【閲覧注意】絶対BLになる水星の魔女vs絶対BLになりたくないグエル

  • 1二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:07:09

     グエル・ジェタークは理解している。

     この世界はBLという法則に支配されていると。

     気がついたら男同士でペアを作って結婚しているのはもちろん、ちょっと片思いをこじらせたら相手の女が別の女と結婚して「次はきっとあなたにいい人が見つかりますように」とブーケを渡してくる高度めな脳破壊があると来た。あとそうでもなければ生まれてこの方正ヒロイン面をして隣に居座っているこの男__双子でもないのに顔も声もそっくりな幼馴染、ボブに対する説明がつかない。ちなみにボブは今日も「おはようございますグエルさん!」と手作りのお弁当を渡してきた。お弁当はおいしかった

     グエルは誓った。決してBLには屈さないと。

     何故ならグエルはあの女に対し操をたてているし、父に孫を抱かせてやれるのは自分だけだし、何より単純に赤毛で長身で強い女性が好みだからである。

     そういうわけでグエルは男同士が恋に落ちるようにできている世界の仕組みの根深さに抗うことにしたのである。ちなみにお弁当はおいしかった

    舞台はどうしよう?dice1d4=1 (1)

    1:アスティカシア高等専門学校

    2:メカぐるみ魔法少女

    3:一般dice1d2=2 (2) (1:高校 2:大学)

    4:謎の研究所


    ※誤字脱字が多く、執筆しながら管理するのが苦手です。

    ※書いてる人の好み(ラウ→グエ強火、エラシャディ、おにショタおに他)で贔屓が入る可能性があります。特に今回ラウダは特定の手順をふまないとそもそも出てこない程度にナーフしていますが、もし気づいてもそっとしてください。

    ※単純に趣味の問題でスレミオとフェルペトは基本くっつきます。

    ※モブレ・廃人化・死亡などダイス次第で酷い状況になるかも。割と何でも許せる方向け!苦手な展開になりそうなら自己判断でブラバしてくださるとありがたいです!

    前の

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  • 2二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:10:48

    今回もありがとうございます!
    アスティカシア舞台でボブもいるのは珍しいと思うし、楽しみだ!

  • 3二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:11:45

    わぁい新作
    ぼく原点もだぁいすき
    一周回って新しいかもしれん

  • 4二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:14:15

    新作だ~!素敵な13日の金曜日になりそうだわ!

  • 5二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:19:07

    お弁当の美味しさをゴリ押してきてかわいい よかったね

  • 6二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:19:38

     __ここはアスティカシア高等専門学校。

     ベネリットグループにより経営されている高等教育機関で、パイロット科、メカニック科、経営戦略科の三つの専攻が存在する。ベネリットグループの傘下の企業推薦が入学条件となっており、モビルスーツを用いて行われる学生同士の私闘が『決闘』という名目で合法化されている。かくいうグエルも、かつては決闘の勝者__ホルダーとして学園に君臨していた。今となってはどこぞのスレッタ・マーキュリーがサクッと優勝し、ついでにミオリネとハイスピード結婚までぶちかましていったわけだが__結納RTAも記録更新が狙えるスピードであった__

     そうしてグエルは敗北の責任をとり、dice1d2=2 (2) (1:ジェターク寮に籍こそ置くが寮長をやめさせられた 2:グエキャン△中)であったわけである。目下の問題は今もグエルの横でニコニコしながらおべんとうを差し出す男、ボブである。幼馴染、献身的、料理上手で美青年、ついでに向こうは末端企業の秘蔵っ子で身分差を完備__役満である。やや顔が似すぎているきらいこそあるが、それを差し引きにしても属性としてあまりに強すぎる。ボブがいい子であることは認めるが、だからこそ彼とBL展開になるなんて耐えきれない。ボブは食事をするグエルにくすくす笑いながら、そうっと頬をしめした。

    「ほっぺた、お米ついてますよ。グエルさん」

    「……」

     ややキレそうだった。

    dice1d3=3 (3)

    1:決闘委員会に向かう!ボブと対消滅させる相手を探したい!!

    2:授業に向かおう。いくらなんでも真面目に勉強はしなければ

    3:ボブくんに「何故俺に構う?父さん……ヴィム・ジェタークににらまれたらどうする」とやんわり諭してみる

  • 7二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:21:11

    ボブグエですか!? ありがとうございます

  • 8二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:22:00

    このレスは削除されています

  • 9二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:22:55

    >>8

    レス消費してごめんなさい


    ボブとグエルは穏やかペアになりそうでこういうのもいいなと思っちゃったな

  • 10二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:25:57

    ボブグエは百合なので最終的に弟が両手に花エンド狙いにシュバってきそう

  • 11二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:29:01

    「……何故俺に構う。父さんににらまれて、お前の就職に響いたらどうするんだ」

    「え!そ、れは……」

    「いややっぱいい!言うな」

     言った手前、グエルはそっと口をはさんで止めた。読めた。あのセリフの続きは完全に「あなたを……愛しているから」である。三点リーダの位置まで自信がある。そうなれば詰みだ。どうあがいてもBLである。だって実際既にボブの背後にカケアミ背景見えるし。花見えるし。抽象風景をトーン張りで誤魔化すのをやめろ……!

     グエルは学習している。何故かキャンプ中のグエルにわざわざ食事を運んでくれていること、またボブといるときは何故か__そう何故か__日常的に頻発する嫌がらせの類と一切エンカウントしないこと。ここから導き出される答えは一つ、「既にボブとのフラグに走りつつある」ということだ。であれば何がきっかけで仲が進展してしまうかわかったものではない。言葉は慎重に選ぶべきである。

    「……言い方を変える。これ以上俺に関わるのはやめろ、俺はお前まで巻き添えにしたくない」

     これでどうだろうか。顔を逸らしてコーヒーを飲みながら、横目でボブの姿を見やれば、彼はぽけーと不思議そうな顔をしていた。

    dice1d3=2 (2)

    1:「俺はグエルさんが心配なんです。俺がいないと、まともなごはん、食べられないですよね……?」とアレ?なんかヤンデレ仕草入ってないか?

    2:「大丈夫ですよ。もしそうなったら、一緒に二人で逃げましょう」と手を取られる。やめろめろめろ

    3:「…………」とショックを受けたようにしょんぼりしている

  • 12二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:31:27

    ボブがかわいい…!!

  • 13二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:39:48

    「……もしそうなら、一緒に逃げましょう」

     ボブが微笑んで、グエルの手を握った。

     どこまでも柔らかい、聖母子像の微笑みだ。サンタ・マリアもびっくりの慈愛の表情、触れた指先は温かく、柔らかい。グエルは咄嗟に身を引こうとするが、それより先にボブがずいっと距離を縮めてきた。背に冷や汗が流れる。グエルとおよそ似た体格でありながら、きっちりきっかりと制服を着こんでいるため、やや筋肉等が張ってみえる肉体が、グエルのそれと、ぴったり触れ合った。

    「大丈夫です!アテはあるんです、学園にやってくる輸送船に乗り込んで、偽名を使えばきっと働けますよ、もし労働がお嫌なら俺がグエルさんのためにいっぱい稼ぎますから、グエルさんはおうちのこと__」

    「待て待て待て待て駆け落ち計画が具体的かつ生々しくて怖ぇよ!落ち着け!大丈夫、俺、大丈夫だから!」

    「ええ?……ふふふ、冗談ですよ」

     くすくすと笑う様子は、確かに冗談めいても見えるし、半分くらい本気であるようにも見える。逃げようとすると指を絡ませられて、ひいっと声にならない悲鳴をあげた。ごめん嘘。多分コイツ七割……いや八割くらい本気だ。そういうBLは御免被る。

    「ねえ、グエルさん。俺はあなたのためならなんでもできますから、ね」

     先程からしばらく放置されているお弁当箱が、微かに視界の端に映る。

     視線を向けると、ボブが献身的に、健気に、そしてどこか__獅子の、肉食獣のような笑みを浮かべているのが、みえた。

    dice1d3=2 (2)

    1:けけけけ決闘委員会だ!今すぐ決闘委員会に行くぞ!!

    2:ウワアいじめっ子モブとのエンカウント!来ないという話では!?

    3:ハアッ電話!?ヴィム「うちの子会社にポストを用意した」

  • 14二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:42:31

    ボブはいったい何者なんだボブ

  • 15二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:49:48

    積極的なボブもかわいいなあ

  • 16二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:51:42

    やったあぁぁあ!!!やったあ!!!
    ありがとおぉぉ!!!
    一週間頑張ったごほうびだぁい!!
    栗剥いてる場合じゃない!!

  • 17二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 20:57:06

    ボブくんdice1d4=3 (3)

    1:パイロット科でグエエラシャディレベルに優秀 2:メカニック科でみんなの癒し 3:経営戦略科でジェタークのずのう枠 4:実はシャディクの回し者(すぱい)


    「ッハハ、こっち臭くねえか?」

    「うわこんなところにゴミ捨て場があるじゃねえか」

    「何日風呂入ってねえんだよ、元ホルダー様」

     グエルははっと顔をあげる。

     そこにはここ数週間ですっかり見知った顔になった顔の判然としない男たちが水片手にこちらを見ていた。こんな時に!というかボブがいるときは来ないんじゃなかったのかよ!おまもりボブくん効果はどうしたんだよ!!ボブは一瞬胡乱げな目をしたあと、立ち上がってグエルを庇うように立つ。

    「突然なんですか。先生に通報しますよ」

    「動かねえよ。あんな落ちぶれた御曹司様のためになんてな」

    「グエルさんを愚弄するんですか!?」

    「ンだ、やるのか!?」

     男の一人が、パックに入った水をボブに投げた。ひゃ、と悲鳴をあげて、ボブが水をひっかぶる。ここで無反応を貫いていたグエルは、ようやく「ボブ!」と悲鳴じみた声をあげて、ボブを守るように両手を広げ、ギリギリとモブたちを睨む。

    「やるなら、俺にだけやれ。ボブを巻き込むな」

    「何?グエル様は寮生が傷ついてるのが見過ごせないと?ご立派なことで、ああもう寮長じゃないか!」

    「ああ。寮長じゃない、だからコイツには、関係ない」

    「……グエルさ……」

     ボブが泣きそうな顔でこちらを見上げてくる。

     BLとかBLじゃないとか、今どうでもいい。今はとにかく緊急事態であるし、グエルは自分のせいでこの幼馴染が泣いてしまうところなんて、見たくはなかった。

    dice1d3=2 (2)

    1:「そこまでだ」と__この声は……dice1d2=2 (2) (1:シャディク 2:オルコット)?

    2:「……グエルさん……俺……」とボブが突然抱き着いてくる。やめろ流石にそこまでくると無視できなくなる

    3:「じゃあ何、身体で支払ってくれるわけ?(笑)」

  • 18二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:08:02

    ボブが誰にも追いつけないスピードで距離詰めてきてるのこわー…

  • 19二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:08:34

    ボブの押しが強すぎて笑っちゃう、強いぞこの男

  • 20二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:09:52

    クソ…3番……いや、何でもない

  • 21二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:11:30

    同じ顔だからかな!?
    一つ分のひだまりに二つ入ろうとしているのか

  • 22二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:11:43

    ボブ可愛とボブ怖が入り交じって心がふたつある状態

  • 23二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:14:30

    モブがみてるのに大胆だな…

  • 24二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:18:45

    ボブも結納RTA勢だったか

  • 25二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:19:30

    「……ンだよ、捨て猫御曹司がッ、負けたくせに!」

    「っぐ、」

    「グエルさん!」

     腹部を思いっきり蹴りつけられたところで、ボブに後ろから受け止められる。そのまま柔らかに、あたたかに包まれる感触があった。すぐにボブがきっと眦をつりあげ、少しだけ歯をきしませながらいじめっこの男たちを睨みつけるのがわかる。グエルは、それに対して__

     シンプルに恐怖を感じた。

     知らん。何でこんな突然BLみたいな展開になるんだ。グエルがしたことと言えば、ボブくんのおべんとうに舌鼓をうったことと、ボブくんが水をひっかぶったときに関係ないって言って突き放したことぐらいじゃないか……!この程度でこんなガッツリフラグをたてられるなんて、BL世界、なんて恐ろしいんだ。グエルは戦慄した。とてもこわいとおもった!

    「グエルさんに、手を出したら……俺が、許さない」

    「んだよ、ジェターク経営戦略科のお姫様!喧嘩に自信でもおありで?」

    「ぐ、グエルさんのためなら、俺だって、戦える!」

    「よせレスするな!荒らしに構うのも荒らしだ!!」

    「なんですレスって!なんです荒らしって!?」

    「お前は知らんでもいい!!!!!!!!」

     グエルが叫ぶと、ボブはうるうると瞳を滲ませて、グエルの肩口に顔を埋めた。背中が、あたたかい。ふわふわの髪が頬に触れて、すこしだけくすぐったく感じた。

    dice1d3=3 (3)

    1:「何をやっている」とdice1d3=1 (1) (1:シャディク 2:オルコット 3:モブ教師)の声が聞こえてくる。

    2:「……チ、興が醒めた。行くぞ」とモブが去っていく。

    3:「それなら今ここでお前らキスしろよ!そうしたら見逃してやるよ(笑)」

  • 26二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:21:29

    これは百合カップルのイチャイチャを鑑賞してからチン堕ちさせるつもりか…?

  • 27二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:25:04

    モブがお膳立てしてくれてる…?

  • 28二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:29:50

    「ならキスしろよ、今ここで!」

    「ハア!?なんだよキスって、ならの因果関係はなんだよ!」

    「ボブくん(笑)を守るためならなんだってできるんだろ、グエル様?」

    「グ、グエル、さん……俺……」

    「落ち着けボブ!」

    「グエルさんになら、ちゅーされても……」

    「そのままの語彙でいてくれ!!!!」

     ボブが何故か頬を赤らめ、グエルの髪を撫でる。グエルはなんとか息を吸って、吐いた。世界の強制力が怖すぎる。いじめまでBL展開にされる。怖すぎる……

     なんとかボブを引き剥がして、モブたちと対峙する。問題としては、こいつら全員顔が判然としていないことだ。つまるところ本家世界にはいない「モブ」枠であるということ。下手に刺激すると何が起こるかわかったものではない爆弾枠。息を吸って、吐く。

    「キスしたら、お前らは引き下がるんだな」

    「もちろん(笑)」

    「……わかった」

     あまりこの手は使いたくなかった。しかし、こうなってしまった以上、この手に頼るしか__やるしか、ない。

    「よく見ておけよ」

    dice1d4=1 (1)

    1:ボブのほっぺたにキスする。

    2:モブ生徒の靴にキスする。クッ……

    3:モブ生徒をステゴロで叩きのめして地面とキスさせるぞ!!dice1d2=1 (1) (1:成功 2:失敗!数の暴力には勝てなかったよ……)

    4:グエルが何かする前にボブくんにくちびるを奪われる!?

  • 29二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:32:01

    百合の花園をあらすモブゆるすまじ

  • 30二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:33:17

    よく見ておけよ!でほっぺにチュッはゆりちから強すぎ〜

  • 31二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:33:44

    ほっぺチューか!

    3の選択肢も個人的には魅力的だった
    〉モブ生徒をステゴロで叩きのめして地面とキスさせるぞ!!

  • 32二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:40:34

    捨て猫御曹司とかお姫様とか、モブの語彙がもう完全にBL時空なのよ

  • 33二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:42:49

    「……ん……」

    「っひゃぁ……!?」

     ボブの肩を掴み、奪うようにしてその頬に口づける。

     ボブが素っ頓狂な声をあげた。目をひらくと、目の前にある褐色の肌が、心なしかさっきより赤くなっている。視線だけで男たちの方を見やると、低く唸るように呟く。

    「これで満足か」

    「ほんとにしやがった!」

    「これ以上は聞かん。俺にもプライドがある__ボブ、突然悪かった。巻き込みたくなかった」

    「ち、ちが……俺……グエルさんんん……」

     ぷしゅぷしゅと頭から湯気を出しながらグエルの腰のあたりに縋るようにして抱き着くボブ、その頭をとりあえず撫でておくと、モブ達がゲラゲラと笑い始めた。

    「ジェタークの御曹司も墜ちたものだな、乞われて叶えるなんて娼婦かよ」

    「……」

    「……チッ、もう反応する気はない、というところか」

     ひとしきり笑って、しかしグエルが我関せずを貫けば、やがて飽きたか何かで露骨に機嫌が悪くなりはじめる。グエルは先程から放置されているお弁当を手に取り、口に運ぶ。

    「おいしい。ありがとう、ボブ」

     ボブが赤面して、「ありがとうございましゅ……」と頭を下げた。滑舌悪いなあと思った。

    dice1d3=2 (2)

    1:モブが去っていく。……シャワーを浴びたいが……

    2:モブが去っていく。あとボブが「やっぱ駆け落ちしましょ駆け落ち」と提案してくる。

    3:モブが去って行かないんだが?

  • 34二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:43:50

    ボブもモブもBL力が強すぎる

  • 35二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:44:12

    ボブつよい

  • 36二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:45:24

    ボブグエは百合だ、つまりまだ世界に抗えている👍

  • 37二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:49:12

    腰のあたりに抱きついてるボブの頭をとりあえずで撫でるグエルはもしかしてBL世界の人?そうだよ!!!

  • 38二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:50:34

    エスケープかそれも青春だな
    (BL時空から目を逸らしながら…)

  • 39二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:51:40

    「……やっぱり駆け落ちしましょう、駆け落ち」

     ボブがグエルの手を握る。

     ぎゅっと。水にぬれたままの指先に、微かに熱を奪われれう。グエルはお弁当箱を置いて、ボブの方を見た。迷うように視線を動かして、それからボブの手を、そっと自分の腕から外す。

    「ダメだ。俺はお前の将来を潰すような真似は__」

    「しょうらい?そんなの、どうでもいい……です。俺、あなたと一緒なら、なんでも……」

    「いやそもそも駆け落ちしないからな。俺は父さんから指示されない限りずっとここに居続けるつもりだ」

    「ッ、父さん父さんって、あなたはそんなに父さんが大事なんですか!?あんな……グエルさんの良いところを認めないような父親、俺は__!」

    「父さんを愚弄するな」

     自分で思ったより、ずっと低い声が出る。

     それで、ボブはびくりと肩を揺らした。泣きそうにこちらを上目で見やる姿に、グエルもはっと意識を取り戻す。ふるふると首を横に振って、再びお弁当を両手で持つ。ぐっと、てのひらに、力を籠める。

    「どんな人でも、俺にとっては大切な父親なんだ。ごめん、突然」

    「い、いえ……俺こそ、ごめんなさい、グエルさん」

     ボブが目を伏せる。

     グエルは最後の一口をくちにはこんだ。相変わらず、おいしかった。

    dice1d3=2 (2)

    1:「……ごめ、んなさい。またお弁当、もってきますね」と立ち去ってしまう。

    2:「……なら、これは俺のわがままです。グエル、俺と一緒に、逃げて」と手を取られる。

    3:ハアヴィムから電話!?「うちの子会社にポストを準備した」

  • 40二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:52:09

    ボブ心つおいし、押しもつおいし、可愛いすぎる…

  • 41二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:53:07

    ボブの強さが癖になってきた

  • 42二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:55:13

    さいよわ(マイナス)×さいよわ(マイナス)=つよい(プラス)になるからね
    …世界に抗えていないという点では今までで一番さいよわなのでは?ボブ(ボブではない)は訝しんだ

  • 43二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:55:29

    しつこいボブしゅき
    進み続ける男

  • 44二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 21:55:58

    呼び捨てだしめっちゃ粘るしボブつよ

  • 45二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:01:14

    「……なら、これは俺のわがままです。グエル、俺と一緒に、逃げて」

    「なっ……」

     手を、取られる。

     ぐっと、真摯に見つめられる。グエルは目を見開いた。ボブは立ち上がり、そのまま駆け出す。「どこへ行く……!」というと、ボブは何も答えず、ジェターク寮の裏口から内側にはいりこんだ。

     奇跡的に__そう偶然にも__誰にも見つからず、ボブの部屋にたどりつく。きれいに整理された部屋の一角、奇妙な山があった。ボブはクロゼットから古着を数着取り出すと、グエルにそのうちの一枚を投げ渡す。唖然として見ていると、ボブが荷物の類を鞄にまとめて、立ち上がった。

    「おい、まさか本気で__」

    「本気です。着替えてください、制服は売ります。既に交通機関には目をつけているし、裏で株の取り引きや決闘賭博なんかで稼いでたから当面困らないだけの金はあります」

    「ボブ、考え直せ!」

    「あなたを!!」

     ボブがグエルに、縋りつくように抱き着いた。

    「あなたを……ずっと、救いたかった。解放したかったんだ、あの男の呪いから……」

     泣きそうに震えた声に。

     グエルはやや迷った末、その頭を撫でてやった。

    移動手段はdice1d3=3 (3)

    1:輸送船(カシタンカ)

    2:モノレール(電車)

    3:ダリルバルデ(駆け落ち仕様)

  • 46二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:03:24

    か、駆け落ち仕様???

  • 47二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:03:32

    盗んだダリバルで走り出すの!?

  • 48二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:03:44

    このボブかなり強かだね?!

    〉裏で株の取り引きや決闘賭博なんかで稼いでたから当面困らないだけの金はあります

  • 49二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:04:22

    ダリルバルデも2人の門出をよう祝っとる

  • 50二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:05:41

    「……これで__」

     ボブが用意したのは、大気圏突入等に備えて装甲等が多少改造されたダリルバルデだった。「いつの間に」と尋ねれば、ボブが笑って、「ペトラさんががんばってくれて」と囁いてきた。ペトラあいつ……

    「これで、あなたを呪いから解放できます。大丈夫、だいじょうぶだから……」

    「……ほんとか?」

    「あなたとなら」

    「……」

     ボブが頷く。

     __エンジンが、うなりをあげはじめた。


    突入機関:ダリルバルデ(駆け落ち仕様)

    dice1d100=58 (58) (20↑☆)

    せっかくなのでボブくんの知識レベル:dice1d100=92 (92)

  • 51二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:07:33

    ボブくん知識もバッチリでグエルは安心だな()

  • 52二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:08:03

    このボブ手際が良すぎない!?

  • 53二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:08:13

    経営戦略科ボブのずのうつよつよでは?

  • 54二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:08:39

    ぅゎボブくん知識面でもっょぃ
    スパダリ(駆け落ち仕様スーパーダリルバルデ)では?

  • 55二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:16:26

     出発は、夜闇に紛れて行われた。

     真夜中に真っ赤な星が灯る。戦術試験区域の一部から、領空を突破することができる。そこをついて、ひとまずは地球か、そうでなくても安穏なコロニーにいくつか目星をつけているから、そこに向かう__という話だった。操縦はグエルが行うが、ナビゲートはボブに任せる。途中数度自分は何をしているんだろうと冷静になりかけたが、既に盗んだダリルバルデで走り出しているのでもう戻らねえんだよ……『時』はよ__!

     __しばらく、飛翔して。

     何か、違和感に気づく。

     いつまでたっても、モニターにうつる画面がかわらない。いくら宇宙でも、星の場所やコロニーとの位置関係から、およその景色は変化していくはず。それなのに、全く変化がないのだ。ボブが焦ったように、「上へ!」と指示をする。言われた通りに動くが__やっぱり、何も変わらない。なにかが、おかしい。だってこれではまるで、同じところを延々ぐるぐると回っているような。

     ……同じ場所を、ループしているような?

    「嘘だ……やっぱり、無理、なのか……?」

    「やはり、とは?」

     ボブがぽつりとつぶやいた言葉に、グエルがすかさず口をはさむ。ボブはしばらく口をまごつかせたが、ややあった末に、ぐっと、グエルの手を握る。グエルよりやや色の薄い瞳が、明確な意思をもってこちらを見返す。

    「……グエルさん。地球に対する知識は、どの程度ありますか?」

    「え?地球って、そりゃ、戦争シェアリングの現場で、かつてスペーシアンも暮らしていた場所で、それから……」

    「地名は?起きた戦争の名前は?どんな人が住んでいる?戦争シェアリングを支える金、そもそもは何を主産業にしている?食料需給は?水は?」

    「……」

    「あのね、」

     この世界が、何者かによって、『つくられた』世界だと言ったら……どう思いますか?

     ボブの指先が冷えているのが、スーツ越しにもわかった。


    絶対BLになる水星の魔女vs絶対BLになりたくないグエル

    【箱庭編】


    dice1d3=2 (2)

    1:……いったんアス高に戻る。

    2:「ど、どういうことだよ、それ……!?」と詳しく尋ねる。

    3:「なんとか『外』にコンタクトがとれないのか!?」とダリルバルデをレバガチャdice1d2=2 (2) (1:成功 2:失敗)

  • 56二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:18:11

    知らん展開来たな

  • 57二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:18:36

    箱庭?!

  • 58二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:22:07

    なんかノベルゲーの3周目くらいで解放される感じのルート入ったな…

  • 59二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:26:02

    いないボブがいる所からこの伏線だったの⁈

  • 60二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:26:41

    今回は◯◯編ってタイトルについてないなぁと思ってたらコレだよ!!

  • 61二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:32:18

    「……は?それは一体、どういうことだ?」

    「お、俺も、詳しく全部知ってるわけじゃありませんが……」

     ボブは迷うように視線を彷徨わせ、グエルの手を握る。

    「なんでもラウダ・ニール?という人が古い昔に存在していて、その人が大切なお兄さんを狂気と事故によって奪われてしまって、それで狂ってしまって。それから何度も『彼の兄』という存在やその似姿は転生を繰り返したらしいのですが、そのたびにおいて行かれて、離れてしまって。それで結果的に、魔法やオーバーテクノロジーを用いて『幸せな場所、時間軸』を繰り返し再現した箱庭を用意し、そこで無限の幸福を生産することにした。所謂君の銀の庭です。俺は、今までこの世界が何度も試行されては、崩壊し、再び1からやり直した記憶を持っています」

    「待て待て待て待てなんかやけに詳しくないか?お前はイケメンの情報にだけやたら詳しいモブか!?」

    「詳しく知りたい方は『前の』にくっついてるアレから飛んでくださいね!俺も詳しいことは知らないので!!」

    「それで詳しく知らないは無理がある!!」

    「ちなみに今この会話も多分監視されてます!!」

    「馬鹿!!!!」

     グエルがボブの頭をぽかぽかと叩くと、ボブは「えへへ」と何故か笑った。それからグエルの体に自分の身体を預けて、うっとりと微笑んで見せる。

    「……こんなに打ち明けたの、グエルさんがはじめて……」

    「情報開示とBLを同時に行うな……!」

     ボブはグエルの手に頭を擦りつけて、グエルに抱き着いた。そうして「本当は、この世界から逃げ出したかったけれど。外の世界を知りたかったけど。『あなた』が何度も追い出され、いじめられた姿を見たくなかったけれど」と、言う。

    「あなたとなら、このままでも……いい、かもしれない」

     俺、『最初』は料理得意じゃなかったんですよ。

     ボブが困ったようにはにかんだ。

    dice1d4=2 (2)

    1:いったんキャンプ場に戻るか……

    2:いったんジェターク寮に戻るか……

    3:ちなみにダリルバルデと会話できたりしないか?dice1d3=1 (1) (1:できた 2:できたけどこちらの味方ではないっぽい 3:無理)

    4:おい!聞いてるんだろ!!返事しろ!!!!dice1d2=2 (2) (1:返事してくれた 2:無視)

  • 62二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:35:44

    何周もしたから強くなり知識も豊富で料理も得意になったボブか…
    それにしても、ここはラウダが兄さんをしまっちゃうために作った箱にわみたいだね

  • 63二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:38:37

    ラウダ今回出てこないな思ったらとんでもないことしてた

  • 64二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:40:40

    世界線繋がってたけど開始時点からずっとボブが色んな意味で強くてわろてる

  • 65二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:42:42

    作っちゃったか……箱庭

  • 66二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:51:02

    ダリルバルデが味方じゃない選択肢怖っ!?

  • 67二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:54:59

    このレスは削除されています

  • 68二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:54:59

    このボブ本当にボブ?

  • 69二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:57:41

    クトゥルフでもマギロギでも置いて行かれてたからな… ついにしまっちゃおうねしちゃったか…

  • 70二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 22:59:55

    きっと兄さんもボブも箱庭の大事な住人なんだよな
    推し2人のイチャイチャ百合を観測してたと??イイナーー!!

  • 71二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:04:15

    ラウダいい趣味してるな…
    ポプとグエルのよくばりセットか

  • 72二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:05:38

    ラウダが作った箱庭だとスーパーグエル大戦始まらない?
    ホルダーグエルとかCEOグエルとかショタグエルとかも出てきたりしない?

  • 73二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:05:40

    >>71

    ポプ可愛くて草

  • 74二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:08:56

    >>72

    もしかして今回はボブは始まりに過ぎず色んなグエルとのグエルの掛け算が見れる百合回だったりします?

  • 75二次元好きの匿名さん23/10/13(金) 23:28:45

    グエルがいっぱいコレクションの可能性があるんですか!?
    ラウダの作り出したグエルの楽園だとしたら大変興味があります

  • 76二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 08:25:33

    これからどうなるんだ……

  • 77二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 08:58:57

    「……」

     ボブの部屋に戻るまでも、誰ともすれ違いすらしなかった。世界に二人きり、隔絶されてしまったようにすら感じる。

     ボブは荷物を元の位置に戻すと、ばたんとベッドに倒れ込んだ。グエルはそれを後目に、とりあえず床に座り込む。ここでベッドに腰掛けるほど馬鹿じゃないし、かといって勝手に椅子を借りるのもどうかと思ったからだ。

    「何度やってもだめなんです。逃げても、進んでも__自害を試みたことすらあります。でもそのどれもが、時計の針を元の位置にもどすだけ」

    「お前は、外に出たいのか」

    「当然です。でも……無理ならせめて、あなたといっしょが、いいって……」

    「どうして俺を」

    「あなたは」

     やさしい、から。

     微かに上体をもちあげて、泣きそうな笑顔をこぼす。そうしてしばらく見つめあったあと、不意にボブが寝台から起き上がった。そうして部屋の扉に手をかけ、押し開ける。

    「どこに、」

    「食事をつくってきます」

    「別に腹は__」

    「どこにもいかないで」

     振り返った淡い青色の瞳に、明確な怯えがのっている。

     扉が閉まり、足音が聞こえなくなるまで、グエルはじっと、黙ったままそちらを見ていた。

     __さて。

     グエルに前世の記憶は無い。ボブがいうところの『繰り返し』の記憶もない。だがこのBL世界においてこの状況__まるで緩やかに監禁されているみたいだ__ついでに『食事』というワード__には、何故かとてつもなく嫌な予感がする。幼馴染がループ経験者で闇堕ちヤンデレ済とかそんな馬鹿なことあるかよ。あるんだから仕方ねえだろ

     この状況を打破するためグエルは、

    dice1d3=1 (1)

    1:……いや、ボブを疑うのはよくないな。

    2:とりあえず出てきたものは口にしない。あと何かいい手段がないか考えてみようdice1d2=1 (1) (1:……そうだ! 2:無理)

    3:他の寮生を探しに行ってみよう。dice1d4=3 (3) (1:お、フェルペト! 2:お、カミル! 3:お、若社長! 4:……?誰もいない。)

    ……dice1d3=1 (1)

    1:するわけない、です

    2:気持ちよくなる薬を少々

    3:判断能力が鈍る薬を少々

  • 78二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:01:10

    お互いに性格の分かるダイス出たな…
    若社長の選択もあるってことはやっぱグエル大戦状態か?

  • 79二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:01:58

    良かった…ボブは本当にお薬云々しないし、グエルはちゃんとボブを信頼していた…

  • 80二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:06:56

    『あの男の呪い』ってヴィムかと思ってたけどラウダだったか あるいは両方かも?

  • 81二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:13:01

     ……いや、ボブを疑うのはよくない。

     考え直して、グエルは静かに俯く。今まで何度も、ボブはお弁当をつくってくれた。しかしそのいずれにも、何か__そう何か__が盛られていることなんて、なかったじゃないか。全部、順当においしかった。信じるべきである。

    「た、ただいまもどりました~!」

     しばらくもしないうちに、ボブが湯気を立てたお皿片手に戻ってくる。ここにいたって、グエルはようやくお腹が空きつつあったことを思い出した。柔らかに微笑んで礼をいってから、プレートを受け取る。

     ……あたたかいものをあたたかいまま食べたのは、久々な気がする。

     口許に運ぼうとしたところで、不意にボブの方を見た。ボブはうっとりと嬉しそうに笑うままである。しばらく考えた末に、グエルはそっと、彼の手にフォークを持たせてみた。

    「お前も一緒に食べよう」

    「え、いいんですか?」

    「もちろんだ。いつもお前、俺が食べてるの横で見てるだけじゃねえか」

    「……へへ」

     ボブがはにかんで、フォークにソーセージの一つをさす。二人で食べる一人分の食事は、量こそ少なかったけれど、いつもより満たされるような気が__

     これBLじゃねえか!!

     グエルははっと気を取り戻した。これBLじゃねえか。どう見ても描写も状況も全部BLだった。無意識のうちに!BLをしていた!!なんて恐ろしいんだ世界の強制力……なんて恐ろしいんだ箱庭……!グエルも所詮その中の人形の一つであるということか……!!

    「グエルさん、おいしい、ですね」

     ボブが寄り添ってくる。

     マジでこの正ヒロイン面をする発狂ヤンデレ闇堕ちボブくん(推定)をなんとかしない限りグエルに勝ちの目はない。グエルは思った。心底思った!!

    dice1d3=2 (2)

    1:……うちの若社長に、何か協力を仰げないだろうか?

    2:……とりあえずボブくんとdice1d2=2 (2) (1:エラン 2:シャディク)あたりを対消滅させたい。

    3:こ、この箱庭の外に出る方法は……!dice1d2=1 (1) (1:そうだ!! 2:思いつかん……!)

  • 82二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:52:00

    このボブくんの言動見てるとダイス次第では最初からシュバってましたってオチになるのではという恐怖を感じてしまうんだが初代から見ていた刷り込みかな

  • 83二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 09:55:03

    シャディクとボブの接点…総集編2回目で名前呼んでる!これはいける!!ヨシ!!!

  • 84二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 10:01:47

    いや、どうにも勝てる気がしないんだが…

  • 85二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 13:56:17

    ボブが強すぎるしグエルに対消滅使いこなせるのか…いつもやろうとして失敗してる覚えしかないんだが

  • 86二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 20:24:50

  • 87二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 22:05:59

    正ヒロイン面してるボブおもしろれー男すぎる。でもボブは正ヒロインの素質あると思う!

  • 88二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 22:44:14

    「……いったん、決闘委員会に向かおう」

    「へ、どうしてです?」

    「あー……ようするに、ここは特定の高位存在の箱庭なんだろう?なら『それ』の想定外の行動をすることで、何らかのバグが起きないかと」

    「なるほど……?グエルさんはかしこいですね」

     嘘である。

     口から出まかせである。本当は決闘委員会(顔の判然とした男がたくさんいる)に向かえば、上手いことこいつを対消滅させることができるのではないかと思ったからである。本格的に早いうちになんとかしないと、箱庭がどうとか以前にまずもってボブとBLさせられかねない。

     ボブが穏やかに微笑む。やや良心が痛まないでもなかったが、それはそれ、これはこれだ。グエルは心を鬼にして、寮の外に出た。

     あたたかい風が頬を撫でた。


    「……あ、シャディクさん!」

     ボブがふっと顔をあげて、駆け寄る。決闘委員会に向かう道中、そこにはシャディクの姿があった。彼はこちらを振り返ると、「ボブ、グエル」と順にみて、いつも通りの読めない笑みを浮かべる。グエルが片手だけあげて挨拶すると、シャディクがゆっくりと近づいてきた。

    「追い出されたって聞いたけど、小奇麗だね。シャワーでも浴びたのかな?」

    「嫌味か」

    「違うよ!事実の指摘」

    「……チッ」

     小さく舌打ちする。こいつとはどうも馬があわない。馬があわな過ぎて特定の世界線では殺し合いまでしていたような気がする。多分気のせいである。ボブはグエルとシャディクが話すのを見て、やや焦ったようにグエルの腕を取り、ぷくーっと頬をふくらませる。

    「ぐ、グエルさんは、俺の!ですからね!!」

    「違ェよ!?」

    「あはははは!お熱いね」

     せめてダイスを振れ。グエルは思った。心底思った。

    dice1d4=4 (4)

    1:「じゃ俺これからエランのとこ行くから」と去っていき おい待て

    2:「仲良しなのはいいことだよ」とニコニコ微笑みかけてくる。

    3:「dice1d2=2 (2) (1:(判別不可能な音) 2:ボブ)……」と呟いた……ような気がした。

    4:何か言われる前に先手を打って「お前はこの世界がループしていると気づいているか?」と尋ねてみる。

  • 89二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 22:46:31

    ド直球に聞いちゃって大丈夫か…?

  • 90二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 22:58:53

    「……お前は、この世界がループしていると気づいているか?」

    「へ」

    「ぐ、グエルさ……!?どうして……!」

    「ボブ、一人で抱えるよりみんなで話し合った方が解決策も見つかるかもしれない」

    「でも俺は……二人の秘密に、したかった……」

    「なんで俺は突然こんなやりとりみせられてるのかえっていい?」

    「帰るな!」

    「帰ってください!!」

    「開店しています閉店していますのアレ?」

     シャディクを引き留めると、彼は少しだけ嫌そうな顔をした。__グエルにとってこれは、BL回避をしつつ仲間を増やす作戦であった。何せ「重大な秘密を自分と相手だけ知ってる」なんて露骨にセカイ系の導入である。縋るようにグエルの肩を抱きながらがるがると威嚇するボブをなだめつつ金髪褐色の男を見れば、シャディクは「俺挟まりたくないんだけどなあ」と肩を竦めた。挟まりに来いよ。頃合いを見て俺だけフェードアウトするから。

     グエルが間髪いれずに、簡単にボブから聞いた概要を説明する。この世界はラウダ・ニールという高位の存在によってつくられた箱庭だということ。一部記憶が曖昧であるし、外に出られなかった、こと。シャディクは考えるように視線を彷徨わせて、それから微かに瞼を伏せる。

    「……それは……」

    「俄かには信じがたいというのはわかっている。だが、実際俺達は領空を突破して地球に向かおうとしたが、おそらく『正規ルート』ではなかったせいで、途中で何かに阻まれててしまった」

    「……」

    「俺は……外に、出たい。誰かに支配されてなんていたくない、自由になりたい。どうか、協力してはくれないか」

    dice1d3=2 (2)

    1:「……よくわからないけど、協力する。俺も何か役に立てることがあるかもしれない」と手を差し出してくれる。握手!

    2:「何言ってるの?そんなわけないじゃん。あるはずがない、あるはずないよ。あるはずない!」とやたら全力で否定される。

    3:「__……、縺ェ縺懊″縺・繧、繧ソ」とバグりはじめた。ウワア!怖

  • 91二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:00:59

    シャディク何を知っているんだ…?

  • 92二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:18:32

    「……やだなあ!そんなわけないじゃないか!」

    「え」

    「そんなことあるはずない、あるわけない!非現実的すぎる、第一証拠がないじゃないか」

    「それは__」

    「あるはずが、ない」

     やたらはっきりと、言い切られる。

     その瞳にはどこかおぞましいほどの狂気の色がうつっており、グエルはやや、後ずさる。ボブがグエルの手を取って、引っ張った。

    「い……行きましょ、グエルさん!やっぱり、グエルさんしか信じられません、誰も……誰も!信じてくれない!話を聞いてくれないから!」

    「ちょ、ボブ!?」

    「シャディク・ゼネリ、やっぱり、お前も__」

    「……あるはずが、ないんだ」

    「おいお前ら過去に何かあったのか!?開示しろそこをとっかかりにしろ!」

    「なんのです!?」

     ボブに腕を引っ張られる。

     明らかにシャディクは様子がおかしい。なにか、情報を持っているのかもしれない。だが同時に、確かにどこか、危険に感じるのも事実だ。ボブと一緒にいるのが、おそらく一番安全だということも。

     ……どうしよう?

    dice1d3=2 (2)

    1:……ボブと、部屋に戻る。

    2:俺は逃げん!一旦離れたフリをしてシャディクを尾行する!

    3:「シャディク、お前は__何を、見ている!?」と真っ直ぐに問いかける!

    ちなみにdice1d3=1 (1)

    1:何も知らない。外の世界を認識できないのでバグった

    2:何かを知っているようで……?

    3:???

  • 93二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:20:48

    本当に何も知らないシャディクを尾行することになったグエル…ここはここでフラグ立っちゃうんじゃない?

  • 94二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:28:12
  • 95二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:29:42

    展開がゾクゾクして楽しみ過ぎる

  • 96二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:31:55

    「ぐ、グエルさん、本気ですか……?」

    「ああ。シャディクはなにかを知っている……気がする!」

    「で、でも……仮にそうだとして尾行するのはよくないのでは?」

    「背に腹!」

    「せ、せにはら……」

     グエルとボブは小声で会話をしながら、シャディクの後ろを気配を殺してついていく。幸いにも勘付かれてはいないようだ。むしろ__

    (こんな単純に追いまわしているだけなのだから、アイツならむしろ簡単に気づくはず。なのに、どうして)

     全く、気付かれていない?

     なんだか嫌な予感がする。どうやら寮に帰ろうとしているらしい、帰途をたどっているのか。だけどだんだん、道が、曖昧だ。きちんと帰れるだろうか?やや不思議に思いはじめたところで、ふと。

     シャディクの姿が、消える。

    「……なあっ……!?」

     それはもう、きれいに。ぱっと。最初からそこには何もなかったように。慌ててそちらに近寄ると、シャディクが消えた部分は、確かに何か、壁のようなものがある__ように、感じる。気のせいかもしれない。ボブは、ああ、と低く呻いた。そうして蹲って、声を殺して泣き始める。グエルは慌てて屈みこみ、その背を撫でる。

    「ど、どうした?大丈夫か」

    「いつもそうだ。……いつだって、そうなんです。誰に離しても気づいてくれない。認識してくれない。きっと普通は、そうなるようにフィルターのようなものがかけられているんでしょう。俺たちはあくまで、あいつのマリオネットなんです。彼が望むように踊り、演じるだけの人形。シャディクさんも__きっと……何も気づかないまま……消されたのか、あるいは、『グラスレー寮に向かった』ことになったのか……」

    「ボブ?」

    「やっぱり、あなただけだ。あなたが、特別なんだ」

     ボブが泣き笑いを浮かべて、グエルに抱き着く。

    「あなただけ、なんです。俺のそばにいてくれるのは……」

    dice1d3=3 (3)

    1:「いや他にいるかもしれないだろ!探そう!!」と説得する。dice1d3=2 (2) (1:若社長!? 2:元気ショタ!? 3:おらんわ)

    2:「ボブ……元気出せよ……」と慰めてみる。

    3:……ここが「壁」なら、ここを突き破れば外に出られるのでは!?(脳筋)

  • 97二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:34:32

    筋肉は全てを救ってくれると言うけど、その理屈がここでも通用するのかな?

  • 98二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:36:50

    ボブがずっと可愛くてキレそう

  • 99二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:45:22

    「……ボブ」

    「なんですか、グエルさん」

    「ここから、出たいか」

    「え__」

     なんですか、突然。ボブがきょとんとしたような顔をした。グエルはボブの手をとり、『壁』に触れさせる。ボブが、息をのむ。

     この世界が箱庭だとすれば、必ず果てがあるはずだ。実際ダリルバルデで飛翔した際、明確に「終わり」があった。つまるところ、そこを、限界点を、臨界点を、壊すことさえできれば、あるいは__。

    「俺は、出たい」

     ボブの方は、見ない。ただ壁を、その外に在る未来だけを、見る。ボブはんく、と生唾を飲んだ。息をのんだ。どうして、と問いかけられる。それはもちろん、BLを回避したいからとか、ただ支配された箱庭で安穏に暮らすなんて癪だからとか、そういった理由もある。だけど何より、それ以上に。振り仰いで見下ろす。笑みを、浮かべる。

    「一緒に逃げたいって、言ってただろ」

    「……」

    「元とはいえ俺だって寮長だ。寮生の可愛いわがままくらい、叶えさせてくれ」

     近くにある、いい感じの棒を手に取る。手頃な感じのアレだ。無造作に放置されていたそれが、創造主の意図によって配置されたものなのか、それとも乱雑におかれたオブジェクトの一部なのか、グエルには判別できない。

     それでいい。

     枝を振り上げる。刃にしてはやや、不格好だが。それでいい。誰かが描いたイメージ、誰かが選んだステージから。定められたフィクションから。呪い呪われた未来から。今、

     __飛び立つんだ!

    dice1d1=1 (1)

    1:振り下ろす!

    dice1d100=37 (37) (58以上の数値が出れば『壁』を破れます)

  • 100二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:51:16

    セリフかっこよかったのに草
    いや、成功率4割は厳しいな…

  • 101二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:51:19

    「ぐ、グエルさんん……」

    「……」

    「か、かっこよかったです!とっても!ね!!おちこまないで!!!!」

    「うるせぇいっそ罵倒しろ!!」

    「ぐ、グエルさん……」

     グエルはいじけていた。

     すごく臍を曲げていた。

     むくれて枝もその辺に放り投げる。いや別に?グエルとて本気で枝で外に出られると思っていたわけじゃないし?全然冗談だったし?ショックなんて受けてないし?なんだかどこからか生温かい笑みを向けられているような気がするのは気のせいだろうか。見てんじゃねえ!!

     ボブはグエルの背を撫で、必死に宥めてくれる。優しいが、その優しさは今となっては傷口にぐりぐりと塩を塗り込めるがごとき所業となっている。痛い。それはもうめちゃめちゃ痛い。これではまるでグエルがちゅうに病という不治の病をわずらっているようではないか!あながち間違いでもない?それはそう

    「ぐ、グエルさん。俺……あなたがそうして、行動してくれただけでうれしいんです」

    「気を遣わなくていい……」

    「本気ですよ」

     ボブがそっと、グエルを抱きしめる。

    「ずっとひとりだったから」

     泣きそうな声だ。

    「……うれしいんです」

     顔をあげれば、本当に嬉しそうに細められた薄青色と目が合った。

    dice1d3=1 (1)

    1:とりあえずボブもこれやれよ俺だけ死にたくねえ!(dice1d100=68 (68) (58))

    2:……手がかりを探そう。何かないか?dice1d2=2 (2) (1:若社長だ! 2:……?)

    3:とにかく人だ!人を探せ!!dice1d3=2 (2) (1:シャディクがいた! 2:エランdice1dd= (1:4 2:5 3:様)がいた 3:オルコットがいた)

  • 102二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:53:02

    ボブ成功した!?元気出してグエル
    壁破れたとなるとラウダの反応が怖いな

  • 103二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:53:46

    経営戦略科ボブに筋力で負けるグエル!?
    ボブに力で敵わないんだ…へえ…

  • 104二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 23:55:46

    ま、まあ、ボブは何周かしててグエルよりこの世界の知識も豊富だから、さ…

  • 105二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:02:01

    「うう……俺だけなんてやだ、お前もやれよぉ……」

    「え?いいですけど……えいっ。あっ成功した」

    「嘘だろ!?!?」

     ばっと顔をあげる。そこにはグエルに渡された木の棒を握ったボブくんと、明らかに何かが裂けたような白い切れ目が見えた。嘘だろ俺のかっこいい台詞ボブの「えい」に負けたのかよ。ボブの「えい」最強かよ。ボブの「えい」すげぇ。いやそれにしたって「えい」って……

     ボブくんは枝を、ぎゅっと握る。そうしてもう片方の手で、グエルの手を握った。ペンだこのある、硬い手だ。だけどとっても、あたたかい手だ。ボブは一瞬だけ目を伏せ、顔をあげ、す、と顔を近づけてくる。

    「……俺、怖いんです。不安でたまらないんです。いざこうなると、とっても」

    「ボブ……」

    「でも、あなたとなら、きっと乗り越えられる。そんな気がする」

     裂け目に、一歩踏み出す。それから、ふるふると首を振った。ちがうな、気がする、じゃない。

    「乗り越えられる、んです!」

     光に、飛び込む!


     …………

    「……ここは……?」

     くる、とあたりを見渡す。ボブは、確かに傍にいる。手を握ったまま、グエルと同じくきょとんとしたような顔をしている。それからぎゅっと、不安げに枝を、それからグエルの手を、握ってきた。この世界は__ここは__

    dice1d3=3 (3)

    1:よくわからない洋館?

    2:誰かの私室?

    3:謎の研究所?

    ボブグエはdice1d3=3 (3)

    1:ぬいサイズ

    2:ショタサイズ

    3:おとなサイズ

  • 106二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:03:33

    また知らん展開来たな

  • 107二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:03:54

    場所は不穏な感じがするけど、大人サイズのままで良かった
    …良かったんだよね?

  • 108二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:10:15

    ぬいの可能性もあったのかあ

  • 109二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:12:10

    「……ここは……謎の研究所?」

     そこにあったのは、やはりアス高__というよりは所謂SFチックな、白くて無機質なラボトリーだった。埃ひとつ落ちておらず清潔で、だからこそどこか生活感のない空間なのに、誰かがここに日常的に出入りしてることがわかる。

     ボブはおびえるようにぎゅっとグエルの背中にしがみついたあと、「あっ!」と悲鳴じみた声をあげる。つられて背後を見て、グエルもまた、かたまった。二人が通ってきた「裂け目」__それが、ゆっくりと閉じていく。もう、戻れないということか。セーブとかしてこればよかったか?

     閉じ切って__そこにあったのは、ドールハウス、のようなものであった。一般的なドールハウスと違うのは、それがやたら大きいことと、大量の指人形らしき駒が配置されていることだろう。よく見るとそれは、アスティカシア高等専門学校を精緻に模している。いやな予感がしてそのうちのひとつを手に取ってみて、はっとする。シャディクだ。シャディクの姿を、している。とりあえず見なかったことにして戻しておいた。ちょっと怖かったので。

     もともと自分たちはこんな姿をしていたのだ。そして、今__『解放』されたのだ。遅れてやってきた実感がゆるゆると咽喉をくすぐって、なんだか変な気持ちになる。ボブがそっと、グエルに微笑みかける。

    「……俺達、出られたんですね」

     嬉しい。

     本当に__心の底から、安堵したような笑顔だった。

    dice1d3=2 (2)

    1:とりあえずこの部屋を探索してみよう!

    2:この箱庭の指人形を使って自衛手段を召喚できないか?dice1d2=2 (2) (1:ダリルバルデの槍を手に入れた! 2:無理だった)

    3:さっさとずらかるぞ!部屋から出て研究所の中を彷徨い歩いてみる!

  • 110二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:19:39

    「……うーん、俺達以外は外に出られないみたい……だな」

    「ですね」

    「なんでちょっとうれしそうなんだよ」

    「え?えへへ」

     ボブがはにかみ、グエルに頬擦りする。本当に何故か皆目見当がつかないが、やっぱり着実にボブの好感度があがっていっているような気がする。一体何が悪いんだ……何もそれらしい言動はしていないのに……!

     しばらくかちゃかちゃと箱庭をいじっていると、不意に、なにかがかさりと落ちてくるのに気づく。手に取ってみればそれは、どうやら写真__というより、肖像画であるらしかった。『Cursed lord』と付記されて、やたら露悪的に悪辣な笑みを浮かべているそれは、グエルに、ボブに、そっくりな顔をしていて__

    「これ、俺……か?」

     いや、違う。違和感がある。むしろ、グエルが、ボブが、この絵の人物だというより、これが……。

    「俺達の元になった人間、か……」

     何故かすとんと、腑に落ちた。

     ……少し、泣きそうになった。

    dice1d3=2 (2)

    1:部屋を探索する!施設の間取り図が知りたい

    2:トンズラするぞ!行くぞボブくん!!

    3:……ボブくんが、そっと指先を重ねてきた。

    4:……?誰かの足音が、する。dice1d2=1 (1) (1:咄嗟に隠れる! 2:かたまる)

  • 111二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:32:30

    「いくぞボブ」

    「だ、だいじょうぶ、なんですかあ……?」

    「ずっとあそこにいてもどうせいつかはバレる。なら一か八か逃げよう」

    「……わかりました」

     ボブは不安げに視線を巡らせながら、片手でグエルの服の裾を掴み、もう片手で大事そうに枝を抱きしめている。あれいつまで持ってるんだろう。あとで重要になるアイテムとかなのか?

     しばらく歩くと、岐路にたどりつく。片方の道はやや騒がしく、誰かの喋り声が聞こえてくる、もう片方の道からは何の音も聞こえてこない。どっちの道に向かうべきだろうか?思案していると、ふと、ボブがグエルの手を握って、不安げにこちらを見てくる。

    「俺って……俺達って、創造主によって、『あの人』の代替品に作られた人形、なんでしょうか……」

     吐露された不安が、あまりにも自分と同じで、グエルは一瞬、ぐっとくちびるを噛む。そのままボブの方を振り返り、やや困ったように微笑みかけながら、その手を握り返した。

    「たとえつくられた理由が『偽物』だとしても、俺にとってお前は『本物』のボブだよ」

     ボブの目に、きらりと光が灯った。

     一瞬「あっヤバ」と思ったけど気づかなかったことにした。

    dice1d3=2 (2)

    1:騒がしい方の道に進む。

    2:静かな方の道に進む。

    3:ウワア!足音 dice1d2=1 (1) (1:対峙する 2:逃げる)

  • 112二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:33:31

    悪辣な笑みってこの貼られてるグエルくんかw
    安易に動いて大丈夫かなぁ

  • 113二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:37:41

    脱出ゲーしながら地味に2人のBLも同時進行しててニッコリ
    箱庭の外は中と同じネームドはいるのかな

  • 114二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:45:16

    「……ここは……」

     そこにあったのは、『研究室兼実験場』とかかれたプレートのかかった部屋だった。

     すごく__とても__差し迫って物凄く__厭な予感がする。しかし明らかに人がいる方に行くよりははるかにましである……ということにしておく。ボブが不安げに「ここ、肺って大丈夫なところなんでしょうか……?」と尋ねてくるが、とりあえずこくこくと頷くことにした。怖かったので。

     人がいないことを確かめてから、ゆっくりと扉を開く。中はこれまた、清潔な場所だった。部屋の隅に置いてある本棚には『マインドコントロール』『心理学入門』『ペットのしつけ方』などの本から、『時間的閉曲線理論』『戯リーマン多様体綱要』『時間航空に関する包括的概論』などのよくわからない論文までたくさん収納されている。寝心地の悪そうなベッドや、薬品でも作るのに使うらしい器具がいくつか、それと小さなメモがおいてある。ちらっと見てみたら「箱庭内への媚薬ガス散布」なんていう文言が見えたので見なかったことにした。

    「……なんか、いろいろ、難しいものがあるんだな……?」

    「よくわかりませんね……」

    「とりあえず、武器になりそうなものを探そう。いざという時に身を守れるような」

    「俺はこれで戦えます」

    「待てボブ。その枝でやる気か?ちょっと攻めすぎじゃないか?」

    「いけます」

    「無理だろ!!」

     何故その枝に拘泥するのか。グエルにはちょっとわからなかった。

    dice1d4=2 (2)

    1:……?電撃銃、と書かれた玩具みたいなものを発見した。

    2:まて突然扉がロックされた!?『媚薬ガス散布まであと3 2……』

    3:……なんだかここにいてもろくなことがおきないような気がする。さっさと出るか……

    4:うわ外に足音!!こわいって!!!!dice1d2=1 (1) (1:隠れる 2:無理)

  • 115二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:47:40

    うわ一番やばそうなやつ引いちゃった!

  • 116二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:48:27

    タイミング良すぎるから監視されてたんじゃ…

  • 117二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:55:48

     がちゃっ。

     突然すごく、嫌な音がする。

     厭な予感がして振り返る。先程まで緑色であったはずの電子ロックが赤く染まっていた。咄嗟に近づく。開かない。嘘だろ勘付かれた!?そう思っていると、不意に、アナウンスが流れてくる。

    『媚薬ガス散布まで あと3 2……』

    「おああああああああ!?!?」

    「グエルさん息吸って!止めて!!」

    「んむっ……!?

    『1 0』

     しゅう、と音がして、どこからか現れたノズルから白いものが撒かれる。なんでだよ。なんでそんなすごく的確にあるんだよこんなもの。箱庭から出てもBL世界であることには変わらんのか。しばらくもしないうちに止まって、鍵も開く。すぐに扉を開けて、換気する。ボブの指示に従って息を止めていたが、それでも多少は吸い込んでしまった。身体が熱い。脳が、痺れるように熱い。

    「ぐ、えるさん……」

     ボブの目が、微かにうるんでいる。

     ぎゅっと、手を掴まれる。非常に__そう非常に、嫌な予感がした。

    dice1d3=3 (3)

    1:「み、見つかったらどうする!?とりあえず今は我慢しろ!」と言いくるめる。

    2:「こ……こういう、誰にでも見つかるかもしれないところで、そういうことするのは、よくない……」と目を逸らす。

    3:「……俺達が脱出したことがバレている。とにかく逃げよう」と説得する。

    ちなみに効き目の程は

    グエル:dice1d100=45 (45)

    ボブ:dice1d100=95 (95)

  • 118二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:58:08

    ボブが本気出せばグエルがすぐに頂かれちゃう数値が出てない?

  • 119二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:58:55

    男は狼なのよ気を付けなさい状態になっちゃった…

  • 120二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 00:59:02

    ボブほぼ限界まで効いてる!!!あかん!!!いいぞ!!!

  • 121二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:06:40

    まず、本棚に並ぶレパートリーがヤバイものしかなくて草だし、
    ボブくんひたすら可愛いし、グエルとの組み合わせが癖になってきた
    にしてもダイスの効果が限界突破しとるw
    どうなってしまうん?

  • 122二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:07:52

    「……確実に、脱出がバレてる。とにかくここを離れた方がいい」

    「わ、……かり、ましらぁ……」

    「辛いだろうが、捕まったら元も子もない。頑張れるか?」

    「ん、がんばう、がんばい、ましゅ……」

     ボブが顔を真っ赤にして、グエルにすりすりと頬を摺り寄せてくる。こちらの頬をくすぐる髪の一本一本の感触すら敏感に感じ取ってしまうほどで、だがグエル以上にぽやぽやしているボブはきっともっと辛いのだろうと思い直して、ぐ、とくちびるを噛む。とりあえず口の中で三回「ボブは強い。可愛いじゃない!」と唱えつつ、素数を数えることにした。2、3、5、7、11、13、17、19、23……次なんだっけ……

     熱を持て余す身体を引きずって、なんとか研究室から出る。とにかくどこかに隠れないと、遅かれ早かれ見つかってしまうだろう。

     しばらく歩いたところで、不意にボブが背後から、ぎゅっとグエルの体を抱きしめて、立ち止まった。

     汗ばんだ皮膚が密着する。衣服越しにでも、ぽやりと熱を帯びているのがわかる。心臓が跳ねる。「おい、あまり立ち止まっていると__」と言おうとすると、ボブがふるふると首を振って、グエルの首のあたりに顔を埋めた。

    「……ぐえるさ……」

    「ボブ、それは媚薬ガスのせいだ、全部勘違いだ、はき違えるな」

    「ちがう、俺ずっと、あなたのこと」

    「今は」

     ひきずるように、歩き出すことにする。

    「今は、とにかく。先に進もう」

     ……こちらだって、余裕がなくなりつつあるのは同じなのである。

    dice1d3=1 (1)

    1:騒がしい方に行く。

    2:うわこんなところにちょうどよく暗室が!?

    3:さっきからある執拗な足音選択肢はなんなんだよいっそギャグだろ!!dice1d3=1 (1) (1:隠れる 2:対峙する 3:そもそもそんな余裕はない)

  • 123二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:11:15

    騒がしい方に行った方が出口に近付けるのか、研究所の誰かに見つかりやすくなるのか…

  • 124二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:14:26

    2番だったら危なかったねw

  • 125二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:15:22

    媚薬効きまくり頬すりすりボブかわよ ネコチャンかな?

  • 126二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:17:57

     なんとかぽやぽやするボブを𠮟咤激励しつつひきずり、今度は先程の岐路のもう片方、騒がしい方の道に向かう。こちらには人がいるかもしれないわけだが、つまるところそれは、『まともな人間』がいる可能性もまた示唆している。助けを求められるかもしれない。いやこんなところにいる時点かどうかは甚だ怪しいが……

     ボブの体は、熱い。

     ぼうっとした目は、どこかうつろで、今にもどこかに消えてしまいそうだ。ぎゅう、といつの間にか抱き寄せるように回された手の平が、時たま悪戯に腰骨をくすぐってくる。なんだかかなりBLみたいだが、とにもかくにも全力で前に驀進することで誤魔化すことにした。くすぐったい。スキンシップ。ただそれだけである。

     __そこに、辿りつくと。

     プレートには、『たからばこ』とかかれていた。中からは数名の話し声が聞こえてくる。一体どんな会話をしているのかと、そっと耳を欹てて___

     気づく。

     中から漏れてくる声が、多少トーンの違いこそあれど、おなじ、なのだ。全くの、同一。もちろん時たま例外こそあるも。グエルは思わず、自分の咽喉仏をくすぐる。そう、これは__

    「おれと、おなじ、こえ……?」

     ……風のいたずらか、それとも他の、何かなのか。

     キイ、と小さな音がして、少しだけ戸が開く。

     あいたそこには__たくさんの『グエル』の姿をした青年や少年たちが、楽し気に談笑している姿が、見えた。

    dice1d3=1 (1)

    1:「こっちへ!!」とdice1d3=2 (2) (1:甘く涼やかな声 2:柔らかく飄々とした感じの声 3:低く掠れた声)が聞こえてくる。

    2:……中の様子を、観察する。

    3:足音選択肢 来ちゃったかあ

  • 127二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:19:43

    こ、怖いよぉ!でも尋常じゃないぐらいワクワクするよぉ!

  • 128二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:21:55

    ヤバイヤバイヤバイ
    いきなりのホラー展開、深夜だけにコワイ

  • 129二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:22:15

    エヴァみたいなの想像してしまった…綾波シリーズならぬグエルシリーズ

  • 130二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:26:39

    兄さんシリーズ……

  • 131二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:27:02

    『たからばこ』の響きがよけいに狂気と恐怖を感じさせるんよ

  • 132二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:29:31

    「こっちへ!!」

     叫ぶ声が聞こえて、咄嗟に顔をあげる。

     半ば無意識だった。たぶん、本能があれに恐怖を感じていた。ボブを引きずって、そちらに走る。そこにいたのは__

    「……シャディク?」

     つい先ほど、箱庭の中で見たのとそっくりの人物であった。

     彼はグエルの頬をぺたぺた叩いたり、瞼の下を軽く引っ張って粘膜の色を確認したりして、「いのちに別状はないみたいだね」とほっとしたようなそぶりを見せる。

    「だれ……ですか?」

    「俺?シャディクであっているよ、『グエル』、『ボブ』」

     微笑み方までシャディクと同じだ。不思議に思っていると、シャディクはくるりと背を向けて、歩き出す。ついてきて、と言わんばかりの仕草に、グエルはやや考えた末、あとをついて動き始める。

    「あの、ここは……さっきのは……一体……?」

    「あの箱庭から自力で脱出したのは、君たちがはじめてだ」

    「じりきで」

    「うん。途中で『間引き』したり、『収穫』したりすることもできるけど、どれも外的介入あってのことだから。君たちも、見ただろう?」

    「えあ……」

     今およそ知的生命体に使ってはいけない単語がさらっと飛び出したような気もするが、実際この姿の人間からすればあんな指人形その程度の認識にすぎないのだろう。ぐっとくちびるを噛むと、「気を悪くした?」と肩を竦められた。

    「だけど、保護できてよかった」

    「あの……シャディク、で、あっているのか?一体、お前は__」

    「俺?」

     振り返る。

     ボブがすこし、怯えるように身を震わせて、グエルにぴゃっと抱き着いた。シャディクがどこからか取り出した髪紐で、その長い金髪を、おもむろに一つに結い上げる。なんだか2000年代前半のBLの攻めみたいな挙動だなあと思った。なんだよ2000年代

    「改めて、自己紹介しよう。俺は、シャディク・ゼネリ__

    dice1d2=1 (1)

    1:危険人物『ラウダ・ニール』を監視する、エージェントだ」

    2:この組織に所属する研究者__ま、ラウダの同僚、といったところかな」

    そろそろボブくんはdice1d3=3 (3)

    1:えらいのでがまんできてる

    2:がまんできずグエルの首とかはむはむしてる

    3:ぽや~っとした顔でシャディクを見ている

  • 133二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:32:36

    知らん話が始まった感があるし、ボブの挙動を見るとこのシャディクとの対消滅があり得るのか?

  • 134二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:37:08

    シャディク登場の安心感よ
    信用して、いいんだよね…?
    間引き…収穫…コワイ…

  • 135二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:41:43

    とりあえずシャディクとボブで対消滅狙えそうか?

  • 136二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:42:10

    「……エージェント?」

    「ああ。といっても、アレと明確に敵対してるわけじゃないけどね」

     シャディクがぱっと両手をあげて、ニコニコ笑った。それからやたら無邪気な笑みを浮かべて、再び歩き始める。

    「正確に言うと、俺は怪異や魔法、妖怪、神話生物といった超現実の類が、世界に出回らないように監視したり、管理したりする組織に所属している。基本人間とは仲良くしたいから、ラウダ・ニールのことも救いたいのだけれど。でも、アレは最早怪異に両肩ぐらいまで突っ込んでるね。全く、うちから魔導書盗んだと思ったら、こんなことに使うなんて!」

    「待て待て知らん展開すぎる!どういうことだ?」

    「えーっと、俺達超常現象を隔離する組織。わかる人に例えるとSCP財団的なヤツ。アイツはうちの組織から魔導書や魔道具の類を奪った。んでもってあの『箱庭』を作り出した。今のところそれを世に放つつもりもなく、この研究所で完結されてるから、とりあえず抹殺とかはせずに危険人物認定で俺が監視してるにすぎない。おっけー?」

    「よ……よくわからないが、わかった……?」

     困惑しながらもうなずくと__ふと。

     ボブが、何かを求めるような目でシャディクを見ていることに気づいた。

     ここでグエルは組織がどうの怪異がなんのをいったん記憶と考えから放り投げて、シャディクをじっと見ることにした。『シャディク』とそっくり、つまるところ長い金髪に褐色、長身の美青年。甘い作りの顔立ちは、一卵性双生児もびっくりのそっくり度を誇るグエルと比較して、ボブくんにお似合い__な気がする。これ、対消滅行けるのでは?グエルは思った。今思うことじゃないかもしれないなとちょっと思った。

     んく、と生唾を飲む。世界のことはよくわからないが、グエルにとって最も大切な目標は、BLを回避することである。いける!

     ……ちょっとだけ胸がちくりと痛むのは、、無視することにした。

    dice1d3=2 (2)

    1:「……あの。媚薬ガス?が散布されて……こいつ辛そうなんです、なんとかしてやれませんか」とそっとシャディクにボブを押し付けてみる。

    2:……いや、それよりも脱出が最優先だな。「俺達を外に出してくれ」とお願いしてみる。

    3:この後に及んで足音選択肢あるのかよ

  • 137二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:43:47

    そういうところだよ

  • 138二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:45:42

    研究所でSCP財団っぽいなと思ってたらそうだったのか…ラウダの怪異度がヤベーことになっとる

  • 139二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:47:02

    今回の世界軸のラウダずっと置いて行かれてて可哀想だったから一概にヤベェって突き放せない…が!!!それはそれとしてやってること怖えよ!

  • 140二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:47:49

    救いたい?シャディクとラウダもフラグキテル…?
    わからん…グエルが対消滅のチャンスを逃したっぽい事しかわからん…

  • 141二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:51:49

    「……なら、俺達を助けてくれるんだな。外に出してくれ」

    「えそれは無理」

    「なんで!?!?」

     すかさずつっこみをいれると、「当然でしょ」とくすくす笑い始める。そうして何故か、グエルの顎をぐいと持ち上げた。その仕草は果たして必要あるのだろうか?

    「何か勘違いしているようだけど、君たちは人間じゃない。あの箱庭で作り出された、俺達と同じ姿をしているだけの怪異だ。それを世に放つわけには、いかない。俺たちは君を世界から隔離する責任がある」

    「どうして」

    「ごめんね。俺たちは確かに人類の味方だけど、君たちの味方にはなれないんだ」

     シャディクが少し目を伏せ、睫毛を震わせた。そうしてぱっと顔をあげて、ニコリと微笑みかけてくる。

    「もちろん、きちんと保護する。いのちの危険はないし、最低限の生活だって与えよう。標準の個人部屋だって与えてあげる。これでも破格の待遇なんだよ?」

    「……そんなの」

     箱庭の主がラウダから、その『組織』とやらに切り替わっただけで、結局、何も変わらないじゃないか。

     ぐっと手を握る。爪が手のひらに食い込んで痛む。潤む瞳に、シャディクが「あー」ときまりの悪そうな顔をした。

    「ごめんね」

     たったそれだけの言葉が、やけに重く感じた。

    dice1d3=1 (1)

    1:……う、うまいことボブだけ預けて俺は逃げる方向に行けないか!?

    2:ワンチャン押せばいけるぞ!「俺……外の世界が、見たい」と言ってみる!!dice1d2=2 (2) (1:ちょっと絆されてくれる 2:仕事は仕事だからね)

    3:もうなんとなく選ばれないと思った上でとりあえず三つ目にノリで足音選択肢いれてないか?

  • 142二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:52:56

    ここまで見事に足音回避してて草なんだ

  • 143二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:55:37

    足音の主はずっと足踏みしてるイメージある

  • 144二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 01:56:16

    シャディグエ来たか…と思ったらここぞとばかりに対消滅狙ってきて草
    1人で逃げるのは無謀だぞグエル!!

  • 145二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 02:17:10

    おいおいグエル、可愛いボブくんを人身御供に差し出すつもりか?
    お前の事だ、きっと逃走失敗するぞw

  • 146二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 02:54:12

    ずっと足踏みしてる足音の持ち主笑うんだがw

  • 147二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 06:07:00

    ここまでくるとボブと離れた瞬間に足音の選択肢引きそう

  • 148二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:04:13

    「……」

     グエルはしばらく考えた末に、未だぽやぱやしてグエルに抱きついていたボブを、そうっと引き剥がした。

     そうして、シャディクに預ける。ボブがはっと顔を上げて、「グエルさん?」と困ったような声を上げた。グエルは極力穏やかな笑みを浮かべて、一歩、後ずさる。

    「シャディク。ボブのこと、守ってやってくれ」

    「君はどうするの」

    「俺は後で追いかける。その前に、あの__俺によく似たあいつらを、解放したい。あれだっってお前らの保護対象だろ」

    「そうだけど……でも……」

    「つまり、なんだ」

     グエルはここに至るまで何度も、BLフラグをBLフラグでおろうとして失敗してきた。

     そして気づいた。そもそもの前提が間違っていたのではないかと。自分に対しフラグがたっている相手をぶつけても、結局こちらに好意を向けられては意味が無い。であれば逆転の発想、つまり疑いの余地もないほど、自分に別のフラグをたてる。ようするにどういうことかというと、

    「ここは俺に任せて先にいけ」

     死亡フラグ作戦である。

     ちなみにこの世界は割と優しいから本当に死ぬことはまづない。頃合を見計らってあの『たからばこ』の中身もシャディクに預けつつ自分は逃げる。あるいはそれを交渉の持ち札として自分をその組織で雇って貰えるように交渉する。完璧だ……グエルが考えていると、シャディクがやや、顔を曇らせた。

    「……できるの?」

    「やる」

     グエルが笑う。

    「それにさ、これ以上ボブを巻き添えにしたくないんだ」

    dice1d2=1 (1)

    1:「__わかった。幸運を」と敬礼される。

    2:「ま、待って、いかないで、そばにいて」とボブに引き止められる。

    1の場合dice1d3=3 (3)

    1:『たからばこ』に向かう。

    2:『研究室兼実験場』に向かう。

    3:うるせー隠れて頃合を見計らって逃げるんだよ!!

    ここまで来たら懐かしのラウダイスに頼ろう!初期値dice1d100=94 (94) 場所によってダイスの数が増減します

  • 149二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:13:42

    「……わかった。幸運を」

    「いや。ボブを頼んだ」

    「グエルさ__」

    「ボブ、俺もすぐ追いかける。また会えたらお弁当つくってくれよ」

    「わ……かり、ました」

     シャディクとボブが、離れていく。

     __もちろんだが、このまま見逃す気はさらさらない。ようするにシャディクは、この研究所の『外』に向かうというわけだ。そこを尾行し、外に出る。今とんでもなく自分に対し好都合な情報がしめやかに決まった気がするし、これはいけるきがする!勝ったな風呂食ってくる

     ……、

     少しだけ、振り返る。

     ボブの言っていた「創造主」の真実を省察する。

     彼は『置いていかれたから、無限の幸福を生産するシステムを組み上げた』んだっけ。そうしてまた、グエルに置いていかれるのだろうか。それはほんの少しだけ、可哀想、だと思う。やったことを許せる訳では無いけれど、ただただ哀れだと思う。妄執に取りつかれたヤバいマッドサイエンティストって感じで。まあ一番可哀想なのはおそらく『次回』更にやばい状況に放り込まれそうなグエルあるいはボブである。そろそろ何がとは言わないがタイトルが転生ごときでになるんじゃないか?着々とやばくなってるのにこれ以上が来る可能性があるとかかわいそ……

     とにもかくにも、脱出しないと。

     ……自由になりたい。

     ほんの少しの引っかかりは無視することにする。そうしてグエルは、ゆっくりと歩き出した。

    dice1d3=1 (1)

    1:玄関らしきものを発見した!dice1d2=2 (2) (1:成功 2:失敗)

    2:ワープ装置らしきものを発見した!dice1d2=1 (1) (1:成功 2:失敗)

    3:あっシャディクとボブが暗室に消えていく……見なかったことにしよう……

    ラウダイス:dice3d100=99 7 52 (158) (94)※1つ以上越えたら来る

  • 150二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:15:53

    ラウダイスくん???

  • 151二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:16:35

    ラウダイスよ……

  • 152二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:17:28

    グエルやっぱボブにかなり絆されてんだろ!!

  • 153二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:17:52

    初期値かなり高めだったのに

  • 154二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:25:39

    深夜も読めて、朝からも読める幸せ、嬉しい
    そしてラウダくん、来ちゃった…?

  • 155二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:28:08

    94を一発で越えるのすごくない??ダイス1個目で99ってさあ…

  • 156二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:30:44

    ナーフしてた筈がとうとうダイス振り始めて草なんだ
    足音がラウダだったのかな?

  • 157二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:32:59

    ダイスの数値に、兄さんへの思いの強さをひしひし感じる
    それは恐怖を感じるほどに
    画面外なのに…この存在感よ…

  • 158二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:33:35

    94だからそうそう来ないなと思ってたら初っ端で99出してくるとか流石すぎるw

  • 159二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:38:08

    ボブが離れた途端に強さを発揮するラウダすげえよ
    99ってすげえよ、やる気しか感じられない

  • 160二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 09:53:14

    安心(?)と信頼のラウダイス流石すぎるwwww

  • 161二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 10:11:44

    ここまで期待通りになることある?

  • 162二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 10:14:06

    思わず拍手しちゃったよ、ラウダイス

  • 163二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 10:37:19

    今とんでもなく自分に対し好都合な情報がしめやかに決まった気がするし、これはいけるきがする!勝ったな風呂食ってくる

    ここがフラグすぎて笑う

  • 164二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 10:38:03

    脳内BGMをUNICORN or 旧支配者のキャロルに強制変更するのやめろ

    UNICORN


  • 165二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 10:45:51

    ラウダ、グエルが1人になったタイミングを見計らってしめやかにシュバってない????
    勝ったな風呂食ってくるじゃねぇんだよ

  • 166二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 11:15:06

    このグエル
    ジョセフ・ジョースターの魂混じってる?と思ったところでラウダイスwww

  • 167二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 11:24:10

    風呂食ってる場合じゃねえ!

  • 168二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 17:09:07

    ボブとのゆるふわ百合が諦められないんだけどどうにかしてくれよシャディえも〜ん!!

  • 169二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 17:50:23

    おまもりと離れちゃうから…

  • 170二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 20:47:46

    おまもりってラウダ除けでもあったんだな…というかそっちが主題なのかも

  • 171二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:06:59

    このレスは削除されています

  • 172二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:07:37

    ※↑画像張りミス


    「__」

     シャディクに連れられて、ボブが玄関らしきところから外に出ていく。

     白く無機質な自動ドア、あの大扉のそとにでれば、いよいよグエルは、自由になれる。んく、と生唾を飲む。あまり急いで出ると、シャディクと鉢合わせるかもしれない。そう思って、一瞬、息を整える時間をつくる。あまりうかうかしてもいられない。何せさっきからTo be continuedだかUnwelvome SchoolだかUNICONだかの音楽が流れてくるし。これがサビに入るまでにさっさと外に出なければならない。呼吸を整えて、一歩。

     踏み出す。

     __ビー ビー ビー ビー ビー!

    「……アラートっ!?」

     一体何が悪かったのか、突然真っ赤なライトと耳に痛い警戒音が鳴り響く。咄嗟にドアに向かって駆け出すが、電子ロックがかけられていて、でられそうにない。まずい! がちゃがちゃと扉を叩くが、しかし。開かない。あかない、あかない!

     ……ぱちん、と。

     指を鳴らす音がする。ライトとブザーの音が途切れる。ただしロックは、開かない。振り向いて、後ずさると。そこにいたのは、真っ白で清潔そうな白衣に身を包み、神経質そうに横髪をくるくると弄りながら、しかしどこか、面白がるように笑みを浮かべている青年。

    「溝鼠が入り込んだとおもったら、駒鳥が逃げようとしていたんだね」

     ラウダ・ニール。

     __彼がそうであると、直感でわかった。

    dice1d3=2 (2)

    1:「……何故こんなことを__」と言いながら後ろ手にロックを破壊しようとする。dice1d3=2 (2) (1:成功 2:失敗 3:クッ……こんな時に媚薬ガスの効果が……!)

    2:「お兄さん……大切、だったんだな」と優しくして懐柔を試みる。dice1d3=1 (1) (1:成功 2:失敗 3:クッ……こんな時に媚薬ガスの効果が……!)

    3:「ついてきて」と無理矢理手を引かれてdice1d2=2 (2) (1:たからばこ 2:実験室)に連れていかれる。抵抗はdice1d3=2 (2) (1:成功 2:失敗 3:クッ……こんな時に媚薬ガスの効果が……!)

  • 173二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:11:55

    唯一成功した選択肢引けたぞグエル!

  • 174二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:14:42

    さすグエ

  • 175二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:21:36

    ジェタークはチョロい

  • 176二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:21:54

    「……お兄さんのこと、好き、だったんだな……?」

     グエルはぎゅっと服の裾を掴んで、ラウダに対峙する。

     ラウダは虚を突かれたような顔をした。それからやや困惑したように、「てっきり怯えられると思ったのだけれど」と肩を竦める。

    「どうしてそう思ったの?『あなた』を作ったから?違うよ!これはね、復讐なんだ。あいつの尊厳を奪って、弄ぶ。かつて、アイツが僕にそうしたように__」

    「違う」

    「へ、」

     グエルはすたすたと青年にかけよって、ぎゅっとそのからだを抱きしめた。冷たくて、だけどもきちんと温度のある、人間の体であると思った。

     おずおずと、抱き返される。闇堕ちパートなんて引き延ばしてもいいことないし早いうちに片づけたい。それにグエルは知っている。だってこれが真に復讐であるのだとしたら、何故彼はシャディクの所属する組織に狙われるような危険を冒してまでグエルたちを作った?何故彼は後生大事に兄の肖像画をとっていた?何故、あの箱庭は確かに幸福であった?

    「お前は、兄のことが好きなんだ。好きで好きでたまらないから、こうしてしまったんだ」

     ラウダがだまりこくる。

     ついでにグエルはその兄とやらとは違うので、ここでさらっとラウダとのフラグが折れてくれないかな~とちょっとだけ思っていた。

    dice1d3=3 (3)

    1:「……僕……ごめんね……」と泣きそうにぐりぐりと肩口に顔を埋められる。

    2:「お前も……そういうことを言って、僕の前からいなくなるのか……」とギリギリ力を籠められる。え何理不尽

    3:「どうしておいてってしまったの、兄さん……」と泣き笑いで詰め寄られる。何?

    ここで媚薬効果:dice1d100=20 (20) (高いほど正常な判断ができなくなる)

  • 177二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:26:28

    媚薬ダイスはいつぞやの世界線を思い出すなぁ

  • 178二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:28:21

    「たからばこ」に連れて行こうとした理由はなんとなく分かるけど「実験室」はどんな目的で連れて行こうとしたんだ?

  • 179二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:34:53

    「どうして、……どうして僕を置いていってしまったの、兄さん……」

    「へ、」

    「どうして僕だけ残していったの。僕だけ安全な場所に隔離して、自分たちだけで谷底におちていってしまったの。どうして……僕もう、仲間外れは嫌だよ……」

    「落ち着けラウダ。何の話だ」

    「どこにもいかないで、どこにもいかないで、もう、おいていかれるのは嫌なんだ、傍にいて……」

    「何!?」

     グエルは混乱した。

     だって知らんし。グエルはラウダの兄じゃない。正確にはたぶん遺伝子だか生体コードだかの存在単位では一致しているのだろうが、ラウダの銀の庭で大切に大切に育てられたグエルは、残念ながらラウダに関する記憶など持たずに生きてきた。彼がラウダだとわかったのも、多分創造主に対するそういったアレというか。グエルからすれば突然弟を名乗る不審者に詰め寄られている状態というか。怖……

    「……ラウダ」

     考えて、頭を撫でてみる。

     冷静にボブやシャディク、ラウダ自身の話を整理すれば、見えてくることもある。かつて死んだ彼の兄、その似姿であるグエルやボブ、転生、存在、おいて行かれて、だから、今度は。どこにもいかないように、窓辺でさえずるように、静かに寄り添うように__

     箱庭とは、小さな世界。

     心理学的には、精神的な治癒療法として扱われることもあるやり方だ。

     きっとラウダは、あの箱の中に小さな幸福を、『グエル』がいる世界を何度も生産しては壊すことによって、自分の心を癒していたのではないだろうか。いや収穫とか間引きとかは知らんが

     グエルは迷った末に、ラウダの背を撫でる。

     そうして、囁くように、言った。

    dice1d3=1 (1)

    1:「ごめん、ラウダ。俺、自由になりたい」

    2:「……ありがとう、『創造主』。ボブや、俺を作ってくれて……感謝してるよ」

    3:「__ラウダ」

    ????:dice1d100=64 (64) (68?)

  • 180二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:36:57

    この世界軸ラウダお労しいのだ…
    何かのダイスが失敗しとる~!?

  • 181二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:40:55

    ここから回避できるのか!?不穏すぎるぞ!

  • 182二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:42:50

    なんか失敗してるのがフラグだよbgmが止まらねぇ

  • 183二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:45:39

    「……ごめん、俺、自由になりたい」

     グエルはそっと、ラウダから離れた。

     ラウダが縋るように手を伸ばしてくる。グエルは少しだけ睫毛を伏せて、震わせる。そうして穏やかに微笑んで、自動ドアの外を見やった。

    「自由になりたいんだ。偽物じゃない空を見てみたい。本物の地面を走ってみたい。だから俺は、外に出たい」

     白いドアに、手を伸ばす。

     電子ロックがかかっているから、開きはしなかった。儚げに微笑めば、ラウダが目を見開く。今はまだ開かないけれど、ラウダならきっと、鍵を開けてくれると信じていた。

     何故ならグエルは今、『別離系失恋BL』を演じているからである。

     くっつかなければ安い。失恋だろうが悲恋だろうが持ってこい。世界の強制力をうまく利用すれば、ふつうなら確実にできないはずのこと__つまりこの状況から入れる保険があるんですか!?状態からあるんですよ!!に持っていくことができるのである。全然いける。だってグエルは学習している。この笑い方は片方が桜に浚われるタイプのBLで見た。策士なのである

    「ラウダ」

     微笑む。

    「今までありがとう ごめん ラウダ」

     __ラウダが、

     ぱちり、と指を鳴らした。

    dice1d3=3 (3)

    1:……扉が、開く。

    2:扉が開く__が。抱きしめられる。

    3:ウワア!体が動かなくなる!?

    ????:dice1d100=84 (84) (68)

  • 184二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:48:03

    暗転かなこ・れ・は

  • 185二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:48:40

    やっぱそうなるよねぇw

  • 186二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:49:21

    まあ逃げられるわけないよね

  • 187二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:50:01

    堕ちたなコレは…

  • 188二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:52:08

    ラウダは最後に決めてくるからな…

  • 189二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 21:52:41

    謎ダイスがワンチャン…!そもそも成功していいやつかこれ!?

  • 190二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:03:26

     __ぱちん。

     その音が鳴り響くと共に、がく、と身体から力が抜けた。全身が燃えるように熱くなり、立って、いられなくなる。

     ぱち、

    「っな__!?」

    「は、……はは。あなたもやっぱりいなくなるんだ」

     だったら、あなたも……あなたのことも。

     ぎらぎらと睨みつけるように、狂気の光が宿った瞳。んく、と生唾を飲めば、ラウダがこちらに近寄ってくる。腕を、掴まれる。

     ぱち、

    「閉じ込めて、逃げないように、決して__」

     不思議と、泣きそうな声だった。

     それを聞いていると、不思議と頭の中で、何かが響いてくる。ぱち、ぱち、ぱち。止まない。銃声のような、拍手のような。決して止まないカーテンコール、アンコールを求める声のような。ぱちぱちぱち。ぱちぱちぱちぱちぱちぱち。電撃が走るように、痛む。痛む、痛む。ひゅっと息をのむと、しかしこれは。どこか、心地いい。まるで、何かを、ちがう、ずっと、

    「……異母弟?」

     忘れていたような。

     こちらの腕を引っ張っていたラウダが、突然足を止める。振り返って、信じがたいような目でこちらを見てくる。嘘、そんな機能はつけていないのに、まさか。泣きそうに、抱きしめられる。

    「思い出してくれたの?」

     ぶわ、と。

     蓋をしていた底からあふれるように、記憶の奔流。ぞわりと背筋が粟立つ。これは。この記憶は。中世、事件、アイホート、寄生、お前だけは助かってほしい、魔法使い、俺が魔王になる、責任、全部、今まで、今まですべての、ずっと、全部の、『グエル』が過ごした歴史が。ながれこんで、くる。

    「あいたかった、ずっと。……ずっと__」

     ラウダが抱きしめてくれる。

     髪を、かき撫でてくれる。

     泣きぬれた鳶色の瞳が、鮮やかに輝いていた。

    dice1d3=3 (3)

    1:……体が、自由になる。

    2:たからばこいき

    3:しめやかに(暗転)

  • 191二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:05:58

    草(エピローグスレはたてます)

    ちょっとだけdice1d3=1 (1)

    1:ハッピーエンド

    2:バッドエンド

    3:??????

    びやくぱわーはいかほどですかdice1d100=27 (27)

  • 192二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:06:06

    ラストに決めてきましたね…さすがです、ラウダさん
    名誉ジェタークの称号を与えましょう…

  • 193二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:07:15

    ハッピーエンドならまだマシな終わり方だったか

  • 194二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:10:16

    ハッピーエンドならヨシ!!

  • 195二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:11:03

    さすラウ

  • 196二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:13:51

    本当に暗転しちまったよ

  • 197二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:16:22

    わぁ…
    ハッピーエンド(暗転)だぁ
    幸せならばそれでヨシ!!

  • 198二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:17:46

    スレ主の「草」に草
    ハッピーエンドならヨシ!! エピローグ楽しみ!

  • 199二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:21:34

    いやまぁホント最後の最後でやらかすな
    この兄弟(草)

  • 200二次元好きの匿名さん23/10/15(日) 22:22:49

オススメ

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