(ss注意)ハロウィンマーチャンです

  • 1二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:03:05

    少し早めのフライングマーチャンです。トレ×ウマ注意です。

  • 2二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:03:15

    「どうでしょうか、トレーナーさん。ハロウィンだけのお化けマーチャンです。ゆらゆら」
    ハロウィンということでマーチャンが用意した仮装を見せに来たので、重い瞼を擦りながらマーチャンにピントを合わせる。白い布を被り、左右に揺れるマーチャンは可愛らしさと儚しさを併せ持っていた。

    「とっても似合ってる……けど、マーチャンがお化けになっちゃうのは寂しいな」
    「あらら、マーチャンのトレーナーさんが悲しむのはNGなのです。じゃあ……」
    そう言って物陰に隠れ、ゴソゴソという物音が聞こえて少したち、ひょっこりとマーチャンが顔を出した。

    「じゃじゃん。サキュバスマーチャンです。カプカプ」
    ピッチリとした衣装はボディラインを顕著に映し出し、臍と肩を出したマーチャンに僅かながら劣情を抱いてしまいそうになり、咄嗟に目を逸らした。
    「………すごく、素敵なんだけど……少し、目に毒だな」

    「あら?レンズさんのフォーカスがズレちゃってるのです。ちゃんと、マーチャンを撮っていてくださいね?」
    そう言ってマーチャンは頻りに視界に入ろうとしてくる。
    「ああ、わかったよ……だから、その、着替えてくれないか」
    俺が目を手で覆い隠すと声も物音も聞こえなくなり不安になって呼びかける。

    「マーチャン?」
    「カプカプ」
    指の隙間からゆっくりと覗くと、マーチャンが膝の上にのしかかり、俺の首元を甘噛みしてきた。

    「マーチャン?!」
    「これでトレーナーさんはマーチャンの眷属になったのです。」
    満足気に微笑み、唇の隙間から八重歯を覗かせた。

    「う、うん?」
    「これでマーチャンがみんなと離れ離れになってもあなただけは一緒ですよ」
    「……そういうことは軽率に口にするもんじゃないよ」

    少しだけ説教臭い言い方になってしまったがこれくらい口酸っぱく言った方がいいだろう。本当にマーチャンにドキドキしてしまったのだから。

  • 3二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:03:33

    「ありゃ、怒られちゃいました。ごめんなさいです。」
    「いや、怒ってなんか居ないよ。どんなマーチャンも素敵だと思う。ただ、俺も男だってことを、頭の片隅に置いといて欲しいな」
    「わかりました」
    急にクラッと頭が揺れるような感覚に襲われた。流石に2日間も徹夜したのが堪えたのだろう、急に瞼を何者かに引っ張られるように目を閉じた。

    「あー、ごめん。耐えてたんだけど、もう無理だ。眠すぎる」
    「悪いけど、一回仮眠取らせて」
    「あらら、トレーナーさんはひへーですか?おつかれさまです。マーチャンが傍で見守っててあげますから、ゆっくり休んでください」
    「ありがとう、おやすみマーチャン」
    そう言って一分もしないうちに俺は眠りに落ちた。

    「……ぅ…ん………んぁ?」
    頭の辺りに違和感を覚え、ゆっくりと目を開けると優しい香りが鼻をついた。

    「どうも、おはようございます」
    「……あれ?!なにしてんのマーチャン?!」
    一体いつの間に着替えたのか、看護師の服装に身を包んだマーチャンが俺を膝枕していた。

    「トレーナーさんがお疲れだったので、嫌でしたか?」
    「嫌ではないけど……」
    「でしたら、もう少しお休みしましょう。このままではマーチャンにピントが合わないですから」
    「う、うん」
    「よしよし、お疲れ様です。トレーナーさん」
    優しく頭を撫でるマーチャンの手は暖かく、また眠気を催してきた。

    「ありがとう、マーチャン」
    「マーチャンが癒してあげますから、ゆっくりおやすみくださいね」
    「うん」
    そうしてもう一度、俺は深い眠りについた。

  • 4二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:03:42

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  • 5二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:03:48

    「……ん………おはよ、マーチャン」
    目を覚ますも頭に腿の感触はなく、代わりに背中に柔らかい感触がある。

    「……マーチャン?」
    マーチャンの抱きついた腕を振り払おうとするも、ガッチリと抑えられ、どうにも出来ない。
    「ぐっ!……動けない……」
    身を捩って何とかマーチャンの方を向くとマーチャンはすやすやと安らかに寝ていた。

    しょうがない、もう少し横になるかと眠りに着こうとするが…………寝れない。そりゃそうだ、マーチャンのおかげでぐっすり寝てしまった。今は眠気よりも終わってない仕事の方が気になる。

    そういえば、普段から幾度となく目に焼き付けてきたマーチャンの顔もこんなに至近距離で見た事はなかったな。
    ……綺麗だ。黒く長い睫毛に覆われた、ペリドット色の瞳を隠す瞼。仄かに赤らんだ頬と、艶めかしい桃色の唇。優しい香りのする髪。美しい、その言葉しか浮かばない。

    ゆっくりと頭を撫でると、ピクピクと耳が動いた。そして、ゆっくりと、宝石の眼がこちらを見つめてきた。

  • 6二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:04:12

    「あら、寝ちゃっていました。トレーナーさんはよく休めましたか?」
    「ああ、おかげでスッキリしたよ……あの、マーチャン?」
    「…?……なんでしょうか」
    「いや、いつまで抱きついてるのかと思って」
    「………!」

    マーチャンのキョトンとした顔が段々と紅潮し、プルプルと震えだした。どうやら無意識のうちにこうしてしまっていたらしい。普段見ることの無いマーチャンの表情を見れたことでラッキーなどと考えていると、マーチャンが胸元に顔をうずめてきた。

    「あの……マーチャン?」
    「…………」
    「もしもーし?」
    黙りこくるマーチャンに話しかけると、返ってきたのは予想外の応えだった。

    「………ぶぶー、答えが違います」
    「え……じゃあ"離してください"?」
    困惑しつつもマーチャンにお願いするとやけに抑揚のない声を繰り返した。

    「ぶぶー、答えが違います」
    「…………!……こうかな?」
    俺はマーチャンの頭を包み込み、ギュッと抱き締めた。

    「…正解です」
    ホッとしたのもつかの間、ギシギシと音がなりそうなほど、マーチャンが強く体を抱きしめてきた。
    「ちょっ、マーチャン!強い、強い!いだだだだだ」

  • 7二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:04:22

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  • 8二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:04:41

    「ありがとう、助かった……」
    「……ごめんなさい」
    マーチャンがしょんぼりと耳を垂らし、申し訳なさそうに謝ってくる。

    「いいんだよ、俺も癒して貰ったしお互い様だよ」
    「今日は、なんだかいつものマーチャンじゃないみたいだね」
    いつもは皆の記憶に残るため、皆のマスコットになるために頑張るマーチャンの姿はなんだかぼやけていた。

    「………はい、今日だけは貴方だけのマスコットでいたいです」
    上目遣いでネクタイをキュッと掴み、訴えかけてくる。またマーチャンにドキリとしてしまった。

    「そっか、今日だけは俺のマーチャンだね」
    「はい……」
    「何かして欲しいことはありますか?」
    「うーん………そうだな、色んなマーチャンを見たいな」
    「わかりました、少しおまちを」

    そそくさと物陰に隠れ、ガザゴソという音がする。まさかそこで着替えているのか?いくらなんでも無防備すぎやしないか?!なんて邪な事を考えていると、シルクハットを被り、黒いマントを羽織ったマーチャンがモノクル越しにこちらを見つめてきた。

    「じゃじゃん!怪盗マーチャンです!」
    「おー、似合ってるね。何を盗むの?」
    そういうと耳元で小さく消えそうな声でマーチャンが囁いてきた。

    「トレーナーさんのハートを盗んじゃいます」
    「……マーチャン、それは"ダメ"だよ。今日だけじゃなくなっちゃう」
    今日何回マーチャンにドキドキさせられてしまっただろうか、流石に少し厳しい声色でマーチャンを叱るも、当人は動じずに胸元に手を伸ばしてきた。

    「そうですか、じゃあこっちをいただきますね」
    「まぁ、それならいいよ」
    そう言ってマーチャンは俺のネクタイピンを外し、自身の髪を留めた。

  • 9二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:05:00

    「さらば!」
    そう言った刹那、俺の視界から光が消えた。被せられた布を捲ると、そこにマーチャンの姿はなかった。

    「マーチャン?どこに行ったの?」
    そう問いかけると腰掛けてソファーの後ろから布を擦る音が聞こえてきた。

    後ろを振り返るとディアストーカーを被り、トレンチコートを羽織ったマーチャンがいた。
    「どうも、探偵マーチャンです」
    少し声を低くしてゆっくりと口を開いたマーチャンは、周囲を1歩ずつ歩きながら俺の前にかがんだ。

    「どうやらやつは大切なものを盗んで行ったようです」
    「まぁ、ネクタイピンならいいけどね」
    その言葉を無視してマーチャンが続けた。
    「あなたの心です!」

    「……いやー、それは盗まれて…………」
    ジーッと、綺麗でそれでいて底の見えない瞳が至近距離で俺を見つめてきたことで、俺は返答に詰まってしまった。俺ははっきりいってマーチャンに陶酔している。マーチャンが赦すなら身も心も捧げるつもりである。

    だが、言ってしまっていいのだろうか。嘘で変装した本心は未だ二十面相でいるべきだろうか。

    「……そうです。あの子に俺の心は盗まれました」
    「なるほど、では……」
    またマーチャンが膝の上に座ってきた。ゆっくりと顔を耳元に近ずけて囁いた。

    「……代わりにマーチャンの心をあげますね」

  • 10二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:05:28

    おしまい。結構長くなってしまった……

  • 11二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:05:55

    このレスは削除されています

  • 12二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:09:09

    このレスは削除されています

  • 13二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:09:50

    👍
    なんか今日はSSスレに荒らしいるけどスルーの方向で

  • 14二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:11:30

    あれこれ仮装するマーチャンかわいいなぁ

  • 15二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:25:16

    マーチャンに転がされちゃってる専属レンズは健康に良い

  • 16二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:31:55

    マートレは既に身も心も捧げる覚悟があるというのに、なぜマーチャンは誘惑するような真似をするのか
    2人の想い出を紡いで絆が解けないようにするためらしい
    そんないじらしいマーチャンの物語を見られてよかった ご馳走様でした

  • 17二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 22:49:54

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん23/10/29(日) 23:00:55

    アッアッしゅきぃ

    素晴らしいSSマーちゃんありがとうありがとう

  • 19二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 08:43:05

    あぁ〜頭専属レンズになりゅ〜〜

  • 20二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 18:16:55

    マーチャンに乗られて耐えてる専属レンズは何者なんですかねぇ……

  • 21二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 18:24:59

    >>20

    我慢できなくなったら困るからとストップかけてるから………なんでそんな理性が保つんですかね?

  • 22二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 19:00:56

    >>21

    A,専属レンズだから

  • 23二次元好きの匿名さん23/10/30(月) 22:06:37

    >>22

    専属レンズ修行僧概念

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