- 1二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:20:49
思うところがあったので2時間過ぎてから建て直しました
スレ画はリメイク後のスレが20の大台を超えたんで変更しました
スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツを絡ませることで発生するいろんな妄想を語り合うスレです
また
・ウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)
・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)
・渋やTwitterに上がっているウマ娘x仮面ライダーのファンアート
・同じくニコニコ、bilibiiなどで不定期に上がっているウマ娘×ライダーのMAD
などについて語ったりするスレとしても使ってもらって大丈夫です
もちろんオリジナルイラストの投稿もばっちこいです
最後に
ssのアイデアとして使えそうだと思ったライダーやウマ娘のファンアート始めとした二次創作なんかもリンク付きなら貼ってもらっても大丈夫です
…あとは個人的な願望ですが
ssやファンアートが投稿されているのを見たら、または良いなぁみたいに思われたレスにはどんなに些細なものでもいいんでなるべく感想や反応を返してくれると嬉しいです
※ネタをスレ外に持ち出すことは原則としてNGです
※荒らしコメと判断したレスはすいませんが削除します
また見つけた場合は通報お願いします - 2二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:21:21
- 3二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:29:04
このシリーズの過去スレ(リメイク後)
(多いのでリメイク後初代と最新の4個だけ)
19代目
【クロス注意】ウマ娘×仮面ライダーについて語るスレ その19|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツを絡ませることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまた・ウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・…bbs.animanch.com18代目
【クロス注意】ウマ娘×仮面ライダーについて語るスレ その17|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツを絡ませることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまた・ウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・…bbs.animanch.com17代目
【クロス注意】ウマ娘×仮面ライダーについて語るスレ その17|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツを絡ませることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまた・ウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・…bbs.animanch.com16代目
【クロス注意】ウマ娘×仮面ライダーについて語るスレ その16|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツを絡ませることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまた・ウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・…bbs.animanch.com初代
【クロス注意】ウマ娘×仮面ライダーについて語るスレ|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツを絡ませることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまた・ウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・…bbs.animanch.com - 4二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:36:30
たておつです!!
- 5二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:38:33
立て乙!
- 6二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:39:26
更に過去スレ(スレタイ一新前)
3代目
ウマ娘×仮面ライダースレ 3作目|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツをせることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまた・ウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・渋や…bbs.animanch.com2代目
ウマ娘×仮面ライダースレ 2作目|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツをせることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまたウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・渋やT…bbs.animanch.com初代
ウマ娘×仮面ライダースレ|あにまん掲示板スレタイ通りウマ娘と仮面ライダーというコンテンツをせることで発生するいろんな妄想を語り合うスレですまたウマ娘に合うライダーの楽曲(BGMも込みで)・ライダーに合うウマ娘の楽曲(BGMも込みで)・渋やT…bbs.animanch.com - 7二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:46:28
- 8二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:47:25
- 9スレ主23/10/23(月) 22:50:53
- 10初手ガッチャードSS23/10/23(月) 22:52:18
普通の高校生であった一ノ瀬宝太郎とその幼馴染であるヒシミラクルは、ひょんなことから未来の錬金術師を育てるための学校《錬金アカデミー》へ通うこととなった。彼らに課せられた使命は、封印から解放され現世に迷い込んだ101体のケミーを取り戻すこと。新たな『ガッチャ』、新たな刺激。大きな夢を追いかける少年少女の長い旅が今、始まる!
「ほーたろ〜、これ解ける?」
「あ~それね!えーっと、ここまで来てるんだけどな〜」
「首まで来てるならもうゲロっちゃってよ!」
「さっき食べたばっかのお菓子を戻したくないよ!」
もともと在籍している富良洲高校にて。今日出された数学の課題に悩んでいる宝太郎とヒシミラクルの元へ一人の少年が駆けつけてきた。
「おい宝太郎!また怪事件が起きてるぞ!」
「情報サンキュー、加治木!行こうミラ子!」
「ウマ娘パワーでお先でーす」
「だったらこっちだってー!」
一人取り残された、二人の親友である加治木涼から一言。
「現場どこか聞かなくていいのか……?」 - 11二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 22:52:54
未だ明かされていない道長の過去について興味深いスレが立ってるんで道長とクラちゃんのssに絡めてなんか材料として使ってもらえれば
これは俺の偏見なんだけど|あにまん掲示板道長はなんとなく父子家庭育ちな気がするもっと言えば父親が仕事かなんかで多忙であんま接する機会がない気がするbbs.animanch.com - 12初手ガッチャードSS23/10/23(月) 22:53:33
「こ、これは……」
ケミーライザーの反応を追ってやってきた現場には二人のウマ娘がいた。
「アババッバババ」
「もう離しいやオグリ!ウチのことはほっといて!」
「タマから離れるなんて、そんなのできなババババ」
「気持ちはわかったけども!見てられへんわその姿!」
片方のウマ娘は小柄であり、何故か周囲で電気が発生している。
もう片方のウマ娘は離されまいと近くにいるが、電気の影響なのか若干体が震え、髪が逆立っていた。
「オグリとタマって言ったら……オグリキャップとタマモクロス?!有名人じゃん!」
「タマモさんにガッチャンコしてるケミーはライデンジって子だって。見るからにビリビリ〜」
「まず原因を調べないと。すみませーん!」
周囲で飛び交う電気をなんとか避けながら事情を聞いた。要約すると、やっと取れた休みの日に下の兄妹たちのため、元気をチャージしたいと願っていたところ突然電気が体を覆い始めた、とのこと。
「ウチは電気なりたいちゃうねん元気なりたいねん!」
「この事件そーゆうシャレってコト?!」
「シャレと聞いて」
「どちら様?!」 - 13初手ガッチャードSS23/10/23(月) 22:54:35
唐突に生えてきた生徒会長は置いておいて、二人はどうにかタマモクロスからライデンジを離そうと努力した。電気を外に逃がすため周囲に水を敷いたり全身ゴム装備で触れてみたり。しかしライデンジの発する電気は無尽蔵であり、どれも解決には至らなかった。
「どうすりゃいいんだ〜」
「自発的に外に出るようにしなきゃいけないっぽい?こっちのほうがヘトヘトだよ~、みたいな」
その一言をきっかけとして、宝太郎に電流が走る!
「ミラ子!俺と競争だ!」
「キュ、急になに言って」
「どこまで行ってもよし!ただし、必ずここに戻ってくること。よーいドン!」
「せめて間をおいてよ間を〜!」
「……爆速でどっか行きよったあの二人」
「ビビビビまさらだがあの二人はタマの友ジジジ」
「別に友人ちゃうで。芦毛の子はともかく、あんな青いやつ見たこともないわ」 - 14初手ガッチャードSS23/10/23(月) 22:55:13
現場に駆けつけたときから一ノ瀬宝太郎は姿を変えていた。その名は仮面ライダーガッチャード・スチームホッパーフォーム。インセクトケミーのホッパー1とビークルケミーのスチームライナーをガッチャンコして得た力は、人の力を優に超える、と言ってもウマ娘には僅差で敵わない。そのため突発的に行われたレースはハナ差でヒシミラクルが勝った。
タマモクロスとオグリキャップがいる場所へ息を切らしながら戻ってくる二人。その疲れ具合に、ライデンジは目をつけた。
「ライラーイ!」
「おっ、体からなんか飛び出た。お二人さーん!」
「ゼェッ……ゼェッ……ミラ子、動ける?」
「無理……宝太郎やって……」
その言葉通り、タマモクロスの体から飛び出し二人に迫ったライデンジを、宝太郎はケミーライザーで無事確保した。
「ライデンジ、ガッチャ!ちゃんと『電気』と『元気』を聞き分けような」
「ラーイ」
「二人共、タマを元に戻してくれてありがとう」
「ほんまおおきにな!」
「体調の方はどうですか?」
「ええ感じやわ。充電完了!なんてな」
「良かった!これがライデンジなりの元気補給だったってことか」
「充電……補給……!もしやタマはロボットなのか!」
「なんでそうなんねん!」
「「「アーッハッハッハ!」」」
こうしてこの事件は幕を下ろした。二人の青春録の新たな1ページとして。
彼と彼女の『ガッチャ』は、まだ続く。
「私へのケアはなしかい!トホホ……」 - 15初手ガッチャードSS23/10/23(月) 22:56:45
次回投稿できたら「うわ、また出たよ…」スパナ回を投稿します
- 16スレ主23/10/23(月) 23:00:52
- 17二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:02:13
唐突ながら出来良いっすね…
日常でありそうなシンプルでかつ全員キャラ立ってて
>ウマ娘には僅差で敵わない。
確かに戦闘全般に器用に能力伸ばしてるであろう仮面ライダーだとウマ娘の主に走行特化してる身体能力には負けるだろうねえ…
- 18スレ主23/10/23(月) 23:07:55
この流れで私も前スレ終盤で投稿したssのtelegraph版を再掲しておきますので、感想もらえたら嬉しいです
謀略B&C:空腹に苛む『ミッチーへ、今日トレーナールームに来て』ある日のトレーナールーム、道長はクラウンにLANEで呼び出されていた。
普通は道長が呼び出す側なのだが何だろうという疑問を伴いつつ入ってみたら、
そこには私服姿のクラウンがソファに座って軽く手を振っていた
「…何のつもりだ?」
「今さら隠さなくても大丈夫よミッチー?」
「…好きなんでしょ、私のお腹の音?」
どうやら道長はクラウンの空腹時の音が好きらしい、初耳である。
「⁉︎…別に、そんなんじゃ…」
「…今からよーく語って聞かせてあげるから」
当然彼もそれを否定するものの、どうやら証拠をきっちり揃えてきたらしいクラウンはそれを認めず、長々と語りだすのだった──
『ふぅ、今日もよく体をほぐせたかしrキュウウウウウ…ああもうお昼、ね……みっちー?』
『…今の、聞いた?』
『…何のことだ』
『…そう、ならいいわ』
「うっ…」
まずはある日の昼下がりのちょっとした珍事をバラし。
『クラウン、ちょっとこの荷物を運ぶの手伝え』
『もう、ウマ娘使いが荒いんだから♪(まあミッチーだから構わないんだけど)』
『──んっしょっ。ふぅ、私でも重たく感じるなんてなかな…telegra.ph【元ネタ】
#ウマ娘プリティーダービー クラちゃんがお腹の音を聴かせてくれるだけ - natuumiのマンガ - pixivSkeb依頼ありがとうございました。育成未実装を描くのは難しい…www.pixiv.net#ウマ娘プリティーダービー クラちゃんがお腹の音を聴かせてくれるだけ② - natuumiのマンガ - pixiv君のせいで…俺は…俺は…普通だったのに…君のせいで今大変なんだからな(Skebありがとうございました!)www.pixiv.net - 19二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:26:37
前スレに充てられて「戦兎とミラクルの連弾を聞くタマモ一家」ssを書いてるけどこの3人のどんな会話で話が進行するかマジで分からん
- 20二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:26:42
- 21二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:31:42
このレスは削除されています
- 22ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/23(月) 23:33:42
- 23二次元好きの匿名さん23/10/23(月) 23:36:30
このレスは削除されています
- 24スレ主23/10/23(月) 23:51:15
間違えていたのでやり直して
前回ぶんまでのssの時系列順のまとめです
【作中2020年】
黎明R 憧れた景色への招待状(Chapter1)今日はキタサンとクラウンが出場する2020年皐月賞当日。すでに幕は上がり場は温まりレースも佳境を迎えていた英寿や道長は観客席から自らの担当の勝利の到来を望んでいた。
『ここで一番人気 サトノクラウンが上がっていった!久方ぶりの無敗の皐月賞ウマ娘誕生なるか!?サトノ家の悲願達成することが出来るのか!?』
「…!」
「(ッ、このタイミングで⁉︎ 間に合わないっ!)」
「おっと、ドゥラメンテ!弾かれるように外を回されてしまった!最終直線に入って 後方も一気に追ってきた!先行勢も粘っている!サトノクラウンはまだ中団!果たして届くかどうか!?中山の直線は短いぞ!』
突如ギアを僅かに上げ前に出るドゥラメンテ、弾かれ追いすがるも彼女の前に出ることは叶わないクラウン。瞬間の攻防は前者に黒星がつき、ドゥラメンテはクラウンを認識しつつそのまま何かを伺っているようだった
『粘るキタサンブラック!外からゲンジツスティール!』
『かわすか!?かわした!僅かに外、ゲンジツスティール!』
(──ここだ!ここで私は!)
溜めた足を解き放つ。憧れの存在に、自らのトレーナーに胸を張れる自分になるためにキタサンブラックという北国の…telegra.ph黎明R 憧れた景色への招待状(Chapter2)『やっぱドゥラメンテだよ、あの勝ち方は凄かった!』『才能の塊って感じだしな!』『サトノクラウンも巻き返すんじゃないか?』
『才能はピカイチだもんな~』
(…あたしは、まだ皆さんからは期待されてない、か。事実だけど、やっぱり悔しいよぅ)
(何より…不安になっちゃう)
『キタちゃん頑張ってるね、毎日っ』
「あっダイヤちゃん、今帰り?」
あれから数日、本日も練習を終えトレセンが無料開放しているスペースを通り抜けながら、皆がダービーにて期待する選手は自分でないことにどうしてもキタサンは無力さや弱さを自覚させられ落ち込みそうになっていた。そして校門を出ると気づいたがそこには明らかに1人、待っていた自らの幼なじみの1人がいた。もちろん直近の半径内には誰もいない。ダイヤはキタサンの帰りだすタイミングを辛抱強く待っていてくれたのである
もちろん彼女はそうは言わないし、キタサンも偶然のようにトークをこなす。2人の健気さが伺い知れる一コマだった。
「もしも明日ダイヤちゃんが日本ダービーを走るとしたらどんな気持ちで挑むかなって
「…勝つこと。ただそれだけ! それくらい強い気持ちじゃないとサトノのジンクスは破れないから!…telegra.ph黎明RI リスタートライン(Chapter1)一目で引き付けられた!強くて、奇麗で、かっこいい…!!
同じウマ娘として、あんな風に走る事が出来たら……!!
あんなウマ娘になりたい!
何年か前にテレビで見たテイオーさんの走りに憧れた。それが今のあたしの原点で夢にも繋がるもの。
────でも、叶わなかった
負けた
負けた
ただただクラシックで負けた
遠かった………
ドゥラメンテさんのあの背中は、あたしじゃ届かないほど遠かった。
あたしはテイオーさんやトレーナーさんみたいなキラキラしてカッコいいスターには…なれないんだって
打ちのめされた。
ダービーの後なんてトレーナーさんやチームの皆さんに言ったか、当時から自分でも覚えてない
暴言を吐いたわけではないと思うけど
『両足の橈骨遠位端骨折で全治六か月』
『年内の出走は絶望との事です……』
『6戦4勝2着2回という圧倒的な戦績で…』
(ぁ、あっ)
…でもそれから2ヶ月近く経って季節は7月、時期は中旬前半。ドゥラメンテさんは両足の橈骨遠位端骨折から菊花賞にはどうやっても参戦できず、あたしはそれにさえ惑わされ、結果ダービーのこともあってか、その間にどんなトレーニングでも何をやってもどこか消化不良で…telegra.ph黎明RI リスタートライン(Chapter2)それからの数ヶ月、いろいろなことがあったが英寿はキタサンの特別臨時コーチに今のキタサンに似た立場のネイチャを迎え、彼女やチームメンバーと協力し、キタサンを淀の馬場に対応させる鍛錬を徹底的に積み上げたのだった。
『さあ、秋のG1もいよいよこのレース』
『クラシック三冠最後のレース、菊花賞を迎えます!』
『皐月賞、日本ダービーと二冠を制したドゥラメンテが怪我のため出走できず』
『今年のクラシック三冠制覇を期待していたファン達も多い事でしょう』
『本当に残念です』
そして今日は菊花賞当日。
英寿はデザイアグランプリ絡みの用事があり少し遅れて、正確にはレース開始ギリギリぐらいのタイミングで観戦に混じる予定だった。
(──今はあたしの家族、世界スターの皆さん以外の誰からも注目してもらえなくてもいい)
(誰からも褒めてもらえなくて構わない)
(──決めたんだ。がむしゃらに、自分らしく、あたしらしく!!)
ただ菊花賞が協力ということは、つまりあの海辺での出来事からも早数ヶ月。キタサンにももうダービーまでの迷いはなく、胸に湧き立つ己が新たな願いに邁進せんと闘志に満ち溢れていた。この場においてはいないドゥラメン…telegra.ph邂逅Ⅰ→Ⅲ 運命の日(Chapter1)「くっ、さっきの追い切りはクラウンのほうが早かったんだよ!」「ふっ、タイムはタイムだ。俺にケチを付けても何も変わらないぞバッファ」
「それともキタに直に言ってやるか?」
「…するかよ流石に」
「2人とも今日も早かったね〜」
「もう慣れちゃったよ俺」
今日も今日とて互いに突っかかり軽い喧嘩になっている英寿と道長がいた。ただこの光景も同席している景和や祢音からすれば仲良く喧嘩しなとでも言わんばかりの日常茶飯事の範疇である。
「うぅ…毎度毎度ヒヤヒヤするよぉ…」
「ぷっ、そこまで深く心配しなくても大丈夫よシュヴァル。ねっ、キタサン?」
「うん。だってあの2人、出会ったら軽い口論になってないほうが珍しいし…まあトレーナーさんが煽ってるのもあるけど」
「喧嘩するほどなんとやら、だね。キタちゃん」
なんなら、これを見ている彼らの担当にももうだいぶ見慣れた光景である。なんならキタサンとクラウンは若干達観したというか、保護者目線も入っていたりしそうではある。
「そうそう、まさにそんな感じ…ってあれ誰だろう?」
「「「?」」」
「おめでとうございます。厳正なる審査の結果、選ばれました」
「浮世英寿様、桜井景…telegra.ph邂逅Ⅰ→Ⅲ 運命の日(Chapter2)「「「「…」」」」((((気まずい…すっごく気まずい…))))
「…なんか食べよっかな」
「…私もお願い、キタちゃん」
「あっごめんねダイヤちゃん!」
そしてモニタールームに案内されたはいいものの生き死にが絡むレースとあっては安易に話題に出すのも難しく、四者共にだんまりを決め込んでいた。
(…勝ち抜けるのはただ1人、生き死にが絡むなら余計に他の誰かに負けても負けないでも言えない)
(あたしたちのレースが甘いってわけじゃないけど、すごく厳しい世界なんだな…)
「…皆、今回のことどう思ってる?」
「開幕前っていうのは分かってるけどさ」
「…いろいろありすぎてどうと言えるほど、まだ飲み込みきれてないっていうのが正しいのかしらね」
「…僕としては祢音ちゃんに負けてほしくはないけど、でもきっとここに挑む人も皆命懸けなんだろうし、なら、誰も負けてほしくはない…かな」
「始まったらきっと、誰も彼もが私たちのレースみたいに最後に立ってるわけじゃない。なら、やっぱり…まだまだ飲み込めてないけどトレーナーさんの無事、これだけは信じたいよ。キタちゃん」
「皆…考えることは一緒なんだね」
「ええ」
「うん…」
…telegra.ph邂逅Ⅰ→Ⅲ 運命の日(Chapter3)『新たなジャマトが現れました。これより、デザイアグランプリ、第二回戦、ゾンビサバイバルゲームを始めます』『現在、ゾンビジャマトの集団が郊外へ近づいています』
『過去の傾向から、ゾンビの群れが出現するのが三回』
『つまり第3ウェーブまでに市街地へ到達されたら、大勢の市民がゾンビに感染。大惨事になるでしょう』
『ですので第3ウェーブまでゾンビを全滅させ続けてください』
『そしてこのゲームはスコア対決になります。ゲーム終了時、スコアが最下位だった1名は強制的にリタイアとなります』
『ちなみにゾンビに感染すればいずれゾンビになります』
「…ミッチーだけはなんか大丈夫そうって思えちゃいそうなのはなんでだろう」
「たぶんあたしのトレーナーさんもだね…」.
「ああ、それもそうね…」
「祢音ちゃん…死なないで…」
「トレーナーさん…」
改めてトレーナーの無事を4人が祈る中、第二ミッションがスタートした。
「なるほどね、ミッチーはゾンビなんだ…なんか言ってて不謹慎な気がするわね…」
『えっ、何で倒れないの?』
『っ…助けてパンダさん!』
『ライバルを助けるバカがどこにいる?』
「なんでいちいち祢音ちゃんに偉そうなんだこの子…」…telegra.ph邂逅Ⅲ.Ⅴ:夢は終わらない(Chapter.Ⅰ)『第4コーナー周ります! 3番手にサトノダイヤモンド、4番手にエクセレンシー!』『さあ最後の直前に入りました、内はツールドワール、食い下がって外からサトノダイヤモンド上がってくる!』
「行っけーーダイヤちゃん!」
雨が降り頻る2020年11月8日、ここ京都競馬場芝ではダイヤのデビュー戦が行われていた。
本日の応援メンバーは英寿・キタサン、景和・沙羅、道長・クラウン、カペラのトレーナーの計7名である。レインコートを羽織っての観戦となっている。
当初こそ苦戦をしていたものの、しかし──
「ッ…ッ…!」
『外からサトノダイヤモンド! 残り200を切って堂々先頭に代わって1バ身のリード!』
『突き抜けたサトノダイヤモンド、ゴールインッ!!』
残り200あたりから独走し見事優勝。
景和と二人三脚で積み上げた努力が活きたようだ。
幼少期からそうだが、キタちゃんを圧倒していたダイヤ。スペックは段違いなのかもである。
「ダイヤちゃん…」
「ダイヤ…」
「「やったあ!!」」
「いい走りじゃない♪」「「うわああああ!」」⁉︎ さ、桜井トレーナーに沙羅さん、どうしたの…ってああ、なるほど。まあしょうがないわね♪」…telegra.ph邂逅Ⅲ.Ⅴ:夢は終わらない(Chapter.Ⅱ)名無しの気ぶり🦊「それでは! ダイヤちゃんのメイクデビュー&(アーンド)初勝利を祝ってぇ〜…かんぱ〜い!!」
「「「かんぱ〜い♪」」」
「「「「「乾杯!」」」」」
ダイヤの勝利を祝い英寿とキタサンが発案して夜の栗東寮食堂、計9人で集まって祝勝会を行なっていた。ちなみに男子陣や美浦寮生であるクラウンの入寮も含めて栗東寮には事前に申請を通してあるのでモーマンタイというやつである。
ちなみに生卵とオロナミンCを使った絶好調カクテル(景和命名)を大量に用意しジョッキに注いで乾杯していた。
ビールの雰囲気は味わってほしいが健康にも配慮してほしいというトレーナー陣の意図によるもの。
オロナミンCは黄色、卵によりとろみも味わえるので、見た目にも喉越し的にもビールっぽさは十分だった。
「ってもー…、これで乾杯何回目?」
「っとはふはふ!…にしてもマルちゃんの牛すきうどん大盛り、何度食べて美味しいわね♪」
「まあまあいいじゃない。めでたいことは何回も祝ってなんぼよ〜!」
「沙羅さん…それもそうね、ツルツル♪」
「姉ちゃんは厨房で包丁握りながらクラウンちゃんにそれを向けないで、初心者じゃないんだから…」
ちなみ…telegra.ph
-2邂逅Ⅲ.Ⅴ:夢は終わらない(Chapter.Ⅱ)名無しの気ぶり🦊「それでは! ダイヤちゃんのメイクデビュー&(アーンド)初勝利を祝ってぇ〜…かんぱ〜い!!」
「「「かんぱ〜い♪」」」
「「「「「乾杯!」」」」」
ダイヤの勝利を祝い英寿とキタサンが発案して夜の栗東寮食堂、計9人で集まって祝勝会を行なっていた。ちなみに男子陣や美浦寮生であるクラウンの入寮も含めて栗東寮には事前に申請を通してあるのでモーマンタイというやつである。
ちなみに生卵とオロナミンCを使った絶好調カクテル(景和命名)を大量に用意しジョッキに注いで乾杯していた。
ビールの雰囲気は味わってほしいが健康にも配慮してほしいというトレーナー陣の意図によるもの。
オロナミンCは黄色、卵によりとろみも味わえるので、見た目にも喉越し的にもビールっぽさは十分だった。
「ってもー…、これで乾杯何回目?」
「っとはふはふ!…にしてもマルちゃんの牛すきうどん大盛り、何度食べて美味しいわね♪」
「まあまあいいじゃない。めでたいことは何回も祝ってなんぼよ〜!」
「沙羅さん…それもそうね、ツルツル♪」
「姉ちゃんは厨房で包丁握りながらクラウンちゃんにそれを向けないで、初心者じゃないんだから…」
ちなみ…telegra.ph
-3邂逅Ⅲ.Ⅴ:夢は終わらない(Chapter.Ⅱ)名無しの気ぶり🦊「それでは! ダイヤちゃんのメイクデビュー&(アーンド)初勝利を祝ってぇ〜…かんぱ〜い!!」
「「「かんぱ〜い♪」」」
「「「「「乾杯!」」」」」
ダイヤの勝利を祝い英寿とキタサンが発案して夜の栗東寮食堂、計9人で集まって祝勝会を行なっていた。ちなみに男子陣や美浦寮生であるクラウンの入寮も含めて栗東寮には事前に申請を通してあるのでモーマンタイというやつである。
ちなみに生卵とオロナミンCを使った絶好調カクテル(景和命名)を大量に用意しジョッキに注いで乾杯していた。
ビールの雰囲気は味わってほしいが健康にも配慮してほしいというトレーナー陣の意図によるもの。
オロナミンCは黄色、卵によりとろみも味わえるので、見た目にも喉越し的にもビールっぽさは十分だった。
「ってもー…、これで乾杯何回目?」
「っとはふはふ!…にしてもマルちゃんの牛すきうどん大盛り、何度食べて美味しいわね♪」
「まあまあいいじゃない。めでたいことは何回も祝ってなんぼよ〜!」
「沙羅さん…それもそうね、ツルツル♪」
「姉ちゃんは厨房で包丁握りながらクラウンちゃんにそれを向けないで、初心者じゃないんだから…」
ちなみ…telegra.ph【作中2021年】
回想B&C 菊花賞のあとで──あの日のことを今でも私は忘れないだろう2021年秋、いや少し前のあの日、ダイヤがあの子が言うところのジンクス、出来ないの呪縛を打ち破りサトノに初めての国内G1レース優勝という途方もない夢を現実のものとして齎してから数日。
クラウン「…」
私はというと、端的に言ってしまえば過去1番と言っても過言じゃないぐらい内心を乱して寮を人知れず飛び出してしまっていた。
今でこそなんとも恥ずかしい話、と言いたいところだけど、当時の私はダイヤやサトノグループのスポーツ事業面での願いが叶ったことの喜ばしさ・私にはそれができなかったことの悔しさや悲しさ、嫉妬にも似た妬ましさで頭がぐちゃぐちゃになり平静をあの子やキタサンの前で装うだけでも一苦労するありさまだった。
なので、ある晩飛び出してしまったというわけ。
「はあっはあっはあっ…! …何やってんでしょうね、私」
虚しさと馬鹿らしさを誤魔化そうと、行き着いた公園で誰もいないのをいいことに私服姿で勝手に本能任せの走り込みをするも何かが変わるわけでもなかった。正直言って、生きてる意味さえ見失ないそうになってた。
(…あそこの柵を越えて飛び降りたら…いやそんなことでき…telegra.ph{最初の回想が2021年秋(=史実の2017菊花賞直後の話です)
【作中2022年】
黎明B&C ひとつきりの王冠「そういや来週はあいつの誕生日か…よし」本日分の指導を終え、帰路に着いていた道長はある大切なイベントを思い出した。
そう、クラウンの誕生日である。去年は市販の高級なポーチをプレゼントしたが、個人的には手作りで勝負したかった道長としては当時のクラウンの喜んだ顔をよそに不服さを抱えていたのである。そうして道長は今度こそ手作りで担当のプレゼントを作るべく足を自宅へ急がせるのだった。
そうして数日後
「おはようミッチー、今日のトレーニングメニューは何かしら?」
「芝2200mを想定した走り込みだ」
「いつも通りね、OK了解した「ただその前にお前に言っておくことがある」な、何?」
「──誕生日おめでとう、クラウン」
「これはその、俺からのプレゼントだ」
「え、え、これって…⁉︎」
「自作した木彫りの牛のストラップだ。お前の耳飾りを意識した王冠付きのな」
「!!!!…あ、えー、えと、その…うん、ありがとうミッチー!」
(あ、ヤバい、泣きそうになってる私)
何やら重苦しい表情で自分の意中の人から渡されたのは自らへの誕生日プレゼント、しかも手作り。
思わず嬉し泣きしてしまいそうになった自分を誤魔化すようにクラウンは道長に抱きついた。…telegra.ph回想B&C 菊花賞のあとで──あの日のことを今でも私は忘れないだろう2021年秋、いや少し前のあの日、ダイヤがあの子が言うところのジンクス、出来ないの呪縛を打ち破りサトノに初めての国内G1レース優勝という途方もない夢を現実のものとして齎してから数日。
クラウン「…」
私はというと、端的に言ってしまえば過去1番と言っても過言じゃないぐらい内心を乱して寮を人知れず飛び出してしまっていた。
今でこそなんとも恥ずかしい話、と言いたいところだけど、当時の私はダイヤやサトノグループのスポーツ事業面での願いが叶ったことの喜ばしさ・私にはそれができなかったことの悔しさや悲しさ、嫉妬にも似た妬ましさで頭がぐちゃぐちゃになり平静をあの子やキタサンの前で装うだけでも一苦労するありさまだった。
なので、ある晩飛び出してしまったというわけ。
「はあっはあっはあっ…! …何やってんでしょうね、私」
虚しさと馬鹿らしさを誤魔化そうと、行き着いた公園で誰もいないのをいいことに私服姿で勝手に本能任せの走り込みをするも何かが変わるわけでもなかった。正直言って、生きてる意味さえ見失ないそうになってた。
(…あそこの柵を越えて飛び降りたら…いやそんなことでき…telegra.ph黎明B&C 彼と彼女の仲、進展につき「なんっっっじゃこりゃあ!!!!????」道長がこんな反応をしているのにはそれなりのわけがある
「あっお帰りなさいミッチー」
「いやお帰りなさいじゃねえわ!」
「そもそもお前、合鍵はどうした?というかなんで俺んちの玄関と押入れをレインブーツ塗れにしてやがる!」
「おまけにサウナってなんだよサウナって?」
実は今日あった宝塚記念に関する用事で今から数日前から三日間ほど自宅を留守にしていたのである。
だが帰ってきたらこの有り様。当人の発言通り玄関と押し入れにはレインブーツが数十個整理されて配置されており、それに衝撃を受けて風呂場に行ったかと思えば、面積拡張&隣に恐らく最新のサウナルームがセットされているという始末である。おまけに恐らくやらかした原因である彼の担当(クラウン)は平常運転で最初からこの家の住人のように接してくるから驚きは連鎖するばかりだった。
「落ち着いてミッチー、レベチイケメン顔が台無しよ?」
「黒歴史掘り返すな、というか誰のせいだよ。というかマジでこの状況は何なんだよ⁉︎」
「私の趣味よ、いいでしょう?」
「いや確かにサウナ巡りとレインブーツ集めはお前の趣味だけども!」
「なーん…telegra.ph黎明B&C 誰も知らない彼女の癖「…寝てるわね」「よし…」
実はクラウンには…微妙に残念なヘキがある
それを道長の視点で伝えられれば幸い…なのかは分からないが伝えていきたい。
「えへへ…この背徳感、ミッチーには悪いと思うけど…うん、たまらないわね♪」
「レインブーツは保存用・観賞用・実用用の三つ用意してあるもの。なら試してみなきゃ大きな損ってものよね」
「そして体も濡れてもいいように水着で出るの。そうしたら雨がこうやって降ってきた時に全身に自然を感じられて…
「あゝ〜舒畅ん〜♪♪」
ということらしく、クラウンは収集したレインブーツを実用的に使うべくこっそりと雨の日に朝方にアパートを出ていたらしい。
前に一度見かけた時は道長は幻覚だと思っていたが、同棲し始めて少しして見つけたこの状況はどうやら現実のようだと認識を改める…担当の癖は他人に迷惑を掛けなければ好きにしていいと思っていたが、流石に無視できない。
「バレてないと思ってんなら随分とおめでたいな」
「⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎ みっ⁉︎ みみみみミッチー⁉︎」
「今日はプールトレーニングなんてなかったはずだろうが。何やってんだ?」
「…‥…」
(バレちゃったあ〜〜〜、ど、どうした…telegra.ph - 25スレ主23/10/23(月) 23:54:54
なぜか邂逅Ⅲ.Ⅴの後半版二つが間違えてしまうというか上手く出力されない…
邂逅Ⅲ.Ⅴ:夢は終わらない(Chapter.Ⅲ)「うおおおおおおッ!!」「────はっ、はっ、へぇ〜ッ…しゃあっ! どうだ、完璧なスタートだったろぉ⁉︎ 飛彩ちゃん?」
「ああ、これなら問題ないだろう」
「どんなもんよ!これでジャパンカップはいただきだぜっ」
「まったく、油断は大敵ですわよ?」
「おお、あんがとなマックちゃん!」
珍しくゴルシがずっと練習に打ち込んでいるゴルシ
またこちらも珍しくマックイーンがゴルシをひどいめに遭わせていない。
いつも意図せず、本当に意図せずマックイーンがゴルシを痛い目に合わせていたと考えると甲斐甲斐しい場面ではある。
恐らくジャパンカップに向けた追い込みなのだろうが。
「だああああああああああああッッ!!!!」
「これでラストだ、行けキター!」
「頑張ってキタちゃん!」
「っだあああああーーーッ!!」
「おお!! キタちゃん、最後の最後で今日一のタイムだよっ!!」
「いい感じに仕上がってきたなキタ、有馬が楽しみだ」
「! やったあッ!!」
「はいキタちゃん、どうぞ!」
「ありがとうございますっ!」
「おお、お前も練習終わりか?」
「はい、でももう一本行ってきます!」
「「うぇ⁉︎」」
「キタちゃ〜ん、ボトルー!」…telegra.ph邂逅Ⅲ.Ⅴ:夢は終わらない(Chapter.Ⅳ)2015年12月27日 第60回 有馬記念『寒さ染み渡る冬空となった、ここ中山レース場。今年は12万人のファンが集まりました!』
『この厳しい師走の寒風でも掻き消せるファンの期待、いよいよ始まります! 総決算GⅠ有馬記念!!』
『改めまして解説の山本さん、豪華な出走メンバーとなりましたね!』
『そうですね。G1二勝、ファン投票2位に選ばれたプラーボディ』
『今年の菊花賞ウマ娘、キタサンブラック』
そして今日は2020年有馬記念当日。いずれ劣らぬ強豪たちが中山レース場に集っていた。
『秋から調子を上げてきているサウンズオブアース』
『リバーライトとパロールの姉妹対決も見ものです』
『しかし! なんといってもファン投票第一位! このレースがトゥインクルシリーズラストランとなるゴールドシップでしょう!』
「頼むぞゴールドシップぅ!」
「頑張ってアース!」
ただあいにくと曇天、テイオーの時とは全く違う。というかキタサンのレースは天気が悪いこと多い。
ただそれを忘れさせるようにゴルシは貫禄のファン一位、師走かつファン投票、有馬記念は盛り上がる内容ばかりである。
ツインターボ『いっけー! アースぅ!!』…telegra.ph - 26スレ主23/10/23(月) 23:57:00
クラちゃんが透のことを知る経緯に関してはこの時空の邂逅Ⅳ、つまり現在制作中の次話で少しだけ触れる予定です
- 27スレ主23/10/23(月) 23:58:56
- 28二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 00:24:38
- 29二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 05:22:39
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 05:23:28
- 31二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 07:28:56
- 32ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/24(火) 08:29:22
- 33ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/24(火) 08:32:46
- 34二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 09:18:30
補完ssですね、楽しみにしてますわ
- 35二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 09:28:30
- 36一輝兄マートレ概念の人23/10/24(火) 09:43:55
このスレももう令和突入かぁ。
ゼロから立ち上げてイチからのスタートってやつですなぁ - 37二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 10:14:44
- 38ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/24(火) 10:54:00
このスレもpart20という大台を超えたので、改めて存在感を示す為に再掲載していきます
3期はあくまでキタサン(※こちらでは英寿一行)が主軸ですが、自分は彼女や
同世代達の夢を阻む至上の難敵として登場するドゥラメンテ側からストーリーを補完していく所存です
皐月賞後の一幕
(副題...黎明Special:狂乱の皐月賞)
皐月賞後の一幕「外からドゥラメンテー!外から、何と! ドゥラメンテー!
これほどまでに強いのかーっ!?」
〈レース後 地下馬道にて〉
ニ:重賞、並びにG1初制覇おめでとう、ドゥラメンテ
しかし...第4コーナーでのドリフトには
私も少しばかり肝が冷えたよ
ドゥ:...本当はあんなに膨れるつもりはありませんでした
ただ、曲がろうとした時に脚に変に力が入ってしまって...すみません
ニ:他にも色々言いたいことはあるが、レースで
勝った後に私がとやかく物を申すのも無粋というもの
────ともかく、今日はお疲れ様
二冠目の日本ダービーでも期待しているよ、君の活躍を
ドゥ:お気遣い感謝します、トレーナー
...あいつらもダービーに向けて巻き返すべく
必死に策を練るでしょうけれど、私の持つ圧倒的才能の前では
ただの徒労にしかならないという事をダービーで理解らせてあげますよ
私が見据えるのは世界の頂点────
その頂に立つ為には、あいつら如きに構っている暇なんてないのだから
telegra.ph - 39二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 11:00:55
- 40スレ主23/10/24(火) 11:06:32
- 41二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 11:15:03
- 42二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 11:51:46
- 43二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 11:52:36
そういや20は平成ライダーの総作品数でもあるんだよね…
- 44二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 12:23:31
- 45二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 13:29:45
エックスくんが役立つ日が来るとはな
- 46二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 13:40:43
このレスは削除されています
- 47二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 13:41:57
- 48二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 14:05:00
- 49二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 15:45:34
ギーツ組の担当の変身バンク予想をまた見たくなったのだけれど
誰か貼ってもらえないでしょうか… - 50二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 16:56:09
変身バンクにあたりそうなものを追記したので貼っときます
ライザー使った疑似変身(換装)の妄想【ギーツサポーター】・キタサン
:ジーンのポーズを少し崩し、ライザーの銃口を斜めに傾けながら右手を前に伸ばして、左手首を右腕の肘裏に添えて左手の甲を前に向けながらギーツの『きつねを作って指パッチン』をする
・オペラオー
:舞台の振り付けでありそうな『足を前後に広げ姿勢を低くしながら広げた両腕で大きく円を描き』、両腕が真上に来たタイミングで一度姿勢を戻して、タイクーンのポーズや『アプリで自分の美しさに見惚れる時と似たポーズ』をライザー持った右腕を上にしてとり、キタサンが指を鳴らすくらいのタイミングでライザーの側面を前に向ける
(…キタサンの場合ジーンが自分を「共に英寿を推す同志」と見てくれてることが分かってるのでジーンを少し意識したポーズ。多分英寿を思い切り意識したポーズ取るのは流石に気が引けてるのかもしれない…
オペラオーは「なりたい”自分だけの”自分」を誰よりもはっきり想像できているのでそれに合わせたポーズをとっている。最終的な構えが景和と似通ってるがこれは偶然で、むしろポーズが結果的に似てる景和を「センスがいい」と個人的にリスペクトしてる気がする)
【タイクーンサポーター】
・ダイヤ
:一度ライザー…telegra.ph使用例として前に貼ったたSSも
サブサポーターズ変身講座SS英寿『仮面ライダーギーツ。』オペラオー&キタサン『『サブサポーターズ…』』
3人&ジーン『『『『変身講座!』』』』
・オペラオー「僕たちから一つ質問いいかな、ジーンさん?」
とある建物の屋上にて、青いメッシュの入った黒髪の男に疑問を投げかける馬耳の少女が居た。
・ジーン「何だい?テイエムオペラオー」
栗毛色の髪と馬耳の少女にフルネーム呼びで返事をする、青いメッシュの入った黒髪の男『ジーン』が返した質問に今度は黒っぽい鹿毛色の髪と馬耳の少女が答える。
・キタサン「あたしたちにこのれーざーれいず、らいざー?ですか。これとこのカードの使い方を教えてくれる前に、その理由を知りたくて」
二人の少女の手にあるのは、黒地に白のカラーリングが入った何かの部品、そして幾何学的な、不思議な模様の入った、謎に光沢のあるカード。
正直これらを見ただけでは用途を当てるなど至難の業だろう。
(なんとなくは察してるけど…)
黒っぽい鹿毛色の髪と馬耳の少女、『キタサンブラック』は普段の師が師であるが故、人の真意を察する能力は人並みよりは鍛えられていた…それでも『狐』を自称している、少し離れた場所から腕を組んでこっちを眺めている彼には…telegra.phなお自分の中ではサブサポーターとしての名は本人の名前と別の名前という妄想なのでご了承をば
〈上記のSSの場合〉
・キタサン:マトイ
・オペラオー:ソリスト
- 514923/10/24(火) 17:09:56
どうもです
- 52二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 18:19:01
- 53二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 18:41:09
- 54二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 19:57:34
- 55ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/24(火) 20:06:33謀略Special:第2章『怪物の復権』「さぁ二冠バが動く! さぁ二冠バが動く!」
「 9ヵ月ぶりの実戦だがあーっという間に
先頭に立ちそうだぞ! 4コーナーを待たずに早めの先頭ドゥラメンテ!」
「ファイナルインパクト! ファイナルインパクト!
ドゥラメンテの後ろからはゲンジツスティールが迫る!」
「しかしこれは強いか! ラストインパクトが現在2番手!
本気モード全開ドゥラメンテ! これがダービーウマ娘の末脚!」
「アンビシャス猛追! ドゥラメンテ! アンビシャス!
しかしドゥラメンテ! これは強い! ダービーウマ娘の末脚ーッ!」
「ドゥラメンテ圧巻! 見る物を陶酔させる、これがダービーウマ娘です!」
「完璧なる復活劇! 世界を見据えて視界は良好ドゥラメンテーっ!」
2016年 2月16日 中山レース場 第11R 中山記念。
9か月ぶりのレース出走となったドゥラメンテは
全快でこそなかったが、圧巻の末脚で他の出走していた
ウマ娘達を圧倒して1着。怪我のブランクを感じさせない貫禄勝ちだった。
「勝つには勝った。しかし全盛期だったなら後続に1バ身...
いや2バ身...いや、今こんな事を考えてもラチがあかないな。
…telegra.phドゥラメンテの9か月ぶりの出走となった、中山記念の裏側を描いたSSです
もし宜しければ感想などお待ちしております...(キタサン側の反応とかは力尽きたので書けなかった)
- 56スレ主23/10/24(火) 20:13:41
- 57二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:30:30
- 58二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:34:56
- 59二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:44:18
- 60二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:50:24
このレスは削除されています
- 61ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/24(火) 20:51:36
— 2023年10月24日
上手く投稿出来なかったので再投稿
- 62二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:52:58
新世界での戦兎が思ったよりメンタルメタメタなので必然的に本編より多くのものを背負う羽目になってしまいました
- 63二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 20:56:11
便乗とはちょっと違うけどライダー側の要素濃くするためにもライダー側のmadを貼らせてもらおう
(担当達に歌ってもらう体…って言い訳だけはしておく)
※(スレチが過ぎる場合は削除頼みます)
- 64二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 21:15:18
- 65二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 21:43:03
- 66二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 21:45:10
- 67二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 21:49:47
- 68二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 21:55:58
イズの悲劇の再来にならない事を祈る
- 69スレ主23/10/24(火) 22:12:23
- 70二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 22:45:48
- 71二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 23:13:28
- 72二次元好きの匿名さん23/10/24(火) 23:22:24
ものによるとしか
- 73>>7123/10/24(火) 23:27:07
ライダーと特に繋がってない、ウマ娘単体の話遠慮がちでもなく結構ナチュラルに書き込まれてるから気になってさ、
…ウマカテ荒れてる時の避難所みたいに使われてたりしないよな?って邪推しそうになることが時折あるんだよな… - 74スレ主23/10/25(水) 00:06:51
- 75二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 01:53:31
ケミー役の声優さんにウマ娘でも有名な声優さんとか来てくれんかと思っている
ハピクローバー役が伊藤さんだったことで一気に可能性が広がった気がするし - 76二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 05:58:25
まだスピンオフ公開前だからあまり詳しい予想はできんけど
クォーツはギムレットを担当しそうだなと考えてはいる - 77二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 07:17:45
フェスタは海東っぽさある
- 78二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 07:49:46
- 79スレ主23/10/25(水) 09:41:53
- 80二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 10:55:59
- 81二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 12:29:30
- 82二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 14:40:51
- 83二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 15:12:53
— 2023年10月25日
㊗ヴィジョンドライバー、サウンドIDコア再販
- 84二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 15:50:44
- 85二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 17:30:30
このレスは削除されています
- 86二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 18:17:29
- 87二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 18:27:31
- 88二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 18:53:09
- 89二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 18:59:45
- 90二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 19:14:47
- 91ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/25(水) 20:09:52
特に理由はないけど、スパナとニラムには高い店で飲み明かして欲しい
- 92二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 20:27:46
- 93二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 20:30:33
- 94ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/25(水) 20:45:06
道「透...俺は...うぅ...」
ス「...さっきからこの男は何を言っているんだ?」
ニ「大方、飲み過ぎで酔いつぶれて見えもしない筈の幻覚が見えているんだろう
自分から勝負を挑んでおいてたった3杯で潰れるとは情けないな、吾妻道長...」
「...取りあえず、この男は私が連れて帰るとしよう」
ス「そうしてくれるなら大助かりだ、こんな酒臭くて無鉄砲な男の介抱など俺の美学に反するのでな」
「それとこの店だが、味は悪くなかった」
ニ「...その言い方だと何か気に入らない点があったような物言いに聞こえるぞ?」
ス「それだけだ、金は俺が出しておく」
本当はクラウンを呼び出してそのまま彼女持ち帰らせようかと邪な考えが
頭に浮かんだニラムだが、直ぐに思い直してタクシーで彼を学園まで送り届けたもよう。
なお、タクシー代は(※クラウン経由で)後日ガッツリ請求された。
- 95二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 20:49:09
- 96ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/25(水) 20:51:17
訂正:彼女「に」持ち帰らせようとした
- 97二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 20:55:50
このレスは削除されています
- 98二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 20:59:16
このレスは削除されています
- 99ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/25(水) 20:59:25
サトノクラウンに送られてきたLANE(※原文ママ)
(文章は彼のスマホを借りてニラムが入力したもの)
「こんばんは、サトノクラウン
プロデューサーのニラムだ」
「唐突ですまないが折り入って君に頼みがある
先日の飲み屋での件だが、呼んでもいないのに
わざわざ君のトレーナーが乗り込んで来てね」
「おまけに勝手に酔い潰れるしで色々大変だったんだ
ただ、飲み屋に置き去りにするのも気が引けるから私が車を出した」
「...その代金についてだが、まだ払ってもらっていなくてね」
「気の毒なのは理解しているがそれはそれ、これはこれ
彼に迅速に代金を払うように伝えて欲しい」
「...勿論、しらばっくれるなら此方に考えがあるということも」
- 100二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:00:32
このレスは削除されています
- 101ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/25(水) 21:01:20
- 102二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:02:49
このレスは削除されています
- 103二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:06:13
このレスは削除されています
- 104二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:08:11
このレスは削除されています
- 105二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:11:39
このレスは削除されています
- 106二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:16:05
このレスは削除されています
- 107二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:19:27
- 108二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:26:50
- 109二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:44:07
- 110ニラムP×ドゥラメンテ概念23/10/25(水) 23:01:01
- 111スレ主23/10/25(水) 23:43:55
- 112スレ主23/10/26(木) 05:57:39
- 113二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 08:20:54
楽しみです
- 114二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 10:08:18
- 115二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 10:14:57
ダイヤちゃんめっちゃメンタル強いけど景和とちゃんとコミュ取ってるのかな
- 116二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 11:59:56
- 117二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 12:08:03
- 118二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 12:21:46
- 119スレ主23/10/26(木) 12:55:47
- 120邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:00:04
- 121邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:04:34
21年皐月賞も迫った春先のある日のこと。
『納期間に合ってよかったな、道長』
『明日から新しい現場だ。浸ってる暇なんかない』
『相変わらずドライだね。なんでこの仕事続けてるんだ?』
『理由いるか?』
『食うために働くのは人間の宿命ってか?俺はいつでも夢もってたいけどね』
『…夢?』
『生まれ育った故郷に、でっかいランドマーク、建てるんだよ!』
『…ふっ、高所恐怖症のお前には無理だろ』
『いやあ克服してみせるよ。俺の理想の世界を叶えてな』
──道長は1人デザイアドライバーを見つめながらもの想いに耽っていた
デザイアグランプリに彼が参加する前の回想のようである。随分と悲惨なもの想いだ。
『俺の理想の世界を叶えてな』
「…今思いだしてもしゃあねえだろ」
しかしすぐに忘れようとする。というのも今日版どうやら仕事、正確にはクラウンの知り合いに資産家の邸宅の一つを改築する日。
そう、道長は普段トレーナー業と掛け持ちでサトノグループの系列の土建会社で働いているのでこういう仕事もちょくちょく担当しているのだ。
- 122邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:06:25
- 123邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:07:44
「こんな広大な土地に一軒家ですか?」
「これは別荘の一つに過ぎない。気分転換に全面リフォームしようかと思って」
「教え子であるキタのトレーニング施設も兼ねようと考えている次第だ」
「は、はい、そんな感じで頭が上がらないでふっ!」
(噛んじゃったあ⁉︎)
「浮世トレーナーともキタサンブラックさんとも共通の知人ということで、今回は私サトノクラウンがおすすめさせてもらった次第です」
「…んなっ⁉︎」
しかし、どうやら内容は違ったらしい。
クラウンだけならともかく、道長が常日頃目の敵のようにしているスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズこと浮世英寿とその担当アスリートであるキタサンブラックが来ているのだから。
にしても改築前時点で凄みを感じる英寿の別荘、なかなかに凄いものである。
「さすが、スターオブザスターズ!オブザスターにサトノ家のご令嬢ですね!」
「えっ、あれ…! 浮世英寿じゃねーか?」
「クラウンお嬢の指示を受けてきたらすげえのが来たなぁ…」
そこへ業者仲間も到着、道長の比にならないぐらい驚いていた。まあ当然の反応である。
- 124邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:16:16
「これはこれは」
「お前ら、何でここに?」
「今日はクラウンの知り合いの資産家宅の改築って聞いてたんだが…」
「ああ光栄だよ。クラウンづてとはいえお前が俺の家の改築兼キタ用のトレーニング施設建造の依頼を引き受けてくれるなんて」
「はっ…?俺の家…?キタサン用施設…お前?」
「…おいクラウン…」
「对不起(ごめんなさいミッチー)!」
「ちょうどロケ中でな。番組名、なんでしたっけ?」
「『ガツンと一軒家』です」
しかもどうやらキタサン用の新規トレーニング施設も兼ねているようだった。至れり尽せりというやつか。
「テレビになんか出て、チャラチャラしやがって」
「教え子まで引っ張って余裕だな?」
「これが勝者と敗者の差ってことだな。悔しかったら、お前もデザグラで勝って理想の世界、叶えてみろよ」
「もう2度と、お前には…お前にだけは負けない!」
インタビュー後少しの間、道長は英寿と話せる機会を得た。
ただし相変わらずというか、英寿に食ってかかる始末。
- 125邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:17:08
「あまり偉そうに言えないし今さらだけれど、2人とも毎度毎度お約束みたいに仲良く喧嘩してるわね」
「あはは、ただ今回はあたしもクラさんも吾妻トレーナーには内緒だったからね…」
「…いやほんとにごめんなさい、ミッチー」
「すいません…」
「そういうことはもっと早くに言え、たく!」
ただ今回はいつも通り+クラウンやキタサンも道長が軽く怒るそもそもの原因を担っているので仲裁する気にはなれず、なんなら謝罪もしながら2人の口論を見守っているのだった
「相変わらず血の気が多いな。赤い服きてるからか?」
「人を闘牛みたいに言うな」
「初めて会った時から感じてたよ。俺になにか特別な恨みでもあるような気迫をな」
「そう言われてみると、確かに…」
「質問なんですけど吾妻トレーナーをそこまで恨みを感じるようなこと、トレーナーさん何かしたんですか?」
「…お前は気にすんな。俺とこいつの問題だ」
「うぬ惚れたスター野郎には一生分からないだろうことだがな!」
「ええ、そんなにですか…」
道長が普段英寿に向ける眼差しにはただ気に入らないだったり超えたい者を見る以外の意図が英寿曰く見え隠れしているらしい。
ただキタサンにはそんなものは当然分からず、質問を返すもはぐらかされてしまうのだった。
- 126邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:23:21
「キタ、幻滅したか?」
「してはないですけど、あまり恨みつらみはトレーナーさんに向けられたくないです。事実でも恩人が悪く言われてると、あたしも悲しいですし…」
「…嘘ならどんなに良かったか」
「吾妻トレーナー…」
「ミッチー…」
(いつもより気迫を感じる怒りかた、これは私も知らないただならぬ過去がありそうね…)
ただ、何やら悲しい秘密がそこに秘められているのは間違いなさそうで。
「このメロディは!」
「確かデザイアグランプリ再開、ってことかしら。前から数ヶ月経ってるけど」
しかしそれを許さないのか、デザイアグランプリの再開を告げるスパイダーフォンの着信音が軽く周囲に響き渡る。
「だろうな、お呼び出しだ。というかバッファ。俺の家直すならデザグラ、棄権するか?」
「なんならクラウン共々観戦してても怒らんぜ?」
「あ、誰が? ソッコーで仕事、終わらせてやる!」
「律儀ですね…」
「真面目で義理堅いのよ、彼は」
しかし仕事を放棄してまで参戦する気は吾妻道長という男にはなく。当然タスクをこなしてから参戦するような旨をスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズに高々と告げるのだった。
ちなみにクラウンが惚れた理由の一つだったりするのだが、そんなことは当然今の今に至るまで道長に伝わったことはない。
- 127邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:36:06
「キタちゃん、浮世トレーナーの別邸改築は上手くいきそう?」
「上手く行きそうではあるんだけど、案の定吾妻トレーナーが最初カンカンだったよう…申し訳ないことしちゃったや」
「でもなんとかなったんだね」
「うん、一応なんとかなったのかな」
(吾妻トレーナーの過去は気になるけど)
そうして彼女たちもスパイダーフォンでデザイア神殿のモニタールームに移っていく。1人目はキタサンではなくダイヤ。キタサンもいつも通り、というわけではないがトレセンでしているような他愛ない会話を繰り広げるのだった。
「昨日ぶりだねクラちゃん♪」
「ダイヤ、今日は私はいなかったけれど皐月賞に向けたトレーニングは今日のぶんは大丈夫そう?」
「うん。ちょうど一区切りついたタイミングでデザグラ再開のお知らせが来たんだ」
「ただ、着替えは流石に持ってきてなかったからトレーナーさんのをお借りしたの」
「呀、やっぱりね。つまり彼シャツってことかしら♪」
「⁉︎ も、もうクラちゃん!」
どうやら景和とのトレーニングを終えた直後ぐらいにデザグラ再開のお知らせを受け取ったようだ。通りで景和の私服を身につけているわけである。クラウンからすれば微笑ましく写ってしょうがないのだった。
- 128邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:41:55
「…皆、普段通りですごいね。僕はまだ慣れないや…。祢音ちゃんが死にそうな目にあったのが前回だし」
「そのせいで変な度胸が日常でついたけど」
「シュヴァルちゃん…」
「…今回は出ないと信じるしかないわね。流石に、毎度毎度初回みたいになるわけじゃないでしょうし…」
「クラさん…だと、いいなぁ」
シュヴァルも到着したようで、しかし前回平の死を目撃したことや彼女のトレーナーである祢音が生死を賭けた事態に直面したのを目撃したのもあってか、今回もデザグラには消極的だった。
(キタちゃんもクラちゃんもシュヴァルさんも皆、やっぱり緊張してる。当然だよね…)
「…トレーナーさんが無事でありますように」
「「「…トレーナーさん(ミッチー)(祢音ちゃん)…」」」
そんな彼女を見てダイヤが始めた細やかな祈り、それを見た3人も自らのトレーナーの未来の安全を祈るのであった。
そう、自らの命と同じ程度には大切である自分たちの運命の相棒の無事と勝利を。
『新たなジャマトが現れました。これより、デザイアグランプリ第3回戦。神経衰弱ゲームを始めます』
そして時を同じくしてツムリのアナウンスがデザグラ神殿各所に伝播され、それはつまりデザイアグランプリ3回戦がスタートすることを意味していたのだった。
- 129邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:43:56
「神経衰弱…」
「つまりトランプかな?」
『トランプのアレですよね?』
『まさに。今回のジャマトはトランプジャマトです。カップルや仲睦まじい2人が集まるスポットを襲い、その仲を引き裂いて、自分たちの巣へ持ち去る習性があります』
『ひどい』
「人間臭さのあるジャマトね…毎回習性が変わるのかしら」
「僕、まだ付き合ってなくて良かった…」
『今回はくじ引きでデュオを決めてミッションに挑んでもらいます』
『2人1組のチーム戦てわけか』
「くじ引きだからそこが最大のメリットでデメリットになるのかな」
どうやら今回のミッションはチーム制らしい。
死なば諸共一連托生、とまでは行かないが片方の敗北はもう片方の敗北にもなる。
なら気をつけねばならないことは山ほどありそうだ。
- 130邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:47:08
『ジャマトを殲滅させればミッション完了。今回もスコア勝負です。最終的にスコア最下位だったデュオ2名が脱落となります』
「「「ええ⁉︎」」」
「つまり、あたしたちのうち2人も次から観に来れなくなる可能性ありってこと?」
『えっ…?2人同時に…!』
『望むところだ』
(ミッチー…頑張ってね)
キタサンたちもそれに気づいたようで、観客ながら戦々恐々としているのだった。
『では、前回までのスコア成績順にくじ引きをしてもらいます」』
『まずは』
『俺だな…。ナーゴだ』
『英寿様と私がチーム!?』
「トレーナーさんと祢音さんかあ」
「…祢音ちゃんにいかがわしいことしませんように」
「そこは流石に大丈夫じゃないかな…」
一組めは英寿と祢音に。
- 131邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 13:52:35
『では次は』
道長が引く。すると…
『タイクーンか…』
『俺が…君と…?』
「へえ! チームカペラ、ここでも結成ね♪」
「2人で応援しなきゃだね、クラちゃん」
「ええ、まさかこんな偶然があるとはって気持ちだわ」
2組目は景和と道長に決まった。ダイヤとクラウンも自分たちが現在所属しているチームカペラ再結成だと湧き立つのだった。
『じゃあ…俺が組むのは誰?』
『我々デザイアグランプリの運営側から特別に1名参加します』
『その名も仮面ライダーパンクジャックです』
「くまさん?」
「カボチャ?」
「南瓜(ナングァ)bear…って言ったほうがいいのかしら…?」
「可愛い…」
『おわっ!?びっくりしたー。えっ?いきなりライダー?』
そして余った森魚はパンクジャックという謎のプレイヤーを当てがわれていた。外見はオレンジのダパーンといったところか。 - 132邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 14:03:45
『顔出し、声出し、NGのスタッフなので、ご理解ください』
「そういうパターンアリなんだ…』
「でもなんだろう、あたし最近会ったような気がする。いや初めてなんだけど」
「キタサンの身近な誰かが変身してるってことかしら?」
「うーん、そこまでは分かんないけど。でもなんとなく、初対面じゃない気がしたんだ」
「なるほど…気に留めておくわね」
そしてキタサンは初めて会った感じがしないらしい。しかし誰がそうなのかまで思い浮かぶはずもなく。
『ギーツ、ナーゴデュオ。タイクーン、バッファデュオ。メリー、パンクジャックデュオに決定しました。今回はデュオごとに宝箱を1つプレゼントしますので、仲良く使ってください。それではミッションスタート!』
その間に第3ミッションはスタートしたのだった。
- 133邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 14:06:19
『あっ、宝箱。これは…爪?』
『クローバックルだ。ナーゴが使え』
『いいの?』
『そのほうが2人のパワーバランスがとれるからな』
『さすが英寿様。イケメン』
「フォークみたい…でも幸先はよし…!」
英寿と祢音は早速クローレイズバックルをゲットしゲームスタート。
『鉄球?念願の武器だ!』
『えっ…?何?欲しいの?』
『ハロウィンちゃんは、はい、盾でも使いな』
(…なんか、俺に合わねえ!みたいな感じで怒ってそう)
森魚はというとチェーンアレイレイズとシールドのバックルレイズバックルをゲットするも自分が攻めたいのかシールドをパンクジャックに回していた。
これが原因かは分からないが、キタサンから見たパンクジャックは不服そうにしているように見えたのだった。
「やっぱりこの森魚って人、僕、前に何かのニュースで見た気がする…」
「ニュースで、ですか?」
「うん。それもそこまでいいニュースじゃなかったような…」
「シュヴァルちゃんが気になる人、か…クラさん」
「ええ、普段大人しいシュヴァルがそこまで言うなんて気になるわね…というか気になること出まくりよ」
そしてシュヴァルは前回に引き続き、どうしても森魚に既視感があるらしい。しかも悪い意味で。
- 134邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 14:06:42
「でもマジックを多少嗜んでる身から言わせてもらうと、この人、手癖が悪そうな気は前に見た時からしてるのよね」
「なら悪いんだけどクラさんやダイヤちゃんのほうで調べてもらうことできそう? あたしの実家だと難しそうだし」
「呀Of course! 今ダイヤがまさに連絡してくれてるわ」
「──はい、はい。…! ありがとうございます!」
「うん、依頼はしておいたからあとは時間が解決してくれるよ。それもそこまで掛からずに」
なのでダイヤ・クラウンらが実家であるサトノグループに捜索届や各種個人情報の調査を依頼しておき、それに頼ることとしたのだった。
「良かったぁ。あっ見てダイヤちゃん、桜井トレーナーがなんか見つけたみたいだよ!」
「ほんとだ、しかもこれは…」
『うわあ!ブーストバックル!ラッキー!』
『お前、いつもそれ手に入れてないか?』
「ほんとにね、ミッチー」
今回も今回とて景和がブーストレイズバックルを開幕早々ゲット、案の定道長に、なんなら今回はクラウンにも不思議がられている。
- 135邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 14:10:10
『ま、使ったことは一度もないんだけどね』
『運がいいのか悪いのか、分かんないやつだな』
「トレーナーさんとブーストは相性いいのかな、今のところは」
「もしくは赤スパみたいに誰かが投入してたり、かな」
「ああなるほど、スパチャシステムや視聴者が存在する可能性…でも私たちが見てるわけだし、なくもない可能性、なのかしらね」
それに繋げて、ここでオーディエンスが存在する可能性をキタサンやクラウンが提示する。そう言われればそうだとなるが意外と気に入らない見方である。
「「「「「変身!」」」」」
直後にそれぞれのライダーは変身しトランプジャマトと交戦
道長/バッファはトランプジャマトを角でかち上げ吹っ飛ばし、息の根を絶やす。
が、クローバーが浮き上がり、トランプジャマトはあっさり立ち上がる
『ALLOW VICTORY』
『ジャジャァ⁉︎ …ジャジャッ!』
景和/タイクーンもアロー直撃でジャマト一体撃破と思いきや、スペードが浮き上がり、つまるところ倒せていない。
- 136邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 14:11:00
『MAGNUM TACTICAL BLAST 』
『ジャジャッ⁉︎』
そんなことで止まらないとばかりに道長/ばはマグナムシューターの必殺技をゼロ距離射程から放つ。
『チョロいな』
(う、撃つんじゃなく殴るんだ…貴方らしいけど。というかそれはフラグよミッチー…)
『ジャジャァ…』
『ん…? 何だと!?』
見事にフラグを建築して回収。やはりジャマトを倒したと思ったら、クローバーが浮き上がり、復活してしまうのだった。
『やあっ!!』
『ZOMBIE VICTORY』
『『ジャジャァ…』』
『何?』
『復活した! なんで⁉︎』
祢音/ナーゴ はアームドクローへ変身しクローで斬り裂く。
英寿/ギーツゾンビフォームもすかさずベルト操作で必殺技を繰り出し、ジャマト撃破。
かと思いきや、やはりハートが浮かび上がり…
「シュヴァルちゃん、ジャマトってこんなにしぶとかったっけ?」
「僕が見てる限りじゃ、そんなことはなかったはずだけど…僕もデザグラ初心者だし分かんない、かな…」
そうなるとジャマトにまあ詳しくないキタサンやシュヴァルも気になってくるわけで。
- 137邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 14:17:38
『ジャジャァ〜〜〜ッ⁉︎』
そうこうしているうちにトランプジャマトは逃げていき姿を見失う。
結果、一時的にお開きとなったのだった。
『…なるほど。どうやらこのゲームにはある秘密があるようだ』
『化かされたままでは終わらないさ』
「…トランプ、神経衰弱…」
(…呀、なんとなく分かったかもだわ)
「でもその前にミッチーに会ってこようっと」
英寿やクラウンは今回のミッションやジャマトが持つ仕掛けに気づいたらしく意味深に納得する。
ちなみにどのペアも0ポイント、つまりまるで得点を稼げていない。ここから巻き返していくしかない。
『どうなってるんだ?…ああくそっ!…外の空気でも吸ってくるか』
道長もまた今回のミッションについて頭を悩ませるも、慣れないことを試しにやったぐらいですぐ解が導き出されるわけでもなく。
気晴らしにサロンから出て行くことを選択したのだった。
- 138邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 14:55:05
- 139邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 15:12:13
「ミッチー!」
「トレーナーさん!」
「お前ら、今は接触していいのか?」
「ギロリさん曰く休憩タイミングに知り合いのプレイヤーと会うならOKだそうよ」
どうやらキタサンたち4人が英寿たち4人やその知り合いに休憩タイムに接触するのはデザグラ的にはOKらしい。
「なるほど…でもダイヤちゃんに恥ずかしいとこ見せてなかったかなぁ、俺」
「いえいえ、まだ序盤みたいですがトレーナーさんなりに頑張ってたとダイヤは思います」
「そっ、そっかあ〜! なら良かった♪」
仮にも担当の目に写す試合で失望させるようなことをしていないか景和なりに不安だったのだが、どうやら問題なかったようだ。
「ミッチーもよく無事だったわね、私としてはそこが嬉しいかな♪」
「///…ふん、どうも」
クラウンも道長のことを変わらず案じてくれていたようで、彼も彼女のそれをお節介焼きやうざったさにこそ感じれど悪くは感じないのだった。
「ただマグナムシューターでぶん殴ってたのは、その、仕事の癖?」
「そうそう、何で吾妻トレーナーはマグナムなのに近づいて殴りかかるんですか?」
「ああ? 単に距離を置いてやり合うのは性に合わないだけだ」
「というか、これならゾンビの方がマシだな…」
どうやら先程道長がマグナムシューター40Xの持ち手を叩きつけているだけだったのは、単に近距離で獲物片手に殴り合うほうが道長の性に合っているかららしい。
普段から荒削りな生き方をしている彼らしさをよく表しているというべきか。
- 140邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 15:14:26
「なるほど、なるほど。よく誰かに突っかかってるし、ライダーとしても、人としても距離が近いんだね」
「ぷっ! う、上手いわね桜井トレーナー…!」
(私が普段ミッチーに思ってることだわ…)
「なんか文句でもあんのか!?」
「そんなにゾンビがいんなら、それ貸して」
「あっお前…っておい⁉︎」
景和はそれを見て何を思ったのかキレッキレの天然煽り文句で道長を煽りクラウンを笑わせたかと思うと、ブーストレイズバックルを道長の手から捥ぎ取るとサロンのほうへ姿を消したのだった。
何事かと言わせる間もなく。
「行っちまった…」
「トレードでもしに行ったんでしょうか?」
「お待たせ〜!」
「ほんとに交換してきたみたいね」
「はい、これ」
数分後戻ってきた景和だったが、その手にブーストレイズバックルは握られていなかった。
代わりにあったのはゾンビレイズバックルだった。これはつまり…道長は嫌な予感がした - 141邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 15:19:55
「…どういうつもりだ? お前まさか、ブーストを交換したのか?」
「うん、英寿とトレードしてきたんだ。これが欲しかったんでしょ? バッファのIDコアとも相性がいいらしいって…!」
「…お人好しにも程がある。ブーストまで渡す必要はないだろ!?」
「ちょっとミッチー⁉︎」
聞いてみれば案の定ブーストを担保にゾンビとトレードしてきたらしい。
感謝より先に困惑や怒りが込み上げてくる道長だった。
クラウンが宥めようとするも聞き入れる気もなさそうだ。
「君の役に立つと思ったからだよ。デュオになった以上、俺たちは仲間なわけだし…!」
「何よりカペラのトレーナー同士じゃん、俺たち」
「フン、誰が!?」
景和も仲間だからと歩み寄ってもつっけんどんに返してくる始末。相当にご立腹のようだった。
「ッ、なんでそんなに皆を目の敵にするんだよ⁉︎」
「私も気になります。そこまで敵意を剥き出しにしなくても…」
「…お前らルーキーは分かってないんだよ。デザイアグランプリにおいて理想の世界が叶えられるのは一人だけっていうのがどういうことか」
「それが、それが叶わないってことが意味する可能性が、どういうことかもな…」
「ミッチー…」
(彼が話したがらない過去に関係があるのかしら…)
流石に少し頭に来たのか景和はダイヤとともに訳を問う。
が、道長の返答は甘い、分からずやというような感じのものばかり。
敢えて私のトレーナーだからと見逃していたクラウンも心配になり、そして思いついたのは道長の過去に関係があるのではというもの。
- 142邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 15:21:45
- 143二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 15:45:29
『俺の理想の世界を叶えたとき…』
(…切断されたドライバーが転がり落ちる)
(ジャマトに斬られる透)
(理想の世界と言ってたが、やはりあいつもデザイアグランプリに参加していたのか)
(もう分からないことだが)
『透!透…!大丈夫か?しっかりしろ!』
『こ…こんなはずじゃなかったんだ…』
『…ご、めん。みち、な、ガ…』
『』
『はっ…?』
『おい…透…?』
『』
『ッ、とおるううううううああああああァアアアア!!!!!』
(その後、ジャマトと戦うギーツの姿を目撃した)
(さらには笑いながら去って行く2人のライダーの後ろ姿を我ながら険しい表情で見つめていた)
(──このとき決めたんだ)
(透がああなる前に間に合わなかった俺自身を乗り越えると)
(…同僚を、俺の親友を嬲り見殺しにした、助けちゃくれなかったライダーという薄情者の集団も)
(そいつらのような、てめえの幸せのために他者の幸せを意図的に踏み躙る連中をのさばらせるデザイアグランプリという世にも醜い戦場も、全て残らずぶっ潰してやると)
- 144二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 15:49:15
「ここは…?」
「サロンの中にある、トレーニングエリアだ。地上戦や水中戦、空中専用のエリアまでいろいろある」
「あたしたちも付いてきて良かったんでしょうか?」
「うん、祢音ちゃんの無事はずっと気がかりだけど」
「構やしないさ。ある種の体験入会みたいなもんだ」
道長が景和やダイヤ、クラウンと揉めていたその頃。英寿・キタサンと祢音・シュヴァルはデザイア神殿のまた別区画、プレイヤーのために配備されたトレーニングルームに顔を出していた。
こんな感じでデザイア神殿にはプレイヤーでさえ知らない区画や部屋が数多く存在している。
まるでダンジョンである。
「ふ~ん…。で?何をトレーニングするわけ?」
「ダンス得意なんだろ?前に動画配信やってたから」
「ああ、祢音TVの最新ぶんのことね」
「かっこいいっていうか、祢音ちゃんはただ音楽が好きなだけなんです…」
「十分だ」
「「「?」」」
自分たちをここへ呼びだしたわけを問えば返ってきた十分という答えに祢音たちは困惑するも
英寿がリモコンスイッチを推すと、そんなことを言う余裕は無くなる。
- 145二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 15:51:42
- 146二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 15:53:59
「ふぃ〜、た、大変だったあ…」
「あっ、あんなダンストレーニング初めてだよぅ…」
「そんなに大変だったの、2人とも?」
そうして今はモニタールーム。ミッション再開少し前である。キタサンとシュヴァルはと言うと、もうへとへとだった。
慣れないトレーニングはいつの世も人間とウマ娘の大敵である。
「うん…でも、楽しかったよ!この先デザグラに参加することがあるなら案外楽しめそうって思っちゃった」
「あと、中身はすぐに分かるらしいから僕たちからは言えない…」
「ネタバレ要素ってことかな、キタちゃん?」
「たぶんそんな感じだね」
そしてどうやらこのトレーニングがそのまま今回のジャマトの攻略法に繋がっているようで、二人は教えることを良しとしないのだった。
「……」
(ミッチーのことが心配になってきちゃってそれどころじゃないわね…)
ちなみにクラウンは道長のことがあれからずっと強く心配でそれを満足に聞いてはおらず。
というか半ば心ここに在らずだった。
- 147二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 15:54:58
「あっミッションが再開したよ!」
そうしてミッションが再開され、トランプジャマトが再び出現
それぞれのデュオは再び現場へ向かうのだった。
『さて、今度こそ攻略できるかな?ミッションスタート!』
『『変身!』』(道・景)
「おお…なかなか絵になるわね…」
(ミッチーが心配なのは変わらないけど)
「なかなかにフレキシブルな変身なんだ、トレーナーさん」
道長と景和も早速会敵し、臨戦態勢に。
それにしてもクラウンも言っているが、この2人の並んでのダブル変身、レアな感じでなかなか絵になるものである。
「おい! 勝手にやるなって、もう…!」
一方こちらは森魚/メリーとパンクジャック。
メリーがチェーンアレイでジャマトを攻撃し、続けて強烈な一撃を見舞おうとした瞬間、パンクジャックがジャマトへ体当たりし、不発。
- 148二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 15:56:20
『ALLOW VICTORY』
『ジャアアアッ⁉︎』
『…ジャジャァッ!』
『また復活した…。何で…?』
今回もまた景和/タイクーンが必殺技でトランプジャマトを撃破!かと思いきや、倒したはずのトランプジャマトはやはりすぐさま復活する
「…やっぱりそういうことかしら」
「クラちゃん、どういうこと?」
『これは神経衰弱ゲーム。ということは…まさか…!』
「今桜井トレーナーが言ったことがヒントよ、ダイヤ」
そしてクラウンは自身の予想が当たっていることをなんとなく確信し、ダイヤにそのヒントを与えるのだった。
『何ボーっと突っ立ってんだ?本気で勝つ気、あるのか!?』
「神経衰弱は2枚1組でしょ……あっ、つまり!」
「うん、ダイヤちゃんも分かったみたいだね」
「…僕たちのダンスの中身もそれ絡みなんだ」
そして彼女は閃き、同時に…
- 149二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:00:50
『神経衰弱ゲームといえば、攻略法はただ一つ』
『同じ柄のジャマトを2体同時に倒すこと!』(
「やっぱりそういうことね」
「トランプが肝だったんだ」
その答えも英寿と祢音により明かされる。分かってみれば単純明快なものだった。
『へ~んしん!』
『変身!』
『さあ。開幕からハイライトだ』(英寿)
『オッケー!それじゃ、ミュージックスタート!』(祢音)
「来たあ!」
「名付けてノラネコ大作戦…スタート、だね」
そして彼ら彼女らの短時間ジャマト攻略法、通称ノラネコ大作戦がスタートするのだった。
まずは英寿/ギーツがマグナムでトランプジャマトを攻撃し図柄を確認する。
『見切った!』
そしてブーストをここでセット
『フッ!』
高速移動で同じ柄のトランプジャマトにペイント弾でマーキングを次々と付けていく。
- 150二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:05:33
『ナーゴ。この2体がターゲットだ!』
『オッケー!ヤアーッ!』
『『ジャジャジャッ⁉︎』』
「上手い、上手いですトレーナーさん!」
「ダンスして良かったぁ…」
1体を祢音/ナーゴに任せ、もう1体は英寿/ギーツが攻撃。かと思えば彼女がジャンプし、彼がスライディングし、相手を交換。
澱みなく、されど軽快に、軽やかに進んでいく。
「ナーゴ。タイミングを合わせてフィニッシュだ!」
「合点承知!」
『MAGNUM TACTICAL BLAST 』
『CLAW VICTORY』
ノラネコの終盤メロディで息を合わせつつ
必殺技を同タイミングで叩き込む。
『『ジャアアアッ!!??』』
撃破完了である。
「やったー!」
「最速クリアだ」
「うん」
しかもどうやら最速クリア。流石のスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズっぷりと言うべきか。
- 151二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:06:44
「ッ…シュヴァルちゃん!」
「…うん!」
「「ノラネコ大作戦、だいっせいこお(大成功)〜〜!!」」
「2人とも嬉しそうだね」
「そりゃもう!」
「柄じゃないのは、分かってるけどね…♪」
釣られてキタサンとシュヴァルも思わずはしゃいではしゃいでにっこり笑顔。
ジャンルは違えどトレーニングの成果が出たときの楽しさをよく知る彼女たちなればこそなのだろう。
(…あの人が今回の件でストレスを溜め込んでないとは思えない)
「ミッチー…ごめんなさい皆、ちょっと部屋を空けるわ」
「あっクラさん⁉︎」
ただクラウンからしてみれば、今の英寿と祢音の活躍、その結末を以て道長が内心荒れていないわけがないだろうと確信できてしまった。
…なので脇目も振らず、モニタールームを飛び出したのだった。
- 152二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:23:01
- 153二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:23:45
「皆様が力を発揮できないのはくじ運のせいだとお思いですか?でしたら、ご案内がございます」
「ゲームの活動時間に応じて配られるデザイアマネーで、一度だけくじ引きをやり直せる、スペシャルくじ引き券が購入出来ます」
「ただし一枚につき二人まで使用可能。要は二人で一度ずつ使用可能ということです」
「えっ、嘘…! デュオ、替えたくないんだけど!」
「すでに獲得済みのスコアは個人の持ち点として、新しいデュオに引き継げるので、問題ありませんよ。もっとも、スコアゼロの方々には関係ありませんが…」
「⁉︎ ふざけやがって、情けなんていらねえよ!」
組み合わせをやり直す機会を与えられたはいいものの、あからさまに下手に見られたなら我慢できるはずもなく。
英寿の実力、自らの至らなさ、その他もろもろ腹に据えかねた道長は堪らずサロンを出ていくのだった。
- 154二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:26:12
- 155二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:28:05
「デュオを変えられるチャンス。お前ならどう使う?」
「…浮世トレーナーから聞いたわ。一枚につき二人、両人とも一度だけペアを交代できるチケットを提示されたそうね、ミッチー?」
「…チッ!」
「理不尽をぶっ潰すことに、浮世トレーナーに勝つことに貴方がずっとこだわってるのは分かる」
「…そんな貴方に惹かれた私もいるから」
「…でも、自分を見失わないで!」
「我ながら上手く言えないけど、ここで見境なくパートナーを変えてしまったら、貴方は絶対後悔するわ!」
そして自らのトレーナーを止めるべくクラウンは叫ぶ、思いのうちを。
漠然としていながら、決して良くないことになると強く囁く己が心に従って。
「うるせえ! ライダーは全員、敵だ。パートナーなんて誰だっていい!」
「ミッチー…ッ!」
がしかし。一時的とはいえ、怒りに支配されかけている彼、吾妻道長には弾き返され、己が無力さだけを思い知るのだった。
- 156二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:30:12
「…このゲーム、お前には向いてないかもな。無自覚に愛している者の言葉にさえ耳を傾けない、群れることを嫌う、孤高のバッファロー」
「黙れ、クラウンがいようがいまいが必ず突破してやる。俺が理想の世界を叶えれば、お前はもう終わりだ!」
英寿もそんなクラウンの非力さを、道長の未熟さを見かねたのか、いつもより露悪的に道長を挑発する。
「ハハハ…! つくづく興味深いな。多くを切り捨て過酷な戦いに身を投じてまで、お前が叶えたい世界とは?」
「俺がデザイアカードになんて書いたか知りたいか?お前みたいな奴をぶっ潰す事だ、ギーツ!!」
「それが、ミッチーの願いなの…?」
「ああ、全てのライダーをぶっ潰す力。それが俺が望んだ世界だ!」
そうして明かされた彼の願いはあの過去に濃く結びついたようなソレだった。
- 157二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:32:47
「徳にならない話はもう終わりだ!」
「クラウンはとっとと鑑賞室に引っ込んでろ!」
「じゃなきゃ2度と俺に関わるんじゃねえ!」
「ッ⁉︎ みっ、ちー…?」
「私、わた、しはぁ…!」
「ぁっ‥」
世界が真っ白になる、そんな感覚に近かった。
絶縁とも取れるような宣言をされた。
それが瞬間、彼女、サトノクラウンの胸にどれだけ響いたか。
「…」
(あの野郎…理由はどうあれ、担当ウマ娘を泣かせやがって)
(ここからどう動くつもりだ、バッファ)
そんなクラウンを見つめる英寿は道長への呆れと心配を彼なりに募らせていた
「お互い苦労するね。パートナーに恵まれないと」
「…そんなことで俺は負けない」
「強がるな青年。まだ勝ち筋はあるだろう?」
それから数分後、いつの間にか森魚はデュオ交代チャンス券をゲットし、場を離れた道長を誘惑していた。
チャンス券を見つめる道長、思わせぶりな笑顔を見せる森魚。
両者の狙いが、互いを捉え始めていた…
- 158二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:34:10
- 159二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:36:13
「1度だけデュオを替えられるチケット。しかも、俺なら狙ったくじを当てられる」
「ありえない」
「職業柄、手先が器用でね。指先の感覚だけで、くじの柄が分かるんだよ」
「何の職業だよ?」
「まあまあまあまあ、勝つためには手段を選んでらんないでしょう?」
(後を付けてみたら思った通りの手癖の悪さ。でも今の私が近づくのは…ごめんなさい、浮世トレーナー)
あの後、やはり道長を諦めきれずクラウンは後を付けていたのである。
しかし今すぐ特攻するのは今はまずいと判断したのか、先程サトノグループから届いた森魚の実態に関する報告を英寿に垂れ込むのだった。
「うう~美味しい!これギロリさんの手作り?」
「はい。喜んでいただいて幸いです」
「うう~無限に食べられる~」
祢音がギロリお手製のパフェを食べる一方で
英寿は自身のスマホに先程届いたある情報を一読していた。
(クラウン本人、あとはダイヤモンドづてでサトノグループ、ついでにキタから連絡が来た時は何事かと思ったが…なるほどな)
「──メリー。あんた只者じゃないとは思っていたが、ここまでとはな」
「何々?何見てんの?」
- 160二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:39:19
- 161二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:52:38
「み゛っ゛ち゛ぃ゛〜゛〜゛〜゛!!」
「ぼ、僕に泣き付かないでぇ…」
そんな頃、クラウンは自分の大好きな男に契約を切られたかもしれないという恐怖からなかなか見せないくらいに大泣きしていた。
抱きつかれているシュヴァルはただただ困り果てている。
「…ダイヤちゃんダイヤちゃん。クラさん、吾妻トレーナーに突き放されたんだって?」
「うん。らしいんだけど、それを見た浮世トレーナーは化かしただけだろみたいに言ってたから違うんじゃないかな」
「化かした…つまり敢えて突き放したってことかな」
「うん、だからわざとだと私は思ってる。今のクラちゃんは分からないけど」
キタサンとダイヤはそれを心配そうに、されど申し訳なさそうに見つめていた。まあ英寿がそう言ったなら、高い確率でそうなのだろう。そう思うしかなかった。
『皆さんにデュオ、交代のお知らせです』
「あっツムリさん!」
そんな中、第3ミッションに関する続報が流れた。
だが、それは──
- 162二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:55:07
- 163二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 17:14:56
「相変わらず気持ちだけはポジティブだね~景和君」
「僕だったら引きこもってますよ…」
(心配だなぁ…)
「うぅ…トレーナーさん、あの!」
「言わなくてもいい、これを返してやるか」
「えっ?返すの?」
そう、ブーストをどうやら英寿は返すつもりのようだ。なんの気まぐれ、というわけではなさそうである。
「元々タイクーンのだし、これがなかったせいで、脱落した~なんて、言われても困るしな」
「そうなった場合のダイヤモンドからの視線もああ怖い」
「むっ、私は別に浮世トレーナーを恨んだりはしません!」
「! ありがとう。これがあれば、絶対勝てる…!」
景和としても願ったり叶ったりなので、もちろんこれを快諾するのだった。
「ブーストバックルはヤバイよね~」
しかし森魚はこれを当然よく思わず、何やら画策し始めたのだった。
「……!」
そのさらに後方でサトノ家のご令嬢がハイライトの消えた目で見つめていることには気づかないまま
- 164二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 17:19:15
『普通、変身するまで待つでしょ! もう!』
『話聞いてる? どいて! 前にいると撃てないでしょ?』
「ああ、疲れた…。余裕って感じだね?もう、勝った気?」
メリーと組んだとき同様やはり自分勝手にしか戦わないのか、景和はパンクジャックの扱いに非常に困っていた。
「…お前も、くじを引き直せばいいだろ?」
「う~ん…、まあでも、周りに迷惑かけちゃうし。ほら、英寿君とか引いちゃったら、祢音ちゃんに悪いし。俺には性に合わないんだよ、他人を蹴落としてでも勝つってのが。他の人の幸せが、俺の幸せなんだ」
「ほんとはウマ娘のトレーナーをやれてること自体、奇跡みたいなものだと思ってるし」
「人のために自分が負けたら世話ねえな」
ただだからといって責任転嫁する気はなく。
その性格ゆえか道長の提案も敢えて蹴ってしまうのだった。
「相棒。ちょっと」
「ほら、手土産だ」
「どうした?これ」
そして案の定、森魚はそれを黙って見過ごしているわけもないわけで。
「ザ・お人好しの荷物からくすねてきたんだよ」
「タイクーンのか…これで、アイツの最下位も決まったようなもんだな」
そう、しれっとブーストレイズバックルをくすねてきていたのである。
- 165邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 18:45:13
- 166邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 18:48:44
- 167邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 18:52:30
「──ネコババしておいてよくもまあ」
「いでででで⁉︎」
「⁉︎ クラウン…」
なので激昂したクラウンが後を付けていたことにも気づかない。
「あ、あんたはサトノグループの⁉︎」
「こんなところまであの会社の連中追ってきやがったのか…ッ!!」
森魚としては恨まれるしかない一族出身の令嬢、それだけで冷や汗がどんどん湧いてくるのだった。
「別に突き出しはしないわよ、私は警察じゃないしプレイヤーでもないし運営でもないし観客止まり」
「今日は忠告に来てあげただけ」
「ち、忠告ぅ⁉︎」
忠告、しかしそれは…
「貴方が何をやろうと勝手だけど、仮にこの人、吾妻道長を貴方の破滅に巻き込むなら──なりふりなんて関係なく、地位だって迷わずフル活用して地の果てまで追い込んで徹底的に孤立させ弱らせてやるから覚悟なさい?」
「──貴方の人生の岐路っていう賽の目を、容赦なく握ってやるから」
「ヒッ!!??」
「うわああああああ!!」
実質の処刑宣言や奴隷宣言に近いものだったので森魚もビビりまくりである。
お金持ちのご令嬢なウマ娘をブチギレさせるとどうなるかかという良い例だった。
- 168邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:04:11
「クラウン、お前…」
「…ミッチー、ごめんなさい」
「──関係を切られるのは覚悟のうえよ、あくまで私の身勝手でやったことだから」
ただ、クラウンなりに覚悟を決めてさっきの行動を行なったらしく、その眼差しは悲壮感に満ちていた。
「それでも、貴方の生き方を歪ませたくなかった」
「貴方に疎まれたとしても──」
「! こいつ…」
「勝手なことしやがって」
「ッ…(あんなこと言ったくせに…つらい、な…)」
とはいえ内心は酷く道長に嫌われないか震えているようで。
ゆえに道長のそういう発言にもすぐ心を折りかけてしまう。
「よう、何の内緒話だ?」
「ギーツ!」「浮世トレーナー…」
だがそんな時、救いの神はいたのか。
英寿が歩いてくるのだった。
「デュオが入れ替わって、作戦どおりか?」
「言ったはずだ、パートナーなんて誰だっていい」
英寿が来たからか道長も食いついてくる。
- 169邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:05:53
- 170邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:07:05
(過去に開催されたグランプリ中のとあるミッションで他のライダーに変身した参加者2人にトゲッチ/今井透は生身でいたぶられていたらしい)
(トゲッチが落としたのはゾンビバックル)
『こいつはもらっといてやるよ』
『お前はここで終わりだ』
『『フハッハッハハハ…!!』』
『かっ、返せ!』
『『フハッハッハハハ…!!』』
『俺の…俺のバックルを…返せ…』
『『『『『ジャジャァ…!』』』』』
『うわああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ァァ!!??』
(トゲッチは無防備な状態でジャマトの襲撃に合い致命傷を負ってしまった。
そしてそこに当時はただの一般人でグランプリのことを知らないバッファが偶然居合わせたようだ)
『透!大丈夫か?しっかりしろ!』
『こんなはずじゃなかったんだ…デザイアグランプリで…』
(そしてトゲッチはバッファの手の中で消滅した。欠片も残さずな)
- 171邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:10:02
(そこへバッファに襲いかかろうとするジャマト2体がいた)
『『ジャジャァッ⁉︎』』
『ッお前は…⁉︎』
(が、それを駆け付けた俺が助けたってわけだ)
『こんな悲劇は忘れるに限る』
『はっ?』
『忘れてたまるか!』
「ミッチーに、そんな、過去が…っ⁉︎」
「私、わたし、分かってなかった…貴方がそんな、そんな苦しみを、悲劇を背負って生きてきたなんて…ッ!」
これを聞いたクラウンは当然、自分のほうを責めだす。道長を強く信頼していればこそ、そんな彼を理解することを放棄していたことが許せないのだろう。
「…あれは俺に取ってのターニングポイントだ。お前が気に病むことじゃねえ」
「でも、でm「お前はせいぜい俺の無事でも祈ってろ」…うん」
「…ごめん、なさい…」
「…早く行け」
そしてそんな担当にあーだこーだ言うほど吾妻道長という男も酷な人間ではない。早々にクラウンをモニタールームに帰してしまったのであった。
- 172邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:12:21
(…えらい落ち込みよう、思い詰めてなきゃいいが)
「…あの時は一般人だったお前が、デザイアグランプリの審査で選ばれた。仮面ライダーバッファになって」
「ああ、そうだ。いつまでもお前の思い通りにはさせない」
あの時の非力な若者は、いつまでもそうなんてことは絶対なく。
「負けないよ。誰かを当たり前に蹴落とさなきゃ勝てないような奴にはな。どんな逆境でも自分自身に負けない奴にこそ勝利の女神が微笑む」
「ギリシャの哲学者プラトンだって言っていた。自分に打ち勝つことがもっとも偉大な勝利であるとな」
「必ず勝ち抜いてみせる。お前らライダーを1人残らずぶっ潰すために!」
ゆえに、あの時以上の強い意志と眼差しで自らが越えるべき壁と定めた男に、そう宣言するのだった。
道長が書いたのは『全てのライダーをぶっ潰す力』だったのである。
- 173邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:15:43
『ダメだね』
『やっぱり、盗んだんでしょ!?』
『君達デュオには負けてらんないからね』
『バックル盗むなんて卑怯でしょ!』
そしてその後、そんな感じのやり取りを景和が森魚と繰り広げた結果…
「森魚さんがそんな感じなんで道長さん、俺のバックル返してください!」
「ふっ…! いいだろう。ただしゲームに勝ったらな」
結局ブーストを返してもらえないので相方の道長に提案、何かしらのゲームで勝利することを求められたのだった。
果たしてどんなゲームで対決するのか────
「「ビーチブースト対決ぅ⁉︎」」
「いや、何ですかそれ…?」
「砂浜に埋まったブーストレイズバックルをフラッグよろしく先に取ったほうが勝ちってゲームらしい、バッファ曰くな」
そういう雰囲気を壊すような、少し変わったゲームで勝負することになったのだった。
「なるほど、つまり名前に反してルールはそこまで元と変わってないんですね」
「ダイヤちゃん飲み込み早いね…あたしはちょっと混乱してる。これがデザグラクオリティ…」
「(僕もすぐ分かったって言えない雰囲気…)」
ただ景和の担当ゆえか、はたまた彼女自身の性格かダイヤはすぐ受け入れたようで、対してキタサンは少しばかり戸惑っていた。
ちなみにシュヴァルも理解はできているようである。
- 174邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:18:35
「なんでこんな事するんだよ!?」
「なんだよ。やっぱりタイクーンとクラウンにビビってんのか?」
「そっ、そんなわけねえだろ!」
そして森魚は今度は景和にビビっているのか、意味もなく道長にこのゲームを開催した理由を焦り気味に問うていた。
そして、ビーチブーストのカウントが始まる
「遠慮することないよ! 盗んだむこうが悪いんだから!」
「ぶちのめしてあげてください…!」
「祢音ちゃん、シュヴァルちゃん…」
森魚に情けかけようとか迷っていたのを見抜かれたのか、祢音とシュヴァルに気合い注入される景和だった。
「勝つ執念がないやつに、理想の世界はやってこない。まぁどっちが脱落しても俺には大差ないけどな」
「頑張ってくださーい、桜井トレーナぁ!」
英寿もキタサンも彼女なりに応援メッセージを送り、そして────
- 175邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:19:51
- 176邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:22:41
「…クラさん、大丈夫?」
「キタサン…そうね、ちょっと驚いちゃった」
なのでクラウンも出てくる。が、やはり少し落ち込んでいるようだ。
「私、あの人のこと分かってるつもりでいた」
「でも、それは誤解だった。今のミッチーを形作るほんとに大事な過去に、私は全く気づかずにいたんだもの…」
「そしてそれは、誰かの理不尽な死と結びつくものだった。とりわけ彼の友人の死だからなおのこと…」
「私はなんて無知だったんだろうって、何も知らないで漠然と彼を心配してたのかって…すぐ、後悔したの」
「クラちゃん…」
「クラウンさん…」
少しどころかわりとなようだ、これは心配である。
「──でも、だからこそ、驚きはしたけど真摯に受け止められたの」
「「「!」」」
────しかし、それさえ杞憂だった。
「今はもう、彼の勝利と無事をただひたすらに祈ってるわ」
「改めて私にずっとできることは、やっぱりそれしかないでしょうから」
(アレを仕込んであるという意味でも、ね)
彼女はこの短い時間で彼女なりに未熟な自分を、道長の過去を熟孝し、悩み、受け入れていたようだ。大したものである。
- 177邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:27:31
「クラさん…良゛か゛っ゛た゛よお!」
「これであとは吾妻トレーナーとトレーナーさんが勝てば解決だね!」
「…頑張ったね、クラウンさん」
「くっ苦しいわ! …でもふふ、ありがとうキタサン・ダイヤ・シュヴァル♪」
キタサンたちも歓喜し、クラウンの再起を祝うように3人で強く彼女を抱きしめ、そして──
『八景島シーパラダイスにてただ今よりミッションを再開いたします』
「「「「!」」」」
時を同じくして第3ミッション、その再開が正式に通達された。
今度の舞台は八景島シーパラダイスである。
「デートの邪魔とか、世界一悪いことだよ!」
「──ここから先は行かせない」
(頑張れ、祢音ちゃん!)
英寿・祢音は早くもトランプジャマトと戦闘を開始する。
- 178邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:30:03
「うぐっ…何のこれしき!」
「強がっちゃって! ブーストバックルがある限り、俺たちの勝ちは決まったようなもんなのにな。アーッハハハ!」
「…」
「森魚…全く懲りてないわね、この男!」
「クラちゃん、抑えて抑えて」
一方で森魚/メリーは近くで戦いだすも今の状況ゆえに早くも苦戦している景和を見下しつつ、こちらもジャマトに攻撃を開始するのだった。
もちろんクラウンは激おこである。
が、しかし
「おい、青年!どうした?」
「まだ負けだと…決まったわけじゃない!」
「ほら、トレーナーさんの気持ちは折れてないよ!」
「…そうみたいね」
(ならミッチー、あとは貴方があれを実行するだけね…)
「……」
景和/タイクーンは本当に諦めていない。どこまでも勝つという意志に満ちている。
そしてどうやら道長/バッファはそうして必死で戦う景和をなぜか見ているようだった。
- 179邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:32:39
「おいっ!突っ立ってないで、早く戦えや!」
「…ああ」
(…そろそろか)
(!)
「これは…好(ハオ=ヨシ)!」
そして何かを決めたのか道長はマスクの中で神妙な面持ちに、クラウンもそれを見抜いたようだ。
そして────
「はやk「舐めんな、クズが!」
「えっ?」
『SET』
『DUAL ON』 (DESTROY! CLASHOUT!) 『ZOMBIE & BOOST』 『READY FIGHT』
──その答え合わせか、ここでついに道長/バッファはブーストバックルを発動。
「おらあああああああ!!」
『ジャジャァァア⁉︎』
「! ミッチー!」
ゾンビブーストフォームとなり、猛ダッシュ。
メリーが戦っていたジャマトを横取りし、コンクリ地面に擦りつけながら、駆ける駆ける。
- 180邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:34:04
「待てよ!それは俺の獲物だ!」
『REVOLVE ON』
リボルブオンしブーストゾンビフォームとなると即座に必殺技を発動
同時に景和/タイクーンも必殺技の体勢に、あとは迷いなく────
『ZOMBIE BOOST GRAND VICTORY』
『ALLOW VICTORY』
『ジャジャァァアアアアアアア!!!???」
同時攻撃を決め、まさかのハートジャマトを同時撃破したのだった。
そして当然誰かに200ポイントが入る
────それは、道長と景和だった。
『はっ…!倒せたしポイントも入った…?』
『…何がどうなってんだ?』
当然景和も森魚も困惑するが、その答えを持ってかそこへツムリが現れた。
『デュオ交代のお知らせです。先ほど吾妻道長様がくじ引きし、バッファ、タイクーンのデュオが決まりました』
- 181邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:35:18
『はああ~⁉︎』
『ええ…?』
その答えに森魚は驚愕し、ついでに祢音も驚いてみせる。
まだこっちは戦闘中だった。
バッファ&タイクーンのデュオにスコア200ポイントが入った、それも道長がチケットを使って変更したがゆえに。
『もしかして…俺を助けてくれたの?』
『勘違いするな。たまたま引いたのがお前だっただけだ』
『パートナーは誰でも良かった。ただあんな奴は残しても厄介。排除すべきと思っただけだ』
果たしていつの間にチケットを手に入れていたのか疑問ではあるがその前に…
「おい、裏切ったな!ブーストバックルを返せ!」
森魚は当然道長を問い詰めるが、しかし…
「身から出た錆だろ」
「は?」
これはどういうことか、実は経緯は少し前に遡る。
- 182邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:45:43
『こいつは…(使用済みのチケット。制限は2回、ただし1人につき一回しか使えず、そして一回購入して使用しちまえば残り一回は購入者以外でも使用できる)』
(クラウン…あいつ、余計なお節介を。誰に似やがったんだか)
(こいつはありがたく使わせてもらう)
『お前がクラウンに咎められた時にチケットを落とした。クラウンはそれに気づき掴んでしまい、そのあと俺に渡した。俺はそれをさっき使用した』
『それだけだが?』
『はっ、ハアアアアア⁉︎』
どうやら、道長は彼の過去を英寿が語る少し前に森魚が落としたチケットを見逃さなかったなかクラウンからゲットしていたようだ。
「「「うええっ⁉︎」」」
「くっクラさん⁉︎」
「──生憎と、今の私はお嬢様らしくないなりふり構わなさ、マジックやお芝居が上手いことに自信があるのよ♪」
(まあ、あの時心配だったのは本当だけど)
手癖の悪さでトレーナーを巻き込むからにはこちらもある意味手癖の悪さで返す、彼女なりの森魚への意思表示だった
- 183邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:47:03
「ふぇっ、たっ、たまげたあ〜⁉︎」
『ふざけんな、手癖が悪いのはどっちだよ!!』
ただ森魚はたまったものではないので激昂する。が…
『──勘違いしてんじゃねえぞ!!』
『ヒッ⁉︎』
『勝つためには相手を巧みに利用し正々堂々手段を選ばない。これが俺とあいつ、吾妻道長とその担当であるサトノクラウンの今のやり方だ』
『──手癖が悪いって文句があるならまずはてめえの小細工なしの実力で俺たちを、タイクーンを正々堂々見返してから言いやがれ、このコソ泥が!!』
『うひぃッ⁉︎』
道長がそれを一喝のもと黙らせる。
どうやらこの男、担当ウマ娘ともどもなかなかに強かというか泥臭く勝ちに貪欲なようである。それでいて他者の強さを確かに認めている。
──ならその意味で、ただ相手を見下し蹴落とすだけしか脳がない森魚と絶対的に近いようで交わらない、光の道を彼と彼女は歩いているということなのだろう。
『道長さん…』
- 184邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:48:34
「…私、クラちゃんの幼馴染で親戚なこと、貴方の担当が吾妻トレーナーであること、一緒のチームなことを誇りに思うよ」
「そう? ありがとっ♪」
「…あたしたち、レースでもそれ以外でも凄い子と同期なんだなぁ…」
「僕も、そう思う…」
「あっ飛んでっちゃった…」
その裏でキタサンやダイヤがクラウンを誇りに思うなか、ブーストは1度使ったからか例によって、景和を離れてどこかへ飛んで行ってしまうのだった。
「他者を認めつつ、それを上回るためのなりふり構わなさが似たトレーナーとウマ娘、か」
「うん」
「ふっ、手強いプレイヤーが残っちまいそうだな!」
「レースでもデザイアグランプリでも負けてられないね!」
そして英寿/ギーツと祢音/ナーゴも道長とクラウンの覚悟を思い知り、認め、ゆえにその意志表示か…
- 185邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 19:58:46
『SET』
『DUAL ON』 『MAGNUM ARMED HUMMER』 『READY FIGHT』
『REVOLVE ON』
今度は自分たちの番だと
英寿は祢音からアームドハンマーを借り、セットしマグナムフォーム アームドハンマーと思いきや、リボルブオンし、アームドハンマーマグナムへチェンジ。
『さあ──ここからがハイライトだ!』
このミッションという祭のハイライトを演出しにかかる。
「トレーナーさんの決め台詞、来たあ!!」
「ならこのあとは──
『MAGNUM HUMMER VICTORY』
『CLAW VICTORY』
『『ハアアアアア(やあああああ)ッ!!!』』
レイズハンマーで祢音/ナーゴを打ち上げ、キックと同時にリボルバー型のエネルギーを込めて、強力な射撃を発射。
そして祢音が必殺の斬撃を2体に喰らわせ、そこへダメ押しとばかりに英寿/ギーツはマグナムシューター40X・ライフルモードによる狙撃をぶちかます。
『『『『ジャジャァアアアアアアッ!!??』』』』
「決まりね!」
クラウンが物語ったように4体のジャマトを同時撃破に成功した瞬間だった。
- 186邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 20:05:13
『ミッション、コンプリートです』
『終わったぁ~』
『皆さん、お疲れ様でした。連れ去られたカップルも無事解放されました』
『よかったあ…』
「それではスコアの発表です」
『1位 ギーツ、ナーゴデュオ』
『2位 タイクーン、バッファデュオ』
『最下位 メリー、パンクジャックデュオ』
「「「「!」」」」
「「「「…やったあっ!!」」」」
そしてゆえにミッションの結果は出され、それはつまり…
『というわけで、メリーさんはここで脱落です』
『こんなはずじゃ…』
小金屋森魚の脱落が決まったことを意味していた。
『お前の手癖の悪さが招いた結果だ』
『どんな悪どい手を使っても、誰かを貶めるなら、勝てないなら無意味だ』
『! くそぉっ、お前ら覚えてろよ! 次会ったら容赦しねぇからなっ!』
どうしても認められないのか、チンピラ染みた口調の本性を晒け出し脅迫めいた恨み節をぶつける。最後っ屁のつもりなのだろう。
- 187邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 20:06:30
『何なのこの人…怖っ…』
『安心しろ。コイツに次なんてない』
しかし、それだけ。すぐに森魚はデータとなってデザイアエリアから消失した。
「小金屋森魚様は仮面ライダー失格となります」
「ッ、また消滅…?」
「いえ、違うわシュヴァル」
『あの…失格って、何処に行ったんですか?』
『普通の生活にお戻りになりました』
ただ、死んだわけではなく。
「つまり、ただ負けただけなら記憶が失われるだけってことよ」
「そ。コソ泥人生に戻っただけ。今まで通りサトノや違法カジノから追われる身よ」
「…良かったって言うべきなのかな…?」
「彼は元より犯罪者。警察に追われる日々に戻るだけなので良いことかと」
そう、彼女らが語るようにデザイアグランプリに関する記憶を喪失しただけ。そのまま消滅するわけでは決してない
その意味で言えば2回戦で消えた奏斗も普通の生活に戻っている可能性はあるのだろう。
- 188邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 20:07:47
『…クラウン!』
「过错、何?」
「!」
「! ふふっ、もうミッチーったら…はいっ!」
ミッション後、まだ中継が繋がっていたからか道長は今回の件の感謝を込めて画面越しにクラウンに力強くサムズアップ。
これを見たクラウンもその微笑ましさに、また今回の件を通して自分と彼の仲が深まったことに喜びつつ、とびきりのサムズアップをとびきりの笑顔と共に決めたのだった。
『『ひゅー熱いねえ!』』
『そんなんじゃねえ!』
「今さらだけど強い信頼関係で結ばれてるんだね、吾妻トレーナーとクラちゃんは!」
「そうよ、もう1年以上ずっとね♪」
「ん?」
(誰かしら…ってこの人は⁉︎)
そんな折、クラウンのスパイダーフォンにある人物から連絡が届いたのだった…
- 189邂逅Ⅳ→Ⅴ23/10/26(木) 20:10:11
「今期のデザ神決定も近いようです」
「この世界も終わりが近づいてきたか」
「はい。恐ろしい力を持つ、ラスボスジャマトの存在が観測されました」
「世界を守れるか?仮面ライダー諸君」
──そしてこれらの裏で、世界を揺るがす脅威が誕生しつつあることをまだこの二人以外は知らない
時間は経ち、それから数時間後。クラウンはデザイア神殿の一角にいた。えらく近代的な部屋である。
意を決して入るとそこには────
「…」
(まさか、この人が関わっているなんて)
「失礼します」
「⁉︎…まさか、貴方もいるなんてね…」
「いやでも、それもそうかしら」
「…ニラムトレーナーにドゥラメンテ」
「…久しぶりだな、サトノクラウン」
「や、待っていたよサトノクラウン」
「お時間を少々拝借させてもらうがよろしく」
──自分がよく知るトレーナーとウマ娘が、こちらを見つめていたのだった
-FIN-
- 190二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 20:23:23
原作よりもかなり早いニラムの登場...一体この先どうなることやら...
- 191二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 20:42:57
このストーリーに毎度楽しませて頂いている上で一言申し上げますと、これは流石にやり過ぎではないかと。
「自分の考えた話を誰かと共有したい」という思いは理解しているつもりですし、それを悪だと断じるつもりもありません。
しかし、"仮面ライダー全体とウマ娘のクロスオーバーを語るスレ"内で、"仮面ライダーギーツとキタサン世代のみとのクロスオーバーSS"を限られたレス数の4分の1強を一人で潰してまで載せるという行為は些か周りのことを考えず、自己中心的な一種の荒らし行為に分類されてしまうのではないかと思います。何のために長編SSを書く際にtelegraphが推奨されているのかを今一度考え直してみてください。
私にはまだ語りたいことや語れる要素があると信じていたので残っていましたが、この様な行為が歓迎されている以上私ももう楽しく語れそうにありません。大胆なレス消費を何度もされると他の方は萎縮してしまい、ここの人口を更に減らす一助になっています。
私の言葉がどこまで届くかは分かりませんが、今回はダメでももしまた同じようなクロススレが立った際には、是非とも私の感想を思い出していたたければと思います。 - 192二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:06:43
- 193スレ主23/10/26(木) 21:27:03
- 194スレ主23/10/26(木) 21:31:13
- 195二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 21:44:09
- 196スレ主23/10/26(木) 22:02:56
- 197二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 22:09:24
乙!
- 198二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 22:09:45
- 199二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 07:21:46
遅レスですがスレ主さん、やらかしてしまったけど次からはしないようにしてもらえれば大丈夫ですよ
応援してますんで - 200二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 07:25:14