- 1二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 21:49:07
「ここはいつも気持ち良い風が吹くね」
「ええ、トレーナーさん、祥風ですね」
穏やかで優しげな風がそよりと青い草原をかけぬけてゆく。
担当ウマ娘のヤマニンゼファーのお願いで、休日に彼女のお気に入りの場所に来ていた。
「では、トレーナーさんお願いします」
ゼファーはそう言って、こちらと距離を空ける。
今日ここに来たのは風を浴びにきたのではない。また、二人で走って一陣の風になりにきたのでもない。
「風となりて」
ゼファーはそう言った後、ふわり、と軽やかな足取りで自分めがけて駆け寄って来る。
その速さは止まることなく、ゼファーは両手を広げて、風となって、自分の胸に飛び込んで来た。
烈しく、自由で、軽やかな風となったゼファーのその身体をしっかりと抱き留める。
お互いに両腕を相手の背中に回して、抱擁する形になりながら、自分は力を込めてゼファーを持ち上げ、くるり、くるりと回る。
何よりも早く、何よりも自由な風ではなく、お互いが信頼できなければできない形のそよ風。そのような風となって、二人きりの世界で風車のように回り続ける。 - 2二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 21:49:24
「ああっ、これが饗の風なのですね」
耳元でぽつりとゼファーの愛らしい声が弾む。彼女の表情はハグしているので見えないが、柔らかい微笑みを浮かべているのだろうか。
回っている間、彼女はいつもとは違う風になったのが楽しいのか、ふふっと楽しげな声を漏らす。
抱き締めたゼファーの身体から小さな温もりや薄茶色の髪からふわりと香る匂いが伝わってくる。それが、今は二人で一つの連なる風になっていることを教えてくれる。
……そうして、ひとしきり風になった後、ゼファーをゆっくりと地面に降ろす。
「ふぅ……、凱風の方、ありがとうございます」
そう礼を言いながらも、彼女は頬を薄紅に染めながら、こちらを見上げて来る。
「饗の風を受けるのがこんなに嬉しいものとは知りませんでした」
喜びの色を瞳に湛えながら、ゼファーは手を胸に当てて微笑む。
その表情に思わず胸がどきりと弾み、心が熱くなる。
二人の間にさらさらと風が過ぎ去っていく。
ゼファーと自分の温かい気持ちを表すような、恵風が吹いたみたいだ。 - 3二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 21:55:33
可愛らしいゼファーと恋人がハグして、回るヤツを組み合わせて書きました
- 4二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 21:58:18
ゼファーはこういうシチュエーション似合うよね
- 5二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 21:58:49
イチャイチャイチャイチャしやがって……(良)
- 6二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 22:01:50
- 7二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 22:02:06
- 8二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 22:21:36
このレスは削除されています
- 9二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 22:55:17
恋人同士ですることぜんぶしろ
- 10二次元好きの匿名さん23/11/13(月) 23:34:04
なんというか、ゼファーがやると画になりそうだよなぁ…