マエストロ「先生はテイルズサガクロニクルをご存知だろうか」

  • 1二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 19:31:39

    情熱の籠められた、という表現がある。作者の感情を偲びながら芸術作品を称えるときに使われる言葉だ。
    確かに作者の感情が伝わってくる作品というものは存在する。しかしながら、奇妙な言葉だとは思わないか、先生。未だ感情を定量的に比較することはできないというのに、いったい私たちは何を以て作品から感情を読み取っているのだろうか。
    ……私はこれを、どれだけ「感情の根源」に近付いているかだと考える。感情を揺さぶる根源の形を如何に正確に複製し、自然な形で作品の内へ落とし込むか。その巧拙こそが、我々の読み取る感情の正体ではないだろうか、と。

    ──その意味で、この「テイルズサガクロニクル」という作品は実に興味深い。
    語弊を恐れず言うならば、この作品は破綻している。プレイヤーを騙すナレーション、不条理極まる高難度、矛盾した表現ばかりのシナリオ。「プレイできるだけのジャンクデータ」と評している者も見かけたが、それもまた正鵠を射た表現だ。
    だが一方でこの作品には、凄まじいまでのゲームに対する情熱というものが籠められている。率直に言って、私はここまで「感情の根源」に近付いた作品を他に知らない。それほどまでに、この作品の制作者たちはゲームという媒体を愛し、そして根源の形を複製することに秀でているのだろう。
    ……私はこの作品に深い感動を覚えた。作品としては破綻しながらも芸術としては完成されきった作品…これを解釈することができれば、私は感情の根源の形に大きく迫ることができるはずだと。
    そして同時に…芸術家としての直感とでも言おうか。巡り合わせ如何によっては、この「テイルズサガクロニクル」は私たち(ゲマトリア)すらも驚かせるような何かを起こすかもしれない──そんなことを思ったのだ。
    ……黒服には呆れられたし、ベアトリーチェには鼻で笑われたがね。それに私も、その直感を本気で信じているわけではなかった。
    だが…先生、そなたは既に知っているはずだ。
    かの作品が、如何なる奇跡を起こしたかを。
    天童アリス──名もなき神々の王女AL-1Sの名前を。

    無名の司祭の、最も強力な遺物の一つ──名もなき神々の王女。
    神秘に対抗し、忘れられた神々を排除するために造られた決戦兵器が──何ら神秘を持たない一つの芸術によって、その使命を喪失する。
    脚本としてはありきたりだが…実に私好みの喜劇だ。そなたはどう思う、先生?

  • 2二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 19:33:04

    ここだけ、マエストロがテイルズサガクロニクルのファンになった世界線

    ただしこれはゲームとしての評価ではなく芸術としての評価であるものとする

  • 3二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 19:33:24

    取り敢えず制作者に評価してくれる人と会ったよって言っとくよ

  • 4二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 19:34:30

    ちゃんとプレイしてるんだな…

  • 5二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 19:38:27

    総力戦 アリス

  • 6二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 19:40:03

    >>4

    誰かが作ったものである以上そこに作品として称賛すべきものがなくても最後まで付き合ってくれるタイプなんだろうってのは分かる

  • 7二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 20:09:38

    マエストロエミュが素晴らしい

  • 8二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 20:20:47

    マエストロエミュとか難解そうなのによくできるな…

  • 9二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 20:23:09

    このマエストロはエド・ウッド映画好きそう

  • 10二次元好きの匿名さん23/11/06(月) 20:56:14

    "(苦悶の顔)…ありがとう。伝えとくね"

  • 11二次元好きの匿名さん23/11/07(火) 07:28:52

    G-bible読んで心から頷いてほしいなこのマエストロ
    陳腐と吐き捨てられるのも至極当然であろう思想ながら
    芸術家の一種であるゲームクリエイターとしての真理そのものでは間違いなくあるのだ

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