「諦めない事に価値なんてないわ」

1二次元好きの匿名さん22/01/02(日) 16:58:37

G1レースを一勝も出来ないままクラシック期を終え、これからどのようなトレーニングを組んでいけば良いのか悩んでいるとキングヘイローが声をかけてきた。
このままレースで勝利する事が出来なければ彼女の担当から外されるばかりか彼女自身の将来にも良い影響を与えないだろう。
「だったら、どうするんだ？このまま諦めるのか？」
彼女にはまだ諦めてほしくない。彼女には才能がある。それを引き出してG1レースで勝利を掴んでほしい。俺のかけた言葉に彼女は呆れたような顔をした。
「…おバカ。諦める、とは言っていないでしょ。私はただ諦めないだけなんて嫌。諦めないで掴み取った勝利にこそ価値があるの。だから、私は諦めないわ。何がなんでも、絶対に。トレーナー、貴方にはその覚悟があるかしら？」
力強く、迷い無く、真っ直ぐにこちらを見つめる彼女の瞳は出会ったばかりのあの頃と何も変わってはいなかった。
ああ、勿論。こちらの答えもあの頃と何も変わってはいない。君と俺、二人は一流のウマ娘とトレーナーなのだから。