まだホテルのフロントですからマズいっすってハローさん…あと少し我慢しｔ――

1二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 23:41:46

「ｵﾛﾛﾛﾛﾛ‼」
ｱｯ…（諦め）
以下、独身トレーナーの自分に降りかかった受難を吐き出させてくれ。

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2二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 23:42:21

ハローさんは某Gライブの仕事で知り合い、時々連絡を取る少し年上の準飲み友。
単独で出張に出てたら、完全に無縁な仕事でたまたま行き先が被ってたことで呑む流れに。
お互いにお酒は好きなものの、共通の話題がライブしかないので、平和に居酒屋を楽しんでいた。――二次会までは。

まずお店。小耳にはさむことは多かったものの、ついそ行くことが無かったその界隈では結構有名なBar。ホテルにくっついた小さなお店で、行ったことがあるハローさんに紹介されてだった。
（画像はイメージです。）

3二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 23:44:19

純粋にお酒は美味かった。
ママやマスターとのお喋りも楽しかったし、ハローさんや他のお客とも中々楽しく語らってた。
でも、迂闊だった。それが良くなかった。
なにせハローさん、お酒はまあ好きだけど、そんなに強くなかった。
1軒目ではお冷を頼む余裕はあったけど、酔いと楽しさにあてられ、しくじったらしい。気づかなかった俺が最大に悪いが。
彼女はお手洗いに立ち、そして席へ戻ろうとした瞬間、見事に床に転がった。

4二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 23:45:36

ママが即座に反応し、同行者の俺に「お手洗い！」と叫んだ。
幸い頭は打ってなかった。が、重い。いや彼女のウエイト以前に力が抜けた人間ってめちゃめちゃ重い。
ママも手伝って何とかロビーまで連れて行ったものの――そう、ここで冒頭。間に合わなかった訳だ。

5二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 23:47:13

「こりゃ部屋取らないと。大丈夫、たまによくあることだから。」
正直自分が吐いてというのは二、三度やらかしたことがあるものの、他人のゲロの介抱をするなんて初めてだった。ゴミ袋と洗剤とキッチンペーパーまで手際よくこなしてくれたママには本当に頭が下がる。

何なら自分もそれほどではないにしろ、酔い覚ましのために吐きたいと思う程度ではあった。
でも不思議とそういうときって冷静になれるんだね……
ハローさん本人もなまじ意識が残ってるようで、ひたすら「ごめんね」と呟いているのが単純に可哀想だった。ビニール袋とお友だちになってる彼女に膝を貸し、背中さすって時々頭を撫でながら「大丈夫です」「心配しないで」と声をかけ続けた。後からカフェの隣から女子トークが聞こえてきて、後者は反省した。みんな気を付けろよ。

6二次元好きの匿名さん23/10/28(土) 23:48:20

ママが戻ってきて「シングルは泊めらんないよ。面倒見れる？」と聞かれて、「俺がお代も面倒もみるんで、頼みます。」と即答した。タクシーレベルじゃないのは火を見るよりも明らかだったし。
ちなみにとりあえず飲み物と思ってポ〇リ900mlを買ってきたら「おバカ！！それは駄目」と怒られた。やっぱり慌ててたわ。ごめんなさい。

7二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:14:09

ママ越しにホテルの手続き（と謝罪）が進んで、エリア88みたいな感じでホテルの宿泊者名簿にサインした。
値段は見なかった。……嘘です、見ました。正直「ゲッ」と思ったけどこの時は見なかった事にした。緊急事態だし。

何とか部屋にハローさんを担ぎ込んだところで、新たな問題が浮上。既にハローさんの洋服にも被害が出ていた。ママが「こりゃランドリーだね。」と。ヤバいな(小並感)と条件反射で思ってたら、ママ、ホテルの寝巻に着替えさせ始めた。
これまた条件反射で俺は後ろを向いたが、おいおいおい！！男の俺がいるんだが……とキョン君みたいなトーンで内心ぼやいていた。恐ろしいほど冷静だった。

8二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:15:36

ママがランドリーに向かい、二人きり（実質一人）。
とりあえず宿には帰れないなと思いつつ、ベッドからちょっと離れた椅子で一休みする。

と、そこで気づいてしまった。

ママ！上だけ着せて、なんで下履かせないんだよ！！

椅子に座ったせいで全力で見えてしまったのは計算外だった。
寝巻の短パンが横で畳まれたままってマズいでしょ。完全に見えてんだよハローさんのバリバリお洒落なやつが！！割と良い色してるな！
ここまできてだっちな気持ちが沸かなかったのは、たぶん俺自身微妙に酔いすぎて気持ち悪かったおかげだったと思う。ありがとうアセトアルデヒド。
欲望よりも理性で「これあかんやろ」と一人ツッコミを入れることができた。
流石に忍びなくて、見えないように短パンを被せるのがその時の俺の限界だった。
いやならちゃんと布団掛けてやれよ。今思うと微妙に格好ついてないぞ当時の俺。

9二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:16:25

先述の関係からツインルームの部屋だったが、一通り出し切ったとはいえハローさんが窒息と化したら大変と思い、回復体位で寝かせて念のため枕もとに。椅子で休みながら見守った。やがて唸りが無くなったのを確認すると、自分も彼女もコートを置いていたBarへ一度戻った。気づいたらとっくに1時を過ぎていた。
barではママとマスターが心配して残っていてくれた。今の様子を話し、ハローさんはある程度落ち着いたこと、始末のお詫びや手配をしてくれたことへの感謝をあらためて伝える。本当ならお代に乗せたかったが、このお店は注文時に払うシステムだった。それでもと思ったが固辞された。
「こんなの慣れっこ。」「気兼ねせずまた来てよ。」と二人は言ってくれた。もちろん商売上の社交辞令かもしれないが、それでも不思議とそうは感じられなかった。またこの町に来たら来ようと思う。今度は単独でもいいし、節度を守って。
「あんた本当に偉いね。いい男だよ。」
去り際にマスターがそう言ってくれたのが少し誇らしかった。
「お幸せに～！」
…いや、意識させないでよマスター。そういう深い関係じゃないんだからさ。

10二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:17:45

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11二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:19:41

自販機で水を買い、部屋に戻った。コートを壁にかけてそのまま再び椅子に座る。流石にもう一つのベッドで眠るのは気が引けた。今更パフォーマンスと言われればそれまでだったが、なんというか変な誤解は避けたかった。
少しだけ見守ってから電気を落とし、再び椅子で目を閉じた。
眠れはしないのは分かっていたが、移動が多い職業柄、目を閉じて深呼吸しているだけで、大分違うのは知っていた。
ランドリーが終わった彼女の洋服をママが届けてくれた時にチャイムにビビったくらいだ。

12二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:21:24

オエー！

13二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:40:10

スレタイから飲みすぎ＆マーライオンはなんとなく予想はついたけど
まさか良SSまでお出しされるとは、このリハクの目を持っても見通せなんだ

14二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:44:01

見ているからのんびりペースでも完走してほしい

15二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 00:48:56

10が同じ内容で重複してない？

>>16

16二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 05:58:47

>>15

ごめん寝ぼけて連投しちまったらしい

17二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:06:59

彼女が起きる音がした。ガサガサと音がするのでビニール袋とかも仕舞っているのだろう。流石に気まずいのでしばらく寝たふりを続けた。流石にパンイチの彼女を見るわけにいかないのもあった。
やがて膝を叩かれ、「すみません……」とか細い声で呼ばれた。
意外と眠りかけてたらしい。あしたのジョーみたいな姿勢になっていた。
　腕時計を確認すると午前4時半で真っ暗。まだ始発は動いていない。
「すみません。ご迷惑をおかけしました。」
「いや、こちらは心配せずに。……とりあえず水飲んで下さい。まだきついでしょうし。」
サイドに置いておいたミネラルウォーターを開けて、彼女はコクコクと飲み下す。
空けておけば良かったなとここでも自分の介抱経験の少なさが憎かった。積み重ねたくはないけど。
「調子はいかがですか。」
「大丈夫です…色々お手間を……」
「いえ、シングルでは駄目だとホテルに言われてしまったので。ランドリーとかほとんどのことはBarのママがしてくれました。」
なぜ寝巻きになっていたのかについて暗に断っておく。ここだけはちゃんとしておかなきゃいけない。そういう仲でない異性、とりわけ仕事仲間に見られたとなれば独り身の女性としては恐怖でしかないだろう。こちらは一張羅そのままだし、Barでもそのあたり裏が取れる。
――まあ立件されちゃったら諦めよう。

18二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:08:23

「まだ暗いですし、明るくなるまで休みましょう。」
「はい……あのぉ。」
「どうしました？」
「そこはきついと思うので、横になってください。」
忍びなさそうにハローさんが言う。
まああしたのジョーで一晩過ごすのは、絵面的にも自分の身体的にも実際ヤバい。空いていたもう一つのベッドに横にならせてもらった。まあ手を出さないよアピール半分カッコつけ半分でエジプトのミイラみたいな状態で、布団も掛けずに眠った。

19二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:09:34

空が明るくなった頃目が覚めて、念のため軽食と味噌汁、ウコンなどをコンビニで買って来る。
そこからもう少し横になってるとハローさんも起きだして、ユニットで色々始めた。その間に起きる（という体裁にする）事にした。
「おはようございます……」と気まずい挨拶を交わし、
苦手じゃなければと彼女にウコンを渡した。俺も割ときつかったから飲んだ。
「これ、昨日の飲み代とホテル代デス……」
ハローさんが正座で諭吉を差しだしてきた。
大丈夫と言ったものの、よく考えると最初のお店の代金も受け取っていなかった。最終的に受け取ることになった。
実は一次会とホテル代を折半すると、諭吉さんでもアレだったが、そこはハローさんには言わずに心に仕舞っておく。トレーナーの付き合いで出ていく風呂代や水代の額を思うと、はるかに安いと。勉強料だ。何のかは分からないけど。

20二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:10:53

そこから準備もそこそこにチェックアウトした。
ロビーのソファーに一部「清掃中」の張り紙が出ている。
やばい、あの分どうなったんだ？
「あ、あの…昨日のクリーニング関係ってこちらお支払いしましたっけ？」
俺がフロントで聞くと、ママが洗剤とかで始末してくれたので大丈夫とのことだった。
ちなみにホテル代は一人当たりでも自分が取ってた安宿の倍以上していた。もしかしたら昨日の決済時に既に入っていたのかもしれない。
フロントマンがわざわざ見送りに出てくれた。やはりそこそこいいホテルだったのかもしれない。

21二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:13:05

朝の地下街を歩いて地下鉄に向かう途中、ハローさんがうずくまる場面が何度かあった。
やはり二日酔いで本調子ではなさそうだった。
地下街のトイレに避難させようかとも思ったが、幸いいずれもそこまでではなかった。
「まあ気にせずまた来てよ」というママとマスターの言伝を伝えたあたりで地下鉄の改札に着いた。
「この度は本当にすみませんでした……」
申し訳なさそうなハローさんだったが、自分としては落ち込んだまま帰ってもらいたくはなかった。
「いやいやこちらこそ気づけず……まあ、それでも楽しかったです。」
「…今日の仕事とか……影響させちゃいました？」
「まだこの時間ですしノープロブレムです。どうせ午前は遅めなのでのんびり行きます。心配しないでください。」
体力的には辛かったが、眠気だけは何とかなりそうだった。仕事の合間にも仮眠を取るつもりだ。
「ハローさんこそ大丈夫ですか。」
「はい……今日は中休みにしています。」
それなら大丈夫だ。とても仕事ができる状態じゃないだろう。
「これに懲りずまたお誘いください。宿まで本当にお気をつけて。無理せずにゆっくり休んで。」
その言葉でハローさんとの夜はお別れとなった。
スマートな男としての経験値の少なさを反省しつつ、一晩一緒だった彼女が不快な思いをしていないかが帰ってからも気になった。

ちなみに安宿に戻ったところで、カードキーが無いことに気づいた。
方々焦ってさがしたが、結局昨日飲みに出る段階で既に忘れてて、見事にインキ―してしまっていた。ほんとに格好つかないな俺って。

22二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:19:21

以上がつい先日のこと。
ここからは完全に余談だ。

この話は仕事上の付き合いがあるのでトレセンの同僚には絶対話してはいけないと思っている。
全く無関係の職種に就いてる友人に愚痴ったところ、「ヤったの？」とストレートに聞かれた。
天地神明に誓って言う。ヤッてない。走って取ってきたAEDを使っている相手が女性だったとして、そういう気持ちが沸かないのと一緒だ。ああいうので写真を撮るようなバカの気が知れない

でもハローさんのお洒落なアレが時々浮かんでくるようになったのは事実で少々の悩んでいる。欲でなく素で、「単純にかわいいな」と思ってしまった。ほんの少し年上だけどキレイな人だし、1対1からの流れを考えれば1ミリ程度はロマンスの準備かよと邪推してしまう自分もいる。正直ちょっとは自衛してくれと思ったのも事実だし。でも「ミリ単位でも掛かってんじゃねぇよ、女性ならそのくらいのお洒落普通にするし、何事もなければ普通に終電で分かれて終わりだ。」とすぐに別の理性が鞭を飛ばしてくれる。多分やれたかも委員会でも即座にNPO代表にボロクソ言われるだろう。

23二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:23:17

ちなみに指輪が小指にチラリと見えていたのも一緒に忘れようとしている。

なにせそろそろ若者とは言い難く、かといって渋さも出せない程度のアラサートレーナー。彼女いない歴＝年齢を順調に積み重ねている。いつかはいいかもと思いつつ、別に恋愛欲はない。ハローさんともこの先仲良くなれることがあればそれも嬉しいが、とりあえずは飲み友なのが丁度いい。
当然この先の仕事でも会うことになる。ちゃんと記憶から消して対応しよう。

24二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:28:51

本当に現実感がなくて未だに夢な気がしてしまう。しかしbarの名刺とクレカのアプリにホテル代が並んでいるのは紛れもない現実だ。
「もうちっと大人にならねぇとなぁ…」
とりあえず気掛かりなのはハローさんに嫌な思いをさせていないかのみ。
自分の中にある煩悩ちょっぴりと数々の反省点を電子タバコでシバきながらクレカの明細を眺めている昼休みである。
あっ、こいつ電池切れてんじゃねぇか。

Fin

25二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:31:01

いいぞいいぞ気ぶっちゃうぞ

>>29

26二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:38:44

お疲れ
大変だったな
実際どんな美人でも吐いて意識不明になられると性欲なんて湧かないよな
そんなこと気にしている場合じゃないし

>>31

27二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:39:54

ハローさんは胃の内容物を吐き出してイッチは愚痴を吐き出す
そこになんの違いもないだろうが！

>>30

28二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:45:01

このレスは削除されています

29二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 06:46:08