- 1二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 19:51:54
「……それじゃ、ブルボンさん。新年の温泉旅行楽しんできてね」
「はい。ライスさんもお元気で」
プシュー……
「ふうっ、ライスも学園に帰って年越しの準備をしなきゃ……ってアレ? これ、ブルボンさんの財布……」
「あわわ、どうしよう……! このままじゃブルボンさんが電車から降りられなくなっちゃう……! でもライスの足じゃもう間に合わないよ……!」
「お困りかな? ライス君」
「あ、あなたたちは……!」
「アタシ達がッッッ!!」
「ブ、ブルボンに……」
「財布を届けてみせよう!」
作戦はこうだ!(CV:小林清志)
ミホノブルボンの目的地は3駅先! そこで最速のウルトラマン三人組にリレーをしてもらい、電車が着く前に財布を届ける!
これで解決だ! - 2二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 19:53:17
っていうBNWのSSを考えたんだけど後が全然思い付かない…
他のウマ娘verも考えて… - 3二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 19:55:10
そもそもウマ娘が超人すぎてライス単独でもギリ追いつけそう問題
実際ブルボンは電車を一駅追いきったし - 4二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 19:57:49
- 5二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 19:58:00
脳内再生余裕なのに……
- 6二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 19:59:58
ウルトラマンDASHじゃなくてとんねるずのスポーツ王は俺だ版考えようぜ!!!
- 7二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 20:07:58
タイキの早撃ちの腕前で何か一個ウルトラマンDASH作れないかな…
- 8二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 20:08:50
中村俊輔ばりのフリーキックをかますフラッシュ
- 9二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 20:17:58
そっくりスイーツじゃないのにかじっちゃうスペちゃん
- 10二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 20:22:31
[※ここから現実]
「あははっ、タイシンガチガチになってる〜!」
「ちょっ、やめてってば! 蹴るよ!?」
「何度もレースをしてきたが、まさか電車と競争する事になるとは……。しかも三人でリレーなんて初めてじゃないか?」
「駅伝の時は別々のチームだったんだよね。そっか、初めてか…… う゛お゛お゛お゛お゛お゛ん゛!゛!゛感゛動゛し゛た゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛」
「あーもういちいち泣くな! これから走るのに体力使わない!」
「BNWの皆さん、申し訳ありません。私が財布を忘れなければ……データ修正、『財布の確認』をインプットします」
「ごめんなさい……。ライスがちゃんとブルボンさんにお財布を渡していれば……。ライス、だめな子だ……」
「いや、これはそういうストーリーであって君達が気に病む必要はないんだぞ?」 - 11二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 22:11:27
「しかし電車、電車か……。初速はともかく、最高速度はどう見積もっても私達より速いな」
一般的な在来線の最高速度が時速90kmなのに対し、ウマ娘の最高速度は時速60km〜70kmほど! その差は時速20km!
これは、だいたい自転車を漕ぐのと同じくらいのスピード差! 初めて戦う相手に、ウルトラマン達も困惑を隠せない!
「どうする? 駅と駅の間が2kmくらい……レースっぽく言えば一人辺り約2000mだけど」
「はいはいはい!! 電車はトップスピードに乗るまでが遅いから、一気に突き放して逃げる!!」
「バカ、スタミナのこと考えろ。2000mずっと全力疾走できるワケないでしょ?」
「あ、そっか……」
そう、送電線によって補給を受け続ける電車と違い、ウマ娘は最高速度を維持できる時間に限りがある。
つまり、ウルトラマン達は必ずどこかで時速60km程度まで速度を落とさなければならないのだ。
その差はなんと時速約30km! 車で走るのと同じ速度差がウルトラマン達を襲う!
加えて、今回対決する電車は快速電車! 目的地の途中にある駅は全て通過する為、減速せず一気に目的地まで走っていく!
一旦抜かれたら差し返すのは至難の業! どうする、ウルトラマン!?
「まぁ待てタイシン。私としても同じ考えだ。この戦い、狙うとしたら初速の差だろう。問題は──」
「……誰がどの順番で走るか」
かつて三つのGⅠを分け合ったBNWの三人だが、その脚質は大きく違う。
最後方から一気に飛び出し、切れ味鋭い末脚で皐月賞を掻っ攫ったナリタタイシン。
三人並んでの叩き合いに最後まで食らいつき、その爆発力でダービーを勝ち取ったウイニングチケット。
前目に付ける先行策で粘り強く走り、三つの中で最も長い距離を誇る菊花賞を制したビワハヤヒデ。
この三人の個性を活かす順番にこそ勝機があるとビワハヤヒデは睨んだ! - 12二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 22:26:17
「走る順番は決まってないんだよね?」
「は、はい……。そこはウルトラマンさんの自由にしていいって言ってました」
「じゃ、アタシいちばーんッ!」
「待てチケット。ここは私に決めさせてもらえないだろうか?」
「ハヤヒデが? ……オッケー! ハヤヒデならきっと良い案出してくれるしね!」
「ん、アタシもいいよ。どうすんの?」
「そうだな……。すまない、走る距離の分担もこちらで決めさせてもらえないだろうか?」
「……問題ない、との事です。そちらで決めてもらって構わないと」
「分かった。チケット、タイシン、来てくれ。勝利の方程式を話そう」
二人を集めて作戦を話すビワハヤヒデ。
ウルトラマン達はこの戦いに勝てるのか……!? - 13二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 23:02:10
『……窮地に立たされた一人のウマ娘を助ける為、かつて覇を競い合った優駿達が、手を取り合って強大な敵に立ち向かおうとしております。ウルトラマン達には新年を飾る三女神となってほしいところ』
『第一走者、ナリタタイシン。走行距離2000m。クラシック三冠の一冠目、皐月賞を制した鬼脚の持ち主であります。トップバッターとしてこの上なく相応しいウマ娘でしょう』
『第二走者、ビワハヤヒデ。走行距離2400m。三人の中では最も長い距離に挑戦します。BNWの司令塔とも言える彼女、どのような走りを見せてくれるのでしょうか』
『最終走者、ウイニングチケット。走行距離1600m。なんとマイルを走るのは初めてとのこと。これは一種の策略なのか? ダービーを制したあの力強い走りを期待したいと思います』
『三名とも準備万端といった様子であります。スタートは列車のドアが閉まった瞬間。今、対決のゴングが──』
プシュー……
『鳴り響きました! 弾かれた様に駆け出すナリタタイシン! 速い、速いぞ! 閃光の様な加速でぐんぐん駅から離れていきます! 電車は今ようやくホームから顔を出したところ! ウルトラマン達はこの差を守り切る事ができるでしょうか!?』
「(……後の事は気にすんな! 電車に追いつかれるかどうかは問題じゃない! アタシがやるべきは、出来るだけ早くこの財布をハヤヒデに届けること!)」
『さぁ2ハロンほど過ぎてタイムは22秒54! これは速い! GⅠウマ娘の全力疾走であります! 電車は徐々に速度を上げてはいるもののまだまだ差は埋まりません! ここから巻き返すのか、はたまた逃げ切ってしまうのか!?』 - 14二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 23:20:40
保守
- 15二次元好きの匿名さん22/01/01(土) 23:26:20
『しかし電車の速度も加速度的に上がってきます! 手元のメーターでは現在時速72km! ここからさらに速くなって参ります!』
「(……くそっ、もう苦しくなってきた。まだ半分も走ってないのに。もっと動け、足……!!)」
『時速75、78、83! ウマ娘の最高速度を越してまだ上がっていく!』
「タイシンちゃん頑張ってくださーい!」
「が、がんばれタイシンさーん!」
『同室のスーパークリーク、ゲストのライスシャワーも応援しています! しかし今──』
「(ま、ずい……!!)」
『──時速90km!! 最高時速に到達しました!!』
『じりじりと確実にマージンを削っていきます!! その様はまるで獲物を飲み込もうとする高速の蛇!!』
「タイシン!!」
「……ッ!! あぁああああッ!!」
『残り300mで再加速していくナリタタイシン! しかし差は縮まっていく一方であります!』
「ここだ! タイシン!」
「頼んだ……ッ、ハヤヒデ……ッ!」
『ここでビワハヤヒデにバトンを繋ぎます! 菊花賞を制したビワハヤヒデ、このレースを勝利に導く事はできるのか!?』 - 16>>122/01/01(土) 23:28:42
ちょっと疲れたから休憩させて…
おじいちゃんだから体力ないの… - 17>>122/01/02(日) 00:22:00
明日書きます…
睡魔には勝てねえ… - 18二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 00:25:43
ゆっくり寝てね
- 19二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 00:41:45
最後に申し訳程度の円谷作品の告知すこ
- 20二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 03:08:17
保守しておく
- 21二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 12:04:51
保守
- 22二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 12:44:42
うーん脳内再生余裕すぎる
- 23>>122/01/02(日) 12:51:44
めっちゃ保守してもらってる〜〜〜
今から続き書くから待っててくれ - 24二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 13:26:13
『さぁ第二走者ビワハヤヒデ、美しい白髪をたなびかせて走っていきます! 平均時速はなんと63km! ほとんどブレない、完璧なペース配分です!』
『しかし後方から物凄い勢いで追い上げてくる鋼鉄の蛇! このままでは追い付かれてしまうぞ!』
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
『快速電車、並びかけてくる! 残り3バ身!! 2バ身!!』
「くっ……!! まだだッ!!」
『ここで加速するビワハヤヒデ!! 時速68km!! 流れる芦毛が、白い彗星のように疾走していきます!!』
「はぁあああああああッ!!!!」
『ビワハヤヒデが粘る!! 懸命に足を動かし、追い付かれまいと必死で逃げています!! しかし快速電車も止まらない!! 後方から迫るは時速90kmの怪物!!』
「はぁッ、はぁッ……!! うおぉおおああああッ!!!」
『ビワハヤヒデ食らいつく!! 時速70km!! フルパワーだ!! が、今──』
『──抜かれた!! ビワハヤヒデ抜かれた!! 鋼鉄の大蛇が、とうとうウルトラマンを捉えましたぁッ!!』
追い詰められたBNW!
どうなる、ウルトラマン!? - 25二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 14:08:54
「まだ、だ……ッ!!」
『なんというスタミナだビワハヤヒデ!! 追い抜かれてもなお足を緩めず走っていきます!! 残り1000m、このまま最高速度を維持するという事か!?』
『しかし、快速電車もなおその距離を離していく!! 快速電車との速度差は時速約20km!! この差はまさしく、機械とウマ娘の差と言えるでしょう!!』
『さぁ、最終走者ウイニングチケットの待つ4400m地点まであと少し!! ビワハヤヒデ、依然として時速68kmを維持しております!!』
「(……くっ、計算が狂っている! このままではあと少し間に合わん! どうすれば……!?)」
「ハヤヒデーーー!!! ファイトーー!!!」
「……!」
『4400m地点まで残り50m!! 準備運動を終えた最終走者ウイニングチケットが仲間の到着を今か今かと待ちわび──』
「走れ!!!」
「えっ?」
「いいから走れッ!!! チケットッ!!!」
「……!!」
『これはどうした事かウイニングチケット!? まだ財布を受け取っていないのに走り出したぞ!? 残り20m、ビワハヤヒデは走った勢いのまま財布を大きく振りかぶって──』
「チケット、受け取れ!!」
『投げたぁっ!!』 - 26>>122/01/02(日) 14:38:58
休憩させて…眠くなってきちゃった…
しっかり寝ないと体に悪いから…() - 27二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 20:00:14
保守
- 28>>122/01/02(日) 23:22:40
いやぁおばあちゃんのお年玉で食べる骨つきももの辛味チキンは最高でしたね…
今度こそ最後まで書いていきまーす - 29二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 23:58:21
保守
- 30二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 00:03:46
第二走者ビワハヤヒデの投げた財布は綺麗な放物線を描き、最終走者ウイニングチケットの頭上を越えていく。
そして、先に走り出していたウイニングチケットがそれを見事にキャッチ! 一秒のロスもなくスタートを切る事に成功した!
「よーし、行っくぞぉーーー!!!」
『司令塔ビワハヤヒデの見事なスローイングにより快調なスタートダッシュを決めたウイニングチケット!! 勝負の行方は、彼女に託されました!!』
『しかしミホノブルボンを乗せた列車は依然として彼女の前!! ウマ娘の限界を遥かに上回る速度で走っております!! 果たして、ここから逆転する策はあるのでしょうか!?』
「(……大丈夫、ここまでは全部ハヤヒデの言ってた通り! タイシンは全力で逃げる、ハヤヒデは全力で食らい付く! そしてアタシは──)」
「──全力で、差し返すッッ!!!」
『ウイニングチケット始動!! 残り1000mにしてフルスピードです!! しかし電車はじりじりとその差を広げていく!!』 - 31二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 00:29:30
『残り800m!! 間に合うのか、ウルトラマン!?』
「(大丈夫!! 大丈夫!! 二人を信じろ!! アタシを信じろ!!)」
『残り700m!!』
「(アタシ達は何度も戦ってきた!! タイシンはスゴい末脚を皆に見せつけてきた!! ハヤヒデも完璧なレース運びでアタシ達に勝ってきた!!)」
「(そして、アタシも二人に並んできた!! 諦めずに必死に食らい付いてきた!! だからダービーを獲れたんだ!! だから今回だって──!!)」
「諦める……もんかああああああッ!!!!」
『残り500m!! ……これは!?』
『信じられません!! なんとウイニングチケットがじりじりとその差を縮めています!! 現在の時速は──』
『ウイニングチケット、73km!! 快速電車、71km!! ここにきて、ようやくウルトラマンが電車の速度を上回りました!!』
これは一体、どういう事なのか!? - 32二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 01:15:20
実は対決が始まる前、ウルトラマン達はこんな事を話していた──。
「……はっきり言おう。この戦い、私達が全力でやれば勝てる。しかも割と低くない確率でな」
「えー!? 何それ!? アタシ達が走る必要なかったってこと!?」
「チケットうるさい。……それで?」
「さっきチケットが言っていた事は正しい。……が、正確には少し足りないんだ。今回の勝負、私達にはあと二つのハンデがある」
「一つは減速の時間だ。ところで……ブルボン君は以前、一人で電車に追い付いた事があると言っていたな?」
「はい。私のメモリーにはそのような事がインプットされています」
「ふむ。実は電車というのはトップスピードで走っている時間がほとんど無いんだ。走行時間の多くは加速・減速に使っていると言ってもいい。ブルボン君が追い付けたのは、恐らくそういったロジックが働いていたからだろう」
「……しかし、私が追い付いた電車は駅の間隔が短い各駅停車でした。快速電車は減速する必要が無い分、常に最高速度で走るのでは?」
「ああ。だが、だからといってそのタイムロスが無くなる訳じゃない。今回の狙い目は最初の600m……そして、最後の600mだ」
「最後の? なんで?」
「いいかチケット。電車というのは中に居る人の為にゆっくり減速しなければいけないだろう? その減速が始まるのがだいたい残り600m……時間にすれば駅に入る数十秒前くらいからなんだ」
「つまり、出来るだけ電車に離されないようにしつつ、残り600m付近からスパートを掛けていけば、自然と距離は縮まっていく……というのが私の考えるプランだな」 - 33二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 02:19:30
「そして……これはあまり言っていいのか分からないが……この勝負、私達が勝つ必要はないんだ。何なら負けても構わない」
「ええーー!? 手を抜くってこと!? そんな事しちゃダメだよハヤヒデ!! 勝負っていうのは全力でやらなきゃ──」
「ブルボン、このアホの口塞いどいて」
「承知しました」
「……話を戻すぞ。今回私達が勝つには『電車より先に駅に着く事』だ。そして、その定義が『電車のドアが開くまで』なのもスタッフに確認してある」
「だが、私達は駅に着くだけでゴールだ。駅の中に入る必要もないし、電車が駅に着いてもドアが開くまでには2、3秒のタイムラグがある」
「つまりだな……今回のレース、私達が先に駅に着く必要はないんだ。同着どころか1秒遅れても勝てるんだよ」
「最初と最後の加減速、そしてこの勝利条件の違い。難攻不落に見えて、実はここまでのハンデを貰っているという訳だな」
「……でも、全力でやらなきゃ負けるんでしょ?」
「……その通りだ。悔しいが、ここまでハンデを貰っても勝敗は五分と言ったところだろう。どんなに小細工を弄しても、向こうの方が圧倒的に速い。実際に闘えば、1秒のロスも許されない戦いになるだろうな」 - 34>>122/01/03(月) 02:21:41
これ一個書くのに1時間くらい掛けてるってマジですか…?
ちょっと眠すぎてスマホ打つの難しくなってきたから明日に回すね…
ごめんね…明日こそ完成させるね… - 35二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 02:23:12
スマホで打つのはキツイよ…
- 36二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 12:05:57
ほーしゅ
- 37二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 19:07:31
保守
アーチェリーのウルトラマンのやつを流鏑馬でやるのも面白そう - 38二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 19:08:00
このレスは削除されています
- 39二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 19:37:05
おもろい
- 40>>122/01/03(月) 23:07:24
よーし、そろそろ書き始めるか
今日こそ終わるといいな… - 41二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 23:14:32
今回の話録画し忘れてたから助かる
- 42二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 23:31:08
「(……だからこそ、この順番、この距離にこだわったんだ)」
「(加速に優れるタイシンがマージンを稼ぎ、ハイペースの先行に慣れた私が走りを崩さないギリギリの距離まで粘る。そして、体力を温存しておいたチケットが残り600mで電車に並んで同着ゴール……)」
「(これが私の──私達の、勝利の方程式だ!)」
「うおぉーーーーーーッッッ!!!」
『凄まじい追い上げ!! あれほど開いていた差を一気に埋めていきます!! これがダービーウマ娘の実力と言わんばかりの末脚だ!!』
「(……ハヤヒデは言ってた。同着か、負けても一秒差なら、アタシ達の勝ちだって)」
「(……でも、それじゃダメなんだ!! やるからには絶対勝つ!! 『負けてもいい』なんて考えじゃ、悔いのない走りなんて絶対出来ないから!!)」
「まだ……まだぁーーーーーッ!!!!」
『残り300m!! 間に合うか、ウイニングチケット!?』 - 43二次元好きの匿名さん22/01/03(月) 23:58:11
「タイシンちゃん、お疲れ様でした〜」
「ちゃん付けはやめて。……でも、ありがと」
『──残り300m!! 間に合うか、ウイニングチケット!!』
「チ、チケットさん、大丈夫かな……」
「……勝つよ。アイツは」
「アイツはバカだし、暑苦しいし、頑固でせっかちな向こう見ずだけど……」
「……だからこそ、ここ一番の勝負根性っていうか、『負けたくない』って気持ちは誰より強い。アタシ達は、アイツのそういう所に賭けたんだ」
「……ふふっ」
「……何?」
「いえ、タイシンちゃんって結構お友達思いなんですね〜」
「は、はぁっ!? ちがっ、そんなんじゃないから! アタシはただ──」
『──残り200m!! 電車は未だ前方!! ウイニングチケット、決死の走りを見せます!!』 - 44二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 00:35:03
「(……あと少し……!! あと少しの差が埋まらない……!!)」
『残り150m!!』
「(……やれる事は全部やった、ハヤヒデもタイシンも全力を尽くした、なのに……!!)」
『残り100m!!』
「(……いや、まだだ……!!)」
「(タイシンは最初から最後まで必死に走り切った、ハヤヒデは抜かれてもめげずに食らいついた、アタシも出来る限りの事はやってきた)」
「(……なら、この差を埋めるのは!! アタシが出来る以上の走りだッ!!)」
「動け、脚ぃぃぃーーーーーーーーッ!!!」
『信じられません!! ウイニングチケット、ここから再加速!! 残り50m、ここからさらにアクセルを踏めるのか!?』
「(そっちが快速電車だって言うんなら……!!)」
「アタシは、勝利への特急券(ウイニングチケット)だあああああああああッッッ!!!!」 - 45二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 00:55:48
『……!! ゴォーーーールッ!! 同着!! 電車とウイニングチケット、ほぼ同時のゴールですッ!! そして今──』
プシュー……
『ミホノブルボンを乗せた電車のドアが開きましたッ!! ウルトラマン、見事ミホノブルボンに財布を届けました!!』
MISSION COMPLETE
「はぁっ……はぁっ……」
「チケット!」
「あ、ハヤヒデ……タイシン……。やった、間に合ったよ……!」
「ハイハイ、喋らなくていいから。……お疲れ」
「皆さん、ありがとうございました。電車の中から見ていましたが……素晴らしい走りでした」
「す、凄かったです……! 途中でハヤヒデさんが財布を投げたのも、作戦の一つだったんですか……?」
「ああ、アレは……私のアドリブだよ。タイシンから財布を受け取るのに二、三秒手間取ってね。半分賭けだったが、上手く行って良かった」
「そうそう! 急に『走れ!!』って言われてさ、驚いて走り始めたら上から財布が落ちてくるんだもん! ビックリした〜」
「……アンタ、まさか知らずに走ってたの?」
「……どうやら、私が思っていた以上に分の悪い賭けだったようだな」 - 46二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:14:17
「それにしても残念だな〜……。絶対勝つ!って気持ちで走ってたのに、結局同時ゴールになっちゃったし。次は絶対勝つぞー!」
「いや、次とかないから。てかそれアタシ達もやらなきゃいけないんだけど」
「み、皆さん……! これ……!」
番組スタッフがウルトラマンに差し出した画像、そこには──。
「あれ、勝って……る?」
たった数センチの差ではあるが、僅かにウイニングチケットが先着している所がハッキリと写っていた!
「これって、つまり……」
「私達の完全勝利、だな」
「……や、やったぁーーー!!! アタシ達、電車に勝ったんだぁーーー!!! う゛お゛お゛お゛お゛お゛ん゛!゛!゛!゛感゛動゛し゛た゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛」
「うわっ、泣いてる状態で引っ付くな! 鼻水が付く!」
「グスッ……よーし、次は新幹線に挑戦するぞー!! 今のアタシ達なら絶対勝てる!!」
「いや、新幹線の最高速度は時速300km、今回の3倍以上なんだが……」
「じゃあ3倍速く走ればいけるじゃん!」
「だから無理だっての」 - 47二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:38:19
──こうして、財布を忘れたミホノブルボンは……
「はい、楽しんできてね!」
「命令を受理。モード『楽しむ』に移行。オーダー通り、全力で楽しんできます。皆さん、ありがとうございました」
無事に電車を乗り換え、新年の温泉旅行へと旅立っていった……。
そして、役目を終えたウルトラマン達は、また熱いレースを繰り広げる為、三人仲良く駅を後にするのだった……。
「ね、新幹線は無理でも機関車なら……」
「しつこい! ダメな物はダメ!」
「えーーーっ!?」
☆CMのあと、逃亡者ウルトラマン登場!? - 48>>122/01/04(火) 01:39:37
という訳で終わり
丸二日も掛かるとか聞いてないよ…… - 49二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:39:59
素晴らしい、あんたがウルトラマンだ
- 50嘘予告22/01/04(火) 01:50:46
次回のウルトラマンは!?
「今日は絶対捕まえちゃいますよ〜っ!!」
「ワタシたちが相手デース!」
「ウソでしょ……」
異次元の逃亡者vsウマ娘100人!!
この東京ドームの中でも、最速のウルトラマンは逃げ切れるのか!?
「どんな状況でも、先頭の景色は譲らない……!」
このあとすぐ!! - 51二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 02:30:57
乙
良SSだった - 52>>122/01/04(火) 14:02:42マルゼンスキーの私服がキツい|あにまん掲示板その花柄のワンピース、優しかった頃の母さんが着ていた物にそっくりなんだ明るくて独特な口調も、腰まで伸ばしたロングヘアーも、俺に向ける優しい笑顔も、お前の何もかもが昔の母を思い出させるんだかつての楽しか…bbs.animanch.com瞬間、トレーナーの脳内に溢れ出した 存在しない記憶|あにまん掲示板「──ちゃん、今日はママと一緒にお買い物行きましょうか! パパが帰ってくるまでにカレー作らなくっちゃ! ──ちゃんも一緒に作ってくれる?」「あら、トレセン学園の生徒だわ。懐かしいわねぇ……。昔はママも…bbs.animanch.com瞬間、トレーナーの脳内に溢れ出した 存在しない記憶|あにまん掲示板「あ、いたいた! あなたー! こっちこっち!」「はい、お仕事お疲れ様。……でも、ちょっと待たせすぎよ〜? この子と一緒に『来ないねー』って言いながら待ってたんだから。ね〜?」「それにしてもイルミネーシ…bbs.animanch.com
過去作的な何か
良ければ見ていってね