

（すごく分厚い封筒…！？）

「受け取れよ」

dice1d100=43 (43)

153二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 06:58:45

「………貸した分だけ貰っておく。あとは返すよ」

「あの時の俺に渡した三万…それと食料はそれ以上の価値がある。

　なら俺も相応の価値あるものを返す。それだけだろ」

「別に返礼を求めていたわけじゃない。俺自身がそうしたいからしたんだ。

　それに…これを受け取ってしまうと、今まで通りの自分でいられる自信がない」

「…わけがわからない…」

「大切なものを見失わないためだよ。

　金は確かに大切だが…お前が元気な姿を見せてくれたことで充分な返礼になっているから、安心してくれ」

「…お前って、本当に…変だな」

（…笑った。もっと笑ってくれると嬉しい…と言うと、妙な勘違いをされるだろうか…）

？？？親愛：1→2

154二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 07:07:51

「幕間終了。…奴を早急にどうにかしなければ…」

「ケレスさんもなんかズレてる感あるよな。何者だ？」

「僕のメンタル強すぎない？」

「幕間で夜の行動…私なら友達と宅飲みかな？までやると思ってたんだけど…」

「何かとても嫌な予感がする」

「次の章で夜行動から開始するなら、そのまま巡礼かな」

「次は何をさせられるんでしょうか…」

155二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:05:38

第二章　『綻び』

〜ジェターク家〜

「それでね、どうすれば僕に恋してもらえるのか考えてるんだけど」

「脈なしだろ。諦めろ」

「嫌だってはっきり言わないんじゃなく、言えないだけの可能性もあるからな…」

「え〜！そんなことないよ！むしろ僕のこと好きだと思う！」

「何なんだその自信は…」

「ごちそうさま。ありがとうラウダ、美味しかった」

「こちらこそ、買い物ありがとう。洗い物も任せて」

「グエルもラウダも働きものだね。感心感心」

「お前も少しは働け」

156二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:17:08

（うーん…洗い物を任せてのんびりソファーでテレビというのも落ち着かない…）

「…ねえグエル」

「ん？」

「この…テレビとか、グエルの持ってるスマホとか、すごいね。

　魔法みたいだけど違うんだよね」

「ああ。魔法じゃなくて科学だな」

「んー…本当に違う世界にいるんだ、僕」

（…ホームシックか何かだろうか？

　パートナーとして、何か話を聞いてやるべきかな）

dice1d3=1 (1)

1︰家族について

2︰ここでの生活について

3︰獣について

157二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:23:19

「…5号の家族はどんな人たちなんだ？」

「ん？家族は…いないよ？」

「え。…あの、すまない。悪いことを聞いてしまったな」

「いいよ、単なる事実だから。

　家族はいないけどたくさん愛されて育ったし」

「…そうか。よかった」

「グエルはどうなの？ラウダ以外に家族は？」

「父さんがいる。海外へ出張に出ていて、今は会えないが…」

「お母さんは？」

「…お前、遠慮がないな…。母さんは…帰って来ないよ」

158二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:30:20

〜ミオリネの自宅〜

「一気！一気！」「すっご、勢いやば〜」「なあそっちのおつまみ取って」

「あははっ！…んー、この開放感！たまんないわねー」

「何言ってんだか。お前いつもこんな感じじゃん」

「そうそう。さすが金持ちのお嬢様はお気楽だわ〜」

「誰のお陰で近所のこと気にせず騒げてると思ってんの？」

「よっミオリネ様！」「儚げ美少女！」「儚いのは見た目だけ〜」

「言ったね？このー！」

「ぎゃー！あはは！全然痛くねえ〜」「ちょっと、私の彼氏といちゃつかないでよー」

「熨斗つけて返してやるから安心しなさいよ」

（あー、ほんっと楽しい！暗い顔したやつと一緒にいるより全然いい！）

159二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:40:06

　毛布に包まり、乱痴気騒ぎの音から意識を逸らす。

　人の気配の多さに神経が昂ぶり、4号はなかなか寝付けずにいた。

　早く終われ、と耳を塞いだ、その時。

「………あれぇ、部屋間違えちゃった？」

　扉から差し込んだ光で、にわかに部屋が明るくなる。

　息を呑み、身体を震わせながら毛布の中で身を縮めた。

（はやく、出て行って。はやく…！）

　4号の必死の願いは届かず、ぎし、と床の軋む音が近づく。

「やめて」

「あまいにおい…」

　熱に浮かされたような言葉と共に、毛布の上から輪郭をなぞられる。

「さわらないで」

　弱々しく懇願する声など聞こえていないのか、見も知らない誰かの手が、毛布の内側に侵入してきた。

　その手に身をまさぐられ、4号は――

4号？？（21～）：dice1d100=34 (34)

160二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:45:51

「そして誰もいなくなった？」

「…いや、おかしいでしょ！トイレから戻ってこないからって様子を見に行って？

　そいつも戻って来ないから一人、また一人と…って。

　完全にホラーかミステリーの文脈じゃない！」

「…何やってんのよ、もう！

　ドッキリか何かでも仕掛けようってわけ？

　いいじゃない、見に行ってやるわよ！」

「………トイレには…いない。

　…ん？今、声が…」

（って、嘘！？あれ、4号の部屋じゃないの…！）

「あーもう馬鹿！何やって――」

「え」

161二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:02:10

「閲覧注意…ですよ」

　理性も道徳もない光景が、ミオリネの目に飛び込んできた。

　一人の少女に、男も女もなく人間が群がっている。蝶の死骸に集る蟻のようだ。あるいは蛆虫か。

　体中、どこもかしこも手を、舌を這わされながら揺さぶられる少女。眦からは涙を零し、薄く開かれた唇からは断続的に意味のない音が漏れている。

「何なの、これ…」

　友人たちが、怪物にでもなってしまったような心地だ。

　悪い夢であってほしいが、しかし。

　少女を背後から抱え込んでいた男が身を震わせ、仰け反った。解放され、俯いて四つん這いになった少女の太腿を白いものが伝う。

　止めなければ。もう手遅れかもしれないけど、それでも。

　一歩踏み出そうとしたミオリネの足が、体全体が、止まる。

　顔を上げた少女が、恍惚とした笑みを浮かべていたから。

「…もっと、ほしい…」

dice1d2=1 (1)

1︰止める

2︰止めない

162二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:09:13

「………やめろ馬鹿！！！」

「んっ、え……あ……？」

「何して…私の家でなんてことするのよ！

　この子は居候！それを寄ってたかって！出てけ馬鹿！」

「あ…あ………っ」

「え？」「な…何してたの、私…！？」「頭が…ぼーっとして…」

「ち、ちょっと、何のつもり！？私がいるのに…！」「お前だってやってただろ！？」

「ほら早く！出て行って！さっさと服着ろ変態ども！」

「なっ…そもそもそいつが…！」

「勝手に部屋に入ったのはあんたたちでしょ！？出てけってば！」

「………ミオリネ…」

163二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:18:00

「…シャワー浴びて、ちょっとは落ち着いた？」

「………ごめん。僕のせいだ」

「ま…ショッピングモールの時も何かおかしいとは思ったし。

　あんた、そういう…体質か何か？変なフェロモンでも出てるわけ？」

「………そんな、ところ」

「そっか。それであんなに…

　…ねえ、ちゃんと先に言っといてよ」

「……………」

「言っといてくれれば、こんなこと起こさなかったよ、私。

　友だちと遊ぶにしても、家に呼んだりしなかった。

　あんたは…いまいち、信用してくれてないみたいだけど」

「…ごめん。…それから…ありがとう」

「え？」

164二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:19:13

ミオリネ…止めてくれて良かった…

165二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:25:20

「助けてくれた…から。

　僕のことも…彼らのことも」

「…ま、そうだね。パートナーってやつだし？」

「…うん。ありがとう」

（でないと、最悪の場合彼らは…死んでいたかもしれない）

「…あのさ。これからは、もうちょっと…仲良くしていこうよ。

　あんたもそんな、暗い顔してないで。

　私相手なら平気なんでしょ？」

「ミオリネ…気味が悪いとは、思わない？僕のこと…」

「別に？ちょっとかわいそうだとは思うけど…

　ちょっと変わった事情を抱えてるだけで、普通の女の子に見えるよ」

「…そう」

（女の子…なんて歳でもないけど。…言わないでおこう…）

ミオリネ・4号友好︰0→1

166二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:29:36

「はい」

「はいじゃないわよ」

「かわいそ…」

「これはもう魅了が効かない僕とロマンスするしかないよね」

「この展開への反応がそれでいいのかお前」

「…ちなみに。ミオリネが止めていなければ友人たちが争い始め、流血沙汰になって結局止める…という流れになっていた」

「ひええ…」

167二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:43:19

「シンプルクソ女って割にまともだよなミオリネ」

「他がヤバいだけ定期」

「俺はまともだろ」

「見ず知らずの相手に困ってそうだからって3万ポンと渡すのはヤバいだろ」

「反論できない」

168二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 20:56:29

どのコンビも良い感じなだけにロスト率それなりが怖い

169二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 22:20:13

このシリーズ面白いなと思って初期スレ読んできたんだけど最初の頃から長編シナリオのあらすじ予告はされてるんだな
それを踏まえて今の展開読むとこの先が…

170二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 08:22:33

相方とだんだん信頼関係が芽生えてくるの良いな

171二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 08:24:26

面白いです！試練であちらこちらに飛ばされるなら共闘は難しいのかな

172二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 17:38:57

長編しか読んでなかったからエランズマンションの前日譚気づいてなかった
みんな仲良しなの和む～

173二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 19:40:22

～山中～

「………」

（今日も…夕食はコンビニで貰って来た廃棄品。

　会話は…ない）

「………」

（味が濃い…でも、慣れるとおいしい…気がする。

　…私なんかが、こんなおいしいもの…食べていいのかな）

「………」

（食事も、寝起きする場所も、何もかも頼り通しだ。

　俺も、何かしなければならない、とは思うが…）

（…そういえば。この一週間、一度も彼女が横になって身を休めているところを見ていない。

　眠っている姿さえ、見たのは巡礼の後の一度きり…）

dice1d2=1 (1)

1：話しかける

2：やめておく

174二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 19:46:25

「…いつ、眠っているんだ？」

「心配は不要です。あなたの身の安全が確保できている時に眠っています」

「俺が心配しているのは…俺の安全ではなくて…」

「………それなら、やっぱり。心配はいりません。私のことは気にしないで」

「………」

（そうだ、気にすることなんてない。俺たちはあくまで利害の一致で、一緒にいるしかないからこうしているだけの…）

（…そう思えばいいのに。馬鹿だな、俺は…）

「………君にばかり、負担を掛けるのは…嫌なんだ。眠っている間の見張りを…交代にするのはどうだろう」

「シャディクさん…」

シャディク・スレッタ友好：1→2

175二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 19:55:21

「…いいえ。見張りは私が続けます」

「しかし…」

「はっきり言います。私はこうした役割に慣れている。あなたは慣れていない。

　夜間に忍び寄る足音に気付けますか？獣の息遣いを聞き分けることは？

　…できませんね。なら、ここは私に任せてください。

　気が咎めると言うのなら…適材適所。あくまで役割分担のようなものだと思ってください」

「…俺は、信用できない？」

「………そうですね。そう解釈してもらっても、構いません」

（…本当に馬鹿だな、俺は。彼女は真っ当な理由を述べているのに、余計なことを聞いて…

　自分が…他人を信頼して裏切られるのは懲り懲りだと思っているくせして…

　彼女に信用されていないと知って、傷つくなんて）

（…ひどい言い方して、ごめんなさい。でも、あなたは…優しすぎるから。

　私たちは、これ以上…親しくならない方がいい。…私に、そんな資格…ないから）

176二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 19:59:46

「水星ちゃん？」

「すみませーん！」

「温度差」

「ウジウジ、ウジウジ…お似合いコンビね。仲良くやってれば？」

「嫉妬は見苦しいぞミオリネ」

「してないわよそんなもん！」

「脳破壊の実績がある組み合わせだからね」

「騒いでないで次のシーンに進むぞ」

177二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:06:53

～ジェターク家～

「ねえねえ、それじゃあ次は――」

「待て、先に明日仕上げないといけない課題の用意を………………あっ」

「うん？」

「つ…痛恨のミス…っ！」

「何？」

「ち、ちょっと…バイト先に忘れ物だ！たぶんきっとそうだよな…休憩時間に鞄から出して、ロッカーに仕舞ってそのまま…よし！すぐに帰って来るから！行ってきます！」

「何を忘れたの？」

「課題に使う大事な資料！」

178二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:13:01

「ふーん。いってらっしゃーい」

「兄さん、お風呂上がったから――

　…兄さんは？声が聞こえたと思ったんだが」

「忘れ物だって。それで、バイト先に行ってくる～って」

「…こんな時間に、一人で？それは…危ないだろ」

「麗しい乙女でもないんだし、幼い子供でもないんだから。

　…とはいえ、確かに危ないかな？老若男女問わず助けるのが英雄ってものだし」

「お前が英雄かどうかはどうでもいい。というかお前は勝手に動き回るな、僕が…」

「あ………しまった、僕も用があるんだった。本当なら僕が追い掛けるところだが…」

「任せてよ。じゃあ行ってきまーす！」

「兄さんに何かあったら二度と家に上げないからな」

179二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:18:19

～ミオリネの自宅～

「…本当に、一人で平気？」

「大丈夫に決まってるじゃん。あんたもついて来たいって言うなら止めないけど…行き先、バーだよ？人もそれなりにいるし…」

「………」

「ま、私と一緒なら大丈夫…ってことなら、私は気にしないけどね」

「…ごめん」

「謝ることじゃないっての。私が単に飲み足りないだけ！あと、バーで働いてる友達もいるからね。

　あんまり遅くならないようにするけど、眠くなったら先に寝てていいよ。戸締りだけはしっかりね」

「…うん。その…、………いってらっしゃい」

「！…ふふ、行ってきます！じゃ、またね！」

（何だか…懐かれた気分。かわいいところあるじゃない、あいつ！）

180二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:21:33

～商店街～

（昼間と違って、ほとんどの店が閉まっていて…

　少し寂しい印象だな）

（………何となく、二人でいるのが気まずくて街に来てしまった。

　子供みたいだな、俺…）

「………ん？」

（今、何か…？）

181二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:25:10

「人間サイド、幸運を振ってくれ」

「ケレスさんチャンスか？」

「ど、どうして…少し嬉しそうなのかな…

　…その、通常の幸運とクリティカルでイベント内容が変わるから…」

「よかったねグエル。頑張ってクリティカル狙えば？」

「応援してるよ」

「ありがとう二人とも」

「くっ………いや、クリティカルなんてそうそう出るものじゃない…！」

グエル幸運（31～）：dice1d100=19 (19)

ミオリネ幸運（51～）：dice1d100=41 (41)

シャディク幸運（61～）：dice1d100=7 (7)

182二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:26:11

誰も成功しないの草

183二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:27:58

「ちょっと待て」

「失敗しちゃったなあ」

「残念残念」

「あと少しでファンブルだった。危ないなあ」

「…まあ…いいんだけど…」

「成功してたらどうなってたわけ？」

「…それぞれバイト先や行きつけの店でよく出会う相手がいるだろう。彼女たちが登場していた。

　今後の展開にそう大きな影響はないから…そこは安心してくれ」

184二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:28:12

よかったなラウダw

185二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:33:05

～路地裏～

「よし！近道を通るぞ！

　…ん？あんなところで何か…いや、まさか…人か！？大丈夫…です…か…？」

「………な…」

（人の…腹が、食い破られ――）

「よそ見は危ないよ、グエル」

「！？5号、どうして…」

「ついて来て正解だったね！見なよあいつ」

「…あ、あれは…巡礼の時に見た、侵食者…とやらに似ているが。どうしてこんな場所に…！？」

「さあ？でも危険なのは間違いないよね。サクッと片付けちゃおうか」

186二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:37:29

～路地裏～

「い、岩…みたいな虫！？」

「ちょ、待って、本気で無理だから！それも幼虫系！？無理無理来るなー！」

「ていうかでかい！大きすぎる！私なんて丸のみにされるんじゃないの！？ぎゃーっ！想像しただけで無理ー！」

「…ミオリネ」

「うわーっ！？…あ、れ？4号…？」

「嫌な…予感がして。少し悩んだけど…来てよかった」

「ほ…本当に助かった！ありがとう！大好き！」

「え…あ、ありがとう…？」

187二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:42:01

～路地裏～

「な…」

（何かいると思ったら、これは…！表皮は岩石や水晶のように見えるが…生き物らしい。巡礼の時に出会った怪物に似ているな…。

　…何かの幼虫のような形状だが、大きさは人間大…そして何より…）

「人を害し、あまつさえ…食していますね」

「！」

「ごめんなさい。実は…ずっと後ろをつけていました。

　何かあってはいけないと思って…」

「…結果的には、助かったと思っていいのかな」

「…はい。あなたのことは…私が守りますから」

188二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:45:55

『第二の巡礼だ』

「！」

『街の中に侵食者が出現した。直ちに掃討せよ。

　出現個所は5つ。最も近い位置に向かえ』

「…向かうまでもなく、だな」

「だね」

（にしても…こんな化け物が街の中に現れるなんて。

　これから先…どうなってしまうんだ？

　…他の場所でも被害が出ていたら…早く向かわないと）

189二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:52:04

4号が5号とミオリネ両方と健全に距離近づいてるの良い…
5号にとっては姫だけど
男女どちらにもなれるなら同時進行でミオリネの王子になってもいいんですよ

190二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:01:07

ミオリネと4号のコンビが非常に良い……
ミオリネが誰にも分け隔てなくてなんだかんだ世話焼きなかんじが好き

191二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:03:50

【🎲・閲覧注意】オール・フォー・ユーpart2｜あにまん掲示板「マグカップ組＆ラウダでオリジナルシナリオを独自ルールで進めている。　シナリオを進めるキャラ（PC）とは別にメタ視点の俺たちワイプ組の反応も入るからそのつもりで。　現在は第二章の終盤。第二の巡礼の指示…bbs.animanch.com