つりびより【ウマウマSS】

  • 1二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:18:19

    「ふんふふ~ん♪」
    ご機嫌に店内を歩き回る。並んでいるのはカラフルな竿とリール、白い光に反射してキラキラと輝いている。
    今度、フラワーと釣りにいく約束をした。
    予備のロッドを買い直すついでに、フラワーでも使えるものにしようと品定めにきていた。
    「……んー、これだとフラワーの手には大きいかな?」
    ロッドを一本一本握って確かめていく。
    繋いだ手の感触を思い出す。あの小さな手でも無理なく握れるようなものを選ばないと。
    ロッドを選んだら次はリール。これも小型なものを選ぶ。
    満足がいくものが選べたら次は仕掛け。フラワーはどういうのを楽しんでくれるだろうか………いいや全部用意しちゃえ。
    「餌はー……うん。見た目がきついのは避けてる方がいいよね」
    水槽で泳ぐちょっとグロテスクなそれから目をそらす。
    細々としたものも買い足して、準備は万端。
    あぁ早く当日にならないかな。

  • 2二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:18:34

    「おまたせしましたっ」
    「うん、それじゃあいこうか」
    朝早く、ベストに帽子、長袖とバッチリ釣りスタイルに着替えたフラワーと合流した。かわいい。
    二人で手を繋いでバスにのる。フラワーが持ってきたバスケットから美味しそうな匂いがした。
    「いい匂いだねー、中身はー?」
    「開けてからのお楽しみです。腕によりをかけましたからっ」
    「ほほー、それは楽しみだー」
    バスに揺れながらそんな話をする。窓の外は少し雲のかかった空。絶好の釣り日和だ。

  • 3二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:18:53

    「よーし、それじゃあ始めるよー」
    「はい、よろしくお願いします」
    堤防の端に、小さな椅子を並べる。
    フラワーがやりたいといったのは投げ釣り。オーソドックスなやつだ。
    釣竿を組み立て、仕掛けと餌をつけて渡す。
    「ありがとう、ございます。えっと、投げたらいいんですよね」
    揺れる釣糸の先に瞳が揺れている。その通りだよーとうなずいて。投げ方を伝えた。はてさて。
    「えーっと、えいっ──きゃっ!」
    糸を放すタイミングが悪かった。針先がフラワーの背中にひっかかっている。
    「あははー、フラワーが釣れちゃったね」
    「あぅ、スカイさんとって、もらえますか?」
    「まかせてー。」
    糸をはずし、そのままフラワーの小さな身体を腕に納める。
    「コツをつかむまで、一緒に投げてみよっか?」
    「……ひゃっ、は、はい…」
    小さな体温を感じながら、一緒の竿を握って投げる。
    二回、私が釣れたあと、針は海原へと飛んでいった。
    「やった!できましたっ」
    無邪気に笑うフラワー、……まぁここから釣れるかどうかは、お魚さんの気分しだいだけどね?

  • 4二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:27:14

    「釣れませんねー……」
    「そんな日もあるよー」
    少ししょんぼりしたフラワーの声。今日のお魚さんは機嫌が悪いらしく、私の方にも当たりはない。
    雲越しの太陽はだんだんと高くなってきていた。
    かからない時間を楽しむのが釣りの醍醐味だけど、せっかくなら釣れてほしいという思いもある。のんびりと待つしかないかな。
    「わ、ぁ、スカイさん、スカイさん、なんかビクビクしています。」
    なんて考えてたらフラワーの方に当たりが来たらしい。
    自分の釣竿を横に置いて、フラワーに近寄る。その間に魚が食いついたのか、ぐぐっとロッドが曲がった。
    「お、食いついたねー。フラワー、巻いて巻いて。」
    「は、はい。」
    小さな手がリールをくるくると回す。少しだけ支えて上げて海の様子を見る。キラリと水面に銀の影が見えた。
    そのまま、巻き取られていく糸にしたがってぐんぐん近づいてくる。最後には──

    「やった!つれました、つれました!」
    花の咲く笑顔のとなりに吊るされた

  • 5二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:33:46

    結局釣果はその一匹だけだった。
    いい時間になったのでフラワーのバスケットからお弁当をだす。カラフルなサンドイッチが並んでいた。
    二人で、手を合わせて。いただきます。
    「フラワー、釣りはどう?楽しい?」
    「…はいっ。釣れないときは少しだけがっかりしましたけど、釣れたら全部吹き飛んじゃいました」
    「そっかー。それはよかった」
    無邪気な笑顔を見ながら、ハムとキュウリの味を噛み締める。水筒から注いだ紅茶をフラワーが渡してくれた。
    「んー、ねぇフラワー。また来たい?」
    「はいっ、スカイさんさえよろしければ、今度はもっとたくさん釣りたいです。」
    「にゃは、そっかー。」
    そういって一緒に笑う。
    次の次のお休みくらいに、誘ってみよう。今度はもっと釣れるといいな、なんて、考えた。

  • 6二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:34:58

    以上、フラウンスのお話でした
    脳破壊されたのでその回復のために書きました

  • 7二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:36:24

    あっ……例の栗毛かな?
    俺も回復したのでありがてぇです

  • 8二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:39:37

    例の栗毛です。
    クズっぽい話からいい話に持っていったあとSSで脳破壊されましたジェットコースターです

  • 9二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:46:05
  • 10二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 01:57:12

    例の栗毛で通るのは草

  • 11二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 02:11:54

    ヒャッハー!新鮮なフラウンスだー!

  • 12二次元好きの匿名さん22/01/04(火) 14:04:29

    いいっすね……

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