- 1イッチ23/10/25(水) 21:17:18
前スレ
【閲覧注意】白宝ラノベ! Re:start 5|あにまん掲示板パート5!初代スレ超え!ハピエン目指して頑張ります!レス、感想、安価など非常に嬉しいです!今回もどうかよろしくお願いします!bbs.animanch.com初代最終スレ
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感想、レス、安価、ハートなどいつもありがとうございます!今回も是非お付き合いいただけると幸いです!
- 2イッチ23/10/25(水) 21:18:42
初代読み返したら色々と平和で健全で泣きそうになった、あんな感じに戻れたらいいな
- 3イッチ23/10/25(水) 21:22:42
『でも今まほう使えないんだよね』
(そこが厄介なんだよなぁ、どーすっか)
『ふーいん、とけない?』
(一応ずっと試してはいるんだけどな)
離れる、といっても最大の武器である魔力が封じられてしまっていてはそれも不可能に近い。この問題をどう解決しようかと頭を悩ませていると
ドタドタドタッ!ガタン!
走る音と共にキッチンのドアが開く。そこでは息を切らしたナギが青い顔をしてレオを見ていた。途中壁にぶつかった様な音が聞こえたが大丈夫だろうか
ナギ「レオ…!!」
勢い良く抱きつかれ、危うく倒れるところだった。足を踏ん張って何とか耐える
レオ「ど、どした?悪い夢でも見たのか?」
ナギ「それはもう慣れた……こんなとこで何してるの、起きたらレオが居なくて心臓止まっちゃうかと思った」
レオ「不死身が何言ってんだよ」
小刻みに震えるナギの肩を抱きしめ返すと、不規則だった呼吸が徐々に落ち着いてきた。相当不安にさせてしまったらしい - 4イッチ23/10/25(水) 21:24:06
レオ「お前もそろそろ慣れてくれないとな」
ナギ「何に?」
レオ「こっちの話」
きょとんと首を傾げたナギの頭を撫でる。図体はデカいクセに、こういう些細な仕草がいちいち愛らしくて嫌になるのだ。離れがたいと思ってしまうから
ナギ「ねぇレオ、今日は月が綺麗だね」
レオ「ああ、晴れてたもんな」
小窓から僅かに見える月を見上げ、しみじみ呟く。見事な満月だ、もう少し近くで見てみたい
レオ「目が覚めちゃったし、月見でもするか?」
ナギ「お酒はダメだよ」
レオ「バカ、見るだけだっつの」
腰に回っていたナギの手をそっと取る。拒否されないのは合意の証だろう、玄関から外に出て、二人は高台を目指した
そして辿り着いた丘の上、鬼の郷を一望できるそこには木もあまり生えておらず、絶好の月見場所であった。そういえば何人かの子鬼がここではしゃいでいた気がする
ナギ「夜中に月見って、なんだかデートみたい」
レオ「そうだな」
ナギ「……えっ」
確かに傍から見れば逢引している様に見えるだろうと合意すると、その答えが意外だったようで驚いた声を出された - 5二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:41:28
待ってました!月見デートだ…
- 6イッチ23/10/25(水) 21:46:00
並んで座り、月を見上げる
レオ「俺、月って好きだなぁ」
ナギ「どうして?」
レオ「綺麗だし、白いからナギに似てる」
眩い白に目を細めていると、繋いだ手を軽く引かれた。視線をやると、ナギが何やら真剣な表情でこちらをじっと見つめている
ナギ「俺も、菫とか太陽とか好きだよ。レオに似てるから」
レオ「菫は紫色だから分かるけど、太陽って」
ナギ「知ってる?レオの目って凄くキラキラしてるんだよ」
レオ「ぶはっ!ちょ…やめろよ急に!キラキラって大袈裟だなぁ」
思わず吹き出してしまったレオ、それを咎めるように一際強く手を握られ、慌てて口を閉じる
ナギ「本当なんだってば、聞いて」
レオ「は、はい」
ナギ「あの路地裏でレオが助けてくれた日から、レオはずっと俺の特別なんだ」
「行くあても帰る場所も無いこの世界で、レオが俺を見つけてくれた」
「レオのおかげで俺は今生きてる。レオが救ったこの命を、レオの為に使いたいって思ってるよ」
「だからお願い、これからもずっと一緒に居て」 - 7イッチ23/10/25(水) 21:48:11
濁りのないまっさらな言葉を惜しみなく贈られたレオは、最後に言われたお願いに頷けずにいた。
かといって、拒否する言葉も出てこない。真正面から傷付ける事など出来はしないのだ
肯定も否定もしない代わりに、レオもナギへの想いを綴る
レオ「俺だってナギに何度も救われてるんだ」
「お前と居る時だけ、人としての自分が認められているような気がした」
「いつだって助けてくれて、守ってくれて、何度も心を救ってくれた」
「俺にとってお前は……どこまでも特別な宝物で、大切な家族で」
「だから、俺もずっと一緒に居られたらって、そう願ってて」
喉の奥が締まり、言葉が詰まる
言いながら自覚していったのだ、どれほどレオにとってナギが特別な存在なのかを
胸の奥で燻る二つの魂は今、ナギへの思いを通じて一瞬だけ一つになりかかっていた
そうか、やっぱお前も
レオ「ナギが、好きなんだ」 - 8イッチ23/10/25(水) 21:48:59
うっかり告白したレオといきなり告白されたナギの反応を>>11までお願いします!
- 9二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 21:58:17
びっくりしたように目を見開いて固まる。
それに対しておーいどうしたー?とレオが声をかけたら、次の瞬間、真珠のように丸い涙が凪の頬を伝った。 - 10二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:29:55
「???」する。
暫くして告白されたと気づいて笑顔(凪の中では)で返事を返す - 11二次元好きの匿名さん23/10/25(水) 22:56:47
びっくりした後じわじわ実感か湧いて来て笑みがこぼれる
- 12イッチ23/10/25(水) 23:17:39
ありがとうございます!
レオ側の反応はどうなんやろ
dice1d3=2 (2)
- 13イッチ23/10/26(木) 07:42:07
滔々とナギへの気持ちを語るレオの言葉に一心に耳を傾けていたら急に好きと言われた。
最初は言葉の意味が分からず、すきと読みが振られる漢字がぐるぐると頭の中を回ったが、一泊置いてその言葉の意味へと脳が辿り着く
すき、好き?
レオが俺を、好きと言った??
ナギ「俺も!!!!!」
レオ「うわっ!?」
ナギ「俺も好き、レオが好き!大好き!」
レオ「は、はぁ?急になに…あっ」
ハッとしたように口元を抑えるレオ。その顔は明らかに「しまった」といった表情をしていたが、舞い上がるような気持ちのナギはそれに気が付かなかった
ナギ「嬉しい…!そうじゃないかとは思ってたけど、やっぱり両思いだったんだね」
レオ「待って、タンマ、ステイ、落ち着こう」
ナギ「今日から恋人って事で良いんだよね、うわ、ごめんほっぺが緩む」
レオ「確かにちょっと口角が上がってる、珍しい…じゃなくて今のは」
ナギ「凄いよレオ、夜空がさっきの何倍も輝いて見える。幸せって世界を綺麗にするんだね」
子どもの様に無邪気に喜ぶナギに、レオはそれ以上何も言う事が出来なかった - 14イッチ23/10/26(木) 07:43:21
『なにしてるの!?なんで今コクハク!?』
(違っ、アレは…待てよあの時俺とお前は半々だったろうが!俺一人の責任じゃねーし!)
『うっ』
(いや俺一人だったらあんなヘマはしなかったね、100パーお前が悪い)
『そんな!だってあんたがあんなふうにきもちを伝えるから!ぼくは今までナギが好きだなんて気付いてなかったのに!』
(うるせー!どう考えても脳みそ溶けてる状態異常のお前に責任があんだよ!)
『ぼくだってなりたくてこんなんになってる訳じゃないもん…』
(……俺も悪かったよ、3割くらい)
『いじっぱり。ねぇどうするの、あんなに喜んでるよ、辛くなるばっかりじゃんか』
(うぅ……)
『もう引っこむけど、まぁ…がんばってね』
(あっ逃げるなオイ!) - 15イッチ23/10/26(木) 07:44:45
周囲の反応を>>18までお願いします!
- 16二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 13:09:43
微笑ましく思って見守ってる
- 17二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 13:50:37
娘が嫁に行く気分のヨイチ
- 18二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 15:58:01
ショックを受けるが「似合ってるな」と思うヨハネ
- 19二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 16:06:27
間に合わないけど
「ボクもレオとナギが好き、大好き!」のネコありそう - 20イッチ23/10/26(木) 19:58:17
ありがとうございます!
おおむね祝福ムード!お義父さんヨイチ懐かしいなオイあとネコが可愛い - 21イッチ23/10/26(木) 22:05:43
翌朝
結局レオは一睡もできず、リビングのソファでナギに膝枕して夜を明かした
起きてきた皆はその様子に驚き何があったのかを聞いてきたが、どう返事をしたらいいのかと言葉に迷う。そうしていると膝の上の白いふわふわ頭が微かに動き
ナギ「俺とレオ、恋人になったからヨロシク」
ねむたげに、しかしハッキリと言い放って再び眠りについたのだった。
ワンテンポ遅れて「「えっ!??」」と衝撃を受けた声が部屋に響く
ヨイチ「そうかやっと…!凄く嬉しいよ、おめでとう」
ネコ「わーいやったー!でもいつの間に?どうせなら見届けたかったなぁ」
瞳を潤ませてウンウンと頷くヨイチ、そしてわざわざ人間に変化してまで祝の言葉を贈ってくれるネコ。ここまで喜ばれてしまってはますますレオの後ろめたさが深まる
ヨハネ「ずっと見ておったのだ、お主の視線の先に誰が居るかなど、とうに気付いておったよ」
レオ「……うん」
ヨハネ「悔しいがよく似合っておる、心からの祝福を二人へ捧げよう」
レオ「お前は」
ヨハネ「案ずるでない、我はこれでも数百年生きておるのだ、自分の律し方は分かっている」
ヨハネ「それに多重婚には寛容な方なのじゃ」
レオ「はあっ!???」 - 22イッチ23/10/26(木) 22:07:20
早朝にも関わらず、鬼達は畑を耕したり木材を切ったり狩りに出掛けたりと忙しく過ごしていた。そんな彼らにテンションが爆上がりした猫によって付き合う事になったと情報が駆け巡り、彼らは手に付けていた仕事をほっぽり出して宴の準備をしだす
どれだけ彼らが一行に心を許しているかが分かる……いや、単に騒ぎたいだけなのかも知れないが。とにかく祝おうと意気込む彼らをヨイチが鶴の一声で止めた
ヨイチ「色々と苦労があった末に結ばれたんだ、暫くそっとしてくれないか」
鬼「うっす、分かりました」
鬼「無責任に騒ごうとしてすみません」
鬼「また今度祝の席を用意します」
頭領「オラお前ら!武神様に迷惑かけんじゃねぇ!とっとと仕事に戻るぞ!」
鬼「誰よりお頭が浮かれてたクセに」
頭領「返事ぃ!!」
鬼「「「はいっ!」」」
共に酒を酌み交わした間柄だからか当初より気安く接してはくれるが、敬意は健在のようだ。それ程までに鬼にとって力というのは絶対的なものなのである
ヨイチ「俺からも何か祝ってあげたいな」 - 23イッチ23/10/26(木) 22:09:45
>>26まで贈り物やお祝いムードの程度、それからレオの葛藤などアイデアをお願いします!
- 24二次元好きの匿名さん23/10/26(木) 23:34:23
2人の写真を勝手に祀って鬼たちだけでお祭り騒ぎ
- 25二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 00:14:53
贈り物代わりか何故か豪華になっているご飯
- 26二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 02:30:50
どっちのレオもナギと結ばれたことが嬉しい分、縛りたくない。
だけど、レオから離れようとすると大きく傷つくナギを知ってるからこそ、悩んでいる。
世界のどこを探したってないナギを傷つけず離れる方法を模索し始める。 - 27イッチ23/10/27(金) 07:08:56
ありがとうございます!
鬼ちゃんズ可愛いな
あと26さんのめっちゃ好き特に 世界のどこを探したってない がどストライク
丸々パクるかも知れませんご了承下さい
というか一回失敗するんだよね?
どうやって逃げるのdice1d4=2 (2)
1:鬼の誰かに協力してもらう
2:精霊ちゃんリターンズ
3:シロ
4:安価
- 28二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 17:29:32
精霊ちゃん
- 29イッチ23/10/27(金) 20:50:19
ようやくナギがレオのふとももを解放した頃、鬼達が朝食を持ってやって来た。自分たちで用意すると言ったのだが、大事なお客様だからと断られてしまったのである
問題は運ばれてきた料理なのだが
ヨイチ「明らかに朝ごはんの量じゃないね」
ヨハネ「うむ、この人数ではとても食べ切るなど無理だな」
ナギ「肉ばっか…胃もたれしそう」
豪奢な皿に盛られた果物は艶があり、野菜一つとっても瑞々しく光を反射する新鮮なものだった。そして何よりドーンと置かれた巨大な肉。存在感が桁違いである
明らかに祝う目的の料理を見て気まずそうにそろそろとその場を離れようとする仔猫。その首根っこをしっかり捕まえ、レオは憤怒の表情でネコを叱った
レオ「お前だな?お前だろ?絶対にお前が広めたんだろ?」
ネコ「ウニャ…」
ナギ「いいじゃん何でそんなに怒るの」
もはや背後霊の様に引っ付いているナギを背中に乗せながらレオは振り返る
レオ「…だって照れる、あいつら無駄に盛り上がるだろうしさ」
嘘である、これで鬼に協力してもらって外に出る作戦が潰えてしまった事に憤りを覚えていた。流石に恋人の片割れが夜逃げの手伝いなど頼んだらいくら気の良い彼らも訝しむだろう - 30イッチ23/10/27(金) 21:01:23
食べるのが面倒だと駄々をこねるナギの為に料理を一口サイズに切って運ぶ。
あーんと開いた口にフォークを差し出して食べさせていると、何だか小鳥に餌をやっているような気分になって面白い
小さく笑ったレオを首を傾げて見つめてくる、その表情が可愛らしくて愛おしかった
ナギが好き。仕草一つが視線を惹きつけて離さない。心底惚れている。
うっかりの事故とはいえ、想いが通じ合った事は心から嬉しかったのだ。レオ自身あの時初めてナギが恋愛として好いてくれていることを知り、その夜ほんの少し泣いてしまった
正直に言うと迷っている
きっとこのまま姿を消してしまったら、愛しい恋人を深く傷付けてしまうだろう
だが今のまま共にいたところで彼に、彼らに苦労を強いてしまうのも耐え難い事実であった
過去に遡ってまで自分を助けに来てくれたナギの手を取るべきだと頭では分かっている。どう足掻こうと彼はレオを諦めてはくれないだろう、その思いはレオにとってあまりに幸せで、それでいて真綿で首を絞めるような、何処までも純粋な毒であった
───でも、方法が無い訳ではない
一つだけ、誰も傷付けず消えてしまえる術はある。だがそれはあまりにも……
いいや、それで良い
何より大切な家族の為なのだから - 31二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 21:11:37
何しようとしてるの…???
- 32イッチ23/10/27(金) 21:56:53
穏やかな昼下り
好奇心旺盛なネコとヨハネは鬼達の仕事を見学しに行き、ヨイチはその見張りとして二人について行った。
結果、屋敷にはナギとレオの二人だけ。
リビングに置いてある無駄に大きなソファに身を沈め、互いの体温を感じる距離で、何でもない話を繰り返す
「俺達の肖像画飾られてたの、見た?」
「見た見た、めっちゃ恥ずかしかった」
「鬼ってクールでニヒルなイメージあったけどそんなことないんだね」
「でも好きだなぁ、楽しいから」
「…俺だってやろうと思えば楽しい事できる」
「えっなに妬いた?かわいーなーもー」
「わぁ髪ぐしゃぐしゃにしないで」
「いっつもテキトーなクセに」
「レオは毎日サラサラだよね」
「ちゃんとしてるからな」
「好きだよ」
「俺はもっと好きだ」
低く柔らかい声を忘れない様に聴き入る
揺れる髪の感触を忘れない様に触れる
その瞳の美しさを忘れない様に焼き付ける
この幸せを永劫に忘れない様に願う
「ねぇレオ、どうして泣いてるの」
「そんな顔すんな、ただの嬉し涙だよ」 - 33イッチ23/10/27(金) 22:21:24
さて、夜になって再び盛大な宴が開かれた訳だが、鬼達は総員「まだそういう関係じゃなかったのかよ!」という意見で一致していた
ナギ「え、俺達ってそう見えたの?」
レオ「そりゃあんなに近かったらな」
ヨハネ「今も近いぞ、食事の時位離れんか」
当たり前のように肩と肩をくっつけて寄り添う二人。一目見た時からただならぬ関係だろうと皆して察していたようだ
大量の酒を飲んでも薄い桃色にしかならなかったレオの顔が耳まで赤く染まる。
思い返せば本当に随分と大胆な距離感だったと実感したのだ。
何千歳も年下の男に横抱きにされていたなんて、と顔を抑えて恥じ入るレオに
ナギ「俺は気にしてないよ」
とフォローになってないフォローが入り、軽く背中を叩く。大袈裟に痛がるナギと、それを見て大笑いし盛り上がる鬼達
嬉しそうに目を細めて見守ってくれているヨイチや、膝の上で丸まっているネコ
ああ、本当になんて都合の良い
夢の様な時間だろう
皆が大好きだ
幸せになってほしい
これで最後にするから
あと少しだけ
このまま - 34イッチ23/10/27(金) 22:33:00
深夜
上半身を起こし、隣のナギが寝ている事を確認する
他の皆は別室で寝床を新たに用意してそこで眠っている。気にしなくて良いのに、と思ったが今は好都合だった
陶器のような肌を撫でる。
悪夢を見ているのだろう、少し眉を寄せて苦しそうな寝息を立てるナギを見ていると胸が痛む
大丈夫、そんな夢は今日限りでおさらばだ
窓の外に視線をやると、小さな光達が不安げにこちらを覗き込んでいた。
おいでとジェスチャーをすると、10の精霊はふわふわとレオの元へ集まって来る
今からする事は彼らと、そしてもう一人の協力が必要不可欠になる
(いいか?)
『うん、かくごはできてるよ』
(別にお前が消える訳じゃ無い、元の場所に戻るだけだ。お前は俺になるけど、俺だってお前になる)
『そんなの分かってるし』
(ハッ!生意気)
『あんたに言われたくないね』 - 35イッチ23/10/27(金) 22:43:24
バラバラだった二つの魂が一つに重なる
それと同時に、情報としてしか知らなかった”今のレオ"の感じてきたものが実感として湧いてくる。きっと向こうも同じだろう、いや、情報量は圧倒的にあっちの方が上だから混乱してるかもしれないな
レオがナギの封印に太刀打ちできなかった原因は、おそらく魂が不完全だったせいだろう。元々の魔力量はこちらの方が上なのだ、破れない方がおかしい
だが、魔法を使える様になるにはもう一つ段階を踏まなければならない
精霊達に合図し、教えた魔法を展開してもらう
この郷を全て包み込むほどの深い眠りの魔法と、解除魔法
外からのアクションが無ければ魂が完璧になっても封印を解くのに時間が掛かる。
遅いと駄目なのだ、決心が鈍るから
手のひらをぐぐっと握り、久しぶりの魔力の感触を確かめる。
あの頃と同じ膨大な魔力だ
これならきっといけるだろう
皆に、自分を忘れてもらえる - 36イッチ23/10/27(金) 22:56:44
忘却魔法
初歩的な魔法だが、その記憶が相手にとって深く大切なものほど消す事は難しい
何より掛ける相手に天才魔法使いと大精霊が含まれているのだ、例え元の力が戻ったとしてもレオ一人じゃ記憶の消去は不可能だったろう
だから、精霊達に力を借りるのだ
レオ「これが終わったら、お前達にも俺を忘れて貰わないとな」
虹色の精霊達に聞こえないよう独り言を呟く
彼らはチカチカと点滅しながら、「本当に良いのか?」と躊躇いながらも魔力を贈ってくれた
本当に、どうしてこんな自分が関わるモノたちとの縁に恵まれているのだろう。
ただ偶然相性が良かっただけの精霊でさえ、思いやりを持って接してくれる
恨まずにはいられなかった
切らなければならないならこんなに大切な縁など要らなかったのに
でも、忘れないよ
俺だけはちゃんと覚えていよう
隣で眠る思い人へ
これが最後だと口付けをした
「───愛してる」 - 37イッチ23/10/27(金) 22:57:41
>>40まで
この後の展開のアイデアをお願いします
- 38二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 22:59:24
このレスは削除されています
- 39イッチ23/10/27(金) 23:07:04
- 40二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:08:13
- 41二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:32:38
なにか大事なものがなくなって心に穴が空いたような気分のナギ達と
これで皆のことを傷つけてしまうことなくなると安心しつつ寂しさや未練で複雑なレオ - 42二次元好きの匿名さん23/10/27(金) 23:51:39
レオは二度と誰かに被害が行かないよう人間には絶対見つからない自分を封印出来る場所を探す
同じ失敗はしないと凪達の動向に細心の注意を払って万が一見つかっても解く方法が無いと言われている封印方法で永遠の眠りにつく
皆と離れて安心してるので皆には心底申し訳ないと思っているけど目的あるからそれに集中してる
凪達は綺麗に忘れてるしおぼろげに何か大切な物があったような不思議な感じがするくらいで思い出すのには時間がかかる
レオと精霊の魔力と想い全振りなのでかなり忘却魔法が強かったし凪には別れのキスのダメ押しで忘却魔法効きにくかったのにこのキスのお陰ですごい効果が出てしまったみたいな
ちょっと>>40さんと被ったけどどこかがスレ主さんの参考になれば幸いです
- 43二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 00:09:08
レオのことが大事すぎて忘れたくないと抵抗する内側の凪が生まれる。
凪はレオがこんなことをしなきゃいけない世界が嫌いなので軽率に世界を滅ぼそうとする。世界が滅びれば玲王を嫌う全ての人がいなくなるから幸せだと思ってる。
ナギはなんで凪が生まれたのかわからないけど、きっと空っぽになった愛の器をくれた人はこんなことを望まないだろうと
何もわからないまま凪に抵抗する。
ナギは凪に対抗しようとするので今度は深く眠りすぎてしまう…
すごい趣味を入れてしまった… - 44二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 09:23:44
ナギ、ヨイチ、ネコは、前のように家族になる。
だけど時々どんな経緯で自分たちが出会ったかわからなくなる…みたいな - 45二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 10:47:40
- 46二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 10:47:47
- 47イッチ23/10/28(土) 14:29:32
- 48イッチ23/10/28(土) 19:28:59
殺意マシマシ凪くん生まれた!?
概念系能力者が世界滅ぼそうとしちゃダメだって…と思いきや実は正解ルートの一つだったりする。
深い眠りについちゃうのは抵抗とあと夢の中のレオに逢いたいからってのはどうでしょう?めちゃくちゃロマンチックじゃないか?
平均睡眠時間
dice1d3=3 (3)
1:12時間
2:18時間
3:起きるのは三日に一度位
封印解除手段>>50さんお願いします!
- 49二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 19:51:44
なんか凄いことになってる……!?
安価なら眠り姫みたいだし
愛してる相手とのキスで封印解除 - 50二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 20:42:43
- 51二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 20:44:12
このレスは削除されています
- 52二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 20:52:46
- 53イッチ23/10/28(土) 20:57:14
えーーーっ!?ムズくね??
頑張る!!ありがとう!!!
三日に一度起きる身体の主導権は
1←凪 ナギ→100
dice1d100=38 (38)
ちょっとこのシリーズ同じ名前の別人格多いな!ややこしい!凪が世界滅ぼす方
- 54イッチ23/10/28(土) 21:59:07
目を覚ました時
不思議と心が冷えていた
モノクルを手に取り、いつものように掛ける。早起きな彼は普段ならスッパリと眠気の取れる身体がいまだに怠い事への違和感に首を傾げながら寝床を出た
つまらない
床を軋ませながら廊下を歩き、自分の荷物の元へ向かう。何だかなにもかもに興味が失せてしまった。そもそも何故見ず知らずの人間や大精霊と行動していたのだろう、開発に没頭する方がよほど楽しいというのに
外はまだ暗い
彼らが眠っているうちに出てしまおう。
挨拶するのも面倒だ
玄関を開けると、外で鬼達が何か四角いものを持ってひそひそと話していた
鬼「こっちは武神様だろ?…でも、こいつは誰だ」「さあ」「キレーな顔してるし描いたやつの趣味だろ」「そうだな、しまっといてやるか」
ナニカが描かれたキャンバスが持っていかれる。胸の奥がほんの少しざわめくが、気にしないことにした
鬼「……ドワーフじゃねえか、何の用だ」
ヨハネ「帰る」
鬼「ケッ、とっとと行っちまえ」
ヨハネ「言われずとも」
振り返ることなく、技神は己の街へと旅立った - 55二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 22:07:48
- 56イッチ23/10/28(土) 22:09:24
- 57イッチ23/10/28(土) 22:11:33
太陽が昇りきり、昼食の時間になってもナギは眠ったまま起きなかった
体を揺すっても声をかけても効果が無い
ヨイチ「どこか悪くしてる訳でも無さそうだし、一体どうしたんだろ」
ネコ「ニャー…」
ヨイチ「大丈夫、ナギは不死だから絶対死んだりしない」
ネコ「ニャア」
ヨイチ「心配する気持ちは分かるけど、君はご飯食べなきゃ体壊しちゃうよ」
固く目を瞑って起きないナギ。その顔を心配そうに覗き込んでいたネコを軽く持ち上げ、キッチンの方へ連れて行く
お腹は空いていたのであろう、大人しく用意されたものを食べてくれた
大精霊は既に気付いていた
何者かに記憶を操作されていると
しかも先程から全力を尽くして解除しようと試みているのに手がかり一つ見つけられないのだ、相手は相当の腕を持っているのだろう
ヨイチ「いなくなったヨハネは違うだろうし、一体誰の仕業だ?」
『帰る』と置き手紙を残していったドワーフを思い浮かべ、彼の魔力ではこちらに干渉することは不可能だと容疑者リストから弾く。
おそらく彼も記憶操作の影響で何かしら感情が変化して出ていったのだろうし - 58イッチ23/10/28(土) 22:31:10
過去数千年の……具体的には5000年の記憶が曖昧になってしまっている。
これ程まで莫大な情報を消す事ができた理由は相手の実力が桁違いか、その5千年に深く関わる何かの記憶を抜き取られたかのどちらかだろう。
どちらでも良いが、とにかく
ヨイチ「すっげぇ不愉快だな、コレ」
胸の奥に鎮座する深い喪失感
昨日より遥かに色褪せて見える世界がそれを物語っていた
そもそも他人に脳を弄くられる事そのものに嫌悪感が刺激されまくっているのだ。
相手が誰であれ、大精霊を怒らせた罪は重い。
精霊の怒りを買い、報いを受けた者はその精霊を【悪魔】と称することがある
大精霊の機嫌を損ねたとなれば、それはそれは世にも恐ろしい罰が待っているだろう
穏やかであれども、類稀な力を持つ上位存在でもあるのだ
下手人にそれを分からせてやらねば
ヨイチ「覚悟しろよ……」
ボソリと低い声を出したヨイチの迫力に、「やば、こわー」とでも言いたげにネコが震えていた - 59イッチ23/10/28(土) 22:33:18
- 60二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 22:59:35
上手くいけばレオに協力した精霊が近くにいるかもしれないし
ヨイチ目線では他の精霊も被害にあってるかもしれないから他の精霊達は大丈夫だったか聞き込みしてみる - 61二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 23:17:40
魔力酒でまたドワーフの神様に人探しのコンパスを頼む
- 62二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 05:19:41
ネコと覚えてるところと覚えてないところの確認をする
- 63二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 10:46:29
魔法の痕跡的なものを探してみる
- 64イッチ23/10/29(日) 14:58:41
ありがとうございます!
人探しコンパスはまだ持ってますが、誰も指標を知らないので機能しません
精霊は情報を
dice1d2=2 (2)
1:持ってる
2:持ってない
痕跡は
dice1d100=35 (35)
位残ってる
バイト中の5時間でハピエン練ってきたぜぇ頑張るぞい
- 65二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 17:45:45
情報が全然無さそうだな……
- 66二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 21:25:14
保守
- 67イッチ23/10/29(日) 21:42:37
まず取り掛かったのは[消えた記憶]の特定だ
範囲なのか物なのか、はたまた人か生き物か。一番可能性があるのは範囲だと思う。何せ5千年分の記憶だ、物であればそれ程までに保つものは相当珍しいだろうし、人や生き物はそもそもそんなに永く生きない
だが、だとしたら何故5千年の記憶を曖昧にされたのか、その理由が不明だ
ヨハネも記憶を操作されたとあれば、ネコも同様だろう。ナギが目を覚まさないのもそれが原因かもしれない
ヨイチ「という訳で整理します」
ネコ「はーい」
人間へと変化したネコと対面で座る。そういえばこのネコはどうして魔法を使えるのだろう、ナギの使い魔でも無ければ尻尾も分かれていないのに
ネコ「さぁ?ナギとしばらく居たら急に使える様になったんだよね、丁度キミと会った時位」
ヨイチ「あの時俺に嫉妬して拗ねてたよな」
ネコ「うにゃ!?余計な事思い出さないでよ!」
ヨイチ「ごめんごめん、でもこんな簡単な事を今まで疑問に思わない訳無いからこのセンが有力だな。ネコが魔法を使える様になったキッカケ…魔道具か?」
特定の誰かに魔法の力を付与する魔道具。それを5千年大切に持ち歩いていて、誰かに狙われて持っていかれた
ヨイチ「でもそういう魔道具は少なくないし、大掛かりに記憶を消してまで持ち去る意味が無い」 - 68イッチ23/10/29(日) 21:57:51
ネコ「ねぇねぇ、ヨハネが居なくなった理由は何だと思う?」
ヨイチ「俺達に飽きたんじゃないか?」
ネコ「おかしいじゃん。今まで結構仲良くしてたのにさ、ボクがこの辺に飛ばされた時だってわざわざ探しに来てくれたでしょ」
ヨイチ「確かに、仲違いしてた故郷の人達にも頭を下げる覚悟だったからな。俺やナギはともかくお前のことは相当気に入って…いや待てよ」
懐かしむように過去を振り返っていた頭が、とある違和感にふと思考を止める
ヨイチ「ネコは何でこんなところに飛ばされたんだっけ」
ネコ「え、だって一人じゃ寂しいから」
ヨイチ「誰が?」
ネコ「……分かんにゃい」
自信なさげにしゅんとヘコんだネコ。その様子を見て確信した
ヨイチ「ナイス、ネコ…消えたのは人だ」
ネコ「ボク達が誰かを忘れてるって事?」
ヨイチ「そう、少なくとも俺とナギが再会する前からお前達と一緒に居て、俺と5千年の付き合いのある奴だな」
ネコ「すっごい長生きだね」
ヨイチ「ああ、まず人では無いな。エルフもここまで長くは生きないから亜人も違う、となると妖精か精霊だ」
ネコ「うーん、会ったこと無いけどなぁ」
ヨイチ「お前が忘れてるだけで、多分ネコの主人だったんだぞソイツは。今は契約が切られてるけど」
ネコ「ホント!?ボク捨てられちゃったのかな」
ヨイチ「そいつが自分で忘れさせたとしたら何かしら事情があるんだろ、問題は他の第三者が介入してた場合だ。無事じゃないかもしれない」
ネコ「じゃあ助けに行こうよ!」
ヨイチ「当たり前だろ」 - 69イッチ23/10/29(日) 22:19:22
消えた相手の目星が付いた事で捜索が随分とやりやすくなった
まだまだ先は長いが、進展したということに変わりはない。
妖精もしくは精霊となれば、同族に聞き込むのが一番の近道だろう。
妖精は精霊よりも更に意思疎通が難しい存在であり、そもそも現世にあまり顔を出さない
なのでまず精霊と話をする事にした
意識を集中させて広範囲に呼び掛けると、色とりどりの小さな光が集まって来てヨイチを取り囲む。同族だからだろう、すぐに応えてくれた
ネコ「……きれい」
部屋を満たした無数の光達に見惚れるネコ。小さな手を伸ばすと2、3粒の光が寄ってきてくれた
暫くの間その光達と戯れていると、精霊との会話が終わったヨイチが「ありがとう、もういいよ」と言った。話が終わったのだろう、徐々に光が散らばっていく
名残惜しく見守りながら「どうだった?」と聞くと、むずかしそうな顔で首を横に振られた
ヨイチ「収穫無し、もしかしたら妖精なのかも」
ネコ「ふーん、どっちにしても面白そう!早く会いたいなぁ」
ヨイチ「ははっ気楽だな、まぁその方がこっちも助かるけどさ」 - 70イッチ23/10/29(日) 22:56:54
ネコ「でも、そっかぁ手掛かりナシ…見つけるのはムズかしい?」
ヨイチ「めちゃくちゃにな、でも大丈夫。まだ方法はあるんだ」
言いながら、聞き取れない呪文を唱える。すると、ヨイチの両目に独特な模様が浮かんだ
ネコ「何それ!カッコイイ!」
ヨイチ「これは魔力を見分けたり分析できたりする魔法。ちょっと消費キツイから奥の手なんだけどな」
自然に残る魔力を油断なく観察する。ここは鬼の郷、彼らの濃密な魔力とネコやナギの魔力が入り乱れて見分けるのは非常に難しい
……だが、彼の目は卓越していた
ヨイチ「見つけた、知らない魔力だ」
ネコ「すごっ!」
ヨイチ「これは…転移魔法か、つまり俺達の記憶から自分を消して逃げたみたいだな」
ネコ「ボクのご主人は事情があって遠くに行ったってコト?」
ヨイチ「ああ、忘れさせてまでこんな事をするんだから相当な理由がある」
残っていた痕跡はほんの僅かだったが、それを極限まで分析し使った魔法まで割り出す。こんな芸当ができるのは世界のどこを探したってこの大精霊ただ一人だろう - 71二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 23:01:09
さすヨイチ格好良い
- 72イッチ23/10/29(日) 23:22:25
ヨイチ「……確認なんだけどさ」
ネコ「なぁに?」
ヨイチ「本当に、追うか?」
手掛かりを見つけて浮き足立つネコは、その問いかけの意味が分からず首を傾げた
ネコ「なんでそんなこと聞くの」
ヨイチ「調べてて薄々感じたんだけど、消えた[誰か]は悪意を持って俺達に魔法を掛けたわけじゃ無いと思うんだ」
ネコ「そりゃあボクの推定ご主人だもん」
ヨイチ「うん、きっとネコの事も大事にしてたはず…だから、俺達はその気持ちを尊重するべきなんじゃないか」
ネコ「どゆこと?」
ヨイチ「このまま好きなようにさせてやらないかって話だよ、仮に[誰か]がとんでもない事情を抱えてたとして、そいつを見つけても俺達は何もしてやれないと思うんだ。だから[誰か]も姿を消したんだろうし」
ネコ「うーん、難しい事は分かんにゃいけど…ボク、それはなんだかヤダなぁ」
事情があって離れたというなら追ってしまうのは野暮なんじゃないか、と言いたいのだろう。
実はネコも同じ事を少し考えていた。ここまで徹底して姿を隠されては、むしろ共にいる方が厄介なのではないかと
ネコ「でもさ、それってつまり、ボクのご主人は今、一人ぼっちってことだよね」
ヨイチ「……ああ」
ネコ「ほっておけないじゃん」 - 73イッチ23/10/29(日) 23:37:31
まっすぐ曇りのない目で迷いなく言い放つネコ。その幼いゆえの残酷な無邪気さに、思わず吹き出してしまう
ヨイチ「ぷはっ!そうだな、寂しいもんな!」
強力な忘却魔法、隠されていた魔力の痕跡。相応の覚悟を持って姿を消したであろう[誰か]の気持ちを、このネコは純粋な善意で踏みにじろうとしていた
ネコ「だよね、さっさと捕まえちゃお!」
ヨイチ「ああ、そんで魔法を解かせよう。記憶がぼんやりしてんのは気分悪いしな」
知るか、と
そう開き直る
こちらがエゴならあちらもエゴだ、同意なく勝手に記憶を消しやがって
ネコ「じゃあナギはどうする?ぜんっぜん起きないけど」
ヨイチ「鬼に任せるのもなんか勝手に祀り上げそうで不安だし連れて行こう、移動は…背負えばいっか」
そうと決めたら行動だ
さっさと荷物をまとめ、眠ったままのナギを担ぎ、ヨイチとネコは鬼の頭領へ別れの挨拶をした
彼らはものすごく惜しみ、何人か同行しようかと聞いてくれたが、謹んで断る
ネコ「これからどうするの?」
ヨイチ「そりゃとことん探すしかない。休む暇無いぞ、大丈夫か」
ネコ「もちろん!」 - 74イッチ23/10/29(日) 23:45:27
次の視点は夢の中のナギです
忘れたくない気持ちで生まれた凪ならレオの事覚えてるだろうけどレオの事は二人に
dice1d2=2 (2)
1:教えない、忘れるなんて許せない
2:教える、一緒に探そう
あと世界滅ぼそうとするのはどうすれば良いんだろ少なくともレオを見つけるまでは待って欲しい
dice1d3=2 (2)
1:ヨイチは最強なので止めるよ
2:ナギがちゃんと抑えるよ
3:人類即滅(とまでは行かずともヤバい)
>>77までヨイチとネコの今後の展開お願いします!どんな手掛かり見つけるかとか欲しいです!
- 75二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 23:58:29
レオが自分を封印する時に生じた魔力の反応を察知するとか
並行してレオが既に封印場所見つけてることになるので時系列おかしかったらごめんなさい - 76二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 00:07:17
一度レオが訪れた土地にレオの多少の魔力の痕跡が残ってて、レオにとってデコイになってる。
50年近くすると魔力の痕跡は消える。
ヨイチとネコは似た魔力を追ってるから、探すのに案外苦戦する。 - 77二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 01:26:10
魔力の痕跡が残っている所を辿ってみる
覚えてないけど今まで通った旅路を戻ることなりなんとなくデジャブを感じたりする
欲を言うならレオは旅の途中にある思い出の場所で封印されてて欲しい…… - 78イッチ23/10/30(月) 07:52:10
ありがとうございます!
捜索は難航気味か、今まで来たところを振り返ったりデコイに引っかかったり色々ありそう。
困り果てた頃に封印の魔力反応で見つけるの良いですね!手遅れ感がたまらない!
そろそろ終わりそうだけどその前にシロどうにかせなアカンな - 79二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 15:51:55
保守
- 80イッチ23/10/30(月) 19:16:53
「────♫」
頬を撫でる風と、瞼の裏にまで届く光。
遠く響く美しい歌声
ひどく懐かしいような気がして、閉じていた瞼をゆっくりと開いた
「お、起きた?」
唄っていた誰かが、身じろぎをしたナギに気が付いて顔を覗き込んでくる。
青空に鎮座する太陽の逆光で相手の顔は見えないが、靡く紫色が綺麗だということだけは分かった
どうやら自分はこの誰かに膝枕されていたらしい。柔らかいふとももの感触に心臓が跳ねる
「お前寝すぎだぞ、足痺れちゃった」
「……あ、ごめんなさい」
「なんで敬語?」
のそりと上半身を起こし、振り返って誰かの方を見る。男にしては長めの髪に片手で握れそうな程小さな頭。顔が整っていることは分かるが、何故かぼやけてはっきりと見ることは叶わなかった
(……誰だろ)
知らない人なのにどうしてか
「寝ぼけてんのか?しょーがないやつ」
愛おしくて仕方がない - 81イッチ23/10/30(月) 19:27:37
柔らかい雑草の感触を手のひらに感じる。どうやらここはあの頃の屋敷の庭のようだ
チンピラに絡まれているところをヨイチに助けられ、流れで住むことになった異世界での最初の家。5人の同居人と共にそれなりに騒がしい日々を過ごした場所
(でも、この人は居なかったよね)
おそらく今、自分は夢を見ているのだろう。屋敷は大挙して押し寄せた兵士達に焼かれてしまったハズだし、巻き戻ったのだからまだ建っている訳がない
でも
「ほら立てよ、眠たいなら部屋で寝ようぜ」
そう言って差し伸べられた手を取る。このままずっと握っていたいと、そう思ってしまうのは何故なのだろうか
分からないから、知りたい
太陽の光を浴びながら前を歩く誰かの後ろ姿を、ただ一心に見つめ続けた - 82イッチ23/10/30(月) 19:57:03
サク、サクと草を踏みしめる音が響く
久しぶりに見る屋敷はやはり立派で、感嘆のため息が漏れ出てしまった
あと少しで玄関に着くというところで、視界の端からてちてちと黒い小さな生き物が現れる
丸っこい耳にふわふわな体毛のフェレットが困ったように何かを探していた
??「わはー!可愛いなぁ!」
途端に蕩けた声を出す誰か…ややこしいので少年と呼ぼう。
ともかく、メロメロになった少年がフェレットを抱き上げもふもふを堪能し始めた
??「ご主人探してんのかな、二子ならあっちで木の枝を剪定してたぜ」
庭の端に生えている大きな木を指差して少年が教えると、フェレットは礼をするように鼻先を少年の頬にチョイとくっつけてから木の方へ走っていった
??「見た見た!?今あの子にチューされたぜ!照れる〜♪」
ナギ「嬉しそうだね」
ぴょこぴょこと小さく跳ねながら喜ぶ少年。その様子を見て、心の奥がふわりと温かくなった
ずっと、こんな笑顔が見たかった気がする - 83イッチ23/10/30(月) 20:32:11
次dice1d2=1 (1)
1:夢の中続行
2:レオ視点
あと凪くんの殺意も振っとこう
1に近いほど理性的
dice1d100=26 (26)
- 84イッチ23/10/30(月) 21:06:29
全員出すつもりだけど一応
次に登場するキャラ
dice1d5=5 (5)
1:ばぁやさん
2:馬狼
3:黒名
4:二子
5:國神
- 85イッチ23/10/30(月) 21:52:32
國神「おっいたいた、■■!」
??「よぉ、どしたん」
屋敷の中に入り、部屋に向かう途中で國神に呼び止められる。どうやら用があるのはナギではなく少年のようで、名前を呼んでいたが、どういう訳か聞き取ることができなかった
ナギ(てか、なんでこの人のことを國神が知ってるの?俺の夢限定のイマジナリーみたいなもんじゃないのか)
國神「それがキッチンの台を壊しちまって、木製だから俺じゃどうにも…」
??「あはは、馬鹿力!OK直してやるよ」
國神「助かる」
踵を返した國神の後について行く。部屋で寝る予定を遂行したかったが、なんだか少年とどうしようもなく離れがたかったので仕方なく歩いた
粉砕された台にひとしきり爆笑した後で、少年は魔法を使って台を元通りの形へと戻す
??「強化魔法付与しといたからな、あんまり力入れすぎんなよ」
國「ありがとう、夕飯期待しといてくれ」
??「マジ?やった♪」
ナギ(……なんか、全然違和感ないな) - 86イッチ23/10/30(月) 22:22:05
しっくりと風景に馴染む少年。
まるで最初から存在してたみたいに
いや、もしかしたら
俺がこの人のこと忘れてるだけなのかも
ナギ(そんなことある?)
少し共に居ただけでも分かる。我儘で眩しくて強引なこの少年はちょっとやそっとじゃ消せやしない程の存在感を持っていた
やっぱりイマジナリー?いやいや
ナギ「わっかんねー…」
??「何が?」
ナギ「君が」
??「キミってなんだよ!余所余所しくすんな」
ナギ「じゃあ名前教えてよ」
??「はぁ?まだ寝ぼけてるのか…■■だ」
ナギ「やっぱ駄目じゃん」
??「……頭でも打ったかな、見せてみろ」
わしゃわしゃと髪をかき混ぜられた。
撫でられてるようで心地良い
そう、そうだ、全く不愉快じゃないのだ
見知らぬ他人に馴れ馴れしく接されれば己の性格上うっとおしく感じるはずなのに、この少年にはそれがない。むしろ
ナギ「好きかも」
??「………お前、病気か。寝ろ」 - 87イッチ23/10/30(月) 22:35:17
心底呆れました、とでも言いたげな少年の声色に若干焦りつつ、ナギは今の状況を改めて整理することにした。
まず、今自分は夢を見てる…はず
自身が無いのは今見ている景色があまりに鮮明な事と、夢から覚めようと試みても成功しない事が理由である
ナギ(でも現実な訳も無いんだよなぁ)
頭を捻るが全然分からない
というか眠い
もうどうでも良くないか?だって
??「ほら来いよ、寝かしつけてやるから」
この少年が側にいるのだから
自分にはこれさえあれば他に何も要らない
……そう思ったのだが
グラリと足元が揺れ、キィンと耳鳴りが襲ってきた。傾いたナギの身体を少年が慌てて支えてくれる。
??「おい大丈夫かよ!?」
ナギ「あー…ちょっとマズイかも」
意識の狭間、遥か彼方で。自由にしてはいけないヤツが目を覚ましたのが分かった
止めなければならない。もしも好き勝手やらせてしまったら、彼が悲しんでしまうから
ナギ「それじゃあ、また後でね」
??「え」
ナギ「必ず戻ってくるよ」
そして、美しい世界を後にした - 88イッチ23/10/30(月) 22:38:01
自分で書いてて何だけどややこしい上に訳わからんな??ここおかしくないかって所あったら遠慮なく指摘お願いします!
- 89二次元好きの匿名さん23/10/31(火) 08:10:54
夢の中が凄い平和で懐かしいなぁ
- 90イッチ23/10/31(火) 12:11:17
今の所レオはエルフの里の皆の記憶を消しに行ってそこでタイムリープした千年の間に魔神をかくまった罪によって滅ぼされて誰一人生き残ってない事を知り絶望しながら焼け落ちた神樹に自分を封印する予定だけど他に案があれば教えて欲しいです
続きは夕方になります - 91二次元好きの匿名さん23/10/31(火) 18:54:30
レオ辛すぎて草枯れた
凪を応援したくなってしまう - 92イッチ23/10/31(火) 20:24:16
時は遡り
深夜
力を貸してくれた精霊達から自分の記憶を抜いて自然へと還す。
最後の一人が消え去るまで見届けた後、大仕事を終えたからかどっと疲れが襲ってきた
レオ「まだやる事残ってるし、頑張んなきゃな」
不思議と寂しさは無い
安心感と僅かな虚無感だけが在る
パチンと頬を両手で叩き、気合を入れ直した
あと少し、もう少しだけ頑張れば、後は眠るだけだ。大切な誰かを傷付けてしまう事を恐れずに済む
幸いにも関わってきた相手は極少数であり、打ちのめされて立ち上がる術を持たかなった無力な子供を救ってくれた、あの優しいエルフ達から自分を消してしまえば終わりだった
【前の世界】では会いになど赴けなかった。関わることそのものが迷惑を掛けると知ってしまっていたから
あの美しくも儚い里を目に焼き付けよう
そう思うと、ほんのちょっとだけ前向きな気持ちになれた
逸る気持ちを抑えながら、魔法陣を描く
それが地獄への入り口になるとも知らずに - 93イッチ23/10/31(火) 20:36:23
ハッピーエンドになります!
なりますので信じてください!
この先暗めのが続きますがハピエンは決まってますのでどうか私を見捨てないでください! - 94イッチ23/10/31(火) 20:56:48
魔法の鏡は転移魔法を扱えなかった自分がインスタントに彼らの元を訪れることが出来るようにする為の物である。よって、今のレオには必要無い
思えば他に類を見ない貴重な魔道具を見ず知らずの子どもに渡してくれていたんだなぁと今更ながら感謝が溢れ出てきた
国境の側の、人の目が触れない山々の奥の奥。彼らの居場所はそこにある
完成した魔法陣に触れて転移した
瞬間、目の前に広がる焼け野原
「……あ?」
ザク、と踏みしめたのは折れてボロボロになった枝で、拾い上げてみると中はスカスカの枯れきったものだった
場所を間違えたか?
そう思い何度も確認するが、ここがあの里であることは間違いない
山火事が起きてしまったのだろうか、いや、自然の守護者たるエルフ達が住むこの場所に限ってそれはあり得ないはずだ
考えに耽っていた時、ふと目線を上げる。
そして見つけてしまった
焼かれて傷つけられ黒々と焦げた、生命の力を感じない神樹の有り様を - 95イッチ23/10/31(火) 22:26:00
空気の層でその姿は薄くなっているが、それでも分かる
あれ程までに命の力強さを誇っていた神樹が、葉の一枚も残さず焼き捨てられている
「なに…なんで……!」
反射的に飛び出す身体。必死に手足を動かす。
魔法で飛べば良いのに、その事すら忘れる程の焦りと恐怖に胸は支配されていた
違う違う、絶対に、違う!
おかしいじゃないか、だってこれからはもう誰も、大事な物は二度と傷付けないと、そう思って、だから俺は
皆が住んでいた集落に、あと少しで辿り着く。
あの丘を超えれば見えるはず
大丈夫、きっともう誰もいなくて。これはただの事故で、皆はもうとっくに遠くへ移り住んでいる、そうに決まってる
視界が開けて
そこには
「…あぁ……あ………」
白い欠片が無数に散らばっていた - 96イッチ23/10/31(火) 22:27:09
エルフだからタヒんだら消え去るかなと思ったけど、遺体は残る設定にしました
- 97二次元好きの匿名さん23/10/31(火) 22:46:17
これ、前の週のレオにとってもしんどいよね…
知らなかったけど確実に村は滅んでたってことがわかるから… - 98イッチ23/10/31(火) 22:52:23
ふらつく足で前に進む
間違っても骨を踏んでしまわないよう、ゆっくりと慎重に
(守れなかった)
一体どうして、彼らがこんな目に。
森の奥でひっそりと暮らしていた彼らが、なんの罪もない無垢な彼らが、どうして
視界の端に、ゆらゆらと揺れる何かが映る
王国軍の旗だった
そして理解する
─────俺のせいだ
どこかから情報がまわったのだ。きっと俺を庇ったから、彼らは無残に殲滅された
ゆらゆら揺れる旗をに気を取られて、足元のソレに気付かなかった
ガリッとした感触に思わず飛び退き、下を見る。まだ形のしっかり残った頭蓋がそこにはあった
「……うぁ……ごめ、」
ごめんなさいと漏れそうになるのを舌を噛んで止める。だって、一体誰に謝るというのだ。懺悔したってもう、聞くものは誰もいない
謝罪なぞ罪悪感を紛らわすための自己満足にしか過ぎないのだ - 99イッチ23/10/31(火) 23:20:48
どれほど歩いただろう
焼き落とされてもまだ雲の上まで突き抜ける高さの神樹にようやく辿り着く
やはり生命の波を感じられない
この樹は、この山は、彼らが何より大切に育ててきたものなのに
涙は出ない
渦巻く苦しさは全て身のうちに留めた
手を伸ばし、神樹に触れる
今はまだ立っているが、そのうち風化して倒れるだろう。それを魔法で止められないかと考えたのだ
しかし、ある事に気付く
「神樹にまだ力が残ってる…?」
意識を集中させると、巨大な木の幹の内側で温かいものが脈打っている事が伝わってきた
どうやら、自分にもまだやれる事が残されていたようだ。この力もいずれ、時と共に弱まる
目を閉じて、己の内側にある魔力をすべて引き出す
ここで、神樹の内側で眠ろう
そして守るのだ、いつの日かこの山が再生し、再び芽吹き栄えるまで
ぶわりと魔力が膨張し、収束する
光が収まった時にはもう
レオはその場から消え去っていた - 100二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 08:08:29
これはしんどい展開……
せめてゆっくり休んでナギ達が来るのを待とう - 101二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 18:49:21
保守
- 102イッチ23/11/01(水) 22:14:34
一方、[誰か]の捜索を進めていたヨイチとネコは、残った魔力があちこちに残存しているお陰で全く手掛かりを掴めずにいた
恐らく[誰か]の魔力が強いせいで痕跡が消えるのに時間が掛かるのだろう。
捜索を始めてからもう2日も過ぎたのに、尻尾の影すら見えない。
頭を抱えたいが、収穫もあった
ヨイチ「やっぱり俺達が辿った旅路に痕跡があるな、一緒にいた事は間違いない」
ネコ「うん!キミの推理、大正解だね!」
この発見は大きかった
絶対に見つけ出してやろうという結束が二人の間に生まれ、手詰まりながらもモチベーションが上がったからだ
後の問題は眠り続けるナギなのだが、どれだけ調べても身体の方に異変は無く、やはり原因は抜き取られた記憶にあるだろうと結論を出した
それもこれも全て、消えた[誰か]さえ捕まえることが出来れば解決する
さて再開しようと立ち上がった時だった
遠い遠いどこかで、この2日間追い続けた魔力が強烈なまでに強まり、パタリと消えてしまった。いきなりの出来事に数秒固まる二人
ネコ「い、今のって…!」
ヨイチ「見つけた、アレだ」
素早く場所を特定しようとするが、跡形もなく魔力が消え去ってしまったせいで上手く行かない。しかし、ある程度の目星はついた - 103イッチ23/11/01(水) 22:29:21
ヨイチ「とにかく、移動しよう」
言いながら魔法陣を素早く描く。急がなければ逃してしまうかもしれないし、いきなり魔力が膨張した理由も気掛かりだ
人に変化していたネコは急いでヨイチの手を取り、ヨイチはナギを背負い直しながら魔法陣を完成させる。
いざ転移しようとした、その時
凪「……レオは?」
背中の重みが軽くなり、いつになく真剣な声色が振ってきた
ネコ「起きたー!大丈夫なの?嬉しい!!」
ヨイチ「おまっ…!どれだけ心配したと思ってんだ!?」
凪「そういうのいい。レオは?」
48時間も眠り続け、大変な思いをして背負い続けたというのにひどい言い草である。だが、それが気にならないほど起きてくれた事が嬉しかった…だが
ヨイチ「誰だよ、その『レオ』って」
ネコ「知り合いなの?」
凪「…はぁ?マジで言ってる?信じらんない」
先程から知らない名前を探しているのは何故なのだろうか。というかナギがそこまで何かに執心するなんて珍しいと驚く
ヨイチ「まてよ……もしかしてそれ」
凪「うん、お前らが忘れてる奴の名前はレオだよ、俺の大切な人。一緒に迎えに行こう」 - 104イッチ23/11/01(水) 22:40:17
二人はナギの人格がちょっとおかしいことに
dice1d2=1 (1)
1:気付く
2:気付かない
- 105イッチ23/11/01(水) 23:21:28
凪「……あーでもその前に」
ヨイチの背中から降りながら、思い出したようにナギが呟く
ヨイチ「なぁ、お前の言うレオって一体」
質問を投げ掛けようとした口は、その先の言葉を言う前に閉じた。
閉じざるを得なかったのだ
ナギから立ち昇る異様な雰囲気
それは、前の世界の図書室で彼が不老不死へと変貌した時と同じ…いや、それよりもずっと禍々しい気配に満ちていた。
それに中てられ、体がこわばる
凪「この世界を掃除しないと、レオは幸せに生きていけない」
何のことだ、掃除って、なにを
凪「命の概念を全ての人間から」
強まり続ける気配
それが最高潮に達する
───寸前に、掻き消えた - 106イッチ23/11/01(水) 23:36:29
霧散したドロドロとした気配にほっと息をつく
張本人であるナギは軽く舌打ちをし
凪「ウザ、なんで邪魔すんの?」
と、ひとり言を吐き捨てていた
ヨイチ「……お前、なんか変じゃないか」
油断無く距離を取りながら、不満気な様子のナギに問い掛ける。
何だか、違う気がした
いつもどおりに見えるが、決定的な何かが欠落しているような、そんな気がする
それはネコも同じ様で、ヨイチの背中に隠れながら裾をキュッと握ってきていた
凪「別に、俺は俺だけど。ねぇそんな事よりさ、力を貸してくれない?」
明らかに自分を警戒する二人を意に介さず、普段どおりに接してくる
ヨイチ「なんだ?そのレオって奴を探すのはもちろんやるつもりだけど」
凪「うん、ありがとう。でもそうじゃなくて、人間を残さず滅亡させてほしいんだ」
あまりにサラッと言われたので、一瞬頷きそうになってしまった
ヨイチ「いやいやいや、何言ってんのマジで」
凪「あ、そっか忘れちゃってるから知らないんだね。アイツら酷いんだよ、寄ってたかってレオの事虐めてさ」
ヨイチ「え、そうなのか…ってバカ。それは酷いことだけどだからって全滅は駄目だろ」 - 107イッチ23/11/01(水) 23:58:58
凪「駄目じゃないの、ホントに」
冗談だろうと、そう思いたかったが
こちらを見つめる瞳が、本気なのだと雄弁に語っていた
凪「お願い。今の俺は邪魔が入ってるせいで満足に力が振るえないんだよ」
お前しか頼れないんだと言われるが、こちらとしても納得の行く理由も無く人類の殲滅などできない
ヨイチ「てか、人間だったらお前も含まれるはずだけど?」
凪「うん、レオも人間だしね。俺達は例外で頼みます」
ヨイチ「はぁ!?人間?妖精や精霊じゃなくて?めちゃくちゃ長生きじゃねえか嘘つくなよ!」
凪「レオは特別なの、いいからほらお前ならやれるでしょ滅亡」
ヨイチ「だから無理だってば!」
実際、やれない事は無い
だが人類はこの世界の知的生命体の九割を占めており、仮に全滅させたとしたら世界は間違いなく混沌の渦へと叩き込まれるであろう
こちらの本気を感じ取ったのか、ナギは渋々引き下がった
凪「…思い出したら絶対、後悔するよ」 - 108イッチ23/11/02(木) 07:24:43
〜精神世界〜
『あっぶな、本気でヤろうとしてたじゃん』
何なんだよお前
なんで邪魔する
『そっちこそ何血迷ってんの』
それはお前だろ、本気で分かってないのかよ。
あー、そっか
お前は薄情者だもんな
好きな人のこと、サラッと忘れちゃえる奴だ
『……やっぱり俺、あの子の事』
大人しく寝てろ
腑抜けたお前とは違って、俺はちゃんと分かってるんだ
あいつの為なら何だって切り捨てる
その覚悟も無い奴は引っ込んでろよ
『うげ、耳が痛いや』
『でもそれは無理。だって、お前を自由にした先ではきっと、その人は悲しむでしょ』
『それは絶対にヤだからさ』
うるさい
あいつの時間は永遠なんだ
どれだけ掛かってもまた笑顔にする
もう二度と、あんな事はさせない - 109イッチ23/11/02(木) 08:20:51
??「……あぁ、困りましたね」
神樹の傍らで、白装束の男が溜め息を吐く
??「貴方が居てくれないと、私は存在する事が叶わないんですよ」
掌を幹へぴったりと付けながら、深く項垂れて中で眠っているであろう魔神を憂う
??「封印か、厄介なことをしてくれた」
あらゆる手を尽くしてみたが、神樹から彼を取り出す事は叶わなかった。
己の魔力の全てを差し出す代わりに、驚異的な強度の封印に成功したのだろう
まさに捨て身である
取り出したとしても彼は魔法を使えなくなっているのではなかろうか
??「その場合は魔力機関を埋め込めば良い。魔神が魔法を使えないなどありえませんからね」
今考えるべきは自棄になったこの人間を神樹から引き剥がす方法だ。この無駄に大きな木を焼き払おうかとも思ったが、中で守っているらしく不可能であった
全く忌々しい
??「なので、さっさと取り出してくれませんか?お仲間さん達」
凪「…よく、俺の前に顔を出せたな」 - 110二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 11:41:42
凪はもともと平和主義ではあるけど、攻撃に転じる時過激だもんな…
しょっぱな魔法とか使ってそう… - 111イッチ23/11/02(木) 16:57:55
- 112二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 18:22:38
レオが神樹に封印されているからそれを何とかするのが先だとヨイチ達に説得され取りあえず世界滅亡させるのは一旦保留する
その後ナギと統合するけど髑髏スタンドになってレオの封印を解こうとするナギの力を増幅させるようになる
更にレオに危害を加えようとするものに対して髑髏スタンド姿で攻撃する - 113イッチ23/11/02(木) 18:31:48
髑髏になる!!
その発想は無かった!天才!
良かった登場させたからには消したく無かったんだ嬉しいありがとうございます!
所々変えるかもしれませんがご容赦ください - 114二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 18:46:09
やったー!スレ主に喜んで貰えて嬉しい
スレ主のやりやすいように好きに改変して下さい
いつも楽しく読ませて頂いて有り難うございます - 115二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 20:44:40
- 116イッチ23/11/02(木) 20:51:19
- 117二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 21:18:27
- 118イッチ23/11/02(木) 22:06:39
??「はて、私と貴方は初対面のはずですが」
魔力の反応があった周辺を探索し、ようやく居所を突き止めたと思ったら。
この世で一番嫌いな者がそこに立っていた
凪「覚えてないんだ、どうでもいいけど」
どうせすぐ死ぬんだし
そう思いながら捻り潰そうと魔法を飛ばすが、身軽な動きで避けられてしまう
ヨイチ「誰?お前の知り合いか?」
凪「敵」
ヨイチ「分かった」
ただならぬ様子を心配したヨイチに相手の情報を端的に伝えると、すぐに臨戦態勢に入ってくれた。「隠れてて」とネコを後ろに下げて隣へ並んでくる
頼もしさを感じながらも白装束を睨むのを止めずにいると、目の前の男から呆れたような溜め息が漏れた
??「何なんですか、失礼な方ですね。あなた方の目的は神樹の中の魔神でしょう?手伝ってやると言っているのですよ」
神樹の幹を叩きながらそうのたまう白装束に、腹の底から怒りが湧き上がるのを感じた
凪「汚い手でレオに触るな」
??「酷いですねぇ、そのレオさんから私はシロという名前まで貰ったのですよ。安直な名ですが気に入ってるんです、見習ったらどうでしょう?」 - 119イッチ23/11/02(木) 22:14:01
凪「あ?……お前、レオに会ったのか」
シロ「ええ、奇天烈な箱に閉じ込められていたので心配したのですよ」
凪「まさかお前、レオに余計な事」
シロ「いいえ何も。どうして貴方が私を敵視しているのか知りませんが余計な勘繰りはよして下さい」
へらへらとしたその態度が心底気持ち悪い
仕草一つに吐き気がする
シロ「ともかく私はそちらの味方です。さぁ、共に魔神を救い出そうではありませんか」
凪「天変地異が起こってもお前とだけは仲良くなれる気がしない」
一触即発の雰囲気に
ヨイチ「ナギ、そいつは俺がやる」
待ったをかけたのは大精霊だった
ヨイチ「お前は大事な人を助けて来いよ。コイツを倒して俺もすぐ追いかけるから」
凪「でも」
ヨイチ「神樹の中の奴を覚えてるのはお前だけなんだ、他の誰より適任だろ?」
凪「………」
ヨイチ「それにさ、会ったばっかなのに何でかな」
ヨイチ「俺もアイツ、大嫌いだ」 - 120イッチ23/11/02(木) 23:07:31
シロ「盛り上がっている所大変言い難いのですが、私と戦うのは止めたほうがいいですよ」
ヨイチ「へぇ、随分自身があるんだな」
シロ「いいえそういう訳では無く」
小首を傾げながら、シロは堪えきれない様子で笑い出した
シロ「貴方達程の実力者が、本当に気付かないのですか?」
ヨイチ「……?何の事だよ」
凪「ああ、考えてみたらおかしいね。忘れちゃってるから知らないだろうけどコイツ、何千年先まで生きてるんだ」
ヨイチ「え、でも明らかに人間だぞ」
シロ「その通りです──体はね」
肩を震わせながら、シロはニヤニヤと底意地の悪い笑みを浮かべる
凪「回りくどいんだよ、ハッキリ言え」
シロ「ふむ、そうですねぇ…この際教えてしまえば諦めてくれるかも知れませんし」
凪「くどい。潰されたいの?潰すけど」
シロ「おお怖い、分かりましたよ」
それではお教えしましょう
私の正体と、魔神との関係を - 121二次元好きの匿名さん23/11/02(木) 23:12:39
シロ野郎の喋り方ムカつくな…
- 122イッチ23/11/02(木) 23:48:40
とある集落で、禁忌に手を出す者たちがおりました。
彼らは自らの手で神を創り出そうとしたのです
無数の犠牲者が積み上がった頃、ようやく完成したのが私でした。
ですがその頃にはもう私を崇める者は一人残らず息絶えていたのです
信仰する者のいない神の行き着く先は消滅しかありません
そんなの御免です
足掻きましたよ、必死にね
どうにか生き残る術を見つけ出そうと奔走し、私は自分の一つの特性を見つけたのです
集合的無意識
って、知っていますか?
個人の経験による無意識を越えた、生まれながらにして誰しもが持つ本能のような物
私は人間のそれに寄生する事が出来るのです
ただし、一つ問題があったのですよ
既に存在している集合的無意識には、私は入り込む事が出来なかったのです
もう幾ばくも余命が残っておらず、私は絶望しました
しかし諦めの悪い私は策を弄したのでした - 123イッチ23/11/02(木) 23:51:11
私の為だけの、圧倒的な悪が要る
全人類が震え上がるような極悪人を創り出し、それを神話のように広めれば。
その恐怖へと寄生して私は生き続けることができる
ただし、そいつが死ぬと恐れも消え、私もまた消えるでしょう
永遠に滅することの無い象徴が必須
その為に私は神としての知識をとある人間に授け、宗教団体を作らせました。
といってもその知識は不完全なものであり、適応できる者にしか効果はなく、それを使って不老不死になろうとした数多の人間は死んでしまいましたが
まぁ、言ってしまえば運ですね
賭けなんて曖昧なものに縋らざるを得なくなるほど、私も追い詰められていたのですよ
どれほど死体が重なっても出来上がらない永遠の象徴に、私は深く絶望しておりました
そんな時に現れたのです
私の救世主が
不老不死を手に入れた
たった一人の人間が - 124イッチ23/11/02(木) 23:55:13
私は狂喜乱舞し、作戦を進めました
教祖を操り信徒を動かし
呪いを世界中に振りまいたところで
その全責任を救世主へと擦り付けたのです
思った通りでした!
悪名は瞬く間に世界へと広がり、彼は立派な私の寄生先へと成ってくれた!
恐れに取り付き、少し弄れば彼という存在は新たな無意識へと組み込まれました
全ての人間は彼を恐れ、新たな命もまた、彼への恐怖と嫌悪を生まれながらにして持っている
彼を通して人類へと寄生した私は彼と共に永遠の存在となり、また任意の人間を乗っ取る事も出来るようになったのです
この身体は見知らぬ誰かの物ですよ、殺しても世界のどこかで再び別の私が現れる
ねぇ、分かってくれたでしょう
私を殺したいのなら、まずは魔神を消さねばならない。
不可能なのですよ、私を倒すなど
彼が生きる限り
私もまた生き続けるのです - 125二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 08:16:57
レオの呪いはコイツのせいなのか…
- 126二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 08:54:26
悲しい過去かとおもったけどクズだなコイツ
- 127二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 18:27:53
仮に悲しき過去…があってもレオに酷い事したので有罪です😠
- 128イッチ23/11/03(金) 22:47:13
- 129二次元好きの匿名さん23/11/03(金) 23:18:16
怒りで冷静ではないヨイチ
怒りを通り越して逆に冷静なナギ
そして、めちゃくちゃムカつくねこ - 130二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 00:28:02
ナギとヨイチは腸煮えくり返ってるけど自己陶酔して正体ベラベラ喋ってくれて有り難いと思ってる
この状況を解決する方法が必ずあると信じて敢えて激怒して冷静さを欠いてるように見せて更にシロを調子に乗せ情報引き出そうとするかもしれない
白猫は普通に腹がたってるけどシロよりレオの封印されてる神樹に意識が行ってる
暖かくて優しい気配を感じるので傍に行きたい - 131二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 01:15:29
ネコはどんなことをされたって自分と無関係な人を害するのはよくないと怒ってる。
ヨイチは胸糞悪いと思ってるし、どうにかこいつを世界から追放したい
凪はこいつを早くぶっ飛ばしてレオの下にいきたい。でもそれ以上にこいつをなんとか◯したい
ナギは凪に比べてレオのことを忘れてるので冷静。周りを警戒しこいつを出し抜きたいと思ってる - 132イッチ23/11/04(土) 01:33:05
書き忘れてたけどナギは表に出てこれてないぜ怒ってるけどクレバーなヨイチ凪かっけぇそして安定の癒しネコ
ありがとうございます!!めちゃくちゃ助かりました! - 133イッチ23/11/04(土) 02:20:08
シロ「…ですので、こんな所に引き篭もって貰っては困るのです。封印されている間はこの世界から切り離されているも同然なので無意識が霧散してしまうかも知れないのですよ」
一気に話し終えた後、シロは悲壮感たっぷりに頭を抱える。
本気で自分を哀れんでいるようだ
ネコ「最低!ひどい!生きるためなら何だってしていいわけじゃにゃいよ!!」
シロ「煩いですね、畜生の分際で私の生き方を評さないで貰えますか」
ネコ「むきーー!嫌い!こんな奴のせいで悪者になってるなんてボクのご主人が可哀想だ!」
地団駄を踏みながら悔しがるネコに、それを軽蔑して見下すシロ。一方で
ヨイチ「マジ、クソ野郎だなコイツ」
凪「うん、殺せなくても苦しませる方法は幾らでもあるから焦らず行こう」
ドス黒い雰囲気と殺気を湯気のように立ち昇らせた二人は、目に爛々と殺意を纏わせながら臨戦態勢へと入っていた
シロ「ですから私はそもそも実態を持たないし身体はいつでも捨てられるので拷問など意味が……はぁ、分かってくださらないようですね。良いでしょう、思う存分相手をして差し上げますからこの魔神は引っ張り出して下さいよ」
やれやれ、と首を振る白装束の男は完全にこちらを見くびっているようだった - 134イッチ23/11/04(土) 02:23:21
ヨイチ(分かってるな?俺がコイツを引き付けるからその間にお前が助けるんだ)
凪(間違ってもアイツにレオをどうこうさせないようにしないとだもんね)
心の内だけで会話をし、互いの役割を確認する。もちろん怒りは本物だが、それよりも優先しなければならない存在が居るのだ
短く呪文を唱えると、周囲に黒々とした煙が上がる。その隙に凪は駆け出し、ヨイチはシロへと向かって行った
シロ「煙幕?みみっちいやり方をしますね」
片手をパタパタと振りながら、余裕綽々の様子でシロは嗤う。背後に魔力を感知し、そこに向かって防御壁を築いた
シロ「見え見えです…ん?」
ネコ「ボクだよ、引っかかってやんの!」
シロ「魔法を使えるネコですか、興味深い」
感知した攻撃魔法が二人のどちらでも無くネコの物だった事に少し驚いた様だが、それだけだ。あらゆる害意が通じないからと油断し切っている
ヨイチ「長く生きても知識と応用が足りなきゃ意味無ぇなあ」
シロ「!?」
ヨイチ「ありがとうネコ、お前のお陰で準備できた……結界術!」 - 135イッチ23/11/04(土) 02:38:38
逃げる暇も無く、シロは正方形の透明な箱に閉じ込められる。身動きが取れず、魔法も使えない
シロ「これは…!こんな魔術、後何千年もしないと開発できないと思っていたのに」
ヨイチ「お前の尺度で俺を測るなよ」
大精霊を舐めるな
と、不敵に笑うその顔がまるで悪魔のように見え、シロは戦慄した
シロ「ふふ、やはりこの世界は消えてしまうには面白いものがあり過ぎる!」
ヨイチ「そうだな、お前に味わわせるのは勿体無い」
しかし、大分無理をして展開させた結界なので一瞬たりとも気が抜けない。
二人と一匹は膠着状態に入った
そこから離れた場所で
凪は神樹へと辿り着きどうにか中に入ろうと試行錯誤していたが、中で神樹を守っているレオが異物を弾き出しているらしく失敗が続いていた
凪「もう、勘弁してよレオ…!」
汗が頬を伝う
一秒でも早く逢いたいのに
そうこうしていると、いきなり目の前が光に包まれた - 136イッチ23/11/04(土) 02:40:39
目を開けていられない程の輝きに思わず片手で顔を庇う。うっすらと開けた瞼の先に、煌々と光を撒く球体があった
凪「うあ、何これ」
??「わたくしです。お久しぶりでございますね」
凪「え、ばぁやさん!?」
ばぁや「いざという時の為、力を温存しておいたのです」
どうやらその判断は間違ってなかったようですね、と懐かしい老婆の声が球から聞こえてくる
ばぁや「今からわたくしの全てを投げうち、ナギ様を坊ちゃまの精神世界へと送ります」
凪「俺を?出来るの、そんな事」
ばぁや「いいえ、貴方ではありません。貴方の中に居るナギ様を送るのです」
凪「あ……気付いてたんだ」
ばぁや「ええ。そして、貴方の力も借りたいのです。どうやら分かれた人格である貴方にも魔力が宿っている様ですから」
凪「分かった、レオの為だもんね」
全てを見通すもう一人の大精霊は、どうやら既に何もかも分かっているようだった
凪「そっか、俺は本物じゃないからレオに逢えないんだ…残念」
ばぁや「また後ですぐに再会できますよ」
凪「うん、分かってるよ」
それでも、悔しいものは悔しいのだ - 137イッチ23/11/04(土) 03:00:16
もう一人の自分が『スキル』を使えないよう抑えていたナギは、自分の精神世界からいきなり弾き出されて混乱していた。
しかも、目の前にこの時代ではまだ会えていなかったばぁやさんも居るとなれば状況把握に多大な時間を……要する訳でも無かったが
ナギ「解決策が出たんだ」
ばぁや「その通りでございます」
ナギ「お願い。早くあの子を思い出したい」
ばぁや「承知いたしました」
差し出された手を握ると、洪水の様に溢れてくるキラキラと眩しい紫色の記憶。
ああ、なんて美しくて
恐ろしい
ナギ「はは、こんなに好きだったんだ」
一度忘れて、まっさらな自分に戻って、そして思い出して、心底理解する
コレの為なら俺は
何だって出来てしまうだろう
ナギ「ねぇ、今から俺がすること、ホントに酷いことだけどさ、ばぁやさんは分かってる?」
ばぁや「ええ、致し方ないかと。あの方の幸せには必要不可欠なのです…むしろ、それを私が実現できない事を歯がゆく感じております」
ナギ「ばぁやさんならやれそうだけど」
本当にどこまでも、忠義に厚い人だ - 138イッチ23/11/04(土) 03:01:45
ナギ「でもさ、こんなに魔力を消耗する術を使っちゃったらばぁやさん、無事じゃいられないんじゃないの」
ばぁや「暫くは己を形作る事も難しいかと」
ナギ「やっぱり」
だが消える訳じゃ無いのなら良かった
ナギ「早く復活してね、ばぁやさんはレオにとって必要な存在だから。きっと、アンタが居ればレオはあんなに追い詰められなかったはずなんだ」
ばぁや「過ぎた評価でございます」
ナギ「ホント、急いでね。俺が変えた世界で、レオと二人で待ってるから」
そう言うと、ばぁやは僅かに目を見開き、そして優しく微笑んだ。
深々と頭を下げ
ばぁや「どうか、坊ちゃまをよろしくお願いします」
そう伝えられる
ナギ「うん、やってみる」
ばぁやが巨大な魔法陣を作り出し、ナギがそれに触れる。すると、吸い込まれるような感覚があった後に視界がぐるぐると回った
そして地面らしき所に足が付き
レオ「……ナギ?」
ナギ「ようやく逢えたね、レオ」 - 139イッチ23/11/04(土) 04:01:08
レオ「えっ、何ここ?てか俺封印…あれ?」
二人が立っていた場所はあの日のベランダ。ナギが自分の不老不死を伝え、そして唇を重ねた場所だ
レオ「夢なのか…?」
ナギ「違う。いきなり起こしてごめんね」
レオ「それは気にしないで良いんだけどさ」
どうやら封印していたレオに意識は無かったらしく、ナギと共に無くなったはずの屋敷で立っていることを相当怪訝に思っているようだ
レオ「夢じゃないとしたらなんでお前ここに」
ナギ「逢いたかったから。夢に見るくらい」
レオ「何だよそれ…って、なんで俺の事!?魔法は!?」
ナギ「あーそうそうそれ酷いよね、思い出した時めちゃくちゃ怖かったんだけど。レオ抜きの人生とかつまらな過ぎて無理、死ぬ」
レオ「お前さ、ホント…俺の覚悟とかさ、気遣えよ…!どんな思いで魔法掛けたと思ってんだよバカ」
ナギの言動で全てを察したレオは頭を抱えてうずくまった。最悪だ、あんな思いまでして記憶を消したのに、一人でいようと決めたのに、この男はそれをやすやすと壊してしまう
ナギ「抱え込み過ぎだと思いまーす」
レオ「うるせ…撫でんなアホ」
ナギ「酷くない?俺恋人だよね?」
レオ「……恋人だから!そうなるくらい好きだから、迷惑掛けたく無かったんだよ!」 - 140イッチ23/11/04(土) 04:02:39
目に涙をいっぱい溜めて睨みあげられる。正直そこまで怖くはない
レオ「見ただろ、外。あれ全部俺のせいなんだぜ?あの時みたいな事に二度とならないようにって、決めた矢先だったのに」
ナギ「違うよ、シロって奴のせいでしょ」
レオ「……会ったのか!?」
ガッと肩を捕まれ、面食らう
そんなナギの様子は気にせず、レオはどこか怪我でもしてないかと身体中をペタペタと触り始めた
ナギ「今の俺は精神体なんだから怪我なんてしないし、外の肉体も安全だよ」
レオ「でも!…そうだヨイチは、ネコは無事なのか!?」
ナギ「めっちゃ無事、元気に魔法使ってる」
安心させるためなのかピースを作るナギの言葉を聞いて、ホッとしたように肩を落とす
レオ「そっか……それならそのまま、俺のせいで傷付かない所で生きてて欲しい」
ナギ「もう、言ったじゃん。レオの居ない人生とか無理だってば」
また塞ぎ込もうとするレオを言葉で止める。この人は本当に、何でもかんでもすぐ自分一人の責任にして閉じこもってしまうのだ
ナギ「ねぇレオ、そこまで言うんだったらさ、俺がお前の生きやすい世界を創るよ」 - 141イッチ23/11/04(土) 04:03:59
レオ「……はぁ?」
ナギ「レオが大変な目に遭うのはさ、全部シロのせいなんだって。それで、シロを倒す方法は無いし、そしたらずっとレオは人間に追われる人生なんだって」
レオ「ん…まぁ何となくそうなんじゃないかとは思ってたよ」
ナギ「でもさ、これって別にレオが居なくならなくても解決するんだよね」
レオ「無いだろそんなの。理由は分かんねぇけどシロは倒せないんだろ?」
ナギ「うん、でも別にシロも倒さなくて良いんだよ。だってアイツは全人類に寄生してるだけの害虫なんだから」
レオ「……?」
ナギ「任意の人間を操れるのに俺にもレオにも憑依しなかったのは多分、出来ないからだ。レオは人類とのパイプでしょ?俺は異世界人だし枠組みから外れてんだろね」
レオ「……あ、おい待てまさか」
ナギ「お、分かった?流石レオ、優秀だね」
レオ「駄目だろ、そんなの!」 - 142イッチ23/11/04(土) 04:04:58
レオ「お前、人類を滅ぼす気か!?」
ナギ「それしか方法無いじゃん」
レオ「なんで…何億居ると思ってんだよ!」
ナギ「俺なら一瞬だよ」
レオ「そうじゃなくて…!!」
狼狽え、どうにか説得しようとレオは思考を巡らせた
レオ「お前に手を汚して欲しくない」
ナギ「汚す訳じゃないよ、寄生虫に汚染された人達を救ってあげるの。もちろん建前だけど」
レオ「嫌だよ、そんな事して欲しく無い」
ナギ「……俺は、人類よりレオが大事だ。レオが居るのなら地獄にだって付いて行く。でも、レオは俺をそこに連れてってはくれないんでしょ?」
レオ「………」
ナギ「だから、俺がレオのいる場所を地獄になんかさせない。ねぇレオ、お前は俺と世界のどっちを取る?」 - 143イッチ23/11/04(土) 07:55:39
本気だ、と
分かってしまうほど
その目はあまりに力強かった
レオ「俺は…俺だって、見ず知らずの人なんかよりお前の方が大事だよ。でも、酷いこともされるけど優しい人もいっぱいいて」
ナギ「その優しい人も、レオが顔を出せば一瞬で牙を剥くんだ」
レオ「それでも…俺はお前に手を」
言いかけて、言葉が止まる
ナギに押し倒されてしまったからだ
行動の訳が分からず戸惑っていると、レオの顔のすぐ横に手を付いて覆いかぶさるナギが声を出した
ナギ「お前は、俺の為とか言いながら自分が傷付くのが怖いんだ」
レオ「違う…!俺は」
ナギ「だってレオはさっきから、俺がレオの為ならなんだって捨てるって言ってるのに、それを無視してる!」
レオ「!?」
ナギ「手を汚したって良い!どんだけ優しい人でも、子どもでも!俺は喜んで消すよ!お前の為なら!」
レオ「そん、」
ナギ「だって俺は、お前が居る世界以外じゃ生きていけないんだから」
ナギ「だからレオも、俺を選んで。自分のせいでって責めるくらい、世界を大事にしないで。そんなものより、俺だけを見て欲しい」 - 144イッチ23/11/04(土) 07:56:26
レオ「……仮に俺がそうしたとして、人類が消えたらあちこち大変な事になるんだぞ」
ナギ「うん、一緒に頑張ろ」
レオ「好きな物とか面白いものとか、すぐには手に入れられなくなるし」
ナギ「別にいーよ」
レオ「面倒くさいこと山積みだぞ」
ナギ「面倒でも、レオと居れば楽しいし」
レオ「人が滅んだら流石に寂しいんじゃねぇの?」
ナギ「そんなでもないよ、亜人も居るじゃん」
レオ「ほんと、自分勝手なクソヤローだな」
ナギ「そっちこそ面倒くさいよ、答えはもう出てるんでしょ」
レオ「………」
「最後まで一緒に居て。
約束だよ、レオ」
「ああ、ナギ 約束な」 - 145イッチ23/11/04(土) 07:57:38
- 146二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 09:08:03
結界を打破しようとするシロと阻止するヨイチのレスバをできたら見たいです……
- 147二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 09:25:43
結界をどうにかするのは諦めてヨイチのメンタルを削りにくるシロとかどうでしょう?
- 148二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 10:25:00
- 149二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 11:28:05
凪がナギの体を使いヨイチのサポートを行っている。
- 150イッチ23/11/04(土) 14:13:14
レスバ…!??
すみません私はめちゃくちゃ性格の良い聖人なのであんまりキレッキレのものは書けないですご容赦下さい
でもなるべく頑張ってみますね
ヨイチッチのメンタル削れる気がしねぇ…あと凪くんの髑髏変化のタイミングも考えなきゃな
助かりました!ありがとうございます! - 151二次元好きの匿名さん23/11/04(土) 22:54:00
保守
- 152二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 00:41:32
- 153イッチ23/11/05(日) 00:57:31
結界術によって動きを制限されているシロはあらゆる手を尽くして自由になろうと足掻いていたが、一向に解放される気配が無いことに若干の苛立ちを見せていた
シロ「…しつこいですね、こんな事をしても一時的なしのぎにしかならないと理解できませんでしたか?」
ヨイチ「お前こそ分かって無いみたいだな」
シロ「何をです?私にとって唯一絶対なのは私が不滅の存在であるということです」
声高に、誇らしげに胸を張ってそう告げるシロ。それを聞いたヨイチは思わず吹き出した
ヨイチ「ふっ、はは!不滅?お前が?」
シロ「事実でしょう、何をしてもあの魔神は死なない。それはじっくりと試させて貰いましたから」
ヨイチ「それってつまり自分の生き死にを他人に依存させてるって事だよな」
シロ「……は?」
弧を描く口元を隠す様子もなくヨイチが言い放った言葉に、飄々としていたシロの表情が崩れ始める
ヨイチ「自分で存在を確立することすら出来ねぇのに、不滅?ちゃんちゃらおかしな話だ」 - 154イッチ23/11/05(日) 00:59:49
シロ「それが何だ、だからどうした。私が永遠に生き続ける事に変わりはない」
ヨイチ「だったら何で神樹に封印されたレオを血相変えて引っ張り出そうとしてたんだよ」
シロ「………!」
ヨイチ「そんな事で揺らぐ程度の存在だってのによく神なんて名乗れたな、その辺を這いずり回ってる虫けらに出来てる事さえお前には不可能じゃねぇか」
シロ「…黙れ」
ヨイチ「なぁ教えてくれよ、もしお前の依存先が無くなったとして、お前はどうなるんだ?」
シロ「黙れ」
ヨイチ「縋り付いてる土台が無くなった途端、消え去るんだろ?存在ごと無くなって、いずれはお前を知る者さえ居なくなる」
シロ「黙れ!」
ヨイチ「随分と驕ってるけどさぁ…要するにその他大勢にへばり付いてみっともなくお情け頂きながら生きてる寄生虫じゃん、お前」
シロ「黙れと、言っている!!」
ヨイチ「産まれたての赤ん坊にすら支えて貰っちゃいながらどうやってその自信を身に着けんの?なぁ教えてくれよ、有象無象にヘコヘコしながら生き恥晒して永らえてる心地をさ」 - 155イッチ23/11/05(日) 01:23:18
シロ「黙れ黙れ黙れ、黙れぇっ!!」
ブチブチと血管を切りながら激昂したシロは、地鳴りが響くほどの魔力を吹き出してみせた
シロ「お前に何が分かる!私の数千年に渡る努力を!私が生きているのは私の力によってだ!私自身の努力の成果だ!それを、お前ごときがバカにするな!!」
ビシビシと結界にヒビが入り、ヨイチの顔に初めて少しの緊張が浮かぶ
シロ「驕っているのは貴様だ、大精霊!その澄ました面の皮を剥がしてくれる…!」
ビシビシビシ…バキンッ
激しく音が鳴り、結界に大きな穴が開く。ニヤリと笑みを浮かべたシロは勢い良くその穴へと突進する……が
その手が外へ出る直前に、結界に覆い被せるようにもう一つの結界が現れ、シロを二重に閉じ込めた
シロ「なっ…!?」
凪「危な。油断しないでよ、らしくないね」
振り返るとそこにはこちらに手をかざして結界術を展開する凪が立っていた - 156イッチ23/11/05(日) 01:24:29
ヨイチ「えっ…お前レオはどうした!?」
凪「助けに行ってるよ、本物の俺が」
ヨイチ「あー、やっぱおかしいと思ってたけどなるほど、そういう事か」
凪「ばぁやさんもだけど大精霊って理解早くない?助かるから良いけどさ」
そのままスタスタとヨイチの隣まで歩いた凪は、少し離れた所で言いつけどおり待っていたネコにおいでと手招きした。
大人しく寄ってきたネコを抱き上げ
凪「今からあの気持ち悪い生き物が消滅するから一緒に眺めよう」
ネコ「ホント?うん、そーする!」
そう言いながら結界の中で身動きの取れないシロへと視線を向ける。
対するシロは何を言われているのか全く理解できていない様子だった
シロ「消滅?何を馬鹿な、そんなのあり得る訳が……」
ヨイチ「本当にやんのかよ」
凪「うん、それしかないでしょ、方法」
ヨイチ「まぁ確かにな」 - 157二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 01:52:10
かっこいいな……ヨイチ……
- 158二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 07:23:02
ワーーーー!ヨイチかっこいいーーー!
続きワクワク - 159二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 10:22:16
スレ主…?レスバキレッキレだったよ…??
すんごいキレッキレ。 - 160二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 20:45:38
幸せなナギとレオは見たいけど終わりが近いの寂しいよ…ずっとスレ主のSS読みたい
- 161イッチ23/11/05(日) 22:01:34
シロ「馬鹿な!あの魔神を…私の救世主を、殺せるはずがない!」
凪「うん無理。二度とやらない」
シロ「…ならどうやって」
凪「分かんないの?鈍いね、ボケてる?」
汚物を見るような…いや、汚物にも満たない、心底どうでもいいような物を見る目で見下され、シロの背筋に凍えるほど冷たいものが走った。そして冷えた頭はある一つの答えを導き出す
シロ「まさか、そんな事が実現できる筈は」
ヨイチ「そう思うよなぁ、でもこいつちょっとヤベー奴なんだよ」
凪「お前には言われたくないんだけど」
ヨイチ「はいはい……お、出てきた」
焼け果ててなお壮大な姿を保つ神樹が仄かに光を帯び始める。
そして、中から二人の少年が現れた
しっかりと手を繋ぎながら
晴れ晴れとした表情で
凪「うわ、自分を見るのって変な気分」
ヨイチ「あれが……本当に普通の人間だ」
ネコ「ご主人?ご主人なの?おーい!」 - 162イッチ23/11/05(日) 22:03:35
一方
封印を解き外へ出たレオは、神樹とその周りの惨状を見て胸の奥に痛みを感じる。
だけどもう揺るぎはしなかった
繋いだ手を離さないように握り、ヨイチ達の方を見て
レオ「お前がいるんだけど!?」
ナギ「あー、ほら俺今実体無いから。触れるけど。あれ偽物ね、スルーしてスルー」
レオ「もぉ…後で色々説明しろよ」
また知らない間に色々と苦労をさせてしまった事を察する。
本当に、大変な目にあわせてばかりで申し訳無い……今からやる事だって、自分が居なければナギに強いる事は無かったのだ
レオ「でもそれがお前の望みなんだもんな」
ナギ「うん、レオと一緒が良い」
レオ「俺もだ、ナギ」
ナギ「じゃあやるよ」
言いながら、ナギが片手を掲げる。その先に居るのは拘束されたシロだった
ナギ「アイツを媒介にして俺の能力を全人類に使う……うん、いけそ」
レオ「大丈夫か?あんなのに触って変な病気とか感染したりしない?」
ナギ「しないしない、だいじょぶ」 - 163二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 22:05:31
感染病w最高w
- 164イッチ23/11/05(日) 22:18:12
シロ「止めろ…!!私が今まで一体、どんな思いで生きてきたと…それを踏み躙るなどあってはならない!!」
凪「俺の初恋の方がアンタの数千年より上だったね、ドンマイ」
ヨイチ「お前なぁ…ホントに偽物か?」
ネコ「よく分かんないけどやっちゃえー!」
どうにか逃げようとするシロだが、結界によって縛られ身じろぎ一つ叶わない。
シロ「くそ…!おい、お前。魔神!お前は私が居なければとっくの昔に普通の人間として死んでいたのです!こうして今、立っているのも、息をしているのも私によるものだ!恩を今、ここで返せ!!」
レオ「……あぁ、そうだな。シロが居なけりゃこいつらに出会えなかったんだ」
シロ「ふ、ふふふ、なら…」
レオ「お前に滅茶苦茶にされた人生を、皆に救ってもらった。俺の恩人はこいつらだ、お前に恨みはあっても恩なんて一つもないね」
シロ「……このっ!!」
レオ「やっちまえ、ナギ」
ナギ「Yes Boss」 - 165イッチ23/11/05(日) 22:18:49
『スキル』発動
対象者 : 神に汚染された人類
効果 : 生の概念の剥奪
実行しますか→OK - 166イッチ23/11/05(日) 23:17:01
おぉぉ…あ、ぁあアァァあ……
じゅわりと何かがシロの身体から抜け、やがて力なく倒れ込む。
閉じ込めるものが無くなった結界は霧散し、残ったのはシロに取り憑かれていた人間の哀れな死体だけだった
レオ「これで、終わったのか?」
ネコ「にゃんかあっさり。すごーく大変だったけどね。それよりキミ、ボクのご主人なの?」
レオ「あ、そっか記憶」
ナギ「早く戻してあげなよ…それと」
手を繋いでいたナギが、もう一人の凪の前に立つ。鏡合わせの二人は傍から見れば双子のようにも思えた
凪「わかってる、返すよ」
ネコを抱えていた凪が片手を差し出すと、もう片方のナギがそれを掴む。すると、片方のナギが黒い靄になり、握手した手から相手の方へと吸い込まれていった
ヨイチ「うわ、すごいもの見た」
レオ「えっ!?おいこれ無事なのか?」
心配を他所に、ナギはネコを抱えながら何でもないように立ったままだった - 167イッチ23/11/05(日) 23:43:31
ナギ「うん、よし。これで終わり、大団円」
のんびりとした口調でそう宣言したナギは満足気に頷き、心配して近寄ってきたレオに思う存分もたれ掛かった
ナギ「ちかれたー、一生分の気力使い果たした。ねぇレオ甘やかして」
レオ「よしよし…って、なんかやっぱり実感湧かねぇな。ホントに滅んでんの?人類」
ヨイチ「滅んでる。生命反応が一気に消えたよ」
レオ「……そっか」
本当にもう
何も心配する必要は無いんだな
ヨイチ「倫理観とかぶっ飛ばしていくよなお前ら」
ナギ「記憶戻ったらお前もこっち側になるよ」
ヨイチ「そんな気はしてる」
ネコ「ボクは?ボクは?」
ナギ「うーん、多分イケるかも」
ネコ「やった!」
もう二度とこいつらを失わずに済むんだ
レオ「…よし、やる事はいっぱいあるぞ。覚悟は出来てるか?」
ナギ「うぇー、10日くらい休みを下さい」
レオ「却下!」
ヨイチ「待ってその前に記憶返して」
レオ「いいけど、戻した後で俺を叱るなよ?お前怒るとこえーんだからさ」
ヨイチ「場合による。悪い事した自覚はあるんだね」
レオ「うう……」 - 168イッチ23/11/05(日) 23:44:14
異世界に召喚された少年は
そこで出会った大切な人のために
力を身に着け、心を学び
困難を乗り越えながら
永遠の幸せを掴んだのでした - 169イッチ23/11/05(日) 23:47:16
これで一応は終わりです!
疲れた!褒めて誰か!
ハピエンなのかな?もっと人類滅んだ後の描写とかしたかったけど気力が無いからね仕方ないね
全員で凪の世界に転生するエンドも考えたけどこっちはもう途方もなく長くなるので無理でした
矛盾点の指摘とか質問とか感想とか感想とか感想とか下さるととても嬉しいです! - 170二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 23:55:46
ハピエンで良かった!とても楽しかったですありがとうイッチ
ナギとレオは改めて式を挙げて欲しい… - 171二次元好きの匿名さん23/11/05(日) 23:59:26
イッチ~!!!!長い期間お疲れ様でした!
イッチのおかげで毎日楽しみに過ごせたよありがとうー!!!みんな幸せに暮らしてくれ - 172二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 00:02:34
待ちわびたハピエンが身に染みる~~~~!!
スレ主さんお疲れさまでした!最高の作品をありがとう!
できるなら後日談で二人がいちゃついたりしてるとこ見たいな… - 173二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 00:16:42
本当にお疲れ様です……!
滅茶苦茶面白かったんですけど 初期から追ってたから喪失感が凄い……! - 174二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 00:18:47
ナギとレオに優しくしてくれた盲目の服屋の夫婦もいなくなったのか…
まぁナギとレオが幸せになったからいいや
イッチ長い間お疲れ~
ハピエンでうれぴよ - 175二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 00:25:53
- 176イッチ23/11/06(月) 07:03:47
- 177二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 09:34:07
後日談読めるんですか!?
ハピエンで良かった…なんか泣けてくる… - 178イッチ23/11/06(月) 14:51:36
せっかくだから他のキャラも登場させたいな
何人増える?dice1d10=4 (4)
- 179イッチ23/11/06(月) 14:52:18
下4レスでお好きなキャラとその種族をお願いします!
- 180二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 14:55:54
斬鉄
種族は竜人 - 181焼肉見習い23/11/06(月) 15:13:28
- 182イッチ23/11/06(月) 15:22:21
- 183イッチ23/11/06(月) 15:23:23
すみません下4レスと書きましたが先着4名に変更します!これあれだな、後日談スレ立てたいな
- 184二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 16:30:31
チギリ
種族はティーフリング - 185二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 16:43:04
イッチ、お疲れ様です!
蜂楽、妖精で - 186二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 17:21:28
氷織
種族はジャックフロストで - 187二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 18:58:15
- 188イッチ23/11/06(月) 19:28:00
うぎゃあ!!推し×推し!??
最高の化学反応を起こしてやがる…心臓が飛び出て戻せませんどうしてくれるんですか
斬鉄・竜人
千切・ティーフリング(悪魔と人の混血?)
蜂楽・妖精
氷織・ジャックフロスト(霜の妖精)
うわぁめちゃくちゃ良い!ありがとうございます!E4!チムV!同志✨!
後日談残り10レスには収まらないと思うので書き溜めたらまた新しくスレ立てます。
200までリクエストや感想や矛盾の指摘や質問などありましたら書いてくださると嬉しいです!
- 189二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 19:58:24
ヨイチに改めて交際報告するナギとレオが見たいです
最早結婚報告かもしれないけど… - 190二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 20:22:41
- 191二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 20:30:18
普通のカップルとしてイチャイチャしながら日常を過ごす凪とレオが見たいです!
今までそんな余裕無かったから… - 192イッチ23/11/06(月) 21:20:14
- 193二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 07:17:44
後日談も楽しみです!
幸せな二人が見たい - 194イッチ23/11/07(火) 12:14:11
そういえば二子と馬狼はうっすらと記憶引き継いでたよね
二子dice1d2=2 (2)
馬狼dice1d2=2 (2)
1:完全復活した
2:ほぼ覚えてない
あと馬狼はやっぱりメイドなの?
dice1d2=2 (2)
1:当たり前やろ
2:趣味が変わったらしいよ
- 195二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 12:20:20
そんな…メイドバローが…
- 196イッチ23/11/07(火) 12:35:12
メイドじゃないんだ…そっか……
あとひおりんにカラスが居ないのなんか寂しいすみませんがちょっと贔屓します
dice1d3=1 (1)
1:残念だけど…
2:有能使い魔やで
3:たまーに遊びに来る烏天狗だよ
- 197二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 13:16:07
烏いないのか…残念すぎる…
- 198二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 13:27:53
悲しい…まあ仕方ないか
- 199二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 16:10:18
- 200イッチ23/11/07(火) 16:34:57
ええー!!??天才!!!
何これすっごく好き!!!
エピ凪近いし来たら多分メンブレするので後日談スレはおそらく二、三日立たないと思います
199さんのイラストの完成を見るためにもいっぱいイチャラブ書きますね!