- 1二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 16:45:14
1
ダイワスカーレットが生まれてから1年経つか経たないかの頃である。
離乳食も完了期に入り、少し硬い程度の食べ物も何なく食べられるようになっていた。
同年代の子供より首のすわりがしっかりしているスカーレットは、まだスプーンやフォークを握ると力強く暴れがちだが、代わりにアンパンマンの皿に載った離乳食を素手でわっしと掴んでは、目の前の皿が空になるまでもりもり食べる幼児だった。
素手で食べるものだから、勿論手は汚れる。それどころか、食べ終わった頃には口の周りどころか顔中べたべたになっている。贔屓目に見ても、この頃のスカーレットは食べ物を口に運ぶのが下手くそだった。
母親は、毎日毎日顔中べたべたの我が子の、短いツインテールにまで着いた離乳食を拭い取るたびに「今日もよく食べたねぇ、末はG1ウマ娘だねぇ」と飽きもせずよく呟いていた。 - 2二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 16:45:54
2
よく食べるスカーレットはまた、よく寝た。
食べながら寝ることもしばしばあったが、専らは食べ終わってから寝た。
吐き戻しさせない為に背中をぽんぽん叩いていると、寝ながら小さいゲップをする。あまりぽんぽんし過ぎるとくずり出すので注意が必要だ。その辺の塩梅は父親が上手かった。 - 3二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 16:46:35
3
父親がゲップまでさせたあと、特に理由がない限り昼寝は母親が添い寝した。
別に添い寝は父親でも良かったのだが、彼は過去、寝ぼけてピカッと光ることが幾度もあり、その度にスカーレットを起こしては泣かせ、慌ててあやそうとして七色に光って更に泣かせた。
あんまりにも改善しないものだから、父親は娘お昼寝お添寝役御役御免となった。
妻には決して言わないが、光るのは俺のせいではない、とすこし恨んでいる。娘と引き離された男親というのは大概恨めしくなるものなので、これは仕方のないことだった。 - 4二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 16:47:28
4
スカーレットのお昼寝時に父親はやらかしたが、母親も大概やらかした。
特に、抱き抱えるようにして眠っているとお昼寝に失敗することが多い。
というのも、抱かれて眠ると手脚を動かせない代わりに、スカーレットの形の良い耳が夢見にピクピクと動いて母親の鼻の穴をくすぐるのである。するとくしゃみが出る。起きる。泣く。
そういうことが幾度とあり、そして改善されなかった。
昼寝を邪魔されて不機嫌に泣くスカーレットが文句を言うようにあうあうと泣くものだから、言葉を覚えていないのに文句を言うなんてこれはすごいということで、親バカな母親は「賢いねぇ、末は博士か大臣だねぇ」と飽きもせずよく呟いていた。 - 5二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 16:47:56
5
とどのつまり、父親も母親もお昼寝役御役御免なのだった。
多少のドタバタはあれど、ダイワスカーレットの生後1年というのは概ねこの様に平和に過ぎていった。 - 6二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 16:49:15
終わり
そんな小さかったダイワスカーレットもあっという間に12歳の誕生日を迎え、年が明ければ中央トレセン学園に入学する。
母親譲りの賢さであっという間にテーブルマナーを覚え、スプーンを投げることもフォークを曲げることもお箸とお椀を割ることも無くなった。今や食べ物は正確に口へ運ばれる。
娘が、食器を使い綺麗に食事をする。
父親は今更ながら感慨深いといった様子でピカッと光り、母親は「よく食べたねぇ、末はG1ウマ娘だねぇ」とスカーレットが小さい頃から変わらない笑顔で呟いた。 - 7123/11/21(火) 16:50:35
これの、過去編とか未来編とかそういう物が読みたい
俺は書けない
すまないが、誰か代わりによろしく頼む - 8二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 17:01:14
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- 9二次元好きの匿名さん23/11/21(火) 17:13:20
良い概念だ、良い概念だけど
怖い