- 1GM◆nn8qcwj2l.23/10/14(土) 19:01:28
ここは「ここだけダンジョンがある世界の掲示板」の番外編みたいなスレです
設定スレにて行われた下の企画の続きとなります
・皆様でif設定やここだけの設定「ハブバース」を一つ共有し自由にキャラクリエイトやSS執筆等を行う企画になります。
今回は冒険者ギルドが悪の組織だったら?という勢力規模の善悪反転世界線です。参加に辺り以下の留意点を必ずお読み下さい
留意点
※あくまで本スレに関係しない与太話です。
※皆様のキャラクターを登場させる場合、本スレ世界の所属先に合わせて性格を反転させてもいいですし、キャラクターの性格に合わせて所属団体を変更することも可能です
※他の人が発案された設定は、通常通り(本スレ世界と同じように)敬意を持って扱いましょう。例えば、既存の団体で共用設定でなく、自ら発案していない物は許可無く反転させて登場しないように
※敵対ロールが発生する事もあると思われますが、本スレと同じよう慎重にお願いします。特定のキャラ個人に敵対する場合は必ずその人の許可を取って下さい。
【あらすじ】
七国大戦以後、冒険者ギルドを中心に新たな秩序体系が作られ約千年が経過した世界。ギルドはダンジョンの捜査権を法的に掌握、そこから得られる素材の利益を独占し、世界各国の政治、経済、産業への影響力を不動にした。ダンジョン探索及びモンスター討伐も次第にギルド外への影響を省みない物に変貌。人々の間で反ギルド感情が高まりギルドに敵対する結社、既存の団体でも反ギルドを掲げる物が増加していった。
■■■■年8月、文明敵対種「塔の森」が出現。衝合により流れ着いたこの文明敵対種は現世生物には居住不可能な異文明の「都市」を際限なく生成し侵食し続ける物であった。冒険者ギルドが主導して討伐したが、各地に被害が残り難民が王都へと流入。
同年10月■日、混乱の最中王都にて冒険者と反ギルドデモによる衝突が発生。冒険者による鎮圧という形で一応の決着を見たこの事件だが、組織間での反ギルド連合「ミイラ取り狩り」の結成を促しさらなる火種を撒く事となる。 - 2二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 19:17:40
立て乙です!
- 3二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 19:21:39
立て乙です
保守だけしとく - 4フランケン博士23/10/14(土) 19:25:52
たておつでーすよ
- 5二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 19:29:30
立て乙ですよ
- 6二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 19:30:49
- 7二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 19:51:27
- 8二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 19:57:16
このレスは削除されています
- 9二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 19:57:49
許可なく反転はだめたから
世界の癌であるギルド
VS
市民
VS
ギルドと無関係な反社組織殲魔・人滅
的な三つ巴かもしれない - 10GM◆nn8qcwj2l.23/10/14(土) 19:59:55
- 11二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 20:02:30
やって文句がついたら消すくらいで行くのがいいかもしれない
キャラにしても世界だけ反転させる人とキャラも反転させる人がいたしここもまた1つの世界線ではない的な - 12二次元好きの匿名さん23/10/14(土) 20:22:45
元々一枚岩ではない設定だし、同様にいろんな派閥がいるってことでいいような気もする
主流派がどうかとかその辺は曖昧にしておいて - 13【hvs1m】通りすがりの…223/10/15(日) 16:50:50
【町一つを覆う黒雲からこの世のものとは思えぬドス黒い雨が降り注ぎ人々が嘆き苦しみ自傷行為を繰り返す地獄のような光景が拡がっていた】
【そしてその中を歩く2人の少女】
【一人は軍服を着ておりもう1人は和装かつ9本の尾と狐の耳が生えていた】
いやー……おまえの発明いいなぁ
「でしょでしょ!!浴びた人間の希望をして失わせて絶望させる黒い雨!!それを降らせる装置を作れたのもあなたが材料とか提供してくれたおかげよ」
お前みたいないい技術者…放っておくのはもったいないからなぁ後これ振らせるロボット兵とか良さそうだと思うんだが…一緒に作るか?
「そうしましょうか!!」
【地獄を作った張本人の少女達は楽しげにこれからの事を話しつつ歩いていく】 - 14死ぬもの、生きるもの23/10/15(日) 22:26:06
「貴様は人に、殺される」
【黒の外套に身を包んだ女が、そう告げた】
【日は沈み、星月夜の時刻。暗い影を被る女は黒の外套もあり、その素顔は窺えない】
「ドウ、シテ…?」
【小さな幼な子が如き女の子───その上半身が竜頭から生え、竜角から花、竜尾から大鯨、竜鱗に三毛猫が描かれた混じり物。キメラの子が、ダンゴムシのように体を丸め尋ねる】
【人が自分を狙う理由ではない。それをわざわざ伝えに来た理由を、だ】
「産めよ増えよ地に満ちよ、と。
かつて人は、何処ぞの神よりそんな言葉を得たそうだ。
笑えるだろう? 生きるモノが当たり前に持つ繁殖の欲動さえ、神の許しを受けねば自らで肯定できんのだ」
【キメラの子が言った言葉の意味。その機微を察しているのかいないのか、変わらず女は言葉を続ける】
「貴様はこれをどう見る?
禁欲的な謙虚さか? 生者としての道すらマトモに定められぬ弱さか?」
「……………ツヨサ、ダヨ」
【一体、何が言いたいのか。疑念を抱きながらも、キメラの子は女の問答に付き合った】
「そうだ、強さだ。
人は生けるものが当たり前に持つ欲動さえ疑念を抱き、そしてそれを『神の許し』で無視できる。
故に人は未知を土足で踏み荒らせる。凡ゆる他者を己が利の為に踏み躙れる。益になるならば何でもできる」
【全く不愉快極まりない、と女は苦々しい声色で言の葉を零す】
【疲れてるのかなこの人──人? とキメラの子はちょっと思った】 - 15死ぬもの、生きるもの23/10/15(日) 22:26:19
「貴様は人に殺される。
人が言う『冒険』の獲物として、狩られ解かれ壊され喰われ侵され棄てられ殺められる。
貴様は人に語られよう。
人が言う『英雄譚』の敵役として、邪智暴虐として、乗り越えた壁として、討ち取りし首を宝としてな」
「……………」
「だから貴様は俺が殺ろす。
人に貴様の存在全てを貪り穢される前に、俺に貴様の命を差し出せ」
【するりと、軽い所作で女は虚空より大鎌を取り出しキメラへと向けた。冗談抜きで、命を取りに来たのだと、有無を言わせぬ気迫を持って】
「……………ヤダ」
【その少しの言葉を言い終えると同時に、竜頭の上にパッチワークされた少女の首は切り落とされた】
【血に濡れた鎌を女が振れば、鎌は虚空へと消え去り塗られていた血は地に落ちる】
「ハ。
ならば抗ってみせよ、というのだ」
【その声色から、感情を読み取るモノはもういない】
【女とキメラの遺骸。それらを包むように濃霧が現れ、霧が失せる頃には二体の姿は無くなっていた】 - 16死ぬもの、生きるもの23/10/15(日) 22:29:16
─────
【濃霧の中、人の影がある】
【其は葬送龍、アルバ・レクイエム】
【龍に死を告げるもの。「人に殺される龍」に先んじて死を与えるもの。人を嫌悪する龍にとっての死神であるが故に、“彼ら”は皮肉にも人の姿を取っていた】
【アルバ・レクイエムは墓を作らない】
【死者への縁となるモノは人が貪る対象となるからだ。だから彼らが龍に手向けるのは、祈りのみだった】
「………。
生への欲動すら持たず、死を否定するなどど、それこそ無益であろう」
【止まっていた影が動き出す。次の死を告げるべく、意識を切り替えようとして】
「………ン。ソウ……ダネ」
【小さな、幼な子の声を聞いた】
【その声は、キメラの子のもの。先程殺めた筈の、竜頭の上に乗る少女の上半身のものだった】
「貴様、不死───いや。……再生産したか」
「セイ、カイ」
【己の不始末に、女は舌打ちを一つ】
【仕留めきれなかった、までは良い。龍を相手にする以上はよくある事だ。が、後をつけられている事に気がつかない様では「龍にとっての死神」など到底名乗れまい】 - 17死ぬもの、生きるもの23/10/15(日) 22:30:56
「で、どうする。復讐でもしに来たか?」
「……ン…、ウウン…。………エ……ト…」
【迷った様子のキメラに、また舌打ち一つ】
【それにビクリと少女の上半身が跳ね、体を縮こませて──それでも随分と大きなツギハギの体だが──暫くしてから、また口を開いた】
「オ……。……オトモ、ダチ……二…ナロウ?」
「─────は?」
【殺し、殺された関係だぞ、と】
【女は耳を疑った。お友達、その意味を今一度調べ直したい気分だった】
「………ダッテ、ヤサシイ……リュウ………ダカラ」
【そっと、キメラの子は手を伸ばす】
【竜頭を地に伏せて、その上に乗る少女の上半身を黒の外套に身を包む女に近づけて】
【舌打ち、三度目】
【キメラの子が思わず身を退こうとするのを、女が手を取り強引に顔を近づけた】
「ああ、分かったよ!
お友達とやらになってやるよ! どうせ貴様が暴れりゃ俺は死ぬからな!」
「…………ッ! アリ…ガ、トウ! ソ……ソレ、ジャア………イッショ二───」
【女の返事が嬉しくて堪らないと、キメラの子は頬をを綻ばせて】
「───ヒトヲ、コロソ!」
【お友達と、殺人計画を立てた】 - 18死ぬもの、生きるもの23/10/15(日) 22:31:23
『メメント・モリ&カルぺ・ディエム』
死を告げるものと、再誕を熾すもの。二体の龍種。
始まりの一つは、人への嫌悪と龍への慈悲であった。だから「人に狩られる龍」を狩っていた彼らの欠片は、とあるキッカケに生まれ直した。もっと蒼古的な死を司るものへと。
始まりの一つは、古龍を嫌い友を望む孤独であった。だから人々に手を伸ばし、友だちを求め続けていたキマイラは、とあるキッカケに死した。故に今あるのは、人を害する魔物である。
彼らは“終局的災禍”の一つに数えられ、現在も多くの死者と生者を生み出している。 - 19二次元好きの匿名さん23/10/16(月) 07:33:37
- 20死ぬもの、生きるもの23/10/16(月) 20:56:29
- 21名付ける価値も無いほどの◆bvNvGDkFuQ23/10/16(月) 23:06:28
「ここは私が抑えます!貴女方はどうか早くお逃げ下さい!」
声を張り上げ、せめてもの意思で逃げ遅れた市民の背に手を当て、加護を与える。
いつの日からか見えなくなった青空のように輝く杖の先には、冷たい目でこちらを見下ろす艶やかな黒髪とアメジストのような瞳を持つ"女"が見える。
ミイラ取り狩りの連絡網を通して冒険者の襲撃対応と逃げ遅れた市民の救助を頼まれてから数刻は経っていたが、今だなお、目の前の彼女を倒すことは叶っていない
「せめて………なにか仰ったらどうなのですか?」
『……』
…彼女の名前や簡単なデータは、既に同じミイラ取り狩りに所属する父様母様から預かっている。
彼女の名は『ローズ』。薔薇を操る魔法や熟練された大鎌の操作を得意とする美しき上級冒険者の女性、との事だ。
私としては、薔薇魔法はまだ基礎魔術同士を掛け合わせる応用技により対策できるからいいモノの物理戦に持ち込まれるのは極めて厄介である。
「せめて…魔力が底を尽きる前にはカタをつけたいですが……」
今は遠距離から魔法陣による多重攻撃魔法を展開する事で交戦しているが、ソレの体はひらりひらりと華麗に撃ち放たれる魔道波を交わすばかりだ。
それはまるで花畑を舞う蝶のように…または石を削り流れていく流水のように…または、それ以外の……
何…………か…………? - 22名付ける価値も無いほどの◆bvNvGDkFuQ23/10/16(月) 23:11:48
…瞬時、まるで頭の中にどっと嫌な冷たい汗が伝うような感覚が私を襲った。
"ソレ"と対峙した時違和感。この不条理。
きっとそれは気づいてはいけないもので、何も知らない方が懸命なもの。しかし…私はその真相を察してしまったのだろう。
…息を吸い、自らが今この地に立っていることを噛み締めると、私は全ての魔法陣の展開を遮断した。
そして一言、目の前の"ソレ"に聞こえるような声ではっきりと呟く
「…貴方は一体…どちら様なのでしょうか?」
『━━━━』
その一瞬、ピクリと"それ"が動きを止める。
「…先程から貴方と交戦していて一つ、気になったことがあるのです。」
「透視及び分析魔法により、貴方の体内の魔力構成を分析しようとしたのですが…貴方の体内を蠢くのは単なる魔力でもなく、血液でもない他の何かのように見えまして………」
「それこそ毎秒毎秒瞬きをする事に景色が切り替わるかのように変化している、とでも言うべきでしょうか。とにかくそのようなものを感じるのです」
『……』
「……私自身、"ローズ"様にお会いしたことは一度もございませんが…貴方は恐らく本人では無い。俗に言う影武者などにあたる存在なのだけはヒシヒシと感じ取れます。」
「お答えなさってください。貴方は…貴方様は、一体━━━━━━━━」
『名前なんてないよ』
…私が言の葉を紡ぎ切る前に、視界は目の前の光景を捕らえ、後を追うように喉は震えるのを辞めた。
『あーあ…上手く隠してたつもりなんだけど、まぁいいか。』
何も仕方ないだろう。それは不意に目の前の相手の顔が真っ黒な四角形に覆われてしまったと思いきや、モザイクがかかったかのように映り、また息を吸おうとした頃にはドロドロと黒い泥となって溶けていくように映る。そんなタチの悪い幻覚のような光景だったのだから。 - 23名付ける価値も無いほどの◆bvNvGDkFuQ23/10/16(月) 23:15:45
『キミのお察しの通りだろうけど…"ボク"はローズじゃないよ。かと言って何者だと言われても答えられないんだ。だってボクは、何者にもなれやしない存在なんだから』
「…何者にもなれない?」
『うん。』
『人とも呼べない、魔物とも呼べない、植物でもないし鉱物でもない…ただただ定まらない形に意識と思考回路だけが存在しているような…ただひたすらに惨めな存在さ。』
何処か呆れているような…いや、失望しているような?とにかく、そんな気だるげな声が嫌に耳にこびりつくが、それでもソレは語り続ける。
『…だからボクと同じような子達ってさ、どんな形であれど役割と自己を、存在理由を欲しがってしまうものなんだよ。ボクの場合はたまたま手に入ったのが「この女の影武者」という形だっただけさ』
「……、そうなると…今、本物のローズ様はどちらにいらっしゃるのですか…?」
『ん〜?簡単な話さ。』
『…彼女、"何もしてないんだ"。』
『いつも部屋の中に引き篭っていて、自分が狙われないためと「持病を和らげる薬を買うためだけにボクにこんなくだらないことをさせているんだよ』
「………は?」 - 24名付ける価値も無いほどの◆bvNvGDkFuQ23/10/16(月) 23:26:24
『彼女、死にたくないんだってさ。
自分が死なずに済むなら周りなんてどうなっても構わないんだってさ。
特にしたいことがある訳じゃないけど生きたいんだってさ。
薬の副作用で毎日布団を赤黒く染めて、毎日毎日泣いている癖に、それでも薬が無くなるのが怖いんだってさ』
『本当にバカだよね。この世界に希望なんて無いのを分かっていながら、それでも今だ「死」という最後の贅沢なデザートを大切に取ったままでいるんだもの。』
『そんなに苦しみから逃れたいなら、いっそボクが代わりにそれを食べてしまいたい位だよ』
「………じゃあ、なんで…?」
『?』
「………」
「…本当にこの世界に絶望しているのは、貴方じゃないんですか?それなのに、な━━━━━━」
━━━鈍い、音が聞こえた。
恐らく、鈍器………瓦礫を、代わり、に?…………まずい、視界、が━━━━
『そりゃ死にたくても死 ねないからに決まってんでしょ。キミだって本当はこんな辛い役目から逃げ出してコッチ側に来たい癖にさ』
…声が、聞こえる。嫌に、はっきりと━━━
『…命は奪わないであげる。別に歓迎する訳じゃないけどさ、もしキミもあの女みたいにその場凌ぎで逃れたいなら…』
━━━━━━
『…その時は、ありもしないボクの名前でも呼ぶと言いさ。キミが最後の一口を飲み込む時まで…愚か者として見守ってあげるから』 - 25詩謳う御子◆bRrRGs00cA23/10/17(火) 08:58:13
新スレ立てお疲れ様でございました
「いちにち ひとつ 実を紡ぎましょう」
「ふつと ふれえぬ 実を紡ぎましょう」
「みなに みちる 実を紡ぎましょう」
「よごと よに よき 実を紡ぎましょう」
「いつき いつかへ 実を紡ぎましょう」
「むいに むつみて 実を紡ぎましょう」
「なきよを なぞる 実を紡ぎましょう」
「やしろに やすらい 実を紡ぎましょう」
「ここに こわれぬ 実を紡ぎましょう」
「とうとう とおくへ 実を紡ぎましょう」
【永い長い詩を口遊み謳い続ける】
【千と一つの実を紡ぐために】
【それは願いを叶える「実」――生命の種子と同型の、超越的な演算性能を誇るサーバと、エネルギー供給を担う「世界管」を備えた人工衛星】
【紡がれた衛星を、一つ一つこの世界の静止軌道に浮かべていく】
【そして気まぐれに、地上の誰かに衛星の利用権限を与える】
【突然与えられた強大な魔法の力は混乱を巻き起こし、あるいは私欲に使うものも現れるが】
【御子はそれを遥か天空から観測してただため息をつくばかり】
『石にはしない、石には。私には生きた花こそが必要なのだから』
【果たして千と一つの「実」を紡いだ先に待つものは】
【目標の数まで、残り――」 - 26甘き異牙◆UwIgwzgB6.23/10/17(火) 09:18:00
質問なのですが……設定的に、「反転世界線」から「本編の世界線」に、意図的に転生するのはありでしょうか?
甘き異牙達が異世界に転生させた人類の二人組で
甘き異牙達がいた世界から甘き異牙達が本編の世界線に転生したことを知っており、
その上で反転世界線に転生→「ミイラ取り狩り」に加わり、ギルドを倒したら、あるいは諦めがついたら本編世界線に行こうとする
というものなのですが……
元いた世界→甘き異牙達が転生→本編世界線
↓ ↑ ↑
二人組が↓ ↑ ↑転生
転生↓ ↑覚えている ↑したい
→反転世界→→→→→→→→ - 27GM◆nn8qcwj2l.23/10/17(火) 10:17:02
- 28甘き異牙◆UwIgwzgB6.23/10/17(火) 10:21:32
- 29強いて言うなら椿が一番好きだけ23/10/17(火) 12:43:54
改めて不定族という種族の容姿や性質を突き付けられると同時にローズさんが
「自分が死なずに済むなら周りなんてどうなっても構わない」
「特にしたいことがある訳じゃないけど生きたい」
「毎日毎日泣いている癖に、それでも薬が無くなるのが怖い」
って反転してるの、元のローズさん知ってると胸が締め付けられる気分ですわね!?!?その結果として一体の不定族が絶望してるのも自分だけの名前も与えられずに『ローズ』を名乗ってるのも自分を愚か者と自称してるのも芸術的で苦しいけど面白いですわね!
何かとんでもない事をサラッと引き起こしつつも、溜息を吐く事はあってもそれ以上干渉しない反転が超越者というか上位者としての面がクローズアップされてるしそうしてまでやろうとしている事と、それが段々と近付いてる事が恐ろしいですわね!
- 30根食み歌いて23/10/17(火) 21:17:23
『グラスやグラス、儂の可愛い孫娘…顔をよく見せておくれ…』
祖父の手が私の顔に触れる。感触は無い、ただきっと目の前の老人は私の頬を触っているのだろう。…この老人は誰だろう?
…?何を言ってるの?私がおじいちゃんを忘れる?そんな訳ない。出鱈目もいいところだ。忘れる筈もない、あぁ、うん…忘れるもんか、全部全部覚えてる。何一つ忘れることなくその記憶は今も私の奥にこびり付いて離れてくれない。
「——————動きが止まったぞ!!仕留めろ!!」
んん?誰の声だろう?聞いたことない。◼️◼️◼️◼️◼️◼️の声でもない。ボヤッとしながら視線を上げれば目の前で顔も知らない男達が剣や斧、鉈を振り上げていた。
そして、灰色の視界を何かが横切ると男達が何人にも別れて地面に落下した
『ボケッとしない。悪い夢でも見てた?』
「コーラル」
宙に浮かぶ槍から声が聴こえる。あぁ、そう言えば襲われたんだった。そうだった、そうだった。————忘れてた
「《広がれ》」
コーラルを掴んで周囲に炎を振り撒いて元来た道を戻っていく、なんだかやる気無くしちゃったから。
…炎が腕に移った。と、思いきや瞬く間に私の全身を包む。
「—————ねぇ、コーラル」
『なに』
「この炎は———紅い?」
コーラルは答えてくれなかった———私の体を燃やしても私の視界に映る世界は灰色のままだ - 31"黄昏"23/10/18(水) 21:44:50
曰く、黄昏の日にて神々が生き残れなかったのは。彼らが自らの犯した罪を悪神によって糾弾されながらも、其れに反論出来なかったからだという。
そんな得体の無い事を考えてしまうのは、きっと目の前の黄昏色の騎士鎧のせいだろう。潮水に濡れた髪を乱雑に乾かして、薄く微笑みながら此方を睥睨する。
彼女──ギルド監察部執行官───にとって、ギルドに叛逆する人々とは笑っている者達だった。それが彼女が見てきた人々で、彼女が殺した人々だ。顔は全て憶えている
何せ煩わしく。穢れた秩序から解放されて、自由と平等の旗の元で己の心の赴く前に力を振えているのだ。復讐でも憎悪でも、其れを抑圧せずに振る舞えるのはどんなに苦しくても何処かに喜びがある。
彼ら彼女らが、復讐の為に戦って。仇へと近付けたのならば嬉しいだろう。敵討ちを果たせたらなら幸せだろう。
────────だから、そんな彼女にとっての悪人像と目の前の騎士は乖離していた。
「“黄昏の騎士”よ。貴様には文明敵対種『不浄の清め手』を冒険者ギルド南支部に嗾けた外患誘致の容疑で指名手配が掛かっている」
『?…………あぁ、アレ。アレって文明敵対種に認識されたんだ』
困った様な微笑に、途轍も無い後悔と悲哀が詰め込まれている。読心による戦闘補助オペレーターとして同行している彼女以外に、其れに気付ける人は居ない。
直属の上官である上級冒険者が表情を歪ませた。南支部には彼の身内が居るのだと良く話を聞かされていたから、その怒りの色は"既知"の過程で出力されていると理解出来る。
なのに、目の前で濃すぎる純度の後悔と悲しみを秘め続ける騎士が尚更理解出来ない。先程の問答を通しても、色と濃さに揺るぎは無い。ならば一体、何が騎士の心を染めているのか
「ッ、だが『不浄の清め手』は既に討伐された!貴様がテイマーだとしても、此処から10km圏内の魔物も全て鏖殺した!!遺言を残した方が良いんじゃないかァッ!?」
『私は正義を為しただけだよ』 - 32"黄昏"23/10/18(水) 22:14:45
「正義、正義だと?秩序に逆らい、暴力で以って我儘を通そうとする事の何処が正義だ!?我々が手を尽くして守っている平和を崩して、新しい平和を築くビジョンがあるのか!?」
『現状維持の秩序は、正義と同義ではないんだ。君が聴いてくれるのなら、説明するのはやぶさかでは無いのだがね。ダンスの合間にどうだい?』
上官が振るう剣を、軽く受け止めて受け流しながら騎士が嘯く。術師隊の放つ数々の魔術に、無詠唱で対抗魔術を組んで相殺し続けている。
"パーティーメンバー"が縋る様な目付きで此方を見て来るが、私にだってどうしようもない。あの騎士は戦闘理念と戦術的思考に頼らず────率直に言ってしまえば、条件反射だけで此方を圧倒しているのだから。
グロワールの元公爵は、伊達ではない。
「くっ…………それだけの力があるのならっ!何故ギルドに貢献しない!多くの人々が、ギルドの元で平和に暮らせているのにも関わらず!其れを崩そうとするお前達は、其れを理解しているのか!?私情を優先して、尤もらしく理屈を付けて。そうして齎される被害を想像した事は───」
『でも彼らは笑っていないじゃないか。私情を優先しているのは、何方だ?』
鮮烈にして明確過ぎる"死"が迫っていた。一閃、或いは一撃。戦場で戦っていた冒険者全てが、一瞬にして戦慄の坩堝に呑み込まれた。
上官の両腕が、微塵になるまで刻まれていた。それを認識してから初めて、騎士が上官の腕に攻撃の意思を持ったという思考が読めた。
刻まれた血肉がべちゃりと液体に変わり果てて落ちた。私達は誰も言葉を口に出来なかった。海嘯の音色だけが、死へと私達を誘うかの様に妖しく響いていた。
『君達は正義とは何かを知っているかい?』
「貴さ──」
『明日の世界を、善くしようとする事だよ』 - 33"黄昏"23/10/18(水) 23:38:21
『平和を口にするけど、君達は一度だって彼らにもっと楽をさせてあげたいと。彼らをもっと喜ばせたいと。彼らをもっと、笑顔にしたいと思った事があるのかい?』
騎士が上官の頸を片腕で吊り上げて、心臓を刺し貫いて殺した。その後悔と悲哀が深まったのが読めてしまい、そして積み重ねたであろう想いと死の濃さに吐き気がした。
勝てるビジョンが見えない。私を除く他の面々の思考を覗けば、そんな感情だろう。だが私は、読心を持ってしまったせいで騎士の感情を真っ向から受け止めねばならないのだ
『秩序は正義と同義では無い。だから、私は善き未来を目指すんだ。もっと多くの人々が、幸せを実感出来る未来を。』
騎士は、本気だ。本気で其れが出来ると、其れを遂行しようとしている。冷静な心で、現状の秩序を破壊するのだと臆面も無く嘯ける。
知らない名前と、知らない顔。子供も居れば老人も居て、若者も男女も種族の区別も無い。無数の、数える事すら烏滸がましい程の人々の顔が騎士の脳裏に浮かぶ。
それを読んでしまった私からすれば地獄だ。頭が埋め尽くされる。最早自分の名前も、顔も思い出せなくなってしまった。でも、何が訊ねたいかはまだ忘れずに済んでいた。
「…………それは、成功したらの話でしょう。失敗すれば、どうするのですか?」
『私が責任を取るさ。その上で、何処で間違えてしまったのか。何を間違えてしまったのかを分析するんだ。そしてまた繰り返す。私達は、何時だって前に進めるんだから』
正気の沙汰では無い。騎士が言っているのは、『世界を滅ぼしてしまったら、もう一度世界を創り直してもっと良い物にしよう』なんていう世迷言も世迷言だ。失った物は戻らない。積み上げた屍は蘇らない。なのに、騎士が本気だと〈理解-わから-〉せられる。
「────貴方は、狂ってる。」
『理解して貰えなくて残念だ』
騎士は後悔と悲哀を濃くして。海岸から遠ざかっていった。後に遺されたのは微かな血の痕だけである - 34グリムの刺客達23/10/18(水) 23:50:44
「やめ、やめろ…頼む、なんでもするから命だけは助けてくれ…!俺が悪かった、あんたらのことは放っておくし、二度とあいつらに乱暴したりもしない!だから…」
「ふふ…あはははぁ♡いいわね…あなたの中に正義はなかった、でもそれも美しいのよ?法と秩序と貴方の言う正義のために殺そうとした相手の靴を舐めてでも生にしがみつく…死が迫って現れたその姿勢は…本当に……!」
セントラリア領内、冒険者ギルドの秩序から見捨てられたとある貧民街が血に染まっていた
路地には十数人の冒険者…この夜においては執行者であったはずの者達がバラバラに切り裂かれ、或いは引きちぎられへし折られて転がっている
その最後の一人を曲剣で石畳に縫い止め、その惨状を作り出した下手人の"片割れ"である長身の女が熱い吐息を吐き出した
「一応言っとくが、聞かなきゃならないことがあるからまだ殺すなよ」
もう一人の下手人…ツルハシを担いだ小柄な金髪の女が声をかけながら助命を懇願する男の横にしゃがみ込む
「私たちは王都の有力者である××にちょーっと用事があってな…そいつの居場所を教えてくれれば、怪我を手当した上で見逃してやってもいい…お前は知ってるらしいじゃないか」
女の言葉に男は失血によって青ざめた顔を更に青くする、その名前の者に関する情報を漏らせば命が危ういのは明白…だが、まずはここを生き残らなければ話にならない
「××様は…週末は王都南西の別荘を利用される…!これでいいだろう⁉︎早く──」
「そうか…よし、殺っていいぞ」
「話が違」
すぐさま男の体を貫いていた曲剣が振り上げられ、石畳とまとめて男の上半身が真っ二つに裂ける
ツルハシの女が死体を転がすと、男の腹の下には救援要請用のスクロールが仕込まれていた
同時に、すでに夜の帷の降りた街の外にポツポツと松明の灯が現れる
「この街にはお世話になったし、焼かれるのを見てるだけって訳にもいかないわよね!一体何人来るのかしら…♡」
「殺したいだけだろ、変態め…ま、この街の酒は悪くないからな」
得物を担ぎ上げた殺人鬼が恍惚とした顔で笑い、得物を地面に突き立てた反逆者が不敵に歯を剥いて笑う
「「どっちが多く殺るか、競争よ(だ)」」
「あ、負けた方は酒奢りで」
「私飲まないわよ?」
「お前と違って私は酒でもかかってないとモチベ上がんねえんだよ…」 - 35二次元好きの匿名さん23/10/21(土) 11:28:19
ほしゅっときますぜー
- 36二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:18:13
ほ
- 37須臾逡巡◆bRrRGs00cA23/10/25(水) 01:46:05
須臾逡巡
「大いなる詩」と呼ばれる詩がある。
それは星を喰らいて彼方へ羽ばたく為の詩。その効果は二段階で発揮される。すなわち惑星を超重力場の檻にとらえ圧縮し、微小類星体(マイクロクェーサー)と化さしめる第一段階。そしてそこからエネルギーを吸い上げ、時空角をずらし彼方の空間へと接続する第二段階である。
このセカイにおいては宇宙進出は結界に阻まれるため、意味が無いはずの詩。
しかし、別の世界に移動する目的でそのエネルギーを使うなら?
すなわち、御子の目的は元のセカイへの帰還。
静止軌道上の衛星は連ねることで、「鳥籠」と呼ばれる、その内部の空間を圧縮するための構造の代用にする。
しかし、衛星の役目はそれだけではない。
御子は元のセカイと微かな繋がりがあるゆえに世界を七次元的に俯瞰することができるが、それゆえに元のセカイへの座標を確定できない。
よってこちらのセカイから更に高次元の視点を持ち無数の世界を俯瞰できる存在を創る必要がある。
『高々十万のオーダーで八次元を俯瞰できる存在を作れることは実証されている……』
いわばそれは、神を造る行為。
御子の故郷において、複数の人間の精神を強制的に融合させることで八次元を俯瞰できる高次の意識が作成されたことがあった。
衛星の利用権限は、強大な魔法の力と引き換えに利用者の精神に侵入するための裏口(バックドア)を置くトロイの木馬。
更に利用権限を持つ者の近くに衛星の影響を「感染」させ拡大させていく。
感染は衛星単独で精神から行うのみならず、時として特定の遺伝子配列を無数の仮想妖精たちが密かに投与して回るなどで担う。
こうして衛星の影響下にある人間は、いざ御子が号令をかけ特定の詩を謳うことで融合し、御子を故郷に導く筈である - 38恨み言◆CUGdkMBi2o23/10/26(木) 18:26:12
御祖母様、ここは戦火の中よりもずっと暑くて、息苦しいです
そりゃあ私達の愛した祖国だって似たようなものでしたが、此処はそれよりもずっと、ずっと救えないものですよ
御祖母様、悲しい事に此の世界に私の味方なんてものは何処にもいやしませんでしたわ
だって、他人を救える程の余裕を持つ人がそもそもいやしないんですもの
皆、皆痩せ我慢をしては屍の山の中に埋もれていきましたよ
御祖母様、私はもう貴女様の作って下さった鍋やお菓子の味が思い出せなくなりました
今私の胃を満たしているのは敵から奪い取った湿気った補給物資ですよ
味…?そんなものに悦を満たす合間に襲われたら意味がないじゃないですか
御祖母様、貴女様が褒めてくれた氷細工のような髪はもう毛先が焦げ付いてしまいましたし
貴女様に良く似た金色の瞳は片割れを喪いましたし
貴女様に着付けを教わったドレスなんて、此処に堕ちたその日に脱ぎ捨ててしまいましたよ
御祖母様、私はこんな思いをしてまで生きたいだなんて一度も願ったことはありませんでしたよ。こんな想いをするくらいなら………いっそあのまま御母様達と共に断頭台に掛けられる方が幾度か幸せでしたとも
御祖母様、どうかお許しを、私は貴女様の事をもうかつてのようには愛することは無いでしょう
貴女様が此の地獄を知らなかったとしても、私は貴女様によって此処に堕とされたことには代わりありませんもの
もし今此処で貴女様に出会ったら、私きっとその首を落としてしまいますわ。此処に来てからだいぶ強くなってしまいましたもの
…でも、もし貴女様が今の私を遠い遠い黄泉の世界から見つめ、後悔し、苦しみ続けているというのなら…私はその為だけに生きてあげますわ
私が血を吐くだけ貴女様に罪が重なるのなら、其れで貴女様が苦しむのなら、私はそれだけで今日を越えられますわ
どうか、どうかそれまで目を離さないでくださいね、御祖母様