- 1二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 22:50:40
「真っ赤だな、真っ赤だな〜」
シービーの音色が紅葉や楓を秋の音で奏でる。
紅葉に染まる山の中で、透き通った声が楽しそうに歌い、山の空気に溶けて消えていく。
ここ最近、シービーの気分が良いのか、散歩の道中で彼女は思うがままに歌うことが多かった。
例えば、夕焼けに染まる田畑でトンボを見た時や、どんぐりや松ぼっくりを探した時。
はたまた、月夜が照らす夜中では鈴虫が鳴く時には、ユニゾンで歌ってくれた。
ライブでの迫力がある凛としたものとはまた違った、穏やかにしみじみと広がる歌声。
自由人と言われているが、散歩中に歌う姿は誰よりも純粋無垢で、少しだけ子供っぽい。彼女は。
だからこそ、シービーが楽しそうに歌う時は、こちらも静かに聴き入ってしまう。
「ん?トレーナー、どうしたの?」
「んん、いや、何でもないよ、シービーの歌声に聴き入ってだけ」
シービーの歌う横顔を眺めながら考えていたら、こちらの視線を感じてか、彼女と目が合う。
不思議そうにこちらを眺める彼女に対して、何事もないかのように答え、彼女に微笑む。
「ふふっ、ありがとう。キミはいつも正直だね」
率直な感想を口にすると、シービーもこちらに微笑み返しながら、尻尾をぱたぱたと振る。
照れた様子もなく素直に褒めてくれることが嬉しいのだろうか。
「秋の夕日に照る山、紅葉〜」
そうして、また彼女は別の歌を歌いはじめた。尻尾と耳がゆらゆらとリズムに合わせて揺れる。
その旋律は落ち葉が秋風で舞い踊るかのように秋の嶺に軽やかに鳴り響いた。 - 2二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 22:53:37
- 3二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 22:55:50
素朴で好き
シービーなら確かに歌いそう - 4二次元好きの匿名さん23/11/01(水) 23:37:50
好き
目についたもの何でも歌にするの聞いてて楽しいだろうな